JP3241595B2 - クレーンの制御方法 - Google Patents

クレーンの制御方法

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JP3241595B2
JP3241595B2 JP12981396A JP12981396A JP3241595B2 JP 3241595 B2 JP3241595 B2 JP 3241595B2 JP 12981396 A JP12981396 A JP 12981396A JP 12981396 A JP12981396 A JP 12981396A JP 3241595 B2 JP3241595 B2 JP 3241595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤにより吊
り下げられた吊荷を運搬するクレーンの制御方法に係
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ダム工事のコンクリート打設
設備では、図7に示すように、コンクリート混練プラン
ト1からトランスファーカー2により運ばれた生コンク
リートをバケット3に移した後、バケット3を吊り上
げ、クレーン10のブーム5を旋回させて、バケット3
をダム堤体30の打設面上の目標位置まで搬送する。そ
して、上記バケット3のゲートを開いて、バケット3内
の生コンクリートをダム堤体30の打設地点に打設す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記クレー
ン10では、ブーム5を旋回させて、バケット3が振れ
ないように、速やかに目標位置に静止させる必要があ
る。しかしながら、目標位置手前まで運搬されたバケッ
ト3は、ブーム5の旋回により振り子運動をしており、
このバケット3の振り子運動を許容範囲内に早く抑える
ためには、ブーム5の操作に熟練を要するという問題が
ある。このクレーンの操作に熟練を要するという問題
は、建設業界においては、上記クレーンを操作する熟練
者が少なくなっており、また、熟練者を養成するのに時
間と手間がかかるため、切実な問題である。
【0004】また、上述のようなコンクリートの打設に
は、単に、クレーンの操作者のみならず、そのクレーン
の動作に従属する作業者(コンクリート混練プラント側
と目標位置側)が必要であるため、上記熟練の程度によ
り定まるクレーンのサイクルタイムの長短が、工期,コ
ストに及ぼす影響は甚大である。特に上述のダム工事で
は、1日に大量の生コンクリートを打設するので、サイ
クルタイムの長短は重大なことである。
【0005】そこで、この発明の目的は、熟練した操作
者を必要とせず、吊荷が振れないように、かつ、速やか
に吊荷を目標位置に静止させることができるクレーンの
制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1のクレーンの制御方法は、旋回自在なブー
ムを有するブーム式クレーンにより吊荷をワイヤで吊り
下げて目標位置まで運搬する際に、上記ワイヤの上支点
の現在位置と上記目標位置との間の水平方向の目標移動
量と、上記ワイヤの上支点が上記現在位置にあるときの
上記ワイヤの吊り長さと上記吊荷の振り子運動の振れ角
と振れ速度とに基づいて、上記ワイヤの上支点を上記目
標位置の上で停止させた際に上記吊荷の振り子運動の振
れ角と上記吊荷の振り子運動の振れ速度とが夫々許容誤
差範囲内になるように、上記ワイヤの上支点の水平方向
の移動速度を制御して、上記ワイヤの上支点を移動させ
るにあたり、上記ワイヤの上支点の水平方向の移動速度
Vを、 V=f1θRES+f2φ+f3v・・・・・・・・[式1] (ただし、f1,f2,f3は速度係数、θRESは上記目標移
動量、φは上記振れ角、vは上記振れ速度とする)によ
り算出して、その移動速度Vに従って上記ワイヤの上支
点を移動させるクレーンの制御方法であって、上記速度
係数f2,f3は、上記ワイヤの吊り長さと上記ブームの
弾性変形量と上記ブームのバネ定数および上記クレーン
の支柱のバネ定数に基づく運動方程式により算出すると
共に、上記速度係数f1は、順次増大または減少させた
複数の速度係数を設定し、上記目標移動量θRESと上記
振れ角φおよび上記振れ速度vの夫々の初期値を設定
し、その各初期値と上記運動方程式により算出された上
記速度係数f2,f3とを用いて、上記複数の速度係数毎
に、上記式1により上記ワイヤの上支点の移動速度Vを
算出しながら上記クレーンの制御を試行して、その制御
の開始から上記目標移動量θRESと上記振れ角φおよび
上記振れ速度vが夫々許容誤差範囲内になるまでの所要
時間を夫々求め、上記複数の速度係数のうちから上記所
要時間が最短になる速度係数を選択し、上記速度係数f
2,f3の算出と上記速度係数f1の選択とをワイヤの種々
の吊り長さ毎に行い、上記ワイヤの種々の吊り長さに応
じた上記速度係数f1,f2,f3のテーブルを予め作成し
ておき、計測されたワイヤの吊り長さに基づいて、上記
テーブルを使用して速度係数を決定してワイヤの上支点
の移動速度Vを求め、この移動速度でブームを旋回させ
ることを特徴としている。
【0007】上記請求項1のクレーンの制御方法によれ
ば、例えば、上記ワイヤの上支点を運搬開始位置から目
標位置の上まで移動させて、吊荷を目標位置まで運搬す
る場合、目標位置の手前では、ワイヤの上支点の移動に
伴って吊荷が移動しながら振り子運動を行っている。そ
こで、上記ワイヤの上支点の現在位置と目標位置との間
の水平方向の目標移動量と吊荷の振り子運動の振れ角,
振れ速度とに基づいて、ワイヤの上支点を目標位置の上
で停止させた際に吊荷の振り子運動の振れ角,振れ速度
とが夫々許容誤差範囲内になるように、ワイヤの上支点
の水平方向の移動速度を制御して、ワイヤの上支点を移
動させる。すなわち、上記ワイヤの吊り長さに基づく吊
荷の振り子運動を考慮しつつ、停止時における吊荷の振
り子運動の振れ角,振れ速度が小さくなるように、ワイ
ヤの上支点の水平方向の移動速度を制御するのである。
したがって、熟練者を必要とせず、吊荷を振れないよう
に目標位置に静止させることができる。
【0008】また、ブームの旋回に従ってワイヤの上支
点としてのブーム先端と共に吊荷が旋回しながら、ブー
ム先端の円軌道の接線方向に吊荷が振り子運動を行う。
したがって、上記ブームの旋回角速度を制御して、ブー
ムを旋回させることによって、ワイヤの上支点としての
ブーム先端を水平方向に移動させて停止したとき、吊荷
の振り子運動を抑えることができる。
【0009】また、上記吊荷の振り子運動の振れ角φに
係る速度係数f2とバケット3の振り子運動の振れ速度
vに係る速度係数f3とを、上記ワイヤの吊り長さと上
記ブームの弾性変形量とブームのバネ定数およびクレー
ンの支柱のバネ定数に基づく運動方程式により算出す
る。次に、初期値から順次増大または減少させた複数の
速度係数f1を設定すると共に、上記目標移動量θRES
上記振れ角φおよび上記振れ速度vの夫々の初期値を設
定する。上記設定された各初期値と上記計算により求め
られた速度係数f2,f3とを用いて、複数の速度係数f1
毎に、上記式1により上ワイヤの上支点の移動速度Vを
算出しながら上記クレーンの制御を試行すなわちシミュ
レーションを行って、その制御の開始から目標移動量θ
RESと振れ角φおよび振れ速度vが夫々許容誤差範囲内
になるまでの所要時間を夫々求める。そして、上記複数
の速度係数f1の中から所要時間が最短になる速度係数
1を選択する。こうして求めた速度係数f1,f2,f3
用いて、上記目標移動量θRESと振れ角φおよび振れ速
度vよりワイヤの上支点の移動速度Vを求めて、その移
動速度Vに従ってクレーンを制御することによって、吊
荷を目標位置に確実に静止させることができ、ワイヤの
上支点を最短時間で移動させることができる。
【0010】また、上記ワイヤの吊り長さに基づいて予
め作成された上記速度係数f1,f2,f3のテーブルを使
用するので、ワイヤの移動速度Vを速やかに求めること
ができ、上記ワイヤの上支点の移動速度Vを求める際
に、ワイヤの吊り長さに応じて速度係数f1,f2,f3
算出する必要がなく、処理能力が低い駆動制御装置で対
応できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明のクレーンの制御
方法を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0012】図1はこの発明の実施の一形態のブーム式
のクレーンの駆動制御装置の要部ブロック図を示してい
る。また、上記クレーンは、駆動制御装置を除き、図7
に示すコンクリート打設設備に用いたクレーン10と同
一の構成をしており、説明を省略する。
【0013】図1において、11は後述する速度係数の
テーブルを作成し、その作成されたテーブルをテーブル
格納手段としてのテーブル格納部11aに格納するテー
ブル作成部、12は上記テーブル作成部11の出力に基
づいて、図7に示すブーム5の旋回角速度を算出する旋
回角速度算出部、13は上記旋回角速度算出部12の出
力に基づいて、ブーム5の旋回等を制御する制御手段と
しての制御部、14は上記制御部13からの制御信号に
基づいて、ブーム5を旋回させる駆動手段としてのブー
ム旋回モータ、15は上記制御部13からの制御信号に
基づいて、ブーム5を起伏させるブーム起伏モータ、1
6は上記制御部13からの制御信号に基づいて、図7に
示す吊荷としてのバケット3を吊り下げるワイヤ4の巻
上げ/巻降ろしを行うワイヤ巻取りモータである。ま
た、17はブーム旋回角度計測手段としてのブーム旋回
角度計測部、18はバケット3の振り子運動の振れ角を
計測する振れ角計測手段としてのバケット振れ角計測
部、19はバケット3の振り子運動の振れ速度を計測す
る振れ速度計測手段としてのバケット振れ速度計測部、
20はワイヤ4の吊り長さを計測する吊り長さ計測手段
としての吊り長さ計測部である。上記テーブル作成部1
1,旋回角速度算出部12,制御部13,ブーム旋回モー
タ14,ブーム旋回角度計測部17,バケット振れ角計測
部18,バケット振れ速度計測部19および吊り長さ計
測部20で駆動制御装置を構成している。
【0014】図2(a)は上記クレーン10のブーム5を
旋回させて、図示しない運搬開始位置からブーム5を旋
回させて、バケット3を目標位置Eの手前まで運搬した
ときの概略平面図であり、図2(b)は図2(a)の矢印Rか
ら見た概略側面図である。図2(a),(b)において、上記
ブーム5の現在位置と目標位置Eとの間の水平方向の目
標移動量としての旋回角度をθRES、バケット3の振り
子運動の振れ角すなわちブーム5先端から下方に延びる
鉛直線とワイヤ4とのなす角度をφ、バケット3の振り
子運動の振れ速度をvとする。
【0015】上記構成のクレーンの駆動制御装置におい
て、テーブル作成部11は、ワイヤ4の吊り長さに応じ
たブーム5の旋回角度θRESに係る速度係数f1とバケッ
ト3の振り子運動の振れ角φに係る速度係数f2とバケ
ット3の振り子運動の振れ速度vに係る速度係数f3
テーブルを予め作成して、そのテーブルをテーブル格納
部11aに格納している。なお、上記速度係数f2,f
3は、ブーム5を目標位置Eの上で停止させた際にバケ
ット3の振り子運動の振れ角φ,振れ速度vが夫々許容
誤差範囲内になるように旋回角速度を求めるための速度
係数であって、ワイヤ4の吊り長さとブーム5の動特性
に基づいて運動方程式により求める。また、上記速度係
数f2,f3を用いて、ワイヤ4の吊り長さとブーム5の
動特性に基づいて後述するシミュレーションにより速度
係数f1を求める。そして、上記ブーム5を運搬開始位
置から目標位置Eの手前まで旋回させた後、次に、ブー
ム5を減速制御しつつ、ブーム5を目標位置Eの上に停
止させて、バケット3を目標位置Eに静止させる。
【0016】上記駆動制御装置の減速制御において、旋
回角速度算出部12は、テーブル作成部11のテーブル
格納部11aよりワイヤ4の吊り長さに応じた速度係数
1,f2,f3を用いて、ワイヤ4の上支点の移動速度と
してのブーム5の旋回角速度ωを、 ω=f1θRES+f2φ+f3v・・・・・・・・[式2] により算出して、その旋回角速度ωに従って制御部13
はブーム旋回モータ14を制御して、ブーム5を旋回さ
せる。なお、上記ブーム5の旋回角速度ωとブーム5先
端の旋回半径(ブーム長さとブーム5の起伏角度より求
まる)とによって、ワイヤ4の上支点すなわちブーム5
先端の水平方向の移動速度が定まる。したがって、上記
旋回角速度ωを制御することによって、ワイヤ4の上支
点の水平方向の移動速度を制御するのである。
【0017】図3は上記クレーン10の駆動制御装置の
動作を説明するフローチャートである。
【0018】以下、図3のフローチャートに従って上記
駆動制御装置の減速制御処理を説明する。
【0019】まず、上記ブーム5が目標位置Eの上の手
前まで旋回させた時点で、この処理をスタートし、ステ
ップS1で許容誤差α,β,γを設定する。なお、上記旋
回角度θRESの旋回角度ゼロに対する許容誤差をα、振
れ角φの振れ角ゼロに対する許容誤差をβ、振れ速度v
の振れ速度ゼロに対する許容誤差をγとする。次に、ス
テップS2で上記吊り長さ計測部20によりワイヤ4の
吊り長さを計測する。その後、ステップS3に進んで、
そのワイヤ4の吊り長さに応じた速度係数f1,f2,f3
をテーブル作成部11のテーブル格納部11aより選択
する。
【0020】次に、ステップS4で上記ブーム旋回角度
計測部17によりブーム5の旋回角度θRES(現在位置か
ら目標位置E上までの旋回角度)を計測した後、ステッ
プS5で上記バケット振れ角計測部18によりバケット
3の振り子運動の振れ角φを計測する。そして、ステッ
プS6で上記バケット振れ速度計測部19によりバケッ
ト3の振り子運動の振れ速度vを計測する。
【0021】次に、図4に示すステップS7に進み、上
記[式2]による減速制御を行う。すなわち、上記旋回
角速度算出部12により速度係数f1,f2,f3と旋回角
度θRESと振れ角φおよび振れ速度vから[式2]によ
り算出された旋回角速度ωに基づいて、制御部13は、
所定時間tの間ブーム5が旋回するように、ブーム旋回
モータ14を制御するのである。
【0022】次に、ステップS8でブーム5の旋回角度
θRES(現在位置から目標位置E上までの旋回角度)を計
測する。次に、ステップS9でバケット3の振り子運動
の振れ角φを計測する。そして、ステップS10でバケ
ット3の振り子運動の振れ速度vを計測する。
【0023】次に、ステップS11で旋回角度θRES
−α以上でかつα以下であると判定すると、ステップS
12に進む一方、旋回角度θRESが−α以上でかつα以
下でないと判定すると、ステップS7に戻り、再び減速
制御を行う。
【0024】次に、ステップS12で振れ角φが−β以
上でかつβ以下であると判定すると、ステップS13に
進む一方、振れ角φが−β以上でかつβ以下でないと判
定すると、ステップS7に戻り、再び減速制御を行う。
【0025】次に、ステップS13で振れ速度vが−γ
以上でかつγ以下であると判定すると、ステップS14
に進む一方、振れ速度vが−γ以上でかつγ以下でない
と判定すると、ステップS7に戻り、再び減速制御を行
う。
【0026】そして、旋回角度θRESと振れ角φおよび
振れ速度vが夫々許容範囲内にあれば、ステップS14
で制御動作を停止して、この処理を終了する。
【0027】また、図5,図6は上記テーブル作成部1
1の動作を示すフローチャートである。
【0028】以下、図5,図6のフローチャートに従っ
てテーブル作成部11のテーブル作成処理を説明する。
【0029】まず、ステップS21でmにゼロを代入す
る。そして、ステップS22で吊り長さL(0)に初期値
を設定する。
【0030】次に、ステップS23で速度係数f2(m),
3(m)を算出する。すなわち、ワイヤ4の吊り長さと
クレーン10の力学的動特性(ブーム5の弾性変形量,バ
ネ定数およびクレーンの支柱のバネ定数等)から運動方
程式を求めた後、その運動方程式から速度係数f2(m),
3(m)を夫々求める。
【0031】次に、ステップS24でnにゼロを代入す
る。そして、ステップS25で速度係数f1(m)の初期
値A(0)を設定する。つまり、上記目標移動量θRESに係
る速度係数をA(0)〜A(n)まで変化させて、後述する
シミュレーションを行って、それらA(0)〜A(n)のう
ちから最適値を選び出すのである。
【0032】次に、ステップS26でブーム5の旋回角
度θRES(現在位置から目標位置E上までの旋回角度)を
設定する。次に、ステップS27でバケット3の振り子
運動の振れ角φを設定する。次に、ステップS28でバ
ケット3の振り子運動の振れ速度vを設定する。
【0033】次に、ステップS29に進み、ブーム5の
旋回角速度ωを上記[式2]より算出する。
【0034】そして、ステップS30でブーム5を旋回
角速度ωで所定時間t旋回させた後の旋回角度θRES
振れ角φと振れ速度vとを夫々運動方程式により算出す
る。
【0035】次に、図6に示すステップS31に進み、
旋回角度θRESが−α以上でかつα以下であると判定す
ると、ステップS32に進む一方、旋回角度θRESが−
α以上でかつα以下でないと判定すると、図5に示すス
テップS29に戻る。
【0036】次に、ステップS32で振れ角φが−β以
上でかつβ以下であると判定すると、ステップS33に
進む一方、振れ角φが−β以上でかつβ以下でないと判
定すると、図5に示すステップS29に戻る。
【0037】次に、ステップS33で振れ速度vが−γ
以上でかつγ以下であると判定すると、ステップS33
に進む一方、振れ速度vが−γ以上でかつγ以下でない
と判定すると、図5に示すステップS29に戻る。
【0038】次に、ステップS34に進み、所要時間T
(n)に(ステップS29,S30の処理回数)tを代入す
る。そして、ステップS35でnを+1する。次に、ス
テップS36で速度係数A(n)に(A(n-1)+△A)を代
入する。
【0039】次に、ステップS37で速度係数A(n)が
1maxを越えるか否かを判定して、速度係数A(n)がf
1maxを越えると判定すると、ステップS38に進む一
方、速度係数A(n)がf1max以下であると判定すると、
図5に示すステップS26に戻る。なお、上記速度係数
1maxは、クレーン10の性能等に応じて定める。
【0040】次に、ステップS38で所要時間Tが最小
のときの速度係数Aを選択する。すなわち、所要時間T
(0)〜T(n)のうちから最小値を選択し、速度係数A(0)
〜A(n)のうちその最小値に対応する最適値を選択する
のである。そして、ステップS39で速度係数f1(m)
に速度係数Aを代入する。
【0041】次に、ステップS40でmを+1して、ス
テップS41に進み、吊り長さL(m)に(L(m-1)+△
L)を代入する。そして、ステップS42で吊り長さL
(m)がLmaxを越えるか否かを判定して、吊り長さL
(m)がLmaxを越えると判定すると、この処理を終了す
る一方、吊り長さL(m)がLmaxを以下であると判定す
ると、図5に示すステップS23に戻る。なお、上記ワ
イヤ4の吊り長さLmaxは、クレーン10の性能等に応
じて定める。
【0042】こうして、上記テーブル作成部11は、ワ
イヤ4の吊り長さLに応じた速度係数f1,f2,f3のテ
ーブル格納部11aを作成する。
【0043】このように、運搬開始位置から目標位置E
の上までブーム5を旋回させる場合、目標位置Eの手前
の現在位置と目標位置Eとの間の水平方向の旋回角度θ
RESと、ワイヤ4の吊り長さと、ブーム5が現在位置に
あるときのバケット3の振り子運動の振れ角φ,振れ速
度vとに基づいて、ブーム5を目標位置Eの上で停止さ
せた際にバケット3の振り子運動の振れ角φ,振れ速度
vとが夫々許容誤差範囲内になるように、ブーム5の旋
回角速度ωを制御する。すなわち、上記ワイヤ4の吊り
長さに基づくバケット3の振り子運動を考慮しつつ、ブ
ーム5の現在位置と目標位置Eとの間の水平方向の旋回
角度θRESが小さくなるように、かつ、バケット3の振
り子運動の振れ角φ,振れ速度vが小さくなるように、
ブーム5の旋回角速度ωを制御するのである。したがっ
て、熟練者なしに、バケット3が振れないように、かつ
速やかにバケット3を目標位置Eに静止させることがで
きる。
【0044】また、所定時間t毎に計測されたブーム5
の現在位置と目標位置Eとの間の水平方向の旋回角度θ
RESとバケットの振り子運動の振れ角φ,振れ速度vの最
新値に基づいて、ブーム5の旋回角速度ωを制御するの
で、ブームの旋回角速度を連続して制御する必要がな
く、処理能力の小さい駆動制御装置であっても、バケッ
ト3を目標位置Eに静止させるブーム5の減速制御を容
易に行うことができる。
【0045】また、上記バケット3の振り子運動の振れ
角φに係る速度係数f2とバケット3の振り子運動の振
れ速度vに係る速度係数f3とをワイヤ4の吊り長さと
ブーム5の動特性(ブーム5の弾性変形量,バネ定数およ
びクレーンの支柱のバネ定数)に基づく運動方程式によ
り求めると共に、その求めた速度係数f2,f3を用い
て、ブーム5の現在位置から目標位置E上までの旋回角
度θRESに係る速度係数f1を、ワイヤ4の吊り長さとブ
ーム5の動特性に基づくシミュレーションにより求め
て、その求めた速度係数f1,f2,f3を用いてブーム5
の旋回角速度ωを上記[式2]により求めることによっ
て、バケット3を目標位置Eに確実に静止させることが
できる。また、上記シミュレーションでブーム5の旋回
時間が最短になるように速度係数f1を求めることによ
って、バケット3を速やかに目標位置Eに運搬すること
ができる。
【0046】また、上記クレーン10は、旋回自在なブ
ーム5を有するブーム式クレーンであるので、ブーム5
の旋回に従ってワイヤ4の上支点としてのブーム5先端
と共にバケット3が旋回しながら、ブーム5先端の円軌
道の接線方向にバケット3が振り子運動を行う。したが
って、上記ブーム5の旋回角速度ωを制御して、ブーム
5を旋回させることによって、ワイヤ4の上支点として
のブーム5先端を水平方向に移動させて停止したとき、
バケット3の振り子運動を抑えることができる。
【0047】また、上記駆動制御装置のテーブル作成部
11のテーブル格納部11aに記憶された速度係数f1,
2,f3のテーブルを使用するので、その速度係数f1,
2,f3のテーブルを用いて、ブーム5の旋回角速度ω
を速やかに求めることができ、ブーム5の旋回角速度ω
を求める際に、ワイヤ4の吊り長さに応じて速度係数f
1,f2,f3を算出する必要がなく、処理能力が低い駆動
制御装置でも容易に対応することができる。
【0048】また、上記バケット3の振り子運動を考慮
しつつ、停止時におけるバケット3の振り子運動の振れ
角φ,振れ速度vが小さくなるように、ブーム5の旋回
角速度ωを制御する場合、バケット3の振り子運動の周
期が略一定であるので、ブーム5を旋回させるときの減
速制御が簡略化できる。
【0049】上記実施の形態では、ダム工事におけるコ
ンクリート打設設備に使用されるブーム式のクレーン1
0の制御方法および駆動制御装置について説明したが、
コンクリート打設設備に限らず、テルハやケーブルクレ
ーン等にこの発明を適用してもよいのは勿論である。
【0050】また、上記実施の形態では、ブーム5の旋
回角速度を制御している間、ワイヤ4の吊り長さを略一
定にしたが、ワイヤの吊り長さは一定でなくともよい。
この場合、ワイヤの吊り長さの変化に応じて、速度係数
1,f2,f3を変更する。
【0051】また、上記実施の形態では、ワイヤ4の吊
り長さに応じた速度係数f1,f2,f3のテーブルを予め
作成したが、ワイヤの吊り長さに応じた速度係数f1,f
2,f3を夫々表す近似式を予め求めておき、各近似式か
らワイヤの吊り長さに応じた速度係数f1,f2,f3を求
めてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の一形態のブーム式の
クレーンの駆動制御装置の要部ブロック図である。
【図2】 図2は上記クレーンのバケットが目標位置の
手前まで運搬されたときの概略平面図であり、図2(b)
は図2(a)の矢印Rから見た概略側面図である。
【図3】 図3は上記クレーンの駆動制御装置の減速制
御処理を説明するフローチャートである。
【図4】 図4は上記クレーンの駆動制御装置の減速制
御処理を説明するフローチャートである。
【図5】 図5は上記駆動制御装置のテーブル作成部の
テーブル作成処理を説明するフローチャートである。
【図6】 図6は上記駆動制御装置のテーブル作成部の
テーブル作成処理を説明するフローチャートである。
【図7】 図7はダム工事におけるコンクリート打設設
備の概略図である。
【符号の説明】
1…コンクリート混練プラント、2…トランスファーカ
ー、 3…バケット、4…ワイヤ、5…ブーム、10…クレー
ン、 11…テーブル作成部、11a…テーブル格納部、 12…旋回角速度算出部、13…制御部、14…ブーム
旋回モータ、 15…ブーム起伏モータ、16…ワイヤ巻取りモータ、 17…ブーム旋回角度計測部、18…バケット振れ角計
測部、 19…バケット振れ速度計測部、20…吊り長さ計測
部、 30…ダム堤体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 敏之 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (72)発明者 荒谷 義夫 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (56)参考文献 特開 昭55−80681(JP,A) 特開 平8−91774(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 13/00 - 13/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回自在なブームを有するブーム式クレ
    ーンにより吊荷をワイヤで吊り下げて目標位置まで運搬
    する際に、上記ワイヤの上支点の現在位置と上記目標位
    置との間の水平方向の目標移動量と、上記ワイヤの上支
    点が上記現在位置にあるときの上記ワイヤの吊り長さと
    上記吊荷の振り子運動の振れ角と振れ速度とに基づい
    て、上記ワイヤの上支点を上記目標位置の上で停止させ
    た際に上記吊荷の振り子運動の振れ角と上記吊荷の振り
    子運動の振れ速度とが夫々許容誤差範囲内になるよう
    に、上記ワイヤの上支点の水平方向の移動速度を制御し
    て、上記ワイヤの上支点を移動させるにあたり、上記ワ
    イヤの上支点の水平方向の移動速度Vを、 V=f1θRES+f2φ+f3v・・・・・・・・[式1] (ただし、f1,f2,f3は速度係数、θRESは上記目標移
    動量、φは上記振れ角、vは上記振れ速度とする)によ
    り算出して、その移動速度Vに従って上記ワイヤの上支
    点を移動させるクレーンの制御方法であって、 上記速度係数f2,f3は、上記ワイヤの吊り長さと上記
    ブームの弾性変形量と上記ブームのバネ定数および上記
    クレーンの支柱のバネ定数に基づく運動方程式により算
    出すると共に、 上記速度係数f1は、順次増大または減少させた複数の
    速度係数を設定し、上記目標移動量θRESと上記振れ角
    φおよび上記振れ速度vの夫々の初期値を設定し、その
    各初期値と上記運動方程式により算出された上記速度係
    数f2,f3とを用いて、上記複数の速度係数毎に、上記
    式1により上記ワイヤの上支点の移動速度Vを算出しな
    がら上記クレーンの制御を試行して、その制御の開始か
    ら上記目標移動量θRESと上記振れ角φおよび上記振れ
    速度vが夫々許容誤差範囲内になるまでの所要時間を夫
    々求め、上記複数の速度係数のうちから上記所要時間が
    最短になる速度係数を選択し、 上記速度係数f2,f3の算出と上記速度係数f1の選択と
    をワイヤの種々の吊り長さ毎に行い、上記ワイヤの種々
    の吊り長さに応じた上記速度係数f1,f2,f3のテーブ
    ルを予め作成しておき、 計測されたワイヤの吊り長さに基づいて、上記テーブル
    を使用して速度係数を決定してワイヤの上支点の移動速
    度Vを求め、この移動速度でブームを旋回させることを
    特徴とするクレーンの制御方法。
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