JP3244490B2 - ゴルフボール - Google Patents
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Description
成されるゴルフボールに関する。
は、2つの半球殻を糸巻又はソリッドコアに被覆して加
熱し、若しくはカバーをコアに射出成形して球状とし、
その後、金型接合面であるパーティングラインに出たバ
リを切削して除去することにより作製される。
打っても同様の飛行特性を有することが要求され、換言
すれば、空気力学的異方性の無いことが要求される。し
かしながら、上述のようにして作製されるゴルフボール
は、金型接合面であるパーティングラインにディンプル
を配列し得ないという問題と、パーティングライン上の
バリを切削する際にパーティングライン付近のディンプ
ルまで削られてしまうという問題から、パーティングラ
イン付近のディンプル効果が薄れ、空気力学的異方性が
顕著となり、ボールの打撃点が変化すると、飛行性能に
差が出てしまう。
示すように、パーティングラインを通る軸心L1 がバッ
クスピンの回転中心軸となるような打撃方法(以下これ
をポール打ちと呼ぶ場合がある)にて打撃したときより
も、図6に示すように、両極部3,3を通る軸L2 が回
転軸となるような打撃方法(以下これをシーム打ちと呼
ぶ場合がある)にて打撃したときの方が、弾道が低くな
り、キャリーも出ない傾向にある。
と飛距離のばらつきを無くすべく、パーティングライン
周辺のディンプルのみを、他の場所に配されたディンプ
ルよりも深くしたものが、特開昭61−284264号等にて、
公知であった。
パーティングライン周辺のディンプルのみを深く設計す
ることにより、シーム打ちの場合の弾道が高くなりポー
ル打ちの場合の弾道に近づくものの、いぜんシーム打ち
の場合の弾道はポール打ちの場合の弾道より低いもので
あり、ボールの空気力学的異方性を解消できず、打撃点
の相違による弾道と飛距離のばらつきが生じていた。
て、空気力学的異方性が無くなり、どの位置で打撃して
も飛行性能が一定となるゴルフボールを提供することを
目的とする。
めに、本発明に係るゴルフボールは、半割り金型にて形
成されるゴルフボールに於て、パーティングラインを緯
度0°とし、両極部を緯度90°とし、かつ、緯度が0°
以上17°以下の範囲をパーティングライン付近とし、緯
度が17°より大きく62°未満の範囲を肩部とし、緯度が
62°以上90°以下の範囲をポール付近とし、さらに、上
記パーティングライン付近に属するディンプルの総容積
をXとし、上記ポール付近に属するディンプルの総容積
をYとし、肩部に属するディンプルの総容積をZとした
ときに、X/Zを0.58〜0.72に設定し、かつ、Y/Zを
0.22〜0.30に設定したものである。さらに、Y/Xが0.
35〜0.48に設定されている。
ールに於て、パーティングラインを緯度0°とし、両極
部を緯度90°とし、かつ、緯度が0°以上17°以下の範
囲をパーティングライン付近とし、緯度が17°より大き
く62°未満の範囲を肩部とし、緯度が62°以上90°以下
の範囲をポール付近としたときに、上記肩部に、径寸法
が相違する複数種のディンプルを配設し、かつ、上記パ
ーティングライン付近と上記ポール付近に、上記肩部に
配設されたディンプルの内の少なくとも1種類のディン
プルを配設し、さらに、該パーティングライン付近に属
するディンプルと、ポール付近に属するディンプルを、
夫々、上記肩部に属する同一径のディンプルよりも0.00
3mm 〜0.06mmだけ深く設定したものである。
ールに於て、パーティングラインを緯度0°とし、両極
部を緯度90°とし、かつ、緯度が0°以上17°以下の範
囲をパーティングライン付近とし、緯度が17°より大き
く62°未満の範囲を肩部とし、緯度が62°以上90°以下
の範囲をポール付近としたときに、表面全体に同一径の
ディンプルを配設し、かつ、上記パーティングライン付
近に属するディンプルと、ポール付近に属するディンプ
ルを、夫々、上記肩部に属するディンプルよりも0.003m
m 〜0.06mmだけ深く設定したものである。
づき、本発明を詳説する。
示し、このゴルフボール1は、半割り金型にて形成され
るゴルフボールであって、2は金型接合面であるパーテ
ィングライン(シーム)、3,3は極部、4…は円形の
ディンプルである。
°とし、両極部3,3を緯度90°とし、かつ、緯度が0
°以上17°以下の範囲をパーティングライン付近Pと
し、緯度が17°より大きく62°未満の範囲を肩部Qと
し、緯度が62°以上90°以下の範囲をポール付近Rと
し、さらに、パーティングライン付近Pに属するディン
プル4…の総容積をXとし、ポール付近Rに属するディ
ンプル4…の総容積をYとし、肩部Qに属するディンプ
ル4…の総容積をZとしたときに、X/Zを0.58〜0.72
に設定し、かつ、Y/Zを0.22〜0.30に設定する。か
つ、Y/Xを0.35〜0.48に設定する。
のディンプル4…を配設し、かつ、パーティングライン
付近Pとポール付近Rに、肩部Qに配設されたディンプ
ル4…の内の少なくとも1種類のディンプル4…を配設
する。さらに、パーティングライン付近Pに属するディ
ンプル4…と、ポール付近Rに属するディンプル4…
を、夫々、肩部Qに属する同一径の(同一種の)ディン
プル4…よりも0.003mm〜0.06mmだけ深く設定する。
ように、本発明に於て、ディンプル4の深さ寸法Vは、
ディンプル4の最底部から該ディンプル4のエッジをつ
なげた仮想平面9までの最短距離のことを言うと定義す
る。従って、前記ディンプル4…の深さ設定を換言すれ
ば、パーティングライン付近Pとポール付近Rに夫々属
するディンプル4の深さ寸法Vを、肩部Qに属する同一
種のディンプル4…よりも0.003mm 〜0.06mmだけ深く設
定する。
値が0.003mm 未満では、ポール打ちとシーム打ちとの飛
行性能が従来のゴルフボールとほとんどかわらず、飛行
性能がばらつくからである。また、0.06mmを越えると、
深く設定したディンプル4…が、他の同一径のディンプ
ル4…に比して極端に深くなるので、空気力学的異方性
がかえって大きくなって打撃点の変化により飛行性能が
ばらつくからである。
ングライン付近Pに属するディンプル4…とは、(ディ
ンプル4の円の)中心がパーティングライン2から緯度
θ1=17°の第1緯度線5,5までの範囲内にあるディ
ンプル4…のことを言う。また、ポール付近Rに属する
ディンプル4…とは、中心が緯度θ2 =62°の第2緯度
線6,6から両極部3,3までの範囲内にあるディンプ
ル4…のことを言う。また、肩部Qに属するディンプル
4…とは、第1緯度線5,5よりも高緯度であってかつ
第2緯度線6,6よりも低緯度の範囲内にあるディンプ
ル4…のことを言う。
72、かつ、0.22≦Y/Z≦0.30に、設定した意味に関し
て、また、0.35≦Y/X≦0.48に設定した意味に関し
て、追加説明すると、以下の通りである。
表面積をSp ,肩部Qの表面積をS q ,ポール付近Rの
表面積をSr とすると、(前述の)緯度θ1 =17°,緯
度θ 2 =62°にて、球体を区画した幾何学上の計算か
ら、Sp :Sq :Sr =0.29237 :0.59058 :0.11705
の関係式が成立する。
に、X/Z=0.4951とすれば、「パーティングライン付
近Pにおけるディンプル4の容積の平均値」と「肩部Q
におけるディンプル4の容積の平均値」とが相等しいこ
とになる。
したということは、“パーティングライン付近Pのディ
ンプル4の容積の平均値を、肩部Qのディンプル4の容
積の平均値よりも、大きく設定した”ことを意味する。
ら、Sr /Sq =0.1982である。仮に、Y/Z=0.1982
とすれば、「ポール付近Rにおけるディンプル4の容積
の平均値」と「肩部Qにおけるディンプル4の容積の平
均値」とが相等しいことになる。
したということは、“ポール付近Rのディンプル4の容
積の平均値を、肩部Qのディンプル4の容積の平均値よ
りも、大きく設定した”ことを意味する。
ら、Sr /Sp =0.4003である。仮に、Y/X=0.4003
とすれば、「パーティングライン付近Pにおけるディン
プル4の容積の平均値」と「ポール付近Rにおけるディ
ンプル4の容積の平均値」とが相等しいことになる。
したということは、“ポール付近Rのディンプル4の容
積の平均値と、パーティングライン付近Pのディンプル
4の容積の平均値とを、(概略)同一値に設定した”こ
とを意味する。
直径部における断面形状を円弧状とする。あるいは、図
4の(a)(b)に示すように、ディンプル4の直径部
における断面形状を、底部7と残部8とで異なる2種類
の弧の組合せとする。なお、ディンプル4の直径部にお
ける断面形状を、これら以外の形状としても良い場合が
ある。
前記仮想平面9とディンプル4の内面とにて包囲される
空隙部の容積を、ディンプル4の単体の容積とする。つ
まり、総容積X,Y,Zは、夫々、パーティングライン
付近Pに属するディンプル4…の単体の容積の総和、ポ
ール付近Rに属するディンプル4…の単体の容積の総
和、及び、肩部Qに属するディンプル4…の単体の容積
の総和のことである。
ル表面全体に、同一深さのディンプルを均一に配設した
場合に比して、ポール付近Rのディンプル4…の総容積
Yが大きくなり、ポール打ちの際の弾道が低くなる。か
つ、パーティングライン付近Pのディンプル4…の総容
積Xが大きくなり、シーム打ちの際の弾道が高くなる。
そして、その2つの相乗効果により、ポール打ちとシー
ム打ちの弾道がほぼ同一となる。
に設定した理由は、X/Zが0.58未満であると、図6に
示すように、両極部3,3を通る軸L2 が回転軸となる
ような打撃方法(シーム打ち)にて打撃したときに、弾
道を高くする効果が不十分となってしまうからであり、
X/Zが0.72を越えると、パーティングライン付近Pに
属するディンプル4…が他と比べて極端に深くなってか
えって空気力学的異方性が大きくなってしまうからであ
る。
は、Y/Zが0.22未満であると、図5に示すように、パ
ーティングラインを通る軸心L1 がバックスピンの回転
中心軸となるような打撃方法(ポール打ち)にて打撃し
たときに、弾道を低くする効果が不十分となってしまう
からであり、Y/Zが0.30を越えると、ポール付近Rに
属するディンプル4…が他と比べて極端に深くなってか
えって空気力学的異方性が大きくなってしまうからであ
る。
/Xが0.35未満であると、ポール打ちによる弾道を低く
する効果が不十分となってしまうからであり、Y/Xが
0.48を越えると、ポール付近Rに属するディンプル4…
が他と比べて極端に深くなってかえって空気力学的異方
性が大きくなってしまうからである。上述の点につい
て、追加説明すると、以下の通りである。
る意味:均一ディンプル配置では、パーティングライン
付近PのXが小さくなり、シーム打ちの際に弾道が低く
なる。ところで、パーティングラインにはディンプルは
配列し得ない、かつ、バリ取りの際にパーティングライ
ン付近のディンプルが削られ、ディンプル効果が薄れ
る。そこで、従来は、シーム付近のみのディンプルを深
くすることによりディンプル効果を得て、シーム打ちで
の弾道の低下を防いでいたが、それでもポール打ちより
も弾道が低く、打撃点の相違による飛行性能の差が生じ
ている。そこで、本願発明ではX/Zを0.58以上とする
ことによりシーム打ちの際に弾道が高くなるようにして
いる。
のようにすることでシーム打ちでの弾道の低下を防いで
も、それでも依然としてポール打ちよりも低い。そこ
で、ポール打ちの弾道を下げてやることで、ポール打ち
とシーム打ちの弾道の差を無くすことを(本発明者は)
考えた。そのために、均一ディンプル配置よりも、ポー
ル付近RのYを大きくすると、ポール打ちの際に弾道が
低くなる。従って、本願発明ではY/Zを0.22以上とす
ることによりポール打ちの際に弾道が低くなるようにし
ている。つまり、これらの相乗効果で両弾道はほぼ同じ
ようになると考えられる。
どちらも深くしているのに弾道の変化が異なるのは、以
下の理由によると考えられる。「パーティングライン付
近PのXを大きくするということは、ディンプルのな
い、つるつるのボールよりもディンプルのあるボールの
方が弾道が上がる。ディンプルのないパーティングライ
ン上、かつバリ取りの際にディンプルが削られるパーテ
ィングライン付近PではXを大きくすることでディンプ
ル効果を得て弾道を上げてやる。」という考え方に基づ
いており、他方、「ポール付近RのYを大きくするとい
うことは、ディンプルはより深くすれば弾道は低くな
る。」という考え方に基づいている。
きくすれば、ポール打ちの際に弾道が低くなる。本願で
はY/Zを0.22以上としておりポール打ちの際に弾道が
低くなる。 (b) 均一ディンプル配置よりも,パーティングライン付
近PのXを大きくすれば、シーム打ちの際に弾道が高く
なる。本願ではX/Zを0.58以上としておりシーム打ち
の際に弾道が高くなる。
されず、例えば、図示省略するが、表面全体に同一径の
ディンプル4…を配設し、かつ、パーティングライン付
近Pに属するディンプル4…と、ポール付近Rに属する
ディンプル4…を、夫々、肩部Qに属するディンプル4
…よりも0.003mm 〜0.06mmだけ深く設定してもよい場合
がある。
較例1〜4のゴルフボールを実際に作製した。その実施
例と比較例1〜4のゴルフボールは、次の表1に示すよ
うに、径と深さが相違する複数種のディンプルを、表2
に示すような位置に配設して、ディンプル配列パターン
をパーティングラインを境に両極側で同一とし、さら
に、パーティングライン付近総容積Xとポール付近総容
積Yと肩部付近総容積Z、及び、X/ZとY/ZとY/
Xを表3に示すように設定した。なお、表3に於て、総
容積X,Y,Zの値は、半球分の値をもって示す。
X/ZとY/ZとY/Xの値が、全て本発明にて規定し
た範囲内にある。これに対し、比較例1は、Y/ZとY
/Xの値が規定範囲よりも小さい。比較例2は、X/Z
の値が規定範囲よりも小さく、かつ、Y/Xが規定範囲
よりも大きい。比較例3は、X/ZとY/Zの値が規定
範囲よりも小さい。また、比較例4は、X/Zの値が規
定範囲よりも小さい。
を、同一の1番ウッド(ドライバー)を使用して、無風
状況下に於て、ヘッドスピード45m/sにて打撃した。
そして、キャリーと弾道仰角とフライトタイムとを測定
した。その結果を次の表4に示す。
ポール打ちとシーム打ちとを比較すると、キャリー、弾
道仰角、フライトタイムの何れも差の絶対値が小さく、
ポール打ちとシーム打ちとの飛行性能の差がほとんど無
い。しかし、比較例1〜4は、キャリー、弾道仰角、フ
ライトタイムの差の絶対値が実施例に比して大きく、ポ
ール打ちとシーム打ちとの飛行性能のばらつきが大き
い。
に記載する効果を奏する。
気力学的異方性が無くなり、ポール打ちによる飛行性能
とシーム打ちによる飛行性能がほぼ同一となる。従っ
て、ボール表面上のどの位置で打撃しても飛行性能がば
らつかず一定となる。
ール表面上のどの位置で打撃しても飛行性能が一層ばら
つかない。
寸法が相違する複数種のディンプル4…が配設されたゴ
ルフボールに於て、ボール表面上のどの位置で打撃して
も飛行性能がばらつかず一定となる。
面全体に同一径のディンプル4…を配設したゴルフボー
ルに於て、ボール表面上のどの位置で打撃しても飛行性
能がばらつかず一定となる。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 半割り金型にて形成されるゴルフボール
に於て、パーティングライン2を緯度0°とし、両極部
3,3を緯度90°とし、かつ、緯度が0°以上17°以下
の範囲をパーティングライン付近Pとし、緯度が17°よ
り大きく62°未満の範囲を肩部Qとし、緯度が62°以上
90°以下の範囲をポール付近Rとし、さらに、上記パー
ティングライン付近Pに属するディンプル4…の総容積
をXとし、上記ポール付近Rに属するディンプル4…の
総容積をYとし、肩部Qに属するディンプル4…の総容
積をZとしたときに、X/Zを0.58〜0.72に設定し、か
つ、Y/Zを0.22〜0.30に設定したことを特徴とするゴ
ルフボール。 - 【請求項2】 Y/Xが0.35〜0.48に設定されている請
求項1記載のゴルフボール。 - 【請求項3】 半割り金型にて形成されるゴルフボール
に於て、パーティングライン2を緯度0°とし、両極部
3,3を緯度90°とし、かつ、緯度が0°以上17°以下
の範囲をパーティングライン付近Pとし、緯度が17°よ
り大きく62°未満の範囲を肩部Qとし、緯度が62°以上
90°以下の範囲をポール付近Rとしたときに、上記肩部
Qに、径寸法が相違する複数種のディンプル4…を配設
し、かつ、上記パーティングライン付近Pと上記ポール
付近Rに、上記肩部Qに配設されたディンプル4…の内
の少なくとも1種類のディンプル4…を配設し、さら
に、該パーティングライン付近Pに属するディンプル4
…と、ポール付近Rに属するディンプル4…を、夫々、
上記肩部Qに属する同一径のディンプル4…よりも0.00
3mm 〜0.06mmだけ深く設定したことを特徴とするゴルフ
ボール。 - 【請求項4】 半割り金型にて形成されるゴルフボール
に於て、パーティングライン2を緯度0°とし、両極部
3,3を緯度90°とし、かつ、緯度が0°以上17°以下
の範囲をパーティングライン付近Pとし、緯度が17°よ
り大きく62°未満の範囲を肩部Qとし、緯度が62°以上
90°以下の範囲をポール付近Rとしたときに、表面全体
に同一径のディンプル4…を配設し、かつ、上記パーテ
ィングライン付近Pに属するディンプル4…と、ポール
付近Rに属するディンプル4…を、夫々、上記肩部Qに
属するディンプル4…よりも0.003mm 〜0.06mmだけ深く
設定したことを特徴とするゴルフボール。
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JP3244490B2 true JP3244490B2 (ja) | 2002-01-07 |
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