JP3254957B2 - ベルト感光体の補正処理方法 - Google Patents

ベルト感光体の補正処理方法

Info

Publication number
JP3254957B2
JP3254957B2 JP9923895A JP9923895A JP3254957B2 JP 3254957 B2 JP3254957 B2 JP 3254957B2 JP 9923895 A JP9923895 A JP 9923895A JP 9923895 A JP9923895 A JP 9923895A JP 3254957 B2 JP3254957 B2 JP 3254957B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoreceptor
belt
layer
joint
photoconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9923895A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08292581A (ja
Inventor
卓男 川口
浩介 山田
靖宏 小迫
浩一 丹羽
進一 保坂
鉄雄 石川
登 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP9923895A priority Critical patent/JP3254957B2/ja
Publication of JPH08292581A publication Critical patent/JPH08292581A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3254957B2 publication Critical patent/JP3254957B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シート部材を接合して
ベルト状に加工した際の接合部処理方法に係り、特に電
子写真プロセスにおいて用いられるベルト状感光体の接
合部処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体を利用して画像を形成する電子写
真プロセスは、複写機,プリンタ,ファクシミリなどの
印写装置として広く用いられている。電子写真プロセス
では、感光体の周囲に帯電,露光,転写,クリーニング
などの多くの印写プロセスを配置しなければならない。
このため、装置の小型化の為にはこれらを効率良く配置
する必要がある。感光体には、ドラムタイプとベルトタ
イプがある。ベルトタイプはドラムタイプに比較して、
感光体ベルト及びその周囲の印写プロセスの配置自由度
が高く、各印写プロセスを効率良く配置する上で、有効
である。
【0003】継ぎ目のない構造の感光体ベルトは、ニッ
ケル等の電鋳メッキでの作成方法が知られている。しか
し、製作が難しく、コスト的にも高くつくことから、シ
ート感光体の端面どうしを接合した構造のベルト感光体
が用いられる場合が多い。この感光体は、PETなどの
フィルム上にアルミ蒸着で導電層を形成し、その上に感
光層を塗布した長尺シートを作成し、適当な長さに切断
して、両端を超音波融着などの方法で接続して作成され
る。
【0004】この様に作成した感光体ベルトを利用する
場合、接続部での接合強度が問題となる。特に、感光体
上のトナーを弾性ブレードで掻き落すブレードクリーニ
ング方式を用いた印写プロセスで利用する場合、ブレー
ドが接続部を通過するたびに剥離しようとする力が作用
するので、接続部での亀裂や破断などが発生する恐れが
ある。この問題に対する従来公知の対策として、特開平
1−288860 号公報では、超音波融着で接合するととも
に、接合後の形状として接合部からのはみ出し量を1.
2mm 以下とし、特開昭61−185753号公報では、継目部
に固体潤滑剤を含有する保護被膜を形成する方法が開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術によっ
て作成した感光体ベルトは、クリーニングブレードを用
いる電子写真プロセスに適用しても、接続部での亀裂や
破断などを防止することはできる。
【0006】しかし、上記構成においても接続部におけ
る不連続な形状変化や段差が存在する。この段差部をブ
レードが通過する際に、ブレードはその挙動が不安定と
なる。ブレードには、トナー以外に感光体上の異物が掻
き取られており、この段差部におけるブレードの挙動変
化によって、異物がブレードと感光体の間に挟み込まれ
る危険がある。特に、二成分現像方式などを適用した電
子写真プロセスでは、キャリアがブレードと感光体に挟
み込まれる。ブレードと感光体の間に挟まれたキャリア
などの異物粒子の一部は、ブレードをすり抜けることな
くブレードと感光体の間に、保持されてしまう。前記プ
ロセスで、ブレードに保持されたキャリアなどの硬い異
物はほとんど移動することなく、感光体の回転によっ
て、感光体表面の一ケ所に線状の傷を発生させる。この
傷によって、印写画像に白抜けや黒筋などの画像欠陥が
生じるとともに、感光体の寿命が大幅に短くなるという
問題が生じる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、超音波融着などにより接続したベルトの接続面に、
接続部の形状を補正する後処理を施す。後処理の方法と
しては、接合部に高温の部材を圧力をかけて接触させ、
挟み込んで溶融あるいは熱変形させる方法が最も好まし
く、またこの熱処理を施した後に、処理部に樹脂を塗布
して硬化させる処理も非常に効果的である。いずれの方
法においても、処理後の形状として、処理領域内におけ
る表面段差が、ベルト感光体を利用する電子写真プロセ
スにおいて、感光体上に付着することが予想されるキャ
リアやその他異物等の半径以下であるとともに、後処理
領域の端部と感光体表面の接触角の少なくとも一方が1
5度以下であるように処理をする。ここでは、接続部の
段差を熱を利用して変形させる処理を、超音波融着等の
手段で予め接続したベルトの後処理として行ったが、こ
の熱を利用してベルトの端部どうしを接続することもで
きる。すなわち、ベルト端部の接続部に熱可塑性接着樹
脂層を介在させた状態で接合部に高温の部材を圧力をか
けて接触させることにより、ベルト接続処理と段差変形
補正処理が同時にできるものである。
【0008】
【作用】上記手段では、接続部に熱溶融あるいは熱変形
処理を施すとともに、該処理領域内における表面段差
が、ベルト感光体を利用する電子写真プロセスにおい
て、感光体上に付着する事が予想されるキャリアやその
他の異物等の半径以下であるために、ブレードと後処理
面の間にキャリアやその他の異物等の進入する大きさの
隙間が発生せず、キャリアやその他の異物等のブレード
への挟み込みを防止できる。さらに、後処理領域の端部
と感光体表面の接触角の少なくとも一方が15度以下で
あるように処理されているために、クリーニングブレー
ドが処理領域に突入する際の衝撃が小さく、キャリアや
その他の異物等がクリーニングブレードが処理領域への
進入時もキャリアやその他の異物等のブレードへの挟み
込みを防止できる。また、熱可塑性接着樹脂を併用する
ことにより、ベルト端部の接続処理と上記の段差形状補
正処理を同時に処理することも可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図8を用い
て説明する。図6は、従来の例として、接合部の段差に
何も処理を施さない場合の接合部の断面拡大図である。
ベ−スフィルム層3上にアルミ蒸着層2を施し、その上
に感光体層1を形成したシート感光体を、約1mm程度の
幅で超音波融着によって接着領域4を接続している。接
続部の表面は超音波融着処理によって若干エッジが取れ
て丸くなっているものの、ほぼ直角に立ち上がった明瞭
な段差がある。
【0010】図7及び図8はこの従来段差部の形状とク
リーニングブレード7の関係を示す図である。感光体ベ
ルトは、矢印8の方向に移動する。接合部に図のような
明瞭な段差があった場合、図7に示すように、クリーニ
ングブレード7は図中の異物6(例えばキャリアーなど)
を段差部まで運び、次に図8に示すように、異物6が段
差部で下に落ち込んだ際に、クリーニングブレード7の
先端下面部にひっかかるような形で挾み込まれる場合が
ある。この状態で更に矢印8の方向に感光体ベルト11
を移動させると、異物6を挾んだままで移動するので、
感光体層1の表面に直線状の傷が発生する。この傷が発
生すると、傷部の感光体の厚みが減少するために印写画
像に白抜けや黒筋などの画像欠陥を発生させ、また感光
体の寿命を減少させてしまうという不具合が発生すると
いう問題がある。
【0011】図1は本発明の一実施例を説明するための
図である。ここでは、図6に示したように超音波融着処
理によって一度ベースフィルム層3を融解させて、接合
させた接続部の後処理として、加熱によって段差部を変
形させて充分に段差のないレベルに修正したものであ
る。この図1のように本来段差のある部分でも、後処理
によって全く継ぎ目のない緩やかな曲線でつながった形
状に変形させた場合、クリーニングブレード7が進入す
る側の端面の角度21は、水平以下すなわち、0度以下
になり、この部分で異物6の上にブレードが乗り上げて
しまう心配は全くない。また同時に、段差部領域からク
リーニングブレード7が離れる側の端面の角度22は1
5度以下になっており、この部分での同様の不具合も発
生しなくなっている。
【0012】ここで用いた、熱を利用した段差部の処理
用の加熱処理装置の構成を図5に示す。感光体ベルト1
1を挟み込む形で、感光体層1側に加熱部材10があ
り、ベースフィルム層3側に固定部材9が設置されてい
る。加熱部材10は、通電発熱体10−2とガイド部材
10−3、並びに圧接部材10−1から構成されてい
る。通電発熱体10−2は電流を流すことによって熱を
発生する抵抗体からできており、薄いリボン状であるこ
とを特徴とする。従って発熱体自体の熱容量が小さく、
通電中は急速に温度上昇するが、通電を停止すると熱は
周囲に拡散し急速に冷却し室温に戻る。ここではニッケ
ル・クロム系の合金を素材とし、厚み0.2mm,幅5.0mm
の長方形の断面形状を持つものを使用した。また圧接部
材10−1は直接、熱溶融あるいは熱変形する感光体層
1に接する部材であり、発熱体の熱で変形や劣化するこ
となく、溶融する感光体層に接しても粘着することなく
簡単に剥離する素材でなければならない。ここでは厚さ
0.05mm の四フッ化エチレン樹脂製のフィルムを使用
した。また反対面のベースフィルム層3側の固定部材9
は、弾性部材9−1およびガイド部材9−2から構成さ
れる。弾性部材9−1は加熱部材10からの圧力を直接
受け止める部材であり、加熱部材10の熱変形処理を効
果的にするために、圧接部材10−1やベースフィルム
層3より軟らかく、耐熱性の高い素材が好ましい。ここ
ではショアーA硬度で45度の、シリコーン樹脂系のゴ
ムを使用した。固定部材9と加熱部材10によりはさま
れてプレスされている状態で、通電発熱体10−2に通
電されて温度が上昇する。この状態で感光体ベルト11
の感光体層1は変形し、段差部の形状修正が行われる。
次に通電を停止すると、通電発熱体10−2自体の熱容
量が周囲のそれと比較して非常に小さいために急速に冷
却し、圧接部材10−1と感光体ベルト11も同様に冷
却される。この効果によって、締め付け圧力を開放して
圧接部材10−1が離れる際に、変形の終わった感光体
表面から容易に剥離が可能となる。通電し発熱したまま
の状態や、熱容量が大きく冷めにくい部材で加熱した場
合は、剥離がうまく行われず、感光体表面がざらついた
状態になったり、糸をひいたようになったりしてしまう
ので、逆に異物6が補足されやすい構造となり、傷が発
生してしまう。
【0013】加熱の温度と圧力を負荷している時間は、
この熱による段差処理において最も重要な条件になる。
本事例においては、ベースフィルム層3は厚みが75μ
mで、主たる素材はPET(ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂)であり、感光体層1は厚みが20μmで主たる
素材はPC(ポリカーボネイト樹脂)である。合成樹脂類
を熱で融着するための最適な温度としては、PETの場
合は約220℃から250℃が適当であり、PCの場合は
約170℃から200℃が適当である。本構成において
は、予め超音波融着したPETのベースフィルム層3に
はできるだけ熱的なダメージを与えることなく、PCの
感光体層1のみを溶融・変形させることが望ましい。従
って、PCを熱変形させる最低温度170℃近辺が最も
好ましい。この加熱温度と圧力負荷時間を、各種変化さ
せた場合の段差部の段差量23を測定した結果をまとめ
て表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】この際の押し圧は1.5(kg/cm2)で一定
である。また表1中、アルミ層露出の表記は、感光体層
1を融かして下地のアルミ蒸着層2が露出している部分
があるかどうかを示しており、下地が露出するほどに熱
をかけるのは好ましくないことを意味する。また、表1
中の試料14は熱処理を施さなかった場合を比較例とし
て記載したものである。この結果から、表1中の試料の
5から13、すなわち170℃の1.2 秒以上負荷した
場合はすべて段差量が0、すなわち完全になめらかな曲
線で上下段がつながれる事がわかる。また同時に、下地
層の露出が発生しない範囲としては、210℃の1.2
秒以内に押さえることが必要であり、これらの結果か
ら、最適な処理条件は170℃の1.2秒以上、210
℃の1.2秒以内と言うことがわかる。また、表中の引
張破断強度とは、感光体ベルト11を接合部を含む形状
で1cmの幅に切断して、これを引張って破断した際の強
度を測定した結果を示している。今回作成した程度の条
件では、各試料間の数値に有意差は認められず、強度特
性に及ぼす悪影響はないことがわかる。図1における、
試料作成条件は圧力1.5kg/cm2,温度170℃,圧力
負荷時間1.2 秒である。
【0016】通常、感光体層1は溶剤で溶かした状態
で、アルミ蒸着層2の上に塗布し、溶剤を揮発させて膜
を形成するために、層間での密着性を確保することが困
難である。特に、ベルト端面はこの層間部分が露出して
おり、剥離の発生する起点となりやすい。本発明による
と、繰り返し屈曲動作を受ける際に、最も弱い感光体ベ
ルト11端面に熱処理を施すので、感光体層1,アルミ
蒸着層2,ベースフィルム層3の各層間の接着強度を増
す効果もある。従来のような、熱処理のない試料では、
屈曲半径を5mm以下にすると層間で剥離してしまうのに
対して、前述の表1中の試料1から試料13の条件で熱
処理を施したものは、屈曲半径を1mmまで小さくしても
剥離が起こらないことを確認している。
【0017】次に、本発明の第二実施例を図2により説
明する。ここでは、熱処理によって段差をある程度低減
した上に塗料を塗布した事例である。これは、感光体層
1の主成分とベースフィルム層3の主成分の熱変形温度
が近いような場合、感光体を充分に変形させるために、
高温で長時間の処理を行うと、ベースフィルム自体まで
変形を生じて、接合強度が低下するなどの不具合が発生
する。従って、このような場合には、熱処理単独で段差
部分の形状修正を完全に行うことが困難である。この様
な場合には、図2のように塗料を塗布することで不充分
で残った段差を処理することが効果的である。
【0018】適当な粘度の塗料を用いることにより、ク
リーニングブレード7が進入する側の端面の角度21
は、15度以下になり、この部分で異物6の上にブレー
ドが乗り上げてしまう心配はない。また同時に、段差部
領域からクリーニングブレード7が離れる側の端面の角
度22も15度以下になっており、この部分での同様の
不具合も発生しなくなっている。これら角度の一方ある
いは両方が15度以上の場合では、100μm程度のキ
ャリアーの挟み込みが多発し、感光体に多くの傷が発生
することが確認された。しかし、この角度は異物の形状
や粒径および塗布した材料の表面性状などで変化する。
球形の異物や前記キャリアよりも粒型の大きな異物では
25から30度程度でも傷が発生しない場合もあった。
逆に、キャリア6の異形度が大きく処理領域の表面の摩
擦抵抗が大きいなどの厳しい条件下では、処理領域の入
口,出口の両角度を15度以下にすることが必要とな
る。また、図2の実施例の場合には塗料粘度が適当であ
るので、段差の部分に充分な肉厚の塗膜が確保されてる
が、前述のように処理領域の入口,出口の両角度を15
度以下にするために低過ぎる粘度の塗料を用いると、段
差部の肉圧が確保できず、段差補正が充分できなくな
る。
【0019】クリーニング特性を維持する都合上、クリ
ーニングブレード7の先端と感光体表面の接触角度は数
度程度に設定されている。このため、前記の段差の深さ
がキャリア等の異物の半径よりも深い場合、ブレードが
キャリアを挟み込んでしまう。このような異物の挟み込
みを防止するためには、キャリアなどの異物の直径に対
して、発生する隙間が充分小さくなければならない。実
験的には、キャリア直径の半分以下であれば、有効であ
ることがわかっている。
【0020】使用する塗料の粘度は前述のように処理領
域の入口,出口の接触角度や段差部の肉厚に大きく影響
するが、各種実験の結果、1から100ポアズ程度の粘
度が有広範囲であることがわかっている。各種の素材を
適用できるが、感光体に塗布することから、熱硬化性樹
脂や紫外線硬化性樹脂は好ましくなく、溶剤揮発型もし
くは、比較的低温での重合反応により硬化するエポキシ
樹脂や湿気硬化型のシリコーン樹脂などが適当である。
溶剤揮発型塗料の場合は、塗布時と硬化後では体積減少
することから、若干粘度が高めの状態で塗布する。実験
的には数十ポアズ程度の粘度が好ましい。これに対し
て、重合硬化型や湿気硬化型の樹脂では、硬化後の体積
収縮が小さいことから、若干低めが適正値となる。塗布
方法は、スクリーン印刷が好ましいが、ディスペンサ等
を用いることもできる。感光体層表面に充分に接着する
ことはいうまでもなく、塗料の硬化物の特性としては、
感光ベルト自体が繰り返しの屈曲を受けることから、ベ
ルト自体の変形量に充分に追従できる程度の柔軟性を持
ったものでなければならない。硬過ぎる場合には亀裂が
発生し、軟らか過ぎると異物がめりこんで傷発生原因と
なってしまう。
【0021】塗布する樹脂は、反転現像プロセスで用い
る場合は絶縁性に、正規現像プロセスで用いる場合は、
導電性の物を利用する必要がある。導電性樹脂はカーボ
ンなどを樹脂に分散させることによって得られる。絶縁
性の場合の樹脂の体積固有抵抗値としては、帯電から現
像までの電荷の保持時間を考慮すると、感光体の非露光
時抵抗値である1013Ωcmから1015Ωcm以上の高抵抗
が必要である。溶剤揮発型塗料を使用する場合、完全に
溶剤を揮発させる必要性から、加熱する必要がある。し
かし、感光体特性を損なわない加熱温度は50℃から1
00℃以下であり、あまり高温にすることはできない。
このため、塗料に用いる溶剤としては、沸点が最大でも
200℃以下の芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,
脂肪族炭化水素系溶剤,アルコール系溶剤等を用いるこ
とが望ましい。
【0022】次に本発明の第三実施例を図3と図4によ
って説明する。本実施例においては、第一,第二実施例
のように、熱を利用した段差部の形状修正処理を、既に
別の手段で接続されている感光体ベルトに、後処理とし
て適用するのではなく、ベルト自体の接続処理と段差の
形状修正を同一の装置を用いて同時に行うことを特徴と
するものである。図3は熱処理を行う前の状態を示して
いる。ここでは、リボン状の熱可塑性接着剤24が接続
する部分に挟まるようにして設置されている。ここで、
熱可塑性接着剤とは、室温状態では固形状であり、加熱
すると溶融変形して被接着体である、ベースフィルム層
3や感光体層1に隙間なく密着し、再び冷却して固形状
に戻ると、これら被接着体に接着する特性をもつ素材で
ある。具体的な材質としては、ポリエステル系樹脂やエ
ポキシ系樹脂やスチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)
系ゴムやニトリル系樹脂あるいはフェノール系樹脂をベ
ースとするものがある。この状態で、第一,第二実施例
の場合と同様に感光体ベルトの端面接合部に熱処理をか
けると、図4に示すように、熱可塑性接着剤24は溶融
変形して、上段のベースフィルム層3下面と、下段の感
光体層1あるいはベースフィルム層3上面との間に介在
した状態で両者を接着する。この接着力は前述のPET
どうしの超音波融着の接着力に比較すると若干低いもの
であるので、接着領域4の長さを2mmから6mm程度にす
ることが好ましい。
【0023】この事例では、熱可塑性接着剤24は熱処
理をかける前は、リボン状に独立した形状であるが、塗
膜状にして、ベースフィルム層3や感光体層1の表面の
端面部あるいは全面に膜状に形成しても同様の効果があ
る。すなわち、前記のポリエステル系樹脂やSBR系ゴ
ム等の熱可塑性接着剤を各種の溶剤に溶解あるいは分散
させて液状にしたものを、感光体ベルトの一部あるいは
全面に塗布した後に溶剤を乾燥させて膜を形成するもの
である。
【0024】また、この事例のような構成においては、
熱可塑性接着剤24の熱溶融のために熱量を必要とする
ので、図5に示した加熱処理装置では与える熱量が不足
し、充分な溶融ができなくなる場合がある。従ってこの
様な場合には、弾性部材9−1あるいはガイド部材9−
2の中に発熱部材を埋め込み、下面側からも熱を与える
構成にすると充分な接着効果が得られる。
【0025】次に図9に、本発明の感光体ベルト11を
適用した装置の一例を示す。図は、感光体ベルト11を
用いたフルカラーレーザービームプリンターである。ベ
ルト感光体上にスコロトロン帯電器12で一様な帯電を
行った後、レーザ露光装置13で、イエロー画像パター
ンに従った露光を行い、感光体上に静電潜像を形成す
る。感光体上の静電潜像をイエロー現像機14Yで現像
し、現像後の画像を中間転写ドラム16に転写する。次
に、感光体上の残留トナーは、ブレードクリーナ15に
よって掻き取られ、再び、帯電・露光行程で、感光体上
にマゼンダの画像パターンに従った露光を行い、感光体
上に静電潜像を形成する。そして、マゼンダ現像機14
Mで現像した後、イエロー画像に重ねてマゼンダ画像を
中間転写ドラム16に転写する。これらの行程を、シア
ン画像、および黒画像についてもシアン現像機14C、
及び黒現像機14Bを用いて同様に行い、中間転写ドラ
ム16上にイエロー,マゼンダ,シアン,黒の合成画像
を形成する。中間転写ドラム16上に形成した4色画像
は、給紙カセット17から搬送された用紙に転写ローラ
18を動作させ一括転写する。その後、定着機19で加
熱定着し、印写を完了する本発明の感光体ベルトは、こ
の他に電子写真プロセスを利用する様々なプリンタ,複
写機,ファクシミリなどに適用することが可能である。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による加工法
などを用いて、感光体ベルトの継ぎ目部分の段差形状の
補修処理、あるいは感光体ベルトの端面接合処理を行う
ことにより、本感光体ベルトをブレードクリーニング方
式を用いた印写装置に適用しても、継ぎ目部分でクリー
ニングブレードにキャリアなどの異物を挟み込むことが
なく、異物による感光体表面の傷発生を防止することが
できる。これによって、感光体ベルトの寿命が長くな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理によって感光体層を溶融変形させて、継
ぎ目段差を補修した状態を示す。
【図2】後処理として熱処理をした後に、継ぎ目部に塗
装処理をした状態を示す。
【図3】熱可塑性接着剤リボンを用いて感光体ベルトの
端面接合を行う前の状態を示す図である。
【図4】熱可塑性接着剤リボンを用いて感光体ベルトの
端面接合と継ぎ目段差処理を行った状態を示す図であ
る。
【図5】熱処理を行うための加熱処理装置の加熱部材構
成を示す図である。
【図6】従来の感光体ベルトの端面継ぎ目部分を示す図
である。
【図7】感光体ベルトと異物とクリーニングブレードの
位置関係を示す図である。
【図8】従来感光体ベルトの継ぎ目段差部での異物巻き
込み発生のメカニズムを示す図である。
【図9】本発明のベルト感光体を用いた電子写真装置の
全体構成図である。
【符号の説明】
1…感光体層、2…アルミ蒸着層、3…ベースフィルム
層、4……接着領域、5…塗装層、6…異物、7…クリ
ーニングブレード、9…固定部材、9−1…弾性部材、
9−2,10−3…ガイド部材、10…加熱部材、10
−1…圧接部材、10−2…通電発熱体、11…感光体
ベルト、12…スコロトロン帯電器、13…レーザ露光
装置、14Y…イエロー現像機、14M…マゼンダ現像
機、14C…シアン現像機、14K…黒現像機、15…
ブレードクリーナ、16…中間転写ドラム、17…給紙
カセット、18…転写ローラ、19…定着機、20…中
間転写クリーナ、24…熱可塑性接着剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小迫 靖宏 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 多賀本部内 (72)発明者 丹羽 浩一 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 多賀本部内 (72)発明者 保坂 進一 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 多賀本部内 (72)発明者 石川 鉄雄 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 多賀本部内 (72)発明者 藤田 登 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 多賀本部内 (56)参考文献 特開 平3−1146(JP,A) 特開 平1−288860(JP,A) 特開 昭60−249152(JP,A) 特開 平2−195372(JP,A) 特開 昭62−99779(JP,A) 特開 昭62−60964(JP,A) 特開 昭58−117549(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベース層と感光体層とを備えたシート感光
    体を接合部で接合したベルト感光体の、前記接合部の形
    状を補正する処理をし、補正処理領域内における表面段
    差が、感光体上に付着することが予想されるキャリアや
    その他の異物等の半径以下とし、処理領域の端部と感光
    体表面の接触角度の少なくとも一方が15度以下である
    ベルト感光体において、 前記補正処理方法、前記接合部に高温の部材を圧力を
    かけて接触させ、挾み込んで前記感光体層を溶融変形
    し、前記接合部の表面段差部分を該溶融変形した感光体
    層で被覆し、さらに該溶融変形した感光体層の上を重合
    反応により硬化する樹脂または、溶媒の蒸発により硬化
    する樹脂または、湿気硬化する樹脂のいずれかで被覆す
    ことを特徴とするベルト感光体の補正処理方法。
  2. 【請求項2】請求項において、前記補正処理における
    加熱温度がベルト感光体を構成するベース層の主たる素
    材の熱変形温度以下であり、且つ、感光体層の主たる素
    材の熱変形温度以上であることを特徴とするベルト感光
    体の補正処理方法。
  3. 【請求項3】請求項1,2の何れかにおいて、前記補正
    処理において、昇温して前記感光体層を溶融あるいは変
    形させた前記高温の部材が、前記感光体層の主たる素材
    の熱変形温度以下に冷却した後に、挾み込む圧力を開放
    して前記接合部から放されることを特徴とするベルト感
    光体の補正処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記ベルト感光体が反
    転現像プロセスに用いるものであって、前記溶融変形し
    た感光体層の上を被覆する樹脂が、10 13 Ωcm以上の電
    気抵抗であることを特徴とするベルト感光体の補正処理
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記ベルト感光体が正
    規現像プロセスに用いるものであって、前記溶融変形し
    た感光体層の上を被覆する樹脂が、導電性樹脂であるこ
    とを特徴とするベルト感光体の補正処理方法。
  6. 【請求項6】ベース層と感光体層とを備えたシート感光
    体を接合部で接合したベルト感光体の、前記接合部の形
    状を補正する処理をし、補正処理領域内における表面段
    差が、感光体上に付着することが予想されるキャリアや
    その他の異物等の半径以下とし、処理領域の端部と感光
    体表面の接触角度の少なくとも一方が15度以下である
    ベルト感光体において、 前記補正処理方法が 、前記ベルト感光体の接合部熱可
    塑性接着樹脂の層を挟持していて、該接合部に高温の部
    材を圧力をかけて接触させ、挾み込んで前記感光体層を
    溶融変形し、前記接合部の表面段差部分を該溶融変形し
    た感光体層で被覆することを特徴とするベルト感光体の
    補正処理方法。
  7. 【請求項7】請求項において、前記熱可塑性接着樹脂
    を溶融して接合する工程に使用する加熱手段として、前
    記の接合部の形状を補正する処理に用いる加熱手段を利
    用し、前記接合処理と前記接合部形状補正処理を同時に
    行うことを特徴とするベルト感光体の補正処理方法。
  8. 【請求項8】請求項1から請求項7の何れかにおいて、
    前記ベルト感光体ベース層の主たる素材がポリエステル
    樹脂であることを特徴とするベルト感光体の補正処理方
    法。
JP9923895A 1995-04-25 1995-04-25 ベルト感光体の補正処理方法 Expired - Fee Related JP3254957B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9923895A JP3254957B2 (ja) 1995-04-25 1995-04-25 ベルト感光体の補正処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9923895A JP3254957B2 (ja) 1995-04-25 1995-04-25 ベルト感光体の補正処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08292581A JPH08292581A (ja) 1996-11-05
JP3254957B2 true JP3254957B2 (ja) 2002-02-12

Family

ID=14242117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9923895A Expired - Fee Related JP3254957B2 (ja) 1995-04-25 1995-04-25 ベルト感光体の補正処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3254957B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6068722A (en) * 1998-01-08 2000-05-30 Xerox Corporation Seam stress release in flexible electrostatographic imaging belts
US6056839A (en) * 1998-01-08 2000-05-02 Xerox Corporation Rapid electrostatographic belt treatment system
US6074504A (en) * 1998-01-08 2000-06-13 Xerox Corporation Defocused laser seam stress release in flexible electrostatographic imaging member belts
KR100484136B1 (ko) * 2002-02-26 2005-04-18 삼성전자주식회사 감광벨트를 이용한 화상형성장치용 감광드럼 구조체
US8509635B2 (en) * 2010-07-29 2013-08-13 Eastman Kodak Company Method for forming durable combination prints

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08292581A (ja) 1996-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6094559A (en) Fixing apparatus having cleaning mode and storage medium storing program therefor
US5353108A (en) Apparatus for cleaning printed paper
EP1255169B1 (en) Belt for transferring toner images having a jigsaw cut seam with an adhesive of hot melt processable, thermosetting resin and conductive carbon black filler to eliminate voids between the interlocking ends and to control conductivity thereof
JP3254957B2 (ja) ベルト感光体の補正処理方法
CA2353081C (en) Electrophotographic marking machine having an imageable seam intermediate transfer belt
JP2009093017A (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
JPH02162382A (ja) 定着装置
JP2009042303A (ja) 加圧ローラ及び像加熱装置
JPH02158780A (ja) 画像加熱定着装置
JPH0916004A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP3058013B2 (ja) 電子写真用ベルト感光体
JP3233371B2 (ja) 画像形成装置
JP2004013026A (ja) 定着装置
JPH0325471A (ja) 定着装置
JP3680930B2 (ja) 転写ベルト及びその製造方法
JPH0540425A (ja) 定着装置
JPH01197779A (ja) 加熱定着ロール
JP2000259021A (ja) 加熱定着装置及び画像形成装置
JPH043320Y2 (ja)
JP3741239B2 (ja) ヒータ装置、定着装置、および画像形成装置
JP2024046364A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JPH08146635A (ja) ベルト状感光体
JPH11202702A (ja) 印字材料の除去装置
JP3349584B2 (ja) 定着装置
JP2000131991A (ja) 定着装置,定着装置のクリーニング手段及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees