JP3242770U - カーテンレス建築物 - Google Patents
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Abstract
【課題】屋外空間の利用時にリラックスし易くなるようにしつつ、屋内空間の開放感の向上をも図ることもできるカーテンレス建築物を提供すること。【解決手段】屋内空間1と屋外空間2とを有し、前記屋内空間を囲む壁に設ける窓の少なくとも一部は、その外側にある対向壁部分によって外部からの視線が遮断され、カーテンレス状態に維持可能であるカーテンレス建築物であって、前記屋内空間1を囲む壁W1を屋外側にも突出させて突出壁W2を形成し、前記突出壁W2は前記屋外空間2を少なくとも二方向から囲むように構成され、前記突出壁W2は、前記屋内空間1と前記屋外空間2との境界に位置する窓に対向するように配された前記対向壁部分を含む。【選択図】図1
Description
本考案は、例えば、屋内空間を囲む壁に設ける窓の少なくとも一部は、その外側にある壁によって外部からの視線が遮断され、カーテンレス状態に維持可能であり、住居用途や商業用途等で利用される平屋又は複数階建てのカーテンレス建築物に関する。
従来、敷地内に屋内空間(リビング、キッチン等の風雨に晒されない空間)と屋外空間(庭、駐車場等の風雨に晒され得る空間)とを設けた建築物(住宅)がある。
しかし、上記従来の建築物では、屋外空間が外から丸見えであり、通常、その屋外空間で住人がリラックスして過ごすことは困難である。また、例えば屋内空間を囲む壁に窓を設けてあると、その窓を通して外から中の様子が覗かれてしまう恐れがあり、これを確実に避けるためにはその窓に設けたカーテンを閉めっぱなしにしなければならず、その場合、屋内空間の開放感が損なわれるといった不都合が生じ得る。
本考案は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、屋外空間の利用時にリラックスし易くなるようにしつつ、屋内空間の開放感の向上をも図ることもできるカーテンレス建築物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案に係るカーテンレス建築物は、屋内空間と屋外空間とを有し、前記屋内空間を囲む壁に設ける窓の少なくとも一部は、その外側にある対向壁部分によって外部からの視線が遮断され、カーテンレス状態に維持可能であるカーテンレス建築物であって、前記屋内空間を囲む壁を屋外側にも突出させて突出壁を形成し、前記突出壁は前記屋外空間を少なくとも二方向から囲むように構成され、前記突出壁は、前記屋内空間と前記屋外空間との境界に位置する窓に対向するように配された対向壁部分を含む(請求項1)。
上記カーテンレス建築物において、前記屋内空間を囲む壁と前記突出壁とで前記屋外空間を四方から囲んであってもよい(請求項2)。
上記カーテンレス建築物において、前記対向壁部分は、当該建築物を設ける敷地の周縁部に沿って延びていてもよい(請求項3)。
本願考案では、屋外空間の利用時にリラックスし易くなるようにしつつ、屋内空間の開放感の向上をも図ることもできるカーテンレス建築物が得られる。
すなわち、本願の各請求項に係る考案のカーテンレス建築物では、屋外空間を少なくとも二方向から突出壁で囲むので、屋外空間の利用時にリラックスし易くなるようにできる。外から屋外空間を見え難くする上で必要であれば、突出壁で屋外空間を三方向以上から囲むようにすればよい。
また、本考案のカーテンレス建築物では、屋内空間と屋外空間との境界に位置する窓に対向するように対向壁部分を配するので、その窓を通して外から屋内空間の様子を見られ難くすることができ、ひいてはその窓をカーテンレスにして開放感の向上を図ることもできる。
請求項2に係る考案のカーテンレス建築物では、屋外空間を四方から壁で囲むので、屋外空間の利用時に確実にリラックスし易くすることができる。
請求項3に係る考案のカーテンレス建築物では、対向壁部分を敷地の周縁部に沿って設けることにより、敷地全体を有効利用するのが容易となる。
本考案の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
図1(A)及び(B)に示すカーテンレス建築物は、敷地全体を使って構築してあり、風雨に晒されない一つの屋内空間1と、風雨に晒され得る三つ(複数の一例)の屋外空間2(2A,2B,2C)とを有し、屋内空間1を囲む壁に設ける窓の少なくとも一部は、その外側にある対向壁部分によって外部からの視線が遮断され、カーテンレス状態に維持可能である。ここで、「風雨に晒されない」屋内空間1とは、屋内空間1に面する窓や扉等の開閉部を開放すると、屋内空間1が風雨に晒されることがあるとしても、開閉部を全て閉じれば屋内空間1が風雨に晒されないようにすることのできることをいう。また、「風雨に晒され得る」屋外空間2とは、「風雨に晒されない」屋内空間1とは異なり、開閉部を全て閉じても屋外空間2が風雨に晒されないようにすることのできないことをいう。
上記のような屋内空間1は、例えば天井、壁、床によって囲むことにより構成することができ、屋外空間2は、例えば天井、壁の少なくとも一部を設けない、切り欠く等により構成することができる。そして、屋内空間1には、例えばリビング、ダイニング、キッチン、サニタリー(洗面所、浴室、トイレ)、寝室、押入れ、納戸(サービスルーム)、廊下、玄関等が適宜設けられ、屋外空間2には、庭、駐車場等が適宜設けられる。
本例の屋内空間1は、その全体が壁W1によって囲まれている。壁W1は、屋内空間1と屋外空間2との境界に位置する境界壁W1aと、前記境界に位置しない非境界壁W1bとを含み、非境界壁W1bは、建築物の敷地の周縁部に沿って延びるように設けてある。なお、屋内空間1における適宜の位置に柱を設けることにより、境界壁W1aを全て非耐力壁とすることも可能であり、この場合、境界壁W1aの全体ないし半分以上をガラス張りやガラスカーテンウォールにして採光性を高めるといったことも可能となる。
そして、屋内空間1を囲む壁W1を屋外側にも突出させて突出壁W2を形成し、突出壁W2は屋外空間2を少なくとも二方向から囲むように構成する。ここで、建築物の敷地の全面にわたって基礎を打つ等し、突出壁W2を基礎の上に構築することにより、突出壁W2の構造安定性を高めてあるのが好ましい。
上記のように構成した本例のカーテンレス建築物では、屋外空間2(2A~2C)を少なくとも二方向から突出壁W2で囲むので、屋外空間2の利用時にリラックスし易くなるようにできる。特に、本例では、各屋外空間2を二つの境界壁W1aと二つの突出壁W2とで四方から囲むので、屋外空間の利用時に確実にリラックスし易くすることができる。なお、本例に限らず、例えば屋外空間2を囲む壁W1(境界壁W1a)が一つ以下であるなど、外から屋外空間2を見え難くする上で必要である場合には、突出壁W2で屋外空間2を三方向以上から囲むようにしてもよい。
また、本例のカーテンレス建築物では、屋内空間1と屋外空間2との境界に位置する壁W1(境界壁W1a)の一部又は全部に窓(図示していない)を設けるのであり、これに伴い、突出壁W2は、上記窓に対向するように配された対向壁部分を含むことになる。すなわち、本例のカーテンレス建築物では、屋内空間1と屋外空間2との境界に位置する窓に対向するように対向壁部分を配するので、その窓を通して外から屋内空間の様子を見られ難くすることができ、ひいてはその窓をカーテンレスにして開放感の向上を図ることもできる。
また、本例のカーテンレス建築物では、非境界壁W1bと突出壁W2とを建築物の敷地の周縁部に沿って設けるのであり、つまりは上記対向壁部分を敷地の周縁部に沿って設けることになり、これにより、敷地全体を有効利用するのが容易となる。
なお、図1(A)及び(B)には、本例のカーテンレス建築物の1階部分の構成のみを示してある。そして、2階以上の構成は1階の構成と同様としてもよいし、異ならせてもよい。異ならせ方としては、例えば、1階で屋内空間1である部分を2階以上の一部又は全部では屋外空間2(例えばルーフバルコニー等)となるように構成したり、1階で屋外空間2である部分を2階以上の一部又は全部では屋内空間1(オーバーハングによる居間等)となるように構成したりすることが考えられる。もちろん、1階では駐車場等になっている部分の上階にオーバーハングによるベランダやバルコニー等を設けるようにしてもよい。
また、屋内空間1を囲む壁W1のうち、非境界壁W1bに窓を設けてもよい。但し、この窓を通して外から屋内空間1を見られないようにするには、窓にカーテンを設ける等の対応が必要となる。なお、本考案のカーテンレス建築物では、屋内空間1を囲む壁に設ける窓の少なくとも一部は、その外側にある対向壁部分によって外部からの視線が遮断され、カーテンレス状態に維持可能とするのであり、屋内空間1を囲む壁に設ける窓の全てが、その外側にある対向壁部分によって外部からの視線が遮断され、カーテンレス状態に維持可能であってもよい。
また、突出壁W2は、屋外空間2におけるプライバシー確保の観点からは、開口部や切欠き部等を設けないのが好ましいが、敷地外への出入りを容易化する等の観点から、そうした開口部、切欠き部等を設けてもよく、この場合、その開口部等に開閉可能な扉や窓等を設けてもよいし設けなくてもよい。
なお、本考案は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本考案の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
図2(A)~(C)に示す変形例(カーテンレス建築物)では、屋内空間1の左右両側に屋外空間2を配してある。屋内空間1の左右両辺に設けた境界壁W1aをともにガラス張り等によって透明化することにより、光が屋内空間1を通り抜けるようになり、採光性が高まることになる。また、屋内空間1の左右両辺に設けた境界壁W1aにともに窓を設けることにより、風が屋内空間1を通り抜けやすくなり、通気性の向上を図ることもできる。
図3(A)及び(B)に示す変形例(カーテンレス建築物)では、屋内空間1を屋外空間2で囲むとともに、屋内空間1を平面視十字状の仕切壁W1cによって四つの部屋R1~R4に分け、各部屋R1~R4の外側に屋外空間2である専用庭G1~G4が存在するようにしてある。なお、図3(A)の例では、突出壁W2として、仕切壁W1cに連続する四つの連続壁W2aと、この四つの連続壁W2aに連なり、建築物の敷地の周縁部に沿って延びる4辺の周縁壁W2bとを設けてあるが、例えば四つの連続壁W2aの一部や4辺の周縁壁W2bの一部を無くしてあってもよい。
図4(A)及び(B)に示す変形例(カーテンレス建築物)は、屋内空間1の一つの角の外側に屋外空間2が位置するように設けてある。すなわち、屋内空間1内には、平面視L字状の仕切壁W1cを設けてあり、この仕切壁W1cに連続するように突出壁W2を設けてあり、突出壁W2は仕切壁W1cの上方にも突出するように設けてある。そして、このように構成された平面視ロの字状に延びる突出壁W2の内側に位置する屋内空間1の上方は、屋外空間2(ベランダ等)となるように構成してある。
また、図1~図3の例では、突出壁W2の高さを均一としてあるが、これに限らず、図4(B)、図5(A)及び(B)に示すように、突出壁W2の高さが変化するように構成してあってもよい。
また、図5(A)及び(B)に示すように、屋内空間1を覆う屋根3が突出壁W2を超えて外方に延びるようにしてあってもよい。
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 屋内空間
2 屋外空間(2A~2C)
3 屋根
R1~R4 部屋
W1 壁
W1a 境界壁
W1b 非境界壁
W1c 仕切壁
W2 突出壁
W2a 連続壁
W2b 周縁壁
2 屋外空間(2A~2C)
3 屋根
R1~R4 部屋
W1 壁
W1a 境界壁
W1b 非境界壁
W1c 仕切壁
W2 突出壁
W2a 連続壁
W2b 周縁壁
Claims (3)
- 屋内空間と屋外空間とを有し、前記屋内空間を囲む壁に設ける窓の少なくとも一部は、その外側にある対向壁部分によって外部からの視線が遮断され、カーテンレス状態に維持可能であるカーテンレス建築物であって、
前記屋内空間を囲む壁を屋外側にも突出させて突出壁を形成し、
前記突出壁は前記屋外空間を少なくとも二方向から囲むように構成され、
前記突出壁は、前記屋内空間と前記屋外空間との境界に位置する窓に対向するように配された前記対向壁部分を含むカーテンレス建築物。 - 前記屋内空間を囲む壁と前記突出壁とで前記屋外空間を四方から囲んである請求項1に記載のカーテンレス建築物。
- 前記対向壁部分は、当該建築物を設ける敷地の周縁部に沿って延びる請求項1または2に記載のカーテンレス建築物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023001619U JP3242770U (ja) | 2023-05-12 | 2023-05-12 | カーテンレス建築物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2023001619U JP3242770U (ja) | 2023-05-12 | 2023-05-12 | カーテンレス建築物 |
Publications (1)
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JP3242770U true JP3242770U (ja) | 2023-07-10 |
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Family Applications (1)
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JP2023001619U Active JP3242770U (ja) | 2023-05-12 | 2023-05-12 | カーテンレス建築物 |
Country Status (1)
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2023
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