JP3247182B2 - 伸びフランジ特性に優れた高耐食性、高加工性高張力冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
伸びフランジ特性に優れた高耐食性、高加工性高張力冷延鋼板およびその製造方法Info
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Description
す)が40kgf/mm2 以上であり、かつ延性なかでも伸び
フランジ特性に優れた高耐食性・高加工性の冷延鋼板お
よびその製造方法に関する。
張力の冷延鋼板は、例えば自動車工業においては安全性
の向上、軽量化による燃費軽減の観点から、さらに溶融
亜鉛めっき鋼板としては防錆性向上の観点からその要求
が高まりつつあり、また建材関係の使途においても部材
の薄肉化に伴うコスト低減の観点から要求がある。また
かかる高張力鋼板は、上記のような用途において、所望
の加工性をも満足すべきことは言うまでもない。
て、例えば特開昭57−63634号、同56−134
37号各公報の如く高Mn−Si鋼を素材として製造す
る方法があるが、この方法は、高張力化については主と
して固溶強化に頼っているために高強度化に有利なSi
を多量に添加することから、表面性状、化成処理性また
めっき性で問題を生じるうれいがあった。
ことが深絞り性を高くするために必要である。しかし、
r値を高くしながらTSを高くするためには、鋼を極低
C化するなどの手法をとる必要があり、コストアップと
なっていた。
が40kgf/mm2 以上の高張力冷延鋼板およびその製造方
法に関し、従来の技術が抱えていた問題を解消して、次
の条件にかなう伸びフランジ特性に優れた高張力冷延鋼
板およびその製造方法を提案することをその目的とす
る。 (1)通常の低C鋼を用いる。 (2)延性、なかでも伸びフランジ特性を改善する。 (3)摺動性を改善し良好な加工性を得る。 (4)通常のめっきによらず耐食性を改善する。
題点を解決すべく、種々の成分系の鋼および種々の製造
条件についてその材質と組織さらには鋼板の表面処理と
を総合的に調査した結果、第2相分率(主としてパーラ
イト)を少なくして再結晶フェライト組成とし、かつそ
の組織を均一微細粒とした場合に極めて優れた伸びフラ
ンジ特性がえられること、さらにかような望ましい組織
は、主として鋼成分組成と冷間圧延条件・焼なまし条件
とを最適化し組み合わせて得られることを知見した。
を補うのに粉末状潤滑剤を含む固形潤滑被膜を形成させ
ることが有効で、かつ加工後の塗装工程での塗装性を確
保するため潤滑被膜を塗布する前に、アルカリ溶出性ク
ロムが5mg/m2 以下となるクロメート層を形成させ
ることが有効であることを見出した。
である。すなわち、本発明の第1の態様によれば、C:
0.03〜0.15wt%、Si:0.05wt%以
下、Mn:0.50〜1.20wt%、Nb:0.00
5〜0.045wt%、Al:0.005〜0.100
wt%、S:0.010wt%以下を含有し、残部は鉄
および不可避的不純物の組成になり、平均結晶粒径20
μm以下の均一微細な再結晶フェライト組織が面積率9
5%以上である組織を有する鋼板の表面に、付着量が金
属Cr換算で40〜200mg/m2 でかつアルカリ溶
出性Cr分が5mg/m2 以下であるクロメート処理層
と、その上層に付着量が0.1〜5.0g/m2 で、か
つ無機潤滑粒子および/または有機潤滑粒子をそれぞれ
0.05〜30wt%、0.05〜20wt%、合計で
0.05〜40wt%含有する固形潤滑被膜層を形成し
てなる、伸びフランジ特性に優れた高耐食性、高加工性
高張力冷延鋼板が提供される。
ート処理層または塗布型クロメート処理層であり、前記
固形潤滑被膜の基体がアルカリ可溶性のプレコートワッ
クスまたはアクリル共重合体樹脂であるのが好ましい。
また、前記無機潤滑粒子が平均粒径20μm以下の二硫
化モリブデンおよび/または窒化ホウ素粉末であり、前
記有機潤滑粒子が平均粒径20μm以下でかつ融点が7
0℃以上のワックスであるのが好ましい。
組成の鋼を連続鋳造法によりスラブとした後、熱間圧
延、さらに50%以上の冷延圧下率で冷延圧延を行った
後、連続焼鈍法により720℃〜780℃の温度範囲で
20〜60s保持する焼きなましを行って冷延鋼板と
し、さらに脱脂、洗浄、乾燥処理した冷延鋼板に、付着
量が金属Cr換算で40〜200mg/m2 でかつアル
カリ溶出性Cr分が5mg/m2 以下であるクロメート
処理層を形成したのち、その上層に無機潤滑粒子および
/または有機潤滑粒子をそれぞれ0.05〜30wt
%、0.05〜20wt%、合計で0.05〜40wt
%含有する固形潤滑被膜層を付着量が0.1〜5.0g
/m2 となるように塗布することを特徴とする、伸びフ
ランジ特性に優れた高耐食性、高加工性高張力冷延鋼板
の製造方法が提供される。
電解型クロメート処理とそれに引き続く80〜250℃
の乾燥によるもの、あるいは前記クロメート処理層の形
成が、塗布型クロメート処理とそれに引き続く100〜
250℃の乾燥とさらにクロメート安定化処理によるも
のであるのが好ましい。
の発明の鋼板につき、成分組成を上記の範囲に限定した
理由を説明する。
成分として最も有効であり、また安価でもあるので望ま
しい成分であるが、0.15%を超えて添加した場合に
は、パーライト等の第2相の分率が顕著に増加して、延
性なかでも伸びフランジ特性の劣化が著しい。また溶接
性の劣化も顕著となる。一方、Cの添加量が0.03%
に満たないと、他の成分を添加しても十分なT.S.を
得ることができない。したがって0.03〜0.15%
の範囲とした。
化に有効であり、しかも延性の劣化に対しては悪影響が
少ないため、機械的性質の面からは多量に添加したい成
分であるが、スケールの性状が変化して表面性状を著し
く劣化させることから、美麗な表面を得るには0.05
%以下とする必要がある。
固溶強化能はC,Si等には及ばないものの有効な強化
成分である。またMnは、パーライトの過剰な生成およ
び粗大化を抑え、結晶値を微細にする作用がある。これ
らの作用を発揮させるためには、Mnの0.5%以上の
添加が必要である。一方、Mnを1.2%を超えて添加
すると強化の作用は飽和する上、第2相の分布が層状に
連結する傾向を示すために伸びフランジ特性が劣化し、
また再結晶挙動にも影響を及ぼし安定な製造が困難とな
る。したがって0.5〜1.2%の範囲とする。
の添加および添加量の制御はこの発明の重要な要件の一
つである。この発明においては、Nbの添加効果もあっ
て最終的に極めて微細かつ均一な再結晶フェライト組織
を得ることにより強度と延性なかでも伸びフランジ特性
とを改善している。Nbはおそらく炭窒化物として析出
することで上述の望ましい効果をもたらすと考えられる
が、その詳細は不明である。このような望ましい効果
は、Nb量にして0.005%以上を添加しないと得ら
れない。また0.045%を超えて添加してもその効果
が飽和するので非経済的といえる。さらに過剰な添加
は、鋼が顕著に硬化することで安定な製造も困難とす
る。したがって0.005〜0.045%の範囲とし
た。
分としてまた鋼の清浄化のためにも添加が不可欠であ
る。このためにはAlは少なくとも0.005%添加す
るのが好ましい。しかし0.10%超えて添加された場
合、アルミナクラスター等による表面欠陥のトラブルを
生じる危険性が高い。したがって0.10%以下とす
る。
不純物成分としてN,OおよびSをそれぞれ0.005
0%、0.0070%および0.010%まで許容でき
る。なかでもSは、低減させることで伸びフランジ特性
が顕著に向上する。かかる程度は、T.S.が45kgf/
mm2 を超えるような、より高強度側で顕著となる。した
がって高強度になればなるほど、Sの低減が有利であ
る。おおむね0.010%以下とすれば良好な特性とな
る。
鋼板の特性で目的とするところは既述のとおり延性、と
りわけ伸びフランジ特性の改善である。かかる特性は、
第2相分率(主としてパーライト)を少なくして再結晶
フェライト分率を95%以上とし、かつその組織を平均
20μm以下の均一微細粒とした場合に極めて優れた伸
びフランジ特性が得られる。
パーライト(特に粗大なもの)の分率が多いほど不利で
あり、また再結晶フェライト組織が不均一であったり、
粗大であったりすると同様に不利となり望ましくない。
そのため再結晶フェライト分率は95%以上、また再結
晶フェライトの平均結晶粒径が20μm以下とした。
べる。溶製から熱間圧延までの工程では特に制限するこ
となく通常行われている方法に従い製造することができ
る。代表的な熱間圧延条件の例としては加熱温度128
0〜1180℃、熱間圧延仕上温度900〜800℃、
巻取温度650〜500℃が挙げられる。
い方が再結晶焼鈍後の組織を微細化するには有利であ
る。このようなことを考慮して冷間圧下率はその下限を
50%とした。しかし必要以上に冷間圧下率を高くする
ことは、材質面では害がないものの熱延母板厚の増大等
の問題をもたらす。
まし温度は、720〜780℃とする。720℃より低
温では、再結晶が十分に進行せず伸びの低下、伸びフラ
ンジ性の低下などで満足すべき材質が得られない。また
780℃を超えると粒成長による軟化が進行して望まし
くない。この発明では、Nbを添加しているためNbの
炭窒化物が再結晶粒の異常な粒成長を抑制し、したがっ
て比較的広い温度範囲で均一かつ微細な再結晶フェライ
ト粒組織を得ることができる。
0であってもよいが、材質の安定性の面では20s以上
行った方が有利である。一方60sを超えると異常粒成
長による材質劣化を生じる可能性があるので20〜60
sとした。
は、部材成型後の強度として原板の降伏応力が最も重要
であるため、成型性は多少犠牲にしても降伏比(Y.
R.)が70%以上あることが望まれる場合があり、こ
のような高強度と適正な降伏比を得るためには焼きなま
しに引き続く冷却過程では、少なくとも700〜500
℃の温度範囲において冷却速度20℃/s以上の急冷を
行うことが好ましい。
および固形潤滑被膜層の作用について述べる。
を確保しかつ耐食性を向上させる効果があるが、金属ク
ロム換算で40mg/m2 未満の付着量ではその効果が
十分でなく、200mg/m2 を超える付着量ではそれ
らの効果が飽和し経済的でないので40〜200mg/
m2 の範囲に限定した。
ムが5mg/m2 を超えると、塗装前処理である化成処
理液へのクロム溶出によって化成処理液を劣化させる危
険性があるため、アルカリ溶出性クロムを5mg/m2
以下に限定した。
ためには、電解クロメート処理の場合はそれに引き続き
80〜250℃の乾燥によるのが良く、塗布型クロメー
ト処理の場合はそれに引き続き100〜250℃の乾燥
とその後のクロメート安定化処理によるのがよい。それ
ぞれの乾燥を下限温度以上とするのは、クロメート皮膜
中のCr6+をCr3+に還元し固定するために必要だから
であり、上限温度以下とするのは、それを超えてもクロ
ム固定率の向上に寄与せず、エネルギー的に不利となる
からである。塗布型クロメート処理の乾燥後の安定化処
理としては、例えばH2 O2 水溶液やエタノール水溶液
による洗浄が挙げられるが、それらに限定するものでは
ない。
層は、プレコートワックスまたはアクリル樹脂共重合体
を主成分とした被膜に無機潤滑粒子および/または有機
潤滑粒子を含む固形潤滑被膜層である。
ブデン、窒化ホウ素粉末の1種または2種の混合物が用
いられる。
果が少なく、過剰では潤滑被膜の粘度を上げ塗布作業に
不都合を生じるため0.05〜30wt%に限定した。
分散性が悪く塗布後の均一性が低下し、加工性を低下さ
せるため、平均粒径20μm以下に限定した。
ス、いずれを用いてもよいが、融点70℃未満のワック
スではベースワックス中への分散が困難でか、極圧状態
での粘性が小さく潤滑効果が十分でないため融点70℃
以上に限定した。
滑粒子と同様な理由により、それぞれ0.05〜20w
t%、平均粒径20μm以下に限定した。
する場合は、添加量の限界は40wt%までに上昇する
が、それ以上では塗布作業に不都合を生じるため0.0
5〜40wt%までに限定した。
する。 (実施例)表1に示す種々の成分組成になる鋼スラブを
常法に従って溶製、鋳造した。これらの鋼スラブに表2
に示す条件にて熱間圧延、冷間圧延次いで連続焼鈍ライ
ンにおいて焼なましを行った。
ランジ特性に対応するサイドベンド伸び特性について測
定し、評価した結果を表3に示す。なお引張試験は、J
IS5号試験片にて評価した。またサイドベンド伸び特
性については、幅40mm、長さ170mm、厚さ0.
8mmの短冊状の試験片を、特に作製時のせん断に当た
って適正なクリアランスとなるよう配慮しかつエメリー
紙でせん断面を仕上げて試験に供し、面内曲げ変形させ
て、クラック発生直後のフランジ部の伸びで評価した。
また、円筒深絞りによりLDRも評価した。
あれば、高強度(T.S.≧40kgf/mm2 )にもかかわ
らず、良好な伸び(El.)とサイドベンド伸び(すな
わち伸びフランジ特性)が得られている。
ンプル板を切り出し、アルカリ脱脂、水洗乾燥→電解ク
ロメート処理、水洗乾燥またはロールコーターによる塗
布型クロメート塗布・乾燥→固形潤滑被膜塗布(浸漬
法)の一連の処理を行ない、試料を作製した。
ート安定化処理条件、表5には固形潤滑被膜組成および
塗布量をそれぞれ示した。使用したクロメート、無機潤
滑剤、有機潤滑剤および固形潤滑被膜剤は以下の通りで
ある。
後水洗乾燥する 液組成:CrO3 30g/l、Na2 SiF6 1g
/l 電解条件:電流密度5A/dm2 、電解時間8秒(40
mg/m2 )電解1 10A/dm2 、電解時間8秒(80mg/m2 )電解2 10A/dm2 、電解時間12秒(120 mg/m2 )電解3 10A/dm2 、電解時間16秒(160 mg/m2 )電解4 ( )内目標目付量 塗布型クロメートA:シリカ無添加 4513H(日本
パーカライジング社製) 塗布型クロメートB:シリカ添加 コスマー150
(関西ペイント社製)
カオールーブW2(花王株式会社製)をベースとし、6
0℃に加温溶解させ、これに無機潤滑粉および/または
有機潤滑粉を添加混合し表4の割合に調合した溶融ワッ
クス中に60℃に加温した前記鋼板(150×220m
m)を浸漬・引上げ空冷、乾燥処理した。
燥速度を調整することにより任意に調整した。なお、塗
布量は塗布前の板の重量と塗布後の板の重量差から測定
した。また潤滑粉は事前にボールミルで粉砕し、任意に
粒度調整して用いた。粒度の測定はガラス板上に該潤滑
被膜を形成させ、直接光学顕微鏡観察することによって
測定した。
溶出性高分子潤滑被膜剤ミルボンドMC−560J(日
本油脂株式会社製)をベースとし、これに無機潤滑粉お
よび/または有機潤滑粉を添加混合して、表4の組成に
調整したものを用いた。
っては長時間の均一分散は困難であるものもあったが、
強撹拌後直ちに鋼板を浸漬・塗布乾燥することによって
均一分散させた被膜が得られた。乾燥は80℃の熱風乾
燥とし、塗布量の調整は塗料溶液への水添加量を変える
ことによって調整した。塗布量の測定、潤滑粉の調整は
前記と同様である。
用いた。 ワックス1 サンノプコ社製 SNワックス22−SF ワックス2 サンノプコ社製 SL506 ワックス3 安原油脂工業社製 アローワックス ワックス4 同上ワックスの粉砕時間を短くしたもの ワックス5 日本石油社製 POワックスH−10
チ径33mmφの円筒絞り試験による限界絞り比で評価
した。
鋼板を70×150mmに切断した各3枚を脱脂・洗浄
・乾燥した後、塩水噴霧試験(5%NaCl、35℃、
500時間)を行ない、試験片表面の最大侵食深さを測
定して評価した。 ◎:最大侵食深さで0.05mm以下 ○:0.05〜0.1mm △:0.1〜0.5mm ×:0.5mm以上
鋼板70×150mm各10枚を脱脂、表面調整、化成
処理の標準条件での前処理を行なった後、日本ペイント
社製パワートップU−600を塗装電圧200Vで20
μm電着塗装して外観を目視判定した。 脱脂液(日本パーカライジング社製 FC4460) 表面調整液(日本パーカライジング社製 PL404
0) 化成処理液(日本パーカライジング社製 PBL302
0) また、上記塗装鋼板5枚にカッターナイフを用いてクロ
スカットを入れた後複合サイクル腐食試験を行なった
後、クロスカット部の塗膜ふくれ幅および最大侵食深さ
を測定して評価した。 腐食試験サイクル:塩水噴霧(5%NaCl、35℃、
6hr)→50℃、2hr乾燥→RH95%、50℃、
15hr(湿潤雰囲気)→自然乾燥1hr、本サイクル
を15サイクル行なった。なお、アルカリ可溶性クロム
の測定はアルカリ脱脂液(FC4460)60℃中にク
ロメート処理後の試験片を5分間浸漬し、その前後のC
r付着量を蛍光X線分析で測定して求めた。 ○:最大ふくれ幅1mm未満 △:1〜3mm ×:3mm以上 ◎:最大侵食深さ0.05mm未満 ○:0.05〜0.1mm △:0.1〜0.3mm ×:3mm以上 これらの評価試験結果を表6に示す。
明鋼はいずれも優れた機械的性質、加工性、耐食性、塗
装性を示す。これに対して比較例A−1はクロメート付
着量不足のため十分な耐食性、塗装性が得られていな
い。
中の潤滑粉が不足のため十分な加工性が得られていな
い。比較例K−1はクロメート層中のアルカリ溶出性ク
ロムが多いため、塗装性が劣化している。比較例L−
1,M−1,M−2,N−1,N−2,O−1,O−2
は潤滑剤が過剰または過大であるため均一塗布ができ
ず、また加工中の被膜の脱落等のため十分な加工性が得
られず、かつ塗装前処理でも均一にならないため塗装性
も劣化している。比較例P−1はワックスの融点が低い
ため十分な加工性が得られない。
な機械的性質が得られていないが、クロメート、樹脂処
理を施しても十分な加工性、耐食性、塗装性は得られて
いない。
加工性、耐食性に優れた高張力鋼板を簡便なクロメート
処理+潤滑処理によって製造できるため、より低コスト
で優れた材料を供給できる効果がある。また、従来、耐
食性向上のために施すめっきは鋼板のリサイクルをし難
しくする問題を有してしたが、本発明のようなクロメー
ト処理+潤滑処理ではリサイクル性を全く損なわないた
め、リサイクルを促進する効果もある。
Claims (8)
- 【請求項1】C:0.03〜0.15wt%、 Si:0.05wt%以下、 Mn:0.50〜1.20wt%、 Nb:0.005〜0.045wt%、 Al:0.005〜0.100wt%、 S:0.010wt%以下 を含有し、残部は鉄および不可避的不純物の組成にな
り、平均結晶粒径20μm以下の均一微細な再結晶フェ
ライト組織が面積率95%以上である組織を有する鋼板
の表面に、付着量が金属Cr換算で40〜200mg/
m2 でかつアルカリ溶出性Cr分が5mg/m2 以下で
あるクロメート処理層と、その上層に付着量が0.1〜
5.0g/m2 で、かつ無機潤滑粒子および/または有
機潤滑粒子をそれぞれ0.05〜30wt%、0.05
〜20wt%、合計で0.05〜40wt%含有する固
形潤滑被膜層を形成してなる、伸びフランジ特性に優れ
た高耐食性、高加工性高張力冷延鋼板。 - 【請求項2】クロメート処理層が電解型クロメート処理
層または塗布型クロメート処理層である請求項1に記載
の伸びフランジ特性に優れた高耐食性、高加工性高張力
冷延鋼板。 - 【請求項3】前記固形潤滑被膜の基体がアルカリ可溶性
のプレコートワックスまたはアクリル共重合体樹脂であ
る請求項1または2に記載の伸びフランジ特性に優れた
高耐食性、高加工性高張力冷延鋼板。 - 【請求項4】前記無機潤滑粒子が平均粒径20μm以下
の二硫化モリブデンおよび/または窒化ホウ素粉末であ
る請求項1〜3のいずれかに記載の伸びフランジ特性に
優れた高耐食性、高加工性高張力冷延鋼板。 - 【請求項5】前記有機潤滑粒子が平均粒径20μm以下
でかつ融点が70℃以上のワックスである請求項1〜4
のいずれかに記載の伸びフランジ特性に優れた高耐食
性、高加工性高張力冷延鋼板。 - 【請求項6】請求項1に記載の化学組成の鋼を連続鋳造
法によりスラブとした後、熱間圧延、さらに50%以上
の冷間圧下率で冷間圧延を行った後、連続焼鈍法により
720℃〜780℃の温度範囲で20〜60s保持する
焼きなましを行って冷延鋼板とし、さらに脱脂、洗浄、
乾燥処理した冷延鋼板に、付着量が金属Cr換算で40
〜200mg/m2 でかつアルカリ溶出性Cr分が5m
g/m2 以下であるクロメート処理層を形成したのち、
その上層に無機潤滑粒子および/または有機潤滑粒子を
それぞれ0.05〜30wt%、0.05〜20wt
%、合計で0.05〜40wt%含有する固形潤滑被膜
層を付着量が0.1〜5.0g/m2 となるように塗布
することを特徴とする、伸びフランジ特性に優れた高耐
食性、高加工性高張力冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項7】前記クロメート処理層の形成が、電解型ク
ロメート処理とそれに引き続く80〜250℃の乾燥に
よるものである請求項6に記載の伸びフランジ特性に優
れた高耐食性、高加工性高張力冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項8】前記クロメート処理層の形成が、塗布型ク
ロメート処理とそれに引き続く100〜250℃の乾燥
とさらにクロメート安定化処理によるものである請求項
6に記載の伸びフランジ特性に優れた高耐食性、高加工
性高張力冷延鋼板の製造方法。
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JP5085993A JP3247182B2 (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 伸びフランジ特性に優れた高耐食性、高加工性高張力冷延鋼板およびその製造方法 |
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JPH06264262A JPH06264262A (ja) | 1994-09-20 |
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1993
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