JP3241559B2 - 車両用樹脂成形品の組付構造 - Google Patents

車両用樹脂成形品の組付構造

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JP3241559B2 JP02249995A JP2249995A JP3241559B2 JP 3241559 B2 JP3241559 B2 JP 3241559B2 JP 02249995 A JP02249995 A JP 02249995A JP 2249995 A JP2249995 A JP 2249995A JP 3241559 B2 JP3241559 B2 JP 3241559B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の室内に配置される
樹脂成形品の組付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形品は複雑な形状に成形すること
が可能で、かつ大量に同一物を安価に供給することがで
きる。このため車室内においては部品点数及び取付工数
を減少し、かつ内装機能の向上を図るために従来から多
種多様の樹脂成形品が使用されている。
【0003】しかし、樹脂成形品には上述した機能を有
する反面、熱膨張係数が金属に比べて大きい不具合があ
る。特に使用環境が多岐にわたる車両においては樹脂成
形品の熱変形量は大きく、例えば炎天下で使用される車
両においては樹脂成形品が膨張し、また逆に寒冷地で使
用される車両においては、図3に示すように、内装品で
ある樹脂成形品1,2が互いに接触するとき、双方の樹
脂成形品1,2が収縮して、それぞれの樹脂成形品1,
2の接触部の周縁は図の実線矢印で示すように移動し
て、図の2点破線で示すように隙間Dが生じ、見栄えを
損ねる不具合があった。
【0004】このため従来では、樹脂成形品のねじ止め
等による取付け箇所を増加させ、強制的に樹脂成形品の
変形を防止し、又は樹脂成形品が変形しても見栄えを損
なわないような箇所に樹脂成形品の周縁を位置するよう
に配設していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した取付
け箇所を増加する方法は樹脂成形品を取付ける部材との
関係により増加させることができない場合があり、また
取付け箇所を増加することは取付構造の複雑化と、取付
け作業の増加を来していた。また見栄えを損なわないよ
うな箇所に樹脂成形品の周縁を位置させることは設計の
自由度を制限し、樹脂成形品の複雑化を招いていた。特
に比較的長い内装品である樹脂成形品では、熱変形量が
大きくなるため、上記傾向が顕著であった。本発明の目
的は、比較的簡単な構造により樹脂成形品が熱変形して
も、熱変形による樹脂成形品の見栄えの悪化を防止する
ことができる車両用樹脂成形品の組付構造を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成を、実施例に対応する図1を用いて説明
する。本発明は、第1及び第2樹脂成形品11,12が
互いに接触して車室内に組付けられる車両用樹脂成形品
の組付構造であって、第1樹脂成形品11の第1接触部
13の端縁に第1接触部13とともに第2接触部14の
端部を挟持する係止爪16が設けられ、係止爪16が第
2接触部14の端部を第1接触部13とともに挟持した
状態で第1及び第2樹脂成形品11,12が温度変化に
より膨張又は収縮するときに第1接触部13が変形可能
に形成されたことを特徴とする。
【0007】
【作用】第1又は第2樹脂成形品11,12が温度変化
により収縮すると第1及び第2接触部13,14は図の
矢印方向にそれぞれ移動する。ここで係止爪16が接触
部13とともに接触部14を挟持するため、接触部13
及び14が互いに離れず隙間を生じない。
【0008】
【実施例】次に本発明の一実施例を図面に基づいて詳し
く説明する。図1及び図2に示すように、本実施例にお
ける車両用樹脂成形品は第1及び第2樹脂成形品11,
12が互いに接触して車室内に組付けられる。即ち、第
1樹脂成形品11の端部には第2樹脂成形品12に接触
する比較的長い板状の第1接触部13が形成され、第1
接触部13の端部には係止爪16が設けられる。第2樹
脂成形品12の端部には第1樹脂成形品11に接触する
比較的短い板状の第2接触部14が形成される。
【0009】第1樹脂成形品11には雄ねじ11aが挿
入可能な孔11bが設けられた凹部11cが設けられ、
第1樹脂成形品11が取付けられる被取付部材11dに
設けられた雌ねじ11eにその孔11bを介して雄ねじ
11aを螺合することにより第1樹脂成形品11は被取
付部材11dに取付けられる。第2樹脂成形品12には
タッピングねじ12dが螺合する穴12aが設けられた
突起12bが設けられ、第2樹脂成形品12が取付けら
れる被取付部材12cの孔を介してタッピングねじ12
dを螺合することにより第2樹脂成形品12は被取付部
材12cに取付けられる。
【0010】本実施例における係止爪16は、図1に示
すように、第1接触部13の端縁に第2樹脂成形品12
に向ってほぼ垂直に折れ曲がるように設けられたフラン
ジ16aと、フランジ16aに突設された一対の突起1
6bとにより構成され、突起16bは三角状のリブ16
cにより補強される。突起16bと第1接触部13との
隙間は第2接触部14の厚さより僅かに大きく成形さ
れ、第2接触部14の端縁を第1接触部13と突起16
bの間にフランジ16aに当接するまで挿入することに
より、係止爪16は第1接触部13とともに第2樹脂成
形品12の第2接触部14の端部を挟持するようになっ
ている。
【0011】第1樹脂成形品11は成形される樹脂の材
質により成形する厚さ及び形状が決定され、第1接触部
13は外力に対して変形可能に形成される。また第2接
触部14の端縁を第1接触部13と突起16bの間に挿
入する作業を容易にすべく、突起16bの先端片側及び
第2接触部14の先端片側にはそれぞれ傾斜部14b,
16dが設けられる。
【0012】このように構成された車両用樹脂成形品の
組付構造の動作を説明する。図1に示すように、第1及
び第2樹脂成形品11,12が温度変化により収縮する
と、第1及び第2接触部13,14は実線矢印で示す方
向の移動する。ここで係止爪16が第1接触部13とと
もに第2接触部14を挟持するため、第1及び第2接触
部13,14のそれぞれの端部は移動することができ
ず、比較的長い板状の第1接触部13は図1の2点破線
で示すように湾曲する。即ち、係止爪16が第2接触部
14の端部を第1接触部13とともに挟持した状態で第
1接触部13は変形するので、第1及び第2接触部1
3,14は互いに離れず隙間を生じない。
【0013】なお、上記実施例では第2接触部14に係
止爪16を設けたが、第1接触部13に係止爪16を設
けてもよい。また、上記実施例では第1接触部13を比
較的長く第2接触部14を比較的短く形成したが、第1
接触部13を比較的短く第2接触部14を比較的高く設
けてもよく、またほぼ均等の高さに設けてもよい。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、第
1又は第2樹脂成形品の第1又は第2接触部の端縁に第
1又は第2接触部とともに第2又は第1接触部の端部を
挟持する係止爪を設ける比較的簡単な構造により、第1
及び第2樹脂成形品が熱変形を生じ、第1及び第2接触
部が移動しても、第1及び第2樹脂成形品の周縁に隙間
が生じることはない。この結果、熱変形による樹脂成形
品の見栄えの悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の車両用樹脂成形品の組付構造を
示す断面図。
【図2】その樹脂成形品を分割した状態の斜視図。
【図3】従来例を示す図1に対応する図。
【符号の説明】
11 第1樹脂成形品 12 第2樹脂成形品 13 第1接触部 14 第2接触部 16 係止爪

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2樹脂成形品(11,12)が互い
    に接触して車室内に組付けられる車両用樹脂成形品の組
    付構造であって、 前記第1又は第2樹脂成形品(11,12)の第1又は第2接
    触部(13,14)の端縁に前記第1又は第2接触部(13,14)と
    ともに前記第2又は第1接触部(14,13)の端部を挟持す
    る係止爪(16)が設けられ、 前記係止爪(16)が前記第2又は第1接触部(14,13)の端
    部を前記第1又は第2接触部(13,14)とともに挟持した
    状態で前記第1及び第2樹脂成形品(11,12)が温度変化
    により膨張又は収縮するときに前記第1又は第2接触部
    (13,14)が変形可能に形成されたことを特徴とする車両
    用樹脂成形品の組付構造。
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