JP3251146B2 - 地表のり面防護シート - Google Patents

地表のり面防護シート

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JP3251146B2
JP3251146B2 JP09874895A JP9874895A JP3251146B2 JP 3251146 B2 JP3251146 B2 JP 3251146B2 JP 09874895 A JP09874895 A JP 09874895A JP 9874895 A JP9874895 A JP 9874895A JP 3251146 B2 JP3251146 B2 JP 3251146B2
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直幸 矢口
勝 舘山
謙一 小島
実 鈴木
直人 御船
正克 大南
茂 坂田
晃夫 林
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Hiraoka and Co Ltd
Railway Technical Research Institute
Central Japan Railway Co
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Hiraoka and Co Ltd
Railway Technical Research Institute
Central Japan Railway Co
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地表のり面への雨水の
侵入と雑草の成育を防止する地表のり面の保護シートに
関するものである。さらに詳しく述べるなら、本発明は
施工が容易で、かつ、耐久性、耐候性に優れた地表のり
面の保護シートに関するものである。本発明において
「地表のり面」とは段差のある2地表面の間の傾斜面を
意味する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道線路沿いや公園、造林園等に
おいて、雨水の浸透に伴う地表のり面の崩壊と雑草の成
育とを防止し美観を保持するため、コンクリート、およ
び/又はアスファルトを地表のり面の全面に敷設する方
法、或いはポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の熱可塑性
樹脂で加工したシートにより地表のり面を被覆し、その
上にコンクリートブロック等を敷設する方法等が取られ
てきた。
【0003】上記コンクリートおよび/又はアスファル
トを敷設された地表のり面は、乾燥時、或いは地殻の変
動に伴う地形の変形に追従できず、表面に亀裂を生じ、
その亀裂部分から雨水等が浸透し、かつ、亀裂部分に雑
草が成育するという欠点があった。
【0004】ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の熱可塑
性樹脂で加工したシートで地表のり面を覆った後コンク
リートブロック等を敷設する方法としては、例えば、実
開昭63−190330号に発泡層を有するポリ塩化ビ
ニルシートの非発泡面を地表に接するように敷設し、そ
の上をコンクリートブロックで覆う方法が開示されてい
る。この方法は地表のり面の保護、雑草成育の防止とい
う点で有効な方法ではあるが、施工が煩雑で手間を要
し、かつ、シート自体の強度保持持続性が不十分である
という欠点を有している。
【0005】また実開昭56−83027号には、アス
ファルト含浸不織布を表層とし、その裏面側にポリ塩化
ビニル等合成樹脂フィルム、軟質ウレタン等発泡層を順
次積層した地表のり面保護シートが開示されている。こ
の方法は、施工が容易であるという長所を有するが、特
に地表に接する面から進行するシートの劣化に対し十分
な対策が施されていないため、耐久性が不十分であると
いう欠点を有している。即ち、地表に接する面からのシ
ートの劣化の原因は、水分による加水分解、バクテリア
による生分解、及び可塑剤等添加剤の移行によるもので
あって、これらの原因による劣化が複合的に進行するも
のと考えられる。
【0006】実開昭63−190330号に開示されて
いるポリ塩化ビニル樹脂は、柔軟性、加工性、物理的性
能に優れ、コストも安価であるため種々の用途に汎用的
に使用されているものである。ポリ塩化ビニル樹脂自体
は耐バクテリア性、および耐加水分解性に優れ、長期の
耐久性を有しているが、しかし、含有される可塑剤の耐
久性が低く、本発明のシートのように地表面に接して使
用される場合、シートの脆性劣化が促進され表裏面から
シート内部に亀裂が進行し、その結果、シートの遮水・
防草耐久性が大きく損なわれてしまうこととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、地表のり面
への雨水の侵入と雑草の成育を防止するための地表のり
面用保護シートを提供しようとするものであり、特に加
水分解及びバクテリア分解等に起因して、防護シートの
地表面に接する裏面から内部に向って進行する劣化を抑
制し、かつ雑草の成育を防止するに充分な強度と耐久持
続性を有し、しかも、施工性に優れた地表のり面防護シ
ートを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる地表のり
面防護シートは、固形状可塑剤を含有し、液状可塑剤を
含有しない軟質ポリ塩化ビニル系樹脂により形成された
接地裏面保護層と、前記接地裏面保護層上に形成された
中間層と、前記中間層上に形成され、かつ耐候性材料か
らなる最外表面層と、を有し、前記中間層が、繊維布帛
を含む少なくとも1層の雑草成育防止層、および前記雑
草成育防止層に積層合体され、かつ軟質ポリ塩化ビニル
系樹脂により形成された少なくとも1層の中間遮水層を
含み前記雑草成育防止層中の繊維布帛が、経糸方向およ
び緯糸方向において、10Kgf 以上の貫通抵抗力を有
し、かつ60%以下の空隙率を有する、ことを特徴とす
るものである。
【0009】本発明の地表のり面防護シートにおいて前
記最外表面層が、繊維基布と、この基布に植設されたパ
イル糸からなるパイル布帛であることが好ましい。また
前記パイル布帛は、人工芝状布帛であってもよい。
【0010】本発明の地表のり面防護シートの前記中間
層において、前記雑草成育防止層が前記接地裏面保護層
上に積層結着されており、この雑草成育防止層上に前記
中間遮水層が積層結着されていてもよい。
【0011】本発明の地表のり面防護シートの前記中間
層において、前記雑草成育防止層中の繊維布帛が前記中
間遮水層形成用軟質ポリ塩化ビニル系樹脂により含浸さ
れており、この樹脂含浸雑草成育防止層の上下両面側
に、前記軟質ポリ塩化ビニル系樹脂により形成された上
面側中間遮水層と、下面側中間遮水層とが形成され、こ
れらが一体に結着されていてもよい。
【0012】本発明の地表のり面防護シートの前記中間
層において、前記雑草成育防止層中の繊維布帛が、前記
接地裏面保護層形成用固形状可塑剤含有軟質ポリ塩化ビ
ニル系樹脂と同一の樹脂により含浸されており、その上
に、前記中間遮水層が積層結着されていてもよい。
【0013】本発明の地表のり面防護シートの前記中間
層において、前記雑草成育防止層が、前記接地裏面保護
層上に積層結着され、かつ、この雑草成育防止層上に、
前記接地裏面保護層形成用固形状可塑剤含有軟質ポリ塩
化ビニル系樹脂と同一の樹脂からなる追加中間遮水層を
介して、前記中間遮水層が積層結着されていてもよい。
【0014】本発明の地表のり面防護シートの前記中間
層において、前記中間遮水層形成用軟質ポリ塩化ビニル
系樹脂が、固形状可塑剤を含み、かつ液状可塑剤を含有
しないものであってもよい。
【0015】本発明の地表のり面防護シートにおいて、
前記固形状可塑剤が、エチレン−アクリル酸エステル−
一酸化炭素共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステ
ル−一酸化炭素共重合体、およびエチレン−酢酸ビニル
−一酸化炭素共重合体から選ばれた少なくとも1員を含
有していることが好ましい。
【0016】本発明の地表のり面防護シートにおいて、
前記接地裏面保護層の接地裏面の裏面平面上に、それか
ら突出する1個以上の滑落防止突起が形成されているこ
とが好ましい。また本発明の地表のり面防護シートにお
いて、前記滑落防止突起が、前記裏面平面に対し、ほぼ
直角をなす少なくとも1平面により形成された滑落防止
面と、前記裏面平面に対し、鈍角をなす少なくとも1平
面により形成された傾斜面とを有するものであることが
好ましい。
【0017】本発明の地表のり面防護シートの雑草成育
防止層に含まれる繊維布帛は、その経方向および緯方向
において、30Kgf /cm以上の引張強度を有することが
好ましい。
【0018】
【作用】以下、添付図面を参照しながら、本発明の地表
のり面防護シートの構成および作用効果について詳細に
説明する。図1に示された本発明の地表のり面防護シー
トにおいて、接地裏面保護層1の上に中間層5が積層結
着されており、この中間層5の上に最外表面層4が積層
結着されている。中間層5は、接地裏面保護層1上に積
層結着された少なくとも1層の雑草成育防止層2と、そ
の上に積層結着された少なくとも1層の中間遮水層3と
を含むものである。
【0019】図1の地表のり面防護シートにおいて、接
地裏面保護層1は、固形状可塑剤を含み、液状可塑剤を
含まない軟質ポリ塩化ビニル系樹脂によって形成された
ものであって、耐バクテリア性および耐加水分解性にお
いてすぐれたものである。また雑草成育防止層2は、繊
維布帛を含むものであって、この繊維布帛は、雑草の成
育を十分に防止し得るように、10Kgf 以上の貫通抵抗
力および30Kgf /cm以上の引張強度と、60%以下の
空隙率とを有するものである。繊維布帛の、地表面から
シート中に侵入する雨水などによる劣化は、耐バクテリ
ア性および耐加水分解性にすぐれた接地裏面保護層によ
り十分に防止することができる。
【0020】雑草成育防止層2上に積層結着されている
中間遮水層3は、雨水などの降水が、地表のり面に浸透
することを十分に防止するものであって、かつ雑草成育
防止層2中の繊維布帛の経時劣化を防止するのに有効な
ものである。この中間遮水層3は、軟質ポリ塩化ビニル
系樹脂により形成される。この軟質ポリ塩化ビニル系樹
脂は固形状可塑剤を含み、液状可塑剤を含まないもので
あってもよい。
【0021】中間層5上に積層結着されている最外表面
層4は、耐候性材料により形成されるものであって、例
えば、耐候性繊維布帛からなるパイルタフト用基布層1
2と、それに植設されたパイル糸からなるパイル層11
からなるパイル布帛であってもよく、このパイル布帛
は、例えば人工芝状パイル布帛であってもよい。
【0022】図1において、接地裏面保護層1の裏面平
面には、地表のり面防護シートの地表のり面上における
滑落を防止するための1個以上の滑落防止突起13が形
成されていてもよい。この滑落防止突起13の詳細につ
いては、後に詳しく説明するが、例えば、図1に示され
ているように、滑落防止突起13には、地表のり面防護
シートの滑落方向Xに対して、ほぼ直角をなす滑落防止
面14が形成されていて、地表のり面防護シートが地表
のり面に沿って滑落するとき、滑落防止突起13が、地
表面にくい込み、この地表のり面に対し、ほぼ直角をな
して突出している滑落防止面14が、地表面の土砂の抵
抗を受ける。従って、地表のり面防護シートの滑落が防
止される。
【0023】図2に示された本発明の地表のり面防護シ
ートにおいて、雑草成育防止層2aは、中間遮水層形成
樹脂により含浸され、このため、雑草成育防止層2aの
上下面両側に上下面中間遮水層3a,3bが形成され
る。勿論、下面中間遮水層3bは形成されなくてもよ
い。雑草成育防止層2aが上下面中間遮水層3a,3b
形成樹脂により含浸され、これらと一体化することによ
り、層間の接着力、および雑草成育防止層2aの耐久性
を著るしく向上させることができる。
【0024】図3に示された本発明の地表のり面防護シ
ートにおいて、雑草成育防止層2bは、接地裏面保護層
1形成樹脂により含浸されている。雑草成育防止層2b
が接地裏面保護層1を形成する樹脂により含浸され、接
地裏面保護層1と一体化されることにより、両層間の接
着力および雑草成育防止層2bの経時的な強度保持性を
著るしく向上させることができる。
【0025】図4に示された本発明の地表のり面防護シ
ートにおいて、中間遮水層3と、雑草成育防止層2との
間に、接地裏面保護層1を形成する樹脂と同一樹脂によ
り形成された追加中間遮水層3cが配置されている。こ
のとき、雑草成育防止層2が、接地裏面保護層1を形成
する樹脂により含浸されていてもよい。勿論図4に示さ
れているように含浸されていなくてもよい。雑草成育防
止層2の上下両面が固形状可塑剤含有軟質ポリ塩化ビニ
ル系樹脂からなる樹脂層(追加中間遮水層3cおよび接
地裏面保護層1)により被覆され、3層が一体化される
ことにより、層間接着強度および雑草成育防止層2の経
時的強度保持性を著るしく向上させることができる。
【0026】図5に示された本発明の地表のり面防護シ
ートにおいて、中間遮水層3dは、接地裏面保護層1を
形成する樹脂(固形状可塑剤を含有し、液状可塑剤を含
有しない軟質ポリ塩化ビニル系樹脂)と同一の樹脂によ
り形成されたものである。雑草成育防止層2の上下両面
が固形状可塑剤を含み、液状可塑剤を含有しない軟質ポ
リ塩化ビニル系樹脂で被覆されることにより、地表のり
面防護シートの地表面からの劣化のみならず、雨水等に
よる大気からの悪影響も排除することが可能になり、雑
草成育防止層2中の繊維布帛の経時的強度保持性を著る
しく向上させることができる。
【0027】図1〜図5に示された本発明の地表のり面
防護シートにおいて、中間遮水層3と接地裏面保護層1
が軟質ポリ塩化ビニル系樹脂から形成されており、これ
らは熱圧着により容易に他の層に積層結着することが可
能である。さらに最外表面層4のパイル層11のパイル
糸が、タフト用基布層12から抜け落ちることを防止
し、かつ最外表面層4と中間遮水層3との接着性を高め
るために、最外表面層4と中間遮水層3の間に接着剤層
を設けてもよく、また雑草成育防止層2とそれに隣接す
る層との間の接着性を高めるために、雑草成育防止層2
の片面もしくは両面に接着剤層を設けてもよい。
【0028】接着剤層は樹脂積層体の製造に一般的に用
いられている接着剤の塗布、及び接着性改良剤を添加し
た軟質ポリ塩化ビニル系樹脂組成物の塗布により形成す
ることができる。接着剤及び接着性改良剤としては、例
えば、メラミン系接着剤、フェノール系接着剤、エポキ
シ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエチレンイミ
ン系接着剤、ポリイソシアネート系接着剤、ポリウレタ
ン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリアミド系接着剤、
及び酢ビ−塩ビ系接着剤、酢ビ−エチレン系接着剤等の
共重合体接着剤等を挙げることができ、特に酢ビ−塩ビ
系接着剤、ポリイソシアネート系接着剤、ポリウレタン
系接着剤等は接着性に優れ、本発明に好ましいものであ
るが、これらに限定されることなく、ポリ塩化ビニルと
接着性、相溶性のよい公知の接着剤を任意に選択して使
用することができる。
【0029】本発明の地表のり面防護シートにおいて、
耐候耐久性にすぐれた最外表面層は、地表のり面防護シ
ートの用途、使用される環境、要求される特性に応じ
て、着色、柄模様、凹凸(エンボス)模様が施されたシ
ート、フィルム、及び繊維織物、繊維編物を含む防水シ
ート、人工芝様パイル布帛等、から、適宜選択すること
ができる。最外表面層形成材料は、耐候耐久性にすぐれ
た材料から選ばれることが必要である。このような材料
としては、耐候性に優れた樹脂からなる成形品、例え
ば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等からなるシー
ト、フィルム、及び、これらのフィルムにより他の樹脂
材料の最外表面を被覆したシート、紫外線吸収剤、酸化
防止剤等の耐候性向上剤を含有するポリエステル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂等からなるシート、フィルム、繊維織物、繊維
編物及びこれらの複合体が挙げられ、それぞれの用途、
使用される環境、要求される特性に応じ適宜選択するこ
とができる。
【0030】前記の最外表面層のなかでも、人工芝様の
外観を有するパイル布帛は意匠性に優れ、景観の緑化に
も好適であるため、本発明の地表のり面防護シートに好
ましく用いることができる。このような人工芝様パイル
布帛としては、ポリエステル等熱可塑性合成繊維製スパ
ン糸またはフィラメント糸を織製した基布に、ポリ塩化
ビニリデンやポリアミド、ポリプロピレン等パイル糸を
タフティング、ラッセル編み等により植設したものが用
いられる。好ましくは、耐候性及び火災時の延焼防止性
の観点から、基布をポリエステル繊維により形成し、パ
イル層をポリ塩化ビニリデン糸により形成することが望
ましいが、これに限定されることなく、敷設する場所、
目的に応じ、基布の材質、パイルの材質、パイル長、パ
イル密度等適宜選択できる。
【0031】中間遮水層および、接地裏面保護層の形成
に用いられる軟質ポリ塩化ビニル系樹脂としては、それ
ぞれ互に独立に、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル
とオレフィン類、例えば、エチレン、プロピレン、また
はイソブチレンとの共重合体樹脂、塩化ビニルとスチレ
ンとの共重合体樹脂、塩化ビニルとジエン類、例えば、
ブタジエンまたはイソプレンとの共重合体樹脂、塩化ビ
ニルと、アクリル酸、ハロゲン化オレフィン、ウレタ
ン、酢酸ビニルとの共重合体樹脂、および上記の樹脂
と、改質用樹脂、例えば、ABS、SBR、またはNB
Rなどのゴム類との混合樹脂などから選ぶことができ
る。またこの軟質ポリ塩化ビニル系樹脂は、可塑剤、安
定剤、充填剤、防炎剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、防黴剤、顔料等を目的に応じ適宜適量含有しても
よい。中間遮水層形成用軟質ポリ塩化ビニル系樹脂の組
成は、得られる地表のり面防護シートに、更に長期の防
護耐久性を付与する目的から、接地裏面保護層形成用軟
質ポリ塩化ビニル系樹脂と、実質的に同一の組成を有す
るもの(固形状可塑剤を含有し、液状可塑剤を含有しな
い)であることが最も望ましい。
【0032】雑草成育防止層中に含まれる繊維布帛は、
無機繊維、例えばガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊
維、金属繊維など、再生繊維、例えばビスコースレーヨ
ン、キュプラなど、半合成繊維、例えば、ジーおよびト
リーアセテート繊維など、および合成繊維、例えば、ナ
イロン6、ナイロン66、ポリエステル(ポリエチレン
テレフタレート等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アク
リル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリオレフィン繊維等
から選ばれた少なくとも1種からなるものであり、繊維
糸条の形態は、短繊維紡績糸条、長繊維糸条、スプリッ
トヤーン、テープヤーンなどいずれであってもよい。
【0033】雑草成育防止層に用いられる繊維布帛は、
雑草が地表のり面防護シートを突き抜け、成育、繁茂す
ることを防止するために充分な強度と貫通抵抗力と空隙
率とを有することが必要である。繊維布帛の貫通抵抗力
は、JIS L1079「繊維の破裂強さの測定方法」
により、図6(A)および(B)に示されているよう
に、下端に刃部7を有する測定用端子6を用い、図6
(C)の如く展張、固定された繊維基布8を測定用端子
6が貫通する際の抵抗力を測定する。本方法で測定した
繊維基布の経糸、緯糸方向の貫通抵抗力が、ともに10
Kgf 以上であることが必要であり、貫通抵抗力が10Kg
f 未満の場合、雑草の成育を有効に防止することができ
ず、繊維基布を突き破って、雑草が成長、繁茂してしま
う。またこの際、繊維基布の繊維間空隙率を60%以下
とすることが必要であり、この空隙率が60%を超える
と、大きな貫通抵抗力を有する繊維基布においても、雑
草が繊維間空隙を突き抜けて成長してしまう結果とな
る。
【0034】ここで、繊維基布の空隙率とは、下記のよ
うに定義されるものである。即ち、図7に示された平織
組織を例示して説明すると、図面内太線で囲った組織単
位15において、この組織単位15の面積をAで表し、
経、緯糸16,17が占める合計面積(織物の投影面
積)をBで表し、この組織単位中の空隙18の合計面積
をCで表すと、これらの関係は、C=A−Bとなる。こ
の組織単位15における空隙率をSで表すと、Sは下記
のように定義される。これらの測定は繊維基布組織から
計算に基いて算出できるが、簡便な方法として、写真を
撮影してこれらの割合を算出してもよい。
【0035】
【数1】
【0036】また、繊維基布の経糸、緯糸方向の引張強
力は、JIS L1096「引張強さ及び伸び率 A
法」により測定するが、この測定値が経糸、緯糸方向と
もに30Kgf /cm以上であることが必要である。引張強
力が30Kgf /cm未満の場合、地表のり面防護シートの
形状を充分に保持することが出来ず、地表のり面崩壊等
によりシート破損の問題を生ずることがある。雑草成育
防止層用繊維布帛の編織組織には格別の制限はなく、上
記条件を充たす範囲で適宜選択できるが、使用する糸条
のデニール(番手)および強度に応じて編織密度を適宜
に設定することが好ましい。
【0037】接地裏面保護層用軟質ポリ塩化ビニル系樹
脂は、固形状可塑剤を含み、液状可塑剤を含有しないこ
とが必須の条件となる。
【0038】軟質ポリ塩化ビニル系樹脂が液状可塑剤を
含む場合、例えば天然油脂を原料とする可塑剤、及び脂
肪酸、トリアセチンを原料とする可塑剤などを含む場
合、得られる接地裏面保護層は、耐水性、耐バクテリア
性に劣り、またリン酸エステル、塩素系の可塑剤を用い
ると、その耐移行性が不良であるため、得られる接地裏
面保護層の硬化、および脆化が速かに進行するという不
都合を生ずる。さらに、また比較的特性バランスに優れ
ているフタル酸系可塑剤を用いた場合でも、長期の耐久
性という点では不十分であって、雑草成育防止能が経時
的に低下してしまうという欠点を有する。さらに、可塑
剤を含まない接地裏面保護層は柔軟性が不良で、施工時
の地表面への密着性および追従性が不良になる。
【0039】固形状可塑剤としては、エチレン−アクリ
ル酸エステル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタク
リル酸エステル−一酸化炭素共重合体、及びエチレン一
酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の少なくとも1つの共
重合体を用いることが好ましい。本発明の地表のり面防
護シートの接地裏面保護層は、耐バクテリア性および耐
加水分解性に優れたエチレン−アクリル酸エステル−一
酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル−
一酸化炭素共重合体、及びエチレン−酢酸ビニル−一酸
化炭素共重合体から選ばれる少なくとも1つの共重合体
を固形状可塑剤として含有することによって、耐水性お
よび耐バクテリア性に優れ、かつ柔軟性に富んでいる。
このような接地裏面保護層は、地表のり面防護シート、
特に雑草成育防止層が、地表面から次第に劣化すること
を有効に防止し、雑草成育防止層中の繊維布帛の長期の
強度保持性を著るしく向上させることができる。
【0040】ここで用いられるエチレン−アクリル酸エ
ステル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸
エステル−一酸化炭素共重合体、およびエチレン・酢酸
ビニル・一酸化炭素共重合体としては、エチレン成分含
有率が60〜70重量%であり、酢酸ビニル或いは(メ
タ)アクリル酸エステル成分含有率が20〜35重量%
であり、かつ、一酸化炭素成分含有率が5〜15重量%
であるものを用いることが好ましい。固形状可塑剤の添
加量および添加方法等に特に制限は無いが、得られる接
地裏面保護層に充分な柔軟性を付与する目的から、その
添加量は30〜200重量部であることが好ましい。ま
た接地裏面保護層形成用軟質ポリ塩化ビニル系樹脂に
は、安定剤、充填剤、防炎剤、難燃剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、防黴剤、顔料等を目的に応じ適宜含有して
もよい。
【0041】接地裏面保護層の地表に接する面には、施
工時、および施工後の地表のり面防護シートの滑り、お
よびズレを防止し、またシート滑落時の修復作業を容易
にするために、1個以上の、好ましくは多数の滑落防止
突起が形成されていることが好ましい。この滑落防止突
起は、接地裏面保護層の裏面平面から、外側に突出して
いるものであって、この裏面平面に対し、ほぼ直角をな
す滑落防止面と、前記裏面平面に対し鈍角をなす傾斜面
を有している。滑落防止面は、1平面により形成されて
いてもよく、或は互に交差する2以上の平面により形成
されていてもよい。また傾斜面も、1平面により形成さ
れていてもよく、或は、互に交差する2以上の平面によ
り形成されていてもよい。
【0042】滑落防止突起の各種実施態様の例を図8〜
図10に示す。図8〜図10に示された滑落防止突起1
3において、aは、地表のり面防護シートの裏面平面1
9(地表のり面防護シートの中心平面に平行な平面)に
対し、ほぼ直角をなす滑落防止面を表し、bは、前記裏
面平面19に対して傾斜角をなす傾斜面を表す。本発明
の地表のり面防護シートを地表のり面に載置する場合、
滑落防止面が、地表のり面防護シートの滑落方向Xとな
す角θ1 がほぼ直角(好ましくは70〜90度)であ
り、傾斜面bと滑落方向Xとなす角度θ2 が鈍角(好ま
しくは10〜30度)であるようにする。このようにす
ると、地表のり面防護シートが、地表のり面に沿って滑
落するとき、滑落防止突起が地表面にくい込み、滑落防
止面aが土砂の抵抗を受けて、地表のり面防護シートの
滑落を防止する。また地表のり面防護シートを、その滑
落方向と反対方向に移動する際、すなわち滑落したシー
トの引き上げ作業、修復作業の際に、滑落防止面aが、
その移動を妨害することなく、傾斜面bが、その作業を
容易にする。
【0043】図8において滑落防止面aおよび傾斜面b
はともにそれぞれ1平面から形成されている。このよう
な突起13は、畝状に、所定の間隔をおいて互に平行に
形成されていてもよく、或は、タテおよびヨコ方向に所
望の間隔をおいて、所望のパターンをもって配置されて
いてもよい。このような形状の突起は、滑落防止面の総
面積を比較的大きくすることにより、シートの滑落を防
止することができる。
【0044】図9において、滑落防止突起13は、頂点
cを有する三角錐状に突出している。すなわち、滑落防
止面aは1平面により形成されているが、傾斜面bは、
互に交差する2平面b1 ,b2 により形成され、これら
2平面は、稜線b3 において交差し、頂点cを尖端とす
る三角錐を形成する。このような形状の滑落防止突起
は、滑落の際に容易に地表面につきささり、滑落を防止
することができる。
【0045】図10において、滑落防止面aは、稜線a
3 において互に交差して、滑落方向Xに対して凹をなす
2平面a1 ,a2 により形成され、かつ傾斜面bは、互
に交差する二平面b1 ,b2 により形成され、上記4平
面a1 ,a2 ,b1 ,b2 により頂点cが形成されてい
る。このような形状の突起は、地表のり面防護シートが
滑落したとき、地表面に容易につきささり、かつ、その
滑落方向に対して凹状に形成された滑落防止面内に土砂
をかかえ込んでその抵抗を大きくし、滑落を確実に防止
することができる。
【0046】突起は、エンボス法、凹凸型による成形方
法およびその他の成形方法によって形成され、突起の
幅、高さ、勾配の角度(θ2 )、分布密度等については
特に制限はなく適宜に設定することができる。一般に滑
落防止突起の高さは、0.5〜2mm、滑落方向長さが2
〜5mmであることが好ましい。
【0047】本発明の地表のり面防護シートにおいて、
接地裏面保護層は200〜2500g/m2 の重量、又
は0.2〜2.0mmの厚さ(滑落防止突起を除く)を有
することが好ましく、雑草成育防止層は80〜500g
/m2 の繊維基布重量又は0.1〜5.0mmの合計厚さ
を有することが好ましく、中間遮水層は200〜250
0g/m2 の合計重量、又は0.2〜2.0mmの合計厚
さを有することが好ましい。最外表面層の重量、厚さ、
意匠などは、適宜に設定することができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を更に実施例により具体的に説
明する。実施例1 最外表面層を、人工芝様パイル布帛により形成した。パ
イルを植設する基布として、 を用い、その表面にポリ塩化ビニリデン繊維(500デ
ニール)からなるパイル糸を、パイル長6mm、目付47
0g/m2 、密度5.2(経)×6.3(緯)(本/2
5.4mm)でタフティングした。
【0049】中間遮水層を形成する軟質ポリ塩化ビニル
樹脂としては、下記組成のペースト組成物を使用した。 塩ビ−酢ビ共重合体 100 重量部 ジオクチルフタレート 55 重量部 ジブチルフタレート 25 重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ジブチルスズマレエート 2 重量部 炭酸カルシウム 100 重量部 顔料(ブラック) 2 重量部 上記樹脂組成物を、パイル基布裏面にコーティング厚さ
が2mmになるように塗布し、150℃で3分間乾燥して
中間遮水層を形成した。
【0050】雑草成育防止層形成用繊維布帛として、 を用いた。この繊維布帛の貫通抵抗力は10.8Kgf
(経)×10.3Kgf (緯)であり、繊維基布の空隙率
は59.1%であった。またその引張強力は33.6Kg
f /cm(経)×32.8Kgf /cm(緯)であった。
【0051】接地裏面保護層形成用軟質ポリ塩化ビニル
樹脂として、下記組成のものを用いた。 塩化ビニル樹脂 100 重量部 エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体 65 重量部 (商標:エルバロイ742、三井デュポンポリケミカル社製) ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ジブチルスズマレエート 2 重量部 炭酸カルシウム 50 重量部 顔料(ブラック) 2 重量部 上記樹脂組成物により、厚さ0.5mmのフィルムをカレ
ンダー法にて成形した後、これを前記雑草成育防止層用
繊維基布の両面に熱接着して、追加中間遮水層及び接地
裏面保護層を形成した。フィルム接着複合体の引張強力
は33.2Kgf/cm(経)×32.3Kgf /cm(緯)で
あった。
【0052】更に、前記パイル布帛−中間遮水層複合体
の中間遮水層面と、前記雑草成育防止層−接地裏面保護
層複合体の追加中間遮水層とを熱圧着により接着一体化
し、地表に接する接地裏面保護層の裏面に、垂直高さ
0.3mm、滑落方向長さ0.6mm、幅1mmの鋸刃形状の
滑落防止突起をエンボス法により、1平方センチ当たり
約200個形成させて地表のり面防護シートを作製し
た。この地表のり面防護シートの厚さは約7mmであっ
た。この地表のり面防護シート1m2 を地表のり面に仮
敷設し、2年後における雑草成育状況と繊維布帛を含む
層の引張強度保持率を測定した。結果を表1に示す。引
張強度の測定は、供試地表のり面防護シートから、追加
中間遮水層接地裏面保護層および繊維布帛を含む雑草成
育防止層を剥離採取して行った。
【0053】実施例2 雑草成育防止層を形成する繊維布帛として、 を使用した。この繊維基布の貫通抵抗力は14.0Kgf
(経)×12.5Kgf (緯)であり、繊維基布の空隙率
は35.6%であった。またその引張強力は43.5Kg
f /cm(経)×38.8Kgf /cm(緯)であった。
【0054】この繊維布帛を実施例1の中間遮水層形成
用塩化ビニルペースト組成物でディッピングし、乾燥し
て塩化ビニル組成物が200g/m2 の量で付着、含浸
している雑草成育防止層を形成した。更にこの雑草成育
防止層の両面を前記と同一組成の塩化ビニルペーストで
コーティングし、上面、下面それぞれに厚さ2mmおよび
1mmの上下面中間遮水層を形成した。このようにして含
浸、被覆一体化された複合層の引張強力は42.8Kgf
/cm(経)×37.3Kgf /cm(緯)であった。次に実
施例1と同じ組成を有し、厚さ0.5mmの接地裏面保護
層形成用フィルムを作製し、これを前記複合体の下面中
間遮水層上に熱圧着により接着した。更に前記複合体の
上面中間遮水層に、酢酸ビニル−塩化ビニル系接着剤
(アイカ工業製アイカアイボンS−280)を付着量5
0g/m2 となるようにコーティングし、これに実施例
1と同一のパイル布帛を接着一体化して目的とする地表
のり面防護シートを作製した。実施例1と同一の試験を
行った結果を表1に示す。なお、引張強度は、上下面中
間遮水層と一体化された繊維布帛含有雑草成育防止層
を、供試地表のり面防護シート本体より剥離採取して測
定した。
【0055】実施例3 雑草成育防止層を形成する繊維布帛として、実施例1の
ポリエステルフィラメント織物を使用し、接地裏面保護
層形成用フィルムの厚みを、0.5mmとし、これと同一
樹脂組成物からなる中間遮水層形成用フィルムの厚さを
2.5mmとしたことを除き、実施例1と同様にして、前
記繊維基布の両面を被覆し、目的とする地表のり面防護
シートを作製した。前記フィルム接着複合物の引張強力
は33.5Kgf /cm(経)×32.8Kgf /cm(緯)で
あった。この中間遮水層−雑草成育防止層−接地裏面保
護層複合体の中間遮水層を、酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体系接着剤(アイカ工業製アイカアイボンS−28
0)を使用して、実施例1の人工芝表面層に接着一体化
し、目的とする地表のり面防護シートを作製した。実施
例1と同試験を行った結果を表1に示す。
【0056】実施例4 実施例1の接地裏面保護層形成用ポリ塩化ビニル樹脂組
成物を、THF(テトラヒドロフラン)に溶解し、30
%濃度の溶液を調製した。実施例1で用いた雑草成育防
止層用繊維布帛をこの溶液にディッピングし、乾燥し
て、塩化ビニル樹脂組成物の付着量が80g/m2 の含
浸された雑草成育防止層を形成した。この雑草成育防止
層の片面に、実施例1と同じ組成を有し、厚さ0.5mm
の接地裏面保護層用フィルムを熱接着した。得られた複
合体の引張強力は34.7Kgf /cm(経)×33.2Kg
f /cm(緯)であった。この複合体の雑草成育防止層
を、実施例1と同一のパイル布帛/中間遮水層複合体の
中間遮水層に熱圧着し、目的とする地表のり面防護シー
トを作製した。実施例1と同試験を行った結果を表1に
示す。なお、引張強度は中間遮水層および裏面保護層と
一体化された雑草成育防止層を、供試地表のり面防護シ
ート本体より剥離採取したものについて測定した。
【0057】比較例1 雑草成育防止層用繊維布帛として、 を使用したことを除き、他は、実施例1と同様にして地
表のり面防護シートを作製した。この基布の貫通抵抗力
は13.8Kgf /cm(経)×12.4Kgf /cm(緯)で
あり、空隙率は77.5%であった。また、基布の引張
強力は36.2Kgf /cm(経)×32.6Kgf /cm
(緯)、フィルム接着後の引張強力は35.8Kgf /cm
(経)×31.3Kgf /cm(緯)であった。実施例1と
同様の試験を行った結果を表1に示す。
【0058】比較例2 雑草成育防止層を形成する繊維基布として、 を使用したことを除き、他は、実施例1と同様にして、
地表のり面防護シートを作製した。この基布の貫通抵抗
力(糸1本を含む抵抗力)は25.0Kgf (経)×2
1.4Kgf (緯)であり、空隙率は92.6%であっ
た。また、基布の引張強力は33.6Kgf /cm(経)×
33.1Kgf /cm(緯)、フィルム接着後の引張強力は
33.8Kgf /cm(経)×31.3Kgf /cm(緯)であ
った。実施例1と同一試験を行った結果を表1に示す。
【0059】比較例3 雑草成育防止層を形成する繊維布帛として、 を使用したことを除き、他は、実施例1と同様にして地
表のり面防護シートを作製した。この布帛の貫通抵抗力
は5.8Kgf (経)×5.5Kgf (緯)であり、空隙率
は58.9%であった。また、この布帛の引張強力は1
6.6Kgf /cm(経)×16.0Kgf /cm(緯)、フィ
ルム接着後の引張強力は15.8Kgf /cm(経)×1
5.3Kgf /cm(緯)であった。実施例1と同一試験を
行った結果を表1に示す。
【0060】比較例4 接地裏面保護層形成用軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物の
組成において、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重
合体の代りに、DOP:40PHRおよびDOA:25
PHRを用いたことを除き、他は、実施例1と同様にし
て地表のり面防護シートを作製した。実施例1と同一試
験を行った結果を表1に示す。
【0061】比較例5 接地裏面保護層形成用軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物の
組成において、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重
合体の代りに、液状ポリエステル系可塑剤(旭電化製P
N−220):65PHRを用いたことを除き、実施例
1と同様にして地表のり面防護シートを作製した。実施
例1と同一試験を行った結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1の結果より、雑草成育防止層用繊維布
帛の貫通抵抗力が10Kgf 以下、および/またはこの繊
維布帛の空隙率が60%以下になると雑草の成育を防止
することができないことが明らかである。また、液状可
塑剤を使用した場合、地表のり面防護シートの、地表に
接する面からの劣化を十分に防止することができず、地
表のり面防護シートに含まれる繊維布帛の強度劣化を招
いてしまう結果となる。
【0064】
【発明の効果】本発明による地表のり面防護シートは、
その最外表面層により景観(例えば緑化)を阻害するこ
とがなく、その中間遮水層により、降雨等による水が地
中に侵入すること防止することができ、またその耐水
性、耐バクテリア性に優れた接地裏面保護層により、地
表から進行する地表のり面防護シートの劣化を十分に阻
止することができ、さらにその、雑草成育防止層により
雑草の成育を防ぎ、地表のり面の崩落と雑草成育とを長
期にわたり防止することができる。従って、本発明の地
表のり面防護シートは、鉄道線路沿いの斜面や、公園、
造林園等の地表のり面の保護、および美観の維持に有用
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地表のり面防護シートの一例の構成を
示す断面説明図。
【図2】本発明の地表のり面防護シートの他の例の構成
を示す断面説明図。
【図3】本発明の地表のり面防護シートのさらに他の例
の構成を示す断面説明図。
【図4】本発明の地表のり面防護シートのさらに他の例
の構成を示す断面説明図。
【図5】本発明の地表のり面の防護シートのさらに他の
例の構成を示す断面説明図。
【図6】図6Aは、繊維布帛の貫通抵抗測定装置の測定
端子の下面説明図。図6Bは、上記測定装置の測定端子
の横断面説明図。図6Cは、上記測定装置の測定端子を
用いて繊維布帛に貫通試験を行ったときの測定状態説明
図。
【図7】繊維布帛の空隙率測定方法の説明図。
【図8】図8Aは本発明の地表のり面防護シートの滑落
防止突起の一例の正面図。図8Bは図8Aの滑落防止突
起の裏面図。図8Cは図8Aの滑落防止突起の側面図。
【図9】図9Aは本発明の地表のり面防護シートの滑落
防止突起の一例の正面図。図9Bは図9Aの滑落防止突
起の裏面図。図9Cは図9Aの滑落防止突起の側面図。
【図10】図10Aは本発明の地表のり面防護シートの
滑落防止突起の一例の正面図。図10Bは図10Aの滑
落防止突起の裏面図。図10Cは図10Aの滑落防止突
起の側面図。
【符号の説明】
1…接地裏面保護層 2…雑草成育防止層 3…中間遮水層 4…最外表面層 5…中間層 11…パイル層 12…パイルタフト用基布層 13…滑落防止突起 14…滑落防止面 X…シートの滑落方向 2a…中間遮水層形成樹脂により含浸された雑草成育防
止層 2b…接地裏面保護層形成樹脂により含浸された雑草成
育防止層 3a…上面側中間遮水層 3b…下面側中間遮水層 3c…接地裏面保護層形成樹脂と同一樹脂により形成さ
れた追加中間遮水層 3d…接地裏面保護層形成樹脂と同一樹脂により形成さ
れた中間遮水層 6…貫通抵抗測定用端子 7…端子の刃部 8…展張固定された繊維布帛 15…織物の組織単位 16…経糸 17…緯糸 18…空隙 19…裏面平面 a…滑落防止面 a1 ,a2 …滑落防止面を形成する2平面 a3 …滑落防止面の稜線 b…傾斜面 b1 ,b2 …傾斜面を形成する2平面 b3 …傾斜面の稜線 c…滑落防止突起の頂点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舘山 勝 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 小島 謙一 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 鈴木 実 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 御船 直人 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 大南 正克 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目4番4 号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 坂田 茂 東京都台東区三ノ輪一丁目21番8号 平 岡織染株式会社内 (72)発明者 林 晃夫 埼玉県草加市松江町703番地 平岡織染 株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−112635(JP,A) 特開 昭58−210215(JP,A) 実開 昭64−28422(JP,U) 実開 昭63−165322(JP,U) 実開 昭57−90824(JP,U) 実開 昭63−190330(JP,U) 実開 昭53−92921(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20 103 B32B 5/16 B32B 7/02 B32B 27/12 B32B 27/30 101

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形状可塑剤を含有し、液状可塑剤を含
    有しない軟質ポリ塩化ビニル系樹脂により形成された接
    地裏面保護層と、 前記接地裏面保護層上に形成された中間層と、 前記中間層上に形成され、かつ耐候性材料からなる最外
    表面層と、を有し、 前記中間層が、 繊維布帛を含む少なくとも1層の雑草成育防止層、およ
    び前記雑草成育防止層に積層合体され、かつ軟質ポリ塩
    化ビニル系樹脂により形成された少なくとも1層の中間
    遮水層を含み前記雑草成育防止層中の繊維布帛が、 経糸方向および緯糸方向において、10Kgf 以上の貫通
    抵抗力を有し、かつ60%以下の空隙率を有する、こと
    を特徴とする、地表のり面防護シート。
  2. 【請求項2】 前記最外表面層が、繊維基布と、この基
    布に植設されたパイル糸からなるパイル布帛である、請
    求項1に記載の地表のり面防護シート。
  3. 【請求項3】 前記パイル布帛が、人工芝状布帛であ
    る、請求項2に記載の地表のり面防護シート。
  4. 【請求項4】 前記中間層において、前記雑草成育防止
    層が前記接地裏面保護層上に積層結着されており、この
    雑草成育防止層上に前記中間遮水層が積層結着されてい
    る、請求項1に記載の地表のり面防護シート。
  5. 【請求項5】 前記中間層において、前記雑草成育防止
    層中の繊維布帛が前記中間遮水層形成用軟質ポリ塩化ビ
    ニル系樹脂により含浸されており、この樹脂含浸雑草成
    育防止層の上下両面側に、前記軟質ポリ塩化ビニル系樹
    脂により形成された上面側中間遮水層と、下面側中間遮
    水層とが形成され、これらが一体に結着されている、請
    求項1に記載の地表のり面防護シート。
  6. 【請求項6】 前記中間層において、前記雑草成育防止
    層中の繊維布帛が、前記接地裏面保護層形成用固形状可
    塑剤含有軟質ポリ塩化ビニル系樹脂と同一の樹脂により
    含浸されており、その上に、前記中間遮水層が積層結着
    されている、請求項1に記載の地表のり面防護シート。
  7. 【請求項7】 前記中間層において、前記雑草成育防止
    層が、前記接地裏面保護層上に積層結着され、かつ、こ
    の雑草成育防止層上に、前記接地裏面保護層形成用固形
    状可塑剤含有軟質ポリ塩化ビニル系樹脂と同一の樹脂か
    らなる追加中間遮水層を介して、前記中間遮水層が積層
    結着されている、請求項1に記載の地表のり面防護シー
    ト。
  8. 【請求項8】 前記中間層において、前記中間遮水層形
    成用軟質ポリ塩化ビニル系樹脂が、固形状可塑剤を含
    み、かつ液状可塑剤を含有しないものである、請求項1
    に記載の地表のり面防護シート。
  9. 【請求項9】 前記固形状可塑剤が、エチレン−アクリ
    ル酸エステル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタア
    クリル酸エステル−一酸化炭素共重合体、およびエチレ
    ン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体から選ばれた少な
    くとも1員を含有している、請求項1又は8に記載の地
    表のり面防護シート。
  10. 【請求項10】 前記接地裏面保護層の接地裏面の裏面
    平面上に、それから突出する1個以上の滑落防止突起が
    形成されている請求項1に記載の地表のり面防護シー
    ト。
  11. 【請求項11】 前記滑落防止突起が、前記裏面平面に
    対し、ほぼ直角をなす少なくとも1平面により形成され
    た滑落防止面と、前記裏面平面に対し、鈍角をなす少な
    くとも1平面により形成された傾斜面とを有する、請求
    項10に記載の地表のり面防護シート。
  12. 【請求項12】 前記雑草成育防止層中の繊維布帛が、
    その経方向および緯方向において、30Kgf /cm以上の
    引張強力を有する、請求項1に記載の地表のり面防護シ
    ート。
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