JP3252033B2 - 旋回式クレーンの旋回自動制動装置 - Google Patents

旋回式クレーンの旋回自動制動装置

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JP3252033B2 JP24063793A JP24063793A JP3252033B2 JP 3252033 B2 JP3252033 B2 JP 3252033B2 JP 24063793 A JP24063793 A JP 24063793A JP 24063793 A JP24063793 A JP 24063793A JP 3252033 B2 JP3252033 B2 JP 3252033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋回台の旋回動作およ
び伸縮ブームの起伏動作を行う旋回式クレーンにおける
旋回自動制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】旋回式クレーンは、図3に示す如く、車
輌1上に旋回駆動自在に搭載した旋回台2、およびこの
旋回台2に起伏駆動自在に取り付けた伸縮ブーム3を備
えており、伸縮ブーム3の先端部3aに吊り荷4を巻き
上げ巻き下げ駆動自在に吊下するよう構成している。
【0003】そして、旋回台2を旋回駆動、伸縮ブーム
3を伸縮並びに起伏駆動、および、吊り荷4を巻き上げ
巻き下げ駆動してクレーン作業をするようになってい
る。図4は、旋回台2を旋回駆動する旋回駆動装置を示
す。旋回駆動装置は図4に示す如く、旋回台2を旋回駆
動する油圧モータ5aと、この油圧モータ5aの駆動方
向および駆動速度を制御する四方向三位置型の油圧制御
弁5bとで似って構成されている。前記油圧制御弁5b
は、クレーンオペレータによって切り換え操作されるよ
うになっている。図4では、油圧制御弁5bが電磁比例
式の油圧制御弁で構成されており、操作レバー5cを備
えた操作信号発生部5dからの操作信号を、演算処理部
5eを介して受け取るようになっている。そして、油圧
制御弁5bは、操作レバー5cを中立位置から傾動操作
した時、操作レバー5cの傾動方向に対応する方向に操
作レバー5cの傾動量に対応する量だけ切り換え操作さ
れるようになっている。
【0004】この種の旋回式クレーンは、旋回台2を旋
回駆動、伸縮ブーム3を伸縮並びに起伏駆動、および、
吊り荷4を巻き上げ巻き下げ駆動してクレーン作業をす
るようになっているのである。
【0005】ところで、この種の旋回式クレーンには、
旋回台2の旋回動に関連して当該旋回式クレーンの作業
状態が性能限界に近づいた時に、自動的に旋回台2の旋
回動を制動停止し且つその停止時に吊り荷4に荷振れが
残らないよう配慮した旋回自動制動装置が取り付けられ
ている。
【0006】従来の旋回式クレーンの旋回自動制動装置
は、図5に示す如く、旋回台2の旋回動を制動する制動
装置6と、この制動装置6へ制動信号Bを出力する制動
信号出力装置7とから構成すると共に、制動信号出力装
置7を、旋回台2の旋回動の制動開始を指示する制動開
始信号Pを出力する制動開始信号出力部8、前記吊り荷
4の荷振れ周期時間Tを算出して出力する荷振れ周期時
間出力部9および、前記各出力部8,9からの信号P,
Tを受け取り前記制動装置6へ前記制動信号Bを出力す
る制動信号出力部10とで似って構成し、且つ、前記制
動信号出力部10が、前記制動装置6をして旋回台2の
旋回動を前記制動開始信号P受取時から減速度(減速の
加速度)一定のもと前記荷振れ周期時間Tで制動して停
止せしめるための、制動信号Bを出力するよう構成して
いる。
【0007】前記荷振れ周期時間出力部9は、伸縮ブー
ム3の先端部からの吊り荷4の吊下距離Hを検出する吊
り荷吊下距離検出手段9a、および、この吊り荷吊下距
離検出手段9aからの吊下距離H信号を受け取り吊り荷
4の荷振れ周期時間Tを演算算出する演算手段9bとか
ら構成している。そして、前記演算手段9bは、吊下距
離Hとした単純振り子の周期時間算出式(単純振り子の
一周期時間を算出する計算式)を用いて荷振れ周期時間
Tを算出するよう構成している。
【0008】
【数1】
【0009】前記制動開始信号出力部8は、旋回台2の
旋回動により旋回式クレーンの作業状態が限界作業状態
に接近した時に制動開始信号Pを出力するよう構成され
ている。例えば、この制動開始信号出力部8は、伸縮ブ
ーム3に作用する実際負荷(伸縮ブーム3の起伏装置に
作用する負荷または吊り荷4の荷重)と、伸縮ブーム3
の姿勢(起伏角度およびブーム長で定まる姿勢)および
旋回台2の旋回角度の関数として定まる限界負荷との関
係を常時監視し、実際負荷が限界負荷に接近したときに
前記制動開始信号Pを出力するように構成している。
【0010】前記制動装置6は、制動信号出力装置7に
おける制動信号出力部10からの制動信号Bにより作動
して旋回台2の旋回動を制動するものであるが、この例
では、旋回駆動装置(図4)の油圧制御弁5bと当該油
圧制御弁5bへの操作信号を出力する演算処理部5eと
で似って構成している。そして前記制動信号Bは、演算
処理部5eに入力されるようになっている。旋回台2が
旋回動している時には油圧制御弁5bは、操作信号発生
部5dの操作レバー5cの傾動操作に対応する方向に対
応する量だけ切換られているのであるが、制動信号Bが
前記演算処理部5eに入力されると、演算処理部5e
は、操作信号発生部5dからの信号に関わらず(操作レ
バー5cの傾動操作に関わらず)油圧制御弁5bを中立
復帰させるための制動信号Bを油圧制御弁5bに出力す
るようにしている。この時、演算処理部5eから油圧制
御弁5bに出力される操作信号は、油圧制御弁5bをし
て油圧モータ5aの速度ひいては旋回台2の速度を、減
速度(減速の加速度)一定のもと吊り荷4の荷振れ周期
時間Tで制動して停止せしめるものである。尚、制動装
置6については、上記の如く制御切換弁5bを中立復帰
させることで旋回台の旋回動を制動するものに変えて、
他の適宜の制動装置を用いても良いこと勿論である。
【0011】このように従来の旋回式クレーンの旋回自
動制動装置は、吊り荷4を吊下距離Hの単純振り子と見
なした上で、当該吊り荷4の荷振れ周期時間Tを吊下距
離Hのみの関数として算出するようにしているのであ
る。
【0012】旋回台2の旋回動に伴い移動速度vで水平
移動している伸縮ブーム3先端部3aから吊下距離Hで
吊下された吊り荷4が、伸縮ブーム3先端部3aの鉛直
下方に位置して伸縮ブーム3先端部3aと共に水平移動
している状態から、旋回台2の旋回動を制動停止し且つ
その停止時に吊り荷4に荷振れが残らないようするため
には、伸縮ブーム3先端部3aの水平移動速度vひいて
は旋回台2の旋回速度Vθを、吊り荷4の荷振れ周期時
間Tで、減速度(減速の加速度)一定で制動して停止す
ることで、停止後における吊り荷4の荷振れを可及的に
抑えることができることが既に知られている。上記の如
く構成した従来の旋回自動制動装置は、この公知の原理
を利用したものである。
【0013】この原理を図6に基づいて説明すると次の
通りである。図6は、伸縮ブーム3先端部3aから吊り
荷4を吊下距離Hで吊下し且つ旋回台2を旋回速度Vθ
で旋回している状態における、伸縮ブーム3先端部3a
と吊り荷4の関係を示す図である。図において、伸縮ブ
ーム3先端部は、旋回台2の旋回速度Vθに対応して水
平移動速度vで水平方向に移動している。吊り荷4は、
伸縮ブーム3先端部3aの鉛直下方に位置して伸縮ブー
ム3先端部3aと同じ速度vと方向へ水平方向へ移動し
ている。伸縮ブーム3先端部3aには、鉛直方向に重力
加速度gが働いている。
【0014】今、旋回台2の旋回動(旋回速度Vθ)
を、減速度(減速の加速度)一定で制動した場合を考え
る。旋回台2の旋回動(旋回速度Vθ)を減速度(減速
の加速度)一定で制動した場合、伸縮ブーム3先端部3
aの水平動(水平速度v)もまた減速度(減速の加速
度)一定で制動されることになる。この制動時間中、伸
縮ブーム3先端部3aには、制動に伴う加速度αが作用
する。この加速度αは、制動時間中に渡って一定してい
る。
【0015】その結果、伸縮ブーム3先端部3aには、
制動時間中、鉛直方向に作用する重力の加速度gと水平
方向に作用する上記加速度αの合成に係る合成加速度q
が作用する。吊り荷4は、伸縮ブーム3先端部3aを通
る合成加速度qの作用線を、その振動振幅の中心線とし
て、伸縮ブーム3先端部3aに対して相対的に振れる。
【0016】この場合、吊り荷4の荷振れ周期時間は、
荷振れに伴う伸縮ブーム3先端部3aの撓みを無視する
と、単純振り子の振れ周期時間を求める計算式を適用し
て求めることができる。即ち、吊り荷4の荷振れ周期時
間Tは、
【0017】
【数2】
【0018】ここで、上記加速度αは重力の加速度gに
比して充分に小さいので、これを無視した下記の式で近
似的に求めることができる。
【0019】
【数3】
【0020】一方、このように減速度(減速の加速度)
一定で旋回台2の旋回動ひいては伸縮ブーム3先端部3
aの水平移動が停止した時、吊り荷4に荷振れが残らな
いための必要条件は、当該停止時に吊り荷4が伸縮ブー
ム3先端部3aの鉛直方向下側に位置していること、お
よび、伸縮ブーム3先端部3aと吊り荷4の間に水平方
向の速度差がないことである。
【0021】このような条件が満たされるのは、旋回台
2の旋回動の制動開始と同時に、伸縮ブーム3先端部3
aを通る上記合成加速度qの作用線を中心として振れは
じめる吊り荷4が、一振れして元の位置に戻った時であ
る。吊り荷4が一振れするに要する時間即ち吊り荷4の
荷振れ周期時間Tは、上記したように求められるので、
減速度(減速の加速度)一定で旋回台2の旋回動を制動
して停止するに当たり、制動開始から停止までの制動時
間が上記荷振れ周期時間Tになるような減速度(減速の
加速度)を選定して旋回台2を制動すれば、停止時に吊
り荷4に荷振れが残らないのである。
【0022】上記従来の旋回式クレーンの旋回自動制動
装置は、このような原理をそのまま利用し、自動停止に
際してその時の旋回動(旋回速度)を減速度(減速の加
速度)一定で吊り荷4の吊下距離Hのみの関数として求
まる時間T(吊り荷4を単純振り子として捕らえて算出
した振り子の振動周期時間)で、制動して停止するよう
にしている。
【0023】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、吊り
荷4の実際の荷振れ周期時間Tは、伸縮ブーム3の横撓
みの影響で、吊下距離Hをつり下げ距離とする単純振り
子の振れ周期時間に比して相当長くなるところから、上
記の如く構成した従来の旋回式クレーンにおける旋回自
動制動装置では、自動制動装置が作動して旋回台2の旋
回動が停止した時点でなお吊り荷4に相当量の荷振れが
残るという問題があった。
【0024】この発明に係る旋回式クレーンの旋回自動
制動装置は、上記従来の問題点を解決し旋回動の停止時
の荷振れの残存量をより小さくすることのできる新規な
旋回自動制動装置を提供しようとするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の旋回時クレーンの旋回自動制動装置は、
従来の旋回自動制動装置における荷振れ周期時間算出部
9を、下記の如く構成したものである。
【0026】即ち、荷振れ周期時間出力部9を、伸縮ブ
ーム3の先端部3aからの吊り荷4の吊下距離Hを検出
する吊り荷吊下距離検出手段9a、伸縮ブーム3のブー
ム長Lを検出する伸縮ブーム長検出手段9c、吊り荷4
の重量Wを検出する吊り荷重量検出手段9d、およびこ
れらの検出手段9a,9c,9dからの信号を受け取っ
て荷振れ周期時間Tを演算算出する演算手段9bとから
構成すると共に、前記演算手段9bは、伸縮ブーム3の
横撓みの影響を受けて伸縮ブーム3のブーム長Lが長く
なればなる程また吊り荷4の重量Wが大きくなればなる
程長くなる実際の荷振れ周期時間Tの近似値を、吊り荷
4の吊下距離H、伸縮ブーム3のブーム長Lおよび吊り
荷4の重量Wの関数として演算算出するよう構成したの
である。
【0027】
【作用】従来の旋回自動制動装置では、吊り荷4を単純
振り子と見なしその吊り荷4の荷振れ周期時間Tを、吊
り荷4の吊下距離Hのみの関数として算出するようにし
ているが、伸縮ブーム3の先端部3aから吊下された吊
り荷4の荷振れ周期時間Tは、荷振れに伴って発生する
伸縮ブーム3の横撓みの影響をうける。そして、この伸
縮ブーム3の横撓みは、伸縮ブーム3のブーム長Lが長
くなればなる程また吊り荷4の重量Wが大きくなればな
る程大きくなる。このため、吊り荷4の実際の荷振れ周
期時間Tは、この伸縮ブーム3の横撓みが大きくなれば
なる程長くなる傾向を持つものである。
【0028】従って、従来の旋回自動制動装置は、その
荷振れ周期時間出力部9の算出に係る荷振れ周期時間T
が、実際の荷振れ周期時間に対して伸縮ブーム3の撓み
に対応しない分だけ短くなり、旋回動の停止時に吊り荷
4に荷振れが残っていたのである。
【0029】本発明の旋回式クレーンの旋回自動制動装
置は、その荷振れ周期時間出力部9において、伸縮ブー
ム3の横撓みの影響を受けて伸縮ブーム3のブーム長が
長くなればなる程また吊り荷4の重量が大きくなればな
る程長くなる実際の荷振れ周期時間Tの近似値を、吊り
荷の吊下距離H、伸縮ブーム3のブーム長Lおよび吊り
荷4の重量Wの関数として演算算出するよう構成したの
である。
【0030】従って、本発明の旋回式クレーンの旋回自
動制動装置は、減速度一定の制動が、従来のものよりも
実際の吊り荷4の荷振れ周期時間Tに近い時間で行われ
るので、従来のものに比して旋回動の停止時における吊
り荷4の荷振れをより少なくできるのである。
【0031】
【実施例】以下本発明の旋回式クレーンの旋回自動制動
装置の実施例を図1〜図2に基づいて説明する。
【0032】本発明に係る旋回式クレーンの旋回自動制
動装置は、従来のそれに比して制動信号出力装置7の荷
振れ周期時間出力部9の構成に特徴があるものであるか
ら、以下この特徴部分についてのみ説明する。
【0033】図1において、制動信号出力装置7の荷振
れ周期時間出力部9は、伸縮ブーム3の先端部3aから
の吊り荷4の吊下距離Hを検出する吊り荷吊下距離検出
手段9a、伸縮ブーム3のブーム長Lを検出するブーム
長検出手段9c、吊り荷4の重量Wを検出する吊り荷重
量検出手段9d、および、これらの検出手段9a,9
c,9dからの信号を受け取って荷振れ周期時間Tを演
算算出する演算手段9bとから構成している。前記演算
手段9bは、伸縮ブーム3の横撓みの影響を受けて伸縮
ブーム3のブーム長Lが長くなればなる程また吊り荷4
の重量Wが大きくなればなる程長くなる実際の荷振れ周
期時間Tの近似値を、吊り荷の吊下距離H、伸縮ブーム
3のブーム長Lおよび吊り荷4の重量Wの関数として演
算算出するよう構成している。
【0034】以上の如く構成した本発明の旋回式クレー
ンの旋回自動制動装置は、減速度一定の制動が、従来の
ものよりも実際の吊り荷4の荷振れ周期時間Tに近い時
間で行われるので、従来のものに比して旋回動の停止時
における吊り荷4の荷振れをより少なくできるのであ
る。
【0035】次に、荷振れ周期時間算出部9の演算手段
9bにおける荷振れ周期時間T(伸縮ブーム3の横撓み
の影響を受けて伸縮ブーム3のブーム長Lが長くなれば
なる程また吊り荷4の重量Wが大きくなればなる程長く
なる実際の荷振れ周期時間Tの近似値)の演算算出の一
例を、図2で説明しておく。この例では、伸縮ブーム3
先端部3aの横撓みにより吊り荷4の荷振れ軌跡は、吊
下距離Hを半径とする円弧よりも大きな曲率半径の近似
円弧を描くので、先ず、この近似円の半径hを仮想吊下
距離hとして求め、この仮想吊下距離hを、単純振り子
の振れ周期時間算出式に代入し、実際の荷振れ周期時間
に近似する荷振れ周期時間Tを算出するようにしてい
る。
【0036】以下の説明において用いる符号は次の通り
に定義している。 L;伸縮ブーム3のブーム長 H;伸縮ブーム3先端部3aからの吊り荷4の吊下距離 W;吊り荷4の重量 θ;吊り荷4の荷振れによって生ずる振れ角度(伸縮ブ
ーム3先端部3aを通る鉛直線に対する振れ角度) δ;荷振れによって発生する伸縮ブーム3先端部3aの
横撓み量 K;横撓み量δに対する伸縮ブーム3のバネ定数 F;吊り荷4を吊下するワイヤーロープに作用する張力 h;荷振れ時の吊り荷4が描く振れ軌跡を通る円の半径
(伸縮ブーム3の横撓みを加味したもの)…仮想吊下距
【0037】この例の場合、実際の荷振れ周期時間に近
似する荷振れ周期時間Tは、次のようにして演算算出さ
れる。 A;荷振れに伴って生ずる伸縮ブーム3の先端部3aの
横撓みにより、吊り荷4の荷振れ軌跡は、吊下距離Hを
半径とする円弧よりも大きな曲率半径の近似円弧を描く
ので、先ず、この近似円弧の複数の点を通る円弧を仮想
し当該仮想円弧の半径を仮想吊下距離hとして求める。
【0038】吊り荷4が振れ角度θで振れた時に伸縮
ブーム3先端部3aに生ずる横撓み量δを求める。 F=W/cos θ δ=Fsin θ/K =W・sin θ/cos θ・1/K=W/K・tan θ…(1)
【0039】吊り荷4が荷振れをしていない状態の吊
り荷4の位置p1(x1,y1)、およ吊り荷4が振れ角度Θで
振れた時の吊り荷4の位置p2(x2,y2)を求める。(伸縮
ブーム3先端部3aを通る鉛直線をy軸とし、荷振れを
していない状態の吊り荷4の位置を通る水平線をx軸と
した直角座標上の位置) ・p1(x1,y1)の位置 x1 =0 y1=0 ・p2(x2,y2)の位置 x2 =H・sin θ+δ δに上記(1)式を代入すると、 x2 =sin θ(H+W/K・1/cos θ) y2 =H(1−cos θ)
【0040】次に、その中心が伸縮ブーム3先端部3
aを通る鉛直線上に位置し、且つで求めたp1(x1,y
1), p2(x2,y2)を通る円の半径hを求める。円の方程式
より、
【0041】
【数4】
【0042】B;このようにして求めた円の半径hをそ
の仮想吊下距離hとした単純振り子を想定し、この想定
に係る単純振り子の振れ周期時間を、既知の単純振り子
周期時間算出式に代入して吊り荷4の荷振れ周期時間T
を求めるのである。このようにして求めた荷振れ周期時
間Tは、実際の荷振れ周期時間に極めて近い値となる。
【0043】
【数5】
【0044】
【発明の効果】以上の如く構成し、作用する本発明の旋
回式クレーンの旋回自動制動装置は、減速度一定の制動
が、従来のものよりも実際の吊り荷4の荷振れ周期時間
Tに近い時間で行われるので、従来のものに比して旋回
動の停止時における吊り荷4の荷振れをより少なくでき
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の旋回式クレーンの旋回自動制動装置の
説明図である。
【図2】本発明に利用されている荷振れ周期時間の演算
算出の一例を説明する説明図である。
【図3】旋回式クレーンの説明図である。
【図4】旋回式クレーンの旋回駆動装置の説明図であ
る。
【図5】従来の旋回式クレーンの旋回自動制動装置の説
明図である。
【図6】従来の旋回式クレーンの旋回自動制動装置の原
理の説明図である。
【符号の説明】
1;車輌、2;旋回台、3;伸縮ブーム、4;吊り荷、
5a;油圧モータ、5b;油圧制御弁、5c;操作レバ
ー、5d;操作信号発生部、5e;演算処理部、6;制
動装置、7;制動信号出力装置、8;制動開始信号出力
部、9;荷振れ周期時間出力部、10;制動信号出力
部、9a;吊り荷吊下距離検出手段、9b;演算手段、
9c;伸縮ブーム長検出手段、9d;吊り荷荷重検出手
段、B;制動信号、P;制動開始信号、T;荷振れ周期
時間、H;吊下距離、L;ブーム長、

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回駆動自在な旋回台、および旋回台に
    起伏駆動自在に取り付けた伸縮ブームを備え、伸縮ブー
    ムの先端部に吊り荷を巻き上げ巻き下げ駆動自在に吊下
    するよう構成してなる旋回式クレーンに用いられる旋回
    自動制動装置であって、 旋回台の旋回動を制動する制動装置と、この制動装置へ
    制動信号を出力する制動信号出力装置とから構成すると
    共に、制動信号出力装置を、旋回台の旋回動の制動開始
    を指示する制動開始信号を出力する制動開始信号出力
    部、前記吊り荷の荷振れ周期時間を算出して出力する荷
    振れ周期時間出力部および、前記各出力部からの信号を
    受け取り前記制動装置へ前記制動信号を出力する制動信
    号出力部とで似って構成し、且つ、前記制動信号出力部
    が、前記制動装置をして旋回台の旋回動を前記制動開始
    信号受取時から減速度(減速の加速度)一定のもと前記
    荷振れ周期時間で制動して停止せしめるための制動信号
    を出力するよう構成したものにおいて、 前記荷振れ周期時間出力部を、伸縮ブームの先端部から
    の吊り荷の吊下距離を検出する吊り荷吊下距離検出手
    段、伸縮ブームのブーム長を検出する伸縮ブーム長検出
    手段、吊り荷の重量を検出する吊り荷重量検出手段、お
    よび、これらの検出手段からの信号を受け取って荷振れ
    周期時間を演算算出する演算手段とから構成する共に、
    前記演算手段は、伸縮ブームの横撓みの影響を受けて伸
    縮ブームのブーム長が長くなればなる程また吊り荷の重
    量が大きくなればなる程長くなる実際の荷振れ周期時間
    の近似値を、吊り荷の吊下距離、伸縮ブームのブーム長
    および吊り荷の重量の関数として演算算出するよう構成
    してあることを特徴とする旋回式クレーンの旋回自動制
    動装置。
JP24063793A 1993-08-31 1993-08-31 旋回式クレーンの旋回自動制動装置 Expired - Fee Related JP3252033B2 (ja)

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