JP3251158B2 - パネル支持装置補強用タイ部材の端部処理構造 - Google Patents

パネル支持装置補強用タイ部材の端部処理構造

Info

Publication number
JP3251158B2
JP3251158B2 JP25622195A JP25622195A JP3251158B2 JP 3251158 B2 JP3251158 B2 JP 3251158B2 JP 25622195 A JP25622195 A JP 25622195A JP 25622195 A JP25622195 A JP 25622195A JP 3251158 B2 JP3251158 B2 JP 3251158B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panel
corner
tie
lattice
chord
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25622195A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0996040A (ja
Inventor
公也 佐々木
Original Assignee
新日軽株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 新日軽株式会社 filed Critical 新日軽株式会社
Priority to JP25622195A priority Critical patent/JP3251158B2/ja
Publication of JPH0996040A publication Critical patent/JPH0996040A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3251158B2 publication Critical patent/JP3251158B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビル等の外壁部分
において、パネル用フレームを用いることなく、板ガラ
スなどのパネルをパネル支持装置により直接的に支持す
るようにしたフレームレス工法におけるパネル支持装置
補強用タイ部材の端部処理構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カーテンウォール工法なども多様
化し、美観性、採光性を考慮して外壁全面に透過性板ガ
ラスを用いる工法が採用されている。従来は、パネル面
に板ガラスを使用する場合には、耐風性、耐震性などを
考慮してその周囲を金属枠材(パネル用フレーム)を用
いて支持する工法が主であったが、近年強度的に優れた
強化ガラスの開発により、美観性に対する高い要求に答
えることができるようになり、前記金属枠材を用いるこ
となく強化ガラスを上下左右方向に隣接して配置し、こ
の強化ガラスを支持金物により直接的に支持するように
したフレームレス工法が開発され、多くの施工実績を残
している。
【0003】かかるフレームレス工法は、たとえば図3
に示されるように、X状のパネル支持装置1Aにより、
隣接する4つのパネルを直接的かつ共通的に支持するよ
うにしたもので、パネル支持装置1Aは図4に示される
トラス構造支持体2などにより支持される。
【0004】前記フレームレス工法に係り、従来よりパ
ネル支持構造については各種の構造のものが多く提案さ
れているものの、基本的にはすべてのパネルを同一平面
内に支持するものであり、たとえば直交する2面が共に
パネル面とされるようなパネルコーナー部において、隣
接するパネル同士を共通的に支持し得るようにしたもの
は見当たらない。
【0005】そこで本出願人は、先の特願平7−155
781号において、パネル面が交わるパネルコーナー部
において、これら隣接する2面のパネルを共通的に支持
するようにしたパネル支持装置を提案した。かかるパネ
ル支持装置は、同号において、パネルコーナー部の室内
側に床面から天井に亘り立設された角管支柱による構造
支持体によって支持されている。
【0006】他方、前記パネル支持装置と構造支持体と
の間の離間距離が大きいため、両者を繋ぐ支杆部材が長
くなる場合や、吹き抜け空間が大きいためパネル面積が
大きくなる場合などは、図3に示されるように、パネル
支持装置1A、1A同士をタイロッドやタイロープなど
のタイ部材8Bで相互に連結することにより補強がなさ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】パネル一般部の場合に
は、パネル支持装置の両側にタイ部材が連結され、パネ
ル支持装置1Aを跨ぐそれぞれの側のタイ部材張力がバ
ランスしているため、支杆部材に対して曲げや剪断力が
導入されることはない。
【0008】しかしながら、パネルコーナー部におい
て、最終的定着部材をパネル支持装置として前記タイ部
材を連結したのでは、支杆部材に対して曲げや剪断力が
導入されることになるため、一般部に用いられている支
杆部材の断面では荷重を支持することはできない場合も
ある。また、この場合には、前記支杆部材に対して直交
する方向の力が作用することになるため、パネル支持ボ
ルトが挿通されているパネル通孔部において支圧応力が
過大となるなどの問題もある。
【0009】なお、図21に示されるように、パネル面
が正面だけであり、側部がコンクリート躯体であるよう
な場合には、最終的に前記コンクリート躯体に対して定
着するなどの方法により対処可能であり、前記のような
問題は発生しない。
【0010】そこで本発明の主たる課題は、夫々異なる
方向のパネル壁面が交わるパネルコーナー部において、
パネル支持装置同士を連結するタイ部材により支杆部材
に対して曲げや剪断力が導入されないようにした、パネ
ル支持装置補強用タイ部材の端部処理構造を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、夫々異なる2方向のパネル壁面が交わる
パネルコーナー部において、これらの隣接するパネル同
士が、それぞれのパネル面に向けたコーナー部パネル支
持装置により支持されるとともに、これらコーナー部パ
ネル支持装置と隣接する一般部パネル支持装置とが略水
平方向に張られたタイロッドまたはタイロープにより連
結され、かつ、前記パネルコーナー部において隣接する
パネルをそれぞれ支持するコーナー部パネル支持装置同
士が繋ぎ部材により連結されたことを特徴とするもので
ある。
【0012】この場合、前記繋ぎ部材としては、曲げ剛
性を付与するために組立て部材とすることが望ましい。
【0013】したがって、本発明の場合には、一方側の
コーナー部パネル支持装置に連結されているタイ部材の
張力が前記繋ぎ部材を介して他方側のコーナー部パネル
支持装置に対して伝達される。この他方側のコーナー部
パネル支持装置においては、前記張力が支杆部材に対し
て軸力に変換されて作用することになる。作用力が軸力
である場合には、元々応力的に余裕があるため、一般部
パネル支持装置に用いられている支杆部材の断面寸法で
十分であるとともに、支杆部材が撓み方向に変形するこ
ともない。また、前記一方側のコーナー部パネル支持装
置においては、タイ部材と繋ぎ部材との引張力がバラン
スしているため、パネル支持ボルトが挿通されているパ
ネル通孔部の支圧応力が過大となるようなこともなくな
る。
【0014】また、前記繋ぎ部材とコーナー部パネル支
持装置との連結構造は、パネル支持装置側に雄螺子部材
を一体的に設けるとともに、前記繋ぎ部材側に前記雄螺
子部材が貫通される通孔を形成し、この雄螺子部材に対
してナット部材を螺着した後、前記ナット部材を座とし
て前記繋ぎ部材を架け渡し、次いでナット部材を前記雄
螺子部材に螺着し、前記繋ぎ部材を挟み付けるようにし
て固定することが望ましい。
【0015】かかる連結構造の場合には、座用ナット部
材の螺合量により繋ぎ部材間の距離が任意に調整可能で
あり、高い精度で取付けが可能になるとともに、確実に
引張力を伝達できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述する。図1はパネルコーナー部における
カーテンウォール据え付け状態の斜視図、図2は正面
図、図3はパネル支持装置1Aのパネル支持状態斜視
図、図4は図2のIV−IV線矢視図、図5はパネルコーナ
ー部のパネル支持状態斜視図、図6は図2のVI−VI線矢
視図、図7はパネルコーナー部の平面図、図8〜図10
は図7の部分拡大図である。図1において、ビル等の壁
面を構成する強化ガラス、合わせガラスまたは複層ガラ
ス等からなるパネル群P、P…は、フレーム枠を用いる
ことなく、パネル支持装置1A、1B等により直接的に
支持されている。
【0017】コーナー部Cを境にそれぞれの側のパネル
P、P…は、各パネルPのコーナー部を突き合わせ状態
としながら上下左右方向に隣接して配置され、中間部は
パネルPの各コーナー交点部に置かれたX形状のパネル
支持装置1A(一般部パネル支持装置)により、またビ
ルの躯体に隣接する躯体隣接部は横I字状のパネル支持
装置1Bにより略同一鉛直平面内に支持されている。ま
た、これらの異なる方向のパネル面が交わるコーナー部
Cにおいては、コーナー部パネル支持装置1C、1Cが
配設され、隣接する夫々異なる方向のパネルP、Pを一
箇所で共通的に支持している。なお、パネルPとパネル
Pとの間の若干の隙間部分にはシールSが連続的に施さ
れている。
【0018】先ず、一般部のパネル支持構造から説明す
ると、パネル支持装置1Aは図3に示されるように、略
X状のパネル支持部材31と、パネル外面側からパネル
を貫通して設けられるパネル支持ボルトを固定するため
のパネル取付具類32〜35と、このパネル支持部材3
1の中心部に対して固定され、パネル支持部材31とト
ラス構造支持体2とを連結する支杆部材36等とにより
構成される。
【0019】前記パネル支持部材31は、斜め十字方向
にそれぞれ延在する各支腕部材31A〜31Dを有し、
これら各支腕部材31A〜31D先端のパネル支持部に
おいて、突き合わせ状態で隣接する4枚のパネルPの隅
部をそれぞれ支持するようになっている。なお、かかる
パネル支持装置1Aの詳細構造については、特願平7−
75677号に詳しく記載されている。
【0020】本例では、前記支杆部材36に対してリン
グ状ホルダー38が外嵌されるとともに、このリング状
ホルダー38に対して、端部に接続ソケット39、39
…を有するタイロッド8B,8C…が接続され、パネル
支持装置1A同士が縦および横方向に相互に連結されて
いる。この場合、鉛直方向に張られたタイロッド8Cは
主にパネル自重を負担するとともに、パネル変形を抑制
する作用を担い、水平方向に張られたタイロッド8Bは
主にパネル変形を抑制する作用を担う。
【0021】かかるパネル支持装置1Aは、図4に示さ
れるトラス構造支持体2(以下、一般部トラスともい
う。)により支持される。前記一般部トラス2は、所定
間隔をおいて平行的に配置された前側弦材26と後側弦
材27とがワーレントラス状に配設されたラチス材2
8、28…によって連結された平面トラス柱であり、ト
ラス面がパネルP面に対して垂直に配設される。パネル
面が風圧を受けた場合には、荷重がパネル支持装置1A
を介して一般部トラス2に伝達され、この一般部トラス
2により支持される。この場合、前記前側弦材26が圧
縮部材となり、後側弦材27が引張部材となって荷重に
対して抵抗する。また、一般部トラス支持体2、2…の
トラス面を常時同一平面内に保持しかつパネル変形を抑
制するために、一般部トラス2の後側弦材27同士はタ
イロッド8A、8A…により相互に連結されている。
【0022】この種のフレームレス工法は、吹き抜けに
よる大空間部に好適に用いられ、閉鎖されたビル内空間
にガラスの持つ透明感により開放的なアメニティ空間を
作り出すことができ、近年特に注目されているカーテン
ウォール工法である。
【0023】次いで、コーナー部Cにおけるパネル支持
構造について説明すると、コーナー部パネル支持装置1
は、図5に示されるように、それぞれのパネル面に向
けたI状のパネル支持部材40、40と、パネル外面側
からパネルを貫通して設けられるパネル支持ボルトを固
定するためのパネル取付具類32〜35と、このパネル
支持部材31の中心部に対して固定され、パネル支持部
材40とコーナ部トラス1とを連結する支杆部材類41
等とにより構成される。
【0024】前記パネル支持部材40は、前記パネル支
持部材31は、中心の支杆部材連結部を跨いで上下方向
180°の方向に実質的に同一形状の各支腕部材40
A、40Bとを有し、これら各支腕部材40A〜40B
先端のパネル支持部において、突き合わせ状態で上下方
向に隣接する2枚のパネルPの隅部をそれぞれ支持する
ようになっている。
【0025】本例では、前記支杆部材41に対してリン
グ状ホルダー42が外嵌されるとともに、このリング状
ホルダー42に対して、端部に接続ソケット39を有す
るタイロッド8Bが接続され、横方向に隣接するパネル
支持装置1Aと相互に連結されている。
【0026】かかるコーナー部パネル支持装置1Cは、
図6に示されるように、パネル背面の室内側に床面から
天井に亘って配設されたトラス構造支持体1(以下、単
にコーナー部トラスという。)によって支持されてい
る。
【0027】前記コーナー部トラス1は、図7〜図10
に示されるように、所定の離間をおいて平行的に配置さ
れた3本の弦材3〜5が連結材たるラチス材6…および
水平材7…によって結合されたトラス柱である。実施例
に沿って詳述すると、平面的に視て、前記中頂部弦材3
と側頂部弦材4とが三角形状をなすように各頂部に置か
れ、これら中頂部弦材3と各側頂部弦材4とがワーレン
トラス状(ジグザグ状)に配設されたラチス材6、6…
によって連結されるとともに、中頂部弦材3と各側頂部
弦材5とが同じくワーレントラス状(ジグザグ状)に配
設されたラチス材6、6…によって連結され、かつ前記
側頂部弦材4、5同士が水平材7、7…によって相互に
連結されている。そして、前記中頂部弦材3をコーナー
部Cに近接した位置に配置し、中頂部弦材3と側頂部弦
材4とによるトラス面を側面がわパネル面に対して直交
させ、中頂部弦材3と側頂部弦材5とによるトラス面を
正面がわパネル面に対して直交させた状態で配置する。
したがって、頂角αの角度は、パネル面の交差角βによ
って変化する。
【0028】かかるパネルコーナー部分においては、パ
ネル壁面がY方向の風圧を受けた場合には、中頂部弦材
3と側頂部弦材5とによって構成されるトラス面が荷重
に対して抵抗する。すなわち、前記中頂部弦材3が圧縮
部材となり、側頂部弦材5が引張部材となって荷重に対
して抵抗する。また、パネル壁面がX方向の風圧を受け
た場合には、中頂部弦材3と側頂部弦材4とによって構
成されるトラス面が荷重に対して抵抗する。すなわち、
前記中頂部弦材3が圧縮部材となり、側頂部弦材4が引
張部材となって荷重に対して抵抗する。さらに、前記X
およびY方向の中間角度方向(XY方向)の風圧を受け
た場合には前記中頂部弦材3が圧縮部材となり、側頂部
弦材4および側頂部弦材5が共に引張部材となって荷重
に対して抵抗する。
【0029】また、パネル支持装置1A、1Cとを連結
するタイロッド8Bのコーナー部における処理は、本発
明に従い図10に示される構造とされる。中頂部弦材3
の隣接する側面に夫々固定されたコーナー部パネル支持
装置1C、1Cにおいて、支杆部材41に外嵌されたリ
ング状ホルダー42のタイロッド8B連結部の反対面側
には、雄螺子部材42aが一体的に固設されており、こ
れら雄螺子部材42a間に渡された繋ぎ部材45によ
り、コーナー部パネル支持装置1C同士が相互に連結さ
れている。詳述すると、前記繋ぎ部材45としては、連
結のために前記雄螺子部材42a軸に垂直となるように
両端部が屈曲した繋ぎ板本体45aに対して曲げ剛性を
与えるためのリブ板45bを溶接付けした組立て部材が
好適に用いられる。もちろん、前記繋ぎ板本体45aだ
けの構造であってもよいが、タイロッド8Bに導入され
ている張力を確実に他方のパネル支持部材40に伝達す
るためには、繋ぎ部材45が途中で変形しないように曲
げ剛性を十分に高めた構造形式のものが用いられる。ま
た、前記繋ぎ部材45の両端部にはそれぞれ前記雄螺子
部材42aが貫通される通孔45c,45cが形成され
ている。連結に当たっては、先ず前記雄螺子部材42a
に対してナット部材43を螺着した後、これを固定用の
座として前記繋ぎ部材45を前記雄螺子部材42a間に
架け渡し、その上から袋ナット部材44を螺着して前記
繋ぎ部材45を挟み付けるようにして固定する。
【0030】パネルコーナー部において、タイロッド8
Bの端部を前述のように処理することにより、タイロッ
ド8Bに導入されている張力は、前記繋ぎ部材45を介
して他方のコーナー部パネル支持装置1C側に伝達され
るようになる。前記他方のコーナー部パネル支持装置1
側においては、支杆部材41の軸方向に作用力Fとし
て、すなわち支杆部材41に対して軸力として作用する
ことになるため、コーナー部パネル支持装置1Cの支杆
部材41に過大な曲げモーメントが作用することがなく
なる。
【0031】次に、前記コーナー部トラス1の組立て構
造について詳述する。前記中頂部弦材3と側頂部弦材
4、5との連結構造は同様であるので、代表的に前記中
頂部弦材3と側頂部弦材4との連結構造について説明す
る。
【0032】前記中頂部弦材3および側頂部弦材4(以
下、単に弦材ともいう。)としては、図11に示される
ように、たとえば押出し成形により製造された略方形状
の中空型材が好適に用いられる。中頂部弦材3は、各隅
部に連続的に略L字形状のリップ片3a〜3hを備えて
おり、各側面にはそれぞれ嵌合溝MF 〜OF が形成され
ている。これら4つの嵌合溝の内、側頂部弦材4に対面
する嵌合溝MF はラチス材連結金具9用の嵌合溝として
使用され、嵌合溝NF および嵌合溝LF はパネル支持金
具20用の嵌合溝として使用され、嵌合溝OF は側頂部
弦材5側のラチス連結金具9用の嵌合溝として使用され
る。
【0033】また、側頂部弦材4も同様に、各隅部に連
続的に略L字形状のリップ片4a〜4hを備えており、
各側面にはそれぞれ嵌合溝MB 〜OB が形成されてい
る。これら4つの嵌合溝MB 〜OB の内、中頂部弦材3
に対面する嵌合溝MB はラチス連結金具9用の嵌合溝と
して使用され、嵌合溝OB は水平材連結金具16用の嵌
合溝として使用される。
【0034】これら中頂部弦材3および側頂部弦材4の
各嵌合溝MF 〜OF 、MB 〜OB において、ラチス連結
金具9、パネル支持金具20等の配設箇所以外は弦材カ
バー材30が嵌合され美観性に対する配慮がなされてい
る。なお、前記中頂部弦材3および側頂部弦材4、5
は、共に同一形状の型材が用いられ、配置場所を問わず
に共通的に使用できるようになっている。
【0035】一方、ラチス材6は、図12に示されるよ
うに、断面略方形状のラチス本体10の両端部に対して
それぞれ連結用金具13が取付けられる。取付けは、ラ
チス本体10の端面に雌螺子孔10aを形成し、ラチス
本体10側から座板11、スプリングワッシャー12、
連結用金具13、平ワッシャー14の順で配列し、これ
らに挿通する固定ボルト15を前記雌螺子孔10aに螺
合させることにより固定する。前記連結用金具13は、
中央に前記固定ボルト15を挿通するための通孔13b
を有し、この片側寄りに、すなわちラチス材6の軸芯に
対して偏心させた位置に円板形状の軸挿通部13aを有
している。前記スプリングワッシャー12は、固定ボル
ト15の回り止めと同時に、固定ボルト15の螺子込み
量の調整により前記連結用金具13の位置を僅かである
が変更できるようになっており、取付け誤差を吸収でき
るようになっている。
【0036】他方、ラチス連結金具9は、図13に示さ
れるように、周辺に弦材3、4の嵌合溝MF 、MB に嵌
合させるための段部9bが形成されたベース板9aの前
面に水平方向の軸孔を有する円板形状の軸受部9cを備
えている。
【0037】ラチス材6の取付けに当たっては、先ず中
頂部弦材3および側頂部弦材4の所定位置に対して前記
ラチス連結金具9の固定を行う。ラチス連結金具9は必
要数分だけ弦材3、4の端部より嵌合溝MF 、MB に嵌
入され部材長手方向に移動自在の状態で装着される。他
方、弦材3(4)のラチス連結金具9の取付け位置に
は、図13に示されるように、取付ビス孔3k、3lお
よび裏当て材21に形成された剪断支持用ボス21a、
21bのためのボス嵌合孔3i、3jが形成されてお
り、裏当て材21を弦材3(4)の中空部に挿入し、取
付ビス18、18により裏当て材21を仮止めしてお
く。この仮止め状態では、前記裏当て材21の前記剪断
支持用ボス21a、21bをボス嵌合孔3i、3jに嵌
合させるけれども、取付ビス18の遊びにより裏当て材
21がガタ付く状態(没する状態)としておき、前記剪
断支持用ボス21a、21bが嵌合溝MF 、MB の面よ
り外側に突出してラチス連結金具9の移動を妨げないよ
うにしておく。
【0038】次に、該孔形成部に前記ラチス連結金具9
を位置決めする。この状態で前記取付ビス18をねじ込
み、裏当て材21を図14に示す状態に固定する。裏当
て材21は前記取付ビス18のねじ込みにより、内壁面
側に引寄せられ、裏当て材21の剪断支持用ボス21
a、21bがボス嵌合孔3i、3jに嵌合するととも
に、ラチス連結金具9の裏面側に形成された凹陥部9e
に対してもその先端が嵌入した状態で仮固定される。か
かる仮固定作業が完了したならば、ラチス連結金具9の
外面側より挿通される固定ボルト19によりラチス連結
金具9と裏当て材21との本固定を行う。
【0039】かかる締結部構造の場合には、裏当て材2
1に形成された剪断支持用ボス21a、21bによりラ
チス連結金具9に作用する剪断力が支持されるため、強
度的にも優れたものとなる。また、固定ボルト19が直
接的に剪断力を負担しているわけではないため、比較的
小径のボルト部材で済むようになるとともに、その本数
も多くを必要としない。なお、ラチス連結金具9が嵌合
溝MF 、MB に嵌合しない構造条件の下では、前記剪断
支持用ボス21a、21bをラチス連結金具9側に形成
することもできる。また、本例では固定ボルト19の螺
合孔を剪断支持用ボス21a、21bに形成したが、こ
れらを夫々別々に形成することもできる。いずれにして
も、ラチス連結金具9に作用する剪断力は、固定用ボル
ト19ではなく、別途裏当て材21またはラチス連結金
具9側に形成したボスに支持させるようにする。なお、
パネル支持金具20の固定も全く同様に行われる。
【0040】次いで、ラチス連結金具9の固定が完了し
たならば、ラチス材6、6…の取付けを行う。ラチス連
結金具9の軸受部9cを中央において、その両側にそれ
ぞれラチス材6の軸挿通部13aを位置させた状態で軸
部材31を挿通し、ラチス材6、6を1つの軸部材31
により共通的に支持するようにする。なお、32は前記
軸部材31の端部に取付けられる軸カバーである。
【0041】かかる連結構造の場合には、ラチス材6の
連結が簡単にかつ迅速に行え、また実質的にラチス材6
の連結軸部のみが外から見えるだけであるため、コーナ
ー部トラス1の与える美観も非常にスレンダーなものと
なる。
【0042】次に、水平材7の連結構造を図16および
図17に示す。水平連結金具16は、周辺に弦材4の嵌
合溝OB に嵌合させるための段部16bが形成されたベ
ース板16aの前面に、鉛直方向の軸孔を有する円板形
状の軸受部16cを備えている。前記ラチス連結金具9
とは、前記軸受部が縦向きか横向きかの違いのみで他の
構造は基本的に同一である。一方、水平材7としては、
前記ラチス材6に使用した部材、すなわち水平材本体7
Aの端面に雌螺子孔7aを形成し、ラチス本体7A側か
ら座板11、スプリングワッシャー12、連結用金具1
3、平ワッシャー14の順で配列し、これらに挿通する
固定ボルト15を前記雌螺子孔7aに螺合させることに
より固定した部材を使用している。
【0043】前記水平連結金具16の弦材4、5に対す
る取付けは、ラチス連結金具9の場合と全く同様である
ので詳述は避けるが、前記水平材連結金具16の軸受部
16cの上側に水平材7の軸挿通部7bを位置させた状
態で、軸部材31を挿通し水平材7と水平連結金具16
とを相互に連結する。
【0044】他方、タイロッド8Aの連結構造は、図1
8に示されるように、斜材6、6を連結する前記軸部材
に対して直接連結されるようになっている。図19およ
び図20に示されるように、タイロッド8の連結部に使
用される軸部材25は、中央に軸受部9cと軸挿通部1
3aとに挿通されるジャーナル部25cを有し、かつそ
のタイロッド連結側にタイロッド連結用ネジ部25aを
有する。そしてタイロッド8の端部にはソケット24を
挿通した状態でロッド端部に定着球23が固着される。
タイロッド8Aの連結は、前記タイロッド連結用ネジ部
25aに対して外面にネジ溝が形成された連結カプラー
22を螺合させた後、次いでこの連結カプラー22に対
して前記ソケット24を螺合連結することにより行う。
タイロッド8Aの張力調整は、前記連結カプラー22の
正逆方向に回転させ、タイロッド8Aの定着点位置を変
更することにより行うことができる。なお、前記タイロ
ッド8Aに代えてタイロープを用いることもできる。
【0045】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、夫
々異なる方向のパネル壁面が交わるパネルコーナー部に
おいて、それぞれのパネル面に向けたコーナー部パネル
支持装置を相互に繋ぎ部材により連結したため、一方の
コーナー部パネル支持装置に連結されたタイ部材の張力
を他方のコーナー部パネル支持装置の支杆部材に対して
軸力として作用させることができるようになる。したが
って、前記支杆部材には曲げモーメントは作用しないか
または僅少であり、支杆部材は軸力部材として機能す
る。そのため、前記支杆部材の断面寸法としては、一般
部に用いられている支杆部材と同寸法の部材を用いるこ
とができるとともに、パネル支持ボルトが挿通されてい
るパネル通孔部の支圧応力が過大となるようなこともな
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パネルコーナー部におけるカーテンウォール据
え付け状態の斜視図である。
【図2】その正面図である
【図3】パネル支持装置1Aのパネル支持状態斜視図で
ある。
【図4】図2のIV−IV線矢視図である。
【図5】パネルコーナー部のオパネル支持状態斜視図で
ある。
【図6】図2のVI−VI線矢視図である。
【図7】パネルコーナー部の平面図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】図7の要部拡大図である。
【図10】図7の要部拡大図である。
【図11】コーナー部トラス1の要部斜視図である。
【図12】ラチス材6の組立要領図である。
【図13】コーナー部トラスの組立要領図である。
【図14】ラチス材連結部の縦断面図である。
【図15】図14のXV−XV線矢視図である。
【図16】水平材連結部の組立て図である。
【図17】水平材連結部の縦断面図である。
【図18】タイロッドの連結部斜視図である。
【図19】タイロッド連結部の水平断面図である。
【図20】タイロッド連結部の組立要領図である。
【図21】従来のノンフレーム式カーテンウォール支持
状態の平面図である。
【符号の説明】
1…コーナー部トラス、2…一般部トラス、1A・1B
…パネル支持装置、1C…コーナー部パネル支持装置、
3…中頂部弦材、4・5…側頂部弦材、6…ラチス材、
7…水平材、8A〜8C…タイロッド、9…ラチス連結
金具、10…ラチス本体、11…座板、12…スプリン
グワッシャー、13…連結用金具、13a…軸挿通部、
18…取付ビス、19…固定ボルト、20…パネル支持
金具、21…裏当て材、22…連結カプラー、23…定
着球、24…ソケット、25…軸部材、25a…タイロ
ッド連結用ネジ部、25c…ジャーナル部、30…弦材
カバー材、31…軸部材、32…軸カバー、45…繋ぎ
部材、45a…繋ぎ板本体、45b…リブ板、P…パネ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】夫々異なる2方向のパネル壁面が交わるパ
    ネルコーナー部において、 これらの隣接するパネル同士が、それぞれのパネル面に
    向けたコーナー部パネル支持装置により支持されるとと
    もに、 これらコーナー部パネル支持装置と隣接する一般部パネ
    ル支持装置とが略水平方向に張られたタイロッドまたは
    タイロープにより連結され、 かつ、前記パネルコーナー部において隣接するパネルを
    それぞれ支持するコーナー部パネル支持装置同士が繋ぎ
    部材により連結されたことを特徴とするパネル支持装置
    補強用タイ部材の端部処理構造。
  2. 【請求項2】繋ぎ部材を、曲げ剛性を付与するために組
    立て部材とした請求項1記載のパネル支持装置補強用タ
    イ部材の端部処理構造。
  3. 【請求項3】繋ぎ部材とコーナー部パネル支持装置との
    連結構造は、コーナー部パネル支持装置側に雄螺子部材
    を一体的に設けるとともに、前記繋ぎ部材側に前記雄螺
    子部材が貫通される通孔を形成し、この雄螺子部材に対
    してナット部材を螺着した後、前記ナット部材を座とし
    て前記繋ぎ部材を架け渡し、次いでナット部材を前記雄
    螺子部材に螺着し、前記繋ぎ部材を挟み付けるようにし
    て固定した請求項1または2記載のパネル支持装置補強
    用タイ部材の端部処理構造。
JP25622195A 1995-10-03 1995-10-03 パネル支持装置補強用タイ部材の端部処理構造 Expired - Fee Related JP3251158B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25622195A JP3251158B2 (ja) 1995-10-03 1995-10-03 パネル支持装置補強用タイ部材の端部処理構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25622195A JP3251158B2 (ja) 1995-10-03 1995-10-03 パネル支持装置補強用タイ部材の端部処理構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0996040A JPH0996040A (ja) 1997-04-08
JP3251158B2 true JP3251158B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=17289622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25622195A Expired - Fee Related JP3251158B2 (ja) 1995-10-03 1995-10-03 パネル支持装置補強用タイ部材の端部処理構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3251158B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5371256B2 (ja) * 2008-02-06 2013-12-18 株式会社Lixil カーテンウォールにおけるロッド連結構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0996040A (ja) 1997-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112796455A (zh) 一种椭圆形多曲面grg吊顶的倒扣式单元设计结构
JP3251158B2 (ja) パネル支持装置補強用タイ部材の端部処理構造
JP2843494B2 (ja) 構造部材
JPH0996050A (ja) パネルコーナー部用構造支持体
JP2005023525A (ja) カーテンウォールの方立支持構造およびその施工方法
JP3003770B2 (ja) トラス用ラチス材の連結部構造
JP3333946B2 (ja) 骨組みがチューブで構成された建物
JPH0978735A (ja) トラス柱における支承部構造
CN214658167U (zh) 一种椭圆形多曲面grg吊顶的倒扣式单元设计结构
JP3852202B2 (ja) トラス状骨組構造体
JPH09273250A (ja) スチールハウスにおける筋違いの接合構造
JP3117620B2 (ja) コーナー部パネル支持構造およびその支持装置
JP2978365B2 (ja) 構造部材
JP3599852B2 (ja) ガラススクリーンのトラス構造
JP3741624B2 (ja) ガラス板用支持金具
CN216379950U (zh) 一种新型便于拼装拆卸的房屋钢结构构件
CN220318880U (zh) 角度可调节的折线玻璃幕墙系统
JP4111509B2 (ja) カーテンウォールの方立支持構造
JPH08270123A (ja) パネル支持構造
JP2024008920A (ja) フレーム構造体、間仕切り構造およびフレーム構造体施工方法
JPH10231817A (ja) 軸組み構造体と面構造体
JPH08277587A (ja) 軸組耐力壁とこれを使用した軸組施工法
JP2888276B2 (ja) パネル支持構造
JP3767852B2 (ja) トラス構造体のラチス材連結部構造
JPH08270124A (ja) パネル支持装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011106

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees