JP3247564B2 - 密封装置およびその製造方法 - Google Patents

密封装置およびその製造方法

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JP3247564B2 JP29216094A JP29216094A JP3247564B2 JP 3247564 B2 JP3247564 B2 JP 3247564B2 JP 29216094 A JP29216094 A JP 29216094A JP 29216094 A JP29216094 A JP 29216094A JP 3247564 B2 JP3247564 B2 JP 3247564B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばエンジン,ト
ランスミッション等に用いられる回転用密封装置に関
し、特に樹脂製シールリップとゴム状弾性体との複合シ
ールタイプのシール本体とスリーブとを組み合わせた密
封装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、回転用の密封装置として、た
とえば図13に示すような密封装置がある。
【0003】この密封装置100は、径方向内向きの内
向きフランジ部101Aを有する断面L字状の補強環1
01にほぼ全面にわたってゴム状弾性体102が焼付固
定されており、補強環101の内向きフランジ部101
Aの内端にゴム状弾性体102を介して樹脂製シールリ
ップ103が固定されているものである。
【0004】また樹脂製シールリップ103は、円錐截
頭状で、その内面にはねじ溝104が形成されており、
このねじ溝104によりポンピング作用の効果を得てい
る。
【0005】ただ、樹脂製シールリップ103のみで
は、弾性不足による追随性不足と微小隙間からの密封流
体が漏れる不具合が有る。そこで、図14に示すように
樹脂製シールリップのみの欠点を補った樹脂製シールリ
ップの背面側、すなわち密封流体側Oの面にゴム状弾性
体を設けた複合シールタイプの密封装置200がある。
【0006】この密封装置200は、ハウジング201
と回転軸202間をシールするもので、次のように構成
されている。
【0007】径方向内向きのフランジ部203Aを有す
る断面L字状の補強環203に全面にわたってゴム状弾
性体204が焼付固定されており、補強環203の円筒
部203Bの外周面側のゴム状弾性体204の外周面が
ハウジング201の内周面に密封接触して密封装置20
0の外周側がシールされている。
【0008】また、補強環203の内向きフランジ部2
03Aの内端には、ゴム状弾性体204と連続して密封
流体側Oに延び、回転軸202側に傾くゴム状弾性体製
リップ205が設けられている。そして、このゴム状弾
性体製リップ205の大気側Aの面にほぼ全面にわたっ
て樹脂製シールリップ206が取付けられており、複合
シールタイプのシール本体207となっている。
【0009】さらに、この従来例は、ゴム状弾性体製リ
ップ205と樹脂製シールリップ206とから成る複合
シールタイプのシール本体207に、回転軸202と共
回りするスリーブ208を組み合わせたものである。
【0010】このスリーブ208は、外向きのフランジ
部208Aを有する断面L字状で、その内周面が回転軸
202の外周面に取付けられる。一方、外周面には樹脂
製シールリップ206の先端が摺動自在に密封接触され
る。また外向きフランジ部208Aの密封流体側Oの端
面にて樹脂製シールリップ206の奥端側が保持され
る。
【0011】次に、上記ゴム状弾性体製リップと樹脂製
シールリップとを組み付けた複合シールタイプのシール
本体の製造方法の一例として、図15に基づいて説明す
る。尚、この製造方法においては、ゴム状弾性体製リッ
プ301のリップ先端部が樹脂製シールリップ302の
リップ先端部より軸方向に延びているシール本体につい
て説明する。
【0012】まず、型500,501,502,50
3,504,505から成る成形型506の成形キャビ
ティ507内に樹脂製シールリップ302を配設し、そ
の樹脂製シールリップ302の密封流体側となる端面に
断面L字状の補強環303を当接して設け、その状態で
樹脂製シールリップ302の密封流体側に設けたゴム生
地を加硫成形してゴム状弾性体製リップ301を形成す
る。そのとき、ゴム状弾性体製リップ301と樹脂製シ
ールリップ302とが接合される(図15(a)参
照)。
【0013】その後、図15(b)に示すように上型の
型501,502を開放(図中矢印方向)してゴム状弾
性体製リップ301と樹脂製シールリップ302を露出
させる。そして、図15(c)に示すように樹脂製シー
ルリップ302のリップ先端部が当接している型503
を図中矢印方向に突き上げてリップ先端部をゴム状弾性
体製リップ301の腰部に隣接するように曲げる。
【0014】それから、樹脂製シールリップ302の外
周部が当接している型504を図中矢印方向に突き上げ
て補強環303を介して接合された樹脂製シールリップ
302とゴム状弾性体製リップ301を型から排出する
(図15(d)参照)。これにより、ゴム状弾性体製リ
ップ301と樹脂製シールリップ302とを組み付けた
複合シールタイプのシール本体304が成形される。
【0015】次に、図14に示す複合シールタイプのシ
ール本体207をスリーブ208に組み合わせる方法に
ついて図16乃至図18に基づいて説明する。
【0016】まず、スリーブ208の円筒部208Bの
密封流体側の先端に段差部208Cを形成しておく、そ
してこの段差部208Cに係合する突出部600Aを有
する組立治具600を用意する。
【0017】この組立治具600は、突出部600Aが
スリーブ208の段差部208Cに係合したときにその
外周面がスリーブ208の円筒部208Bの外周面とほ
ぼ同一面となるようになっており、その突出部600A
から連続して徐々に縮径となるテーパ面600Bを有し
ている。
【0018】そして、図16に示すように組立治具60
0の突出部600Aをスリーブ208の段差部208C
に係合する。その後、シール本体207の樹脂製シール
リップ206を組立治具600のテーパ面600Bに沿
ってゴム状弾性体製リップ205と共に曲げて図中矢印
方向に移動させ、図17に示すように組み付ける。すな
わち、この組立治具600によってシール本体207の
成形後に樹脂製シールリップ206の曲げ加工が成され
ている。
【0019】その後、図17に示すカシメ治具601を
図中矢印方向に移動してスリーブ208の段差部208
Cをカシメ治具601のカシメ面601Aにて図18に
示すようにスリーブ208の段差部208Cがカシメら
れ、シール本体207の位置決めが行われる。これによ
り、組立てが完了する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術によるゴム状弾性体製リップと樹脂製シール
リップとの複合シールタイプのシール本体では、図15
に示したように成形時、あるいは図16乃至図18に示
したように成形後に、樹脂製シールリップ302、20
6の曲げ加工が必要となり、工数が多くなる。
【0021】また、図15に示すように成形しながらゴ
ム状弾性体製リップ301側に樹脂製シールリップ30
2を曲げるために、複合シールタイプの樹脂製シールリ
ップ302の界面、いわゆるゴム状弾性体製リップ30
1側面とのゴム状弾性体製リップ301の位置を確定す
るのが難しく、またスリーブの外周面に対する樹脂製シ
ールリップ302,ゴム状弾性体製リップ301の位置
決めが困難である。
【0022】このように樹脂製シールリップ302,ゴ
ム状弾性体製リップ301の位置決めが困難であること
から、シール性能が不安定に成り易い。また、図14に
示す密封装置200の場合、樹脂製シールリップ206
の背面側にゴム状弾性体製リップ205を設けている
が、スリーブ208の円筒部208Bの外周面との摺動
面側は樹脂製シールリップ206のみであることから、
静的密封性が悪く密封流体が漏れる可能性がある。
【0023】また、複合シールタイプのシール本体20
7、304において、図13に示すように樹脂製シール
リップにねじ溝を有するものとする場合には、ねじ溝部
の予備成形及びカットの工程がさらに必要となり、多大
工数を要する。
【0024】さらに、樹脂製シールリップにねじ溝を形
成する際、図13に示すように樹脂製シールリップ10
3が円錐截頭状であると、ねじ溝104を型にて加工す
る場合、対応する型のテーパー面上にねじ溝を加工する
ことになるので、そのねじ加工が困難である。
【0025】そして、図14に示した密封流体200に
おいて、ゴム状弾性体製リップ205と樹脂製シールリ
ップ206とから成る複合シールタイプのシール本体2
07にスリーブ208を組み合わせるとき、図16乃至
図18に示すように組立治具600,カシメ治具601
が必要で、またスリーブ208の段差部208Cにてカ
シメられているため、組立後、何らかの必要性において
分解する場合において、分解が困難であった。
【0026】本発明は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、樹
脂製シールリップとゴム状弾性体との複合シールタイプ
のシール本体において、シール性の向上を図り、また製
作の容易化を図り、さらにねじ溝を形成する場合におい
て型におけるねじ溝加工の容易化を図り得る密封装置お
よびその製造方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、樹脂製シールリップゴム状弾
性体を介して補強環に固定される環状のシール本体と、
該シール本体の内側に組み付けられ、外周に前記樹脂製
シールリップが摺動自在に密封接触されるスリーブと、
を備えた密封装置において、スリーブの密封流体側端部
に滑らかな突起を設けると共に、前記ゴム状弾性体の先
端を、前記樹脂製シールリップのリップ先端を越えて前
記スリーブの外周面に摺動自在に密封接触させたことを
特徴とする。
【0028】また、樹脂製シールリップおよびゴム状弾
性体のうち少なくとも一方の摺動面にねじ溝を設けるこ
とが好適である。
【0029】そして、密封装置の製造方法としては、平
面ワッシャ状の樹脂材の片面にゴム状弾性体を被覆して
シール本体の中間体を成形し、該ゴム状弾性体が被覆さ
れた樹脂材の内周部に、密封流体側端部に滑らかな突起
が設けられたスリーブを差し込み、該スリーブによって
前記樹脂材の内径部を押し広げてリップ状に曲げてゴム
状弾性体が被覆された樹脂製シールリップを形成すると
同時にシール本体とスリーブとを組み合わせたことを特
徴とする。
【0030】また、平面ワッシャ状の樹脂材および該樹
脂材の片面に被覆されたゴム状弾性体のうち少なくとも
一方のスリーブとの摺動面にねじ溝を形成すると好適で
ある。
【0031】
【作用】上記構成の密封装置にあっては、ゴム状弾性体
を樹脂製シールリップのリップ先端を越えてゴム状弾性
体の先端がスリーブの外周面に摺動自在に密封接触する
ようになっていることから、そのゴム状弾性体のゴム特
性により、樹脂製シールリップの欠点である傷、追随性
遅れ、静的密封性を補うことができる。
【0032】特に上記のようにゴム状弾性体の先端をス
リーブの外周面に密封接触させているため、静的密封性
の向上を図ることができる。
【0033】また、ゴム状弾性体は上記のように樹脂製
シールリップのリップ先端を越えて設けられているた
め、樹脂製シールリップとゴム状弾性体との複合シール
タイプのシール本体におけるシール性の向上を図ること
ができる。
【0034】そして、スリーブの密封流体側端部に突起
を設けていることから、環状のシール本体が抜けること
がなく、充分な一体化された組立状態を維持できる。ま
た突起は滑らかな形状であるため、何らかの必要性にお
いて分解する場合、樹脂製シールリップおよびゴム状弾
性体の表面(スリーブとの摺動面)を傷つけることな
く、力を加えて軸方向に引っ張ればシール本体とスリー
ブを分離することができる。もちろん組付け時において
も同様に樹脂製シールリップおよびゴム状弾性体のスリ
ーブとの摺動面を傷つけることなく、力を加えて軸方向
に差し込むことで組み付けることができる。
【0035】さらに、樹脂製シールリップおよびゴム状
弾性体のうち少なくとも一方のスリーブとの摺動面にね
じ溝を設けることにより、ねじ溝によるポンピング作用
の効果により、さらにシール性の向上を図ることができ
る。
【0036】上記密封装置の製造方法にあっては、平面
ワッシャ状の樹脂材の片面にゴム状弾性体が被覆された
シール本体の中間体、いわゆる平面ワッシャ状のシール
本体の中間体を、スリーブに差し込むことによって前記
樹脂材の内径部を押し広げてリップ状に曲げてゴム状弾
性体が被覆された樹脂製シールリップを形成すると同時
にシール本体とスリーブとを組み合わせている。このよ
うに、従来技術で示した治具を用いることなくシール本
体の中間体をスリーブに差し込むだけで、ゴム状弾性体
が被覆された樹脂製シールリップの曲げ加工と組み合わ
せが同時にできることから、製作が容易で、かつ工数が
少なくて済む。
【0037】また、樹脂材の片面にゴム状弾性体が被覆
された状態で、すなわち一体化された状態でスリーブに
組み付けるようになっているため、樹脂製シールリップ
とゴム状弾性体との位置決めが不要で、かつそれぞれの
スリーブの外周面に対する位置決めが容易に行なうこと
ができることから、位置決めが確実に行なわれる。その
結果、シール性能が安定する。
【0038】また、平面ワッシャ状の樹脂材およびその
樹脂材の片面に被覆されたゴム状弾性体にスリーブとの
摺動面にねじ溝を形成するようにしたことから、成形型
においては平坦面にねじ溝を加工することになるので、
そのねじ溝加工は容易となる。従って、いろいろな種類
のねじ溝パターンを容易に加工することができる。
【0039】さらに、スリーブの密封流体側端部に滑ら
かな突起を設けているので、上記したスリーブの挿入、
組立てがスムーズにでき、また上記密封装置において説
明したように、シール本体が抜けることなく充分な一体
化された組立状態を維持できると共に、樹脂製シールリ
ップおよびゴム状弾性体の表面(スリーブとの摺動面)
を傷つけることなく、分解,再組付けを行なうことがで
きる。
【0040】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。まず、本発明の一実施例に係る密封装置を図1乃
至図6に基づいて説明する。
【0041】1は、ハウジング2と回転軸3間をシール
する回転用の密封装置を示しており、この密封装置1
は、概略、樹脂製シールリップとしてのPTFEリップ
4をゴム状弾性体5を介して補強環6に固定された環状
のシール本体としてのシール部品7と、シール部品7の
内側に組み付けられ、外周にPTFEリップ4が摺動自
在に密封接触するスリーブを成すスリーブ部品8とを備
えたもので、PTFEリップ4のリップ先端にゴム状弾
性体のゴムガスケット部9が設けられ、またスリーブ部
品8の密封流体側O端部に滑らかな突起としてのR状突
起10を有するものである。
【0042】スリーブ部品8は、回転軸3の外周面に取
付けられ、回転軸3と共回りするものである。
【0043】このスリーブ部品8は、図4に示すように
スリーブ11とゴム状弾性体12とから成っている。
【0044】スリーブ11は、径方向外向きの外向きフ
ランジ部11Aを有する断面L字状の円筒状部材であ
り、その円筒部11Bの外周面はPTFEリップ4のリ
ップ先端およびゴムガスケット部9の端面が摺動自在に
密封接触するリップ摺動面11Cとなっている。そし
て、円筒部11Bの先端部、すなわち密封流体側OにR
状突起10が設けられている。このR状突起10は、リ
ップ摺動面11Cより径方向外側に断面円弧状に突出し
ており、その終端は径方向内側に折れ曲がった内向きフ
ランジ部10Aとなっている。
【0045】そして、スリーブ11の外向きフランジ部
11Aの外周面および大気側A端面ならびにR状突起1
0の内周部を含めた円筒部11Bの内周面全面に連続し
てゴム状弾性体12が一体的に焼付け固定されている。
このゴム状弾性体12の円筒部11Bの内周面側のゴム
状弾性体12Aの内周面は段付となっており、このゴム
状弾性体12Aにて回転軸3とのシールを行なってい
る。また外向きフランジ部11Aの外周面側のゴム状弾
性体12Bの外周面は平面となっており、軸方向大気側
Aに延びるフランジ部12Cを有している。
【0046】環状のシール部品6は、上記したようにP
TFEリップ4とゴム状弾性体5と補強環6とから成っ
ている。
【0047】PTFEリップ4は、スリーブ部品8に組
付け前においては、図3に示すように平面ワッシャ状と
なっている。
【0048】補強環6は、径方向内向きの内向きフラン
ジ部61を有する断面L字状の円筒状部材である。この
補強環6の内向きフランジ部61の密封流体側O端面に
PTFEリップ4の外周部端面を、補強環6の円筒部6
2の内周面にPTFEリップ4の外周面をそれぞれ当接
させた状態で、補強環6のほぼ全面にわたってゴム状弾
性体5が一体的に焼付け固定されており、これによりP
TFEリップ4が補強環6に固定されている。
【0049】補強環6の円筒部62の外周面側のゴム状
弾性体51は、その外周面が段付となっており、ハウジ
ング2の内周面に密封接触して外周側をシールするもの
である。一方、補強環6の円筒部62の内周面側のゴム
状弾性体52は、PTFEリップ4の背面側、すなわち
密封流体側Oに沿って薄肉状態で延び、その先端はPT
FEリップ4先端を越えて設けられており、その先端部
がゴムガスケット部9となっている。
【0050】このゴムガスケット部9は、断面略半円状
で、その端面はPTFEリップ4の前面、すなわち大気
側A端面とほぼ同一面となっている。
【0051】このように、環状のシール部品7は、PT
FEリップ4とゴム状弾性体5との複合シールタイプと
なっている。そして、この環状のシール部品7とスリー
ブ部品8とを組み合わせることで本実施例に係る密封装
置1と成る。
【0052】そこで、図3および図2に基づいて組付け
について説明する。
【0053】組付け前の環状のシール部品7において
は、PTFEリップ4およびゴムガスケット部9を含め
た薄肉のゴム状弾性体52から成る複合シールタイプの
リップ部13は平面ワッシャ状となっており、その平面
ワッシャ状のリップ部13の内径は、PTFEリップ4
およびゴムガスケット部9がスリーブ部品8のスリーブ
11のリップ摺動面11Cに摺接しなければならないの
で、摺接できるようにスリーブ11のリップ摺動面11
Cの径より小径に設定されている。
【0054】この平面ワッシャ状のリップ部13を有す
る環状のシール部品7にスリーブ部品8をR状突起10
から図3中矢印方向に差し込むことによってゴムガスケ
ット部9を含むPTFEリップ4のリップ部13の内径
部が押し広げられ、図3中点線のようにリップ部13が
曲げられる。この曲げられた状態でPTFEリップ4の
端面がスリーブ11の外向きフランジ部11Aの端面お
よびゴムガスケット部9の端面に当接するまでスリーブ
部品8を差し込むことにより、シール部品7とスリーブ
部品8とが組み合わせられて図2に示す密封装置1とな
る。
【0055】このとき、リップ部13のPTFEリップ
4のリップ先端およびゴムガスケット部9の端面がスリ
ーブ11のリップ摺動面11Cに摺動自在に密封接触さ
れ、シールされる。また、シール部品7の補強環6の内
向きフランジ部61内周面側のゴム状弾性体53の内周
面とスリーブ部品8のゴム状弾性体12のスリーブ11
の外向きフランジ部11Aの外周面側のゴム状弾性体1
2Bの外周面およびフランジ部12Cの外周面間にクリ
アランス14を有しており、このクリアランス14でも
ってラビリンス構造ができ、そのクリアランス14を最
小化することで耐ダスト性の向上を図ることができる。
【0056】ゴムガスケット部9はシールするものであ
ることから、緊迫力が必要となるため、適した緊迫力を
得るために本実施例では断面半円状としてボリュームを
設定している。
【0057】上記のように構成された密封装置1は、図
1に示すように、シール部品7のゴム状弾性体51の外
周面がハウジング2の内周面に、スリーブ部品8のゴム
状弾性体12Aの内周面が回転軸3の外周面に密接して
取付けられ、リップ部13にて密封流体側Oの流体が大
気側Aに漏れないようにシールしている。
【0058】上記構成の密封装置にあっては、シール部
品7が、PTFEリップ4とPTFEリップ4の背面側
に密着された薄肉のゴム状弾性体52とPTFEリップ
4のリップ先端を越えて設けられたゴムガスケット部9
とから成る複合シールタイプであるので、PTFEリッ
プ4による低フリクション、低摩擦性、密封流体が油の
場合における耐油性が得られ、またゴムガスケット部9
によるゴム特性により、PTFEリップ4の欠点である
傷、追随性遅れ、静的密封性を補うことができる。特に
ゴムガスケット部9をスリーブ11のリップ摺動面11
Cに密封接触させているため、静的密封性の向上を図る
ことができる。
【0059】このように、複合シールタイプのシール部
品7において良好なシール性を維持することができる。
【0060】そして、スリーブ11の密封流体側0の端
部にR状突起10を設けていることから、環状のシール
部品7が抜けることがなく、充分な一体化された組立状
態を維持できる。またR状突起10は滑らかな形状であ
るため、何らかの必要性において分解する場合、リップ
部13の摺動面を傷つけることなく、高荷重で軸方向に
引っ張ればシール部品7とスリーブ部品8を分離するこ
とができる。もちろん組付け時においても同様にリップ
部13の摺動面を傷つけることなく、力を加えて軸方向
に差し込むことで組み付けることができる。
【0061】そして、本実施例においては、リップ部1
3のスリーブ11のリップ摺動面11Cとの摺動面に螺
旋状の一方向のねじ溝が形成されている。このねじ溝に
ついて図5に基づいて説明すると、PTFEリップ4の
端面およびゴムガスケット部9の端面にそれぞれねじ溝
15、16が形成されている。PTFEリップ4のねじ
溝15は、リップ先端から補強環6の内向きフランジ部
61の内周面近傍まで形成されており、ゴムガスケット
部9のねじ溝16は全長にわたって形成されている。
尚、PTFEリップ4のねじ溝15の方がフレキシブル
性を考慮して傾斜角度が大きくなっている。
【0062】このように、リップ部13のPTFEリッ
プ4およびゴムガスケット部9の摺動面にねじ溝15、
16を設けているので、ポンピング作用による良好なシ
ール性を長期にわたって維持することができる。
【0063】そこで、図6にリップ部13のねじ溝1
5、16のその他の態様を示す。尚、図中aは上記した
PTFEリップ4の摺動面においてリップ先端から補強
環6の内向きフランジ部61の内周面近傍までの範囲を
示し、bは上記したゴムガスケット部9の摺動面におい
て全長の範囲を示しており、以下符号a、bを用いてね
じ溝15、16の態様を説明する。
【0064】図6(b)に示すaのねじ溝15およびb
のねじ溝16は上記したものと同じで一方向回転用ねじ
溝(図は右ねじの例)となっている。
【0065】図6(c)に示すaのねじ溝15は平行溝
となっており、PTFEリップ4のフレキシブル性、追
随性の向上を図っている。また、bのねじ溝16は両方
向回転用のねじ溝となっている。
【0066】図6(d)に示すbのねじ溝16は同図
(c)のbのねじ溝と同じで両方向回転用となってい
る。また、aのねじ溝15は外周部をフレキシブル性、
追随性の向上を図るべく平行溝となっており、内周部は
両方向回転用のねじ溝としてbの両方向回転用のねじ溝
16と連なる花弁状となっている。
【0067】尚、ねじ溝においては、上記種々の態様を
含む本実施例ではPTFEリップ4およびゴムガスケッ
ト部9の両方に形成するものとしているが、効果は弱ま
るかもしれないが少なくとも一方に設けられていれば良
く、またねじ溝の形状も上記したもの以外であっても良
い。
【0068】次に本発明の一実施例に係る密封装置の製
造方法として、上記密封装置1の製造方法について説明
する。
【0069】先に簡単に説明すると、シール本体の中間
体として平面ワッシャ状のリップ部13を有するシール
部品7およびスリーブを成すスリーブ部品8を成形し、
上記したようにシール部品7のリップ部13の内周部に
スリーブ部品8を差し込んで組み合わせることにより密
封装置1が製造される。
【0070】まず、図7乃至図9に基づいて平面ワッシ
ャ状のリップ部13を有するシール部品7の成形につい
て説明する。
【0071】このシール部品7は、成形型20の成形キ
ャビティ21内にて成形される。この成形型20は、上
型22と下型23とから成っている。
【0072】下型23は、補強環6と、平面ワッシャ状
の樹脂材としてのPTFEシート24と、その片面に載
置されるゴム生地25とが配設されるものであり、また
径方向に対して第1下型23Aと第2下型23Bとの型
割りタイプとなっている。
【0073】第1下型23Aは、PTFEシート24が
載置される平面部26を有しており、その外周部には補
強環6の内向きフランジ部61が載置される段差部27
を有している。この段差部27は内向きフランジ部61
が載置されたときに図中上側端面が平面部26とほぼ同
一面となるように設定されている。
【0074】第2下型23Bは、補強環6の円筒部62
が配設されると共に、その外周部にゴム生地25が回り
込むように周壁28を有している。
【0075】そして、上記第1下型23Aと第2下型2
3Bを型合わせして下型23として、補強環6の円筒部
62を第2下型23Bの周壁28側とし、内向きフラン
ジ部61を第1下型23Aの段差部27に載置する。次
に、所定の幅を有するPTFEシート24を外周面が補
強環6の円筒部62の内周面に接するように第1下型2
3Aの平面部26上に載置する。このPTFE24上の
外周側に所望のゴム生地25を載置する。
【0076】一方、上型22は、径方向ほぼ中央部に凸
部22Aを有しており、その凸部22Aの端面と第1下
型23Aの平面部26にて平面ワッシャ状のリップ部1
3を形成するようになっており、その凸部22Aの端面
のPTFEシート24の内径より径方向内側にゴムガス
ケット部9を形成するための断面半円状の凹部22Bが
設けられている。
【0077】このように構成された上型22を上記のよ
うに各構成部品が供給された下型23に対して図8に示
すように加熱加圧することにより成形キャビティ21内
にてシール部品7の中間体が形成される。このとき、P
TFEシート24の片面にゴム状弾性体52が被覆さ
れ、この内径端にPTFEシート24の内径端部を越え
て上型22の凹部22Bにて断面半円状のゴムガスケッ
ト部9が形成される。
【0078】このように、平面部26上でPTFEシー
ト24とゴム生地25が結合されるので、ずれ、バリな
ど発生なく安定した成形ができる。
【0079】そして、シール部品7の中間体の内,外径
側を図8中の二点鎖線の部分を切断することにより、図
9に示すPTFEリップ4と薄肉のゴム状弾性体52,
ゴムガスケット部9から成る複合シールタイプのシール
部品7が完成する。
【0080】次に、スリーブ部品8の成形について図4
を参照しつつ説明する。すなわち、スリーブ11のプレ
ス工程にて外向きフランジ部11Aを有する断面L字状
とする。このプレス工程のときに円筒部11Bの端部に
R状突起10を形成する。そして、このスリーブ11の
R状突起10の内周部を含めた円筒部11Bの内周面お
よび外向きフランジ部11Aの外側端面ならびに外周面
に、例えば図示しない成形型により、軸方向外向きのフ
ランジ部12Cを有するゴム状弾性体12を一体的に連
続して焼付け固定することによって図4に示すスリーブ
部品8が完成する。
【0081】そして、上記したように成形されたシール
部品7とスリーブ部品8を組み合わせることにより密封
装置1が完成する。そこで、シール部品7とスリーブ部
品8との組立てについて図3に基づいて説明する。
【0082】まず、シール部品7は、平面ワッシャ状の
複合シールタイプのリップ部13の内径を、PTFEリ
ップ4およびゴムガスケット部9がスリーブ部品8のス
リーブ11のリップ摺動面11Cに摺接可能としなけれ
ばならないので、リップ摺動面11Cの内径より小径と
なるように設定されている。
【0083】シール部品7が上記のように加硫成形(一
次加硫)直後にスリーブ部品8を図3中矢印方向に挿入
する。このように差し込むことでスリーブ部品8のR状
突起10がPTFEリップ4に当接し、さらに差し込む
ことでリップ部13の内径部が押し広げられ、図3中点
線のようにリップ部13がリップ状に曲げられる。この
曲げられた状態でPTFEリップ4の端面およびゴムガ
スケット部9の端面がスリーブ11の外向きフランジ部
11Aの端面に当接するまでスリーブ部品8を差し込む
ことにより、シール部品7とスリーブ部品8とが組立て
られ、この組立状態で加温(二次加硫)し、完全にリッ
プ部13の曲げ成形を完了させる(図9点線部参照)。
これにより、密封装置1の製造が完了する。
【0084】尚、シール部品7が冷却されてからでも、
スリーブ部品8は挿入できるが、やや固く力を要する。
これに対し、加熱するか、一次加硫直後の温かい状態で
は、モジュラスがかなり低いため、スリーブ部品8の挿
入が容易である。
【0085】また、リップ部13の曲げ成形において
は、PTFEリップ4の背面側に密着しているゴム状弾
性体52の肉厚が影響するため、リップ部13の曲げ成
形を容易化する上でゴム状弾性体52の肉厚は最小化す
ることが望ましい。
【0086】上記したように、組立治具等を用いること
なく、シール部品7にスリーブ部品8を差し込むだけ
で、リップ部13の曲げ加工と同時に組み合わせができ
るので、製作が容易で、かつ工数が少なくて済む。ま
た、従来技術においては、スリーブ端部においてカシメ
を行っていたが、本実施例においてはスリーブ11のプ
レス工程にて既にR状突起10をプレス加工済であるの
で、組立後何もしなくても良いので、従来技術で示した
カシメ治具を用いなくても良い。
【0087】また、スリーブ部品8のスリーブ11の端
部はR状突起10となっているので、シール部品7のリ
ップ部13の摺動面にダメージ(傷等)を与えることな
く、リップ部13の曲げ成形、組立てが可能であり、さ
らにシール部品7が抜けることなく充分な一体化された
状態を維持でき、必要時はR状突起10は滑らかである
ため、リップ部13の摺動面を傷つけることなく高荷重
で引き抜くことで取り外し分解、そして差し込むことで
再使用することができる。
【0088】また、PTFEリップ4の片面にゴム状弾
性体52およびゴムガスケット部9が被覆された状態
で、すなわち一体化された複合状態でスリーブ部品8に
組み付けるようになっているため、PTFEリップ4と
ゴム状弾性体52およびゴムガスケット部9との位置決
めが不要で、かつそれぞれのスリーブ部品8のスリーブ
11のリップ摺動面11Cに対する位置決めが容易に行
なうことができることから、位置決めが確実に行なわれ
る。その結果、シール性能が安定する。
【0089】そして、密封装置1のシール部品7のリッ
プ部13のPTFEリップ4およびゴムガスケット部9
には、ねじ溝15および16が形成されているので、以
下にねじ溝15、16の成形について説明する。
【0090】シール部品7のPTFEリップ4およびゴ
ムガスケット部9は、上記したように平面ワッシャ状の
PTFEシート24およびゴム生地25が載置される第
1下型23Aの平面部26のPTFEシート24の載置
部に凸状のねじ突起29を設け、ゴムガスケット部9の
位置に凹状のねじ凹部30を設ける。
【0091】そして、ゴム生地25の加硫成形時におい
て、ゴム成形圧にてPTFEシート24の面にねじ突起
29が転写されてねじ溝15が成形され、ゴム生地25
が成形型20における上型22の凹部22Bと第1下型
23Aの平面部26のねじ凹部30に流れることにより
ゴムガスケット部9にねじ溝16が成形されることにな
る。
【0092】このように、平面部26上でねじ溝15、
16を形成するため、ずれ、バリなど発生なく、安定し
た成形ができる。
【0093】また、ねじ溝加工上においても平面部2
6、すなわち平坦面上にねじ突起29又はねじ凹部30
を加工するため、ねじ溝加工が容易である。従って、図
6に示した各種ねじ溝15、16のパターンを容易に加
工することができる。
【0094】図10および図11には、本発明の第2お
よび第3実施例に係る密封装置が示されており、この第
2、第3実施例は上記第1実施例において、クリアラン
ス14の部分のラビリンス構造を改良してラビリンス効
果の向上を図ったものである。
【0095】すなわち、スリーブ部品8のゴム状弾性体
12のフランジ部12Cをゴム状弾性体12Bの外周面
より小径の位置として段差を設け、第2実施例において
は径方向内向きフランジ部31Aを有する断面L字状の
組立環31をシール部品7の大気側Aに組立てて、内向
きフランジ部31Aの先端とゴム状弾性体12のフラン
ジ部12Cの外周面との間にさらにクリアランス14A
を形成したものである。
【0096】一方、第3実施例においては、第2実施例
の組立環31の内向きフランジ部31Aの先端をゴム状
弾性体12のフランジ部12Cの外周面および大気側A
端面に沿ってそれぞれ微小間隙を有して延ばした形状の
組立環31’として、その組立環31’の部分とフラン
ジ部12Cの外周面および大気側A端面の間にクリアラ
ンス14Bを形成したものである。
【0097】尚、第2、第3実施例の密封装置におい
て、その他の構成および作用については第1実施例と同
一なので、同一の構成部分については同一の符号を付し
て、その説明は省略する。
【0098】図12には、本発明の第4実施例に係る密
封装置が示されており、本実施例はスリーブ部品8を金
属環単体のスリーブ11’として、スリーブ部品8の固
定力の向上、回転軸3への熱伝導性の向上を図ったもの
である。その他の構成および作用については上記各実施
例と同一なので、同一の構成部分については同一の符号
を付して、その説明は省略する。
【0099】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、上記構
成の密封装置にあっては、ゴム状弾性体を樹脂製シール
リップのリップ先端を越えてゴム状弾性体の先端がスリ
ーブの外周面に摺動自在に密封接触するようになってい
るので、そのゴム状弾性体のゴム特性により、樹脂製シ
ールリップの欠点である傷、追随性遅れ、静的密封性を
補うことができる。
【0100】特に上記のようにゴム状弾性体の先端をス
リーブの外周面に密封接触させているため、静的密封性
の向上を図ることができる。
【0101】また、ゴム状弾性体は上記のように樹脂製
シールリップのリップ先端を越えて設けられているの
で、樹脂製シールリップとゴム状弾性体との複合シール
タイプのシール本体におけるシール性の向上を図ること
ができる。
【0102】そして、スリーブの密封流体側端部に突起
を設けているので、環状のシール本体が抜けることがな
く、充分な一体化された組立状態を維持できる。また突
起は滑らかな形状であるので、何らかの必要性において
分解する場合、樹脂製シールリップおよびゴム状弾性体
のスリーブとの摺動面を傷つけることなく、力を加えて
軸方向に引っ張ればシール本体とスリーブを分離するこ
とができる。もちろん組付け時においても同様に樹脂製
シールリップおよびゴム状弾性体のスリーブとの摺動面
を傷つけることなく、力を加えて軸方向に差し込むこと
で組み付けることができる。
【0103】さらに、樹脂製シールリップおよびゴム状
弾性体のうち少なくとも一方のスリーブとの摺動面にね
じ溝を設けることにより、ねじ溝によるポンピング作用
の効果により、さらにシール性の向上を図ることができ
る。
【0104】そして密封装置の製造方法にあっては、平
面ワッシャ状の樹脂材の片面にゴム状弾性体が被覆され
たシール本体の中間体、いわゆる平面ワッシャ状のシー
ル本体の中間体を、スリーブに差し込むことによって前
記樹脂材の内径部を押し広げてリップ状に曲げてゴム状
弾性体が被覆された樹脂製シールリップを形成すると同
時にシール本体とスリーブとを組み合わせている。この
ように、従来技術で示した治具を用いることなくシール
本体の中間体をスリーブに差し込むだけで、ゴム状弾性
体が被覆された樹脂製シールリップの曲げ加工と組み合
わせが同時にできるので、製作が容易で、かつ工数が少
なくて済む。
【0105】また、樹脂材の片面にゴム状弾性体が被覆
された状態で、すなわち一体化された状態でスリーブに
組み付けるようになっているので、樹脂製シールリップ
とゴム状弾性体との位置決めが不要で、かつそれぞれの
スリーブの外周面に対する位置決めが容易に行なうこと
ができ、これにより位置決めが確実に行なわれる。その
結果、シール性能が安定する。
【0106】また、平面ワッシャ状の樹脂材およびその
樹脂材の片面に被覆されたゴム状弾性体にスリーブとの
摺動面にねじ溝を形成するようにしたので、成形型にお
いては平坦面にねじ溝を加工することになるため、その
ねじ溝加工は容易となる。従って、いろいろな種類のね
じ溝パターンを容易に加工することができる。
【0107】さらに、スリーブの密封流体側端部に滑ら
かな突起を設けているので、上記したスリーブの挿入、
組立てがスムーズにでき、また上記密封装置において説
明したように、シール本体が抜けることなく充分な一体
化された組立状態を維持できると共に、樹脂製シールリ
ップおよびゴム状弾性体のスリーブとの摺動面を傷つけ
ることなく、分解,再組付けを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例に係る密封装置の取
付け状態を示す断面図である。
【図2】図2は本発明の第1実施例に係る密封装置の半
断面図である。
【図3】図3はシール部品とスリーブ部品の組立工程を
示す半断面図である。
【図4】図4はスリーブ部品の半断面図である。
【図5】図5(a)はシール部品のねじ溝状態を説明す
る半断面図であり、同図(b)は同図(a)の要部拡大
図である。
【図6】図6(a)はシール部品の半断面図であり、同
図(b)乃至(d)は各種ねじ溝形状の態様を示す平面
図である。
【図7】図7は本発明の第1実施例に係る密封装置の製
造方法を示すもので、シール部品の成形において成形型
に対し加圧前の部品供給状態を示す半断面図である。
【図8】図8はシール部品の成形(加圧)状態を示す半
断面図である。
【図9】図9は成形後のシール部品を示す半断面図であ
る。
【図10】図10は本発明の第2実施例に係る密封装置
の半断面図である。
【図11】図11は本発明の第3実施例に係る密封装置
の半断面図である。
【図12】図12は本発明の第4実施例に係る密封装置
の半断面図である。
【図13】図13は従来の密封装置の半断面図である。
【図14】図14は従来の密封装置の断面図である。
【図15】図15は従来の密封装置のシール本体の製造
方法を示しており、同図(a)はゴム状弾性体製リップ
と樹脂製シールリップの接合工程の要部断面図であり、
同図(b)は上型の開放工程の要部断面図であり、同図
(c)は樹脂製シールリップの曲げ工程の要部断面図で
あり、同図(d)は成形品の排出工程の要部断面図であ
る。
【図16】図16は従来の密封装置の製造方法において
スリーブにシール本体を挿入する工程を示す断面図であ
る。
【図17】図17は図16の挿入工程後であってカシメ
前を示す断面図である。
【図18】図18はカシメ工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 密封装置 2 ハウジング 3 回転軸 4 PTFEリップ(樹脂製シールリップ) 5、51、52、53 ゴム状弾性体 6 補強環 61 内向きフランジ部 62 円筒部 7 シール部品(シール本体) 8 スリーブ部品 9 ゴムガスケット部 10 R状突起(滑らかな突起) 11、11’ スリーブ 11A 外向きフランジ部 11B 円筒部 11C リップ摺動面 12、12A、12B ゴム状弾性体 12C フランジ部 13 リップ部 14、14A、14B クリアランス 15、16 ねじ溝 20 成形型 21 成形キャビティ 22 上型 22A 凸部 22B 凹部 23 下型 23A 第1下型 23B 第2下型 24 PTFEシート(樹脂材) 25 ゴム生地 26 平面部 27 段差部 28 周壁 29 ねじ突起 30 ねじ凹部 31、31’ 組立環 31A 内向きフランジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−220269(JP,A) 特開 平3−234977(JP,A) 特開 平4−157264(JP,A) 特開 平2−46371(JP,A) 実開 平2−59367(JP,U) 実開 平3−85761(JP,U) 実開 平2−93569(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製シールリップゴム状弾性体を介し
    て補強環に固定される環状のシール本体と、 該シール本体の内側に組み付けられ、外周に前記樹脂製
    シールリップが摺動自在に密封接触されるスリーブと、
    を備えた密封装置において、スリーブの密封流体側端部に滑らかな突起を設けると共
    に、 前記ゴム状弾性体の先端を、前 記樹脂製シールリップの
    リップ先端を越えて前記スリーブの外周面に摺動自在に
    密封接触させたことを特徴とする密封装置。
  2. 【請求項2】樹脂製シールリップおよびゴム状弾性体の
    うち少なくとも一方の摺動面にねじ溝を設けたことを特
    徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 【請求項3】平面ワッシャ状の樹脂材の片面にゴム状弾
    性体を被覆してシール本体の中間体を成形し、 該ゴム状弾性体が被覆された樹脂材の内周部に、密封流
    体側端部に滑らかな突起が設けられたスリーブを差し込
    み、該スリーブによって前記樹脂材の内径部を押し広げ
    てリップ状に曲げてゴム状弾性体が被覆された樹脂製シ
    ールリップを形成すると同時にシール本体とスリーブと
    を組み合わせたことを特徴とする密封装置の製造方法。
  4. 【請求項4】平面ワッシャ状の樹脂材および該樹脂材の
    片面に被覆されたゴム状弾性体のうち少なくとも一方の
    スリーブとの摺動面にねじ溝を形成することを特徴とす
    る請求項に記載の密封装置の製造方法。
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