JP2757108B2 - 繊維補強コンクリ−ト - Google Patents
繊維補強コンクリ−トInfo
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- JP2757108B2 JP2757108B2 JP19382793A JP19382793A JP2757108B2 JP 2757108 B2 JP2757108 B2 JP 2757108B2 JP 19382793 A JP19382793 A JP 19382793A JP 19382793 A JP19382793 A JP 19382793A JP 2757108 B2 JP2757108 B2 JP 2757108B2
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- fiber reinforced
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度特性に優れた炭素
繊維強化コンクリ−トに関する。
繊維強化コンクリ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維補強コンクリ−トは耐熱、耐
火、耐水性を備え、軽量で強度に優れる等の特徴を有す
る材料として注目され、建築、土木用などへの利用、応
用が近年盛んに行われている。
火、耐水性を備え、軽量で強度に優れる等の特徴を有す
る材料として注目され、建築、土木用などへの利用、応
用が近年盛んに行われている。
【0003】炭素繊維は、従来からコンクリ−ト補強用
に用いられている石綿やガラス繊維に比べ、マトリック
スへの接着性や分散性が劣るため、これらの特性を改善
し、得られる炭素繊維強化コンクリ−トの強度を高める
ための様々な工夫が行われている。例えば、特開昭62
−108755号公報には、炭素繊維の表面に、カチオ
ン性のスチレンブタジェン系ゴムラテックスを付着させ
ることが開示されている。
に用いられている石綿やガラス繊維に比べ、マトリック
スへの接着性や分散性が劣るため、これらの特性を改善
し、得られる炭素繊維強化コンクリ−トの強度を高める
ための様々な工夫が行われている。例えば、特開昭62
−108755号公報には、炭素繊維の表面に、カチオ
ン性のスチレンブタジェン系ゴムラテックスを付着させ
ることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素繊
維にゴムを付着させるためには、炭素繊維を予め酸化処
理する必要があり、未処理の炭素繊維の場合はコンクリ
−トへの接着性やコンクリ−トの中での分散性が悪かっ
た。
維にゴムを付着させるためには、炭素繊維を予め酸化処
理する必要があり、未処理の炭素繊維の場合はコンクリ
−トへの接着性やコンクリ−トの中での分散性が悪かっ
た。
【0005】このような現状を鑑み、本発明は、これら
従来からある方法のような制約がなく、しかも炭素繊維
のマトリックスへの接着性や分散性を高め、ひいては強
度に優れた炭素繊維強化コンクリ−トを目的としてなさ
れた発明である。
従来からある方法のような制約がなく、しかも炭素繊維
のマトリックスへの接着性や分散性を高め、ひいては強
度に優れた炭素繊維強化コンクリ−トを目的としてなさ
れた発明である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ESCA法に
より測定されるO1s/C1sピーク比が0.10未満であ
る炭素繊維にシリコンゴム微粒子が保持されている炭素
繊維を、セメント系マトリックスに分散させたことを特
徴とする繊維補強コンクリ−トにある。
より測定されるO1s/C1sピーク比が0.10未満であ
る炭素繊維にシリコンゴム微粒子が保持されている炭素
繊維を、セメント系マトリックスに分散させたことを特
徴とする繊維補強コンクリ−トにある。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる炭素繊維としては、公知の炭素繊維であれば特に
限定されることなく使用できるが、特に本発明において
は補強コンクリ−トの高強度化が主たる目的でありた
め、補強材料である炭素繊維としては、より高強度であ
ることが望ましい。従って、汎用的で、且つ高い強度特
性の得られやすいポリアクリロニトリル系炭素繊維が好
ましい。
用いる炭素繊維としては、公知の炭素繊維であれば特に
限定されることなく使用できるが、特に本発明において
は補強コンクリ−トの高強度化が主たる目的でありた
め、補強材料である炭素繊維としては、より高強度であ
ることが望ましい。従って、汎用的で、且つ高い強度特
性の得られやすいポリアクリロニトリル系炭素繊維が好
ましい。
【0008】さらに、本発明で用い得る炭素繊維は、E
SCA法により測定されるO1s/C1sピーク比が0.1
0未満のものである。ESCA法により測定されるO1s
/C1sピーク比が0.10未満の炭素繊維は、ポリアク
リロニトリル系繊維を通常の条件で炭素化することによ
って得られる炭素繊維そのもの、または低度の表面酸化
処理物である。
SCA法により測定されるO1s/C1sピーク比が0.1
0未満のものである。ESCA法により測定されるO1s
/C1sピーク比が0.10未満の炭素繊維は、ポリアク
リロニトリル系繊維を通常の条件で炭素化することによ
って得られる炭素繊維そのもの、または低度の表面酸化
処理物である。
【0009】炭素繊維に対するシリコンゴム微粒子の付
着量は、固形分で0.1〜5重量%の範囲が好ましい。
付着量が0.1重量%より少ないとその効果が発揮され
ず、また、5重量%を超え多過ぎると繊維同志がくっつ
き合いマトリックス中における分散が不十分となり、炭
素繊維補強コンクリ−トとした場合強度特性の向上効果
が得られなくなる。
着量は、固形分で0.1〜5重量%の範囲が好ましい。
付着量が0.1重量%より少ないとその効果が発揮され
ず、また、5重量%を超え多過ぎると繊維同志がくっつ
き合いマトリックス中における分散が不十分となり、炭
素繊維補強コンクリ−トとした場合強度特性の向上効果
が得られなくなる。
【0010】炭素繊維にシリコンゴム微粒子を付着保持
させる手段としては、シリコンゴム微粒子をアニオン性
界面活性剤を用いて水中に分散させた分散液で処理する
方法が挙げられる。
させる手段としては、シリコンゴム微粒子をアニオン性
界面活性剤を用いて水中に分散させた分散液で処理する
方法が挙げられる。
【0011】アニオン性界面活性剤としては通常、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムに代表されるスルホ
ン酸塩類や、ラウリル硫酸エステルナトリウム塩に代表
される硫酸エステル塩類、その他カルボン酸塩類、リン
酸エステル塩類などが用いらる。分散液としたときシリ
コンゴム微粒子のζ電位が−30mV以下になる様に界
面活性剤の種類、濃度をコントロ−ルする。ζ電位が−
30mVより高い場合には繊維同志がくっつき合いセメ
ントマトリックス中における分散性が不十分となり、炭
素繊維補強コンクリ−トとした場合強度特性の向上効果
が期待できない。
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムに代表されるスルホ
ン酸塩類や、ラウリル硫酸エステルナトリウム塩に代表
される硫酸エステル塩類、その他カルボン酸塩類、リン
酸エステル塩類などが用いらる。分散液としたときシリ
コンゴム微粒子のζ電位が−30mV以下になる様に界
面活性剤の種類、濃度をコントロ−ルする。ζ電位が−
30mVより高い場合には繊維同志がくっつき合いセメ
ントマトリックス中における分散性が不十分となり、炭
素繊維補強コンクリ−トとした場合強度特性の向上効果
が期待できない。
【0012】シリコンゴム微粒子の付着量は、処理剤濃
度や付着方法を適宜工夫することにより調整し、付着後
は通常、乾燥して水分を除去する。これにより、シリコ
ンゴム成分が炭素繊維表面を覆い、更にシリコンゴム被
覆の上に界面活性剤が島状に散在すると考えられる。
度や付着方法を適宜工夫することにより調整し、付着後
は通常、乾燥して水分を除去する。これにより、シリコ
ンゴム成分が炭素繊維表面を覆い、更にシリコンゴム被
覆の上に界面活性剤が島状に散在すると考えられる。
【0013】本発明によるシリコンゴムをアニオン性界
面活性剤で分散した分散液を用いて表面処理した炭素繊
維による炭素繊維補強コンクリ−トは、未処理の炭素繊
維を用いたものに比べ、強度特性に優れている。
面活性剤で分散した分散液を用いて表面処理した炭素繊
維による炭素繊維補強コンクリ−トは、未処理の炭素繊
維を用いたものに比べ、強度特性に優れている。
【0014】この向上効果には、炭素繊維の表面に散在
する界面活性剤の静電的特性及びシリコンゴムの接着性
が関与しているものと推定される。つまり、シリコンゴ
ム微粒子の表面処理により炭素繊維同志は反発し合って
分散性が高まり、また処理剤の主成分であるシリコンゴ
ム粒子の作用でマトリックスとの接着性が高まった結
果、補強コンクリ−トの強度特性が向上したものと考え
られる。
する界面活性剤の静電的特性及びシリコンゴムの接着性
が関与しているものと推定される。つまり、シリコンゴ
ム微粒子の表面処理により炭素繊維同志は反発し合って
分散性が高まり、また処理剤の主成分であるシリコンゴ
ム粒子の作用でマトリックスとの接着性が高まった結
果、補強コンクリ−トの強度特性が向上したものと考え
られる。
【0015】又、本発明による炭素繊維補強コンクリ−
トの強度が高いことは、炭素繊維表面状態が処理剤種と
大きく関わっており、即ち、炭素繊維のESCA法によ
り測定されるO1s/C1sピーク比が0.10以下である
場合にアニオン性シリコンゴムによる処理が強度特性向
上に有効となる。このとき、カチオン性あるいはノニオ
ン性分散液による処理では向上効果が薄い。
トの強度が高いことは、炭素繊維表面状態が処理剤種と
大きく関わっており、即ち、炭素繊維のESCA法によ
り測定されるO1s/C1sピーク比が0.10以下である
場合にアニオン性シリコンゴムによる処理が強度特性向
上に有効となる。このとき、カチオン性あるいはノニオ
ン性分散液による処理では向上効果が薄い。
【0016】本発明において、処理されたよる炭素繊維
は、補強材料として用いるに当り、従来のように繊維形
態には何らの制限はなく、補強コンクリ−トの強度の製
法に応じて短繊維、長繊維、ストランド状、シート状、
不織布状、織物状など種々な形態で使用でき、ダイレク
トスプレ−法、プレミックス法、含浸法、ハンドレイア
ップ法 抄造など各種方法で施工できる利点を有する。
また、各種水硬性セメントを用いて板状、管状、柱状な
ど各種形状の成形物にすることができる。
は、補強材料として用いるに当り、従来のように繊維形
態には何らの制限はなく、補強コンクリ−トの強度の製
法に応じて短繊維、長繊維、ストランド状、シート状、
不織布状、織物状など種々な形態で使用でき、ダイレク
トスプレ−法、プレミックス法、含浸法、ハンドレイア
ップ法 抄造など各種方法で施工できる利点を有する。
また、各種水硬性セメントを用いて板状、管状、柱状な
ど各種形状の成形物にすることができる。
【0017】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。 実施例 繊維直径7μm、比重1.79、引張強度350kgf
/mm2 、弾性係数24×103 kgf/mm2 、伸度
1.5%、O1s/C1sピーク比が0.09(表面処理し
ていない通常のもの)の炭素繊維束を、平均粒径0.2
μmのポリジメチルシロキサンをドデシルベンゼンスリ
ホン酸ナトリウムで分散させたゴム濃度1.0%、ζ電
位−44mVの分散液に通した後、120℃で2分間乾
燥した。
明する。 実施例 繊維直径7μm、比重1.79、引張強度350kgf
/mm2 、弾性係数24×103 kgf/mm2 、伸度
1.5%、O1s/C1sピーク比が0.09(表面処理し
ていない通常のもの)の炭素繊維束を、平均粒径0.2
μmのポリジメチルシロキサンをドデシルベンゼンスリ
ホン酸ナトリウムで分散させたゴム濃度1.0%、ζ電
位−44mVの分散液に通した後、120℃で2分間乾
燥した。
【0018】この炭素繊維束を3mmの長さにカット
し、表1に示す配合で炭素繊維補強コンクリ−ト供試体
を作成した。練り混ぜは、繊維混入率1%として10リ
ットルオムニミキサ−を用いた。
し、表1に示す配合で炭素繊維補強コンクリ−ト供試体
を作成した。練り混ぜは、繊維混入率1%として10リ
ットルオムニミキサ−を用いた。
【0019】
【表1】
【0020】成型後、第1次養生(湿気室で1日)し、
更に材令1日で離型後、第2次養生(30℃の水中で7
日)を行った。炭素繊維補強コンクリ−トの評価は、タ
テ4cm、ヨコ16cm、厚さ4cmの供試体を用い、
スパン10cm、クロスヘッドスピ−ド2mm/分で中
央集中載荷曲げ試験で行った。その結果は273Kgf
/cm2 であった。
更に材令1日で離型後、第2次養生(30℃の水中で7
日)を行った。炭素繊維補強コンクリ−トの評価は、タ
テ4cm、ヨコ16cm、厚さ4cmの供試体を用い、
スパン10cm、クロスヘッドスピ−ド2mm/分で中
央集中載荷曲げ試験で行った。その結果は273Kgf
/cm2 であった。
【0021】比較例1 実施例と同様にしてζ電位−19mVの1.0%濃度の
ノニオン性アクリル・スチレン系分散液を用いて処理し
た炭素繊維を使って炭素繊維補強コンクリ−ト供試体を
作成し曲げ試験を行った。結果は200Kgf/cm2
であった。
ノニオン性アクリル・スチレン系分散液を用いて処理し
た炭素繊維を使って炭素繊維補強コンクリ−ト供試体を
作成し曲げ試験を行った。結果は200Kgf/cm2
であった。
【0022】比較例2 実施例1と同様にして、未処理の炭素繊維を用いて炭素
繊維補強コンクリ−ト供試体を作成し、曲げ試験を行っ
た。結果は237Kgf/cm2 であった。
繊維補強コンクリ−ト供試体を作成し、曲げ試験を行っ
た。結果は237Kgf/cm2 であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 義隆 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社 中央研究所内 (72)発明者 武井 吉一 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 末永 龍夫 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 里山 公治 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 14/38 C04B 14:38 C04B 28/02
Claims (2)
- 【請求項1】 ESCA法により測定されるO1s/C1s
ピーク比が0.10未満である炭素繊維にシリコンゴム
微粒子が保持された炭素繊維が、セメント系マトリック
スに分散されていることを特徴とする繊維補強コンクリ
−ト。 - 【請求項2】 炭素繊維がシリコンゴムをアニオン性界
面活性剤で分散させた分散液で処理されたものである請
求項1の繊維補強コンクリ−ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19382793A JP2757108B2 (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 繊維補強コンクリ−ト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19382793A JP2757108B2 (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 繊維補強コンクリ−ト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0748154A JPH0748154A (ja) | 1995-02-21 |
JP2757108B2 true JP2757108B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=16314410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19382793A Expired - Fee Related JP2757108B2 (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 繊維補強コンクリ−ト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2757108B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6962201B2 (en) | 2003-02-25 | 2005-11-08 | Halliburton Energy Services, Inc. | Cement compositions with improved mechanical properties and methods of cementing in subterranean formations |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NO326727B1 (no) * | 2005-11-04 | 2009-02-02 | Bba Blackbull As | Armert betonglegeme og en fremgangsmåte for støping av et armert betonglegeme, samt et system for armering av et betonglegeme og en fremgangsmåte for fremstilling av et armeringsnett. |
-
1993
- 1993-07-12 JP JP19382793A patent/JP2757108B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6962201B2 (en) | 2003-02-25 | 2005-11-08 | Halliburton Energy Services, Inc. | Cement compositions with improved mechanical properties and methods of cementing in subterranean formations |
US7351279B2 (en) | 2003-02-25 | 2008-04-01 | Halliburton Energy Services, Inc. | Cement compositions with improved mechanical properties and methods of cementing in subterranean formations |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0748154A (ja) | 1995-02-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |