JP3250786B2 - セパレータ部材の腐食防止方法 - Google Patents

セパレータ部材の腐食防止方法

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晃一 湯浅
晃一 松本
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  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池における初期
Air/CO2導入時のセパレータ部材の腐食防止方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池(以下、単に燃料
電池という)は、高効率な発電システムとして期待さ
れ、現在実用化に向けての開発が国内外で精力的に進め
られている。この燃料電池の電解質には、現在、Li/
K系電解質(Li2CO3/K2CO3=62/38mol
%の共晶組成炭酸塩)が用いられている。しかし、加圧
下の運転では、カソードからNiOが溶出析出して短絡
が起こる可能性があり、その解決策としてLi/Na系
電解質(Li2CO3/Na2CO3=53/47mol%
の共晶組成炭酸塩)の採用が検討されている。かかるL
i/Na系電解質は、Li/K系電解質に比べ、圧力ゲ
イン及びイオン伝導度が大きく、セル電圧を高くできる
利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池の標準ガス組
成としては、カソードに空気とCO2の混合ガス(Ai
r/CO2ガス)、アノードに水素,CO2,水蒸気の混
合ガス(H2/CO2/H2Oガス)を流すことになって
いる。また、通常,カソードは、製造時にはNiを主成
分とする金属粉体又はその焼結体であり、一般的に昇温
の過程で酸化させてNiOとする必要がある。そのた
め、最初の昇温時に従来約530℃付近からAir/C
2ガスをカソード側に導入する。この初期Air/C
2導入時に、Li/Na系電解質を用いた燃料電池で
は、カソード側セパレータの構成材料である耐食ステン
レス鋼(SUS316L)に図4に示すような酸化スケ
ール及びピット上の異常腐食が発生する問題点があっ
た。
【0004】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、最初
の昇温時に燃料電池内にAir/CO2導入する時に発
生するセパレータ構成部材の腐食を防止できるセパレー
タ部材の腐食防止方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明の発明者等は、
上記課題を達成するために、種々の腐食試験を行い、
Air/CO2ガスの導入を580℃以上で行えば、腐
食の生成を防止できること、及び550℃付近で長時
間窒素ガスに曝すことにより表面に酸化皮膜を形成する
ことができ、その後Air/CO2ガスを導入しても腐
食が生じないこと、を新たに発見した。本発明はかかる
新規の知見に基づくものである。
【0006】すなわち本発明によれば、耐食ステンレス
鋼からなるセパレータ部材とLi/Na系電解質を用い
た溶融炭酸塩型燃料電池において、最初の昇温時に55
0℃以上、580℃以下で窒素ガスをカソード側に流
し、この状態で常圧下で5時間以上一定温度に保持し、
次いで空気およびCO2をカソード側に流し始める、こ
とを特徴とするセパレータ部材の腐蝕防止方法が提供さ
れる。
【0007】約580℃以上で、Air/CO2ガスを
導入すれば、確実にセパレータ構成部材の腐食を防止す
ることができることが多数の試験結果から明らかになっ
ている。一方、現実の燃料電池では、特に大型の燃料電
池の場合に、温度分布の発生が避けられないため、最低
温度を約580℃とした場合に、部分的に最高温度が6
00℃以上となるおそれがあり、別の問題(酸化前のカ
ソードのクリープ現象)を引き起こすおそれがある。
【0008】しかしながら、本発明の方法によれば、最
初の昇温時に約550℃以上,580℃以下で不活性ガ
スをカソード側に流し、この状態でセパレータ部材に酸
化皮膜を形成するに十分な時間(窒素ガス,常圧下で5
時間以上)を一定温度に保持することにより、セパレー
タ構成部材の表面に酸化皮膜を形成することができ、そ
の後580℃以下でAir/CO2ガスを導入しても腐
食の発生を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通
する部分には同一の符号を付して使用する。本発明の発
明者等は、燃料電池内でのカソード酸化条件を模擬し、
種々の条件の下で半浸漬腐食試験を実施した。以下、か
かる腐食試験結果と共に本発明を説明する。
【0010】図1は、カソード酸化ガス条件における温
度と腐食との関係図である。この図において、横軸は温
度(℃)、縦軸は時間(hr)であり、図中の●は上述
した激しい腐食(異常腐食)が生じたもの、○は通常の
腐食が生じるもの、△は異常腐食と通常腐食の中間的腐
食が生じたものを示している。なお、この試験は、Li
/Na=53/47のLi/Na系電解質の存在化で、
Air/CO2=70/30の混合ガス雰囲気中でのS
US316Lの試験片で実施した。
【0011】図1から明らかなように、異常腐食の発生
領域は、約580℃以下に限られており、580℃以上
では長時間(試験結果では300hr)後にも異常腐食
が発生しないことがわかる。従って、約580℃以上
で、Air/CO2ガスを流してもセパレータ構成部材
の腐食が起こらないことがわかる。
【0012】しかし、上述したように、現実の燃料電池
では、特に大型の燃料電池の場合に、温度分布の発生が
避けられないため、最低温度を約580℃とした場合
に、部分的に最高温度が600℃以上となるおそれがあ
り、特にカソードを酸化する場合,別の問題(酸化前の
カソードのクリープ現象)を引き起こすおそれがある。
そこで、580℃以下でも、カソード側にAir/CO
2ガスを導入できる方法が必要となる。
【0013】表1は、半浸漬腐食試験における前処理の
相違による腐食の相違を要約したものであり、図2は、
そのうちの一部の試験片の模式図である。
【0014】
【表1】
【0015】表1において、前処理として、aは従来の
酸化ガス条件(Air/CO2=70/30,520
℃)のものであり、bは温度を580℃まで高めたも
の、c〜gは温度は550℃で共通あり、cはガス粗成
がAir/CO2=70/30、dはガス粗成を若干変
化させたもの、eはCO2ガス、fはN2ガス、gはN2
/CO2=90/10のものである。また、c〜eは、
前処理と同一条件で酸化ガス条件を模擬したもの、f,
gはcと同一条件で行ったものである。
【0016】表1から、aの従来の方法と比較して、b
とfが特に優れていることがわかる。bの580℃まで
高める方法は、上述した図1の結果とも整合するもので
ある。また、fの550℃,N2ガスで前処理する方法
では、580℃以下の温度でカソード酸化およびAir
/CO2が導入できる利点がある。すなわち、本発明の
方法では、予め、最初の昇温時に約550℃以上,58
0℃以下で不活性ガスをカソード側に流し、この状態で
セパレータ部材に酸化皮膜を形成するに十分な時間を一
定温度に保持して酸化皮膜を形成させ、その後、空気お
よびCO2をカソード側に流し始めて、燃料電池内でカ
ソードを酸化させる。この方法により、セパレータ構成
部材の表面に予め酸化皮膜を形成することができ、その
後580℃以下でAir/CO2ガスを導入しても腐食
の発生を防止することができる。
【0017】図3は、温度を500℃以上の一定温度に
保持し、窒素ガスを流しながら5時間保持した後、Ai
r/CO2ガスを導入した場合の図1と同様の試験結果
である。この図から明らかなように、約550℃以上,
580℃以下で窒素ガスをカソード側に流し、この状態
でセパレータ部材に酸化皮膜を形成するに十分な時間
(この場合は5時間)を一定温度に保持することによ
り、その後,空気およびCO2をカソード側に流して
も、腐食の発生を防止することができることが分かる。
【0018】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。
【0019】
【発明の効果】上述したように、昇温過程の初期のAi
r/CO2導入前に集電板(カソード側セパレータ構成
部材)に予め酸化皮膜を生成させれば耐食性のある保護
皮膜として働き、その後低温域でAir/CO2が存在
しても集電板の腐食は回避できる。従って本発明によ
り、低温域でのAir/CO2の遮断等の運転が不必要
になり、大型スタック試験で効果がある。
【0020】すなわち、本発明のセパレータ部材の腐食
防止方法は、最初の昇温時に燃料電池内にAir/CO
2導入する時に発生するセパレータ構成部材の腐食を防
止できる等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】カソード酸化条件における温度と腐食との関係
図である。
【図2】カソード酸化条件における前処理の相違による
腐食の差を示す図である。
【図3】本発明を適用した場合の図1と同様の試験結果
である。
【図4】Li/Na系電解質を用いた燃料電池の異常腐
食の顕微鏡写真である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/04 H01M 8/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐食ステンレス鋼からなるセパレータ部
    材とLi/Na系電解質を用いた溶融炭酸塩型燃料電池
    において、最初の昇温時に550℃以上、580℃以下
    で窒素ガスをカソード側に流し、この状態で常圧下で5
    時間以上一定温度に保持し、次いで空気およびCO2
    カソード側に流し始める、ことを特徴とするセパレータ
    部材の腐蝕防止方法。
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