JP3243568B2 - 石炭灰の処理方法 - Google Patents
石炭灰の処理方法Info
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Description
られる石炭灰(フライアッシュ)の処理方法に関するも
のである。
るが、この石炭灰の中には未燃炭分が含まれている。と
ころが、この未燃炭分は、石炭灰を利用する上で次の様
な問題を引き起こす。例えば、セメント混和剤として石
炭灰を使用する場合該石炭灰中に多くの未燃炭が含まれ
ていると、コンクリート混練時に高価な空気連行剤(A
E剤)が未燃炭分に吸収されるため、多量の空気連行剤
が必要となる。又、人工軽量骨材等の原料として石炭灰
を使用する場合、原料中に多くの未燃炭分が含まれてい
ると、骨材などの強熱減量(Ig−Loss)が大きく
なる。
コンクリートの原料等に利用し、未燃炭分の多く含まれ
ている石炭灰は利用せず産業廃棄物として捨てられる。
しかし、建材等の原料として有効な石炭灰を廃棄するこ
とは不経済であり、又、その廃棄処理には多くの費用が
必要となる。
の水スラリに捕収剤を添加して未燃炭分を疎水化させる
疎水化工程と、該水スラリに気泡剤を添加して気泡を発
生させ、その気泡に前記未燃炭分を付着させ浮上させる
浮選工程と、を備えた石炭灰の処理方法、により石炭灰
から未燃炭分を分離している。
可能であると言う長所を有するが、その反面、石炭灰中
の未燃炭分を効率良く分離ができないという問題があ
る。
燃炭分を高率良く分離できるようにすることを目的とす
る。
鉱法において、石炭灰の水スラリの水素イオン濃度指数
pHの値が石炭灰中の未燃炭分の分離効率に重大な影響
があることに気づきその理由を究明し、次の結果を得
た。
されたスラリの状態において、その固体の粒子のζ電位
によるところが大きい。ここで、ζ電位とは、すべり
面、即ち、固体を水中で移動させた場合、物質にくっつ
いて移動する部分とそれ以外の部分との境界の電位をい
う。
種類から成る構成であれば全ての粒子は、雰囲気により
あるζ電位に帯電する。又、それが複数の物質から構成
されるものであれば、ζ電位は各物質固有のものとな
り、互いに異なる電荷をもてばζ電位は各物質固有のも
のとなり、又、互いに異なる電荷をもてばヘテロ凝集が
起こる可能性がある。ここで、ヘテロ凝集について説明
する。水中の物質はそれぞれζ電位をもち、同極の電位
を帯びる+A同志、−B同志、+C同志は互いに反発し
合う。これ対し、異極である+Aと−B、−Bと+Cと
は引き合うことになり、その結果、ヘテロ凝集となる。
又、同じ電荷を持つ+Aと+Cでは、+Aが+Cよりも
電位が高いとすれば、−Bは+Cよりも+Aとより強い
ヘテロ凝集を起こしやすい。
の調整を行いある物質を等電点に近づけていくことによ
り、同一の物質同志の反発力を弱めることができる。そ
こで、この等電点について説明する。物質のζ電位は周
囲の水のpH値により変動する。即ち、低pH領域では
正(+)電位であったものが高pH値では、負(−)の
電位に転ずるとすれば、その過程でζ電位がゼロとなる
状況が出現する。このζ電位がゼロとなるpH値を等電
点という。この等電点では物質は電気的な反発力を失な
い同物質を凝集させるには理想的な状態といえる。
同志のヘテロ凝集が弱まり、特定の同一物質が凝集しや
すい状況をつくり出すことになる。具体的には、水中に
分散している異種物質は、灰分と未燃炭分であるが両者
はそれぞれのζ電位を有しており、等電点付近以外の同
物質同志は電気的には反発している。又、状況によって
は灰分と未燃炭分がヘテロ凝集を起こしている。ここ
で、両者の溶媒である水の雰囲気の調整を行い、未燃炭
分同志の反発力を弱め、灰分と未燃炭分のヘテロ凝集を
弱める方向にもっていくことにより、未燃炭分同志の凝
集及び未燃炭分と灰分の分離を促進することができる。
即ち、pH値を低pH域の範囲内にすることにより未燃
炭分のζ電位をゼロに近づけることができるとともに、
未燃炭分と灰分とのヘテロ凝集を弱めることができるの
である。
炭灰中の未燃炭分の分離効率が変化することに気ずき研
究したところ、次の結果を得た。即ち、試薬がA:pH
調整剤、B:分散剤、C:捕収剤、D:起泡剤、である
場合には、BとCは互いに反応を起こさない試薬を使用
する限り同時投入が許される。又、B、Cが鉱物に対し
て効果を発揮するまでの時間(条件付与時間)をある程
度必要とするのに対して、Dは鉱物と反応するのではな
いので、条件付与時間は原則として必要ない。従って、
B、CはDとは時間をずらして投入される。更に、Bと
Cとは試薬同志の反応が起こるとすればそれぞれの役割
(Bにより粒子の分散、Cによる粒子の疎水化)を考え
れば、B→Cの順に別々の槽で加えるのが合理的であ
る。
則となるが、ここで更にAを加える場合を考える。Aを
最初に添加せねばならない理由は、捕収剤CのpH依存
性とpH調整剤A(酸またはアルカリ)と他の試薬の反
応の可能性にある。pH依存性は捕収剤の捕集作用をコ
ントロールする最も重要なファクタであるので、一番先
にpH調整剤を加えなければならない。又、AとBにつ
いては各々のもつ役割から試薬同志の反応が危惧されれ
ばA→Bの順にし、そのおそれがない場合は同時投入も
許される。いずれにせよAはC以前に投入されていなけ
ればならない。この発明は、以上の知見に基いてなされ
たものである。
添加して未燃炭分を疎水化させる疎水化行程と、該スラ
リに気泡剤を添加して気泡を発生させ、その気泡に前記
未燃炭分を付着させ浮上させる浮選行程と、を備えた石
炭灰の処理方法において;予め石炭灰の水スラリにpH
調整剤を添加してpH4以下の低pH域にした後前記疎
水化行程、浮選行程を行うことを特徴とする石炭灰の処
理方法、により前記目的を達成しようとするものであ
る。
め、該水スラリを低pH域に調整する。その後前記水ス
ラリに捕収剤を添加して未燃炭分を疎水化させるととも
に、該水スラリに起泡剤を添加して起泡を発生させ、そ
の起泡の表面に未燃炭分を付着させて浮上させる。
が、同一図面符号はその名称も機能も同一である。ま
ず、第1実施例について説明する。微粉炭焚きボイラ等
から発生するIg−Loss5.11%の石炭灰(原
料)Mは、集塵機を介して原料投入タンク1に供給され
る。pH調整槽2に前記原料M5gと水タンク5の水4
00mlとを供給し、攪拌混合し水スラリにする。この
水スラリのpHは11.3であり、所謂高pH域の範囲
であった。この水スラリに塩酸等のpH調整剤20を添
加し、攪拌混合する(pH調整工程)。このpH調整剤
20の添加量を次第に増やし、図3に示す様にpH1
1.3からpH2.0まで低下させる。
槽3に供給して水ガラスなどの分散剤21と灯油等の捕
収剤22とを添加し、2分間攪拌混合する(疎水化工
程)。これにより石炭灰中の未燃灰分を疎水化する。
4に供給してパインオイル等の起泡剤23を添加し、2
分間攪拌混合する。その後、浮選槽4の底部から空気を
吹き込んで気泡を発生させ、該気泡の表面に未燃炭分の
凝集物を付着させて浮上させる(浮選工程)。この浮上
した気泡は浮選槽4からオーバフロー分として取り出さ
れる。このオーバフロー分として取り出された未燃炭分
は、脱水機6で脱水され、セメント焼成窯炉等へ送られ
るとともに分離水は水タンク5に戻される。一方、灰分
はテール分として浮選槽4の底部から取り出され、固液
分離装置7により脱水された後、セメント混和剤などに
利用されるとともにその分離水は水タンク5に戻される
(脱水工程)。
分間継続して行った。その結果、浮選槽4内に残った石
炭灰の歩留まりAとIg−LossBとの関係は図1の
通りであった。この図において、横軸はpH、左縦軸は
Ig−Loss(%)、右縦軸は石炭灰の歩留まり
(%)をそれぞれ示す。この図3から明らかな様にpH
が4以下、即ち、低pH域において石炭灰の歩留まりに
差がないにもかかわらず、Ig−Lossがきわめて小
さくなり工業上好ましい値となる。
に原料タンク1中のIg−Loss13.69%の石炭
灰210gと、水タンク5の水750Mlを供給して攪
拌混合し、水スラリをつくる。この水スラリのpHは1
1.8であった。この水スラリにpH調整剤31として
の塩酸を添加して攪拌混合し、pHを2.1まで下げる
(pH調整工程)。pH調整工程終了後、前記水スラリ
に捕収剤32としての灯油を1g添加し、30秒間攪拌
混合する(疎水化工程)。
のパインオイルを0.5g添加し、30秒間攪拌混合す
る。しかる後に混合槽30の底部より空気を吹き込んで
気泡を生成させると同時に生成した気泡をオーバフロー
分とし取り出す。この取り出し作業を5分間継続する
(浮選工程)。その結果、気泡と共に取り出された石炭
灰は78gであり、そのIg−Lossは29.4%、
また、槽30内に残った石炭灰は139gであり、その
Ig−Lossは2.83%であった。
実施例は第2実施例の装置を用い、次のようにして実施
される。Ig−Loss2.18%の石炭灰210gを
750mlの水に混合して水スラリとする。この水スラ
リのpHは4.23であったが、捕収剤としての塩酸を
用い、このpHを2.0まで下げた。その後、前記第2
実施例と同様の工程を行ったところ、オーバフロー分の
石炭灰は58gであり、そのIg−Lossは6.7
%、又、槽内に残った石炭灰は152gであり、そのI
g−Lossは0.48%であった。
スラリにpH調整剤を添加してpH4以下の低pH域にし
た後前記疎水化行程、浮選行程を行うので、従来例に比
べ多くの未燃炭分が気泡に付着する。そのため、石炭灰
中の未燃炭分の分離を極めて効率良く行うことができ
る。
る。
量とIg−LossとpHとの関係を示すグラフであ
る。 20 pH調整剤 21 分散剤 22 捕収剤 23 起泡剤 30 pH調整剤 31 分散剤 32 捕収剤 33 起泡剤
Claims (1)
- 【請求項1】石炭灰の水スラリに捕収剤を添加して未燃
炭分を疎水化させる疎水化行程と、該スラリに気泡剤を
添加して気泡を発生させ、その気泡に前記未燃炭分を付
着させ浮上させる浮選行程と、を備えた石炭灰の処理方
法において; 予め石炭灰の水スラリにpH調整剤を添加してpH4以下
の低pH域にした後前記疎水化行程、浮選行程を行うこ
とを特徴とする石炭灰の処理方法。
Priority Applications (1)
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JP22208091A JP3243568B2 (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | 石炭灰の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP22208091A JP3243568B2 (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | 石炭灰の処理方法 |
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JPH0538468A JPH0538468A (ja) | 1993-02-19 |
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Family
ID=16776815
Family Applications (1)
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JP22208091A Expired - Fee Related JP3243568B2 (ja) | 1991-08-07 | 1991-08-07 | 石炭灰の処理方法 |
Country Status (1)
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Cited By (2)
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-
1991
- 1991-08-07 JP JP22208091A patent/JP3243568B2/ja not_active Expired - Fee Related
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