JP3249682B2 - 冷水に易溶な洗濯粉石鹸及び液体石鹸 - Google Patents
冷水に易溶な洗濯粉石鹸及び液体石鹸Info
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及び冷水での洗濯により石鹸が析出しない液体石鹸に関
する。
溶け残りがなく、濯ぎも短時間で済む洗濯粉石鹸を製造
することにより、粉石鹸の使い勝手を向上させ、洗浄力
・生分解性や安全性に優れ、洗濯後の衣類の風合いも良
好になる粉石鹸を提供することである。
より難・不溶性石鹸の析出をなくした液体石鹸を提供す
ることである。
強いが、溶け残りが多いことや合成洗剤の使い勝手がよ
いというイメージの浸透により、余り大きな成果を収め
ていない。使い勝手のよい粉石鹸や液体石鹸の登場によ
り、使用者が増え、ひいては環境問題(水質汚濁)等に
大きく貢献することが期待される。
接鹸化して石鹸を製造する方法と比べ、分解した脂肪酸
を原料にして中和鹸化する方法では、原料コストは上昇
するが、短時間に鹸化が終了するとともに熟練者を必要
としないので全体的なコストの低減化も可能であり、産
業興隆の側面から壁に当たっている石鹸業界の活性化に
つながる。
成分が生分解性に優れており、第一次産業で原料の生
産、製品使用後完全に分解され自然に回帰するといった
理想的物質サイクルを実現することができるので、家庭
排水で全てが放出されてしまう製品として必要条件を満
たした画期的製品となる。
を直接鹸化するか、あるいは油脂を加水分解した脂肪酸
(直分脂肪酸と称する)を中和鹸化して石鹸を製造し、
これにビルダーとして炭酸ソーダを加えて製造してい
た。
に複合脂肪酸が存在しており、その帰結として冷水に溶
けにくい性質のステアリン酸ナトリウム(40〜50℃
程度から溶ける)、及びパルチミン酸ナトリウム(35
〜40℃程度から溶ける)が必然的に存在していた。
合脂肪酸が含まれており、その帰結としてステアリン酸
カリウム及びパルミチン酸カリウムが必然的に存在して
おり、冷水で洗濯した場合には、汚れの成分である塩化
ナトリウム等のナトリウムと反応し、ステアリン酸ナト
リウム、パルミチン酸ナトリウムとして析出することが
あった。
した製品は皆無であった。粉石鹸の場合、溶け易い飽和
脂肪酸ナトリウムとしては、ラウリン酸ナトリウム等炭
素数12以下の脂肪酸があるが、洗浄力が劣るので不向
きであり、オレイン酸ナトリウム等の不飽和脂肪酸ナト
リウムは、柔らかい軟質石鹸となってしまう問題があ
り、リノール酸ナトリウムやリノレン酸ナトリウムは石
鹸としての安定性に欠け、洗浄力もよくない。
性もよく、低温から中温で洗浄力は極めて良好であり、
冷水での溶解性にも優れている。オレイン酸自体が常温
で液体であり、オレイン酸ナトリウム単独では柔らか
く、固形あるいは粉石鹸に形成することはできない。
ではないが可溶であり、洗浄力もある。冷水に難溶のパ
ルミチン酸ナトリウムは常温で優れた洗浄力を発揮す
る。冷水に不溶のステアリン酸ナトリウムは、中温から
高温で極めて大きな洗浄力を発揮する。
浄力比較テストや、耐硬水性、溶解性、粉石鹸への加工
難易度等の検討結果として、上述の如く実際には、粉石
鹸の製造で単体脂肪酸が用いられることはなかった。そ
のため油脂原料の配合を変えることによって溶解性・洗
浄力等を調整することが一般的であった。
20〜30%以下で、石鹸を容易に粉末化するために
は、不飽和脂肪酸の量が少ない油脂を配合すればよく、
洗浄力を考慮した場合には、オレイン酸やパルミチン酸
等の割合が多い油脂を配合すればよい。また溶解性を重
視する場合には、短鎖脂肪酸を多く含む油脂や不飽和脂
肪酸の多い油脂を多く配合するとよい。
粉石鹸は製造できないものと諦められていたが、水分量
を充分少なくして、冷却(常温程度)した条件下で粉砕
すると、粉末化は可能であることが発明者の実験で分か
った。
造が、添加する成分と水分量調節によって可能となった
ことにより、溶解性については、合成洗剤以上に使い易
い粉石鹸が製造できるようになった。
従来の粉石鹸と比較して劣っており、オレイン酸ナトリ
ウムに炭酸ナトリウムを配合した場合でも従来の粉石鹸
と比較して劣っており、溶解性で完璧な製品ができても
実用的ではない。金属イオン封鎖剤としてエデト酸塩を
加えた場合でも、洗浄力に大きな向上は認められなかっ
た。
が完璧になされても、粉石鹸本来の目的である洗浄力で
満足することはできず、高価な単体脂肪酸を配合するこ
とによるコストアップを埋めるメリットはほとんどな
い。
て、オレイン酸ナトリウム55〜90重量%、炭酸ナト
リウム8〜40重量%に金属イオン封鎖剤としてクエン
酸塩2〜10重量%を配合することにより、洗浄力を大
幅に向上させることに成功した(水分は、製造条件とし
てオレイン酸ナトリウムの配合比により変動し、配合比
が低い場合には15重量%以下、配合比が高くなると水
分量は減少させる必要がある)。
合により、洗浄力が向上する石鹸の脂肪酸組成は、オレ
イン酸が全脂肪酸の50%程度から認められ、オレイン
酸の濃度が高いほど、顕著である。
量%以上の適量を配合することができ、洗浄力が非常に
向上する。別売の酸素系漂白剤を、洗濯する時に使用す
ることは問題なく、効果も優れている。
石鹸に配合できる漂白剤には限度があり、漂白剤として
販売されている製品のような強い漂白効果を狙った製品
ではない。
の主成分であるオレイン酸の石鹸は、冷水に易溶で、皮
膚刺激性がほとんどなく、洗浄力も非常に優れているの
で、オレイン酸ナトリウムを主成分とする(オレイン酸
ナトリウムは石鹸素地が柔らかく、粉石鹸に単独で加工
することは容易ではないと考えられていたが、ビルダー
の配合と水分量の調整により、単独での粉末化も可能と
なった)。
さく、洗浄力も優れ、素地が硬く、安定性に優れたミリ
スチン酸ナトリウムを少量配合する場合には、比較的容
易に粉末化が可能であり、安定性も向上する。ミリスチ
ン酸ナトリウムはオレイン酸ナトリウムに比べて冷水に
溶け易くはないので、オレイン酸ナトリウム単独の粉石
鹸よりも冷水では溶解に時間を要する。
ノール酸ナトリウムが冷水に良く溶け、皮膚刺激性はほ
とんどないが、洗浄力は中程度で、素地が柔軟な上に、
変敗し易い欠点があるため配合するべきではない。冷水
に易溶の椰子油石鹸の主成分ラウリン酸ナトリウム等C
12以下の飽和脂肪酸ナトリウムは、溶解性が優れてい
るが、皮膚刺激性は非常に強く、洗浄力も劣るかほとん
どないので、配合は不適である。
トリウム等C16以上の飽和脂肪酸ナトリウムは、洗浄
力は大きく、皮膚刺激性も小さいが、冷水には、難溶・
不溶であるため、不適である。
場合に含まれる難溶成分の除去あるいは易溶成分だけで
調合すること、(b)粉末の微粒子化あるいは顆粒化、
(c)粉末の乾燥状態の維持(ケーキング防止)により
解決する。
有しており、その脂肪酸含有比は、以下のとうりであ
る。
・難溶の成分が、純石鹸分の2割以上含まれている。
た粉石鹸(水分含有量を調整した)になって初めて配合
することができる。水分含有量が高い状態では、容易に
分解し、金属と接触すると分析が促進されるので配合時
には注意を要する。
炭酸ナトリウムや過硼酸ナトリウムを適量添加すること
ができる。専用の漂白剤と比較すれば、漂白効果は高く
ないが(短い洗濯時間では)、他の洗剤と比較して染み
や黄ばみ等の汚れに対して有効であり、漂白剤単独で指
示濃度・洗濯時間(6〜10分)処理する場合より効果
は優れ、その差は低温条件(30℃以下)では顕著であ
る。また、洗濯槽に黒いカスが固着するのも防ぎ、排水
パイプの洗浄効果もある。
浸け置き洗いをするとよい。それでも落ちない頑固な染
みや黄ばみには専用の漂白剤を用いる必要がある。
る蛋白質分解酵素等適量を配合することができるが、低
温では分解速度が遅く時間がかかることや、最適温度が
あり低温では充分効果を発揮できないこと等問題点があ
り、最近ではかなり改善された酵素剤が開発されている
が、試験結果ではほとんど効果がなく、根本的な解決に
はならない。
性や生分解に問題があるとされるエデト酸をキレート剤
として配合しない方が望ましいと思われる。
配合しないもので、全配合成分は、安全性、生分解性に
優れた物質である。
合成分 純石鹸:オレイン酸石鹸 アルカリ助剤:炭酸塩 金属イオン封鎖剤:有機酸塩
の基本配合成分 純石鹸:オレイン酸石鹸 アルカリ助剤:炭酸塩 金属イオン封鎖剤:有機酸塩 漂白剤:酸素系漂白剤
洗濯指示濃度1g/l オレイン酸ナトリウム 60% 炭酸ナトリウム 32% クエン酸ナトリウム 5% 過炭酸ナトリウム 3%
洗濯指示濃度1g/l オレイン酸ナトリウム 60% 炭酸ナトリウム 35% クエン酸ナトリウム 5%
洗濯指示濃度1.17g/l 米糠油石鹸、炭酸ナトリウム、エデト酸、香料
洗濯指示濃度0.83g/l 界面活性剤(41%):直鎖アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸 ナトリウム
(純石鹸分) アルミノ珪酸塩、炭酸塩、蛍光増白剤、酵素
処理濃度10g/l 過炭酸ソーダ 100%
(c)ポリエステル+綿 混紡
拌、2回濯ぎで、乾燥する。
用者の顎が触れる部分に布地を縫い付け、1ケ月以上
(日光での乾燥殺菌を週2回実施)して汚れを固着させ
たもの。汚れの同程度の強さを有する布地を洗濯し、同
じ面積に切り取り試験に供する。
Dを洗濯指示濃度で5℃、20℃における溶解性を比較
し、サンプルA、Bについては、過酷試験として倍濃度
での試験を実施した。
倍濃度でもほぼ同じ時間で溶解する。20℃で2〜3分
間で溶解する。倍濃度でもほぼ同じ時間で溶解する。
倍濃度でもほぼ同じ時間で溶解する。20℃で2〜3分
間で溶解する。倍濃度でもほぼ同じ時間で溶解する。
りがあり、24時間経過後でもそのままである。20℃
では10〜15分の撹拌でほとんど溶解するが、完全に
溶解するまでには20分は要する。
サンプルCよりは溶け易い。配合成分中に不溶成分があ
り、その成分は沈殿する。20℃では5分間でほぼ溶解
する。配合成分中に不溶成分があり、その成分は沈殿す
る。
眼で比較して順位をつける。]
の結果であった。) サンプルA>サンプルB>サンプルE>サンプルC>サ
ンプルD
様の結果であった。) サンプルA>サンプルB>サンプルE>サンプルC>サ
ンプルD
燥を繰り返し、黄変の有無を観察。サンプルA、B、D
は、特に黄変は観察されなかったが、サンプルCでは、
明らかに黄変が認められた。
上の雰囲気下で行った。
放置されても、6時間、24時間経過後で不快な臭いを
生じていない(過酷条件で、半乾きのままビニル袋に入
れて2週間経過しても、不快臭を生じることはなかっ
た)。
に、腐敗臭が混じって不快であった。
で、不快臭は生じていない。
イン酸カリウムとの比較試験で、10℃の冷水で、汗染
みのガーゼを5分間浸した後、各石鹸を加えて析出物の
有無を確認(実験のために、Ca2+等金属イオンの影響
を無くすために、EDTAを予め加えておく)。
たが、オレイン酸カリウムを使用した場合には析出物は
認められなかった。
月放置し、洗浄力・溶解性・外観等の変化を観察した。
られなかった。サンプルCは、香料の臭いが薄くなり、
色がやや黄色を呈するようになったほかは、大きな変化
は認められなかった。
比較して、水分を減少させなければ粉末化できない。粉
砕する場合も高温にならないように注意することが必要
である。
発明品:標準タイプ)で12%以下、OCCP(本発明
品:漂白剤配合タイプ)で10%以下であり、市販の粉
石鹸の平均は15%である。
ナトリウムを本発明と同じ成分比となるように配合した
場合でも、やや洗浄力は向上する傾向はあるが、本発明
品のように大幅な洗浄力の向上は認められなかった。
トリウムが含まれているために、石鹸としての洗浄力が
低下するものと考えられる。
ると、 オレイン酸ナトリウム 100% オレイン酸ナトリウム 95%、クエン酸ナトリウム 5% オレイン酸ナトリウム 70%、クエン酸ナトリウム 30% オレイン酸ナトリウム 70%、炭酸ナトリウム 30% コープ米糠石鹸(商品名:水の輪)米糠油脂石鹸、炭
酸塩、エデト酸 米糠油脂石鹸60%、炭酸ナトリウム35%、クエン
酸ナトリウム5% オリーブ油石鹸60%、炭酸ナトリウム35%、クエ
ン酸ナトリウム5% OCC(本発明品:標準タイプ) OCCP(本発明品:漂白剤配合タイプ)
な洗浄力評価であった。 <<<≦<<≪<
力評価であった。 <<<≦<<≪≪
とクエン酸ナトリウムを配合した粉石鹸の洗浄力
は、他のサンプルと比較して著しい効果が認められた。
%であり、オリーブ油では65〜85%であり、オレイ
ン酸の濃度が高い油脂石鹸が、炭酸ナトリウムとクエン
酸ナトリウムとの併用により、洗浄力が向上することが
判明した。
であるため、粉石鹸の使い勝手が向上する。即ち本発明
のものでは、5℃の水でも容易に溶解する(使用濃度で
2〜3分)が、現状の粉石鹸は冷水では、少ないもので
2〜3割が溶け残るという違いがある。
鹸が析出しない液体石鹸が得られる効果がある。
ため、衣類の黄変等のダメージを少なくできる特徴があ
り、使い勝手の良さは合成洗剤に匹敵し、洗浄力や安全
性・生分解性で非常に優れた粉石鹸の供給が可能とな
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 水分以外の構成成分において、単体脂肪
酸ナトリウムとしてオレイン酸ナトリウム55〜90重
量%と、炭酸ナトリウム8〜40重量%と、クエン酸塩
2〜10重量%を配合してなる冷水に易溶な洗濯粉石
鹸。 - 【請求項2】 水分以外の構成成分において、単体脂肪
酸カリウムとしてオレイン酸カリウム55〜90重量%
と、炭酸カリウム8〜40重量%と、クエン酸カリウム
2〜10重量%を配合してなる冷水での洗濯により石鹸
が析出しない液体石鹸。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16485694A JP3249682B2 (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 冷水に易溶な洗濯粉石鹸及び液体石鹸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16485694A JP3249682B2 (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 冷水に易溶な洗濯粉石鹸及び液体石鹸 |
Publications (2)
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JPH083597A JPH083597A (ja) | 1996-01-09 |
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ID=15801220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16485694A Expired - Fee Related JP3249682B2 (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 冷水に易溶な洗濯粉石鹸及び液体石鹸 |
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KR101229815B1 (ko) | 2004-08-11 | 2013-02-05 | 니치유 가부시키가이샤 | 분말상 비누 조성물 |
FR3098825B1 (fr) * | 2019-08-14 | 2023-03-17 | Manuel Muller | Procédé de saponification accelérée a froid d’huiles végétales pour la confection d’un savon liquide ou shampoing à faible teneur en éthanol |
-
1994
- 1994-06-24 JP JP16485694A patent/JP3249682B2/ja not_active Expired - Fee Related
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