JP3247861B2 - パチンコ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一側が軸支される
機構板の裏面に該軸支部に寄せて景品球貯留タンクを配
設できるようにしたパチンコ機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、パチンコ機本体の裏面に一側が軸
支され自在に回動し得る合成樹脂製の機構板が装着され
ており、該機構板の裏面にはその軸支部側に位置する景
品球払出装置と、上面が開口する箱枠状の景品球貯留タ
ンクと該景品球貯留タンクのパチンコ球を前記景品球払
出装置に誘導するタンクレールとがそれぞれ配設されて
いる。前記景品球貯留タンクとタンクレールとはそれぞ
れ別個に成形され、タンクレールは景品球貯留タンクの
直下に配設される。ところで、該タンクレールは景品球
貯留タンクのパチンコ球を景品球払出装置へ球づまりを
起こすことなく整列誘導する役目を担っており、このた
め球づまりを起こす要因となるパチンコ球の圧力を軽減
させるべくかなりの長さの距離を必要としている。そこ
で、前記景品球貯留タンクを前記景品球払出装置すなわ
ち機構板の軸支部側から極力遠ざけて配設すると共に、
景品球貯留タンクの排出口も同様に遠ざけることにより
タンクレールの長さを確保するようにしている。

【０００３】この結果、前記機構板の景品球貯留タンク
と軸支部との間、すなわち景品球払出装置の上方に所定
のスペースが空くこととなり、該スペースを利用して、
例えば、機構板の内部配線と外部配線とを中継する中継
器が取り付けられている。該中継器内には景品球払出装
置を制御するための電源回路，賞球回路，情報回路等が
プリントされた制御基板が組み込まれている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記スペー
スは中継器を取り付けるに有効利用できるものの、該ス
ペースは景品球払出装置と近接しており、しかも該景品
球払出装置は景品球の払出時に多くのパチンコ球の樹脂
摩擦によって静電気が発生し易いことから、前記中継器
内における制御基板が静電気により誤動作を起こすとい
った課題が有った。また、景品球貯留タンクが機構板の
軸支部から極力遠ざけて配設されている関係上、該景品
球貯留タンク内に貯留される無数のパチンコ球の荷重が
モーメントとして軸支部に作用し、これがため、該軸支
部に多大に荷重が加わっていた。よって、該荷重に耐え
得るべく軸支部の強度を考慮した余分な構造設計を強い
られ、このため軸支部の構造が複雑になるばかりか製作
費も嵩むといった課題が有った。

【０００５】そこで、本発明は、パチンコ球を球づまり
を起こさずに景品球払出装置へ整列誘導する機能を保持
したまま景品球貯留タンクを機構板の軸支部側へ寄せて
配設できるようにし、中継器を取り付けるためのスペー
スを景品球払出装置から遠ざけた位置に配設してその制
御基板の誤動作を防止すると共に、機構板の軸支部に強
度を考慮した余分な構造設計をすることなく製作費も軽
減されるパチンコ機を提供することを目的とするもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め本発明は、パチンコ機本体の裏面に一側が軸支され自
在に回動し得る機構板を装着し、該機構板の裏面にはそ
の軸支部側に位置する景品球払出装置と、上面が開口す
る箱枠状の景品球貯留タンクと、該景品球貯留タンクの
パチンコ球を前記景品球払出装置に誘導するタンクレー
ルとを配設したパチンコ機において、前記機構板の上部
に、前記軸支部側に寄せて景品球貯留タンクを取り付け
ると共にその反対側に中継器を取り付け、また、前記景
品球貯留タンク内には前記機構板の軸支部と反対側に景
品球貯留タンクの前後側壁間の幅より狭い寸法の狭窄部
を設け、該狭窄部の外側に終端が前記後側壁の後側に設
けられるタンクレールと連通しかつ前記パチンコ球を球
圧力を軽減して球づまりを起こさず景品球払出装置へ整
列誘導し得る球誘導路を成形して構成される。このよう
に、景品球貯留タンクを機構板の軸支部側へ寄せて配設
できることから、逆にその分軸支部すなわち景品球払出
装置から遠ざかった位置に中継器が取り付けられるスペ
ースができ、該スペースに中継器を配設することによっ
て静電気によるその制御基板の誤動作が回避される。ま
た、機構板の軸支部への荷重が軽減され、その分構造も
簡単となって製作費も軽減される。

【０００７】また、景品球貯留タンクとタンクレールと
を合成樹脂の一体成形により成形することで、景品球貯
留タンクなどの機構板への取り付けが簡単となりこれら
組立作業の簡略化が図られる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るパチンコ機の
実施の形態を図面に基づき説明する。図１は本発明が適
用されるパチンコ機の裏面図であり、図中１はパチンコ
機本体Ａの機枠，２は該機枠１の前面一側に蝶着され開
閉自在に取り付けられる前面枠であり、その裏面に遊技
盤取付枠４を介して遊技盤３が着脱可能に装着されてい
る。また、該遊技盤取付枠４には、一側が上下の軸支部
５，５により軸支されて自在に回動し、遊技盤３の裏面
を覆う合成樹脂製の機構板６が装着されている。該機構
板６と遊技盤３との間には空間が成形され、該空間に遊
技盤３の裏面を覆い入賞球を寄せ集めるための入賞球集
合カバー７が配置され、前記機構板６には入賞球集合カ
バー７に対応する部位に開口窓８が成形されている。９
は前記入賞球集合カバー７の裏面に装着され、遊技状態
を制御するための回路基板ボックス，１０は遊技盤３に
装着される表示装置（図示せず。）の後部を覆うカバー
体である。

【０００９】また、前記機構板６裏面には、軸支部５側
に入賞球の発生毎に所定数のパチンコ球を払い出す景品
球払出装置１１，該景品球払出装置１１から払い出され
たパチンコ球をパチンコ機本体Ａの前面に排出する景品
球排出樋１２が設けられている。なお、該景品球排出樋
１２の下端はパチンコ機本体Ａ前面の図示しない打球供
給皿に連通するようになっている。１３は機構板６の下
部に設けられ、前記入賞球集合カバー７により寄せ集め
られたパチンコ球を処理する入賞球処理装置である。

【００１０】しかして、図２，図３に示されるように機
構板６の上部に、区画壁１４により軸支部５側寄りとそ
の反対側とに分割され、後記する景品球貯留タンク１６
と中継器３３とをそれぞれ取り付けるための平板状の取
付面部１５ａ，１５ｂが成形されている。１６はパチン
コ球が貯留される合成樹脂製の景品球貯留タンクであ
り、上面が開口する横長箱枠状に成形されている。

【００１１】更に、前記景品球貯留タンクを詳しく説明
すると、後側壁１６ａと前側壁１６ｂと右側壁１６ｃと
により球貯留部１７が成形され、その底壁１６ｄ面は機
構板６の軸支部５と反対側に向かって下傾し、その流下
端に前側壁１６ｂと後側壁１６ａとの間の幅より狭い寸
法の狭窄部１８が成形される。すなわち、該狭窄部１８
は、後側壁１６ａの下流側を内側へ弧面状に湾曲させる
と共にそのまま裏側へ弧面状に湾曲させてなる膨出部１
９と前側壁１６ｂとの間に成形される。また、前側壁１
６ｂの下流側は狭窄部１８から前記膨出部１９を大きく
囲うように弧状に湾曲して後側壁１６ａ側へ回り込むよ
うに成形され、これにより前記球貯留部１７と連なる球
誘導路２０が成形される。また、前記後側壁１６ａの後
側には図４に示されるように球誘導路２０の終端と連通
するタンクレール２１が一体に成形されている。

【００１２】前記タンクレール２１は底壁２１ａが機構
板６の軸支部５側に向かって下傾しており、その上面を
パチンコ球が２列になって整列して流下される。そし
て、その流下端は前記景品球払出装置１１と連なる球流
入口２２と連通されるようになっている。また、前記右
側壁１６ｃと弧状に湾曲した左側壁１６ｅの外側にはそ
れぞれ取付片２３，２３が突設され、該各取付片２３，
２３に機構板６側に突設された左右各一対のピン２４，
２４先端の螺子孔２５，２５と合致する螺子挿通孔２
６，２６が開設されている。更に、前記タンクレール２
１の後端縁から下方へ折れ曲り取付面部１５ａの前面に
当接される折曲板２７にその長手方向に沿って複数の取
付用孔２８が設けられている。該各取付用孔２８は幅広
部２８ａと該幅広部２８ａに連通する幅狭部２８ｂとか
らなる。

【００１３】そして、前記各取付用孔２８の幅広部２８
ａをこれらと対向して前記取付面部１５ａの前面に突設
される係止片２９に嵌入し幅狭部２８ｂ側へスライドさ
せると共に、前記各螺子挿通孔２６を介して各螺子孔２
５にビス３０を螺合させることにより図５乃至図７に示
されるように景品球貯留タンク１６が機構板６の軸支部
５側に寄せて取り付けられることとなる。３１は前記タ
ンクレール２１の下流側の上方に位置して取付面部１５
ａの前面に固着される球導板であり、その一側が前記球
流入口２２を囲うようにしており、これによりタンクレ
ール２１内を流下するパチンコ球が上下に重なって球づ
まりを起こすことなく整列して球流入口２２へ流入でき
るようにしている。また、３２は前記球貯留部１７の底
壁１６ｄの流下端に設けられる球検知板であり、その上
面に乗るパチンコ球の球圧を検知して球貯留部１７内が
空になったことを検知できるようになっている。

【００１４】３３は他方の取付面部１５ｂ、すなわち機
構板６から遠ざかった位置に取り付けられる中継器であ
り、機構板６の図示しない内部配線と外部配線とを中継
するためのもので、図３に示されるようにカバー体３４
に覆われる制御基板３５に景品球払出装置１１を制御す
るための電源回路，賞球回路，情報回路等がプリントさ
れている。そして、制御基板３５の四隅部に前記取付面
部１５ｂの前面四隅部に突設されたピン３６先端の螺子
孔３７と連通する螺子挿通孔３８が開設され、該各螺子
挿通孔３８を介して前記螺子孔３７にビス３９を螺合す
ることにより制御基板３５が取り付けられる。また、カ
バー体３４は、その上端縁に設けられる一対の支軸４
０，４０を前記取付面部１５ｂの上端縁に設けられた一
対の軸筒部４１，４１に挿通することにより開閉自在に
装着され、制御基板３５を覆うようになっている。

【００１５】本発明は上記構成よりなり、景品球貯留タ
ンク１６に貯留されるパチンコ球は、狭窄部１８を介し
て球誘導路２０に流出され、該球誘導路２０に沿って水
平面内でほぼ３６０度方向を転換してタンクレール２１
に導かれ、２列に整列して流下し、下流端の球流入口２
２を介して景品球払出装置１２に供給されることとな
る。このように、弧状に湾曲する球誘導路２０により狭
窄部１８からのパチンコ球の流出方向を３６０度変換し
てタンクレール２１に導くようにしたので、この部分で
流下するパチンコ球の圧力が軽減されることとなり、タ
ンクレールの距離が短くても球づまりを起さずにパチン
コ球を整列誘導することができる。よって、景品球貯留
タンク１６を機構板６の軸支部５側へ寄せて配設でき、
更にはこれにより景品球払出装置１１より遠ざかった位
置の空スペース（取付面部１５ｂ）に中継器３３を配設
できることとなる。

【００１６】なお、前記球貯留部１７内における膨出部
１９の外周壁面や球誘導路２０の内周壁面は、図６に示
されるようにいずれもその部分によって球づまりを起さ
ないようにその曲面が設定れれる。また、タンクレール
２１は景品球貯留タンク１６と一体に成形することが望
ましいが、別体に成形しても良い。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように本発明に係るパチンコ
機は、狭窄部の外側に終端がタンクレールと連通しかつ
パチンコ球を球圧力を軽減して球づまりを起さず景品球
払出装置へ整列誘導し得る球誘導路を成形するようにし
たので、景品球貯留タンクを機構板の軸支部側へ寄せて
配設できるようになり、これにより中継器が景品球払出
装置から遠ざけた位置に取り付けられ、静電気による制
御基板の誤動作を防止できる。

【００１８】また、景品球貯留タンクが機構板の軸支部
側に寄せられることから、該軸支部に掛かる荷重が軽減
され、該軸支部に強度を考慮した余分な構造設計をする
必要がなく、これにより製作費も軽減できる。

【００１９】更に、景品球貯留タンクとタンクレールと
を一体に成形するようにすれば、これら景品球貯留タン
クの機構板への取り付けが簡単となり組立作業の簡略化
が図られるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されるパチンコ機の裏面図。

【図２】景品球貯留タンク部分を示す機構板の斜視図。

【図３】同分解斜視図。

【図４】景品球貯留タンクの裏面斜視図。

【図５】景品球貯留タンクを断面にして示すパチンコ機
の要部の裏面図。

【図６】同平面断面図。

【図７】図６のＸ−Ｘ線断面図。

【符号の説明】

５，５ 軸支部 ６ 機構板 １１ 景品球払出装置 １６ 景品球貯留タンク １８ 狭窄部 ２０ 球誘導路 ２１ タンクレール３３ 中継器 Ａ パチンコ機本体

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パチンコ機本体の裏面に一側が軸支され
   自在に回動し得る機構板を装着し、該機構板の裏面には
   その軸支部側に位置する景品球払出装置と、上面が開口
   する箱枠状の景品球貯留タンクと、該景品球貯留タンク
   のパチンコ球を前記景品球払出装置に誘導するタンクレ
   ールとを配設したパチンコ機において、前記機構板の上
   部に、前記軸支部側に寄せて景品球貯留タンクを取り付
   けると共にその反対側に中継器を取り付け、また、前記
   景品球貯留タンク内には前記機構板の軸支部と反対側に
   景品球貯留タンクの前後側壁間の幅より狭い寸法の狭窄
   部を設け、該狭窄部の外側に終端が前記後側壁の後側に
   設けられるタンクレールと連通しかつ前記パチンコ球を
   球圧力を軽減して球づまりを起こさず景品球払出装置へ
   整列誘導し得る球誘導路を成形したことを特徴とするパ
   チンコ機。
2. 【請求項２】 前記タンクレールを景品球貯留タンクと
   一体に成形するようにした請求項１記載のパチンコ機。