JP3252350B2 - トンネルの構造およびその施工方法 - Google Patents

トンネルの構造およびその施工方法

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JP3252350B2
JP3252350B2 JP00623298A JP623298A JP3252350B2 JP 3252350 B2 JP3252350 B2 JP 3252350B2 JP 00623298 A JP00623298 A JP 00623298A JP 623298 A JP623298 A JP 623298A JP 3252350 B2 JP3252350 B2 JP 3252350B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルの施工に
使用した先進坑の有効利用を図り、これを例えば排気ガ
ス通路や避難通路に利用し、これら通路を合理的かつ迅
速に施工し、工費の低減と工期の短縮化を図れるととも
に、前記排気ガス通路や避難通路の安全性と機能の向上
を図れ、しかも埋設管の沈下防止を合理的かつ迅速に施
工し、トンネルの施工精度と支持強度を向上できるトン
ネルの構造およびその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時の輸送力の増強に伴って、既設の道
路や鉄道の拡幅が計画され、大断面の道路トンネルや鉄
道トンネルが施工されるようになった。このような大断
面トンネルの施工に際しては、通常のトンネル以上に工
期の短縮と工費の低減が望まれる。従来、上記要請に応
ずるものとして、例えば特開平4ー64697号公報で
は、地山に複数の先進坑を掘削し、これらの先進坑の間
にアーチ状のパイプ支保工を施工し、該支保工の下部に
側壁コンクリートを打設し、その際必要に応じて地山に
地盤改良剤を注入し、地山を補強後に前記支保工の下部
の地山を掘削するようにしている。
【0003】しかし、この従来の施工法は、地山に複数
の先進坑の掘削と大量のコンクリートの打設を要して、
工事が複雑かつ大掛かりになり、工費の上昇と工期の長
期化を助長する一方、左右の先進坑の間に単一のパイプ
支保工を施工しているため、該支保工の施工精度が悪
く、トンネルの支持強度や施工精度に不安がある等の問
題があった。
【0004】また、上記施工法はトンネルの施工に際
し、パイプ支保工の敷設に要する掘削距離を短縮する手
段として、トンネルの天端部に頂設坑を掘削している
が、該頂設坑は地山の掘削時に大半を切除され、かつ上
側の僅かな残部を埋め戻して、排気ガス通路を別途にト
ンネル内に施工していた。したがって、前記頂設坑の有
功利用を図れないばかりか、その埋め戻しと排気ガス通
路の別途施工の不合理があって、工費と工期の増加を助
長する等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決し、トンネルの施工に使用した先進坑の有効利
用を図り、これを例えば排気ガス通路や避難通路に利用
し、これら通路を合理的かつ迅速に施工し、工費の低減
と工期の短縮化を図れるとともに、前記排気ガス通路や
避難通路の安全性と機能の向上を図れ、しかも埋設管の
沈下防止を合理的かつ迅速に施工し、トンネルの施工精
度と支持強度を向上できるトンネルの構造およびその施
工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明は、先進坑から推進した曲管状の埋設管をトンネルの
軸方向と交差方向に複数配置し、前記埋設管の内側に覆
工壁を形成したトンネルの構造において、前記先進坑を
残置し、かつその内面を周壁で補強し、該周壁の一部を
トンネル内空に臨ませ、前記先進坑内に避難通路と空
通路とを設け、先進坑の有効利用を図り、避難通路と空
気通路とを合理的かつ迅速に施工できるとともに、工期
を短縮し工費の低減を図れるようにしている。請求項2
の発明は、前記避難通路と空気通路とを仕切壁を介して
区画し、避難通路の所定の通路面積を確保するととも
に、避難通路への排気ガスの流入を防止し、避難通路の
利用の安全性を確保するようにしている。
【0007】請求項3の発明は、前記先進坑から互いに
反対方向へ推進した各一対の埋設管の基端部を前記仕切
壁内部に配置し、前記埋設管の基端部同士を連結し、避
難通路面積の増大を図るとともに、避難通路の利用上の
安全性と円滑性を確保して、大断面トンネルの実施に好
にしている。請求項4の発明は、前記トンネル内空に
臨む周壁に、前記トンネル内空に連通する吸気口を形成
し、トンネル内を走行する例えば自動車等の排気ガスの
排出を実現可能にしている。請求項5の発明は、前記埋
設管の先端部に臨ませて、前記埋設管よりも若干大断面
の支持脚を設け、該支持脚に前記埋設管の先端部を連結
し、支持脚の合理的かつ迅速な施工を図るとともに、支
持脚を介して埋設管の沈下を防止し、トンネルの掘削作
業の安全性と、施工精度の向上を図るようにしている。
【0008】請求項6の発明は、トンネルの軸方向に沿
って先進坑を掘削し、該先進坑から曲管状の埋設管をト
ンネルの軸方向と交差方向に複数配置し、前記埋設管の
下端部を支持脚で一体に固定し、前記埋設管と支持脚と
で区画した地山を掘削後、埋設管の内側に覆工壁を形成
するトンネルの施工方法において、前記先進坑を掘削
後、該先進坑の内面を周壁で補強し、該周壁の一部をト
ンネル内空に臨ませるとともに、前記先進坑を残置し、
かつその内部に避難通路と空気通路とを形成する一方、
前記先進坑から各一対の埋設管を互いに反対方向へ推進
し、前記埋設管の先端部周辺の地山を前記埋設管よりも
若干大断面に掘削し、該掘削部に填充材を注入して支持
脚を形成し、該支持脚に前記埋設管の先端部を一体に固
定し、先進坑の有効利用を図り、避難通路と空気通路と
を合理的かつ迅速に施工し、工期の短縮化と工費の低減
を図るとともに、支持脚の合理的かつ迅速な施工を促
し、支持脚を介して埋設管の沈下を防止し、トンネルの
掘削作業の安全性と、施工精度の向上を図るようにして
いる。
【0009】請求項7の発明は、前記支持脚の施工域に
前記埋設管よりも若干大断面の支持坑をトンネルの軸方
向に沿って掘削し、前記支持坑を前記余掘部に連通さ
せ、該余掘部と支持坑とに前記填充材を注入し、前記支
持脚を支持坑に連結後、前記埋設管と支持脚とで区画し
た地山を掘削し、支持坑の掘削の手間と填充材の填充量
を低減し、工期の短縮と工費の低減を図るとともに、支
持坑を介して支持脚ないし埋設管の沈下防止を強化し、
トンネルの掘削作業の安全性を確保するとともに、トン
ネルの施工精度を向上するようにしている。請求項8の
発明は、前記避難通路と空気通路とを仕切壁を介して区
画し、避難通路の所定の通路面積を確保するとともに、
避難通路への排気ガスの流入を防止し、避難通路の利用
の安全性を確保するようにしている。
【0010】請求項9の発明は、前記先進坑から推進し
た各一対の埋設管の基端部を前記仕切壁内部に配置し、
前記埋設管の基端部同士を連結して、避難通路面積の増
大を図るとともに、避難通路の利用上の安全性と円滑性
を確保して、大断面トンネルの実施に好適にしている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明すると、図1および図2において1は自立困難な
地山で、そのトンネル施工断面の天端部位置に、適宜断
面形状の先進坑2がトンネルの軸方向に沿って貫通形成
されている。先進坑2の内面は、例えばセグメント、鋼
板矢板等の堅牢な周壁3で補強され、該先進坑2の内部
に曲線ボーリング装置の推進装置4,5が設置されてい
る。
【0012】上記推進装置4,5は推進方向を互いに反
対方向に設定され、これらは先進坑2の軸方向に等ピッ
チ移動可能に設置されていて、該装置4,5より曲線状
の埋設管6,7と、該管6,7の内側に配置する内管
(図示略)とをトンネル断面の円周方向へ推進可能にし
ている。すなわち、推進装置4,5は埋設管6,7と内
管の各フィードシリンダとシリンダロッド(図示略)と
を備え、各シリンダロッドの伸長動作を介して、埋設管
6,7と内管とを地山1へ推進可能にしている。
【0013】内管の先端部には、径方向に拡大および縮
小可能な拡縮ビット(図示略)を備えた掘削装置(図示
略)が接続され、その基端部を先進坑2内の略中央で突
き合わせて溶接等で接続しており、8は埋設管6,7の
基端部の接続部である。
【0014】埋設管6,7および内管は図1のように先
進坑2の下側に偏在して配置され、これらは同じ曲率半
径の曲管または直管の複数の短管を溶接等で順次継ぎ足
して構成されている。埋設管6,7の周面には多数の噴
口(図示略)が形成され、該噴口(図示略)よりセメン
トミルクまたはモルタル等の地盤改良材を噴出可能にさ
れ、該改良材を埋設管6,7周辺の地山1に注入して、
アーチ状の補強地盤9,10を形成している。
【0015】埋設管6,7の先端部は、トンネルの略側
壁部位置まで推進され、その先端部の余堀部にセメント
ミルクまたはモルタル等を填充して、支持脚11,12
を形成している。支持脚11,12は埋設管6,7の外
径よりも若干大径の横断面の塊状に形成され、該支持脚
11,12を埋設管6,7の下端部に一体に固定してい
る。
【0016】この他、図中13,14は内側の補強地盤
9,10に隣接して配置したアーチ状の覆工壁、15は
トンネルのインバート部、16は先進坑2の中間位置に
設けた仕切壁で、埋設管6,7の基端部の直上および直
下にコンクリートを打設して構成され、該壁16を介し
て先進坑2を上下に避難通路17と、例えば排気ガス排
出路等の空気通路18とに区画している。
【0017】このうち、避難通路17は空気通路18の
上側に位置し、その通路断面積ないし通路丈を前記通路
18よりも大きく形成して、避難者の歩行の安全性を確
保しており、これをトンネル内の所定位置に設けた退避
場所(図示略)に連絡している。そして、前記通路17
を送風機等の給気手段に連絡し、内部の雰囲気を大気圧
より若干高圧に形成して、排気ガスの侵入を防止してい
る。
【0018】また、前記空気通路18は送風機等の給排
気手段に連絡しており、該通路18を区画する周壁3に
トンネル内に連通する複数の吸気口19が形成され、ト
ンネル内の排気ガスを外部に排出可能にしている。ま
た、先進坑2を区画する前記仕切壁16の内部に前記埋
設管6,7の基端部が配置されている。図中、20はト
ンネルの側壁部に打設した吹付コンクリートである。
【0019】このように構成したトンネルを施工する場
合は、トンネル施工位置の天端部の地山1に先進坑2を
掘削し、これをトンネルの全長に亙って貫通形成し、そ
の内面をセグメント、鋼板矢板等の周壁3で補強する。
【0020】次に先進坑2内に二基の曲線ボーリング装
置の推進装置4,5と、埋設管6,7および内管の各短
管を搬入し、前記推進装置4,5を先進坑2の軸方向と
直交配置し、かつそれらの推進方向を互いに反対向きに
して並置する。この場合、推進装置4,5は先進坑2の
軸方向に沿って、埋設管6,7の1ピッチ以上離間して
配置する。
【0021】この後、内管の先端部に掘削装置を連結
し、各推進装置4,5に埋設管6,7と内管とをセット
し、前記掘削装置と推進装置4,5とを駆動して、埋設
管6,7と内管とを各フィードシリンダとシリンダロッ
ドとを介して、地山1へ送り出す。
【0022】そして、埋設管6,7と内管とを所定長さ
送り出したところで、それらの後端部に後続の短管を溶
接等で継ぎ足し、これらを所定長さ送り出す。以下、前
記短管の継ぎ足し工程とその推進工程とを交互に繰り返
し、それらを順次推進する。
【0023】一方、掘削装置の駆動に伴い高圧水を切羽
に向けて噴射し、拡縮ビット周辺の掘削土砂を洗い流す
とともに、この泥水を埋設管6,7と各内管との間に導
き、これをバキュームポンプと泥水ポンプ(図示略)を
介して先進坑2側へ排出する
【0024】こうして、埋設管6,7と内管との先端部
がトンネルの側壁部の所定位置、実施形態では前記側壁
部に到達したところで、推進装置4,5の駆動を停止
し、かつ拡縮ビットを若干外側へ偏心回転させて、埋設
管6,7の下端部直下を若干余掘する。
【0025】上記余堀り後、掘削装置を停止し、かつ拡
縮ビットを縮小して、該ビットを内管の内側に収容し、
前記推進装置4,5を逆転駆動して、内管を掘削装置と
一緒に埋設管6,7から引き抜く。
【0026】そして、上記埋設管6,7の基端部に注入
ホース(図示略)を挿入し、該ホースに定量のセメント
ミルクまたはモルタル等の填充材を注入し、これを前記
余堀り部と埋設管6,7の下端部に填充する。上記填充
後、填充材が硬化し、埋設管6,7の下端部に支持脚1
1,12が一体に突設される。
【0027】支持脚11,12は埋設管6,7の下端部
の外側に突出して、周囲の地山1に食い込んでいる。し
たがって、埋設管6,7に作用する上載荷重や圧力、振
動等は、支持脚11,12を介して地山1に支持および
吸収され、上載荷重等による埋設管6,7の沈下を防止
する。それゆえ、埋設管6,7を正確かつ安定して敷設
でき、トンネルの施工精度を向上できるとともに、トン
ネルの安定した支持強度を得られる。
【0028】しかも、上記支持脚11,12は、前記余
堀りとセメントミルク等の填充材の注入によって容易か
つ迅速に得られ、しかも支持脚11,12は埋設管6,
7の断面積より若干大径の小体積の基台で、従来のよう
に先進坑を掘削し、該先進坑に大量のコンクリートを打
設する煩雑な施工法に比べて、工期の短縮と工費の低減
を図れる。
【0029】そして、上記支持脚11,12の形成後、
必要に応じて埋設管6,7周辺の地山1を補強する。す
なわち、この補強の要否は、先進坑2の掘削によって既
に地山1の地質が判明されていることで、決定される。
上記地山1の補強に際しては、例えば二重管ダブルパッ
カー等を利用し、該パッカーを前記埋設管6,7に挿入
し、セメントミルク、モルタル等の地盤改良材を前記噴
口より地山1に注入し、これを硬化させて、埋設管6,
7周辺にアーチ状の補強地盤9,10を形成する。
【0030】この後、先進坑2内に対向配置した埋設管
6,7の基端部を突き合わせ、これを溶接等で接続す
る。こうして、周囲の地山1を補強し、埋設管6,7の
基端部を接続後、トンネル内空断面部の地山1を前記補
強地盤9,10を残して掘削する。
【0031】この場合、トンネルの外周部は、前述のよ
うに埋設管6,7と補強地盤9,10で支持され、地山
1を補強しているから、前記掘削作業を安全に行える。
また、その際、前述のように支持脚11,12によっ
て、上載荷重等による埋設管6,7の沈下を防止するか
ら、安定した支持強度が得られ、掘削作業の安全性が増
進する。
【0032】この後、側壁部に吹付コンクリート20を
造成し、またインバート部15を造成して当該部にコン
クリートを打設し、更に補強地盤9,10の内側に覆工
壁13,14を施工する。そして、先進坑2から推進装
置4,5を搬出し、前記埋設管6,7の周囲にコンクリ
ートを打設して、埋設管6,7を補強し、かつ先進坑2
を上下に区画する仕切壁16を形成し、先進坑2内を上
下に避難通路17と空気通路18とに区画する。
【0033】前記避難通路17をトンネル内に設けた避
難場所に連絡し、該通路17に給気手段を接続または設
置して、該通路17の雰囲気を大気圧より若干高圧、実
施形態では1.2気圧に調圧する。また、空気通路18
を噴口19を介してトンネル内空に連通し、該通路18
を送風機等の給排気手段に連絡する。
【0034】こうして施工したトンネルは、その天端部
に先進坑2を利用して施工した避難通路17と空気通路
18とを設けているから、先進坑を埋め戻し、前記通路
を別途に施工する従来の施工法に比べて、施工の合理化
ないし簡素化を図れ、その分工費の低減と工期の短縮化
を図れ、大断面トンネルの施工に好適であるとともに、
トンネル内の排気ガスの給排気を合理的かつ容易に行え
る。
【0035】また、埋設管6,7を先進坑2の下側に偏
在して配置しているから、先進坑2のトンネル内空への
突出を抑制し、トンネル内空面積の有効利用と外観の低
下を防止するとともに、大きな断面積の避難通路17を
得られ、避難の円滑化と安全性を図れる。しかも、前記
仕切壁16の内部に埋設管6,7を配置しているから、
避難通路17の断面積が増大し、その利用の安全性が増
する。
【0036】しかも、避難通路17は大気圧よりも若干
高圧に調圧されているから、該通路17にトンネル内の
排気ガスが流入することがなく、上記通路17の安全性
を一層増進する。
【0037】図3乃至図8は本発明の他の実施形態を示
し、前述の実施形態と対応する構成部分には同一の符号
を用いている。このうち、図3および図4は本発明の第
2の実施形態を示し、この実施形態では、支持脚11,
12の施工位置に前記先進坑2の掘削時期と前後して、
支持坑21,22をトンネルの軸方向に沿って貫通形成
し、その掘削断面を埋設管6,7のそれよりも若干大き
な円形断面に形成する。
【0038】この場合、支持坑21,22の断面形状は
円形に制約されないが、少なくとも埋設管6,7のそれ
よりも若干大径の断面に形成する。このように支持坑2
1,22の掘削を要しても、その断面積は前記のように
埋設管6,7のそれよりも若干大きい程度で、従来の側
部先進坑に比べて非常に小さいから、上記掘削を容易か
つ速やかに行える。
【0039】この後、埋設管6,7を敷設し、その際そ
れらの下端部を前述のように余掘りして、該余掘り部を
前記支持坑11,12に連通し、各埋設管6,7の基端
部からセメントミルク、モルタル等の填充材を注入す
る。
【0040】このようにすると、前記填充材は余掘部を
填充後、支持坑20,21に導かれて当該部を填充し、
一部は隣接の余掘部に流入して填充する。この場合、複
数の埋設管6,7毎に填充材を注入すれば、支持脚1
1,12と支持坑21,22とを効率良く施工できる。
【0041】しかも、支持坑21,22の断面積は前述
のものに比べて非常に小さいから、セメントミルク等の
注入量を大幅に低減し、前述のように先進坑に大量のコ
ンクリートを打設する従来の施工法に比べて、工期の短
縮と工費の低減を図れる。
【0042】こうして填充材が硬化すると、各埋設管
6,7の支持脚11,12と、支持坑21,22とが一
体になり、埋設管6,7の個々の変位や沈下を防止し
て、トンネルの支持強度が強化されるとともに、その施
工精度が一層向上する。また、各埋設管6,7が平面的
に平行に敷設されず、支持脚11,12の平面上または
上下位置が区々になっても、前記支持坑21,22との
連結を介して前記施工の誤差を許容し、各埋設管6,7
の支持強度を補償する。
【0043】図5は本発明の第3の実施形態を示し、こ
の実施形態は空気通路18を避難通路17の下側に配置
する代わりに、該通路17の両側または片側に隣接して
配置している。
【0044】このために、実施形態では先進坑2内の仕
切壁16上のスペースに、一対の仕切壁23を対向配置
し、それらの内側に避難通路17を配置し、先進坑2の
両側に空気通路18,18を配置している。このよう
に、実質的に避難通路17に供し得ない先進坑2内の両
側スペースを空気通路に18に充当し、先進坑2のスペ
ースの有効利用を図るようにしている
【0045】図6は本発明の第4の実施形態を示し、こ
の実施形態は円形断面のトンネル断面の全周に複数の先
進坑2を設け、各先進坑2から曲率および長さが同一の
埋設管6,7を敷設し、各埋設管6,7を支持脚11,
12を介して接続し、それらの支持強度の強化と変位の
防止、並びに施工精度の向上を図っている。
【0046】図7は本発明の第5の実施形態を示し、こ
の実施形態は楕円形断面のトンネルの全周に複数の先進
坑2を設け、各先進坑2から曲率および長さの異なる埋
設管6,7を敷設し、各埋設管6,7を支持脚11,1
2を介して接続し、それらの強度の強化と変位の防止、
並びに施工精度の向上を図っている。
【0047】図8は本発明の第6の実施形態を示し、こ
の実施形態は略矩形断面のトンネルの全周に複数の先進
坑2を設け、各先進坑2から曲率および長さが同一の埋
設管6,7を敷設し、各埋設管6,7を支持脚11,1
2を介して接続し、それらの強度の強化と、変位の防
止、並びに施工精度の向上を図っている。
【0048】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、先進
坑を残置し、かつその内面を周壁で補強し、該周壁の一
部をトンネル内空に臨ませ、前記先進坑内に避難通路
気通路とを設けたから、先進坑の有効利用を図れ、避
難通路と空気通路とを別個に施工する従来のトンネルに
比べ、前記通路を合理的かつ迅速に施工できるととも
に、工期を短縮し工費の低減を図ることができる。請求
項2の発明は、前記避難通路と空気通路とを仕切壁を介
して区画したから、避難通路の所定の通路面積を確保す
ることができ、また避難通路への排気ガスの流入を防止
し、避難通路の利用の安全性を確保することができる。
【0049】請求項3の発明は、前記先進坑から互いに
反対方向へ推進した各一対の埋設管の基端部を前記仕切
壁内部に配置し、前記埋設管の基端部同士を連結したか
ら、避難通路面積の増大を図れるとともに、避難通路の
利用上の安全性と円滑性を確保し、大断面トンネルの実
施に好適な効果がある。請求項4の発明は、前記トンネ
ル内空に臨む周壁に、前記トンネル内空に連通する吸気
口を形成したから、トンネル内を走行する例えば自動車
等の排気ガスの排出を実現することができる。請求項5
の発明は、前記埋設管の先端部に臨ませて、前記埋設管
よりも若干大断面の支持脚を設け、該支持脚に前記埋設
管の先端部を連結したから、支持脚の合理的かつ迅速な
施工を図れるとともに、支持脚を介して埋設管の沈下を
防止し、トンネルの掘削作業の安全性と、施工精度の向
上を図ることができる。
【0050】請求項6の発明は、先進坑を掘削後、該先
進坑の内面を周壁で補強し、該周壁の一部をトンネル内
空に臨ませるとともに、前記先進坑を残置し、かつその
内部に避難通路と空気通路とを形成する一方、前記先進
坑から各一対の埋設管を互いに反対方向へ推進し、前記
埋設管の先端部周辺の地山を前記埋設管よりも若干大断
面に掘削し、該掘削部に填充材を注入して支持脚を形成
し、該支持脚に前記埋設管の先端部を一体に固定したか
ら、先進坑の有効利用を図れ、避難通路と空気通路とを
合理的かつ迅速に施工し、工期の短縮化と工費の低減を
図ることができ、また支持脚の合理的かつ迅速な施工を
促し、支持脚を介して埋設管の沈下を防止し、トンネル
の掘削作業の安全性と、施工精度の向上を図ることがで
きる。
【0051】請求項の発明は、前記支持脚の施工域に
前記埋設管よりも若干大断面の支持坑をトンネルの軸方
向に沿って掘削し、前記支持坑前記余掘部連通さ
せ、該余掘部と支持坑とに前記填充材を注入し、前記支
持脚を支持坑に連結後、前記埋設管と支持脚とで区画し
た地山を掘削したから、支持坑の掘削の手間と填充材の
填充量を低減し、工期の短縮と工費の低減を図れるとと
もに、支持坑を介して支持脚ないし埋設管の沈下防止を
強化し、トンネルの掘削作業の安全性を確保するととも
に、トンネルの施工精度を向上することができる。
【0052】請求項の発明は、前記避難通路と空気通
路とを仕切壁を介して区画したから、避難通路の所定の
通路面積を確保でき、また避難通路への排気ガスの流入
を防止し、避難通路の利用の安全性を確保することがで
きる。請求項9の発明は、前記先進坑から推進した各一
対の埋設管の基端部を前記仕切壁内部に配置し、前記埋
設管の基端部同士を連結したから、避難通路面積の増大
を図れ、また避難通路の利用上の安全性と円滑性を確保
して、大断面トンネルの実施に好適な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図で、地山の掘
削前の状況を示している。
【図2】図1のA―A線に沿う断面図で、本発明に適用
した埋設管の敷設状況を示している。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す断面図で、地山
の掘削前の状況を示している。
【図4】図2のB―B線に沿う断面図で、本発明に適用
した埋設管の敷設状況を示している。
【図5】本発明の第3の実施形態の要部を拡大して示す
断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態を示す断面図で、地山
の掘削前の状況を示している。
【図7】本発明の第5の実施形態を示す断面図で、地山
の掘削前の状況を示している。
【図8】本発明の第6の実施形態を示す断面図で、地山
の掘削前の状況を示している。
【符号の説明】
1 地山 2 先進坑 6,7 埋設管 11,12 支持脚 16,23 仕切壁 17 避難通路 18 空気通路 21,22 支持坑
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−330689(JP,A) 特開 平11−159275(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/00 E21D 9/04 E21D 13/02 E21F 11/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先進坑から推進した曲管状の埋設管をト
    ンネルの軸方向と交差方向に複数配置し、前記埋設管の
    内側に覆工壁を形成したトンネルの構造において、前記
    先進坑を残置し、かつその内面を周壁で補強し、該周壁
    の一部をトンネル内空に臨ませ、前記先進坑内に避難通
    と空気通路とを設けたことを特徴とするトンネルの構
    造。
  2. 【請求項2】 前記避難通路と空気通路とを仕切壁を介
    して区画した請求項1記載のトンネルの構造。
  3. 【請求項3】 前記先進坑から互いに反対方向へ推進し
    た各一対の埋設管の基端部を前記仕切壁内部に配置し、
    前記埋設管の基端部同士を連結した請求項記載のトン
    ネルの構造。
  4. 【請求項4】 前記トンネル内空に臨む周壁に、前記ト
    ンネル内空に連通する吸気口を形成した請求項1記載の
    トンネルの構造。
  5. 【請求項5】 前記埋設管の先端部に臨ませて、前記埋
    設管よりも若干大断面の支持脚を設け、該支持脚に前記
    埋設管の先端部を連結した請求項記載のトンネルの構
    造。
  6. 【請求項6】 トンネルの軸方向に沿って先進坑を掘削
    し、該先進坑から曲管状の埋設管をトンネルの軸方向と
    交差方向に複数配置し、前記埋設管の下端部を支持脚で
    一体に固定し、前記埋設管と支持脚とで区画した地山を
    掘削後、埋設管の内側に覆工壁を形成するトンネルの施
    工方法において、前記先進坑を掘削後、該先進坑の内面
    を周壁で補強し、該周壁の一部をトンネル内空に臨ませ
    るとともに、前記先進坑を残置し、かつその内部に避難
    通路と空気通路とを形成する一方、前記先進坑から各一
    対の埋設管を互いに反対方向へ推進し、前記埋設管の先
    端部周辺の地山を前記埋設管よりも若干大断面に余掘
    し、該余掘部に填充材を注入して支持脚を形成し、該支
    持脚に前記埋設管の先端部を一体に固定したことを特徴
    するトンネルの施工方法。
  7. 【請求項7】 前記支持脚の施工域に前記埋設管よりも
    若干大断面の支持坑をトンネルの軸方向に沿って掘削
    し、前記支持坑を前記余掘部に連通させ、該余掘部と支
    持坑とに前記填充材を注入し、前記支持脚を支持坑に連
    結後、前記埋設 管と支持脚とで区画した地山を掘削する
    請求項6記載のトンネルの施工方法。
  8. 【請求項8】 前記避難通路と空気通路とを仕切壁を介
    して区画する請求項6記載のトンネルの施工方法。
  9. 【請求項9】 前記先進坑から推進した各一対の埋設管
    の基端部を前記仕切壁内部に配置し、前記埋設管の基端
    部同士を連結した請求項8記載のトンネルの施工方法。
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