JP3240481B2 - エアバッグケースとインフレータの組立方法 - Google Patents

エアバッグケースとインフレータの組立方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両に装備し、車両の衝
突事故の際に自動的に膨張し、乗員を保護するエアバッ
グ装置に係り、詳しくは助手席用装置のエアバッグケー
スとインフレータの組立方法の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】エアバッグ装置は、車両が衝突した時、
衝撃が所定以上である場合に、シートベルトの補助とし
て瞬時にバッグが膨張し、乗員を保護する安全装置であ
り、通常、ガス発生器であるインフレータと、インフレ
ータのガスにより膨張するバックと、前記インフレータ
を該バッグと共に略気密に囲繞収納するエアバッグケー
スとで構成されている。そして、このエアバッグ装置は
その作動にあたり、インフレータから瞬時に噴出された
ガスがエアバッグケースとエアバッグ内に充満して内圧
を発し、この内圧によりバックが展開する。
【0003】一方、上記エアバッグ装置は、運転席用に
限らず、近年助手席用のものも多く開発されており、か
かる装置は、断面略U字状のエアバッグケースと、該ケ
ースの開口部に折り畳んで収納されたエアバッグと、こ
のエアバッグの後方で上記ケース内に固定される円筒状
のインフレータとを備えるものが一般的である。
【0004】即ち、従来のエアバッグケースとインフレ
ータの取付は、図3に示す如く、ケース(1)の対向す
る側壁の一方(5)に挿入孔(7)を設けてインフレー
タ(4)の頭部(8)を嵌挿すると共に、ケースの他方
の側壁(6)にボルト孔(12)を設けて、該インフレ
ータ(4)の足部(9)に軸方向に突設したスタッドボ
ルト(10)を貫通せしめて締着した構造を有してい
る。そして、上記ケースとインフレータの組立方法とし
ては、図3の図示左方から、先ず上記挿入孔(7)にイ
ンフレータ(4)の足部(9)を挿入し、次いで、さら
にインフレータ(4)を送り込んで、上記足部(9)の
スタッドボルト(10)を前記ボルト孔(12)に貫通
させると共に、、インフレータ(4)の頭部(8)を上
記挿入孔(7)に嵌合させる方法が一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の組立方法においては、インフレータ足部のボルトを
ケースのボルト孔に入れる際に、ケースの内部で該作業
が行われることと、ボルト挿入と同時に挿入孔へのイン
フレータ頭部の嵌合も行わねばならないこととによっ
て、ボルトのボルト孔への位置決めが困難になるとの不
都合を有している。
【0006】本発明は叙上の如き実状に鑑みてなされた
ものであり、特にエアバッグケースとインフレータの新
規な組立方法を見出すことにより、インフレータボルト
のケースボルト孔への位置決めを容易にし、エアバッグ
ケースとインフレータの組立を迅速かつ円滑に行わしめ
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明の組立方法の特徴は、前記の如く、エアバッグ
ケースの対向する壁部に、インフレータ頭部を嵌挿する
挿入孔と足部スタッドボルトを挿入するボルト孔とを夫
々設け、これら各孔にインフレータの該当部位を挿入し
てなるエアバッグ装置において、上記スタッドボルト端
部に、軸方向に嵌合孔を穿設すると共に、該嵌合孔に嵌
合するテーパエンドの嵌合ピンを先端に設けて、案内用
ロッドを前記ケースのボルト孔に挿通自在に貫通せし
め、上記ロッドを該ボルト孔から前記挿入孔を通してケ
ース外側に出し、次いで、ロッド先端の嵌合ピンを前記
スタッドボルトの嵌合孔に嵌合せしめて、上記ロッドの
案内によりインフレータのスタッドボルトを上記ケース
のボルト孔に嵌入せしめ、のちロッドを外して該スタッ
ドボルトを締着するところにある。なお、ここでいうテ
ーパエンドとは、少なくとも先端部が、先端方向に行く
に従い細くなるテーパ形状のことをいう。
【0008】
【作用】上記本発明の組立方法においては、案内用ロッ
ドがインフレータのボルトをケースのボルト孔に案内す
ることから、該ボルトのボルト孔への位置決めは自動的
になされ、また、上記ロッドの嵌合ピンはテーパエンド
であることからボルト嵌合孔への挿入は容易であり、こ
の組立方法を実施することによって、エアバッグケース
とインフレータの組立を迅速かつ円滑に行うことが可能
となる。
【0009】
【実施例】以下、さらに添付図面を参照して、本発明の
実施例を説明する。図1は本発明実施例の組立方法を示
す説明図であり、図2はスタッドボルトの嵌合孔とロッ
ドの嵌合ピンを示す部分拡大図、図3は本発明の組立方
法によって組立てられるエアバッグ装置の水平断面図で
ある。先ず、図3に基づいて本発明方法により組立てる
エアバッグ装置を説明するに、この装置は、断面略U字
(あるいはコの字)状を呈し、薄い冷間圧延鋼板等の弾
性材からなるエアバッグケース(1)と、該ケース
(1)の開口部(2)に折り畳み収納されたエアバッグ
(3)と、該エアバッグ後方で上記エアバッグケース
(1)内に固定されたインフレータ(4)とを有してい
る。
【0010】一方、インフレータ(4)とエアバッグケ
ース(1)の取付は、基本的には、ケース(1)の対向
する側壁の一方(5)に挿入孔(7)を設けてインフレ
ータ(4)の頭部(8)を嵌挿すると共に、ケースの他
方の側壁(6)にボルト孔(12)を設けて、該インフ
レータ(4)の足部(9)に軸方向に突設したスタッド
ボルト(10)を貫通せしめて締着した構造を有してい
る。なお、(11)はインフレータ抜け止めの大径部を
示す。
【0011】一方、本発明は、上記エアバッグ装置のケ
ースとインフレータとの組立方法に係り、図1,図2に
示す如く、先ず、上記スタッドボルト(10)端部に、
軸方向に嵌合孔(13)を穿設すると共に、該嵌合孔
(13)に嵌合するテーパエンドの嵌合ピン(14)を
先端に設けて、案内用ロッド(15)をエアバッグケー
ス(1)のボルト孔(12)に挿通自在に貫通せしめ
る。この場合、上記ロッド(15)はシリンダー(1
6)によって図示上下に、基台(17)付近から該シリ
ンダー(16)端部まで摺動自在に設けられている。ま
た、上記基台(17)には、図1に示す如き位置でケー
ス(1)を固定する第1固定手段(図示せず)と、該ケ
ース(1)を下方に移動させて、インフレータ(4)が
ケース(1)に完全に嵌った位置でこのケース(1)を
固定する第2固定手段とが設けられている。
【0012】また、上記ロッド(15)は、図1に示す
如く円形のボルト孔(12)より若干小径の円柱状のも
のからなり、図2に示す如く、その先端部の嵌合ピン
(14)は、テーパエンドの円孔に形成されたスタッド
ボルトの前記嵌合孔(13)に対し、該嵌合孔(13)
と合致する形状に形成されている。この嵌合孔(13)
に対する嵌合ピン(14)の形状は、例えば図4に示す
ように孔(13)に対しピン(14)が細くて遊嵌合す
るような場合でも、上記孔(13)の底部をテーパエン
ドとすることにより、両者の位置決めと固定は確保する
ことが可能となる。さらに回り止めを必要とする場合
は、嵌合孔(13)と嵌合ピン(14)とを、軸直行断
面が概略同一の角孔ならびに角柱とすることも可能であ
る。
【0013】他方、本発明組立方法の次工程は、前記の
如く、ボルト孔(12)を貫通せしめたロッド(15)
を、図1に示すように、さらに該ボルト孔(12)から
挿入孔(7)を通してケース外側に出し、次いで先端の
嵌合ピン(14)を、図示の如く基台(17)上に立て
たインフレータ(4)のスタッドボルトの嵌合孔(1
3)に嵌合させる。この際、エアバッグケース(1)
は、前記した第1固定手段(図示せず)によって、図1
に示す位置に固定されている。そして、この状態から、
エアバッグケース(1)を図1に示す矢印のように降下
させて、上記ロッド(15)の案内によりインフレータ
(4)のスタッドボルト(10)を上記ケース(1)の
ボルト孔(12)に嵌入させる。このとき、同時にイン
フレータ頭部(8)とケース挿入孔(7)との嵌合も行
われるため、この状態で前記した第2固定手段(図示せ
ず)によってケース(1)を基台(17)に固定し、次
いで、シリンダー(16)によりロッド(15)を上方
に後退させてスタッドボルト(10)から外し、ケース
(1)を固定したまま該スタッドボルト(10)をナッ
トにより締着する。
【0014】かくして、インフレータ(4)は図3に示
すようにケース(1)に取着されるが、上記本発明実施
例の組立方法においては、案内用ロッド(15)がイン
フレータ(4)のスタッドボルト(10)をケース
(1)のボルト孔(12)に案内することから、該ボル
ト(10)のボルト孔(12)への位置決めは自動的に
なされ、また、上記ロッド(15)の嵌合ピン(14)
はテーパエンドであることからボルト(10)嵌合孔
(13)への挿入は容易であり、かかる組立方法を実施
することによって、エアバッグケース(1)とインフレ
ータ(4)の組立を迅速かつ円滑に行わしめて、エアバ
ッグ装置の製造時間を短縮すると同時にその製造コスト
を下げるとの実用的効果を奏するものである。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエアバッ
グケースとインフレータの組立方法は、エアバッグケー
スの対向する壁部に、インフレータ頭部を嵌挿する挿入
孔と足部スタッドボルトを挿入するボルト孔とを夫々設
け、これら各孔にインフレータの該当部位を挿入してな
るエアバッグ装置において、スタッドボルトの端部に嵌
合孔を穿設する一方、先端にテーパエンドの嵌合ピンを
備えた案内用ロッドを、上記ケースのボルト孔から挿入
孔を通してケース外側に出し、該ロッドの嵌合ピンをス
タッドボルトの嵌合孔に嵌合せしめて、上記ロッドの案
内によりインフレータのスタッドボルトを上記ケースの
ボルト孔に嵌入させるものであり、案内用ロッドがイン
フレータのボルトをケースのボルト孔に案内することか
ら、該ボルトのボルト孔への位置決めは自動的になさ
れ、また、上記ロッドの嵌合ピンはテーパエンドである
ことからボルト嵌合孔への挿入は容易であり、この組立
方法を実施することによって、エアバッグケースとイン
フレータの組立を迅速かつ円滑に行わしめて、エアバッ
グ装置の製造時間を短縮すると同時にその製造コストを
低廉ならしめるとの顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の組立方法を示す説明図である。
【図2】スタッドボルトの嵌合孔とロッドの嵌合ピンを
示す部分拡大図である。
【図3】本発明方法によって組立てられるエアバッグ装
置の水平断面図である。
【図4】嵌合孔と嵌合ピンの他の例を示す部分拡大断面
図である。
【符号の説明】
(1) エアバッグケース (2) 開口部 (3) エアバッグ (4) インフレータ (5) 側壁 (6) 側壁 (7) 挿入孔 (8) インフレータの頭部 (9) インフレータの足部 (10) スタッドボルト (11) 大径部 (12) ボルト孔 (13) 嵌合孔 (14) 嵌合ピン (15) ロッド (16) シリンダー (17) 基台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−151347(JP,A) 特開 平4−78637(JP,A) 特開 平4−50054(JP,A) 特開 平6−8782(JP,A) 実開 平5−78655(JP,U) 実開 平4−119759(JP,U) 特表 平4−504091(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/16 - 21/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面略U字状のエアバッグケースと、該
    ケース内に固定される筒状のインフレータとを有し、上
    記ケースの対向する側壁の一方に孔を設けてインフレー
    タの頭部を嵌挿すると共に、上記ケースの他方の側壁
    に、該インフレータの足部に設けたスタッドボルトを貫
    通せしめて締着してなるエアバッグ装置において、上記
    スタッドボルト端部に、軸方向に嵌合孔を穿設すると共
    に、該嵌合孔に嵌合するテーパエンドの嵌合ピンを先端
    に設けて、案内用ロッドを前記ケースのボルト孔に挿通
    自在に貫通せしめ、上記ロッドを該ボルト孔から前記挿
    入孔を通してケース外側に出し、次いで、ロッド先端の
    嵌合ピンを前記スタッドボルトの嵌合孔に嵌合せしめ
    て、上記ロッドの案内によりインフレータのスタッドボ
    ルトを上記ケースのボルト孔に嵌入せしめ、のちロッド
    を外して該スタッドボルトを締着することを特徴とする
    エアバッグケースとインフレータの組立方法。
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JP6150220B2 (ja) * 2014-05-27 2017-06-21 豊田合成株式会社 エアバッグ組付体の組付方法

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