JP3252499B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JP3252499B2 JP3252499B2 JP34764192A JP34764192A JP3252499B2 JP 3252499 B2 JP3252499 B2 JP 3252499B2 JP 34764192 A JP34764192 A JP 34764192A JP 34764192 A JP34764192 A JP 34764192A JP 3252499 B2 JP3252499 B2 JP 3252499B2
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- resin
- copolymer
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性および耐熱
性、耐薬品性など諸物性のバランスに優れ、表面が艶消
しされた熱可塑性樹脂組成物に関する。
性、耐薬品性など諸物性のバランスに優れ、表面が艶消
しされた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ABS
樹脂(アクリロニトリル−ジエン系ゴム−スチレン共重
合体)やAES樹脂(アクリロニトリル−エチレン・プ
ロピレン系ゴム−スチレン共重合体)などのシアン化ビ
ニル−ゴム状重合体−芳香族ビニルからなる3元系共重
合体で代表されるABS系樹脂は、その優れた成形性、
耐衝撃性、剛性および良好な表面光沢を有するために車
両、弱電、雑貨など種々の分野で使用されている。しか
し、用途によっては、必ずしもこれらの物性をすべて必
要とするものではなく、例えば自動車の内装部品、事務
用または家庭用電気機器部品など、他の物性を低下させ
ることなく、成形品の表面光沢を低下させ、艶消し状態
に改質されたABS系樹脂が求められている。
樹脂(アクリロニトリル−ジエン系ゴム−スチレン共重
合体)やAES樹脂(アクリロニトリル−エチレン・プ
ロピレン系ゴム−スチレン共重合体)などのシアン化ビ
ニル−ゴム状重合体−芳香族ビニルからなる3元系共重
合体で代表されるABS系樹脂は、その優れた成形性、
耐衝撃性、剛性および良好な表面光沢を有するために車
両、弱電、雑貨など種々の分野で使用されている。しか
し、用途によっては、必ずしもこれらの物性をすべて必
要とするものではなく、例えば自動車の内装部品、事務
用または家庭用電気機器部品など、他の物性を低下させ
ることなく、成形品の表面光沢を低下させ、艶消し状態
に改質されたABS系樹脂が求められている。
【0003】従来の成形品の艶消し方法としては、AB
S系樹脂にチタン、マグネシウム、カルシウムなどの酸
化物や炭酸塩などのフィラーを添加する方法が知られて
いるが、この方法では、成形品表面に艶消しむらが生ず
るうえ、機械的強度、特に衝撃強度を大きく低下させる
といった難点がある。
S系樹脂にチタン、マグネシウム、カルシウムなどの酸
化物や炭酸塩などのフィラーを添加する方法が知られて
いるが、この方法では、成形品表面に艶消しむらが生ず
るうえ、機械的強度、特に衝撃強度を大きく低下させる
といった難点がある。
【0004】また、ABS系樹脂にゴム状弾性体を添加
する方法もよく知られているが、この方法では、耐熱
性、剛性などの機械的性質を低下させるとともに、これ
らの分散不良による艶消しむらが生ずる欠点を有してい
る。さらに、架橋性エチレン共重合体を添加する方法
(特開昭59−89346号公報)が提案されている
が、この方法では、幾分艶消しむらなど改良されるもの
の、まだ満足できるものではなく、機械的物性、特に衝
撃強度の低下も大きい。
する方法もよく知られているが、この方法では、耐熱
性、剛性などの機械的性質を低下させるとともに、これ
らの分散不良による艶消しむらが生ずる欠点を有してい
る。さらに、架橋性エチレン共重合体を添加する方法
(特開昭59−89346号公報)が提案されている
が、この方法では、幾分艶消しむらなど改良されるもの
の、まだ満足できるものではなく、機械的物性、特に衝
撃強度の低下も大きい。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来知ら
れていた技術上の問題点を解決すべく、ABS系樹脂の
改質に有効な樹脂組成物について鋭意検討した結果、A
BS系樹脂と同等の良好な耐熱性、耐衝撃性、成形性お
よび剛性を有すると共に、成形品表面が均一に艶消しさ
れた外観が良好な熱可塑性樹脂組成物を見いだし、本発
明を完成させた。
れていた技術上の問題点を解決すべく、ABS系樹脂の
改質に有効な樹脂組成物について鋭意検討した結果、A
BS系樹脂と同等の良好な耐熱性、耐衝撃性、成形性お
よび剛性を有すると共に、成形品表面が均一に艶消しさ
れた外観が良好な熱可塑性樹脂組成物を見いだし、本発
明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、(A)ABS系樹脂
100重量部に対し、(B)エポキシ基含有エチレン共
重合体0.01〜50重量部および(C)熱硬化性エポ
キシ樹脂0.001〜30重量部含有することを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
100重量部に対し、(B)エポキシ基含有エチレン共
重合体0.01〜50重量部および(C)熱硬化性エポ
キシ樹脂0.001〜30重量部含有することを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる(A)ABS系樹脂とは、例えば(a) ゴム状重合
体の存在下、(b) シアン化ビニル化合物および(c) 芳香
族ビニル化合物を重合してなる共重合体であり、ABS
樹脂(アクリロニトリル−ジエン系ゴム−スチレン共重
合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレン・プ
ロピレン系ゴム−スチレン共重合体)などのシアン化ビ
ニル−ゴム状重合体−芳香族ビニルからなる3元系共重
合体で代表されるABS系樹脂が挙げられる。
用いる(A)ABS系樹脂とは、例えば(a) ゴム状重合
体の存在下、(b) シアン化ビニル化合物および(c) 芳香
族ビニル化合物を重合してなる共重合体であり、ABS
樹脂(アクリロニトリル−ジエン系ゴム−スチレン共重
合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレン・プ
ロピレン系ゴム−スチレン共重合体)などのシアン化ビ
ニル−ゴム状重合体−芳香族ビニルからなる3元系共重
合体で代表されるABS系樹脂が挙げられる。
【0008】(a) ゴム状重合体としては、ジエン系ゴム
状重合体および非ジエン系ゴム状重合体を使用すること
ができる。ジエン系ゴム重合体としては、例えばポリブ
タジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体、ポリイソプレン、天然ゴ
ムなどが挙げられる。非ジエン系ゴム状重合体として
は、例えばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
プロピレン−非共役ジエン共重合体、アクリル系ゴムな
どが挙げられる。これらのゴム状重合体は単独または2
種以上混合して使用することも可能である。また共役ジ
エン系ゴム状重合体と非共役ジエン系ゴム状重合体を混
合して使用することもできる。(b) シアン化ビニル化合
物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニト
リルなどが挙げられる。(c) 芳香族ビニル化合物として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、α−エチル
スチレン、ジメチルスチレン、クロルスチレンなど例示
される。また必要に応じて、エチレン系不飽和カルボン
酸エステル、アミド基を有するビニル化合物などのその
他の共重合可能な化合物を共重合して使用することがで
きる。
状重合体および非ジエン系ゴム状重合体を使用すること
ができる。ジエン系ゴム重合体としては、例えばポリブ
タジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体、ポリイソプレン、天然ゴ
ムなどが挙げられる。非ジエン系ゴム状重合体として
は、例えばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
プロピレン−非共役ジエン共重合体、アクリル系ゴムな
どが挙げられる。これらのゴム状重合体は単独または2
種以上混合して使用することも可能である。また共役ジ
エン系ゴム状重合体と非共役ジエン系ゴム状重合体を混
合して使用することもできる。(b) シアン化ビニル化合
物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニト
リルなどが挙げられる。(c) 芳香族ビニル化合物として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、α−エチル
スチレン、ジメチルスチレン、クロルスチレンなど例示
される。また必要に応じて、エチレン系不飽和カルボン
酸エステル、アミド基を有するビニル化合物などのその
他の共重合可能な化合物を共重合して使用することがで
きる。
【0009】次に本発明で用いる(B)エポキシ基含有
エチレン共重合体とは、(a) エチレン単位が50〜99
重量%、(b) 不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位
または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜50重
量%、好ましくは0.5〜20重量%、(c) エチレン系
不飽和化合物単位が0〜50重量%からなるエポキシ基
含有エチレン共重合体である。(B)エポキシ基含有エ
チレン共重合体において(b) 不飽和カルボン酸グリシジ
ルエステル単位および不飽和グリシジルエーテル単位と
は下記一般式(1) 、(2) で表される。 (式中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基である。) (式中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基であり、X
はCH2 −O−または下式(3)である。) 具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、イタコン酸グリシジルエステル、アリルグ
リシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテ
ル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどが挙げられ
る。
エチレン共重合体とは、(a) エチレン単位が50〜99
重量%、(b) 不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位
または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜50重
量%、好ましくは0.5〜20重量%、(c) エチレン系
不飽和化合物単位が0〜50重量%からなるエポキシ基
含有エチレン共重合体である。(B)エポキシ基含有エ
チレン共重合体において(b) 不飽和カルボン酸グリシジ
ルエステル単位および不飽和グリシジルエーテル単位と
は下記一般式(1) 、(2) で表される。 (式中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基である。) (式中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基であり、X
はCH2 −O−または下式(3)である。) 具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、イタコン酸グリシジルエステル、アリルグ
リシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテ
ル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどが挙げられ
る。
【0010】また、本発明で用いる(B)エポキシ基含
有エチレン共重合体は、(a) エチレン、(b) 不飽和カル
ボン酸グリシジルエステルまたは不飽和グリシジルエー
テル及び(c) エチレン系不飽和化合物の3元以上の多元
共重合体を挙げることができる。この(c) エチレン系不
飽和化合物としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル
等のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル類、ビ
ニルエーテル類、スチレン類などが挙げられる。(B)
エポキシ基含有エチレン共重合体としては、例えば、エ
チレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン
−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート3元
共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−エチ
ルアクリレート3元共重合体、エチレン−グリシジルメ
タクリレート−酢酸ビニル3元共重合体等が挙げられ
る。中でもエチレン−グリシジルメタクリレート−メチ
ルアクリレート3元共重合体、エチレン−グリシジルメ
タクリレート−酢酸ビニル3元共重合体が好ましい。
有エチレン共重合体は、(a) エチレン、(b) 不飽和カル
ボン酸グリシジルエステルまたは不飽和グリシジルエー
テル及び(c) エチレン系不飽和化合物の3元以上の多元
共重合体を挙げることができる。この(c) エチレン系不
飽和化合物としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル
等のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル類、ビ
ニルエーテル類、スチレン類などが挙げられる。(B)
エポキシ基含有エチレン共重合体としては、例えば、エ
チレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン
−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート3元
共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−エチ
ルアクリレート3元共重合体、エチレン−グリシジルメ
タクリレート−酢酸ビニル3元共重合体等が挙げられ
る。中でもエチレン−グリシジルメタクリレート−メチ
ルアクリレート3元共重合体、エチレン−グリシジルメ
タクリレート−酢酸ビニル3元共重合体が好ましい。
【0011】また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
のメルトインデックス(JISK6760)は特に限定され
るものではないが、0.5〜100g/10分が好まし
い。エポキシ基含有エチレン共重合体の製造方法は、特
に限定されるものではなく、不飽和エポキシ化合物が共
重合体の主鎖中に導入されるランダム共重合法および不
飽和エポキシ化合物が共重合体の側鎖として導入される
グラフト共重合法のいずれでも可能である。製造方法と
しては、例えば不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジ
カル発生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜
300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存
在下に共重合させる方法、ポリエチレンまたはエチレン
系共重合体に不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法などが挙げられる。
のメルトインデックス(JISK6760)は特に限定され
るものではないが、0.5〜100g/10分が好まし
い。エポキシ基含有エチレン共重合体の製造方法は、特
に限定されるものではなく、不飽和エポキシ化合物が共
重合体の主鎖中に導入されるランダム共重合法および不
飽和エポキシ化合物が共重合体の側鎖として導入される
グラフト共重合法のいずれでも可能である。製造方法と
しては、例えば不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジ
カル発生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜
300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存
在下に共重合させる方法、ポリエチレンまたはエチレン
系共重合体に不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法などが挙げられる。
【0012】上記(B)エポキシ基含有エチレン共重合
体の添加量は(A)ABS系樹脂100重量部に対して
0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜35重量
部、より好ましくは1〜10重量部である。0.01重
量部未満では、満足できる成形品表面の艶消し効果が得
られず、逆に50重量部を越えると成形加工性の悪化や
機械的物性の低下など好ましい結果が得られない。
体の添加量は(A)ABS系樹脂100重量部に対して
0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜35重量
部、より好ましくは1〜10重量部である。0.01重
量部未満では、満足できる成形品表面の艶消し効果が得
られず、逆に50重量部を越えると成形加工性の悪化や
機械的物性の低下など好ましい結果が得られない。
【0013】本発明で使用する(C)熱硬化性エポキシ
樹脂としては、1分子中にグリシジル基を2個以上有す
るものであり、例えば2,2’−ビス(ヒドロキシフェ
ニル)プロパン[ビスフェノールA]とエピクロルヒド
リンを反応させて得られるビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック樹脂とエピクロルヒドリンより得られる
ノボラック型エポキシ樹脂、その他、環状脂肪族エポキ
シ樹脂、グリシジルエーテル系樹脂、グリシジルエステ
ル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂などが挙げられる。
これらの使用可能な熱硬化性エポキシ樹脂は、たとえば
新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」20、30、
62、78頁などに示されている。好適なエポキシ樹脂
としては、例えばオルトクレゾールノボラック、または
フェノールノボラックのポリグリシジルエーテルや、
2,2’−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン[ビス
フェノールA]のポリグリシジルエーテルなどの固体エ
ポキシ樹脂が挙げられるが、液体のエポキシ樹脂も使用
できる。
樹脂としては、1分子中にグリシジル基を2個以上有す
るものであり、例えば2,2’−ビス(ヒドロキシフェ
ニル)プロパン[ビスフェノールA]とエピクロルヒド
リンを反応させて得られるビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック樹脂とエピクロルヒドリンより得られる
ノボラック型エポキシ樹脂、その他、環状脂肪族エポキ
シ樹脂、グリシジルエーテル系樹脂、グリシジルエステ
ル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂などが挙げられる。
これらの使用可能な熱硬化性エポキシ樹脂は、たとえば
新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」20、30、
62、78頁などに示されている。好適なエポキシ樹脂
としては、例えばオルトクレゾールノボラック、または
フェノールノボラックのポリグリシジルエーテルや、
2,2’−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン[ビス
フェノールA]のポリグリシジルエーテルなどの固体エ
ポキシ樹脂が挙げられるが、液体のエポキシ樹脂も使用
できる。
【0014】これらの(C)熱硬化性エポキシ樹脂の添
加量は、(A)ABS系樹脂100重量部に対して0.
001〜30重量部、好ましくは0.01〜20重量
部、より好ましくは0.1〜10重量部である。0.0
01重量部未満では、成形品表面の艶消し効果が不十分
であり、逆に30重量部を越えると、成形性が悪化し成
形品表面にフローマークが生ずるなど外観不良を引き起
こす。
加量は、(A)ABS系樹脂100重量部に対して0.
001〜30重量部、好ましくは0.01〜20重量
部、より好ましくは0.1〜10重量部である。0.0
01重量部未満では、成形品表面の艶消し効果が不十分
であり、逆に30重量部を越えると、成形性が悪化し成
形品表面にフローマークが生ずるなど外観不良を引き起
こす。
【0015】本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するに
あたり、各成分の混合方法については特に制限はなく、
溶融混練などにより実施することができる。溶融混練に
は、例えば一般に使用されている1軸もしくは2軸など
の各種押出機、バンバリーミキサー、ロール、各種ニー
ダー等の混練装置を用いることができる。混合順序につ
いても特に制限はなく、各成分の一括混合、またあらか
じめ2成分を予備混合した後に、残りの1成分を混合す
る方法のいずれでも良い。例えば、あらかじめエポキシ
基含有エチレン共重合体に熱硬化性エポキシ樹脂を溶融
混練してマスターバッチを製造し、その適量をABS系
樹脂に添加する方法など挙げられる。
あたり、各成分の混合方法については特に制限はなく、
溶融混練などにより実施することができる。溶融混練に
は、例えば一般に使用されている1軸もしくは2軸など
の各種押出機、バンバリーミキサー、ロール、各種ニー
ダー等の混練装置を用いることができる。混合順序につ
いても特に制限はなく、各成分の一括混合、またあらか
じめ2成分を予備混合した後に、残りの1成分を混合す
る方法のいずれでも良い。例えば、あらかじめエポキシ
基含有エチレン共重合体に熱硬化性エポキシ樹脂を溶融
混練してマスターバッチを製造し、その適量をABS系
樹脂に添加する方法など挙げられる。
【0016】本発明の樹脂組成物は、その成形性、物性
を損なわないかぎりにおいて他の成分、例えば顔料、染
料、補強剤、充填剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候
剤、核剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、可塑剤
などを配合することができる。また、本発明の樹脂組成
物は、飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセ
タール、ポリフェニレンオキサイド、ポリメチルメタク
リレート、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を適宜添
加配合することができる。本発明の樹脂組成物は、成形
方法に特に限定されるものではないが、例えば射出成
形、押出成形、その他の各種の成形加工法によって成形
される。
を損なわないかぎりにおいて他の成分、例えば顔料、染
料、補強剤、充填剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候
剤、核剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、可塑剤
などを配合することができる。また、本発明の樹脂組成
物は、飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセ
タール、ポリフェニレンオキサイド、ポリメチルメタク
リレート、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を適宜添
加配合することができる。本発明の樹脂組成物は、成形
方法に特に限定されるものではないが、例えば射出成
形、押出成形、その他の各種の成形加工法によって成形
される。
【0017】
【発明の効果】以上、詳述したとおり、本発明は、成形
品表面の艶が消え、同時に耐衝撃性などの機械的物性お
よび熱的物性などの諸物性のバランスを維持する熱可塑
性樹脂組成物を提供できる。特に、エポキシ基含有エチ
レン共重合体と熱硬化性エポキシ樹脂を組合せ配合する
ことにより、極めて均一かつ効果的に成形品表面の艶を
消すことができ、さらにこれらの機械的物性、熱的物性
および成形加工性がABS系樹脂単品と同等で極めて優
れる。さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物は、通常のA
BS系樹脂組成物に用いられる成形加工法、例えば射出
成形、押出成形などの成形加工法により容易に成形品、
フィルム、シート等に加工され、成形品表面の艶が均一
に消え、耐衝撃性、剛性、耐熱性、成形加工性などの物
性バランスに優れた製品を得ることができる。
品表面の艶が消え、同時に耐衝撃性などの機械的物性お
よび熱的物性などの諸物性のバランスを維持する熱可塑
性樹脂組成物を提供できる。特に、エポキシ基含有エチ
レン共重合体と熱硬化性エポキシ樹脂を組合せ配合する
ことにより、極めて均一かつ効果的に成形品表面の艶を
消すことができ、さらにこれらの機械的物性、熱的物性
および成形加工性がABS系樹脂単品と同等で極めて優
れる。さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物は、通常のA
BS系樹脂組成物に用いられる成形加工法、例えば射出
成形、押出成形などの成形加工法により容易に成形品、
フィルム、シート等に加工され、成形品表面の艶が均一
に消え、耐衝撃性、剛性、耐熱性、成形加工性などの物
性バランスに優れた製品を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらにより限定されるものではない。なお、実
施例中の物性測定は以下の方法で行った。 (1)メルトフローレート(MI) ASTM D1238(220℃,10kg)に従って
実施した。 (2) 表面艶消し度(グロス) グロスメーター GM−3D(村上色彩技術研究所製)
により60゜の条件で実施した。 (3)アイゾット衝撃強度 ASTM D256(サンプル厚み3.2mm、測定温
度23℃および−30℃、V−ノッチ付き)に従って実
施した。 (4)曲げ弾性率 ASTM D790(サンプル厚み3.2mm)に従っ
て実施した。 (5)熱変形温度 ASTM D648(サンプル厚さ6.4mm、曲げ応
力18.6kgf/cm2 )に従って実施した。
発明はこれらにより限定されるものではない。なお、実
施例中の物性測定は以下の方法で行った。 (1)メルトフローレート(MI) ASTM D1238(220℃,10kg)に従って
実施した。 (2) 表面艶消し度(グロス) グロスメーター GM−3D(村上色彩技術研究所製)
により60゜の条件で実施した。 (3)アイゾット衝撃強度 ASTM D256(サンプル厚み3.2mm、測定温
度23℃および−30℃、V−ノッチ付き)に従って実
施した。 (4)曲げ弾性率 ASTM D790(サンプル厚み3.2mm)に従っ
て実施した。 (5)熱変形温度 ASTM D648(サンプル厚さ6.4mm、曲げ応
力18.6kgf/cm2 )に従って実施した。
【0019】実施例および比較例において、(A)AB
S系樹脂、(B)エポキシ基含有エチレン共重合体、
(C)熱硬化性エポキシ樹脂としては以下のものを用い
た。 (A)ABS系樹脂 ABS、クララスチック K2938F (以下ABS
と略す。) (B)エポキシ基含有エチレン共重合体 共重合体(1) E/MA/GMA=66/28/
6重量%、MI=10g/10分 共重合体(2) E/VA/GMA=83/5/1
2重量%、MI=7g/10分 共重合体(3) E/GMA=94/6重量%、MI
=3g/10分 ここで、E:エチレン、GMA:グリシジルメタクリレ
ート、VA:酢酸ビニル、MA:メチルアクリレート、
MI:190℃、2.16Kg荷重条件で測定したメル
トフローレートを示す。 (C)熱硬化性エポキシ樹脂 エポキシ樹脂(1) 住友化学工業(株)製スミエポキシ、ESCN220−
HH、軟化点92℃、エポキシ当量222 エポキシ樹脂(2) 住友化学工業(株)製スミエポキシ、ESA001軟化
点 78℃、エポキシ当量550 エポキシ樹脂(3) 住友化学工業(株)製スミエポキシ、ELA127、粘
度(25℃)10000cp、エポキシ当量190 エポキシ樹脂(1)は、クレゾールノボラックのポリグ
リシジルエーテルタイプであり、エポキシ樹脂(2),
(3)はビスフェノールAのポリグリシジルエーテルタ
イプである。
S系樹脂、(B)エポキシ基含有エチレン共重合体、
(C)熱硬化性エポキシ樹脂としては以下のものを用い
た。 (A)ABS系樹脂 ABS、クララスチック K2938F (以下ABS
と略す。) (B)エポキシ基含有エチレン共重合体 共重合体(1) E/MA/GMA=66/28/
6重量%、MI=10g/10分 共重合体(2) E/VA/GMA=83/5/1
2重量%、MI=7g/10分 共重合体(3) E/GMA=94/6重量%、MI
=3g/10分 ここで、E:エチレン、GMA:グリシジルメタクリレ
ート、VA:酢酸ビニル、MA:メチルアクリレート、
MI:190℃、2.16Kg荷重条件で測定したメル
トフローレートを示す。 (C)熱硬化性エポキシ樹脂 エポキシ樹脂(1) 住友化学工業(株)製スミエポキシ、ESCN220−
HH、軟化点92℃、エポキシ当量222 エポキシ樹脂(2) 住友化学工業(株)製スミエポキシ、ESA001軟化
点 78℃、エポキシ当量550 エポキシ樹脂(3) 住友化学工業(株)製スミエポキシ、ELA127、粘
度(25℃)10000cp、エポキシ当量190 エポキシ樹脂(1)は、クレゾールノボラックのポリグ
リシジルエーテルタイプであり、エポキシ樹脂(2),
(3)はビスフェノールAのポリグリシジルエーテルタ
イプである。
【0020】実施例1〜6 30mmφ単軸押出機を用いて、ABS樹脂に表1に示
したエポキシ基含有エチレン共重合体と熱硬化性エポキ
シ樹脂の所定量を250℃で溶融混練し、艶消し熱可塑
性樹脂組成物を得た。各々の組成物について、105℃
で3時間乾燥した後、5オンス射出成形機を用いて、成
形温度250℃、射出圧力 金型内への最低充填圧力+
10Kgf/cm2 、金型温度50℃で物性測定用試験
片を作製した。得られた試験片の測定結果を表1に示
す。
したエポキシ基含有エチレン共重合体と熱硬化性エポキ
シ樹脂の所定量を250℃で溶融混練し、艶消し熱可塑
性樹脂組成物を得た。各々の組成物について、105℃
で3時間乾燥した後、5オンス射出成形機を用いて、成
形温度250℃、射出圧力 金型内への最低充填圧力+
10Kgf/cm2 、金型温度50℃で物性測定用試験
片を作製した。得られた試験片の測定結果を表1に示
す。
【0021】比較例1 熱硬化性エポキシ樹脂を添加しなかった以外は、実施例
1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0022】比較例2 熱硬化性エポキシ樹脂を添加しなかった以外は、実施例
5と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
5と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0023】比較例3 熱硬化性エポキシ樹脂を添加しなかった以外は、実施例
6と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
6と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0024】比較例4、5 表1に示す量の熱硬化性エポキシ樹脂を使用して、エポ
キシ基含有エチレン共重合体を用いない以外は、実施例
1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
キシ基含有エチレン共重合体を用いない以外は、実施例
1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0025】比較例6 エポキシ基含有エチレン共重合体を添加せず、実施例2
で用いたエポキシ樹脂と同じ樹脂を表1に示す量用いた
以外は、実施例2と同様の方法で行った。結果を表1に
示す。
で用いたエポキシ樹脂と同じ樹脂を表1に示す量用いた
以外は、実施例2と同様の方法で行った。結果を表1に
示す。
【0026】比較例7 熱硬化性エポキシ樹脂およびエポキシ基含有エチレン共
重合体を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法
で行った。結果を表1に示す。
重合体を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法
で行った。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−89346(JP,A) 特開 平2−135254(JP,A) 特開 平4−23845(JP,A) 特開 平4−255751(JP,A) 特開 昭53−43743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 55/02 C08L 23/08 C08L 63/00
Claims (4)
- 【請求項1】(A)ABS系樹脂100重量部に対し、
(B)エポキシ基含有エチレン共重合体0.01〜50
重量部および(C)熱硬化性エポキシ樹脂0.001〜
30重量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物。 - 【請求項2】(B)エポキシ基含有エチレン共重合体
が、(a) エチレン単位が50〜99重量%、(b) 不飽和
カルボン酸グリシジルエステル単位または不飽和グリシ
ジルエーテル単位が0.1〜50重量%、(c) エチレン
系不飽和化合物単位より選ばれるエステル単位が0〜5
0重量%からなる共重合体である請求項1記載の熱可塑
性樹脂組成物。 - 【請求項3】(C)熱硬化性エポキシ樹脂が、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂である請求項1記載の熱可塑性樹脂組
成物。 - 【請求項4】(C)熱硬化性エポキシ樹脂が、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂である請求項1記載の熱可塑性樹
脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34764192A JP3252499B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34764192A JP3252499B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06200116A JPH06200116A (ja) | 1994-07-19 |
JP3252499B2 true JP3252499B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=18391599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34764192A Expired - Fee Related JP3252499B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3252499B2 (ja) |
-
1992
- 1992-12-28 JP JP34764192A patent/JP3252499B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06200116A (ja) | 1994-07-19 |
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