JP3259917B2 - アクリル系樹脂成形材料の製造法 - Google Patents

アクリル系樹脂成形材料の製造法

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JP3259917B2 JP32643391A JP32643391A JP3259917B2 JP 3259917 B2 JP3259917 B2 JP 3259917B2 JP 32643391 A JP32643391 A JP 32643391A JP 32643391 A JP32643391 A JP 32643391A JP 3259917 B2 JP3259917 B2 JP 3259917B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系樹脂成形材
料の製造法に関する。詳しく述べると、耐熱性、耐溶剤
性等に優れた成形品の製造を可能とする、粒子状等の形
状に破砕された部分架橋ゲル状重合体よりなる成形材料
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にアクリル系樹脂、特にメチルメタ
クリレートを主成分とするメタクリル系樹脂は、その優
れた耐候性、透明性および卓越した外観等により照明用
カバー、自動車用部品、看板、雑貨等種々の分野で用い
られているが、前記メタクリレート系樹脂は線状重合体
であるために、耐熱性、耐溶剤性、耐衝撃性、表面硬度
が不充分であるという欠点があった。
【0003】このような欠点のうちメタクリル系樹脂の
耐熱性、耐溶剤性を向上することを目的として、従来種
々の方法が提案されており、特に近年の特開昭60−2
02128号公報、特開昭62−1705号公報には、
アルキルメタクリレートを主体とする不飽和単量体と架
橋性単量体よりなる混合物を重合開始剤の存在下に部分
的に重合させて得られる部分架橋ゲル状重合体からなる
成形材料およびその製造方法が提案されている。特に前
記特開昭62−1705号公報には、前記部分架橋ゲル
状重合体の流動性を改良することを目的として、得られ
た重合体をスクリュー、カレンダーロール等の混練機や
ボールミル、カッターミル等の粉砕機を用いて平均粒径
5mm以下に破砕することが記載されている。
【0004】また粒子状のアクリル系樹脂を製造する方
法として、懸濁重合や溶液重合等の方法も知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開昭6
0−202128号公報、特開昭62−1705号公報
の方法では、重合に際して原料を注入するセルを形成す
る為にガスケット等を使用する場合が多く、この場合ガ
スケット周辺に重合遅れが起きやすく、又使用済ガスケ
ット等が産業廃棄物となることが多くこれらの処分等が
必要になるといった問題があった。また粒子状の成形材
料とする為には、重合工程で前記部分架橋ゲル状重合体
を得た後、後工程として別途破砕することが必要であ
り、繁雑であるばかりでなく、前記重合体の移動・移送
や破砕に際して重合体中に含有するモノマー分が揮散す
る等して重合体含有率が変化することがある等の問題点
があった。
【0006】一方懸濁重合法では重合した後に水分を乾
燥する必要があるが、本発明の部分架橋ゲル状重合体で
は未重合のモノマーやオリゴマー分等が含まれており、
通常の方法で乾燥するとモノマー分等も逸散することと
なり目的とする重合体が得られないという問題があっ
た。
【0007】また溶液重合法でも重合した後に溶剤を除
去する必要があるが、本発明の部分架橋ゲル状重合体の
場合には前記と同様、通常の方法ではモノマー分等が逸
散することとなり目的とする重合体が得られないという
問題があった。
【0008】したがって、本発明は、上記問題点を解決
すべく、粒子状等の形状に破砕された部分架橋ゲル状重
合体よりなるアクリル系樹脂成形材料を簡便容易に、し
かもガスケット等の余分な産業廃棄物の発生を抑え均質
に製造することを可能とする製造方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記解決
すべき課題について鋭意検討した結果、前記不飽和単量
体(A)と架橋性単量体(B)の混合物を部分重合させ
る場合、ゲル化初期の重合体はわずかな剪断力で破砕さ
れるので、前記混合物を撹拌しながら重合すると重合の
進行とともに生成するゲルは重合初期の段階より粒子状
等の形状に破砕され、粒子状等の状態を保持しながら重
合が進行することを見い出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の目的は、(A)アルキ
ルメタクリレートを主体とした不飽和単量体40〜99
重量%および(B)架橋性単量体60〜1重量%よりな
重合体を含有しない単量体混合物を重合開始剤の存在
下に部分的に重合させ重合体含有率が重合前の単量体
混合物の重量に対して4〜80重量%である部分架橋ゲ
ル状重合体からなる樹脂成形材料を製造するに際して、
撹拌機を備えた反応器に仕込まれた該単量体混合物を不
活性ガス雰囲気中で撹拌しながら重合させることを特徴
とするアクリル系樹脂成形材料の製造法により達成する
ことができる。
【0011】以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0012】本発明においてアルキルメタクリレートを
主体とする不飽和単量体(A)とは、アルキルメタクリ
レート単独またはアルキルメタクリレートを主成分とし
これと共重合し得る他のα、β−エチレン不飽和単量体
との混合物である。前記単量体もしくは前記単量体混合
物中にこれらの重合体を溶解含有するシラップを使用す
ると、得られるゲル状重合体の粘性が高く、撹拌による
破砕が困難となる為、好ましくない。アルキルメタクリ
レートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−
ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、ジシクロペンテニルメタクリレート等の単独ま
たは混合物であるが、アルキル基の炭素原子数が1〜4
の低級アルキルメタクリレートが好ましく、メチルメタ
クリレートが特に好ましい。
【0013】共重合し得る他の単量体の例としては、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ジシ
クロペンテニルアクリレート等のアルキルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリ
レート等のヒドロキシアルキルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレー
ト等のヒドロキシアルキルメタクリレート、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸ネオジウム、アクリル酸
鉛等のアクリル酸塩、メタクリル酸ネオジウム、メタク
リル酸鉛等のメタクリル酸塩、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、無水マレイン酸等がある。
【0014】また本発明において使用される架橋性単量
体(B)は特に制限はないが、分子内に少なくとも2個
の(メタ)アクリロイル基を有する架橋性単量体である
ことが好ましく、(置換)ポリメチレン骨格、シクロヘ
キサン環含有ポリメチレン骨格、ポリエーテル骨格、ポ
リエステル骨格、ウレタン骨格、ブタジエン骨格等より
選ばれた1種又は2種以上の骨格を有していてもよい。
さらに好ましくは、分子内に少なくとも2個の(メタ)
アクリロイル基を有し、前記(メタ)アクリロイル基の
間に10以下の炭素原子を有する架橋性単量体であり、
例えば化1〜化4で表わされる不飽和単量体である。
【0015】
【化1】
【0016】(ここでnは3〜6の整数であり、MAは
メタクリロイル基を表す。)
【0017】
【化2】
【0018】〔ここで R1はH、CH3、C25、CH2OHの基を R2はH、CH3、CH2OH、CH2OCOCR4=CH2 (R4はH、CH3の基を表す)の基を R3はH、CH3の基をそれぞれ表わしR1、R2およびR
3は同時に水素ではなく、(M)Aはメタクリロイル基
またアクリロイル基を表わす。〕
【0019】
【化3】
【0020】〔ここでnは1または2であり、(M)A
はメタクリロイル基またはアクリロイル基を表わす。〕
【0021】
【化4】
【0022】〔ここでn及びmは1〜3の整数であり、
(M)Aはメタクリロイル基またアクリロイル基を表わ
す。〕
【0023】具体的には、例えば1,3−プロピレング
リコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコー
ルジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジメタ
クリレ−ト、1,3−ブチレングリコ−ルジメタクリレ
−ト、ジメチロールエタンジメタクリレート、1,1−
ジメチロールプロパンジメタクリレート、2,2−ジメ
チロ−ルプロパンジメタクリレート、トリメチロールエ
タントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタン
トリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ
メタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
及び1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シク
ロヘキサン等を挙げることができる。また数種の架橋性
単量体を併用することも可能である。
【0024】これらの架橋性単量体(B)の使用量は1
〜60重量%、好ましくは2〜50重量%、より好まし
くは3〜30重量%である。使用量が1重量%未満では
得られる重合体の粘性が高く、撹拌による破砕が困難で
あるばかりでなく、本発明の成形材料より得られる成形
品の耐熱性、耐溶剤性の向上が十分認められず、一方6
0重量%を超えると本発明の成形材料より得られる成形
品が脆弱となるばかりでなく、成形材料の流動性も悪く
なり成形性が低下する傾向があり好ましくない。
【0025】本発明によるアクリル系樹脂成形材料は、
前記アルキルメタクリレートを主体とする不飽和単量体
(A)と架橋性単量体(B)との混合物を撹拌機を備え
た反応器の中で重合開始剤の存在下に撹拌及び/又は破
砕しながら加熱することにより重合させ、該混合物中に
存在する単量体の全量が反応することなくその一部分が
反応した段階で重合を停止することにより得られる破砕
された部分架橋ゲル状重合体よりなるものである。この
場合、部分架橋ゲル状重合体中に存在する重合体の含有
率は、前記不飽和単量体(A)および架橋性単量体
(B)よりなる単量体混合物の重量に対して4〜80重
量%、好ましくは10〜62重量%、最も好ましくは1
5〜62重量%の範囲内である。
【0026】前記混合物を重合させると、液状の反応液
は次第に粘性を増し徐々にゲル状に変化していくが、や
がて弾性的性質を増してついには固体状態になるという
経過をたどるが、重合初期のゲルはわずかな剪断力で容
易に破砕される性質がある。したがって撹拌しながら重
合を行うと、重合の進行とともに生成するゲルは重合初
期の段階で粒子状等の形状に破砕され、さらに該粒子等
どうしの衝突、摩擦等も付加され微細化される。未反応
単量体等はあたかも該粒子等に付着及び/又は吸収され
たような状態で、粒子等を分散させる液相は実質的にほ
どんどなくなるが、前記粒子化等の後は実質的に所定の
重合体含有率まで重合を進めることができる。
【0027】アクリル系樹脂の重合はいわゆるトリムス
ドルフ効果により急激に発熱する為、有効な除熱により
重合を制御することが重要であり、この為代表的な塊状
重合法である注型重合法においては重合体の厚さを抑え
たり開始剤量を適正化する等して緩やかな重合を行うこ
とにより除熱バランスをとっており生産性が良くない。
これを改良する等の為に懸濁重合法、溶液重合法等が実
施され除熱効率を向上させているが、本発明の成形材料
の製造には前記各方法を用いることができないことは前
述の通りである。また連続塊状重合方法も知られている
が、該方法は、高温高圧下に溶剤存在下、或いは原料モ
ノマーを実質的な溶剤として重合させ、得られる重合体
を前記溶剤等に溶解させて均一系にすることにより除熱
効率を上げ重合を制御する方法であるため、架橋構造を
有する本発明の成形材料の製造に用いることできない。
【0028】本発明の重合法は、実質的に塊状重合の範
ちゅうに属するものであり、何ら溶剤を使用しないし、
また重合により生成する重合体は架橋構造を有する為未
反応の原料モノマー等に実質的に溶解することもないの
で、前記懸濁重合、溶液重合、連続塊状重合のようなメ
カニズムによる除熱は期待できない。しかしながら驚く
べきことに本発明のように撹拌下で重合させ生成するゲ
ル状重合体を初期段階で破砕し粒子等の状態で撹拌する
ことにより、被除熱物である重合体の表面積は増加し有
効な除熱が可能となり重合の制御が容易になることがわ
かった。このため所望の重合体含有率を有する粒子状等
の形状に破砕された部分架橋ゲル状重合体を容易に製造
することができる。
【0029】本発明に使用する撹拌機を備えた反応器は
竪形反応器が好ましく、撹拌機部のシールが充分で、除
熱効率がよい構造等で、前記不飽和単量体と架橋性単量
体との混合物等による腐蝕、侵蝕、生成した重合体粒子
等による摩耗等の少ない材料であれば何ら制限はない
が、ジャケット、及び還流コンデンサーを備えているこ
とが好ましい。また重合温度が100℃を超える場合に
は耐圧容器であることが好ましい。
【0030】本発明の重合は、10〜120℃、好まし
くは50〜90℃の重合温度で10〜200分間、好ま
しくは20〜150分間重合させることにより実施する
ことができる。重合に伴って発生する重合熱は種々の方
法で除去して重合温度を制御することが可能であるが、
例えば前記反応器のジャケットや撹拌機に取付けられた
撹拌軸や撹拌翼等に冷媒等を流す方法、反応器を減圧に
して未反応の単量体の一部を蒸発・還流させ蒸発潜熱と
して除熱する方法等を挙げることができる。またこれら
の各方法を組み合わせることも可能である。
【0031】また本発明に使用する撹拌機は、ゲル化前
の反応液を均一に混合し、重合により生成したゲルを良
好に破砕し、破砕された粒子を良好に撹拌し、さらに伝
熱効率のよい撹拌を可能とするものであれば何ら制限を
受けないが、反応器の壁面に付着する粒子等を除去でき
る構造が好ましい。そのような具体例として、らせん帯
撹拌機、らせん軸撹拌機、いかり型撹拌機、パドル型撹
拌機、くし型撹拌機等及びこれらを組み合わせたり改造
した撹拌機等を挙げることができる。また撹拌軸が自転
しながら公転するスパイラルミキサのようなタイプの撹
拌機を使用することも可能である。
【0032】回転数は前記の混合、破砕、撹拌を効率よ
く行えて良好な伝熱が得られる回転数であれば特に制限
はないが、50〜400rpmが好ましく、100〜3
50rpmが特に好ましい。50rpmより少ないと除
熱効率が十分でなくなる傾向が見られ、一方400rp
mを超えると破砕された粒子等が反応器上方の鏡板等に
飛散・付着しやすくなる。
【0033】以上のような撹拌機及び撹拌条件で重合さ
せることにより、好ましい平均粒子径である2mm以下
の平均粒子径を有する粒子状部分架橋ゲル状重合体を得
ることができる。
【0034】本発明に使用される重合開始剤は、通常の
低温活性重合開始剤および高温活性重合開始剤から選ば
れた一種又は二種以上の混合物を用いることができる。
これらの開始剤は、前記不飽和単量体(A)と架橋性単
量体(B)との混合物に予め配合してから重合を行うこ
とも可能であるし、前記混合物を所定の温度まで昇温し
てから開始剤を添加し重合を行うことも可能である。ま
た前記低温活性重合開始剤だけを使用して重合し、重合
完了後に高温活性重合開始剤を配合することも可能であ
る。
【0035】一般に部分架橋ゲル状重合体の調製には低
温活性重合開始剤が適しており、10時間半減期を得る
ための分解温度が50℃以下、好ましくは26〜45
℃、特に26〜41℃の過酸化物およびアゾ化合物のラ
ジカル重合開始剤が好ましく用いられる。その使用量は
前記不飽和単量体(A)と前記架橋性単量体(B)との
合計量に対して0.0005〜1重量%、好ましくは
0.001〜0.1重量%である。
【0036】このような開始剤としては、例えばアセチ
ルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチ
リルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエー
ト、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n
−プロピルパ−オキシジカーボネート、ジミリスチルパ
ーオキシジカーボネート、ジ−(2−エトキシエチル)
パーオキシジカーボネート、ジ−(メトキシイソプロピ
ル)パーオキシジカーボネ−ト、ジ−(2−エチルヘキ
シル)パーオキシジカーボネート、ジ−(3−メチル−
3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、t−
ブチルパーオキシネオデカノエート、2,2´−アゾビ
ス(4−メトキシ−2.4−ジメチルバレロニトリル)
等を挙げることができる。
【0037】高温活性重合開始剤は本発明においては特
に本発明の成形材料を用いた成形条件下での重合に適し
ており、分解温度が60〜220℃の重合開始剤が好ま
しく、処理サイクルの向上や保存安定性のため60〜1
70℃の分解温度を有する重合開始剤がより好ましい。
その使用量は前記不飽和単量体(A)と前記架橋性単量
体(B)との合計量に対して0.01〜5重量%、好ま
しくは0.02〜4重量%である。
【0038】低温活性および高温活性の両重合開始剤
を併用する場合には、低温活性重合開始剤は部分架橋ゲ
ル状重合体の調製時にはほぼ全量消費されるが、高温活
性重合開始剤はほどんど分解せずに残留しており該成形
材料を用いた成形時に有効に消費される。
【0039】所望の重合体含有率の部分架橋ゲル状重合
体は、急冷などにより重合反応を停止することにより得
ることができるが、さらに前記不飽和単量体(A)と架
橋性単量体(B)との混合物を前記重合開始剤の存在下
に加熱重合させるに当り、次のような調節剤を添加する
ことにより、容易に得ることができる。このような調節
剤は1,4(8)−P−メンタンジエン、2,6−ジメ
チル−2,4,6−オクタトリエン、1,4−P−メン
タジエン、1,4シクロヘキサンジエン、およびα−メ
チルスチレン二量体等である。
【0040】このような調節剤は前記不飽和単量体
(A)と架橋性単量体(B)との合計量に体して0.0
001〜0.5重量%、好ましくは0.001〜0.2
重量%、最も好ましくは0.005〜0.1%の範囲で
使用される。
【0041】また、本発明の部分架橋ゲル状重合体の重
合前の原料混合物中には、必要により連鎖移動剤、着色
剤、充填剤、離型剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加
剤(材)等を配合することができる。さらにまた、前記
添加剤等は、粒子状等の形状に破砕された部分架橋ゲル
状重合体を調製した後に配合することも可能である。
【0042】本発明では、前記不飽和単量体(A)と架
橋性単量体(B)及び重合開始剤や添加剤(材)等を含
有していてもよい混合物を重合するに当り、重合開始前
に減圧にして溶存酸素等を減少させることができる。
【0043】また本発明では、重合反応を阻害する酸素
が前記反応器に滞留したり新らたに混入するのを防止し
たり、又前記混合物より重合の過程で追い出されること
もある酸素を反応器外に追い出しやすくする等の目的で
窒素ガス等の不活性ガスを供給することが必要である。
このような不活性ガスは反応器の空間部に供給すること
ができ、また前記混合物の中に供給したりベントライン
に供給したりすることも可能である。
【0044】本発明の粒子状等の形状に破砕された部分
架橋ゲル状重合体は、そのまま成形に使うことができる
ばかりでなく、粒子等をさらに微細化したり、粒子径を
そろえる等の目的でさらに破砕したりすることも可能で
あり、またその際破砕工程で前記添加剤等や高温活性重
合開始剤等を配合することができる。
【0045】本発明の部分架橋ゲル状重合体よりなる成
形材料は、圧縮成形・押出成形・射出成形等により90
〜180℃、好ましくは90〜150℃の温度で1〜3
0分間、好ましくは2〜15分間加熱処理して所望の成
形品を得ることができる。このようにして得られた成形
品は、耐熱性、耐溶剤性、耐候性に優れた成形品であ
る。また、本発明の成形材料は被覆用または接着用の材
料としても使用可能である。
【0046】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。実施例における部分架橋ゲル状重合体の
重合体含有率の測定は次の方法で行った。
【0047】ソックスレー抽出器にハイドロキノンモノ
メチルエーテル1000ppmを添加溶解したジクロロ
メタン150mlを入れ、抽出用円筒ロ紙の中にゲル状
重合体15gを細片状に入れて、50℃に保たれた恒温
水槽中で20時間還流抽出した後、抽出液を1200m
lのメタノール中に入れてポリマー分を分離し、ロ紙中
のポリマー分と合わせて55℃で恒量になるまで減圧乾
燥し、重合体の重量W(g)を求め次式により算出した。 重合体含有率(%)=(W/ゲル状重合体の重量)×1
00
【0048】実施例1 メチルメタクリレートモノマー975g、ネオペンチル
グリコールジメタクリレート450g、1,4(8)−
P−メンタンジエン0.15g、2,2ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ブタン(PH22と略記する)4.5
g、ジーt−ブチルパーオキサイド(PBDと略記す
る)3gを混合溶解し、加熱・冷却用ジャケット、スパ
イラルミキサタイプの撹拌機(撹拌軸が自転しながら公
転する型式でフック形状の撹拌翼を有する撹拌機)、還
流コンデンサーを備えた内容積5リットルの竪形反応器
の中に前記混合物を供給した。竪形反応器の空間部に1
リットル/minの窒素ガスを供給しながら前記ジャケ
ットに温水を流し、撹拌(自転300rpm、公転13
5rpm)しながら60℃まで昇温した。つづいてメチ
ルメタクリレートモノマー75gと2,2´−アゾビス
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
(V70と略記する)0.03gの混合物を添加し、前
記窒素気流下にて撹拌しながら60℃で1.5時間重合
した後、冷却して平均粒子径が1mm以下の粒子状部分
架橋ゲル状重合体を得た。得られた重合体の重合体含有
率は30%であった。
【0049】参考例1 実施例1で得られた重合体180gを、予め130℃に
加熱された縦250mm、横200mmの金型キャビテ
ィ内に投入し、圧力30kg/cm2で1分間保圧した
後、更に100kg/cm2で20分間保圧してから金
型を100℃まで冷却して金型を開き、板状の成形品を
取り出した。得られた成形品を140℃の熱風オーブン
で10時間加熱した。成形品の熱変形温度(ASTM
D648)は153℃で、耐溶剤性も良好であった。
【0050】実施例2 PH22およびPBDを使用せず、V70の使用量を
0.045gとし、重合時間を1時間とすることを除き
実施例1と同様にして、平均粒子径1mm以下で、重合
体含有率29%の粒子状部分架橋ゲル状重合体を得た。
【0051】参考例2 実施例2の重合体にPH22を0.3重量部、PBD
0.2重量部とを配合し、得られた組成物を180gと
り参考例1と同様にして成形した。成形品の熱変形温度
(ASTM D648)は153℃で耐溶剤性も良好で
あった。
【0052】実施例3 メチルメタクリレートモノマー1050g、ネオペンチ
ルグリコールジメタクリレート450g、1,4(8)
−P−メンタジエン0.15g、4.5gのPH22、
3gのPBD、および0.03gのV70を混合溶解
し、これを実施例1と同じ反応器の中に供給した。反応
器の空間部に1リットル/minの窒素ガスを供給しな
がら前記ジャケットに60℃の温水を流し実施例1と同
様に撹拌しながら1時間重合した後、冷却して平均粒子
径が1mm以下の粒子状部分架橋ゲル状重合体を得た。
得られた重合体の重合体含有率は24%であった。
【0053】実施例4 反応器の内圧を200mmHgとして、V70の使用量
を0.045gとすることを除き、実施例1と同様にし
て重合し、平均粒子径1mm以下で重合体含有率34%
の粒子状部分架橋ゲル状重合体を得た。
【0054】実施例5 メチルメタクリレートモノマー675g、ネオペンチル
グリコールジメタクリレート37.5g、1,4(8)
−P−メンタジエン0.075gを混合溶解し、加熱・
冷却用ジャケット、らせん帯撹拌機、還流コンデンサー
を備えた内容積2.5リットルの竪形反応器の中に供給
した。反応器の空間部に0.6リットル/minの窒素
ガスを供給しながら前記ジャケットに温水を流し、撹拌
(100rpm)しながら60℃まで昇温した。つづい
てメチルメタクリレートモノマー37.5gと0.04
1gのV70との混合物を添加し、前記窒素気流下にて
撹拌しながら60℃で1時間重合した後、冷却して平均
粒子径が2mm以下の粒子状部分架橋ゲル状重合体を得
た。得られた重合体の重合体含有率は22%であった。
【0055】比較例1 空間部へ窒素ガスを供給しないことを除き実施例1と同
様に重合したが、反応液は液状ないし粘性を帯びた液の
ままで、ゲル状重合体は得られなかった。
【0056】比較例2 原料のメチルメタクリレートモノマーを、メチルメタク
リレートモノマーにメチルメタクリレートの重合物を1
0%溶解し度10ポイズに調製したシラップに代える
ことを除き実施例1と同様に重合したが、反応により生
成するゲル状重合体は撹拌翼等に付着したりからみつ
き、粒子状等に破砕された部分架橋ゲル状重合体は得ら
れなかった。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように本発明の製造法によ
、反応液である単量体混合物は重合反応の過程で次第
に粘性を増しやがてゲル化するが、ゲル化の初期の段
階で重合体は破砕されて粒子状等の形状となり、さらに
破砕物どうしの衝突や摩擦等も付加されて微細化されな
がら、粒子等の状態を保ったまま所定の重合体含有率ま
で重合が進行するので、簡便にて粒子状等の形状に破砕
された部分架橋ゲル状重合体よりなる成形材料を製造す
ることができる。
【0058】しかも粒子状等の形状に破砕された状態で
重合反応を進める為、被冷却物質となる重合体の表面積
が大きくなり、重合熱の除去が容易となるので、暴走反
応の危険性が軽減するばかりでなく、所望の重合体含有
率を有する重合体を容易に製造することが可能である。
【0059】また本発明の方法では、ガスケット等を使
用して重合用のセルを形成する必要がないのでガスケッ
ト等の余計な産業破棄物を排出することもなく環境保護
の面からも好ましい。
【0060】以上のように、本発明の方法は、粒子状等
の形状に破砕された部分架橋ゲル状重合体よりなる成形
材料を簡便、容易に、しかも安全に製造することが可能
であり産業上有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 220/00 - 220/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルキルメタクリレートを主体と
    した不飽和単量体40〜99重量%および(B)架橋性
    単量体60〜1重量%よりなる重合体を含有しない単量
    混合物を重合開始剤の存在下に部分的に重合させ
    合体含有率が重合前の単量体混合物の重量に対して4〜
    80重量%である部分架橋ゲル状重合体からなる樹脂成
    形材料を製造するに際して、撹拌機を備えた反応器に仕
    込まれた該単量体混合物を不活性ガス雰囲気中で撹拌し
    ながら重合させることを特徴とするアクリル系樹脂成形
    材料の製造法。
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