JP3260404B2 - 耐熱性繊維状有彩顔料 - Google Patents

耐熱性繊維状有彩顔料

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JP3260404B2 JP29776991A JP29776991A JP3260404B2 JP 3260404 B2 JP3260404 B2 JP 3260404B2 JP 29776991 A JP29776991 A JP 29776991A JP 29776991 A JP29776991 A JP 29776991A JP 3260404 B2 JP3260404 B2 JP 3260404B2
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/36Compounds of titanium
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    • C09C1/3653Treatment with inorganic compounds
    • C09C1/3661Coating

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有彩色かつ耐熱性を有
し、プラスチックス、ゴム等のフィラーとして好適な繊
維状顔料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックス、ゴム、紙、塗料等に配
合して有彩的着色を付与するための粉末状色材として
は、従来、無機系、有機系の染料又は顔料が使用されて
いる。例えば、無機系の化粧料用色材としては、タル
ク、カオリン、酸化亜鉛等の粉末粒子の表面にコバルト
クローム、鉄等の金属水酸化物を沈着させ、これを50
0〜1200℃の高温で酸化焼成して発色させたものが
知られている(特開昭54−86633号公報)が、こ
れはメーキャップ用化粧料を目的としたものであり、粒
子基材が不定形粒子であるから、補強性に欠け、プラス
チックスやゴム等のフィラーとしては、強度、寸法安定
性その他成形材料に要求される特性を付与せしめる点で
満足することはできない。
【0003】そこで最近は、チタン酸アルカリを基材と
しその表面を染料、顔料等の着色剤と有機質又は無機質
結合剤とよりなる混合物で被覆し、これを乾燥して固着
させたものが提案されている(特開昭58−19976
7号公報)が、これは使用した樹脂その他結合剤の成分
が含有されるため、高温下の耐熱性を要求される用途に
は変色、黒変その他変質をもたらす原因となるので使用
できない欠点がある。
【0004】また、チタン化合物とカリウム化合物との
混合物に予め着色用金属元素又はその酸化物を配合し、
これを出発原料として溶融法により着色されたチタン酸
カリウムを製造する方法(特開昭64−3017号公
報)も提案されているが、1100℃乃至1400℃に
近い高温下で行なわれるものであり、かつ着色元素の繊
維状結晶内への含有量に限界があり、0.1〜5%の範
囲であるため、着色効果は自ずと制約されるものとな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記のよ
うな従来の問題点を解決するため、鋭意研究の結果、
維状チタン酸カリウム微粒子個々の表面を、着色性黄色
酸化鉄、赤色酸化鉄、黄色酸化ニッケル、濃緑色酸化コ
バルト等の金属酸化物皮膜で被覆することにより、20
0℃以上の高温に耐え、しかも優れた着色性を有し、か
つ着色度合いを任意に設定し得る繊維状有彩顔料が得ら
れる知見を得、本発明を完成した。本発明の目的は、上
記の優れた特性を具備すると共に、プラスチックス等に
対して強度、寸法安定性等の物性の改善に有効な配合材
を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維状有彩顔料
は、上記の目的を達成するため、繊維状チタン酸カリウ
ム微粒子の表面に、黄緑色の酸化ニッケル皮膜、黄色若
しくは赤色の酸化鉄皮膜、濃緑色の酸化コバルトの皮膜
のいずれか一種の皮膜層を形成してなるものである。
【0007】繊維状チタン酸カリウム微粒子の表面に黄
緑色の酸化ニッケルの皮膜層を形成せしめるには、先ず
繊維状チタン酸カリウム微粒子の表面を無電解メッキ法
によりニッケル皮膜を形成し、次いでこれを常法により
濾過、水洗、乾燥して空気雰囲気下の300〜900℃
域内の一定温度下で仮焼すると、繊維状粒子表面のニッ
ケル皮膜は、徐々に空気酸化されて黄緑色の酸化皮膜に
転位して黄緑色の酸化ニッケル皮膜層が形成された繊維
状顔料となる。
【0008】また、酸化鉄の黄色皮膜層、酸化鉄の赤色
皮膜層を有する繊維状有彩顔料を得るには、繊維状チタ
ン酸カリウム微粒子の所定量を一定濃度の塩化第二鉄
(FeCl3 )の水溶液中に懸濁分散し、この分散溶液
を徐々に加温・昇温しつつ塩化第二鉄(FeCl3 )を
徐々に加水分解して生成析出する水和酸化鉄(Fe2
3 ・nH2 O)の超微粒子を繊維状粒子表面に皮膜状に
沈着被覆して、黄色を有する繊維状顔料の懸濁液とな
る。これを常法にて濾過、水洗、乾燥すれば黄色の繊維
状顔料が得られる。これを300〜600℃の域内での
一定温度下で仮焼することで、繊維状粒子表面の黄色の
水和酸化鉄(Fe23 ・nH2 O)皮膜は赤色の酸化
鉄皮膜に転位して、赤色の繊維状顔料となる。
【0009】酸化コバルトの濃緑色皮膜層を有するもの
を得るには、繊維状チタン酸カリウム微粒子の所定量
を、一定濃度の塩化コバルト(CoCl2 )の水溶液中
に懸濁分散せしめ、これを攪拌下50〜95℃範囲内の
一定温度に昇温し、これに別途に用意した一定濃度のア
ンモニアの水溶液を徐々に注加して生成する水酸化コバ
ルトの白色沈澱が再溶解して明るい空色となるpH=
8.5まで連続的に添加する。しかる後、一定濃度の過
酸化水素溶液を徐々に注加しつつ且つアンモニア水溶液
の注加でpHを7.5〜8.5内に維持すると、前記繊
維状粒子の表面に水和酸化コバルト(CoO・nH2
O)の超微粒子が皮膜状に沈着して該繊維状粒子表面を
被覆するため、うぐいす色の繊維状顔料の懸濁液とな
る。これを常法により濾過、水洗し乾燥後、空気酸化雰
囲気下の700〜900℃の域内の一定温度で仮焼する
と、繊維状粒子表面のうぐいす色皮膜は酸化されて酸化
コバルト皮膜に転位し、表面に濃緑色の皮膜層が形成さ
れた繊維状顔料となる。
【0010】本発明に用いられる繊維状チタン酸カリウ
(以下、基体と略記)は通常、平均長さにして20〜
80μm、アスペクト比にして50〜100である。基
体の懸濁濃度は通常0.5〜5.0%が望ましく、また
水溶液系での基体表面への前記水和酸化鉄皮膜、ニッケ
ル皮膜、水和酸化コバルト皮膜等の被覆処理は、通常3
0〜100℃の範囲で1〜10時間の範囲で行なわれ、
その後常法の濾過、水洗を経て80〜120℃域下で熱
風乾燥することで外力的粉砕工程を経ることなしに良好
な粉末状となる。得られた粉末の空気酸化雰囲気下での
仮焼は、回分的にはマッフル電気炉が、連続的にはトン
ネル型プッシャー電気炉が通常使用される。仮焼温度と
しては、ニッケル皮膜を被覆したものは、300〜90
0℃域で、好ましくは600〜800℃の範囲がよい。
水和酸化鉄の皮膜を被覆したものは、300〜600℃
域で、好ましくは400〜500℃の範囲がよい。水和
酸化コバルト皮膜を被覆したものは、700〜900℃
域が好ましい。基体に対する上記夫々の酸化皮膜量比は
0.05〜2.0範囲で相応の着色度のものとなるが、
好ましくは0.1〜1.0内での任意の着色度を設定す
ることがよい。
【0011】
【作用】繊維状チタン酸カリウム微粒子は、プラスチッ
クス、ゴム、紙、塗料等の成形物の補強フィラーとして
広く使用されているが、この繊維状粒子の表面を200
℃以上の高温に耐える有彩色の金属酸化物で皮膜被覆す
ることにより上記成形物の着色、補強を同時に併せもつ
フィラーとして好適なものである。
【0012】
【実施例1】平均長さ40μm、アスペクト比約100
の繊維状チタン酸カリウム25gを、以下の無電解メッ
キ手法にて繊維状粒子表面をニッケルメッキする。繊維
状チタン酸カリウム25gを塩化第一錫(SnCl2
0.75g、35%塩酸(HCl)2.8g、脱イオン
水500mlよりなる感受液中に懸濁し、これを30分
間攪拌混合する。これを濾過して得た湿ったケーキ状物
を塩化パラジウム(PdCl2 )0.015g、35%
塩酸(HCl)0.75g、脱イオン水500mlより
なる活性化液中に再度懸濁、30分間攪拌後再度濾過し
て湿潤ケーキ状にする。これを塩化ニッケル(NiCl
2 ・6H2 O)101g、クエン酸〔HO2 C(OH)
C(CH2 CO2 H)2 ・H2 O〕54g、脱イオン水
2500mlよりなる水溶液中に懸濁する。この懸濁溶
液の攪拌下に、更に5%苛性ソーダ(NaOH)液を徐
々に加えてpHを8.0とし、これにヒドラジン(NH
2 ・NH2 ・H2 O)38g、脱イオン水500mlよ
りなる溶液を徐々に加え、同時に更に5%苛性ソーダ液
を加えてpHを12.5に設定する。後この攪拌下の溶
液を徐々に加温して40℃に昇温、これを維持しつつ無
電解ニッケルメッキ反応を開始し、約3時間後には、繊
維状チタン酸カリウム粒子の表面は金属ニッケル皮膜で
被覆されてメッキ反応は終わる。これを常法にて濾過、
水洗、乾燥すると粉見良好なニッケルメッキの繊維状チ
タン酸カリウム粉末となる。この粉末を空気酸化雰囲気
下のマッフル電気炉内にて、4時間かけて徐々に昇温し
つつ800℃にするとニッケル皮膜は酸化されて黄緑色
の酸化ニッケル皮膜に転位した黄緑色の繊維状顔料約4
9gとなる。
【0013】
【実施例2】平均長さ40μm、アスペクト比約80の
繊維状チタン酸カリウム20g、塩化アルミニウム(A
lCl3 ・6H2 O)0.6g、塩化コバルト(CoC
26H2 O)57.5g、脱イオン水1000mlよ
りなる懸濁液を攪拌しつつこれにアンモニア(NH4
H)0.5%の希薄水溶液約2000mlを徐々に加え
てpHを8.5にする。この溶液を攪拌下徐々に昇温し
て60℃にすると同時に過酸化水素(H22 )0.5
%の希薄水溶液1000mlを1時間かけて徐々に注加
すると、繊維状粒子表面は濃いうぐいす色の水酸化コバ
ルト(CoO・nH2 O)皮膜で被覆される。これを常
法にて濾過、水洗、乾燥し、空気酸化雰囲気下のマッフ
ル電気炉内にて4時間かけて徐々に昇温して900℃に
すると、水和酸化コバルト皮膜は酸化されて濃い緑色の
酸化コバルト(CoO)皮膜に転位した濃緑色の繊維状
顔料約38gとなる。
【0014】
【発明の効果】本発明の耐熱性繊維状有彩顔料は、繊維
状チタン酸カリウム微粒子の表面を、黄色の水和酸化鉄
皮膜、赤色の酸化鉄皮膜、黄緑色の酸化ニッケル皮膜、
濃緑色の酸化コバルト皮膜等で被覆したことにより、耐
熱性を必要とするプラスチックス、ゴム、紙、塗料に配
合使用することで、繊維状物質本来の補強効果に加えて
優れた彩色効果を発現するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 23/00 C09C 1/36 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状チタン酸カリウム微粒子の表面
    、黄緑色の酸化ニッケルよりなる皮膜層を形成したこ
    とを特徴とする黄緑色の耐熱性繊維状顔料。
  2. 【請求項2】 繊維状チタン酸カリウム微粒子の表面
    、黄色又は赤色の酸化鉄皮膜層を形成したことを特徴
    とする黄色又は赤色の耐熱性繊維状顔料。
  3. 【請求項3】 繊維状チタン酸カリウム微粒子の表面
    、濃緑色の酸化コバルトの皮膜層を形成したことを特
    徴とする濃緑色の耐熱性繊維状顔料。
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