JP3257733B2 - 1,3−オキサジン−4−オン誘導体の製造方法 - Google Patents

1,3−オキサジン−4−オン誘導体の製造方法

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JP3257733B2
JP3257733B2 JP26781293A JP26781293A JP3257733B2 JP 3257733 B2 JP3257733 B2 JP 3257733B2 JP 26781293 A JP26781293 A JP 26781293A JP 26781293 A JP26781293 A JP 26781293A JP 3257733 B2 JP3257733 B2 JP 3257733B2
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英二 谷山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1,3-ジオキサン-4-オ
ン誘導体の製造方法に関し、さらに詳しくは下記一般式
(1)
【0002】
【化4】
【0003】(式中、R1は低級アルキル基、低級アル
ケニル基、低級アルキニル基、置換されていてもよいア
リール基または置換されていてもよいアラルキル基を表
し;R2は水素原子または低級アルキル基を表し;R3
低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基また
置換されていてもよいアラルキル基を表し;R4および
5は互いに独立して低級アルキル基を表すか、或いは
4とR5はこれらが結合している炭素原子と一緒になっ
て、低級アルキル基の分岐を有していてもよい3〜8員
の炭素環式基を形成していてもよい)で示される除草剤
として有用な1,3-オキサジン-4-オン誘導体(特願平
4−40108号明細書参照)の新規な製造方法に関す
る。
【0004】
【従来の技術】1,3-ジオキサン-4-オン誘導体の製造
方法として、従来、CN二重結合を有する化合物に対
し、ジケテン類(ACC、Chem.Res.,26
5(1974)、2-ジアゾ-1,3-ジケトン類(Che
m.Ber.109,2456(1976))、アジピ
ン酸ジクロリド類(Chem.Ber.105,137
(1972))、2,3-ジヒドロフラン-2,3-ジオン
類(Liebigs Ann.Chem.1751(1
977))、1,3-ジオキシン-4-オン誘導体(Che
m.Ber.105,137(1972)、Chem.
Pharm.Bull.31(6)1902(198
3))等を作用させるこ方法が知られている。これらの
原料化合物はそれぞれ以下に述べるような問題を有して
おり、例えば、ジケテン類、2-ジアゾ-1,3-ジケトン
類は不安定であり、取扱いや輸送に問題がある。また、
カルボニル炭素上の置換基が異なる2-ジアゾ-1,3-ジ
ケトン類を用いた場合、得られる生成物は置換基の位置
が互いに異なる2種の異性体混合物となり、アジピン酸
ジクロリド類を用いた場合、生成物の骨格が限定され
る。さらに、2,3-ジヒドロフラン-2,3-ジオン類は
その合成原料として高価なシリルエノールエーテルが必
要であり、経済的に1,3-オキサジン-4-オン誘導体を
得るための原料としては不適当である。
【0005】1,3-ジオキシン-4-オン誘導体はまた、
種々のβ-ケトエステル類から合成することができる。
例えばChem.Pharm.Bull.31(6)1
896(1983)は、β-ケトエステルを濃硫酸によ
り加水分解してβ-ケト酸とした後、無水酢酸および硫
酸の存在下にアセトンを作用させることにより、2,2-
ジメチル-1,3-ジオキシン-4-オン類を得る方法が開
示されている。しかし硫酸による加水分解反応は収率が
低いことに加え、多量の酸廃水が生じる。また、β-ケ
ト酸は容易に脱炭酸反応を起こすため工業的な取扱いが
困難であるという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた如き背景
の下、本発明は、安価な原料を用い、不安定な中間体を
経由すること無く、経済的かつ工業的に実施容易な態様
で前記一般式(1)の1,3-オキサジン-4-オン誘導体
の製造する方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(2)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1、R2は前記と同義であり、R
6は低級アルキル基を表す)で示される化合物と下記一
般式(3)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R3、R4、R5は前記と同義であ
る)で示される化合物を反応させることを特徴とする下
記一般式(1)で示される1,3-オキサジン-4-オン誘
導体の製造方法が提供される。
【0012】本明細書において、「低級」なる語は、こ
の語が付された基又は化合物の炭素数が6以下であるこ
とを意味する。
【0013】「低級アルキル基」は直鎖状または分岐鎖
状のいずれであってもよく、具体的には、メチル、エチ
ル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチ
ル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-
ヘキシル基等を例示することができ、特にR6において
はメチル、エチル基が好適である。
【0014】「低級アルケニル基」は直鎖状または分岐
鎖状のいずれであってもよく、具体的には、アリル、2
-メチル2-プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、3
-メチル-2-ブテニル基等を例示することができる。
【0015】「低級アルキニル基」は直鎖状又は分岐鎖
状のいずれであってもよく、具体的には、2-プロピニ
ル、1-メチル-2-プロピニル、2-ブチニル、3-ブチ
ニル基等を例示することができる。
【0016】「アリール基」は単環式又は多環式のいず
れであってもよく、具体的には、フエニル、ナフチル等
を例示することができる。「置換されていてもよいアリ
ール基」における芳香環上の置換基としては、例えば、
ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級ハロアルキル
基、低級ハロアルコキシ基、ニトロ基等を挙げることが
でき、該アリール基はこれら置換基の少なくとも1個、
好ましくは1〜4個、特に1〜3個により置換されてい
ることができる。そのような置換されたアリール基とし
て、具体的には、3-クロロフエニル、3,5-ジメチル
フエニル、3,5-ジクロロ-4-メトキシフエニル、2-
フルオロフエニル、4-クロロ-2-ナフルチ、2-トルイ
ル、3-トルイル、3,5-ジクロロ-4-メチルフエニ
ル、3,5-ジイソプロピルフエニル、3,5-ジクロロフ
エニル、3,5-ジメトキシフエニル、3,5-ビス(ジフ
ルオロメトキシ)フエニル、3-ニトロフエニル、3-
(トリフルオロメチル)フエニル、3-(2-クロロエチ
ル)フエニル、3,5-ビス(3-ブロモプロピル)フエ
ニル、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)フエニル、
3,5-ジエチルフエニル、3,5-ジブロモフエニル、
3,5-ジヨードフエニル、3,4,5-トリブロモフエニ
ル、3-クロロ-2-フルオロフエニル、3,5-ジクロロ-
2-フルオロフエニル、2,6-ジフルオロ-3-クロロフ
エニル、2,6-ジフルオロ-3,5-ジクロロフエニル、
2,3,5-トリフルオロフエニル、3-フルオロ-4-メチ
ルフエニル、3,5-ジフルオロ-4-メチルフエニル、
3,5-ジフルオロ-4-メトキシフエニル、4-メチル-
3,5-ビス(トリフルオロメチル)フエニル、4-メト
キシ-3-(トリフルオロメチル)-フエニル基等を例示
することができる。
【0017】「ハロゲン原子」にはフッ素、塩素、臭素
及びヨウ素の4種が包含され、また、「低級アルコキシ
基」は低級アルキル基部分が前記の意味を有する低級ア
ルキル-O-基であり、具体的には、メトキシ、エトキ
シ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イ
ソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n
-ペントキシ基等を例示することができる。
【0018】「低級ハロアルキル基」は低級アルキル基
の水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子で置換され
ている基であり、具体的には、例えばブロモメチル、ジ
クロロメチル、トリフルオロメチル、2-ヨードエチ
ル、1-クロロエチル、3-クロロプロピル、2-メチル-
2-クロロプロピル、2,2,2-トリフルオロエチル基等
を挙げることができる。
【0019】「低級ハロアルコキシ基」は低級アルコキ
シ基の水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子で置換
されている基であり、具体的には、トリフルオロメトキ
シ、ジフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、
2-クロロエトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエト
キシ、3-クロロプロポキシ、2,2,3,3,3-ペンタフ
ルオロプロポキシ基等を例示することができる。
【0020】「アラルキル基」はアリール基部分及び低
級アルキル基部分がそれぞれ前記の意味を有するアリー
ル基置換された低級アルキル基であり、例えば、ベンジ
ル、フエネチル、3-フエニルプロピル、4-フエニルブ
チル基等が包含される。そして「置換されていてもよい
アラルキル基」は、アリール基部分が上記の如き「置換
されていてもよいアリール基」であるアリール基置換さ
れた低級アルキル基であり、例えば、(2-クロロフエ
ニル)メチル、1-(3-クロロフエニル)エチル、1-
メチル-1-フエニルエチル、1-メチル-2-フエニルエ
チル、1-エチル-2-(3-トリフルオロメチルフエニ
ル)エチル、(2-ジフルオロメトキシフエニル)メチ
ル基等が挙げられる。
【0021】前記式(1)又は(3)において、R4
5がこれらが結合している炭素原子と一緒になって形
成しうる「低級アルキル基の分岐を有していてもよい3
〜8員の炭素環式基」には、例えば、シクロプロピル、
シクロブチル、シクロベンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチル、シクロオクチル、2,2-ジメチルシクロプ
ロピル、3,5-ジエチルシクロヘキシル基等の低級アル
キル基で置換されていてもよいシクロアルキル基が包含
される。
【0022】本発明の方法により提供される前記式
(1)の化合物中、好適な群の化合物には、R1が分岐
鎖状の低級アルキル基(例えば、イソプロピル、イソブ
チル基など)、又はハロゲン原子及び低級アルキル基よ
りなる群から選ばれる1個の置換基で置換されていても
よいフエニル基を表わし;R2がメチル基又はエチル基
を表わし;R3がハロゲン原子、低級ハロアルキル基及
び低級ハロアルコキシ基よりなる群から選ばれる1〜3
個の置換基で置換されていてもよいアリール基を表わ
し;R4及びR5がメチル基を表わす、式(1)の化合物
が包含される。
【0023】さらに好適な式(1)の化合物は、下記式
(4)
【0024】
【化7】
【0025】式中、R7はメチル基又はエチル基を表わ
し;Xはハロゲン原子又は低級アルキル基を表わし;Y
はハロゲン原子、低級ハロアルキル基及び低級ハロアル
コキシ基を表わし;mは0、1、2又は3であり;nは
0又は1である、で示される化合物である。
【0026】式(1)の化合物として、具体的には、6
-メチル-3-[1-メチル-1-(3,5-ジクロロフエニ
ル)エチル]-5-フエニル-2,3-ジヒドロ-4-1,3
-オキサジン-4-オン、6-メチル-3-[1-メチル-1-
(3-クロロフエニル)エチル]-5-フエニル-2,3-ジ
ヒドロ-4-1,3-オキサジン-4-オン、6-メチル-3
-[1-メチル-1-(3,5-ジクロロフエニル)エチル]
-5-(2-フルオロ)フエニル-2,3-ジヒドロ-4-
1,3-オキサジン-4-オン、3-[1-メチル-1-(3,
5-ジクロロフエニル)エチル]-5-フエニル-2,3-ジ
ヒドロ-4-1,3-オキサジン-4-オン、6-メチル-3
-[1-メチル-1-フエニルエチル]-5-フエニル-2,3
-ジヒドロ-4-1,3-オキサジン-4-オン、6-メチル
-3-[1-メチル-1-(3-トリフルオロフエニル)エチ
ル]-5-フエニル-2,3-ジヒドロ-4-1,3-オキサ
ジン-4-オン、6-メチル-3-[1-メチル-1-(3,5-
ジメチルフエニル)エチル]-5-フエニル-2,3-ジヒ
ドロ-4-1,3-オキサジン-4-オン、6-メチル-3-
[1-メチル-1-(3,5-ジクロロ-4-メトキシフエニ
ル)エチル]-5-フエニル-2,3-ジヒドロ-4-1,3
-オキサジン-4-オン、6-メチル-3-[1-メチル-1-
ナフチルエチル]-5-フエニル-2,3-ジヒドロ-4-
1,3-オキサジン-4-オン等を例示することができる。
【0027】本発明の方法において原料化合物として用
いられる前記式(2)のβ-ケトエステル類は、それ自
体既知の化合物であり、或いはそれ自体既知の方法、例
えばOrganic Reactions 第1巻 2
66頁(1942年)において開示されているように、
対応する2種のエステル類の塩基触媒下における縮合反
応いわゆるクライゼン縮合反応等の方法により容易に合
成できるものである。得られるβ-ケトエステル類は精
製品として、或いはクライゼン縮合反応の後処理品から
溶媒を留去しただけの粗製品のまま本発明の方法に用い
ることができる。クライゼン縮合反応においては、原料
化合物の種類により、エステル部の置換基の異なるケト
エステルの混合物として得られる場合があるが、このよ
うな混合物の使用も本発明に含まれる。
【0028】式(2)の化合物の具体例としては、α-
アセチルフエニル酢酸エチルエステル、α-アセチルフ
エニル酢酸メチルエステル、α-アセチル-(2-フルオ
ロ)フエニル酢酸エチルエステル、α-ホルミル-フエニ
ル酢酸エチルエステル等を例示することができる。
【0029】本発明の方法のもう一方の原料化合物であ
る前記式(3)のイミン類は、それ自体既知の化合物で
あり、或いはそれ自体既知の方法、例えば特開昭56−
49344号公報に記載の方法で製造することができ、
具体的には、対応するアミン類とホルムアルデヒドとの
縮合反応により合成することができる。ホルムアルデヒ
ドは水溶液もしくはトリオキサン、パラホルムアルデヒ
ドのようなオリゴマーの形態であるものを用いることが
できる。水の残留は本発明に対し悪影響を及ぼすので、
アミン類に対しホルムアルデヒドを反応させた後、生成
する水および溶媒の水(水溶液を用いる場合)を分離さ
せてから本発明に用いる。イミン類は溶液のまま用いる
ことができ、単離する必要はない。従って、本発明の方
法はアミン類から始めて単一の反応器(ワン・ポットプ
ロセス)で連続的に行うことができる。
【0030】式(3)の化合物として、具体的には、N
-メチレン-1-メチル-1-フエニルエチルアミン、N-メ
チレン-1-メチル-1-(3-クロロフエニル)エチルア
ミン、N-メチレン-1-メチル-1-(3,5-ジクロロフ
エニル)エチルアミン、N-メチレン-1-メチル-1-
(3,5-ジメチルフエニル)エチルアミン、N-メチレ
ン-1-メチル-1-(3,5-ジクロロ-4-メトキシフエニ
ル)エチルアミン、N-メチレン-1-メチル-1-ナフチ
ルエチルアミン等を例示することができる。これらの化
合物は常温において単量体と3量体の平衡混合物もしく
は完全な3量体になっていることが知られているが、こ
れら混合物および3量体の使用もまた本発明の範囲に含
まれる。
【0031】本発明において用いる式(2)のβ-ケト
エステル類と式(3)のイミン類の使用割合は特に制限
されるものではなく、これら化合物の種類や反応条件等
に応じて広い範囲から選択することができるが、経済的
な観点から通常はイミン類1モルに対してβ-ケトエス
テル類を0.5〜2モル、好ましくは0.8〜1.2モル
の範囲内で用いるのが好ましい。
【0032】本発明において、原料化合物の反応器への
投入順序は特に制限されないが、特にイミン類を反応温
度付近に昇温させておき、ここにケトエステル類を投入
する方法が好適である。
【0033】本発明の方法は溶媒の存在下もしくは不存
在下で実施することができる。使用する溶媒は下記反応
温度範囲内に沸点を有し、かつ原料化合物を溶解し得る
ものであればよいが、特に、芳香族系もしくは脂肪族系
炭化水素溶媒が好適である。具体的には、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、オクタン、ノナン、デカン等
および前記反応温度を沸点範囲として有する混合炭化水
素溶媒を例示することができる。特に、脂肪族系炭化水
素溶媒を用いると、生成物の脂肪族炭化水素溶媒に対す
る溶解度が低く、反応混合物を冷却しただけで目的物を
晶出せしめることができるので、製造上有利である。
【0034】本発明においては、反応の進行に伴い、原
料のケトエステルのエステル部のアルコールが遊離す
る。このアルコールを反応混合物より連続的又は間欠的
に除去することにより、反応を効率的に進めることがで
きる。例えば、アルコールの沸点が原料化合物や溶媒の
沸点に比べて低くなるような態様で製造を実施すること
により、発生するアルコールを反応器塔頂より容易に除
去することができる。アルコールを効率的に除去する方
法としては、不活性ガスを反応器内に流通させて除去す
る方法、溶媒を用いる場合には溶媒とともに共沸的にア
ルコールを除去する方法等が有効である。
【0035】本発明の方法を実施する場合の反応温度範
囲としては、一般に、100〜250℃、好ましくは1
30〜180℃の範囲を例示することができるが、実際
的には用いる溶媒の還流温度および圧力により規定され
る。
【0036】本発明の方法を実施する場合の圧力には特
に制限はなく、上記の反応温度が維持できればよい。例
えば無溶媒条件において減圧下で反応を行うことによ
り、先に述べたアルコールの除去を効率的に進めること
ができる。また、溶媒の存在下において加圧下で反応さ
せることにより、常圧では沸点が低すぎる溶媒を所望の
反応温度で用いることもできる。
【0037】反応時間は1〜100時間程度であり、通
常は2〜10時間で完結させることができる。
【0038】生成する式(1)の化合物の反応混合物か
らの分離、精製は以下に述べる方法により容易に行うこ
とができる。例えば、脂肪族炭化水素溶媒等の目的物に
対する溶解度の低い溶媒を用いた場合には、反応混合物
を冷却しただけで目的物が晶出するので、これを濾別す
ればよい。上記以外の溶媒を用いた場合又は溶媒を用い
なかった場合には、反応混合物に対し、必要に応じて濃
縮した後、脂肪族炭化水素溶媒等の目的物に対する溶解
度の低い溶媒を添加することにより、目的生成物を晶出
せしめることができる。
【0039】反応混合物から分離された目的生成物は、
必要により、それ自体既知の方法、例えば、再結晶、ク
ロマトグラフイー等により精製することができる。
【0040】本発明の方法により製造される前記式
(1)の化合物は、顕著な選択的除草活性を有してお
り、有用作用に対して薬害を与えることなく、種々の雑
草に対して極めて低い薬量で優れた除草活性を発揮し除
草剤として有用である。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定され
るものではない。
【0042】実施例1 N-メチレン-1-メチル-1-(3,5-ジクロロフエニ
ル)エチルアミン0.893g(純度87%、3.59m
M)およびα-アセチル-フエニル酢酸エチルエステル
0.850g(4.12mM)をノナン10mlに加え、反
応器上部に窒素ガスを循環させ、還流下6時間反応を行
った。反応混合物を冷却し、得られた結晶を濾別するこ
とにより、6-メチル-3-[1-メチル-1-(3,5-ジク
ロロフエニル)エチル]-5-フエニル-2,3-ジヒドロ-
-1,3-オキサジン-4-オン1.16g(純度98.
4%、対イミン収率84.0%)を得た。
【0043】 NMR:1.74ppm(s,CH3,6H) 1.94ppm(s,CH3,3H) 5.28ppm(s,CH2,2H) 7.2-7.4ppm(m,ArH,8H) IR: 1645cm-1 1560cm-1 1395cm-1 1355cm-1 mp: 148.0-150.5℃ 実施例2 N-メチレン-1-メチル-1-(3,5-ジクロロフエニ
ル)エチルアミン0.802g(純度87%、3.23m
M)、α-アセチル-フエニル酢酸メチルエステル0.7
37g(純度98%、3.76mM)およびキシレン1
5mlをデイーンスターク管を取り付けた反応装置に仕
込み、常圧下でキシレンを留去しながら7時間反応を行
った。反応終了後、ヘキサン15mlを加え4℃まで冷
却し、得られた結晶を濾別することにより、6-メチル-
3-[1-メチル-1-(3,5-ジクロロフエニル)エチ
ル]-5-フエニル-2,3-ジヒドロ-4-1,3-オキサ
ジン-4-オン1.08g(純度97%、収率86.0%)
を得た。
【0044】 NMR:1.74ppm(s,CH3,6H) 1.94ppm(s,CH3,3H) 5.28ppm(s,CH2,2H) 7.2-7.4ppm(m,ArH,8H) IR: 1645cm-1 1560cm-1 1395cm-1 1355cm-1 mp: 148.0-150.5℃ 実施例3 1-メチル-1-(3,5-ジクロロフエニル)エチルアミ
ン1.01g(4.75mM)にノナン10mlを加え、
ここに37%ホルマリン0.427gを加え、室温にて
2時間反応させた。ホルマリン層を分離した後、減圧下
に水をノナンとともに共沸留去した。得られたイミンの
ノナン溶液を常圧下で還流させているところへα-アセ
チル-フエニル酢酸エチルエステル0.980g(4.7
5mM)を加え、3.5時間反応させた。反応混合物を
冷却し、得られた結晶を濾別することにより、6-メチ
ル-3-[1-メチル-1-(3,5-ジクロロフエニル)エ
チル]-5-フエニル-2,3-ジヒドロ-4-1,3-オキ
サジン-4-オン1.16g(純度98.4%、収率84.
0%)を得た。
【0045】 NMR:1.74ppm(s,CH3,6H) 1.94ppm(s,CH3,3H) 5.28ppm(s,CH2,2H) 7.2-7.4ppm(m,ArH,8H) IR: 1645cm-1 1560cm-1 1395cm-1 1355cm-1 mp: 148.0-150.5℃ 実施例4 N-メチレン-1-メチル-1-(3,5-ジクロロフエニ
ル)エチルアミン250mg(純度87%、1.0m
M)、α-ホルミル-フエニル酢酸エチルエステル190
mg(純度99%、1.0mM)およびキシレン5ml
をデイーンスターク管を取り付けた反応装置に仕込み、
常圧下でキシレンを留去しながら7時間反応を行った。
反応終了後、ヘキサン5mlを加え4℃まで冷却し、得
られた結晶を濾別することにより、3-[1-メチル-1-
(3,5-ジクロロフエニル)エチル]-5-フエニル-2,
3-ジヒドロ-4-1,3-オキサジン-4-オン79mg
(純度99%、収率23%)を得た。
【0046】 NMR:1.76ppm(s,CH3,6H) 5.31ppm(s,CH2,2H) 7.2-7.4ppm(m,ArH,CH,9H) mp: 162.5-164.5℃ 実施例5 N-メチレン-1-メチル-1-フエニルエチルアミン16
3mg(純度90%、1.0mM)、α-アセチル-フエ
ニル酢酸エチルエステル206mg(純度99%、1.
0mM)およびキシレン5mlを用い、実施例4と同様
に反応を行った。反応終了後、ヘキサン5mlを加え4
℃まで冷却し、得られた結晶を濾別することにより、6
-メチル-3-[1-メチル-1-フエニルエチル]-5-フエ
ニル-2,3-ジヒドロ-4-1,3-オキサジン-4-オン
246mg(純度99%、収率80%)を得た。
【0047】 NMR:1.80ppm(s,CH3,6H) 1.85ppm(s,CH3,3H) 5.00ppm(s,CH2,2H) 7.2-7.4ppm(m,ArH,10H) IR: 1660cm-1 1395cm-1 mp: 94.0-96.0℃ 実施例6 N-メチレン-1-メチル-1-(3-クロロフエニル)エチ
ルアミン201mg(純度90%、1.0mM)、α-ア
セチル-フエニル酢酸エチルエステル206mg(純度
99%、1.0mM)およびキシレン5mlを用い、実
施例4と同様に反応を行った。反応終了後、ヘキサン5
mlを加え4℃まで冷却し、得られた結晶を濾別するこ
とにより、6-メチル-3-[1-メチル-1-(3-クロロ
フエニル)エチル]-5-フエニル-2,3-ジヒドロ-4
-1,3-オキサジン-4-オン280mg(純度99%、
収率82%)を得た。
【0048】 NMR:1.77ppm(s,CH3,6H) 1.91ppm(s,CH3,3H) 5.18ppm(s,CH3,2H) 7.10-7.42ppm(m,ArH,9H) mp: 66.5-68.5℃ 実施例7 N-メチレン-1-メチル-1-(3-トリフルオロフエニ
ル)エチルアミン239mg(純度90%、1.0m
M)、α-アセチル-フエニル酢酸エチルエステル206
mg(純度99%、1.0mM)およびキシレン5ml
を用い、実施例4と同様に反応を行った。反応終了後、
ヘキサン5mlを加え4℃まで冷却し、得られた結晶を
濾別することにより、6-メチル-3-[1-メチル-1-
(3-トリフルオロフエニル)エチル]-5-フエニル-
2,3-ジヒドロ-4-1,3-オキサジン-4-オン304
mg(純度99%、収率81%)を得た。
【0049】 NMR:1.81ppm(s,CH3,6H) 1.89ppm(s,CH3,3H) 5.08ppm(s,CH2,2H) 6.90-7.05ppm(m,ArH,3H) 7.20-7.43ppm(m,ArH,6H) mp: 67.5-72.0℃ 実施例8 N-メチレン-1-メチル-1-(3,5-ジメチルフエニ
ル)エチルアミン194mg(純度90%、1.0m
M)、α-アセチル-フエニル酢酸エチルエステル206
mg(純度99%、1.0mM)およびキシレン5ml
を用い、実施例4と同様に反応を行った。反応終了後、
ヘキサン5mlを加え4℃まで冷却し、得られた結晶を
濾別することにより、6-メチル-3-[1-メチル-1-
(3,5-ジメチルフエニル)エチル]-5-フエニル-2,
3-ジヒドロ-4-1,3-オキサジン-4-オン278m
g(純度99%、収率83%)を得た。
【0050】 NMR:1.80ppm(s,CH3,6H) 1.89ppm(s,CH3,3H) 2.32ppm(s,CH3,6H) 5.03ppm(s,CH2,2H) 6.86-7.36ppm(m,ArH,8H) mp: 123.5-127.0℃ 実施例9 N-メチレン-1-メチル-1-(3,5-ジクロロ-4-メト
キシフエニル)エチルアミン273mg(純度90%、
1.0mM)、α-アセチル-フエニル酢酸エチルエステ
ル206mg(純度99%、1.0mM)およびキシレ
ン5mlを用い、実施例4と同様に反応を行った。反応
終了後、ヘキサン5mlを加え4℃まで冷却し、得られ
た結晶を濾別することにより、6-メチル-3-[1-メチ
ル-1-(3,5-ジクロロ-4-メトキシフエニル)エチ
ル]-5-フエニル-2,3-ジヒドロ-4-1,3-オキサ
ジン-4-オン345mg(純度99%、収率85%)を
得た。
【0051】 NMR:1.73ppm(s,CH3,6H) 1.93ppm(s,CH3,3H) 3.88ppm(s,CH3,3H) 6.25ppm(s,CH2,2H) 7.27ppm(s,ArH,2H) 7.20-7.36ppm(m,ArH,5H) mp: 149.5-151.5℃ 実施例10 N-メチレン-1-メチル-1-ナフチルエチルアミン21
9mg(純度90%、1.0mM)、α-アセチル-フエ
ニル酢酸エチルエステル206mg(純度99%、1.
0mM)およびキシレン5mlを用い、実施例4と同様
に反応を行った。反応終了後、ヘキサン5mlを加え4
℃まで冷却し、得られた結晶を濾別することにより、6
-メチル-3-[1-メチル-1-ナフチルエチル]-5-フエ
ニル-2,3-ジヒドロ-4-1,3-オキサジン-4-オン
282mg(純度99%、収率79%)を得た。
【0052】 NMR:1.90ppm(s,CH3,3H) 1.93ppm(s,CH3,6H) 5.07ppm(s,CH2,2H) 7.21-7.36ppm(m,ArH,5H) 7.42-7.52ppm(m,ArH,2H) 7.61ppm(dd,1H) 7.78-7.88ppm(m,ArH,4H) mp: 77.0-81.0℃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 265/06 A01N 43/86 101 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1.下記一般式(2) 【化1】 (式中、R1は低級アルキル基、低級アルケニル基、低
    級アルキニル基、置換されていてもよいアリール基また
    は置換されていてもよいアラルキル基を表し;R2は水
    素原子または低級アルキル基を表し;R6は低級アルキ
    ル基を表す)で示される化合物と下記一般式(3) 【化2】 (式中、R3は低級アルキル基、置換されていてもよい
    アリール基または置換されていてもよいアラルキル基を
    表し;R4およびR5は互いに独立して低級アルキル基を
    表すか、或いはR4とR5はこれらが結合している炭素原
    子と一緒になって、低級アルキル基の分岐を有していて
    もよい3〜8員の炭素環式基を形成していてもよい)で
    示される化合物を反応させることを特徴とする下記一般
    式(1) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は上記と同義であ
    る)で示される1,3-ジオキサン-4-オン誘導体の製造
    方法。
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