JP3207562B2 - ガラス繊維配合樹脂組成物 - Google Patents

ガラス繊維配合樹脂組成物

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JP3207562B2 JP30179692A JP30179692A JP3207562B2 JP 3207562 B2 JP3207562 B2 JP 3207562B2 JP 30179692 A JP30179692 A JP 30179692A JP 30179692 A JP30179692 A JP 30179692A JP 3207562 B2 JP3207562 B2 JP 3207562B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性とタッピング強
度のバランス、成形収縮率の異方性に優れたガラス繊維
配合樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および問題点】ABS樹脂(アクリロニト
リル−ブタジエン系ゴム−スチレン重合体)、AES樹
脂(アクリロニトリル−エチレン・プロピレン系ゴム−
スチレン重合体)などのゴムスチレン系強化樹脂は、成
形性と衝撃強度のバランスならびに成形品外観に優れ、
自動車部品、電気製品、事務機器等の材料として広く利
用されている。
【0003】利用分野の拡大にともない、より優れた耐
熱性および剛性が求められており、無水マレイン酸系共
重合体やN−フェニルマレイミド系共重合体などの耐熱
性樹脂さらにはガラス繊維を配合してなるガラス繊維強
化樹脂組成物が提案されている。
【0004】しかしながら、それらのガラス繊維強化樹
脂組成物では、耐熱性と剛性が向上する反面、加工性と
衝撃強度が低下するといった問題を有していた。特に、
タッピング強度の低下が著しく、従来より公知のガラス
繊維配合スチレン系樹脂組成物に比べボスの破壊強度が
半分程度となり、そのため同一締付け力を持つドライバ
ーを用いると部品の取付け時にボスの割れが発生し、そ
の改善が望まれていた。
【0005】また、成形収縮率において異方性が見ら
れ、成形品の方向によって収縮量が著しく異なるといっ
た問題があった。 さらに、ガラス繊維の配合により樹
脂組成物の比重が増加するため、部品の軽量化を図る上
で大きな障害でもあった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上述の
問題点につき鋭意検討の結果、N−フェニルマレイミド
系共重合体とガラス繊維を配合した特定組成ならびに特
定構造のゴム強化スチレン系樹脂組成物に、さらにエチ
レン−ブチレンゴムを特定量配合することにより加工性
とタッピング強度のバランスに優れ、さらには成形収縮
率の異方性の少ない樹脂組成物が得られることを見い出
し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、(A)N−フェニル
マレイミド10〜30重量%、スチレン45〜85重量
%およびアクリロニトリル5〜25重量%を重合してな
る三元共重合体10〜60重量%、(B)共役ジエン系
ゴム(i)、エチレン−プロピレン系ゴム(ii)、エ
チレン70〜90重量%およびブチレン30〜10重量
%からなるエチレン−ブチレンゴム(iii)から選ば
れるゴム成分20〜70重量%と、スチレン25〜60
重量%およびアクリロニトリル5〜40重量%を重合し
てなるグラフト重合体5〜20重量%、(C)スチレン
50〜80重量%およびアクリロニトリル20〜50重
量%を重合してなる二元共重合体10〜80重量%、お
よび(D)ガラス繊維5〜35重量%からなり、かつ、
以下の条件(イ〜ニ)を満たす樹脂組成物100重量部
あたり、(E)エチレン70〜95重量%およびブチレ
ン5〜30重量%からなるエチレン−ブチレンゴム0.
05〜5重量部を配合してなることを特徴とするガラス
繊維配合樹脂組成物を提供するものである。 (イ) 三元共重合体の固有粘度=0.20〜0.7
0。 (ロ) 二元共重合体の固有粘度=0.40〜1.0
0。 (ハ) 三元共重合体の固有粘度≦二元共重合体の固有
粘度。 (ニ) 二元共重合体中のスチレン含有量−三元共重合
体のスチレン含有量=+20〜−5。
【0008】以下に、本発明のガラス繊維配合樹脂組成
物につき詳細に説明する。
【0009】三元共重合体(A)とは、N−フェニルマ
レイミド10〜30重量%、スチレン45〜85重量%
およびアクリロニトリル5〜25重量%を重合してなる
三元共重合体である。
【0010】N−フェニルマレイミドが10重量%未満
では耐熱性が、30重量%を越すと加工性が劣り好まし
くない。一方、スチレンが45重量%未満では加工性
が、85重量%を越すと耐熱性が劣り好ましくない。ま
た、アクリロニトリルが5重量%未満ではタッピング強
度が、25重量%を越すと加工性が劣り好ましくない。
特に好ましくは、N−フェニルマレイミド20〜30重
量%、スチレン60〜70重量%およびアクリロニトリ
ル10〜20重量%からなる三元共重合体である。
【0011】三元共重合体(A)は、公知の重合方法、
すなわち乳化重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合およ
びそれらの組み合わせの方法にて製造することができ
る。各化合物の反応系への添加順序および添加方式に
は、何ら制限はなく任意の順序または方式(一括、連
続、分割等)を採用することができる。
【0012】三元共重合体(A)においては、組成比率
のみならず固有粘度(30℃、ジメチルホルムアミド)
が重要[条件イ]であり、その範囲は0.20〜0.7
0である。固有粘度が0.20未満ではタッピング強度
と耐衝撃性が、0.70を越すと加工性が劣り好ましく
ない。特に好ましくは固有粘度0.30〜0.40であ
る。
【0013】固有粘度は、重合条件を適宜変更すること
により調整することができる。たとえば、重合組成、重
合温度、開始剤や分子量調整剤の種類や量を変更するこ
とで目的とする固有粘度を有する三元共重合体を得るこ
とができる。
【0014】グラフト重合体(B)とは、共役ジエン系
ゴム(i)、エチレン−プロピレン系ゴム(ii)、エ
チレン70〜90重量%およびブチレン30〜10重量
%からなるエチレン−ブチレンゴム(iii)から選ば
れるゴム成分20〜70重量%と、スチレン25〜60
重量%およびアクリロニトリル5〜40重量%を重合し
てなる重合体である。
【0015】グラフト重合体(B)を構成する共役ジエ
ン系ゴム(i)としては、ポリブタジエン、ブタジエン
−スチレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴムな
どが挙げられる。これらのゴムは乳化重合、溶液重合、
懸濁重合、塊状重合等により製造することができる。
【0016】また、エチレン−プロピレン系ゴム(i
i)としては、エチレン−プロピレンゴム、ジシクロペ
ンタジエン、エチリデンノルボルネン、1.4−ヘキサ
ジエン、1.4−シクロヘプタジエン、1.5−シクロ
オクタジエンなどの非共役ジエン化合物を共重合してな
るエチレン−プロピレン−非共役ジエンゴムが挙げられ
る。これらのゴムは溶液重合等により製造することがで
きる。
【0017】エチレン−プロピレン系ゴムにおけるエチ
レンとプロピレンのモル比は、5:1から1:3の範囲
であることが好ましい。また、エチレン−プロピレン−
非共役ジエンゴムにおいては、非共役ジエンの割合がヨ
ウ素価に換算して2〜50の範囲のものが好ましい。
【0018】さらに、エチレン−ブチレンゴム(ii
i)とは、エチレン70〜90重量%とブチレン30〜
10重量%からなるゴムであり、特に好ましくは、エチ
レン80〜90重量%とブチレン20〜10重量%から
なる非晶性もしくは低結晶性ゴムである。かかるゴム
は、溶液重合(チーグラー法)等により製造することが
できる。なお、エチレン−ブチレンゴムの分子量につい
ては、特に制限はないがメルトフローレート(MFR)
(ASTM D−1238、230℃)が0.1〜10
0g/10分であることが好ましい。
【0019】グラフト重合体(B)の構造には制限はな
いが、グラフト率20〜100%および重量平均粒子径
0.05〜5μのグラフト重合体が特に好ましい。
【0020】ゴム成分が20重量%未満では耐衝撃性
が、70重量%を越すと加工性、外観、異方性が劣り好
ましくない。一方、スチレンが25重量%未満では外
観、異方性が、60重量%を越すと耐衝撃性、外観が劣
り好ましくない。また、アクリロニトリルが5重量%未
満では外観、異方性が、40重量%を越すと耐熱分解性
が劣り好ましくない。特に好ましくは、ゴム成分30〜
60重量%、スチレン30〜55重量%およびアクリロ
ニトリル10〜30重量%からなるグラフト重合体であ
る。
【0021】グラフト重合体は、公知の重合方法、すな
わち乳化重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合およびそ
れらの組み合わせの方法にて製造することができる。一
般的には、ゴムの存在下、スチレンとアクリロニトリル
を重合することにより得られる。スチレンとアクリロニ
トリルの反応系への添加順序および添加方式には、何ら
制限はなく任意の順序または方式(一括、連続、分割
等)を採用することができる。
【0022】二元共重合体(C)とは、スチレン50〜
80重量%およびアクリロニトリル20〜50重量%を
重合してなる二元共重合体である。
【0023】スチレンが50重量%未満(アクリロニト
リルが50重量%を越す)では加工性が、80重量%を
越す(アクリロニトリルが20重量%未満)と耐熱性が
劣り好ましくない。特に好ましくは、スチレン60〜7
5重量%およびアクリロニトリル25〜40重量%から
なる二元共重合体である。
【0024】二元共重合体(C)は、公知の重合方法、
すなわち乳化重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合およ
びそれらの組み合わせの方法にて製造することができ
る。これら化合物の反応系への添加順序および添加方式
には、何ら制限はなく任意の順序または方式(一括、連
続、分割等)を採用することができる。
【0025】二元共重合体(C)においては、三元共重
合体と同様、組成比率のみならず固有粘度(30℃、ジ
メチルホルムアミド)が重要[条件ロ]であり、その範
囲は0.40〜1.00である。固有粘度が0.40未
満ではタッピング強度と耐衝撃性が、1.00を越すと
加工性が劣り好ましくない。特に好ましくは固有粘度
0.55〜0.80である。
【0026】固有粘度は、重合条件を適宜変更すること
により調整することができる。たとえば、重合組成、重
合温度、開始剤や分子量調整剤の種類や量を変更するこ
とで目的とする固有粘度を有する二元共重合体を得るこ
とができる。
【0027】ガラス繊維(D)としては、単繊維はもち
ろんのこと、単繊維を有機クロム酸系化合物(メタクリ
レ−トクロミッククロリド等)、有機シラン系化合物
(ビニルトリエトキシシラン、γ−クリシドキシプロピ
ル−トリピルトリ−メトキシシラン、β−(3,4エポ
キシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン等)
で表面処理してなる繊維、表面処理済または未処理繊維
を公知の集束剤(酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等)で処理してな
る繊維、さらに、予め上述の重合体(A)、(B)およ
び(C)のいづれか一種以上の重合体にて被覆処理した
ガラス繊維を用いることもできる。
【0028】ガラス繊維の繊維長ならびに繊維径には、
特に制限はなく任意に選択することができるが、最終組
成物の物性バランス、特に剛性、タッピング強度、加工
性の面より繊維長3〜10mm、繊維径3〜100μの
ガラス繊維が好ましい。
【0029】本発明における組成物は、上述の重合体
(A)、(B)および(C)ならびにガラス繊維(D)
から構成され、かつその構成比率、すなわち組成比率
は、三元共重合体(A)10〜60重量%、グラフト重
合体(B)5〜20重量%、二元共重合体(C)10〜
80重量%およびガラス繊維(D)5〜35重量%であ
る。
【0030】三元共重合体が10重量%未満では耐熱性
が、また60重量%を越すと加工性が劣り好ましくな
い。グラフト重合体が5重量%未満では耐衝撃性が、ま
た20重量%を越すと加工性が劣り好ましくない。二元
共重合体が10重量%未満では加工性が、また80重量
%を越すと耐衝撃性、耐熱性が劣り好ましくない。さら
に、ガラス繊維が5重量%未満では剛性が、また35重
量%を越すと加工性が劣り好ましくない。
【0031】特に好ましくは、三元共重合体が20〜4
0重量%、グラフト重合体(B)5〜15重量%、二元
共重合体25〜60重量%およびガラス繊維10〜15
重量%からなる組成物である。
【0032】本発明の組成物においては上述の各成分比
率のみならず、三元共重合体(A)の固有粘度が、二元
共重合体(C)の固有粘度と同一またはそれ以下(Aの
固有粘度≦Cの固有粘度)であること[条件ハ]、およ
び二元共重合体(C)中のスチレン含有量が三元共重合
体(A)中のスチレン含有量に比べ20重量%を越して
多くないこと、また5重量%を越して少なくないこと
(Cのスチレン量−Aのスチレン量=プラス20〜マイ
ナス5)[条件ニ]が、重要である。
【0033】三元共重合体の固有粘度が、二元共重合体
の固有粘度を上回る場合は、タッピング強度および耐衝
撃性または加工性に劣る。特に好ましくは、上述のとお
り0.30〜0.40の固有粘度を有する三元共重合体
と0.55〜0.80の固有粘度を有する二元共重合体
との組み合わせが好ましい。
【0034】また、二元共重合体中のスチレン含有量が
三元共重合体のスチレン含有量に比べ20重量%を越し
て多い場合は、耐熱性、タッピング強度および衝撃強度
に劣り、5重量%を越して少ない場合も耐熱性、タッピ
ング強度および衝撃強度に劣り好ましくない。特に好ま
しくは、二元共重合体のスチレン量−三元共重合体のス
チレン量=プラス15〜マイナス0である。
【0035】本発明の樹脂組成物において用いられるエ
チレン−ブチレンゴムは、エチレン70〜95重量%お
よびブチレン5〜30重量%ゴムからなるである。かか
る組成範囲外のゴムでは、本発明の目的である成形収縮
率の異方性の改善が図れない。特に好ましくは、エチレ
ン80〜95重量%およびブチレン5〜20重量%から
なるゴムである。かかるゴムは、溶液重合(チーグラー
法)等により製造することができる。なお、分子量につ
いては特に制限はないが、メルトフローレート“MF
R”(ASTM D−1238、230℃)が0.1〜
100g/10分であることが好ましい。
【0036】本発明の樹脂組成物は、上述の重合体
(A)、(B)、(C)およびガラス繊維(D)からな
る組成物100重量部当たりエチレン−ブチレンゴム
(E)0.05〜5重量部を配合してなる樹脂組成物で
ある。0.05重量部未満では異方性の改善効果がな
く、一方5重量部を越すと耐熱性が低下する。好ましく
は、エチレン−ブチレンゴム(E)0.1〜5重量部で
ある。
【0037】本発明の樹脂組成物は、上述の重合体、ガ
ラス繊維およびゴムを公知の混合装置、たとえばバンバ
リーミキサー、ロール、押出機等を用いることにより混
合し、製造することができる。
【0038】また、重合体(A、B、C)、ガラス繊維
およびエチレン−ブチレンゴムの混合順序ならびにその
形態には何等制限はなく、ペレット、ビーズ、パウダー
などの形態による全成分の一括同時混合、特定成分を予
備混合したのちに残る成分を混合する方法、特定成分の
混合途中(溶融状態)に残る成分を添加混合する方法等
が挙げられる。
【0039】さらに、本発明の樹脂組成物を製造するに
際し、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、帯電防止剤、滑剤、染顔料、可塑剤、難燃剤、離型
剤などの添加剤ならびにポリカーボネート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、
ポリオキシメチレン、ポリメチルメタアクリレ−ト等の
他の熱可塑性樹脂を配合することができる。
【0040】次に本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。なお、配合組成における部および%は全て重量に基
づくものである。
【0041】本発明で用いた三元共重合体(A)、グラ
フト重合体(B)および二元共重合体(C)は、以下の
方法により得られた重合体である。 また、ガラス繊維
(D)およびエチレン−ブチレンゴム(E)としては、
以下のものを用いた。
【0042】(1)三元共重合体 攪拌機および板バッフルを備えた反応器に純水70部、
開始剤(過硫酸カリウム)0.2部、乳化剤(ラウリル
硫酸ナトリウム)0.1部を仕込み、反応器内を窒素ガ
スで置換したのち、攪拌下加熱し、槽内温度が65℃に
達した時点で表−1に示す単量体と分子量調整剤(tー
ドデシルメルカプタン)からなる混合物の3%を添加、
30分かけて70℃に昇温した。ついで、残りの単量体
混合物(97%)と純水50部、開始剤(過硫酸カリウ
ム)0.1部および乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)
1部からなる水溶液を5時間かけて連続添加した。その
後、75℃に昇温してさらに2時間重合を継続した。得
られた重合体ラテックスを塩化カルシウム水溶液にて凝
固処理し、三元共重合体(A−1〜8)を得た。なお、
共重合体の固有粘度は、分子量調整剤の使用量を変動さ
せることによって調節した。
【0043】(2)グラフト重合体(B−1) 攪拌機および板バッフルを備えた反応器に純水30部、
開始剤(硫酸第一鉄7水塩0.002部、ピロリン酸ナ
トリウム0.1部およびデキストローズ0.3部)、ポ
リブタジエンラテックス(重量平均粒子径:0.30
μ、固形分:50%、乳化剤:ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム)50部(固形分換算)を仕込んだの
ち、反応器内を窒素ガスで置換し、攪拌下70℃まで昇
温した。その後、スチレン35部、アクリロニトリル1
5部、分子量調整剤(t−ドデシルメルカプタン)0.
3部および純水20部と開始剤(キュメンハイドロパー
オキサイド)0.2部と乳化剤(ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム)0.7部からなる水溶液を4時間か
けて連続添加した。その後、75℃でさらに2時間重合
を継続した。得られた重合体ラテックスを塩化カルシウ
ム水溶液にて凝固処理し、ゴム含有量50%、グラフト
率35%、重量平均粒子径0.32μ、未グラフト重合
体の固有粘度0.61であるグラフト重合体(B−1)
を得た。
【0044】(3)グラフト重合体(B−2) 攪拌機および板バッフルを備えた反応器を窒素置換した
のちに、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネ
ンゴム(プロピレン含有量50%、ヨウ素価9、ムーニ
ー粘度87)20部を溶剤(n−ヘキサン400部およ
び二塩化エチレン200部)に溶かせたゴム溶液を加え
た。その後、スチレン60部、アクリロニトリル30部
および開始剤(t−ブチルパーオキシピバレート)3部
添加し、100℃で10時間重合した。重合液を大過剰
のメタノール接触させ、析出した沈澱物を分離、乾燥
後、ゴム含有量20%、グラフト率52%のグラフト重
合体(B−2)を得た。
【0045】(4)グラフト重合体(B−3) 攪拌機および板バッフルを備えた反応器を窒素置換した
のちに、エチレン(90%)−ブチレン(10%)ゴム
20部を溶剤(エチルベンゼン300部)に溶解させた
後、スチレン70部、アクリロニトリル25部および開
始剤(ベンゾイルパーオキサイド)2部添加し、67℃
で10時間重合した。重合液を大過剰のメタノール接触
させ、析出した沈澱物を分離、乾燥後、ゴム含有量20
%、グラフト率35%のグラフト重合体(B−3)を得
た。
【0046】(5)二元共重合体 攪拌機および板バッフルを備えた反応器に純水120
部、開始剤(過硫酸カリウム)0.3部を仕込み、反応
器内を窒素ガスで置換したのち、攪拌下加熱し、槽内温
度が68℃に達した時点で表−2に示すスチレン、アク
リロニトリルと分子量調整剤(t−ドデシルメルカプタ
ン)からなる単量体混合物および乳化剤(ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム)2部と純水28部からなる
乳化剤水溶液のそれぞれ30%を5時間に亘って連続添
加した。ついで、残りの単量体混合物(70%)と乳化
剤水溶液(70%)を5時間かけて連続添加した。その
後、70℃でさらに3時間重合を継続した。得られた重
合体ラテックスを塩化カルシウム水溶液にて凝固処理
し、二元共重合体(C−1〜7)を得た。なお、共重合
体の固有粘度は、分子量調整剤の使用量を変動させるこ
とによって調節した。
【0047】(6)ガラス繊維 シラン系化合物で処理された平均繊維長6mm、繊維径
9μのガラス繊維。
【0048】(7)エチレン−ブチレンゴム エチレン87%、ブチレン13%で、かつMFRが1.
0であるエチレン−ブチレンゴム
【0049】実施例−1〜 および比較例−1〜 上述の三元共重合体、グラフト重合体、二元共重合体、
ガラス繊維、エチレン−ブチレン系ゴムをベント付40
mm2軸押出機(250〜300℃にて混練し、各種組
成物(ペッレト状)を得た。配合処方を表−3に、また
得られた組成物の物性を表−4に示す。
【0050】なお、組成物の物性測定は以下のようにし
て行った。
【0051】(1)物性測定用試験片の作成 実施例及び比較例で得られたペレットを3.5オンス射
出成形機を用いシリンダー設定温度260℃で各物性用
試験片を成形した。
【0052】(2)物性測定 (i)耐衝撃性 ノッチ無アイゾット衝撃強度 ASTM D−256に準拠。単位;Kg・cm/c
m。 (1/8インチ厚) 23℃
【0053】(ii)異方性 成形品寸法が長さ150ミリ、幅90ミリ、厚み3ミリ
の形状を有する平板金型を用い、射出成形にて、設定温
度:260℃、金型温度:50℃、射出圧力:最低充填
圧力+10Kg/cm2 の条件にて成形した際、成形品
のMD方向とTD方向の成形収縮率の差を算出した。単
位;%
【0054】(iii)タッピング強度 内径3.4mm、上部外径9.2mm、下部外径10.
0mm、高さ25mmの形状を有するボスにJIS規格
M−4ネジを12mmまでねじ入れた時、ボスが破壊す
るまでの強度をコンピュートルク(Consolida
ted Device Inc.製モデル2502C
I)にて測定した。単位;Kgcm。
【0055】(iv) 耐熱性 ASTM D−648に準拠。 (1/4インチ厚) 18.6Kg/cm2 、アニール
なし。単位;℃
【0056】(v)加工性 メルトフローインデックス;ASTM D−1238に
準拠。 265℃、3.8Kg。単位;g/10分 バーフロー長 ;成形品寸法が幅25mm、
厚さ3mm、長さ1000mmの形状を有するバ−フロ
−金型を用い、射出成形にて成形温度250℃、金型温
度50℃、射出圧力70Kg/cm2 の条件にて成形し
た際の成形品長さを測定した。単位;mm。
【0057】(vi)引張強度 ASTM D−638に準拠。単位;Kg/cm2
【0058】(vii )比重 ASTM D−792に準拠。
【0059】
【表−1】
【0060】
【表−2】
【0061】
【表−3】
【0062】
【表−4】
【0063】
【発明の効果】本発明は、従来公知の組成物に比べ、加
工性とタッピング強度のバランスおよび成形収縮率の異
方性に優れたガラス繊維強化樹脂組成物を提供するもの
であり、従来品が用いられていたインストルメントパネ
ル、ランプハウジング、等の自動車部品、ロール軸受
け、シャーシ等の事務機器などはもちろんのこと、より
優れた加工性、タッピング強度を必要とし、従来の組成
物では困難であった複雑形状部品、薄肉部品等にも用い
ることを可能とするものである。さらに、比重の低下な
らびに機械的特性と熱的特性の向上により、部品の薄肉
化が可能となり、強いては部品の軽量化をも可能とす
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 51:06 C08L 51:06 55:02 55:02 23:08) 23:08) (C08L 33/20 (C08L 33/20 51:06 51:06 55:02 55:02 23:08) 23:08) (72)発明者 平井 幹夫 愛媛県新居浜市菊本町2丁目10番2号 住友ダウ株式会社 愛媛研究室内 審査官 原田 隆興 (56)参考文献 特開 昭60−47045(JP,A) 特開 昭61−16955(JP,A) 特開 平5−279544(JP,A) 特開 昭62−267350(JP,A) 特開 昭63−159458(JP,A) 特開 昭63−161047(JP,A) 特開 平3−205411(JP,A) 特開 昭59−187046(JP,A) 特開 昭63−122746(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 25/00 - 25/18 C08K 7/14 C08L 23/08 C08L 33/20 C08L 51/04 - 51/06 C08L 55/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)N−フェニルマレイミド10〜30
    重量%、スチレン45〜85重量%およびアクリロニト
    リル5〜25重量%を重合してなる三元共重合体10〜
    60重量%、(B)共役ジエン系ゴム(i)、エチレン
    −プロピレン系ゴム(ii)、エチレン70〜90重量
    %およびブチレン30〜10重量%からなるエチレン−
    ブチレンゴム(iii)から選ばれるゴム成分20〜7
    0重量%と、スチレン25〜60重量%およびアクリロ
    ニトリル5〜40重量%を重合してなるグラフト重合体
    5〜20重量%、(C)スチレン50〜80重量%およ
    びアクリロニトリル20〜50重量%を重合してなる二
    元共重合体10〜80重量%、および(D)ガラス繊維
    5〜35重量%からなり、かつ、以下の条件(イ〜ニ)
    を満たす樹脂組成物100重量部あたり、(E)エチレ
    ン70〜95重量%およびブチレン5〜30重量%から
    なるエチレン−ブチレンゴム0.05〜5重量部を配合
    してなることを特徴とするガラス繊維配合樹脂組成物。 (イ) 三元共重合体の固有粘度=0.20〜0.7
    0。 (ロ) 二元共重合体の固有粘度=0.40〜1.0
    0。 (ハ) 三元共重合体の固有粘度≦二元共重合体の固有
    粘度。 (ニ) 二元共重合体中のスチレン含有量−三元共重合
    体のスチレン含有量=+20〜−5。
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