JP3243673U - 分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザが直感的に指定した任意の領域内のパラメータに基づく計算結果をユーザに認識させることができる試料表面の分析によって生成された画像を表示する分析装置を提供する。【解決手段】試料の表面を構成する複数の点の各々に対応するパラメータを含む観察結果を出力する観察装置200と、観察装置によって出力された観察結果に基づく処理を実行する制御装置100とを備え、観察結果に基づいて、パラメータが対応付けられた複数の点の各々によって構成される試料の表面を表す観察画像を表示し、観察画像においてユーザによる任意の領域の指定を受け付け、ユーザによって指定された任意の領域に含まれる少なくとも1つの点に対応付けられたパラメータに基づく計算結果を出力する。【選択図】図1
Description
本開示は、分析装置に関する。
従来、試料の表面を分析し、分析結果を画像として表示する分析装置が知られている。特許文献1(特開昭62-015741号)には、電子ビームを試料面上で2次元走査しつつ該試料から得られる情報を画像表示する電子線マイクロアナライザが開示されている。特許文献1には、電子線マイクロアナライザの分析によって生成された画像の一部の領域を拡大あるいは縮小することが可能であることが記載されている。
このような試料表面の分析によって生成された画像において、弾性率などのパラメータの高さを示すため、試料表面が色分けして表示される場合がある。たとえば、画像内において、試料表面の弾性率が高い領域は赤色で表示され、試料表面の弾性率が低い領域は青色で表示される。試料表面上において、弾性率の高い領域および低い領域は、ランダムに配置されるため、画像を拡大または縮小させるだけでは、所望の弾性率を有する画像内の任意の領域を指定することができなかった。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、試料表面の分析によって生成された画像を表示する分析装置において、ユーザが直感的に指定した任意の領域内のパラメータに基づく計算結果をユーザに認識させることである。
本開示のある局面に従う分析装置は、試料を分析する分析装置である。分析装置は、試料の表面を構成する複数の点の各々に対応するパラメータを含む観察結果を出力する観察装置と、観察装置によって出力された観察結果に基づく処理を実行する制御装置とを備える。観察結果に基づいて、パラメータが対応付けられた複数の点の各々によって構成される試料の表面を表す観察画像を表示し、観察画像においてユーザによる任意の領域の指定を受け付け、ユーザによって指定された任意の領域に含まれる少なくとも1つの点に対応付けられたパラメータに基づく計算結果を出力する。
本開示によれば、試料表面の分析によって生成された画像を表示する分析装置において、ユーザが直感的に指定した任意の領域内のパラメータに基づく計算結果をユーザに認識させることできる。
[実施の形態]
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一の符号を付して、その説明は原則的に繰り返さない。
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一の符号を付して、その説明は原則的に繰り返さない。
<分析装置の構成>
図1は、本実施の形態に係る分析装置1の構成を概略的に示す図である。本実施の形態に係る分析装置1は、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)であって、代表的には、プローブ(探針)と試料Sの表面との間に働く原子間力(引力または斥力)を利用して試料Sの表面の形状を観察する原子間力顕微鏡(AFM:Automatic Force Microscope)である。
図1は、本実施の形態に係る分析装置1の構成を概略的に示す図である。本実施の形態に係る分析装置1は、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)であって、代表的には、プローブ(探針)と試料Sの表面との間に働く原子間力(引力または斥力)を利用して試料Sの表面の形状を観察する原子間力顕微鏡(AFM:Automatic Force Microscope)である。
分析装置1は、たとえば走査型トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope)などのその他の走査型プローブ顕微鏡であってもよい。図1に示す例では、分析装置1の接地面と並行にX軸およびY軸を規定するとともに、X軸およびY軸の各々に対して垂直にZ軸を規定する。
分析装置1は、観察装置200と、観察装置200を制御する制御装置100とを備える。観察装置200は、カンチレバー10と、ホルダ14と、光学系20と、スキャナ50と、試料保持部52とを備える。
カンチレバー10は、試料保持部52に載置された試料Sの上方(図1に示す例ではZ軸方向)に位置するように設けられている。ホルダ14は、Z軸方向に振動可能にカンチレバー10を支持する。カンチレバー10においてホルダ14によって支持されていない側(先端側)には、探針12が設けられている。カンチレバー10の表面は、試料Sと対向する。カンチレバー10の裏面は、光学系20と対向する。光学系20は、レーザ光源22と、ビームスプリッタ24と、反射鏡26と、検出器28とを備える。
レーザ光源22は、レーザ光LAを発射するレーザ発振器などによって構成される。レーザ光源22は、制御装置100からの制御信号に基づいてレーザ光LAを発射する。レーザ光源22から発射されたレーザ光LAは、ビームスプリッタ24によって反射され、カンチレバー10の裏面に照射される。カンチレバー10に照射されたレーザ光LAは、カンチレバー10の裏面によって反射され、反射鏡26によって反射される。反射鏡26によって反射されたレーザ光LAは、検出器28によって検出される。検出器28は、カンチレバー10によって反射されたレーザ光LAを検出し、その検出結果を制御装置100に出力する。
レーザ光源22は、出力するレーザ光LAの光軸と直交する面(図1に示す例ではYZ平面)に沿って移動可能である。制御装置100は、レーザ光源22を移動させることで、レーザ光LAがカンチレバー10で反射するようにレーザ光LAの光軸を調整する。
検出器28は、入射するレーザ光LAの光軸と直交する面(図1に示す例ではYZ平面)に沿って移動可能である。制御装置100は、検出器28を移動させることで、カンチレバー10で反射したレーザ光LAが検出器28の受光面の中央に入射するように検出器28の位置を調整する。
スキャナ50は、円筒形状を有する。試料Sは、スキャナ50上に載置された試料保持部52によって保持される。スキャナ50は、X軸方向およびY軸方向に沿って試料Sを走査するXYスキャナと、Z軸方向に沿って試料Sを微動させるZスキャナとを含む。このように、スキャナ50は、XYスキャナおよびZスキャナによって3次元方向に駆動する。
観察装置200は、制御装置100の制御に基づき、探針12と試料Sの表面との間に働く原子間力(引力または斥力)を利用しながら、カンチレバー10を上下方向に振動させる。制御装置100は、振動中のカンチレバー10によって反射するレーザ光LAを検出することで、試料Sの表面の情報を得る。
より具体的には、観察装置200は、検出器28から検出信号を制御装置100へ送信することによって、試料Sの表面を構成する複数の点の各々に対応するパラメータを含む観察結果を制御装置100に対して出力している。パラメータとは、試料Sの表面を構成する複数の点の各々の特性を示す指標であって、たとえば、弾性率、吸着力、形状高さ、電位、電流値、および磁気力の少なくとも1つを含む。形状高さとは、試料Sの表面のZ軸方向の高さを意味する。
試料表面の形状と同時に試料表面の電位の分布の情報を取得する手法として、ケルビンプローブフォース顕微鏡(KPFM: Kelvin Probe Force Microscope)による手法が知られている。KPFM法では、カンチレバーを共振周波数で振動させる。また、カンチレバーには、共振周波数とは異なる変調周波数を重畳させる。探針と試料表面の間に電位差がない場合には、カンチレバーの振動周波数は変化しないが、探針と試料表面の間に電位差がある場合、カンチレバーの振動周波数は変化する。これにより、観察装置200は、探針と試料との間の電位差を検出できる。また、観察装置200では、探針を試料表面に接触させた状態で探針と試料台の間に電圧を印加し、この電圧の値を変化させながら電流値を測定してもよい。
制御装置100は、観察装置200によって出力された観察結果に基づいて処理を実行する。制御装置100は、一例として、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従って構成されるコンピュータである。制御装置100は、観察装置200を構成する各部の動作を制御し、観察装置200から受信した観察結果に基づいて観察画像を生成する。なお、制御装置100は、分析装置1に専用のハードウェアを用いて実装されてもよい。
制御装置100は、プロセッサ102と、通信装置104と、メモリ103と、表示装置105と、入力装置106とを備える。メモリ103には、表示制御プログラム141が記憶されている。
メモリ103は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ、または、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリで構成されている。メモリ103は、試料Sの表面を示す観察画像をユーザの命令に従って表示するための表示制御プログラム141、および、観察装置200を制御するための分析プログラムなど、各種のプログラムおよびデータなどを格納する。
なお、メモリ103は、制御装置100が可読可能な形式で非一時的にプログラムおよびデータを記録することができれば、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリーカード、FD(Flexible Disk)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード、光カード、マスクROM、またはEPROMであってもよい。
プロセッサ102は、各種のプログラム(たとえば、表示制御プログラム141)に従って各種の処理を実行する演算主体(コンピュータ)である。プロセッサ102は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、およびはMPU(Multi-Processing Unit)のうちの少なくともいずれか1つで構成され得る。プロセッサ102は、プログラムを実行することによって各種の処理を実行する機能を有するが、これらの機能の一部または全部をFPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向け集積回路であってもよい。なお、プロセッサ102は、演算回路(Processing Circuitry)で構成されてもよい。
本開示において「プロセッサ」という用語は、CPUまたはMPUのようにストアードプログラム方式で処理を実行する狭義のプロセッサに限らず、ASICまたはFPGAなどのハードワイヤード回路を含み得る。このため、プロセッサ102は、コンピュータ読み取り可能なコードおよび/またはハードワイヤード回路によって予め処理が定義されている、処理回路(processing circuitry)と読み替えることもできる。
なお、プロセッサ102は、1チップで構成されてもよいし、複数のチップで構成されてもよい。さらに、プロセッサ102および関連する処理回路は、ローカルエリアネットワークまたは無線ネットワークなどを介して、有線または無線で相互接続された複数のコンピュータで構成されてもよい。プロセッサ102および関連する処理回路は、入力データに基づきリモートで演算し、その演算結果を離れた位置にある他のデバイスへと出力するような、クラウドコンピュータで構成されてもよい。
プロセッサ102は、表示制御プログラム141に従って、観察装置200によって得られたレーザ光LAの検出結果を分析することで、試料Sの表面に関する情報を示す観察画像を生成する。本実施の形態において、プロセッサ102は、表示制御プログラム141に従って、観察画像内におけるユーザから指定された任意の領域に関する計算結果を出力する。
プロセッサ102は、通信装置104を制御することで、通信装置104に外部装置との間でデータ(情報)の送受信を行わせる。通信装置104は、有線接続または無線接続によって、外部装置の各々との間でデータ(情報)の送受信を行う。
表示装置105は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどのディスプレイを含み、プロセッサ102の制御に基づいて、ユーザに対して情報を表示する。たとえば、表示装置105は、観察装置200による試料Sの観察結果に基づき得られた試料Sの観察画像を表示する。
入力装置106は、キーボードおよびマウスなど、ユーザによる入力を受け付ける入力インターフェースである。入力装置106は、受け付けたユーザの入力に基づく信号をプロセッサ102に出力する。なお、制御装置100は、表示装置105と入力装置106とが一体となったタッチパネルを備えていてもよい。
<観察画像>
図2は、観察画像P1の一例を示す図である。図2に示されるように、表示装置105は、観察画像P1を表示する。観察画像P1は、複数の点から構成される画像である。以下では、観察画像P1内に含まれている複数の点を「画素」と称する。各画素は、試料Sの表面を構成する点を表している。
図2は、観察画像P1の一例を示す図である。図2に示されるように、表示装置105は、観察画像P1を表示する。観察画像P1は、複数の点から構成される画像である。以下では、観察画像P1内に含まれている複数の点を「画素」と称する。各画素は、試料Sの表面を構成する点を表している。
観察画像P1内の各画素には、上述したパラメータが対応付けられている。図3は、各画素に対応付けられているパラメータの一例を示す図である。図3には、観察画像P1に含まれる複数の画素のうち、3つの画素1,画素2,画素3だけが表示されている。画素1,画素2,画素3は、実際の試料表面中の点を表している。
図3のテーブルに示されているように、画素1には弾性率600Mpaが対応付けられている。すなわち、画素1に対応する試料表面中の点の弾性率は、600Mpaである。画素2には弾性率1100Mpaが対応付けられている。すなわち、画素2に対応する試料表面中の点の弾性率は、1100Mpaである。画素3には弾性率150Mpaが対応付けられている。すなわち、画素3に対応する試料表面中の点の弾性率は、150Mpaである。
また、各画素には、弾性率に加えて、形状高さ、電位を示すパラメータも対応付けられている。以下では、形状高さの数値、電位の数値は、具体的な数値ではなく、記号を用いて説明する。画素1には、形状高さ「A(nm)」と、電位「D(V)」とが対応付けられている。画素2には、形状高さ「B(nm)」と、電位「E(V)」とが対応付けられている。画素3には、形状高さ「C(nm)」と、電位「F(V)」とが対応付けられている。
このように、各画素には、検出器28によって検出された複数のパラメータが対応付けられている。なお、図3には、弾性率、形状高さ、電位だけが示されているが、吸着力、電流値、および磁気力などが各画素に対応付けられていてもよい。
図2に戻り、本実施の形態の例では、観察画像P1は、各画素に対応付けられている弾性率ごとに画素が色分けされている。たとえば、0Mpa以上であって260Mpa未満の弾性率が対応付けられている画素は、青色で表示されている。260Mpa以上であって520Mpa未満の弾性率が対応付けられている画素は、緑色で表示されている。520Mpa以上であって780Mpa未満の弾性率が対応付けられている画素は、黄色で表示されている。
さらに、780Mpa以上であって1040Mpa未満の弾性率が対応付けられている画素は、橙色で表示されている。1040Mpa以上であって1300Mpa未満の弾性率が対応付けられている画素は、赤色で表示されている。最後に、1300Mpa以上の弾性率が対応付けられている画素は、白色で表示されている。なお、本開示において、各色はハッチングにて区別されている。観察画像P1において、図3にて説明した画素1は黄色で表示され、画素2は赤色で表示され、画素3は青色で表示されている。
図2に示されるように、各画素に色が付されていることによって観察画像P1内には、色ごとに分けられた領域が生じている。図2における観察画像P1に示されるように、試料表面には、高い弾性率を有する領域と、低い弾性率を有する領域とが存在している。図2の例では、不連続な複数の赤色の領域を確認することができる。図2の右側に示されるように、観察画像P1内における各色の出現頻度がヒストグラムとして表示されている。図2の例では、観察画像P1には、青色および緑色付近の弾性率の出現率が高く、赤色の弾性率の出現率が低いことが示されている。
このように、本実施の形態の分析装置1によって生成された観察画像P1は、画素ごとにパラメータが対応付けられており、パラメータの値に応じて色分けされた画素が表示装置105に表示されている。観察画像P1内におけるパラメータが高い領域、低い領域は、無作為な形状を有している。
このような観察画像P1において、ユーザは、たとえば、高い弾性率を有する領域だけのパラメータに関する情報を取得したいと考える場合がある。たとえば、図2の例では,赤色で示される領域だけの画素に対応付けられている弾性率の平均値を取得して、分析したいという要望がある。しかしながら、赤色で示される領域は、無作為な形状を有しているため、観察画像P1を拡大または縮小させることだけでは赤色で示される領域だけを指定することができなかった。そこで、本実施の形態の分析装置1では、以下に示すフローチャートを実行することによって、ユーザの指定した任意の領域に含まれる画素のパラメータに関する情報を出力する。
<計算結果の出力手順>
図4は、任意の領域内のパラメータの計算結果の出力手順を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、制御装置100のプロセッサ102が表示制御プログラム141を実行することによって実現される。
図4は、任意の領域内のパラメータの計算結果の出力手順を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、制御装置100のプロセッサ102が表示制御プログラム141を実行することによって実現される。
制御装置100は、観察装置200から受信した観察結果に基づいて、観察画像を生成する(ステップS100)。制御装置100は、生成した観察装置200を表示装置105に表示させる(ステップS110)。これにより、図2に示されるように、観察画像P1が表示装置105に表示される。
制御装置100は、観察画像P1においてユーザによる任意の領域の指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS120)。任意の領域については、後述の図5~図7を用いて詳述に説明する。任意の領域の指定を受け付けていない場合(ステップS120でNO)、制御装置100は、処理を終了する。
任意の領域の指定を受け付けた場合(ステップS120でYES)、制御装置100は、任意の領域に含まれる画素に対応付けられたパラメータを取得する(ステップS130)。続いて、制御装置100は、ステップS130にて取得したパラメータに基づく計算結果を表示装置105に表示させて(ステップS140)、処理を終了する。
<任意の領域について>
以下、図5~図7を用いてユーザによって指定される任意の領域の例を説明する。図5は、任意の領域の指定方法の第1例を示す図である。図5の例は、ユーザによって領域Rg1が指定されている。領域Rg1は、観察画像P1に重畳してユーザによって描画された線で囲われた領域である。図5において、領域Rg1は、本開示における「任意の領域」に対応し得る。
以下、図5~図7を用いてユーザによって指定される任意の領域の例を説明する。図5は、任意の領域の指定方法の第1例を示す図である。図5の例は、ユーザによって領域Rg1が指定されている。領域Rg1は、観察画像P1に重畳してユーザによって描画された線で囲われた領域である。図5において、領域Rg1は、本開示における「任意の領域」に対応し得る。
たとえば、表示装置105がタッチパネルである場合、ユーザは、領域Rg1の縁に対応する位置をタッチペンなどで触れることによって、領域Rg1を指定する。任意の領域の指定方法は他の方法であってもよく、たとえば、ユーザは、観察画像P1上に、円形状または多角形状を有する枠のオブジェクトを重畳して配置する。制御装置100は、当該枠のオブジェクトによって囲われている領域を任意の領域として判断してもよい。さらに、ユーザは、観察画像P1上の画素を順次選択する。制御装置100は、選択された順番で画素同士を接続する線を描画し、当該線によって囲われた領域を任意の領域として判断してもよい。
制御装置100は、任意の領域Rg1が指定されたことに基づいて、領域Rg1内の画素に対応付けられている弾性率に基づく計算結果Rs1を出力する。本実施の形態の例における計算結果Rs1は、平均値および中央値である。なお、計算結果Rs1は、平均値および中央値に限られず、たとえば、標準偏差、分散などの統計値であってもよい。図5の例では、計算結果Rs1に示されるように、領域Rg1内の弾性率の平均値が「618Mpa」であり、中央値が「195Mpa」であることが示されている。このように、図5の例では、領域Rg1によって囲われている橙色の領域、黄色の領域、および緑色の領域内の特徴を表す弾性率が表示されている。これにより、分析装置1では、直感的にユーザに指定された任意の領域のパラメータに基づく計算結果をユーザに認識させることできる。また、本実施の形態では、観察画像P1内においてユーザの所望の形状の領域を指定させることができる。
図6は、任意の領域の指定方法の第2例を示す図である。図6の例は、ユーザによって領域Rg2A,Rg2B,Rg2Cの3つの領域が指定されている。以下では、Rg2A,Rg2B,Rg2Cをまとめて「領域Rg2」と称する。領域Rg2A,Rg2B,Rg2Cの各々は、いずれも矩形形状である。領域Rg2A,Rg2B,Rg2Cの各々は、図5にて説明した手法によりユーザによって指定されている。図6の例では、領域Rg2A,Rg2B,Rg2Cが本開示の「任意の領域」に対応し得る。領域Rg2A,Rg2B,Rg2Cは、観察画像P1内において互いに重ならない領域である。領域Rg2A,Rg2B,Rg2Cの各々は、本開示における「第1領域」または「第2領域」に対応し得る。
図6の例では、計算結果Rs2として、領域Rg2A内の画素に対応付けられた弾性率と、領域Rg2B内の画素に対応付けられた弾性率と、領域Rg2C内の画素に対応付けられた弾性率との合計値に対する平均値「1100Mpa」が示されている。すなわち、制御装置100は、互いに重ならない各領域Rg2A~Rg2Cを1つの領域として、計算結果を算出している。同様に、制御装置100は、各領域Rg2A~Rg2C内の弾性値の中央値「1150Mpa」を算出し、表示装置105に表示している。これにより、分析装置1では、ユーザに指定された重ならない複数の任意の領域を1つの領域とし、当該1つの領域のパラメータに基づく計算結果をユーザに認識させることできる。
図7は、任意の領域の指定方法の第3例を示す図である。図7の例は、ユーザによって領域Rg3a,Rg3b,Rg3c,Rg3d,Rg3e,Rg3fの6つの領域が指定されている。以下では、領域Rg3a~Rg3fをまとめて「領域Rg3」と称する。
領域Rg3a~Rg3fの各々は、図5にて説明した手法と異なる手法によって、ユーザから指定されている。制御装置100は、ユーザから画素の色を受け付けることが可能であり、ユーザから受け付けた画素の色に対応する画素によって構成された領域だけをユーザから指定された任意の領域として判断する。以下では、特定の色に対応する画素だけを任意の領域として指定する機能を「スポイト機能」と称する。図7における任意の領域は、ユーザによって指定された所定の範囲内の弾性率が対応付けられた少なくとも1つの画素のみを含む。
すなわち、図7の例では、制御装置100は、ユーザから「赤色」に対応する画素を任意の領域とする命令を受け付け、「赤色」に対応する画素以外の画素の色を白色で表示している。制御装置100は、「赤色」に対応する画素の平均値と中央値とを計算結果Rs3として算出し、表示している。
図7の例では、計算結果Rs3に示されるように、領域Rg3内の弾性率の平均値が「1200Mpa」であり、中央値が「1250Mpa」であることが示されている。赤色の画素には、1040Mpa以上であって1300Mpa未満の弾性率が対応付けられている画素が含まれる。図7に示されるように、ユーザは、赤色の画素の弾性率における平均値、中央値を得ることができる。なお、制御装置100は、観察画像P1内に含まれる全ての画素数のうち、赤色の画素に対応する画素数の割合をユーザに表示してもよい。これにより、分析装置1は、観察画像P1内に含まれる全ての画素のうち、所定の範囲のパラメータを有する画素の割合を容易に認識することができる。
図8は、任意の領域の指定方法の第4例を示す図である。図8の例では、反転処理が行われた例を説明する。制御装置100は、ユーザから反転処理を実行する反転命令を受け付けたとき、観察画像P1のうち、既に指定されている任意の領域以外の領域が、新たな任意の領域として指定されたと判断する。すなわち、反転処理は、観察画像P1内の任意の領域と、当該任意の領域以外の領域との関係性を反転させる処理である。
図8には、図7の状態から反転命令を受け付けた後の状態が示されている。すなわち、図8における任意の領域は、赤色に対応する画素以外の画素が含まれている領域である。図8の例では、計算結果Rs4に示されるように、領域Rg4内の弾性率の平均値が「400Mpa」であり、中央値が「350Mpa」であることが示されている。
このように、図8の例では、制御装置100は、ユーザによる任意の領域Rg3の指定を受け付けた後、ユーザから反転命令を受け付けたとき、反転命令に基づき計算結果Rs4として、任意の領域Rg3以外の領域Rg4に含まれる画素に対応付けられた弾性率に基づく計算結果Rs4を出力している。これにより、分析装置1では、一度指定した任意の領域以外の領域を容易にユーザに指定させることができる。図8にて説明した反転処理は、図5,6にて説明した領域の指定手法が行われた後においても適用可能である。
また、上述の例では、各画素の配色の閾値が予め定められている例を説明した。たとえば、赤色に対応する画素は、弾性率が1040Mpa以上であって、1300未満であること説明した。しかしながら、各画素の配色を決定するための閾値はユーザによって設定可能であってもよい。すなわち、本実施の形態の例では、青色、緑色、黄色、橙色、赤色は、弾性率が260Mpaの間隔で配色されているが、ユーザの設定によって100Mpa、500Mpaなどの間隔で配色されてもよい。そのため、画素ごとにどのような配色がされるかはユーザの設定に依存することとなり、ユーザが配色の閾値を調整した後にスポイト機能を使用することによって、ユーザは所望の値のパラメータを有する領域だけを指定することができる。
上述の例では、画素に対応付けられてるパラメータのうち、弾性率を用いて画素に配色が行われる例を説明したが、もちろん、吸着力、形状高さ、電位、電流値、および磁気力などの他のパラメータを用いて画素に配色が行われてもよい。さらに、上述の例では計算結果の出力する例として、表示装置105に表示する例を説明したが、たとえば、音声によって計算結果が出力されてもよいし、他の装置に対して計算結果を含む信号を送信することによって計算結果が出力されてもよい。
[態様]
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項) 一態様に係る試料を分析する分析装置であって、試料の表面を構成する複数の点の各々に対応するパラメータを含む観察結果を出力する観察装置と、観察装置によって出力された前記観察結果に基づく処理を実行する制御装置とを備える。観察結果に基づいて、パラメータが対応付けられた複数の点の各々によって構成される試料の表面を表す観察画像を表示し、観察画像においてユーザによる任意の領域の指定を受け付け、ユーザによって指定された任意の領域に含まれる少なくとも1つの点に対応付けられたパラメータに基づく計算結果を出力する。
第1項に記載の分析装置1によれば、ユーザが直感的に指定した任意の領域内のパラメータに基づく計算結果をユーザに認識させることできる。
(第2項) 第1項に記載の分析装置において、任意の領域は、円形、多角形、またはユーザによって描画された任意の形状で構成される領域である。
第2項に記載の分析装置1によれば、ユーザの指定した形状を有する任意の領域をユーザによって指定された領域とすることができる。
(第3項) 第1項または第2項に記載の分析装置において、任意の領域は、第1領域と、第1領域と重ならない第2領域とを含む。
第3項に記載の分析装置1によれば、不連続な複数の領域を1つの領域として判断することができる。
(第4項) 第1項~第3項のいずれか1項に記載の分析装置において、任意の領域は、ユーザによって指定された所定の範囲内の前記パラメータが対応付けられた少なくとも1つの点のみを含む。
第4項に記載の分析装置1によれば、スポイト機能を用いて、任意の領域を指定することができる。
(第5項) 第1項~第4項のいずれか1項に記載の分析装置において、制御装置は、ユーザによる任意の領域の指定を受け付けた後、ユーザから反転命令を受け付けたとき、反転命令に基づき、計算結果として、任意の領域以外の領域に含まれる少なくとも1つの点に対応付けられたパラメータに基づく計算結果を出力する。
第5項に記載の分析装置1によれば、一度指定した領域以外の領域を、容易に指定することができる。これにより、ユーザは、反転後と反転前の計算結果の比較を容易に行うことができる。
(第6項) 第1項~第5項のいずれか1項に記載の分析装置において、計算結果は、任意の領域に含まれる少なくとも1つの点に対応付けられたパラメータの平均値または中央値を含む。
第6項に記載の分析装置1によれば、任意の領域内の画素に対応付けられたパラメータの平均値または中央値を認識することができる。
(第7項) 第1項~第6項のいずれか1項に記載の分析装置において、パラメータは、試料の表面を構成する複数の点の各々の弾性率、吸着力、形状高さ、電位、電流値、および磁気力の少なくとも1つを含む。
第7項に記載の分析装置1によれば、走査型プローブ顕微鏡によって検出可能な種々のパラメータに基づく計算結果をユーザに認識させることできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本開示の基本的な範囲は、上記した説明ではなく実用新案登録請求の範囲によって示され、実用新案登録請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1 分析装置、10 カンチレバー、12 探針、14 ホルダ、20 光学系、22 レーザ光源、24 ビームスプリッタ、26 反射鏡、28 検出器、50 スキャナ、52 試料保持部、100 制御装置、102 プロセッサ、103 メモリ、104 通信装置、105 表示装置、106 入力装置、141 表示制御プログラム、200 観察装置、LA レーザ光、P1 観察画像、S 試料。
Claims (7)
- 試料を分析する分析装置であって、
前記試料の表面を構成する複数の点の各々に対応するパラメータを含む観察結果を出力する観察装置と、
前記観察装置によって出力された前記観察結果に基づく処理を実行する制御装置とを備え、
前記観察結果に基づいて、前記パラメータが対応付けられた前記複数の点の各々によって構成される前記試料の表面を表す観察画像を表示し、
前記観察画像においてユーザによる任意の領域の指定を受け付け、
前記ユーザによって指定された前記任意の領域に含まれる少なくとも1つの点に対応付けられた前記パラメータに基づく計算結果を出力する、分析装置。 - 前記任意の領域は、円形、多角形、または前記ユーザによって描画された任意の形状で構成される領域である、請求項1に記載の分析装置。
- 前記任意の領域は、第1領域と、前記第1領域と重ならない第2領域とを含む、請求項1または請求項2に記載の分析装置。
- 前記任意の領域は、前記ユーザによって指定された所定の範囲内の前記パラメータが対応付けられた少なくとも1つの点のみを含む、請求項1または請求項2に記載の分析装置。
- 前記制御装置は、
前記ユーザによる前記任意の領域の指定を受け付けた後、前記ユーザから反転命令を受け付けたとき、前記反転命令に基づき、前記計算結果として、前記任意の領域以外の領域に含まれる少なくとも1つの点に対応付けられた前記パラメータに基づく計算結果を出力する、請求項1または請求項2に記載の分析装置。 - 前記計算結果は、前記任意の領域に含まれる少なくとも1つの点に対応付けられた前記パラメータの平均値または中央値を含む、請求項1または請求項2に記載の分析装置。
- 前記パラメータは、前記試料の表面を構成する複数の点の各々の弾性率、吸着力、形状高さ、電位、電流値、および磁気力の少なくとも1つを含む、請求項1または請求項2に記載の分析装置。
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US20220081226A1 (en) * | 2020-09-14 | 2022-03-17 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Movable harvesting apparatus and harvesting unit |
-
2023
- 2023-07-12 JP JP2023002491U patent/JP3243673U/ja active Active
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