JP3243056U - 方位盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】地下施設内が停電で周囲が暗くなった場合でも視認可能で、方位を確認でき、通行人が地下施設から地上に出た場合に、自分が目指す目的地の方向を容易に認識できるようにした方位盤を提供する。【課題の解決手段】東西南北をはじめとする方位を示す方位表示部42のうち少なくとも北の方位を示す表示部分を矢尻状図形で形成し、その先端部を蓄光剤を用いた蓄光部42aとする。また、地下施設の通路への設置を容易にするために、表面には方位表示部42を被覆保護する被覆保護層を設け、裏面には通路面に接着する粘着剤層とこの粘着剤層を被覆する剥離紙からなる接着構造を設ける。【選択図】図1
Description
本考案は、地下鉄構内や地下街などの地下施設に方位を示す標識として設置する方位盤に関し、特に蓄光剤を用いた方位盤に関する。
従来、地下鉄の構内において出口の位置を示す標識を設けることや、地下街において非常口の位置を示す標識を設けることが行われており、また、停電時でも認識できるように、これらの標識の視認すべき部分を蓄光剤で形成することも行われている。そして、通常これらの標識は壁面に設けられているが、災害や事故などで発煙をともなう停電時には、通行人は下を向いて歩くことが多いという行動様式を考慮して通路面に設けることも提案されている(特許文献1)。
しかし、従来の壁面に設けた標識及び新たに提案された通路に設けた標識にしたがって、通行人が出口や非常口から地上に出たとしても、通行人は目の前の風景を見て自分が目指す目的地の方向が認識しにくいという不都合がある。特に、事故や災害による停電時には、あわてて地上に出ることになるから、蓄光剤を用いた標識で出口を認識できたとしても、出口において目的地の方向を認識しにくいという傾向は、より顕著なものとなる。このような場合、自己の所持するスマートフォンの画面に表示されたコンパスの磁北に、あらかじめ地図に書き込んだ磁北線を一致させるようにスマートフォンを水平回転させれば、地上での目の前の風景と地図の表示の方位が一致するので、自分が目指す目的地の方向を認識できるのであるが、このような作業を行うのは煩雑であるという不都合がある。
本考案は、上記不都合を解消し、平常時はもちろん、停電で周囲が暗くなった場合でも視認可能で、方位を確認でき、通行人が地下施設から地上に出た場合に、自分が目指す目的地の方向を容易に認識できるようにした方位盤を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る本考案の方位盤は、地下施設において標識として用いる方位盤であって、東西南北をはじめとする方位を示す方位表示部のうち少なくとも北の方位を示す表示部分に蓄光剤を用いたものである。
また、請求項2に係る本考案の方位盤は、前記請求項1に係る方位盤において、北の方位を示す表示部分を矢尻状の図形で表示し、その先端部に蓄光剤を用いたものである。
さらに、請求項3に係る本考案の方位盤は、前記請求項1に係る方位盤、または前記請求項2に係る方位盤のいずれかの構成において、表面には方位表示部を被覆保護する被覆保護層を設け、裏面には通路面に接着するための接着構造を設けたものである。
請求項1及び2に係る本考案の方位盤によれば、平常時はもちろん、停電で周囲が暗くなった場合でも、蓄光剤が発光することで視認することができ、地下で方位を確認してから地上に出るので、通行人が地下から地上に出た場合に、自分が目指す目的地の方向を容易に認識できるという効果を奏する。また、請求項3に係る本考案の方位盤によれば、前記効果に加えて、接着構造を有するので方位盤を通路面に容易に設置できるとともに、被覆保護層を設けたので設置後の耐久性を確保して長期間使用できるという効果を奏する。
以下に、本考案の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、方位盤1は円盤状である。図2に示すように、前記方位盤1は、基材2の表面側に、白色反射層3、印刷層4、被覆保護層5を順次積層する一方、前記基材2の裏面側には、粘着剤層6を設け、この粘着剤層6を剥離紙7で被覆して形成している。そして、前記粘着剤層6と前記剥離紙7で接着構造を構成する。
図1に示すように、方位盤1は円盤状である。図2に示すように、前記方位盤1は、基材2の表面側に、白色反射層3、印刷層4、被覆保護層5を順次積層する一方、前記基材2の裏面側には、粘着剤層6を設け、この粘着剤層6を剥離紙7で被覆して形成している。そして、前記粘着剤層6と前記剥離紙7で接着構造を構成する。
前記基材2は、硬質な合成ゴムや、柔軟な合成ゴム、あるいは合成樹脂などから適宜選択した材料を円盤状に形成してなる。また、前記白色反射層3は、光を乱反射して、発光効果を向上させるものであり、例えば、光反射材を合成樹脂に混合してなる透光性フィルムからなる。前記光反射材としては、粒子形状を有することが好ましく、例えば、酸化チタン、シリカ、ジルコニア、ガラス等の粒子、アクリル系粒子、シリコン系粒子、粘土化合物粒子等を適宜選択して使用することができる。
印刷層4は、方位を示す「N」、「S」、「E」、「W」の各文字41と、東、西、南、北、北東、北西、南東、南西の8方向を指し示す矢尻状図形が放射状に配置されてなる図柄の方位表示部42と、二つの同心円43を印刷してなる。前記同心円43はデザイン上設けた付随的な表示であり、必ずしも設ける必要はない。印刷には通常の道路標識で用いる塗料を使用することができるが、セラミック粉末を含むセラミック塗料が耐熱性や、耐久性の点から優れている。そして、前記北を指す矢尻状図形の先端部分が、蓄光剤が混合された塗料で印刷された蓄光部42aであり、この蓄光部42aは、停電で周囲が暗くなると、蓄えていた光エネルギーを放出して発光する。前記蓄光剤としては、例えば、アルミン酸ストロンチュウム系や硫化亜鉛系の粉末の蓄光剤原料から形成したものを挙げることができる。前記粉末が前記蓄光剤中にそのまま存在する場合は、その粒子径が20~100μmのものが発光時の明るさと発光維持時間の点で好適である。また、セラミック塗料を用いた場合は、セラミック系蓄光剤を用いると好適である。
被覆保護層5は、蓄光部42aに対して効率よく光エネルギーを透過し、前記蓄光部42aから放出される光エネルギーの損失を防ぐことができ、前記蓄光部42aを含む印刷層4を保護できる合成樹脂からなる透光性フィルムからなる。この透光性フィルムは、全光線透過率が90%以上であると好適である。
粘着剤層6は、例えば、アクリル系、ポリエステル系、合成ゴム系の粘着剤を40~60μm程度の厚さに塗布して形成すると好適である。一方、剥離紙7は、前記粘着剤層6を被覆保護するとともに、前記粘着剤層6から容易に剥離できるものであればよい。
本実施形態は以上のように構成したので、剥離紙7を剥離して露出させた粘着剤層6により、地下施設の所望の通路面に接着して設置することができる。この設置場所は、通常使用する出口や非常口になるべく近いところが好適である。そして、停電で周囲が暗くなると、蓄光部42aは、それまで蓄光してきた光エネルギーを放出して発光し、北の方位を示す矢尻状図形の先端部を視認可能とし、北の方位を認識可能とする。北の方位を認識した状態で出口や非常口から地上に出た通行人は、自己の目的地の方向を容易に認識できるものである。
なお、本考案は前記実施形態に何ら限定されるものではなく、例えば、粘着剤層6と剥離紙7からなる接着構造は設けなくてもよい。また、蓄光部42aは北を指す矢尻状図形部分の全体に設けたり、文字41とともに、方位表示部42の全体に設けてもよい。さらに、蓄光部42aは印刷で設けるほか、表示部分の形状に固体化したものを白色反射層3上に設置して設けてもよい。この場合は、印刷層4は必ずしも設ける必要はない。またさらに、基材2を設けることなく、白色反射層3で兼用してもよい。
1 方位盤
2 基材
3 白色反射層
4 印刷層
5 被覆保護層
6 粘着剤層
7 剥離紙
41 文字
42 方位表示部
42a 蓄光部
2 基材
3 白色反射層
4 印刷層
5 被覆保護層
6 粘着剤層
7 剥離紙
41 文字
42 方位表示部
42a 蓄光部
Claims (3)
- 地下施設において標識として用いる方位盤であって、
方位を示す方位表示部のうち少なくとも北の方位を示す表示部分に蓄光剤を用いた
ことを特徴とする方位盤。 - 前記北の方位を示す表示部分を矢尻状の図形で形成し、その先端部に蓄光剤を用いた
ことを特徴とする請求項1記載の方位盤。 - 表面には前記方位表示部を被覆保護するための被覆保護層を設け、裏面には通路面に接着するための接着構造を設けた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の方位盤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023001844U JP3243056U (ja) | 2023-05-30 | 2023-05-30 | 方位盤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023001844U JP3243056U (ja) | 2023-05-30 | 2023-05-30 | 方位盤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3243056U true JP3243056U (ja) | 2023-08-01 |
Family
ID=87468665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023001844U Active JP3243056U (ja) | 2023-05-30 | 2023-05-30 | 方位盤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3243056U (ja) |
-
2023
- 2023-05-30 JP JP2023001844U patent/JP3243056U/ja active Active
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Legal Events
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