JP3251403B2 - 硬化促進機能を有する後硬化型緊張材 - Google Patents

硬化促進機能を有する後硬化型緊張材

Info

Publication number
JP3251403B2
JP3251403B2 JP30545293A JP30545293A JP3251403B2 JP 3251403 B2 JP3251403 B2 JP 3251403B2 JP 30545293 A JP30545293 A JP 30545293A JP 30545293 A JP30545293 A JP 30545293A JP 3251403 B2 JP3251403 B2 JP 3251403B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curing
post
tendon
sheath
curable composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30545293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07158209A (ja
Inventor
昭二 白浜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobelco Wire Co Ltd
Original Assignee
Shinko Wire Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinko Wire Co Ltd filed Critical Shinko Wire Co Ltd
Priority to JP30545293A priority Critical patent/JP3251403B2/ja
Publication of JPH07158209A publication Critical patent/JPH07158209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3251403B2 publication Critical patent/JP3251403B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレストレスト (Pres
tressed)コンクリートのポストテンション工法において
使用されるプレストレストコンクリート用緊張材(PC
緊張材)に関し、更に詳しくは、加熱により硬化される
硬化促進機能を有する後硬化型緊張材に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の後硬化型緊張材に係る典型的な
先行技術としては、特公平 5-69939号公報が例示され
る。この先行技術の一例が図4に示されるが、鋼材1の
周りに後硬化性組成物として常温硬化型樹脂2が塗布に
より囲繞され、さらに適宜形状の凹凸を持つポリエチレ
ン製のシース3で被覆された構成である。この使用方法
としては、先ず後硬化型緊張材を所定の位置に配置した
後、コンクリート4を打設し、該コンクリート4が所定
の強度に達した時点で鋼材1を緊張・定着する。その
後、予め硬化時期が事前に調整された常温硬化型樹脂2
が硬化して、鋼材1とコンクリート4との間に付着現象
が発現するというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述する使用方法にお
いて重要なことは、後硬化性組成物である常温硬化型樹
脂の硬化時期が適正な値となるように、事前にその配合
を決定しておかなければならない点である。ところで、
硬化時期を短くすると、工期の遅れにより緊張材の緊張
時期が遅れた場合、緊張前に後硬化性組成物が硬化して
しまい、緊張不可能ということになる。また、硬化時期
を長くとった場合には、その構造物が完成後、供用中で
も後硬化性組成物が硬化せず、当分の間所定の部材強度
が得られないということになる。また、このような後硬
化性組成物の場合、その硬化の速度が温度によって大き
く影響される場合が多い。従って、夏場と冬場では同じ
硬化時期を設定しても、異なる配合をする必要がある。
さらに、コンクリートの配合に基づく熱も考慮しなけれ
ばならないが、これはコンクリートの容量や、周りの環
境の影響を受けるため困難である。また、気温も考慮す
る必要があるが、これも予想通りにならないことが多
く、このように硬化時期を完全にコントロールすること
は困難である。なお、このような問題点は全て後硬化性
組成物の硬化を自然硬化に依存していることによるもの
である。
【0004】一方、緊張材に通電できる構造のPC緊張
材が、例えば米国特許第 3060640号明細書(Cl.50-135)
により公知であり、これは、通電加熱によって後硬化性
組成物の硬化を促進し得る特徴を有している。しかしな
がらこの公知技術は、電気導体を芯材である緊張用鋼材
に巻付けてなる構造であるため、PC緊張材の運搬・取
扱い中または緊張中に鋼材と電気導体とが擦れて、発熱
体である電気導体が断線し通電不能となる問題が屡々起
こり、また、通電中に鋼材と電気導体との接触により、
鋼材に電流がながれて、電力損失,鋼材劣化を齎す等の
実用上の問題がある。
【0005】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、本発明の目的は、硬化時期
の確実なコントロールが可能で、現場での施工の合理化
及び信頼性の向上並びにPC緊張材の運搬・取扱いの利
便性が高められる後硬化型緊張材を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、緊張用鋼材の芯材に後硬化性組成物が囲
繞され、さらにその外周に通電加熱用の導電体を埋め込
んだシースが被覆されてなることを特徴とする硬化促進
機能を有する後硬化型緊張材である。本発明はまた、上
記後硬化型緊張材において、シースが長さ方向に凹凸を
有する襞状に形成されていることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明に従えば、緊張用鋼材を囲繞する後硬化
性組成物を被覆するシースに、通電加熱用の導電体が埋
め込まれる。したがって、現地での使用に際し、この後
硬化型緊張材を所定の位置に配置した後、コンクリート
を打設し、該コンクリートが所定の強度に達した時点で
鋼材を緊張・定着するが、これに相前後して前記導電体
に通電することによって間接的に後硬化性組成物を加熱
し、硬化を促進させることが可能である。本発明によれ
ば、後硬化性組成物の硬化時期を工期の長短、周囲の温
度状況に適応させて直接コントロールすることができ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。図1は、本発明の一実施例に係る
後硬化型緊張材の拡大縦断面図である。図1に示される
後硬化型緊張材は、芯材である鋼材1と、内部の充填層
である後硬化性組成物2と、被覆層であるシース3とを
含んで構成される。鋼材1としては、例えばPC鋼撚線
が用いられる。また、充填層の後硬化性組成物2として
は、常温硬化型樹脂の一つであるエポキシ樹脂が用いら
れて、PC鋼撚線1の周面に適宜の厚みで塗布されるこ
とによって充填層を形成する。一方、シース3として
は、ポリエチレン製シースが用いられ、例えば凹部と凸
部とが長さ方向に交互に配列される螺旋襞状に成形され
てエポキシ樹脂充填層2に被覆される。このシース3に
は、凹凸の内部に沿って、例えばニクロム(Ni-Cr)線か
らなる導電体5が螺旋状に埋め込まれている。
【0009】図2は、本発明の他実施例に係る後硬化型
緊張材のシースの一部を切開して示す外観図である。こ
の図に示される後硬化型緊張材は、図1図示の実施例に
類似し、対応する各部には同一の参照符号を付してい
る。この実施例では、シース3中に埋設される導電体5
として、網(メッシュ)状に編成されたニクロム線が用
いられてなる構造に特徴を有しており、その他の点に関
しては図1図示の実施例と同じである。
【0010】ところで、本実施例において、導電体5で
あるニクロム線をシース3中に埋め込む手段としては、
下記の方法が用いられる。即ち、通常、緊張材に被覆を
行わせる場合、熱可塑性ポリマー等の被覆材料を、溶融
状態下で走行する緊張材に囲繞させて設置されるチュー
ビングダイスから押し出している。このチューブ状に押
し出された被覆材料は、収縮して緊張材の周囲に密着す
ることにより継ぎ目なしシースを形成するが、この被覆
処理工程中において、筒網状のニクロム線を拡径しなが
ら筒軸方向に反転巻きさせて形成されたドーナッツ形の
ニクロム線を、予めチュービングダイスに関連させて配
置し、被覆材料がチュービングダイスからチューブ状に
押し出されるのに同期して、前記ドーナッツ形ニクロム
線を展延しつつ縮径させてチューブ状のシース内に送り
込ませるのであって、これによって、ニクロム線の埋め
込みとシースの被覆処理とを一つのチュービング工程で
同時に行うことが可能である。
【0011】図3には、本発明実施例の後硬化型緊張材
に係る硬化実験装置の概要が示される。本発明に係る後
硬化型緊張材6は供試コンクリートブロック4内に挿通
された後、支圧板11および定着グリップ12によって
所定の緊張が与えられる。この後、シース中に埋め込ま
れたニクロム線の端部7を通電用電源装置8に接続し、
通電を行った。その際、後硬化性組成物の温度を測定す
るために、熱電対9をシース内部に温度測定器10によ
って温度測定を行った。この場合、後硬化性組成物の硬
化時期は、温度20℃において約6か月で硬化するよう
に調整した。また、通電期間中の後硬化性組成物の温度
は約80℃が維持されるようにした。その結果、通電開
始後約3日後にコンクリート4を破壊して後硬化性組成
物の硬化状況を調査したところ、完全に硬化していた。
【0012】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、緊張用鋼
材の芯材に後硬化性組成物が囲繞され、さらにその外周
に通電加熱用の導電体を埋め込んだシースが被覆されて
なる後硬化型緊張材であり、導電体に通電することによ
って後硬化性組成物の硬化時期を早めることが可能であ
り、従って、工期の遅れ等を考慮して硬化時期が十分長
く調整された組成物でも、緊張後に速やかに硬化させる
ことができ、構造物の供用中は後硬化性組成物が完全に
硬化している状態にすることが可能である。
【0013】さらに本発明は、導電体が後硬化性組成物
中でなく、シース中に配置される構成であって、従っ
て、シースが導電体(発熱体)の保護被覆の役割を果た
すため、緊張材の運搬や取扱い中又は緊張中において鋼
材との擦れ等によって導電体が断線する等の問題は生じ
ない。さらに、鋼材との接触により鋼材に電流が流れる
ことによる電力の損失、あるいは通電されることによる
鋼材の劣化のおそれもなく、高信頼性のPC緊張材を提
供し得る。
【0014】本発明はまた、シースを襞状に形成するこ
とによって、周囲のコンクリートに対する接触面積が大
きくなり、かつ、一体化がより強力に行われることによ
って、PC緊張材の本来の特徴が十分に発揮される利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る後硬化型緊張材の拡大
縦断面図である。
【図2】本発明の他実施例に係る後硬化型緊張材のシー
スの一部を切開して示す外観図である。
【図3】本発明実施例の後硬化型緊張材に係る硬化実験
装置の概要構造図である。
【図4】従来の後硬化型緊張材の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1…鋼材 2…後硬化性組成物 3…シース 4…コンクリート 5…導電体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緊張用鋼材の芯材に後硬化性組成物が囲
    繞され、さらにその外周に通電加熱用の導電体を埋め込
    んだシースが被覆されてなることを特徴とする硬化促進
    機能を有する後硬化型緊張材。
  2. 【請求項2】 シースが、長さ方向に凹凸を有する襞状
    に形成されていることを特徴とする請求項1記載の硬化
    促進機能を有する後硬化型緊張材。
JP30545293A 1993-12-06 1993-12-06 硬化促進機能を有する後硬化型緊張材 Expired - Fee Related JP3251403B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30545293A JP3251403B2 (ja) 1993-12-06 1993-12-06 硬化促進機能を有する後硬化型緊張材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30545293A JP3251403B2 (ja) 1993-12-06 1993-12-06 硬化促進機能を有する後硬化型緊張材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07158209A JPH07158209A (ja) 1995-06-20
JP3251403B2 true JP3251403B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=17945321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30545293A Expired - Fee Related JP3251403B2 (ja) 1993-12-06 1993-12-06 硬化促進機能を有する後硬化型緊張材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3251403B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4559203B2 (ja) * 2004-12-02 2010-10-06 オリエンタル白石株式会社 プレストレスコンクリート部材の電熱養生構造
JPWO2009020176A1 (ja) * 2007-08-08 2010-11-04 住友電気工業株式会社 プレグラウトpc鋼材及びpcポストテンション工法
JP4944732B2 (ja) * 2007-10-26 2012-06-06 住友電気工業株式会社 プレグラウトpc鋼材及びpc施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07158209A (ja) 1995-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2414011A (en) Reinforced concrete body
US3579931A (en) Method for post-tensioning tendons
JPH03148308A (ja) 補強用組立体を備えたタイヤ
JPH05269726A (ja) 土木建築構造物補強材
EP0055891B1 (en) Method of manufacture of a heat sealable fitting and fitting made by such method
JP4043914B2 (ja) ワイヤハーネスの止水方法及び止水処理装置
JP3251403B2 (ja) 硬化促進機能を有する後硬化型緊張材
JP4358202B2 (ja) プレグラウトpc鋼材
US4631883A (en) Tendons for post-tensioned pre-stressed concrete structures
CN113356478B (zh) 一种适用于钢筋弯角搭接处的绝缘处理结构及处理方法
JPH10188707A (ja) 複合碍子の成形方法およびそれに用いる金型装置
JPH0569939B2 (ja)
JP2016098563A (ja) プレグラウトpc鋼材を用いたプレキャストコンクリート桁の緊張定着方法
CO4790198A1 (es) Metodo y aparato para la fabricacion de una bobina electrica arrollada helicoidalmente con aislamiento variable
JP3861209B2 (ja) 高付着力を有する防錆被覆のアンボンドpcストランドの加工方法
JP4037041B2 (ja) 繊維複合材の端末加工法及び端末定着方法
JP2524553B2 (ja) 防錆被覆異形pc鋼棒の製造方法
JPH1077587A (ja) リラクセーションに優れた耐蝕性pc鋼より線及びその製造方法
JP4262084B2 (ja) プレグラウトpc鋼より線の被覆撤去方法
JP2000043043A (ja) Frp剪断補強筋の施工方法
JPH031519Y2 (ja)
CN111622426A (zh) 粘结时间可控的缓粘结预应力钢绞线及其粘结控制方法
JP2003039522A (ja) アンボンドpc鋼より線の製造方法
JP2002332749A (ja) 繊維ストランドによる補修補強工法
RU2191313C1 (ru) Способ изготовления трубы

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011023

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees