JP3245470B2 - 土木建築用材料及び土木建築用材 - Google Patents

土木建築用材料及び土木建築用材

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JP3245470B2
JP3245470B2 JP1708493A JP1708493A JP3245470B2 JP 3245470 B2 JP3245470 B2 JP 3245470B2 JP 1708493 A JP1708493 A JP 1708493A JP 1708493 A JP1708493 A JP 1708493A JP 3245470 B2 JP3245470 B2 JP 3245470B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化樹脂成型物を主成分
とする土木建築用材料及び土木建築用無機物質と前記土
木建築用材料とよりなる土木建築用材に関する。
【0002】
【従来の技術】土木建築用材料として従来石綿が広く使
用されていた。石綿は耐化学薬品性や耐候性に優れ、又
緻密な加工品の製造も容易であり、例えば壁材や成型板
等に広く使用されている。然し石綿が環境を汚染し、人
に有害であるため、これに代る物質の開発が行われてい
る。例えばビニロン、アクリル、ポリプロピレン等の有
機繊維、ガラスウール、ロックウール、カーボン繊維、
金属繊維等の無機繊維状物質を利用する研究が行われて
いる。これら研究の多くは素材そのものを利用するもの
であり、素材の改質については例が少ない。
【0003】その一例を示すと特開平3−260166
号公報には基材に無機微粉末を沈着させた材料が開示さ
れている。この材料は無機物質を酸性の液に溶解した
後、その溶解液に基材を浸漬し、pHを調整して製造さ
れている。具体的には無機物質はカルシウム、アルミニ
ウム、マグネシウム、銅等であり、これらの塩化物、硫
酸塩、炭酸塩、酸化物を用い、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸等の酸によりpH2〜4の溶液を製造し、次いで基材
と溶液とを接触させ、pHをアルカリ側に移動させて前
記材料が製造されている。この公報に記載の方法は工程
が複雑であって実用性に問題があり、更に土木建築用材
料としての用途に関する記載はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述例示のように各種
の方法により各種の材料が開発されているが、尚更に実
用的に優れた特性、即ち石綿に代替しうる性質のある材
料の開発が強く要求されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記要求に応ずるための
本発明は、硬化樹脂成型物に、Al、Si、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mg、Ca、Cuから
選ばれる少なくとも一種の金属の塩と、水、アルコール
類、アルデヒド類、有機酸等の極性溶媒から選ばれる少
なくとも一種の溶媒とよりなる混合液を接触させると共
にエネルギーを付加させることにより、その表面に金属
酸化物、金属水酸化物、金属水酸化酸化物中の少なくと
も一種が固着している土木建築用材料及び同材料と土木
建築用無機物質とよりなる土木建築用材に関する。本発
明に於て硬化樹脂成型物とは熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂が硬化した成型体いう。硬化樹脂成型物はその形状は
特定されないが、実用的にはフィルム状、板状、網板、
粒状が用いられる。又糸状、繊維状等の材料を処理した
後、織布状、不織布状に成型することができる。これら
は単独で、又は複合して用いられる。又硬化樹脂成型物
の表面に固着している金属酸化物、金属水酸化物、金属
水酸化酸化物における金属はAl、Si、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Mg、Ca、Cu中の少
なくとも一種である。
【0006】先ず本発明の土木建築用材料の製造方法に
ついて説明する。基本的には前記の金属の塩と溶媒とよ
りなる混合液と硬化樹脂成型物とを接触させて、成型物
の表面に前記金属の酸化物、水酸化物、水酸化酸化物中
の少なくとも一種を固定させるのである。この際、成型
物に対する酸化物類の固着度を大にするためには混合液
にエネルギーを附加することが必要である。エネルギー
の付加は硬化樹脂成型物を接触させる前の混合液でも、
又接触後の混合液のいずれでもよい。この固着の程度は
例えばセメントペーストを塗りつけ、硬化させた後、接
着力を判定する方法、剥離面を観察する方法、粘着テー
プを張りつけ、剥離して固着物の状態により、強い固
着、弱い固着と判定する。硬化樹脂成型物には疎水性、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ンや塩化ビニル等の硬化成型物、親水性、例えばアクリ
ル、ポリアミド、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリビニル
アルコールの硬化成型物がある。
【0007】硬化樹脂成型物が疎水性の場合、前記金属
の酸化物、水酸化物、水酸化酸化物が強固に固着してい
れば水硬性物質共存下で補強材料、成型性向上材料、耐
久性向上材料、美粧性向上材料等として使用し得る。又
固着が強固でない場合、補強効果は必ずしも充分でない
がそのものは成型性が向上し、又成型体の美感向上の効
果がある。又硬化樹脂成型物が親水性の場合、固着の程
度に関係なく、補強材料として有用である。
【0008】次に前記の金属酸化物、金属水酸化物、金
属水酸化酸化物の硬化樹脂成型物への固着について述べ
る。強固に硬化樹脂成型物に固着し得る金属は第三周期
以上の遷移金属であって、d配位以上の電子軌道を有
し、これが安定状態、準安定状態とりうるものである。
これらの金属としてはSi、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu更にこの外にAlが用いられる。
又弱く固着し得る金属としては、処理液中で安定な結晶
(コロイド)が存在し、又その材料の使用状況において
結晶が安定し得るものとしてMg、Caなどクラーク数
が大きいものが用いられる。実用的にはFe、Si、A
lが好ましいが特に鉄は容易に強固な固着が得られ、又
安価であり、特に好ましい。
【0009】この方法において前記金属は金属塩として
用いられるが、その塩基成分の選択について説明する。
塩基成分として単一な原子よりなるハロゲン族、複数の
原子よりなる硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などの一般的無
機イオン、これらの亜酸化物などのイオン、シュウ酸、
酒石酸、クエン酸などの一般的有機イオンがある。塩素
はクラーク数が高く安価であること、中和して海水の成
分である塩化ナトリウムにすることが出来、これは無害
であることより塩素が好ましい。溶媒は水、エチルアル
コールやプロピルアルコール等のアルコール類、アルデ
ヒド類、有機酸等の極性溶媒等が用いられるが、水が実
用的である。これら金属塩と溶媒とは適宜組合せて用い
ることができる。複数の金属塩を用いた場合を次に例示
する。 (イ)塩化鉄(II)と塩化鉄(III)、(ロ)塩化
鉄(III)と硫酸鉄(III)、(ハ)塩化アルミニ
ウムと硫酸鉄(III)、(ニ)塩化鉄(III)と水
酸化鉄、次に溶媒についても、水とエチルアルコール、
水と乳酸等適宜組合せて用いてもよい。
【0010】尚前記方法において、溶液中に反応を円滑
にすすめるための各種の物質を含ませてもよい。例えば
帯電された有機高分子物質、イオン化された有機高分子
物質、緩衝作用のある成分、金属イオンや帯電物質を安
定させるための錯イオン形成物質、液内の成分を安定化
するための界面活性剤等を含ませてもよい。これらは土
木建築用材として害を及ぼさない限り金属酸化物と共析
してもよい。本発明の土木建築用材料の前記製造方法に
おいて、混合液と硬化樹脂成型物とを接触させている。
【0011】この接触方法について説明する。 (イ)混合液を硬化樹脂成型物に噴霧する方法。 (ロ)混合液を硬化樹脂成型物に加える方法。 (ハ)混合液中に、硬化樹脂成型物を浸漬する方法。 等いずれの方法でもよい。この方法において親水性物質
を存在させると反応は円滑に進行する。親水性物質を存
在させる方法は特定されないが、次にその方法を例示す
る。例えば親水性物質を予め硬化樹脂組成物に塗布して
おく方法、混合液中に親水性物質を存在させておく方
法、溶媒に水と親油基とを混合しておく方法等がある。
本明細書において親水性物質とはデンプン、メチルセル
ロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸
等の公知の分子内に親水基を持つ物質やそれらの変成物
をいう。更に混合液中にカチオン系、ノニオン系、アニ
オン系、両性系の界面活性剤を存在させると混合液の表
面張力を下げ、更には混合液に硬化樹脂組成物が例えば
粒体として存在する場合はその分散がよくなる。
【0012】次に前記方法におけるエネルギーの付加に
ついて説明する。この付加手段は特定されず適宜選択し
得るが、次に例示する。 (イ)物理エネルギーとして対流、伝熱などによる方
法、(ロ)赤外線照射などによる熱線照射方式、(ハ)
電界、磁界を誘導する短波長のエネルギー波(超短波、
極超短波、マイクロ波、ミリ波)などによる波動エネル
ギー方式、(ニ)紫外線、電子線、X線など基材には溶
液内のイオンを活性化する因子を供給する励起方式、
(ホ)溶解熱、反応熱などを利用する化学エネルギーに
よる方式などがある。これらの方式は1種類に限らず、
複数の方式を組合せて行う事ができる。エネルギーは混
合液に与えてもよいし、又硬化樹脂成型物と混合液とが
共存する状態において与えてもよい。
【0013】硬化樹脂成型物を構成する樹脂としては公
知の樹脂が一般的に使用される。即ち、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブデン、ポリ4−メチル−1ペン
テン等のポリオレフィン系;ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリアクリル系、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リ酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアル
コールなどを例示できる。またこれらの混合物、変成
物、架橋物などでもよい。そして実用的にはポリ塩化ビ
ニル硬化成型物、ポリオレフィン硬化成型物が安価であ
ること、変色性が少なく、美装維持ができる点で好まし
く、又燃焼時に有害ガスを発生させない点でポリオレフ
ィン類が特に好ましい。
【0014】本発明の土木建築用材料は硬化樹脂成型物
の表面に金属酸化物、金属水酸化物、金属水酸化酸化物
の少なくとも一種が固着していることに特徴がある。こ
れら酸化物は成型物に固着させる金属塩含有液の条件を
制御して容易に目的とするものを得ることができる。こ
れら酸化物の生成をポリプロピレン硬化成型板にFeO
OH、Fe23 、Fe(OH)3 を生成させる例につ
いて説明する。即ちFeCl3 の水溶液を製造し、該水
溶液にポリプロピレン硬化成型板を浸漬し、必要により
加熱する。その結果、水溶液に次の反応が進行する。 FeCl3 +2H2 O → FeOOH+3HCl 即ち塩酸を生じ、反応液は酸性となる。ポリプロピレン
は酸性では不安定であり、又加熱すれば更に安定度は減
少する。その結果発生期の水酸化酸化鉄は成型板に固着
する。次にこの液にpHコントロール試薬を加えるとp
Hは強酸性、弱酸性、中性、アルカリ性と変化する。こ
れにより次の反応により、Fe23 、Fe(OH)3
を生ずる。弱酸性、中性、アルカリ性においては 2FeOOH → Fe23 +H2 O という反応が進み発生期の酸化鉄がポリプロピレンに固
着する。更に、強アルカリ性では FeOOH+H2 O → Fe(OH)3 により水酸化鉄がポリプロピレンに固着する。又、水酸
化酸化鉄を脱水し酸化鉄に、水酸化鉄を脱水し水酸化酸
化鉄、酸化鉄にすることが出来る。
【0015】本発明の土木建築用材料において、金属酸
化物、金属水酸化物、金属水酸化酸化物と、硬化樹脂成
型物との比率は特定されず、使用目的により異なるが、
実用的には重量で成型物100に対して酸化物類0.0
01〜10の範囲にあるのが好ましい。又前記各種酸化
物類は、硬化樹脂成型物の全面を覆う場合、一部を覆う
場合等目的により適宜決定される。本発明の土木建築用
材料における金属酸化物、金属水酸化酸化物及び金属水
酸化物は酸素又は酸素と水素を含んでおり、親水性を有
し従って一般的に土木建築用に使用されるセメント、ケ
イ酸カルシウム、スラグ、石膏等公知の水硬性材料と親
和性がある。従って本発明の土木建築用材料とそれら水
硬性材料とを混合した場合、本発明の土木建築用材料は
混合物中で安定して存在する。これらの混合物は土木建
築分野において広く使用することができる。この混合
物、即ち前述の一般的に使用されている土木建築用無機
物質と本発明の土木建築用材料となる本発明の土木建築
用材も実用的に極めて重要である。尚、本発明の前記土
木建築用材の製造において、混合成型の際、増粘剤、減
水剤、凝集剤、高分子エマルジョン、高分子ラテックス
等適宜の有機物質を加えてもよい。又粒状の本発明の土
木建築用材料を用いればその混合は容易である。
【0016】本発明の土木建築用材は通常フィルム状、
シート状、板状、粒状、織布、不織布状などの形状の本
発明の土木建築用材料を土木建築用無機物質に固着して
製造されるが、前記形状に加工前の原料である糸状、繊
維状のものを前述無機物質に固着を行った後に織布、不
織布等の形状に成形したものも本発明に含まれる。本発
明の土木建築用材料が網状、ネット状、織布、不織布の
場合、土木建築用無機物質と混合し、成型することによ
り、内部にそれらを補強材料として含有する本発明の土
木建築用材をうることができる。更に前記土木建築材の
表面にそれらを貼りつけることにより、更に補強された
本発明の土木建築用材をうることができる。一般的に上
記の本発明の土木建築用材において硬化樹脂組成物が疎
水性の場合、土木建築用材料と無機物質とは強い固着が
必要であるが、樹脂組成物が親水性の場合は弱い固着で
よい。更に形状が粒状、繊維状の硬化樹脂組成物を用い
て、前述の混合成型をした場合、その成型品の樹脂の融
点以上に加熱することにより混合されている樹脂を成型
土木建築用材の表面に成膜させることが出来る。このよ
うにして得られた成型品は優れている。前記の混合成型
により得られた本発明の土木建築用材はいずれも本発明
の土木建築用材料が分散されており、そのため本発明の
土木建築用材の熱安定性、特に高温時の耐爆裂性向上材
料として使用される。
【0017】本発明の土木建築用材がフィルム状、又は
シート状であり、このシート状又はフィルム状材を物体
に張りつけた場合、その物体の耐水性、耐薬品性、耐汚
染性、耐食性、防かび性等を向上させることができる。
又着色も容易である。又張りつけは各種の公知の接着剤
を用いれば容易になし得る。本発明の土木建築用材にお
ける本発明の土木建築用材料と土木建築用無機物質、特
に水硬性物質との比率について説明する。この比率は目
的、構成される無機物質と土木建築用材料の種類により
異なる。例えば無機物質の表面、又はその内部にシート
状、フィルム状、繊維状の本発明の土木建築用材料が存
在する場合は、特にその厚さは無関係である。又、本発
明の土木建築用材料が例えば繊維の場合は、無機物質の
0.01〜5%で充分である。然し、これらは特定され
るものではない。そして土木建築用材料が粒状の場合は
100:0.1〜100:1000の広い範囲でも可能
である。
【0018】〔実施例、比較例〕次に実施例、比較例に
より本発明を説明する。 実施例 1 FeCl3 を水に溶解し、80℃で1リットル中のFe
Cl3 20gである水溶液を作成した。この液に1%水
酸化ナトリウム溶液を加えて、pHを1.6にした。次
にこの液にポリプロピレンフィルム(100×300×
0.05mm)を浸漬し、80℃に加熱し、10分間保
持後、液よりフィルムを取り出し、水洗後、原子吸光法
及びX線回析法により固着している実質的主成分はFe
OOHであることを確認した。次に燃焼前後の重量測定
によりその固着量がフィルム100g当り0.2gであ
ることを確認した。 実施例 2 実施例1と同様の濃度で80℃のFeCl3 水溶液を調
整し、実施例1と同様にpHを1.6に調整後冷却して
20℃の液温としこの温度で30分間保持した。次いで
実施例1と同様に処理してFeOOHを実質的主成分と
する酸化物が成型100g当り0.05g固着している
ことを確認した。
【0019】実施例 3〜6 FeCl3 水溶液、pH調整用の水酸化ナトリウム溶
液、酸化物類を固着させるポリプロピレンフィルムはす
べて実施例1と同様のものを用い、pH、pH調整前、
調整後の温度、フィルムの浸漬温度、浸漬時間を第1表
に示す様に変化させて成型板に酸化物を固着させた。得
られた固着物の主成分及び固着量を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】比較例 1〜4 FeCl3 水溶液を加熱せず、一定温度に保持した以
外、実質的に実施例1と同様に処理した。処理条件及び
処理後のフィルムの固着物を表2に示す。
【0022】
【表2】 処理液に高温処理の履歴がない場合、殆ど固着しない。
【0023】実施例 7 AlCl3 を水に溶解し、AlCl3 10g/リットル
の水溶液を製造した。この液を90℃にした後、NaO
Hを加えてpHを4.5に調整後、この液の液温を加熱
により90℃とした。次にこの液に実施例1と同様のポ
リプロピレンフィルムを浸漬し、10分間保持した。以
降実施例1と同様に処理して、フィルムにはAlOOH
がフィルム100g当たり0.1g/固着していること
を確認した。 実施例 8 CuCl2 を水に溶解し、CuCl2 10g/リットル
の水溶液を製造した。この液を80℃にした後、HCl
を加えてpHを1.6に調整後、この液の液温を加熱に
より80℃とした。次にこの液に実施例1と同様にポリ
プロピレンフィルムを浸漬し、10分間保持した。以降
実施例1と同様に処理して、フィルムにはCu化合物が
フィルム100g当たり0.1g固着していることを確
認した。
【0024】実施例 9 実施例1においてポリプロピレンフィルムの代りに平均
粒径0.4mmのポリエチレン成型粒(フラフ)を反応
液に浸漬、懸濁させた以外は全く同様に処理してFeO
OHがフラフ100g当たり0.3g固着している本発
明の土木建築用材料であるポリエチレンフラフを得た。 実施例 10 セメント500g、砂(径0.3〜1.2mm)450
g、実施例9で得られた本発明のポリエチレン成型粒
(フラフ)50gを混合し、次いで注入成型により30
0×300×6mmの土木建築用成型材を得た。これを
20℃湿空で1日養生し、80℃湿空で更に3日間養生
し、これを80℃で乾燥して本発明の土木建築用材を製
造した。このものの、曲げ強度は86kgf/cm2
り、又その表面は美麗であった。また耐熱試験のため7
50℃電気炉に挿入したところ、亀裂は入らず、また爆
裂することはなかった。更に養生後の成型板表面を研磨
することによってもポリエチレン粒が剥離することが無
かった。又、95℃に加熱したところ表面に樹脂膜が形
成されることを確認した。
【0025】比較例 5 実施例10において用いた本発明のポリエチレン粒(フ
ラフ)の代りに実施例9に原料として用いた未処理ポリ
エチレンフラフを用いた以外、すべて実施例10と同様
に処理して成型品を得た。この製品の曲げ強度は82k
gf/cm2 であり、表面は実施例10で得られた土木
建築用材より劣っていた。また表面を研磨した場合ポリ
エチレン粒が脱離した。 比較例 6 実施例10において用いた本発明のポリエチレン粒(フ
ラフ)の代わりにカサ比重0.1の発泡ポリエチレンを
用いた以外、実施例10と同様の処理をした製品を得
た。この製品の曲げ強度は54kgf/cm2 であり、
表面は比較例5の製品より更に劣っていた。 比較例 7 実施例10において用いた本発明のポリエチレン粒(フ
ラフ)の代わりに比較例6の発泡ポリエチレンを5g
(同一体積)を用い、実施例10と同様の処理をした製
品を得た。曲げ強度は86kgf/cm2 であり美感は
よかったが、耐熱テストでは爆裂が見られた。
【0026】実施例 11 1mm幅、6meshアミ目、50g/m2 のポリプロ
ピレンフラットヤーン織布を使用し、実施例1の方法に
より処理を行った。セメント500g、高叩解パルプ4
0g、けい砂粉450g、ポリプロピレン繊維1gを用
いて抄造を行い、得られた板の表裏に前述の織布を置
き、25kg/cm2 で加圧成型した。得られた成型体
は300×300×6mmであった。これを20℃湿室
で1日、80℃湿室で3日間養生を行い、80℃で乾燥
したところ、このものの曲げ強度は226kgf/cm
2 であった。 比較例 8 実施例11に用いた本発明の織布の代わりに未処理の織
布を用いた以外、全て実施例11と同様な処理した成形
板を得た。このものの曲げ強度は172kgf/cm2
であった。
【0027】実施例 12 5D 、5mmカットポリプロピレン繊維を用いて目付5
0g/m2 の不織布を得た。これを実施例1の方法によ
り処理を行いFeOOHが0.6%固着した不織布を得
た。セメント950g、高叩解パルプ40g、5D 、5
mmカットポリプロピレンを用いて40mesh金アミ
及び上記不織布を用いて抄造を行い、300×300×
6mmの成型板を得た。但し、抄造後25kg/cm2
で凹凸を有する板を用いてプレスし20℃湿室で1日8
0℃湿室で3日養生し、80℃で3日間乾燥した。この
材料は曲げ強度は230kgf/cm2 であり、その表
面は綺麗であった。 比較例 9 実施例12で用いた本発明の不織布の替わりに処理を行
わないポリプロピレン不織布を用いた以外全て実施例1
2と同様な処理をした成型板を得た。このもののの曲げ
強度は177kgf/cm2 であった。 比較例 10 実施例12で用いた本発明の不織布の替わりに5D 、5
mmカット目付50g/m2 のビニロン繊維不織布を用
いた以外全て実施例12と同様な処理をした成型板を得
た。このものの曲げ強度は242kgf/cm2 であっ
たが、表面美観は実施例12に劣っていた。
【0028】実施例 13 表面にFeOOHをシート100g当たり0.15gを
固着した厚さ0.05mm、巾100mm、長さ300
mmの本発明の土木建築用材料であるポリエチレンシー
トを厚さ8mmのスレート板にアニオンエマルションを
用いて張りつけ、更に同エマルション80重量部に鉛白
顔料20重量部を混入した塗料を塗布し、7日間自然乾
燥した。その結果本発明の土木建築用材が得られた。そ
の塗料の安定性、フィルムの付着安定性、製品の耐水
性、耐酸性を測定した。結果を表3に示す。 実施例 14 実施例13において本発明の土木建築用材料であるポリ
エチレンシートを、スレート板の代りに厚さ12mmの
石膏に貼りつけた以外はすべて同一の方法で処理した。
得られた本発明の土木建築用材について実施例13と同
様にその特性を測定した。結果を表3に示す。 実施例 15,16 実施例13,14においてアニオンエマルションの代り
にカチオンエマルションを用いた以外すべて同様に処理
して本発明の土木建築用材を製造し、夫々の特性を測定
した。結果を表3に示す。 比較例 11,12,13,14 実施例13,14,15,16において表面にFeOO
Hを固着した本発明のポリエチレンシートの代りに、F
eOOHを固着しないポリエチレンシートを用いた以
外、すべて夫々の実施例と同様に処理し、得られた製品
の性質を実施例と同様に処理した。その結果を表3に示
す。
【0029】
【表3】
【0030】塗料の安定性においては塗料とシートの接
着安定性をチェックし、20℃で3時間、80℃で3時
間を10回繰り返し、充分に接着しているものを○、一
部の剥れが見られるものを×とした。ポリプロピレンシ
ートの接着性においては下地とシートの接着についてチ
ェックし20℃で3時間、80℃で3時間を10回繰り
返し充分に接着しているものを○、全部が剥れたものを
×とした。耐水性はシート接着性試験においてシートが
接着されていない面をエポキシ樹脂でシールし、20
℃、80℃の条件で水中で同様なテストを行った。シー
トが存在していた下地の損傷を観察し、損傷のないもの
を○、損傷したもの(剥れた事により損傷したものも含
む)を×とした。耐酸性は耐水性試験において水に替え
て1%塩酸液を用い、同様に判定した。
【0031】実施例 17 セメント500g、ポリスチレン発泡粒子(比重0.0
6、粒径0.3〜2.0、実施例5と同様な方法によ
り、処理を行い、Fe23 を粒子100g当たり5g
固着させた材料)30gを混合し、注水のうえ左官用モ
ルタルの評価を行った。混練時においてポリスチレン粒
子は容易にセメント、水と均一に混合し、又、塗付作業
性は優れていた。このものは曲げ強度44kgf/cm
2 であった。 比較例 15 実施例17において用いた本発明のポリスチレン粒子の
代わりにFe23 を固着させる処理を行わないポリス
チレン粒子を用いた以外全て実施例17と同様な方法に
より左官用モルタルを得た。このものは曲げ強度44k
gf/cm2 であったが、混練時にポリスチレン粒子は
セメント、水混合物上に浮遊し、容易には均一なモルタ
ルは得られなかった。
【0032】
【発明の効果】石綿に代り得る土木建築用材料の供給が
可能となり、更に本発明の土木建築用材料に一般的に用
いられている土木建築用無機物質を混合したものは、例
えば板材、壁材等として実用的価値が極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 28/02 C04B 28/02 E04C 2/04 E04C 2/04 F (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18 B32B 27/00 - 27/42

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化樹脂成型物に、Al、Si、Ti、
    V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mg、Ca、Cu
    から選ばれる少なくとも一種の金属の塩と、水、アルコ
    ール類、アルデヒド類、有機酸等の極性溶媒から選ばれ
    る少なくとも一種の溶媒とよりなる混合液を接触させる
    と共にエネルギーを付加させることにより、その表面に
    金属酸化物、金属水酸化物、金属水酸化酸化物中の少な
    くとも一種が固着している土木建築用材料。
  2. 【請求項2】 硬化樹脂成型物はフィルム状、板状、網
    板、粒状、織布状、不織布状である請求項1の土木建築
    用材料。
  3. 【請求項3】 硬化樹脂成型物はポリオレフィン硬化成
    型物、ポリ塩化ビニル硬化成型物である請求項1の土木
    建築用材料。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン硬化成型物はポリエチレ
    ン、ポリプロピレン硬化成型物である請求項3の土木建
    築用材料。
  5. 【請求項5】 請求項1の土木建築用材料を土木建築用
    無機物質に固着して製造される土木建築用材。
  6. 【請求項6】 請求項1の土木建築用材料が板状、フィ
    ルム状であり、土木建築用材料は土木建築用無機物質の
    表面に存在する請求項5の土木建築用材。
  7. 【請求項7】 請求項1の土木建築用材料が網状、粒
    状、織布状、不織布状であり、土木建築用材料は土木建
    築用無機物質の表面、内部、又は表面と内部とに存在す
    る請求項7の土木建築用材。
  8. 【請求項8】 請求項1の土木建築用材料が粒状であ
    り、土木建築用無機物質と土木建築用材料との重量比は
    100:0.1〜100:1000の範囲内である請求
    項5の土木建築用材。
  9. 【請求項9】 土木建築用無機物質はセメント系、ケイ
    酸塩、石膏系の少なくとも一種である請求項5の土木建
    築用材。
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