JP3246097B2 - アンチスキッド制御装置の異常検出装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置の異常検出装置

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JP3246097B2
JP3246097B2 JP18621193A JP18621193A JP3246097B2 JP 3246097 B2 JP3246097 B2 JP 3246097B2 JP 18621193 A JP18621193 A JP 18621193A JP 18621193 A JP18621193 A JP 18621193A JP 3246097 B2 JP3246097 B2 JP 3246097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制動時のブレーキ圧を
制御して車輪のロック状態発生を防止する車両のアンチ
スキッド制御装置の異常検出装置に関するものであり、
特に各輪のブレーキに供給される作動液圧を制御するた
めに設けられた複数のチャンネルの電磁弁や,その夫々
のソレノイドを駆動する駆動回路等の異常を各チャンネ
ルを限定して検出するのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来のアンチスキッド制御装置(単にA
BSとも記す)は種々のものが開発されているが、その
基本的な構成は,各車輪に設けられているホイルシリン
ダとマスタシリンダとの間に、流入弁,流出弁,加圧ポ
ンプ等を備えたアクチュエータを介装し、このアクチュ
エータを作動させることによって当該ホイルシリンダに
作用する作動液圧を増減圧し、これによりブレーキ圧,
即ち制動力を制御する。その際,車輪速と車速とを検出
又は算出し、両者から得られるスリップ率が所定の範囲
内になるための車輪速又は車速を求め、この車輪速又は
車速を達成するように前記制動力を制御して,十分な減
速度を得ながら車輪のロックを確実に防止するようにし
たものが多い。
【0003】さて、前記アクチュエータに備えられた流
入弁,流出弁,加圧ポンプ等は夫々コントローラからの
信号によって制御される。即ち,流入弁や流出弁はコン
トローラからの信号によって電磁弁のソレノイドが励磁
され,或いは非励磁状態となって開閉弁として作用す
る。また加圧ポンプは,コントローラからの信号によっ
て駆動モータが回転駆動,或いは非回転駆動状態となっ
てポンプとして作用する。
【0004】一方、前記車輪速の演算や,その目標値を
達成するための制動力の演算は、今日,専らマイクロコ
ンピュータによって行われている。そして、このマイク
ロコンピュータは前記ソレノイドバルブや駆動モータの
制御信号を出力するが、この制御信号はマイクロコンピ
ュータ内で用いられる低電圧と同様のものであるから,
当該制御信号だけでは各ソレノイドや駆動モータを直接
的に駆動することができない。そこで、通常は各ソレノ
イドや駆動モータと,マイクロコンピュータとの間に適
宜の駆動回路(ドライバ)を介在させる。このドライバ
の多くはスイッチングレギュレータをなす駆動用トラン
ジスタ等の増幅器で構成されており、それらの増幅出力
側を前記制御信号でオン・オフすることによって,各ソ
レノイドや駆動モータに対して駆動信号が出力されるよ
うに,具体的にはバッテリ等からの供給電圧が供給され
るようにしている。
【0005】ところでこのように演算制御を行うコンピ
ュータの高速処理化や,よりきめ細かい制動力制御の要
求等から、車両の各輪のホイルシリンダへの作動液圧を
個別に制御する必要が生じ、これに伴って前記ホイルシ
リンダとマスタシリンダとの間に介装されるアクチュエ
ータの数も多くなっている。一般にはこのアクチュエー
タの数をもって何チャンネルABS制御という称呼をし
ているが、実際にはフェイルセーフ(失陥補償)の必要
等から昨今では前述のように,各アクチュエータに流出
弁と流入弁とを並設している場合が多く、その夫々のソ
レノイドに前記駆動用トランジスタ等のスイッチングレ
ギュレータが接続されているから,制御の対象となるチ
ャンネル数はむしろ各開閉弁に備えられたソレノイドの
数で表される。
【0006】またこのような車両のアンチスキッド制御
装置は,車両の重要な性能に係る制動力を制御するもの
であるから、如何なる異常も許容されないのは言うまで
もない。そこで、このアンチスキッド制御装置の自己診
断機能を設けて構成部材や回路の診断を行い、異常が検
出された場合にはアンチスキッド制御装置の作動を停止
すると共に警告灯等によって乗員にそれを認識させるた
めの異常検出装置が開発されている。
【0007】このような異常検出装置を構築するための
具体的な自己診断方法としては、例えば特開昭62−1
73366号公報に記載されるものが提案されている。
この自己診断方法では、一連のテスト信号を発生してス
イッチングレギュレータを作動させると共に,その結果
の状態を検出して,その状態と供給したテスト信号との
間に予め設定された論理関係が成立するか否かを検出す
ることにより,障害の有無を判定するものである。具体
的には、前記一連のテスト信号と前記ソレノイドの駆動
回路(トランジスタ)接続側端子電位とを取り込んで,
各テスト信号のタイミングとソレノイド端子電位の状態
とが一致するかしないかで断線失陥を,各ソレノイド端
子電位の状態で短絡失陥を検出し、いずれかのソレノイ
ド若しくはトランジスタの断線失陥又は短絡失陥の異常
が検出されたら異常信号を出力して,例えばウオーニン
グランプを点灯するなどして異常を認識させるようにし
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記自己
診断方法及び当該方法に基づいて構築された異常検出装
置では、複数設置されたソレノイドや駆動用トランジス
タのうち,いずれのチャンネルのものが失陥して異常と
なっているかを判定することができない。従って、当該
失陥を検出して補修するためには全てのチャンネルのソ
レノイドとトランジスタについて再び診断を行わなけれ
ばならず、その分だけ補修作業が複雑になり,またコス
トも高くなる。
【0009】一方、前記複数設置されたソレノイドや駆
動用トランジスタのうち,いずれのチャンネルが失陥し
て異常となっているかを判定する最も簡便な方法は、各
駆動用トランジスタにより該当するソレノイドに供給電
圧が供給されて当該ソレノイドの端子間で電圧降下が発
生していない状態か,若しくは供給電圧が供給されて当
該ソレノイドの端子間で所定の電圧降下が発生している
状態を作り、それらの状態でのソレノイドの端子間電圧
を検出し、その端子間電圧が所定の状態であるか否かを
もって当該ソレノイド若しくは駆動用トランジスタの正
常か異常かを判定することであろう。
【0010】しかし、この自己診断方法に基づく異常検
出装置では,各ソレノイドの両端子との接続点が必要で
あるために各接続点ごとに使用されるハーネスの数が多
くなり、装置全体の容積が大きくなってしまうと共に、
コストが高くなるという問題がある。本発明はこれらの
諸問題に鑑みて開発されたものであり、ソレノイドやト
ランジスタ等との接続点を少なくして使用されるハーネ
スの数を減じることでコストを低廉化すると共に、失陥
に伴う異常の発生しているチャンネルを限定して異常検
出することのできるアンチスキッド制御装置の異常検出
装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のアンチスキッド
制御装置の異常検出装置は、図1の概念図に示すよう
に,制動時のブレーキ圧を制御して車輪のロック状態発
生を防止するために、ホイルシリンダに供給される作動
液圧を制御する複数のチャンネルの夫々に電磁弁を備
え、夫々の電磁弁に設けられたソレノイドには所定の端
子側に駆動回路を接続し、この駆動回路を制御すること
によって電磁弁を制御する構成を有し、これらのうち何
れのチャンネルに異常が発生したかを判定するアンチス
キッド制御装置の異常検出装置であって、前記駆動回路
が所定の状態におけるソレノイドの駆動回路側端子電位
を前記各チャンネルごとに検出するソレノイド端子電位
検出手段と、前記ソレノイド端子電位検出手段で検出さ
れたこれらのソレノイドの端子電位のうち,最も小さい
端子電位と,その他の端子電位の平均値との電位差を算
出する電位差算出手段と、前記電位差算出手段で算出さ
れた電位差が,予め設定された所定値以上であるとき
に、前記最も小さい端子電位が検出されたソレノイドを
有するチャンネルに異常が発生していると判定する異常
チャンネル判定手段とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0012】なお、前記駆動回路の所定の状態とは、例
えば前述のように各駆動用トランジスタにより該当する
正常状態のソレノイドに供給電圧が供給されて当該ソレ
ノイドの端子間では電圧降下が発生していない状態か,
若しくは供給電圧が供給されて当該ソレノイドの端子間
で所定の電圧降下が発生している状態のように、ソレノ
イドの駆動回路接続側端子電位を検出可能な状態が設定
される。
【0013】
【作用】本発明のアンチスキッド制御装置の異常検出装
置では、図1の概念図に示すように,例えば各駆動回路
に設けられた駆動用トランジスタによって該当するソレ
ノイドに供給電圧が供給されて当該ソレノイドの端子間
では電圧降下が発生していない状態か,若しくは供給電
圧が供給されて当該ソレノイドの端子間で所定の電圧降
下が発生している状態のように,ソレノイドの駆動回路
接続側端子電位を検出可能な駆動回路の所定状態におい
て、複数のチャンネルの夫々に設けられたソレノイドの
駆動回路接続側端子電位を,ソレノイド端子電位検出手
段で検出し、これらのソレノイド端子電位のうちの最小
の端子電位と,その他の端子電位の平均値との電位差を
電位差算出手段で算出し、この電位差が予め設定された
所定値以上であるときに,当該最小のソレノイド端子電
位が検出されたチャンネルに異常が発生していることを
異常チャンネル判定手段で判定する構成としたために、
前記端子電位の平均値より所定値以上低下している最小
端子電位のチャンネルでは,ソレノイドに異常な電流漏
れ,短絡,地絡が発生しているか、或いは各駆動用トラ
ンジスタの作動不良によって前記所定の電圧降下でない
状態が発生していると判断されるから、補修作業におい
ては当該チャンネルのソレノイド若しくは駆動用トラン
ジスタのみをチェックすればよい。また、この異常検出
装置においては各チャンネルのソレノイドとの接続点は
1箇所となるから,使用されるハーネスも総チャンネル
数分でよい。
【0014】
【実施例】図2〜図7は本発明の異常検出装置を用いた
アンチスキッド制御装置の一実施例を示すものである。
ここでは、車両用のアンチスキッド制御装置の車輪のロ
ック発生防止に関する制御の内容は周知であるとして,
その自己診断,特にアクチュエータとして設けられた複
数のチャンネルの電磁弁のソレノイドやその駆動回路に
設けられた駆動用トランジスタの異常を,チャンネルを
限定して検出するフェイルセーフの制御についてのみ詳
述する。
【0015】まず、図2にアンチスキッド制御装置の全
体的な構成を簡潔に示す。2は車両に搭載されたディス
クブレーキ装置を示し、4はこのブレーキ装置に対する
前輪独立後輪一括制御のアンチスキッド制御装置を示
し、5は車両に搭載されたバッテリを示す。ブレーキ装
置2は、ブレーキペダル6,マスタシリンダ8,前左〜
後右車輪9FL〜9RRのホイルシリンダ10FL〜1
0RRを有している。
【0016】アンチスキッド制御装置4は、車輪の回転
状況を検出するための車輪速センサ11FL〜11RR
と、アンチスキッド制御装置の異常を警告するABS警
告灯12と、前記車輪速センサ11FL〜11RRから
の検出値に基づき制動時のアンチスキッド制御を指令す
るコントローラ15と、このコントローラの出力する制
御信号によって各ホイルシリンダのうち,前輪両側のホ
イルシリンダ10FL,10FRの液圧を個別に,後輪
両側のホイルシリンダ10RL,10RRの液圧を一括
して,各々調整するアクチュエータ16FL〜16R
と、コントローラ15からの制御信号によって,失陥の
検出されないABS制御作動時にバッテリ5からの供給
電圧を各アクチュエータ16FL〜16Rに供給するた
めのアクチュエータリレー3と、当該アクチュエータリ
レー3の作動をチェックするARセンサ7とを含んで構
成される。
【0017】車輪速センサ11FL〜11RRは、各車
輪9FL〜9RRの所定位置に設けられた電磁ピックア
ップで構成され、各車輪の回転数に比例した周波数の正
弦波交流電圧信号を各々出力する。また、ABS警告灯
12は例えばインストゥルメントパネル等に設けられて
おり、アンチスキッド制御装置に何らかの異常が検出さ
れたときにコントローラ15からの点灯信号W/Lによ
って点灯し、これにより乗員に対してアンチスキッド制
御装置に異常のあることを認識させる。また、アクチュ
エータリレー3は,如何なる失陥も検出されず且つアン
チスキッド制御が可能である場合にコントローラ15か
らの制御信号SARによってONとされ、アクチュエータ
16FL〜16Rにバッテリ5からの供給電圧を,コン
トローラ15からの制御信号によって駆動信号SAV,S
EV,SMRとして供給する。また、前記ARセンサ7は、
前記アクチュエータリレー3がコントローラ15からの
駆動信号SARによって確実にON作動するか或いは駆動
信号SARのないときに確実にOFF作動するかを検出
し、この作動状態検出に基づくARチェック信号CAR
コントローラ15に向けて出力する。
【0018】一方、前記アクチュエータ16FL〜16
RRの各々は、図3に示すように,マスタシリンダ8と
ホイルシリンダ10FL(〜10RR)との間に接続さ
れた流入弁42と、ホイルシリンダ10FL(〜10R
R)に接続された流出弁44と、この流出弁44の出力
側に接続された蓄圧用のアキュームレータ46及び作動
油回収用のオイルポンプ48と、オイルポンプ48及び
マスタシリンダ8間のチェック弁50とを備えている。
従って、流入弁42はマスタシリンダ8及びチェック弁
50を介したオイルポンプ48の作動油圧をホイルシリ
ンダ10FL(〜10RR)に供給する供給流路中にあ
り、流出弁44はホイルシリンダ10FL(〜10R
R)内の作動油圧をアキュームレータ46及びオイルポ
ンプ48,チェック弁50を介したマスタシリンダ8に
帰還する帰還流路中にある。
【0019】前記流入弁42及び流出弁44は、前記コ
ントローラ1からのソレノイド駆動信号SEV,SAVによ
って夫々開閉制御される電磁弁,即ちソレノイドバルブ
であり、フェイルセーフ時に通常のブレーキ油圧がマス
タシリンダ8からホイルシリンダ10FL(〜10R
R)に供給されるために,流入弁42は常時開,流出弁
44は常時閉となっている。そして、増圧モードでは,
駆動信号SEV,SAVを共にオフとすることにより、流入
弁42が「開」,流出弁44が「閉」となり、マスタシ
リンダ8若しくはオイルポンプ28からの作動油圧を流
入弁42を介してホイルシリンダ10FL(〜10R
R)に供給でき、その結果,ホイルシリンダ圧が上昇す
る。また、減圧モードでは,駆動信号SEV,SAVを共に
オンとすることにより、流入弁42が「閉」,流出弁4
4が「開」となり、ホイルシリンダ10FL(〜10R
R)内の作動油圧をアキュームレータ46に回収するか
若しくはオイルポンプ48を介してマスタシリンダ8側
に帰還でき、その結果,ホイルシリンダ圧が下降する。
更に、保持モードでは,駆動信号SEVをオン,駆動信号
AVを共にオフとすることで流入弁42及び流出弁44
を「閉」状態とし、ホイルシリンダ10FL(〜10R
R)内の作動油圧を封じ込めることができ、その結果,
その圧力を保持できる。なお、駆動信号SMRはアンチス
キッド制御中オンとされ、これにより前記オイルポンプ
48が駆動する。
【0020】前記コントローラ15は図4に示すよう
に、夫々に少なくともA/D変換機能を有する入力イン
タフェース回路,中央演算装置(CPU),記憶装置
(ROM,RAM),D/A変換機能を有する出力イン
タフェース回路等を有する二つの第1,第2マイクロコ
ンピュータ20,21を備えてなる。これら二つのマイ
クロコンピュータ20,21は、互いのデータ,演算機
能,演算結果,制御信号等について常時通信チェックを
行っており、互いの動作を監視し合っているが、本実施
例では第1マイクロコンピュータ20が主(メイン),
第2マイクロコンピュータ21が副(サブ)として作用
する構成としてある。
【0021】このコントローラ15によるアンチスキッ
ド制御の詳細な内容についてはここでは詳述しないが、
前記車輪速センサ11FL〜11RRからの車輪速検出
値W FL〜WRRに基づいて,記憶装置に予め記憶されたプ
ログラムを実行することにより行われる。具体的には車
輪速検出値WFL〜WRRから疑似車速Vref を算出し、例
えばこの疑似車速Vref と各車輪速検出値WFL〜WRR
の差が所定のスリップ率(1−β)の範囲内となる各車
輪速を算出し、この車輪速を達成するように,各ホイル
シリンダ10FL〜10RRへの作動油圧を増減圧して
各車輪9FL〜9RRへの制動力を制御する。これによ
り、十分な減速度を得ながら,確実に車輪のロックを防
止する。
【0022】また、このコントローラ15内には,前記
のように作動油圧を増減圧するために前記アクチュエー
タ16FL〜16Rの各流入弁42,流出弁44を駆動
する駆動信号SEV,SAVを出力する駆動回路23FL〜
23Rが各アクチュエータに対応して設けられている。
また、全アクチュエータ16FL〜16Rのオイルポン
プ48を駆動するための駆動信号SMRを出力する駆動回
路28や,前記アクチュエータリレー3を駆動するため
の駆動信号SARを出力する駆動回路29も備えられてい
る。
【0023】前記アクチュエータ駆動回路23FL〜2
3Rは、対応する夫々のアクチュエータ16FL〜16
Rの流入弁42を駆動する流入弁駆動回路24EVと,
流出弁44を駆動する流出弁駆動回路24AVとを備え
ている。具体的に流入弁駆動回路24EV並びに流出弁
駆動回路24AVではスイッチングレギュレータを構成
する駆動用トランジスタTr.1〜Tr.6を備えてい
る。そして、各駆動用トランジスタTr.1〜Tr.6
は、そのベースが第1,第2マイクロコンピュータ2
0,21の制御信号出力端子に接続され、そのエミッタ
が接地され、そのコレクタが流入弁42及び流出弁44
の各ソレノイド42a,44aの一方の端子に接続され
ている。また、これらのトランジスタTr.1〜Tr.
6のコレクタは,両マイクロコンピュータ20,21の
端子電位入力端子にも接続されている。
【0024】一方、流入弁42及び流出弁44の各ソレ
ノイド42a,44aの他方の端子は,前記アクチュエ
ータリレー3を介してバッテリ5に接続されている。従
って、各駆動回路23FL〜23Rの流入弁駆動回路2
4EV及び流出弁駆動回路24AVに,前記マイクロコ
ンピュータ20,21の制御信号出力端子から制御信号
EV又はAVを出力すると、駆動用トランジスタTr.
1〜Tr.6の増幅出力側が通電状態となり、これによ
りバッテリ5からの供給電圧が流入弁42及び流出弁4
4の各ソレノイド42a,44aに駆動信号SEV,SAV
として供給される。そして、流入弁42及び流出弁44
の各ソレノイド42a,44aの駆動用トランジスタT
r.1〜Tr.6接続側端子電位VSOL.1 〜V
SOL.6 が、両マイクロコンピュータ20,21の端子電
位入力端子にモニタされる。なお、ここでは制御の対象
となるソレノイド及び駆動用トランジスタは6つである
から、これらの制御チャンネルを6つとして,前左輪用
アクチュエータ16FLの流入弁42及び前左輪用駆動
回路23FLの流入弁駆動回路24EVからなる制御系
をチャンネル( ch.)1とし、以下,前左輪用アクチュ
エータ16FLの流出弁44及び前左輪用駆動回路23
FLの流出弁駆動回路24AVからなる制御系をチャン
ネル( ch.)2、前右輪用アクチュエータ16FRの流
入弁42及び前右輪用駆動回路23FRの流入弁駆動回
路24EVからなる制御系をチャンネル( ch.)3、前
右輪用アクチュエータ16FRの流出弁44及び前右輪
用駆動回路23FRの流出弁駆動回路24AVからなる
制御系をチャンネル( ch.)4、後輪用アクチュエータ
16Rの流入弁42及び後輪用駆動回路23Rの流入弁
駆動回路24EVからなる制御系をチャンネル( ch.)
5、後輪用アクチュエータ16Rの流出弁44及び後輪
用駆動回路23Rの流出弁駆動回路24AVからなる制
御系をチャンネル( ch.)6と記す。
【0025】ところで、このようなアンチスキッド制御
装置は,車両の重要な走行性能である制動力を操作する
ものであるから、如何なる異常もあってはならない。そ
のために本実施例ではバッテリチェッカ22からのバッ
テリチェック信号CBattを読込み、ARチェック信号C
ARを読込み、更に前記ソレノイド端子電位VSOL.1 〜V
SOL.6 を読込んで,後述する異常検出処理に則って前記
各チャンネルを限定して異常を検出するようにしてい
る。
【0026】ここで各マイクロコンピュータで行われる
異常検出処理の概要について説明すると、メインとされ
る第1マイクロコンピュータ20では前記バッテリチェ
ック信号CBatt、ARチェック信号CAR、ソレノイド端
子電位VSOL.1 〜VSOL.6 からバッテリ5、アクチュエ
ータリレー3、各チャンネルch.1〜ch.6のソレノイド4
2a,44a及び駆動用トランジスタTr.1〜Tr.
6をチェック処理し、これらの何れかチャンネルch.1〜
ch.6のソレノイド42a,44a及び駆動用トランジス
タTr.1〜Tr.6や,バッテリ5,アクチュエータ
リレー3に異常が検出された場合には、フェイルセーフ
(F/S)処理を行って,バッテリ異常信号F/S1
Batt,アクチュエータリレー異常信号F/S2AR,チャ
ンネルソレノイド異常信号F/S3SOL.Chを出力する。
【0027】一方、サブとされる第2マイクロコンピュ
ータ21では前記各異常信号F/S1Batt,F/S
AR,F/S3SOL.Chを受信すると、第1マイクロコン
ピュータ20と同様にしてバッテリ5、アクチュエータ
リレー3、各チャンネルch.1〜ch.6のソレノイド42
a,44a及び駆動用トランジスタTr.1〜Tr.6
をチェック処理して,各異常信号F/S1Batt,F/S
AR,F/S3SOL.Chをチェックし、異常検証信号F/
PROBE を出力する。前記第1マイクロコンピュータ2
0から出力された各異常信号F/S1Batt,F/S
AR,F/S3SOL.Chは分岐された後にOR回路25に
入力され、その出力信号がAND回路26に入力され
る。
【0028】ここで前記第2マイクロコンピュータ21
からの異常検証信号F/SPROBE もAND回路26に入
力されて,両者が共にHiレベルであるときに点灯信号
W/Lが出力されてABS警告灯12が点灯される。ま
た、個別に出力された各異常信号F/S1Batt,F/S
AR,F/S3SOL.Chは,外部通信端子を介して外部か
ら読取られるようにもしてあるし、また図示されないL
EDの点滅回数を各異常信号F/S1Batt,F/S
AR,F/S3SOL.Chに応じて制御する,図示されない
LED制御回路に取込まれるようにもしてある。
【0029】さて、まず前記メインとされる第1マイク
ロコンピュータ20で行われる異常検出処理について図
5に示すフローチャートを用いて説明する。この異常検
出処理では,各チャンネルのソレノイド42a,44a
の端子電位VSOL.1 〜VSOL. 6 の最小端子電位Vmin と
その他の端子電位の平均値VAVE との電位差ΔVが,所
定値Vo より大きい状態が所定時間To 以上,連続した
場合に、その最小端子電位チャンネルVmin.ch. をチャ
ンネル指定のソレノイド異常信号F/S3VSO L.chとし
て出力する。
【0030】この処理は所定時間ΔT(例えば10mse
c. )毎にタイマ割込処理され、まずステップS1では
前記バッテリチェック信号から供給電圧が正常であるか
否かを判定し、供給電圧が正常である場合にはステップ
S2に移行し、そうでない場合にはステップS3に移行
する。前記ステップS3では供給電圧が異常であるとし
てバッテリ異常信号F/S1 Battを出力して,メインプ
ログラムに復帰する。
【0031】一方、前記ステップS2では全てのソレノ
イド制御信号EV,AVをOFFとし、アクチュエータ
リレー制御信号ARをONとする。次にステップS4に
移行して、前記ARセンサ7からのチェック信号CAR
基づいて,前記ステップS2によるアクチュエータリレ
ー制御信号ARによってアクチュエータリレー3がON
状態であるか否かを判定し、アクチュエータリレー3が
ON状態である場合にはステップS5に移行し、そうで
ない場合にはステップS6に移行する。
【0032】前記ステップS6では、アクチュエータリ
レー3が異常であるとしてアクチュエータリレー異常信
号F/S2ARを出力して,メインプログラムに復帰す
る。一方、前記ステップS5では各チャンネルのソレノ
イド端子電位VSOL.1 〜V SOL.6 を読込む。次にステッ
プS7に移行して、図6に示すサブルーチンに従って,
前記各チャンネルのソレノイド端子電位VSOL.1 〜V
SOL.6 のうちの最小となる端子電位Vmin を求める。な
お、この図5に示すサブルーチンは後段に詳述する。
【0033】次にステップS8に移行して、前記ステッ
プS7で設定された最小端子電位Vmin を除く5つの端
子電位VSOL.1 〜VSOL.6 の平均値VAVE を下記1式に
従って算出する。 VAVE =((ΣVSOL.1 〜VSOL.6 )−2・Vmin )/5 ……… (1) 次にステップS9に移行して、前記ステップS7で設定
された最小端子電位Vmin とステップS8で算出された
端子電位の平均値VAVE とから電位差ΔVを算出する。
【0034】次にステップS10に移行して、前記ステ
ップS9で算出された電位差ΔVが前記所定値Vo 以上
であるか否かを判定し、電位差ΔVが所定値Vo 以上で
ある場合にはステップS11に移行し、そうでない場合
にはステップS12に移行する。前記ステップS12で
は、各チャンネルのソレノイドに異常がないとして係数
nを“0”にリセットして,メインプログラムに復帰す
る。
【0035】一方、前記ステップS11では、前記最小
端子電位チャンネルVmin.ch. が異常であるとして,係
数nに“1”を加えた値を新たな係数nとして記憶装置
に更新記憶する。次にステップS13に移行して、前記
ステップS11で得られた係数nに所定割込時間ΔTを
乗じた経過時間値n・ΔTが,前記所定時間To 以上で
あるか否かを判定し、経過時間値n・ΔTが所定時間T
o 以上である場合にはステップS14に移行し、そうで
ない場合にはメインプログラムに復帰する。
【0036】前記ステップS14では、前記最小端子電
位チャンネルVmin.ch. の異常経過時間が所定時間To
以上継続したとして,当該チャンネルVmin.ch. のソレ
ノイド異常信号F/S3VSOL.chを出力して,メインプ
ログラムに復帰する。ここで、前記ステップS7で行わ
れる図6で行われるサブルーチンは、まずステップS7
1でチャンネルch.1のソレノイド端子電位VSOL.1 がチ
ャンネルch.2のソレノイド端子電位VSOL.2 よりも大き
いか否かを判定し、そうである場合にはステップS72
に移行し、そうでない場合にはステップS73に移行す
る。
【0037】前記ステップS72では、チャンネルch.2
のソレノイド端子電位VSOL.2 がチャンネルch.3のソレ
ノイド端子電位VSOL.3 よりも大きいか否かを判定し、
そうである場合にはステップS74に移行し、そうでな
い場合にはステップS75に移行する。前記ステップS
74では、チャンネルch.3のソレノイド端子電位V
SOL.3 がチャンネルch.4のソレノイド端子電位VSOL.4
よりも大きいか否かを判定し、そうである場合にはステ
ップS76に移行し、そうでない場合にはステップS7
7に移行する。
【0038】前記ステップS76では、チャンネルch.4
のソレノイド端子電位VSOL.4 がチャンネルch.5のソレ
ノイド端子電位VSOL.5 よりも大きいか否かを判定し、
そうである場合にはステップS78に移行し、そうでな
い場合にはステップS79に移行する。前記ステップS
78では、チャンネルch.5のソレノイド端子電位V
SOL.5 がチャンネルch.6のソレノイド端子電位VSOL.6
よりも大きいか否かを判定し、そうである場合にはステ
ップS80に移行し、そうでない場合にはステップS8
1に移行する。
【0039】前記ステップS80では、チャンネルch.6
のソレノイド端子電位VSOL.6 が,その他の全てのソレ
ノイド端子電位VSOL.n よりも小さい,最小端子電位V
minであるとして、このチャンネルch.6のソレノイド端
子電位VSOL.6 を最小端子電位Vmin として出力し、図
5に示すメインルーチンに復帰する。一方、前記ステッ
プS81では、チャンネルch.5のソレノイド端子電位V
SOL. 5 が,その他の全てのソレノイド端子電位VSOL.n
よりも小さい,最小端子電位Vmin であるとして、この
チャンネルch.5のソレノイド端子電位VSOL.5 を最小端
子電位Vmin として出力し、図5に示すメインルーチン
に復帰する。
【0040】また、前記ステップS79では、チャンネ
ルch.4のソレノイド端子電位VSOL. 4 がチャンネルch.6
のソレノイド端子電位VSOL.6 よりも大きいか否かを判
定し、そうである場合には前記ステップS80に移行
し、そうでない場合にはステップS82に移行する。前
記ステップS82では、チャンネルch.4のソレノイド端
子電位VSOL.4 が,その他の全てのソレノイド端子電位
SOL.n よりも小さい,最小端子電位Vminであるとし
て、このチャンネルch.4のソレノイド端子電位VSOL.4
を最小端子電位Vmin として出力し、図5に示すメイン
ルーチンに復帰する。
【0041】一方、前記ステップS77では、チャンネ
ルch.3のソレノイド端子電位VSOL. 3 がチャンネルch.5
のソレノイド端子電位VSOL.5 よりも大きいか否かを判
定し、そうである場合には前記ステップS78に移行
し、そうでない場合にはステップS83に移行する。前
記ステップS83では、チャンネルch.3のソレノイド端
子電位VSOL.3 がチャンネルch.6のソレノイド端子電位
SOL.6 よりも大きいか否かを判定し、そうである場合
には前記ステップS80に移行し、そうでない場合には
ステップS84に移行する。
【0042】前記ステップS84では、チャンネルch.3
のソレノイド端子電位VSOL.3 が,その他の全てのソレ
ノイド端子電位VSOL.n よりも小さい,最小端子電位V
minであるとして、このチャンネルch.3のソレノイド端
子電位VSOL.3 を最小端子電位Vmin として出力し、図
5に示すメインルーチンに復帰する。一方、前記ステッ
プS75では、チャンネルch.2のソレノイド端子電位V
SOL. 2 がチャンネルch.4のソレノイド端子電位VSOL.4
よりも大きいか否かを判定し、そうである場合には前記
ステップS76に移行し、そうでない場合にはステップ
S85に移行する。
【0043】前記ステップS85では、チャンネルch.2
のソレノイド端子電位VSOL.2 がチャンネルch.5のソレ
ノイド端子電位VSOL.5 よりも大きいか否かを判定し、
そうである場合には前記ステップS78に移行し、そう
でない場合にはステップS86に移行する。前記ステッ
プS86では、チャンネルch.2のソレノイド端子電位V
SOL.2 がチャンネルch.6のソレノイド端子電位VSOL.6
よりも大きいか否かを判定し、そうである場合には前記
ステップS80に移行し、そうでない場合にはステップ
S87に移行する。
【0044】前記ステップS87では、チャンネルch.2
のソレノイド端子電位VSOL.2 が,その他の全てのソレ
ノイド端子電位VSOL.n よりも小さい,最小端子電位V
minであるとして、このチャンネルch.2のソレノイド端
子電位VSOL.2 を最小端子電位Vmin として出力し、図
5に示すメインルーチンに復帰する。一方、前記ステッ
プS73では、チャンネルch.1のソレノイド端子電位V
SOL. 1 がチャンネルch.3のソレノイド端子電位VSOL.3
よりも大きいか否かを判定し、そうである場合には前記
ステップS74に移行し、そうでない場合にはステップ
S88に移行する。
【0045】前記ステップS88では、チャンネルch.1
のソレノイド端子電位VSOL.1 がチャンネルch.4のソレ
ノイド端子電位VSOL.4 よりも大きいか否かを判定し、
そうである場合には前記ステップS76に移行し、そう
でない場合にはステップS89に移行する。前記ステッ
プS89では、チャンネルch.1のソレノイド端子電位V
SOL.1 がチャンネルch.5のソレノイド端子電位VSOL.5
よりも大きいか否かを判定し、そうである場合には前記
ステップS78に移行し、そうでない場合にはステップ
S90に移行する。
【0046】前記ステップS90では、チャンネルch.1
のソレノイド端子電位VSOL.1 がチャンネルch.6のソレ
ノイド端子電位VSOL.6 よりも大きいか否かを判定し、
そうである場合には前記ステップS80に移行し、そう
でない場合にはステップS91に移行する。前記ステッ
プS91では、チャンネルch.1のソレノイド端子電位V
SOL.1 が,その他の全てのソレノイド端子電位VSOL.n
よりも小さい,最小端子電位Vminであるとして、この
チャンネルch.1のソレノイド端子電位VSOL.1 を最小端
子電位Vmin として出力し、図5に示すメインルーチン
に復帰する。
【0047】このようにしてこのサブルーチンでは,全
てのソレノイド端子電位VSOL.1 〜VSOL.6 の大小を比
較することにより、最小端子電位Vmin を確実に設定す
ることができる。このメインとされる第1マイクロコン
ピュータで行われる一連の異常検出処理において、何れ
のチャンネルのソレノイド若しくは駆動用トランジスタ
に異常が生じていない場合には,前記ステップS2で各
駆動用トランジスタの増幅出力側がOFF状態となって
いるから、各ソレノイドの端子電位VSOL.1 〜VSOL.6
はバッテリからアクチュエータリレーを介した供給電圧
の電位と同等であるはずである。ここで、何れかのチャ
ンネルのソレノイド端子電位VSOL.1 〜VSOL.6 が,そ
の他のソレノイド端子電位の平均値VAVE よりも,所定
値Vo 以上小さい場合には、当該チャンネルのソレノイ
ドから異常な電流漏れが発生しているか或いは駆動用ト
ランジスタがON又はONに近い状態で失陥しているな
どが想定される。勿論、この中にはソレノイドの断線失
陥や地絡失陥等も包含される。そこで前記ステップS5
〜S10の一連の処理によって当該失陥により異常の発
生しているソレノイド若しくは駆動用トランジスタを,
チャンネルを限定して検出することが可能となり、続く
ステップS11,S13で,この異常が所定時間To 以
上継続した場合には、ステップS14で最小端子電位チ
ャンネルVmin.ch. のソレノイド異常信号F/S3V
SOL.chが出力される。また、バッテリ5等の異常により
供給電圧が異常である場合にはステップS1,S3でバ
ッテリ異常信号F/S1Battが出力され、アクチュエー
タリレー3に動作不良等の異常が発生した場合には,ス
テップS4,S6でアクチュエータリレー異常信号F/
S2ARが出力される。
【0048】なお、これら何れかの異常信号F/S1
Batt,F/S2AR,F/S3VSOL.chが出力されると,
OR回路25のHiレベルの出力がAND回路26に入
力される。また、この第1マイクロコンピュータ20で
何れかの異常信号F/S1Batt,F/S2AR,F/S3
SOL.ch. が出力された場合には、図4に示すF/S処
理によって,当該マイクロコンピュータ20による全て
の異常検出動作を停止し、同時に当該マイクロコンピュ
ータ20によるABS制御も停止する。
【0049】一方、次に前記サブとされる第2マイクロ
コンピュータ21で行われる異常検証処理について図7
に示すフローチャートを用いて説明する。この異常検証
処理では,前記第1マイクロコンピュータ20と同様に
行われる各チャンネルのソレノイド42a,44aの端
子電位VSOL.1 〜VSOL.6 の最小端子電位Vmin とその
他の端子電位の平均値VAVE との電位差ΔVが,所定値
Vo より大きい場合に、即座に異常検証信号F/S
PROBE を出力する。
【0050】この処理は所定時間ΔT(例えば10mse
c. )毎にタイマ割込処理され、まずステップS21で
は前記各異常信号F/S1Batt,F/S2AR,F/S3
SOL. ch. が出力されているか否かを判定し、何れかの
異常信号が検出された場合にはステップS22に移行
し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
前記ステップS22では、前記バッテリチェック信号か
ら供給電圧が正常であるか否かを判定し、供給電圧が正
常である場合にはステップS23に移行し、そうでない
場合にはステップS24に移行する。
【0051】前記ステップS23では、全てのソレノイ
ド制御信号EV,AVをOFFとし、アクチュエータリ
レー制御信号ARをONとする。次にステップS25に
移行して、前記ARセンサ7からのチェック信号CAR
基づいて,前記ステップS23によるアクチュエータリ
レー制御信号ARによってアクチュエータリレー3がO
N状態であるか否かを判定し、アクチュエータリレー3
がON状態である場合にはステップS26に移行し、そ
うでない場合には前記ステップS24に移行する。
【0052】前記ステップS26では、各チャンネルの
ソレノイド端子電位VSOL.1 〜VSO L.6 を読込む。次に
ステップS27に移行して、前記図5に示すサブルーチ
ンに従って,前記各チャンネルのソレノイド端子電位V
SOL.1 〜VSOL.6 のうちの最小となる端子電位Vmin を
求める。
【0053】次にステップS28に移行して、前記ステ
ップS7で設定された最小端子電位Vmin を除く5つの
端子電位VSOL.1 〜VSOL.6 の平均値VAVE を前記1式
に従って算出する。次にステップS29に移行して、前
記ステップS27で設定された最小端子電位Vmin とス
テップS28で算出された端子電位の平均値VAVE とか
ら電位差ΔVを算出する。
【0054】次にステップS30に移行して、前記ステ
ップS29で算出された電位差ΔVが所定値Vo より小
さいか否かを判定し、電位差ΔVが所定値Vo より小さ
い場合にはメインプログラムに復帰し、そうでない場合
には前記ステップS24に移行する。前記ステップS2
4では、何れかの異常信号が検証されたとしてHiレベ
ルの異常検証信号F/SPROBE を出力して,メインプロ
グラムに復帰する。
【0055】このサブとされる第2マイクロコンピュー
タ21で行われるステップS21〜S30の一連の異常
検証処理において、前記第1マイクロコンピュータ20
からの何れかの異常信号F/S1Batt,F/S2AR,F
/S3VSOL.ch. が検証された場合には、Hiレベルの
異常検証信号F/SPROBE がAND回路26に入力され
るから、前記OR回路25からのHiレベルの出力信号
と合わせて,当該AND回路26からはHiレベルの点
灯信号W/Lが出力され、これによりABS警告灯12
が点灯される。また、前記第1マイクロコンピュータ2
0が何れかの異常信号F/S1Batt,F/S2AR,F/
S3VSOL.ch. を出力して異常検出及びABS制御を放
棄した場合に、この異常検証信号F/SPROBE が出力さ
れない限り,異常検出及びABS制御はこの第2マイク
ロコンピュータ21によって代行されるが、当該異常検
証信号F/SPROBE が出力されると、当該第2マイクロ
コンピュータ21も異常検出及びABS制御を放棄し
て,全ての処理を行わない。このとき、アクチュエータ
リレー制御信号ARも,ソレノイド制御信号EV,AV
も,オイルポンプ制御信号MRも出力されないから、流
入弁42が開,流出弁44が閉となってホイルシリンダ
10FL〜10RRにはマスタシリンダ8の通常ブレー
キ液圧が供給されて,所謂フェイルセーフ(失陥補償)
が行われる。
【0056】そして、本実施例の異常検出装置では図4
のようにソレノイドとの接続点は,各ソレノイドに対し
て夫々一点でよく、しかも駆動用トランジスタとの接続
点を共用化することによって,当該接続点に使用される
ハーネスはソレノイドの数分でよい。なお、本実施例で
は少なくとも異常検出に関しては第1マイクロコンピュ
ータと第2マイクロコンピュータとにほぼ同様の処理を
行わせることとしたが、両者に明確なメインとサブとい
った性格付けをして,例えばサブとなるマイクロコンピ
ュータではメインとなるマイクロコンピュータから全て
のデータを受取ってそのデータに対して異常検証を行う
ようにしてもよい。また、勿論,何れか一方、若しくは
マイクロコンピュータとしては一つだけ設けられたもの
で,異常検出を行うようにすることも可能である。
【0057】また、本実施例では個別に出力された各異
常信号F/S1〜F/S3を個別のLED制御装置に受
け渡して,当該LED制御装置でLEDの点滅制御を行
うこととしたが、このLED制御装置をABSコントロ
ーラ内に組込むことも勿論可能である。また、各アクチ
ュエータに比例電磁弁を用いた場合にも、各ソレノイド
に対して同様の異常検出を行うことが可能である。
【0058】また、本実施例では前左右輪の制動力を個
別に,後左右輪の制動力を一括して制御するアンチスキ
ッド制御装置についてのみ詳述したが、制御の対象とな
る各輪の制御力はこれに限定されない。また、本実施例
ではソレノイドの断線失陥についても同時に検出するも
のとしたが、当該断線失陥については個別に異常検出す
るようにしてもよい。
【0059】また、本実施例ではソレノイド最小端子電
位と平均値との電位差が所定値を越える状態が,所定時
間以上継続した場合に、当該ソレノイド若しくは駆動用
トランジスタの異常と判断することとしたが、例えば前
記電位差が所定値を越えた時点で即座にソレノイド若し
くは駆動用トランジスタの異常を判断するようにしても
よい。
【0060】また、ソレノイド及び駆動回路の接続状態
は前記に限定されるものではなく、例えば駆動用トラン
ジスタが供給電圧側であってもよく、その場合には当該
駆動用トランジスタをON状態としてソレノイドに供給
電圧が供給されている状態で,ソレノイドの駆動用トラ
ンジスタ接続側端子の端子電位を検出すればよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明のアンチスキ
ッド制御装置の異常検出装置によれば、最小のソレノイ
ド端子電位と,その他のソレノイド端子電位の平均値と
の電位差が予め設定された所定値以上であるときに,当
該最小のソレノイド端子電位が検出されたチャンネルで
は,ソレノイドに異常な電流漏れが発生しているか、或
いは各駆動用トランジスタの作動不良が発生していると
判断して異常を検出判定する構成としたために、補修作
業が容易となり、接続点に使用されるハーネスも総チャ
ンネル数分でよいからコストが低廉化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の異常検出装
置を示す概念図である。
【図2】本発明の異常検出装置を備えたアンチスキッド
制御装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図3】図2に示すアンチスキッド制御装置に用いられ
るアクチュエータの構成図である。
【図4】図2に示すアンチスキッド制御装置に用いられ
たコントローラの構成図である。
【図5】図2に示す異常検出装置のうち図4に示す第1
マイクロコンピュータで行われる異常検出処理のフロー
チャートである。
【図6】最小端子電位を設定するサブルーチンのフロー
チャートである。
【図7】図2に示す異常検出装置のうち図4に示す第2
マイクロコンピュータで行われる異常検証処理のフロー
チャートである。
【符号の説明】
2はブレーキ装置 3はアクチュエータリレー 4はアンチスキッド制御装置 5はバッテリ 6はブレーキペダル 7はARセンサ 8はマスタシリンダ 9FL〜9RRは車輪 10FL〜10RRはホイルシリンダ 11FL〜11RRは車輪速センサ 12はABS警告灯 15はコントローラ 16FL〜16RRはアクチュエータ 20は第1マイクロコンピュータ 21は第2マイクロコンピュータ 22はバッテリチェッカ 23FL〜23Rはソレノイド駆動回路 42は流入弁 44は流出弁 42a,44aはソレノイド 48はオイルポンプ Tr.1〜Tr.6は駆動用トランジスタ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動時のブレーキ圧を制御して車輪のロ
    ック状態発生を防止するために、ホイルシリンダに供給
    される作動液圧を制御する複数のチャンネルの夫々に電
    磁弁を備え、夫々の電磁弁に設けられたソレノイドには
    所定の端子側に駆動回路を接続し、この駆動回路を制御
    することによって電磁弁を制御する構成を有し、これら
    のうち何れのチャンネルに異常が発生したかを判定する
    アンチスキッド制御装置の異常検出装置であって、前記
    駆動回路が所定の状態におけるソレノイドの駆動回路側
    端子電位を前記各チャンネルごとに検出するソレノイド
    端子電位検出手段と、前記ソレノイド端子電位検出手段
    で検出されたこれらのソレノイドの端子電位のうち,最
    も小さい端子電位と,その他の端子電位の平均値との電
    位差を算出する電位差算出手段と、前記電位差算出手段
    で算出された電位差が,予め設定された所定値以上であ
    るときに、前記最も小さい端子電位が検出されたソレノ
    イドを有するチャンネルに異常が発生していると判定す
    る異常チャンネル判定手段とを備えたことを特徴とする
    アンチスキッド制御装置の異常検出装置。
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