JP3253305B2 - 抗漏水縫合構造物、抗漏水縫合構造の形成方法及び縫合構造物の熱処理装置 - Google Patents

抗漏水縫合構造物、抗漏水縫合構造の形成方法及び縫合構造物の熱処理装置

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JP3253305B2
JP3253305B2 JP53972797A JP53972797A JP3253305B2 JP 3253305 B2 JP3253305 B2 JP 3253305B2 JP 53972797 A JP53972797 A JP 53972797A JP 53972797 A JP53972797 A JP 53972797A JP 3253305 B2 JP3253305 B2 JP 3253305B2
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suturing
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、抗漏水縫合構造物、抗漏水縫合構造の形成
方法に係り、特に抗漏水性の縫合構造を必要とするトレ
ッキングシューズ等の靴、履物類、帽体、手袋、ザック
等の立体形状縫合製品となる抗漏水性縫合部を有する縫
合構造物、及びその形成方法及びその縫合構造物の熱処
理装置に関する。
背景技術 トレッキングシューズ等の靴、履物類、帽体、手袋、
ザック等は天然皮革、人工皮革、織編物、適度の柔軟性
をもつ発泡もしくは無発泡シート等のシート材からなる
面部材を複数枚積層し、適宜箇所を縫合して製作される
ことが多い。一般に、これらの縫合加工製品は、抗漏水
性が要求されるものが多く、そのために面材には防水性
シートが材料として用いれらる。
縫合加工製品が靴、例えばトレッキングシューズであ
る場合、トレッキングシューズは、防水性シート材料を
含む複数のシートを積層し、縫合加工を経て所望の構造
と形状を有する立体の縫合構造物に製作された加工製品
である。
前例のトレッキングシューズのようは縫合加工構造物
は、多くの場合、その縫合部、縫合継ぎ目部等縫い目に
抗漏水性付与加工が付加される。以下のような汎用の防
水性あるいは抗漏水加工が単独又は併用複合して適用さ
れる。
(1)縫合部の内表面又は外表面へのラテックスもしく
は軟質接着剤の塗布加工 (2)縫合部の内表面又は外表面への抗漏水テープの貼
着加工 (3)縫合構造物全体の撥水処理加工 しかし、これらの何れの手段も万能ではない。例え
ば、塗布加工法は製品の外表面に塗布された樹脂膜が靴
などの外観を損ねるし、靴の内側表面に形成される樹脂
膜が履き心地を損なうことにもなり、又防水機能や耐久
性に劣るという欠点がある。抗漏水テープの貼着加工で
も靴の内側表面に塗布加工法を適用する場合と同様の問
題がある。撥水処理加工は、縫合部に靴の本体の外殻を
形成するシート状の靴材と同等レベルの防水、抗漏水機
能を付与することが困難である。
特開平7−32510号公報は、靴材の積層体構造を縫合
して形成した靴の縫合部において、熱可塑性樹脂材を積
層靴材の間に挟んで、アイロン、プレス機、こて、ロー
ラ、熱風溶融装置等の加熱手段を適用して溶融し、縫合
部の積層靴材間の接合溶融樹脂層を形成し、これによっ
て靴の縫合構造部分に防水機能を付与する方法を開示し
ている。この縫合部の防水構造は、互いに重ね合わせた
2枚の防水シートの面材の間にサンドイッチ状に熱溶融
性樹脂材を挿入介在させてミシン等で縫合して、その縫
合部全体をアイロン等で加圧加熱して中間の熱溶融性樹
脂材を溶融させて形成した接合中間樹脂層を含む構造の
ものである。しかし、この防水縫合構造の形成方法は、
厚みのある靴の胛被部等の曲面積層構造部に形成された
縫合部に積層の中間層をして介在する熱溶融性樹脂材を
アイロンで溶融する方法であるので、曲面に沿った均一
な溶融樹脂接合層を形成させることが困難であり、又縫
合の針穴にまで樹脂を浸入させて、針穴を樹脂で閉塞し
て、強靭な抗漏水縫合構造を形成することはできない。
特願平4−269901号公報は、靴の胛被材に熱可塑性樹
脂で防水処理を行い、それらの各部材を熱可塑性樹脂で
表面処理した縫い糸で縫合し、縫合部分を加圧、加熱し
て、縫い糸周辺間隙を埋めて靴胛被からの水の浸水を防
止する試みについて開示している。しかしながら、この
方法については、電気ごてで押圧する程度の操作では熱
可塑性樹脂の溶融を充分にさせることができず、更に
は、糸の表面処理により付与できる樹脂量は、縫合の針
孔を埋めるのに充分ではない。熱可塑性樹脂で表面処理
した縫い糸による縫合針孔に樹脂を強固に、かつ充分に
充填することは、表面処理糸によるミシンの針穴を大き
くしたり、縫製操作に負の効果をもたらすことになるの
で実際技術として採用し難い。
最近、製靴業界は靴の胛被のデザインを多様化する狙
いから、複数の胛被材の縫製により胛被を仕上げたり、
胛被表面に飾り片を縫合することがよく行われている。
一方、熱可塑製樹脂等のシート、織物、フィルム等を
高周波加熱により溶着して雨具や袋ものを製造する方法
が広く行われている。しかし、高周波加熱による溶着で
は、被加熱材料又は成形物を均一に加熱、溶融するため
に、被加熱物と金型電極とを密着させる必要がある。曲
面が多く、又厚肉の凹凸部を有する靴等の縫合構造物の
高周波加熱を効率的に行なうことができないのが現状で
ある。
発明の開示 本発明の目的は、抗漏水性の縫合部を含む縫合構造物
を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、抗漏水性の縫合部を含む
外殻面が曲面に形成される縫合構造物、例えばトレッキ
ングシューズ等の靴、履物類、帽体、手袋、ザック等の
立体形状縫合製品となる防水、抗漏水縫合構造物を提供
することにある。
本発明のもう一つの他の目的は、前述の曲面外殻を有
する縫合構造物に抗漏水性の縫い目構造を形成する手軽
で簡素な方法、及び前記方法を確実で、簡素な操作で実
施するための装置を提供することにある。
本発明の第一の目的は、基本的に、表面材と裏面材と
が被着ホットメルト接着樹脂膜層を介して縫合線に沿っ
て縫合され、前記縫合線を形成する縫針孔がその縫い糸
を包埋する如く、前記のホットメルト接着の一部で充填
されており、かつ少なくとも前記表面材が防水性シート
材料で構成されてなることを特徴とする抗漏水性の縫合
構造物によって達成される。
本発明にいう縫合構造物は、靴、履物類、帽体、手
袋、ザック等の凡そ素材として皮革、繊維布帛、軟質の
合成樹脂シート材料の裁ち片を縫合加工して形成され、
少なくとも外側被覆乃至外殻面を構成する裁ち片が防水
性材料で形成される縫合構造製品をいう。したがって、
縫合構造製品の表面材は、そのシート素材が透水性乃至
半透水性の材料であるときは、防水乃至撥水加工されて
いるものである必要がある。
表面材は、縫合構造物の製品の態様によって、製品の
被覆表面全てを覆う部材であるか、あるいは飾り片であ
ることもできる。表面材は、下地材、外側被覆に対応す
るライニング等である。具体的には、裏面財を構成する
シート材料は、縫合構造物の対象とする用途によって随
意に選ぶことができる。例えば、縫合構造物が靴である
場合、吸湿性、風合い、弾力性、肌触り等を考慮した素
材が用いられる。編織物と柔軟な発泡樹脂シート等との
ラミネートシートであることもできる。
本発明の縫合構造物において、表面材と裏面材との合
着(接合)は縫い糸を用いて縫合されている。ホットメ
ルト接着樹脂膜は、縫合時に表面材と裏面材との間に縫
線を含み、かつ縫線に沿ってサンドイッチ状に挟みこま
れ、表面材、裏面材と積層構造に縫合された融点が少な
くとも90℃以上であって、170℃以下のホットメルト接
着樹脂シートの高周波誘電加熱法により選択的に一度溶
融流動化することにより形成された水密性の膜である。
そして、ホットメルト接着樹脂膜層の樹脂の一部が表面
材及び裏面材を貫通する縫合針孔に侵入し、針穴を通る
縫糸を包埋して針孔空隙に充填されている。ホットメル
ト接着樹脂膜は、前記の機能を発揮する最低減の厚さを
用いるが、それは縫合構造物がその対象用途における使
用態様において機械的な屈曲、引張等の機械的衝撃に対
して破壊されない程度であって、非通水機能が維持され
る限りにおいて可能な限り薄くするべきである。かくし
て、本発明の縫合構造物は、縫い目線を形成する針孔を
通って縫合構造物の内部へ、そして表から裏側に向かう
水の侵入を阻止し、更には表面材と裏面材の重ね合せ部
を通り内部へ向う水の侵入を阻止する抗漏水性の構造が
形成されている。
本発明の縫合構造物は、以下の工程を含む方法原理に
基づいて調製することができる。
(a)防水性シート材料からなる表面材と裏面材との間
に少なくとも縫い線に沿って誘電力率が前記面材のそれ
らよりも1.7倍以上であるホットメルト接着樹脂シート
をサンドイッチ状に挟んで縫合して先駆縫合構造物を調
製する工程、及び (b)前記先駆縫合構造物を少なくともその一面側で誘
電率が0.002から0.02、誘電率と誘電力率との積が0.006
から0.09の軟質加圧面体により押圧しつつ、前記ホット
メルト接着樹脂シートを溶融させるに充分な高周波電圧
を印加して前記溶融熱可塑性シートを流動化させ、その
一部を前記の縫合線の針孔に侵入、充填させる工程。
本発明の方法でいうホットメルト接着樹脂シートは、
溶融時に表面材と裏面材及び縫い糸に対して接着活性が
顕在化して、溶融下に先駆縫合構造物の縫合針孔に流動
する程度の流動粘性を発現する熱可塑性樹脂組成物、例
えば繊維布帛、フィルム等の成形体である。
更に、ホットメルト接着樹脂シートは、表面材と裏面
材及び縫い糸の常温における機械物性、テクスチャーを
劣化乃至破壊するに至らない温度で溶融、流動すること
ができる材料であって、しかも樹脂シートが溶融させら
れる高周波電流印加条件下で、表面材と裏面材及び縫い
糸を溶融させることのない材料でなければならない。
このようなホットメルト接着樹脂シートは、ポリアミ
ド系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタ
ン系、ポリ酢酸ビニル系、アクリル系重合体等の、融点
が90℃から170℃程度の低融点合成樹脂から選ばれる。
そして、樹脂シートの誘電力率は、表面材と裏面材及び
縫い糸のそれらの約1.7倍から4.3倍のものが選ばれる。
又、ホットメルト接着樹脂シートは取扱い易く、縫合し
易い等の面からも厚味は50μから500μ、目付は30〜50g
/m2がテープ状や表面材のパーツ形状と同じ形状に裁断
されて用いられる。
先駆縫合構造物は、表面材と裏面材との間にホットメ
ルト接着樹脂シートをサンドイッチ状に挟みこみ、縫い
糸を用いて3者を所望の箇所で縫合により合着すること
によって調製される。
以上の様にして調製された先駆縫合構造物は、公知の
高周波誘電加熱装置の2枚の平行板電極の間に装着し
て、高周波加熱条件設定の公知知見に準じて、電極に高
周波電圧を印加して、構造物内のホットメルト接着樹脂
シートのみを溶融、流動化させ、その一部を前記の縫合
線の針孔に侵入せしめて、縫合線に沿って構造物の中間
層に熱可塑性樹脂膜の抗漏水層が形成される。先駆縫合
構造物は、少なくとも一方の面側で、誘電力率が0.002
から0.02、誘電率と誘電力率との積が0.006〜0.09の軟
質加圧体シート材からなる弾性押圧シートを介して、そ
の厚み方向に押圧されていることが好ましい。この軟質
加圧体の弾力的加圧作用によって、電極面と先駆縫合層
構造物のホットメルト接着樹脂シート層との距離を一定
に保持し、ホットメルト接着樹脂シートに発熱を集中し
て起こさせ、特に縫合線部における凹凸に対する高周波
電圧の印加ムラを防ぎ、溶融ホットメルト接着樹脂シー
トの膜形成と溶融流の針孔への侵入充填を促進すること
ができる。
本発明の縫合構造物が靴等の立体構造加工製品である
場合、前記(b)工程は先駆縫合層構造物を所定の立体
形状に加工する加熱手段を含んでいることが有利であ
る。例えば、前駆縫合層構造物が靴に仕上げられる場
合、靴の胛被、踵にあたる曲面部位の曲面縫い線沿った
型面を有する導電性金型、前記導電性金型に対峙する導
電性クランプで、先駆縫合構造物を押圧保持して、前記
金型及び導電性クランプに高周波電圧を中間層のホット
メルト接着樹脂シートを選択的に発熱溶融させることが
必要である。かくして、先駆縫合構造物の曲面部形成領
域の縫い目線は、高周波電圧を均等に印加され、所定の
抗漏水性縫合構造を有する立体縫合構造物が確実に形成
される。
図面の簡単な説明 第1図(A)から第1図(C)は、本発明の縫合構造
物の縫合部形成方法を模式的に説明した図である。第1
図(A)は、表面材と裏面材とがその間にホットメルト
接着樹脂シートをサンドイッチ状に挟んで縫製されるこ
とを説明している。第1図(B)は、前記3つの材料が
縫合により三層縫合構造を形成することを示し、第1図
(C)は、三層縫合構造物の断面を示す。
第2図は本発明の縫合構造物の縫合部の断面構造の模
式説明図である。
第3図(A)及び第3図(B)は、靴で具現して示す
本発明の実施態様である。第3図(A)は靴の外観を示
し、第3図(B)は縫合構造物の形成前の裏面材の表面
を示す。
第4図(A)から第4図(C)は、高周波加熱装置に
よる本発明の縫合構造物の加熱加工装置の概念説明図で
ある。
第5図は、本発明の縫合構造物による靴甲被部片の加
熱加工に好適な高周波加熱加工装置の構造説明図で、特
に加熱手段の配置を示す断面図である。
第6図は第5図の高周波加熱加工装置の主要部の配置
を斜視して示す外観図である。
第7図は、第6図の加工装置の金型に靴材である先駆
縫合構造物を装着し、高周波電圧を先駆構造物に印加し
ている状態を示す斜視図である。
発明を実施するための最良の形態 以下に、本発明の抗漏水性縫合構造物及びその形成方
法並びに形成するための好適な装置を図面を参照して詳
述する。
第2図は、本発明の縫合構造物の縫合部の縦断面構造
を示す。縫合構造物(A1)は、表面材(2)と裏面材
(3)及びその間に被着したホットメルト接着樹脂膜層
(6)を含む積層構造物であり、その積層構造が縫い糸
(5)、(5′)による縫合により固定されている。ホ
ットメルト接着樹脂膜層(6)を構成する樹脂の一部
は、縫針孔(7)をその少なくともその断面を閉塞し、
又縫い糸を包埋し、充填して、縫合構造物に含まれる全
ての縫針孔及び裏面材の重ね合せ部を通る雨具等水の流
れを遮断して、構造物の縫合部に優れた抗漏水機能を付
与している。第2図は、一般的本縫い形式の縫目である
が、特殊本縫いといわれる2本針本縫い、千鳥縫い、ス
クイ縫いや環縫いといわれる2重環縫い偏平縫い複合縫
目などの縫目形式でも同じ効果が得られる。
本発明の縫合構造物は、様々な二次製品の形態で用い
られる。例えば、表面材が革、布帛で構成される本発明
の縫合構造物は、縫合部が高度の抗漏水機能をもつ靴
類、スキー手袋、帽子、テントを成形することができ
る。
本発明の縫合構造物をトレッキングシューズに加工し
た例を第3図に示す。最近のトレッキング・シューズ
は、複数の胛被材片を縫製して仕上げられたり、飾り片
で胛被面の一部を構成して、飾り片の縫目線を裸のまま
胛被面に形成した製品に人気がある。第3図(A)は、
胛被部の一部表面材として革の飾り片(As)、(Bs)及
び(Cs)を縫い目線(7)で裏面材に縫合し、高周波加
熱加工を経て製作した本発明の縫合構造物によるトレッ
キングシューズの外観の縫合構造を示している。第3図
(A)で示すトレッキング・シューズにおいて、飾り片
(As)、(Bs)及び(Cs)は、シューズの第3図(B)
で示すライニング部材である裏面材(3)の一部の面
(Ab)、(Bb)及び(Cb)にホットメルト接着樹脂シー
トのテープを挟んで所定の縫い目線(7)で縫合された
先駆縫合構造物に後述の高周波加熱処理を適用して所定
の形状に成形される間に、ホットメルト接着樹脂の膜を
縫合線に沿って形成することで、縫合部に抗漏水機能が
付与されている。この例において、ホットメルト樹脂シ
ートのテープは、飾り片の縫合線に合せて、幅10mmから
15mmにカットしたテープを飾り片線に合せて挟み込まれ
て縫合される。縫い目線(7)は、例えば本縫い形式の
縫目(縫ピッチ3.5針/cm)で各飾り片の線から1.5mmか
ら32.0mm内側と2mmから5.0mm内側との2本で縫合され
る。
本発明の縫合構造は、前記した縫合構造物(1)の先
駆縫合構造物を調製する工程と先駆縫合構造物の高周波
加熱加工工程を適用して形成される。
先駆縫合構造物(A1)は、第1図(A)及び第1図
(B)で示されているように、表面材(2)と裏面材
(3)とをその間にホットメルト接着樹脂シート片(6
a)を重ね合わせた後、所定の縫い目線で縫合すること
により縫合積層構造に合着することによって形成され
る。
先駆縫合構造物(A1)において、ホットメルト接着樹
脂シート片(6a)は、第1図(C)で示されているよう
に、サンドイッチ状に縫い目線に沿って表面材(2)と
裏面材(3)との間で固定されている。先駆縫合構造物
(A1)の調製において、縫い目線の形成位置は縫合構造
物の対象とする加工製品の態様に応じて随意に選ばれ
る。第1図(B)は、表面材と裏面とが71,72,73の3本
の縫い目線で縫合された例の先駆縫合構造物を示す。第
1図(C)は、先駆縫合構造物(A1)の縫合部の断面を
示しており、表面材と裏面材とを縫合する縫い目線が必
ずホットメルト接着樹脂シートを挟んで形成されるもの
であることを示している。そして、熱可塑性樹脂シート
は、その面内に余裕を以て縫い目線を含み、また縫い目
線に沿って帯状に設けられるのが好適である。ホットメ
ルト接着樹脂シートを縫い目線から外れた位置で縫合す
る必要はない。
次いで、以上の工程を経て調製された先駆縫合構造物
は、高周波加熱加工装置の金型とクランプの間に装着さ
れ、厚み方向で押圧を受けながら高周波の通電を受け、
ホットメルト接着樹脂シートを溶融、流動化させるに充
分な高周波電圧を印加して、流動化させ、表面材と裏面
材との間で前記ホットメルト接着樹脂の皮膜層を形成
し、樹脂の一部を縫い線を形成する各針孔に入り込ませ
て、充填することにより、抗漏水縫合構造が形成され
る。
高周波加熱は、汎用の加熱装置例えば高周波ウエルダ
ー装置を用いることができる。高周波電圧の印加は、い
わゆる接着面加熱方式に準ずる条件の下で先駆縫合構造
物のホットメルト接着樹脂シートのみを溶融、流動化さ
せる。先駆縫合構造物の高周波加熱システムは、第4図
(A)〜第4図(C)の概念図を参照して説明すると、
先駆縫合構造物(A1)の表面材の面に沿った型面を有す
る、導電性金型(10)とその型面に先駆縫合構造物をそ
の反対面から均一に押圧乃至支持して固定する上部導電
性金型(以下、導電性クランプと呼ぶことがある)(1
1)で構成される押圧加熱型ユニット、高周波電流発生
装置(13)と押圧加熱型ユニットとを連結する通電ケー
ブル(12)とからなる高周波加熱装置を用いて、先駆縫
合構造物(A1)を導電性金型(10)と上部導電性金型
(11)との間で、均一圧で押圧保持して、先駆縫合構造
物(A1)内のホットメルト接着樹脂シート(6a)のみを
溶融、流動化する電圧を印加することが重要である。こ
こで、先駆縫合構造物を保持するとは、先駆縫合構造物
の表裏面を第4図で示すように導電性金型(10)と上部
導電性金型(11)との間で密に挟むことである(矢印参
照)。このことは、縫合構造物が(第4図(A)の平面
金型で加熱される)平面加工製品であろうと、第4図
(B)、(C)の曲面金型を用いて曲面に加工される立
体加工製品であろうと違いはない。押圧下に保持するた
めには、導電性金型(10)と上部導電性金型(11)の何
れかに弾性の押圧シート(15)を取り外し可能に用意し
ておき、先駆縫合構造物を保持して電圧を印加すること
で所定の層においてのみ選択的に熱を発生させる必要が
ある。
高周波加熱加工装置の設計上特に留意すべきは、導電
性の金型(10)、上部導電性金型(11)の先駆縫合構造
物の保持面の形状である。すなわち導電性の金型(1
0)、上部導電性金型(11)の先駆縫合構造物の保持面
が先駆縫合構造物の目的とする製品の外形、特に外表面
の形状に沿った面をもつ形状をもっていることが必要で
ある。
先駆縫合構造物の目的製品が立体的な構造物、例えば
靴である場合には、先駆縫合構造物は、胛被部分、踵周
辺の成形形状、その外表面を胛被、踵各部分の曲面に沿
った設計形状を保持して高周波加熱されなければならな
い。したがって、第1図(A)、第4図(B)又は第4
図(C)で示されるように、導電性金型(10)及び上部
導電性金型(11)の形状は、対象とする製品の形状に合
致した平面、曲面で先駆縫合構造物を保持乃至支持する
様な形状の型を提供するようそれぞれ設計されなければ
ならない。
以下、第5図、第6図及び第7図を参照して、本発明
の縫合構造物を立体形状製品に加工するに好適な加熱装
置の構造について説明する。第5図〜第7図では、立体
形状製品を靴とするもので、特に先駆縫合構造物が靴底
を取りつけられる前の胛被、踵、腰皮、前革部を含む靴
のアッパー部材に加工される先駆縫合構造物が高周波加
熱加工装置にセットされている。第5図に示すように、
高周波加熱加工装置は先駆縫合構造物(A1)を装着する
導電性金型(10)と該導電性金型に装着された先駆縫合
構造物(A1)の縫合部を押さえる導電性のクランプ(11
a)、(11b)及び(11c)と、該導電性クランプを移動
させる手動ハンドル(14a)、(14b)及び(14c)と、
上記導電性金型と導電性クランプとの間に配置され、か
つ、先駆縫合構造物を導電性クランプで挟持することに
より先駆縫合構造物(A1)と接触する弾性押圧シート
(15)と、金属板(16)と、上記導電性金型および導電
性クランプに高周波電圧を印加して先駆縫合構造物(A
1)の熱溶融性樹脂シートを溶融する高周波発生装置(1
3)とからなる。なお、導電性金型等は通常、後述第7
図のようにテフロン、ジュラコン等の絶縁体を介してベ
ース機台(17)に載置される。
導電性金型(10)の素材としては、通電可能なもので
あれば特に限定されないが、アルミ製のものが軽量であ
り、加工性および耐久性の点からも好ましい。その形状
は先駆縫合構造物(A1)の種類により適宜選定される。
具体的には曲面に加工される先駆縫合構造物の縫合部が
金型に接することができる形状のものが用いられる。導
電性金型(10)の大きさも先駆縫合構造物の形状、サイ
ズに応じて決定される。例えば、先駆縫合構造物が靴に
加工される場合には、長さが20〜40cm、幅3〜10cm、高
さ10〜30cm程度の金型が用いられる。
導電性クランプ(11)の形状は、先駆縫合構造物(A
1)の形態により適宜選択される。U字型やドーナツ型
等の形状として先駆縫合構造物(A1)の外周から圧力を
かけて先駆縫合構造物の縫合部を押さえて挟持すること
ができる形状とするのが好ましい。具体的には、曲面を
有する先駆縫合構造物(A1)の全面に一回の高周波電圧
を加えて先駆縫合構造物内の溶融性樹脂シート(6a)を
溶融させるため、先駆縫合構造物をその周の少なくとも
三方全体を挟持する形状とするのが好ましい。また導電
性クランプ(11)の大きさは先駆縫合構造物の外周から
縫合部を挟持できる大きさであればよい。
先駆縫合構造物(A1)が靴である図5の例では導電性
金型10の外側三方に3個の水平移動可能な導電性クラン
プ(11a)、(11b)、(11c)をU字型のアーム状に配
置した、全長50〜80cm、幅3〜5cm、高さ5〜15cm程度
のものを用いるのが好ましい。導電性クランプの素材と
しては通電可能なものであれば特に限定されないが、上
記導電性金型(10)と同様にアルミ製のものが好まし
い。先駆縫合構造物(A1)を導電性クランプ(11a)、
(11b)、(11c)で挟持する方法としては、導電性クラ
ンプにそれぞれ取り付けられた手動レバー(14a)、(1
4b)、(14c)により先駆縫合構造物を押さえる方法が
一般的である。しかし、操業性の点から、コンプレッサ
を取付けてエアシリンダで導電性クランプそれぞれに圧
力をかけて自動的に行うことも可能である。先駆縫合構
造物(A1)を挟持する圧力はその種類によって異なる
が、靴の場合は1.0〜4.0kg/cm2の範囲が好ましい。
弾性押圧シート(15)は、導電性金型(10)の先駆縫
合構造物との間、もしくあ先駆縫合構造物と導電性クラ
ンプ(11a)、(11b)、(11c)との間に配置される。
先駆縫合構造物(A1)は、導電性金型(10)に装着さ
れ、上又は下に弾性押圧シート(15)が配置される。弾
性押圧シート(15)は導電性クランプ(11a)、(11b)
及び(11c)により押さえられ、先駆縫合構造物(A1)
の曲面および凹凸を吸収して先駆縫合構造物と面と密着
することができる。
弾性押圧シート(15)の素材としては印加される高周
波電圧によっては溶融しない絶縁体であれば特に制限は
ないが、誘電率が3.2〜4.7であり、誘電力率が0.002〜
0.02、誘電率と誘電力率の積が0.006〜0.09の弾性樹脂
シートが好ましい。このような弾性樹脂シートとして
は、シリコンゴム、ポリウレタン等の絶縁性のゴムシー
ト、または発泡合成樹脂シート等が挙げられる。これら
のうち、腰があり、クランプで把持されたときの厚さ変
化率が2kg/cm2荷重下で4/5〜1/10の範囲にあり、さらに
3/5〜1/5の範囲で圧縮回復性に優れている点でシリコン
樹脂シートが特に好ましい。弾性押圧シート(15)の大
きさは導電性金型1の大きさに合わせるのが取扱いの点
で好ましく、その厚みはホットメルト接着樹脂シート
(6a)の均一溶融の点から3〜5mmの範囲が好ましい。
金属板(16)は導電性金型(10)に装着された先駆縫
合構造物と導電性クランプ(11a)、(11b)、(11c)
との間、弾性押圧シート(15)は先駆縫合構造物の面と
接するように配置される。
先駆縫合構造物は導電性金型(10)に装着され、その
外周は弾性押圧シート(15)と接触する。弾性押圧シー
トは、導電性クランプにより挟持により先駆縫合構造物
とその曲面および凹凸を吸収して密着することができ
る。また弾性押圧シート(15)と接触する金属板(16)
も柔軟性を有するため、先駆縫合構造物の曲面および凹
凸を吸収した上記弾性押圧シートと密着することができ
る。一方、金属板(16)は導電性クランプ(11a)、(1
1b)及び(11c)と接触して高周波発生装置(13)から
の通電により、先駆縫合構造物を加熱するが、該金属板
(16)が導電性クランプ(11a)、(11b)、(11c)と
完全に密着していない場合でもその一部が接触していれ
ば、金属板(16)には均一な高周波電圧が印加され、該
金属板(16)と弾性押圧シート(15)を介して密着する
先駆縫合構造物内のホットメルト接着樹脂シート(6a)
を均一に溶融することができる。すなわち、金属板(1
6)は、導電性クランプの全面に密着している必要はな
く、通電時に金属板(16)が導電性クランプ(11a)、
(11b)、(11c)それぞれの一部と接触していればよ
い。
金属板(16)の素材としては、通電が可能であれば特
に制限はないが、曲面への追従性、通電の均一性の点で
銅板、リン青銅板等が好ましい。またその大きさは導電
性クランプの大きさに合わせるのが取扱いの点で好まし
い。さらに金属板(16)の厚みは、柔軟性が得られるよ
うに1〜3mmの範囲とするのが好ましい。
また弾性押圧シート(15)は、上述のように曲面や凹
凸を有する先駆縫合構造物(A1)および金属板(電極)
との緩衝材としての役割を有し、導電性クランプによる
挟持により先駆縫合構造物(A1)の曲面および凹凸を吸
収し、先駆縫合構造物(A1)の縫合部に熱を均一に伝
え、これにより、ホットメルト接着樹脂シート(6a)を
均一に溶融させて溶融ムラを防止する。
第6図は、第5図を参照して前述した高周波加熱装置
が斜観してその外観を示す図である。第7図は、第6図
をその構造が明らかである導電性金型(10)に靴材の先
駆縫合構造物(A1)を装着してその両側面を弾性押圧シ
ート(15)を介して、押圧下に所定の高周波電圧を前記
先駆縫合構造物に印加している状態を示している。
なお、第6図及び第7図において、ベース板(17)
は、図示していないテフロン、ジュラコン等の絶縁板を
介して取付けられた導電性金型(10)、導電性クランプ
(11a)、(11b)、及び(11c)等の載置台である。
本発明の方法に用いられる高周波加熱加圧装置として
は、公知のものが使用できる。例えば、精電舎電子工業
社製の高周波ウエルダーを用いることができる。
導電製金属と上部導電製金型又は導電性クランプして
高周波電圧を印加して先駆縫合構造物に高周波電界を加
えるには、導電製金型側を出力側(正極)とし、導電性
クランプ側を入力側(負極)として3〜5KWの電圧を印
加する。先駆縫合構造物(A1)中のホットメルト接着樹
脂シート(6a)を充分に溶融接合させるためには、縫合
部の面積によっても異なるが、通常、0.4〜0.9A、好ま
しくは0.7〜0.8Aの電流を3〜18秒、好ましくは5〜15
秒間通電させるのが好ましい。
実施例 以下、本発明の実施例を比較例と共に説明する。実施
例及び比較例において用いた縫合構造物等の評価試験方
法は、次に記載する方法に準じて測定したものである。
(1)耐水圧性の測定 JIS−L−1092の耐水圧試験法(静水圧法)による。
(2)撥水性の測定 JIS−L− の撥水性試験(スプレー法)による。
実施例1 フッ素系撥水処理を施した牛製皮革材(耐水圧1000mm
H2O撥水度90点)の表面材と、ナイロン66の100%織物
(組織:斜子織、糸使い:経緯とも420d/70f×2本、撚
数130T/M、織密度経50本/インチ、緯40本/インチ)に
フッ素系撥水加工を施して得られた表側基布の裏側に、
ポリウレタン系樹脂皮膜(厚み50ミクロン)、ポリウレ
タンスポンジ(厚み5mm)およびナイロン6(50重量
%)とナイロン66(50重量%)からなる目付120g/m2
スパンポンド(旭化成工業社製、商品名マリーク)を順
に接着したラミネート防水布帛(耐水圧4000mmH2O、撥
水度85点)を裏面材として用意し、この両者を防水靴材
として所定の形状に裁断した。次に牛製皮靴材(表面
材)裁断片の下に防水布帛(裏面材)裁断片を重ね縫合
する際、牛製皮靴材(表面材)裁断片とラミネート防水
布帛(裏面材)裁断片との間の縫合線に沿って、ポリア
ミド系ホットメルト樹脂テープ:(ダイセル化学工業社
製、ダイアミドスパン(登録商標)、目付300g/m2)を
挟んで本縫いにミシン(ミシン針#20、ミシン糸#8
(ポリエステルフィラメント糸)、縫ピッチ3.5針/cm)
で縫合した。このポリアミド系ホットメルト樹脂テープ
の印加周波数1×106HZ/温度20℃のときの誘電率は4.
3、誘電力率は0.09、融点は100℃であった。
次いで縫合した靴アッパー部材(先駆縫合構造物片)
を側面部(左右)、甲部、踵部毎に専用の導電性金型に
装着し、高周波ウエルダー(精電舎電子工業社製)で周
波数40MHZ、通電時間12秒、陽極電流0.70Aの電流で通電
し、先駆縫合物である靴アッパー部材中のポリアミド系
ホットメルト樹脂テープを溶融させ、その縫合部を接合
した。
その結果、フッソ糸撥水処理を施した牛製皮革材およ
び裏面材のラミネート防水布帛には何の変化も見られ
ず、ポリアミド系ホットメルト樹脂テープのみが充分か
つ均一に溶融し、樹脂の一部は、第2図に示すように縫
合線の縫針孔の少くともその断面を閉塞し、又縫糸を包
埋して充填し、表裏面材に接着して、縫針孔及び表裏面
材間を通る雨水等の水の流れを遮断するソフトな接合縫
合部を有する靴材を得ることができた。靴材の縫合部の
耐水圧は2300mmH2Oであった。
実施例2 フッ素系撥水処理を施した牛製皮革材銀面タイプ(耐
水圧2000mmH2O、撥水度95点)を防水靴材とし所定の形
状に裁断した。次いで牛製皮革裁断片同志を重ね合せ縫
合すること以外は実施例1に準じた方法で接合した。
その結果、牛製皮革材には何の変化も見られずポリア
ミド系ホットメルト樹脂テープのみが充分かつ均一に溶
融し、ソフトな接合縫合部を有する靴材を得ることがで
きた。靴材の縫合部の耐水圧は2,200mmH2Oであった。
比較例1 実施例1と同様にして作った靴アッパー部材である先
駆縫合構造物をアイロン(温度150℃、時間20秒)で加
熱圧着してポリアミド系ホットメルト樹脂テープを溶融
し、防水性靴の縫合品を得た。その結果、部分的に溶融
不十分な箇所があり、その部分では縫合部の耐水圧は20
0mmH2Oであった。
産業上の利用の可能性 本発明の抗漏水性の縫合構造物は、縫合部の構造の耐
水性が極めて優れており、縫合部の耐水性は屈曲等の外
力を受けても低下することがない。
本発明の抗漏水性の縫合構造物は、縫合部の中間層に
配置したホットメルト接着樹脂シート材のみを高周波加
熱法を適用して溶融したものであるので、縫合構造物が
曲面に加工される製品であっても、高度の抗漏水性をも
った縫合部を有している。
本発明の縫合構造物は、述上の方法により形成するの
で、曲面および凹凸の多い立体形状物全体を一回の通電
操作で均一に加熱することができ、縫合部内のホットメ
ルト接着樹脂シートを均一に溶融接合させることができ
るため、作業性に優れ、かつ防水性布帛等にダメージを
与えることもない。
本発明の抗漏水性に優れた縫合物を有する立体形状物
の製造方法および加工装置は、曲面を有する縫合部に防
水性を付与する目的で、さまざまな防水性縫合物、例え
ば、布帛や皮革で構成されている短靴、長靴、トレッキ
ングシューズ、防寒ブーツ、帽子、フード、手袋、スキ
ー様手袋、ザック、天然繊維製のテント等の製品に好適
に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D05B 1/26 A43B 10/00 101Z D06H 5/00 101D (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 31/50 A43B 9/02 A43B 9/20 A43D 21/00 B29C 65/72 D05B 1/26 D06H 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記工程を含むことを特徴とする抗漏水性
    の縫い目を有する縫合構造物の形成方法: (a)防水性シート材料で構成されている表面材と裏面
    材との間に少なくとも縫い目に沿って誘電力率が前記面
    材のそれらよりも1.7倍から4倍であるホットメルト接
    着樹脂シートをサンドイッチ状に挟んで縫合して先駆縫
    合構造物を調製する工程、及び (b)前記先駆縫合構造物を少なくともその一面側で誘
    電率と誘電力率の積が0.006から0.09の弾性押圧シート
    の面により押圧しつつ前記ホットメルト接着樹脂シート
    を溶融させるに充分な高周波電圧を印加して前記ホット
    メルト接着樹脂を流動化させ、その一部を前記の縫合線
    の針孔に侵入充填させる工程。
  2. 【請求項2】工程(b)において、先駆縫合構造物が曲
    面形状面に縫い目を有する立体に形成されることを特徴
    とする請求項1記載の抗漏水性の縫い目を有する縫合構
    造物の形成方法。
  3. 【請求項3】ホットメルト接着樹脂シートがポリアミド
    系ホットメルト接着樹脂シートであることを特徴とする
    請求項1記載の抗漏水性の縫い目を有する縫合構造物の
    形成方法。
  4. 【請求項4】弾性押圧シートがシリコーン樹脂シートで
    あることを特徴とする請求項1記載の抗漏水性の縫い目
    を有する防水性縫合構造物の形成方法。
  5. 【請求項5】縫合構造物が靴であることを特徴とする請
    求項1記載の抗漏水性の縫い目を有する防水性縫合構造
    物の形成方法。
  6. 【請求項6】先駆縫合構造物の仕上げ加工物の曲面に沿
    った形状の型面を有する先駆構造物の導電性金型、前記
    導電性金型に先駆縫合構造物を反対面で押圧し保持する
    他の導電性金型又は上部導電性金型、前記金型又は導電
    性クランプのいずれかの少なくとも一方の先駆縫合構造
    物の保持面に誘電率と誘電力率の積が0.006から0.09の
    弾性押圧シートが設けられ、前記金型又は導電性クラン
    プに高周波電流を供給する手段とからなる先駆縫合構造
    物縫い目仕上げ加工装置。
  7. 【請求項7】導電性金型又は上部導電性金型と弾性押圧
    シートの間に金属が介在していることを特徴とする請求
    項6記載の縫合構造物の縫い目仕上げ装置。
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