JP3239903B2 - エシェリヒア・コリによる新規l−スレオニン生産菌の創成とそれによるl−スレオニンの生産方法 - Google Patents
エシェリヒア・コリによる新規l−スレオニン生産菌の創成とそれによるl−スレオニンの生産方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物工業に関連したも
のであり、スレオニンを産生する新菌種について記載し
ている。L-スレオニンは必須アミノ酸であり、医療を目
的とする様々な栄養混合物のコンポーネントとして利用
される。さらに、動物用飼料添加物として、製薬業およ
び化学工業における試薬として、微生物によるリジンや
ホモセリンなどのアミノ酸産生のための成長因子として
利用される。
のであり、スレオニンを産生する新菌種について記載し
ている。L-スレオニンは必須アミノ酸であり、医療を目
的とする様々な栄養混合物のコンポーネントとして利用
される。さらに、動物用飼料添加物として、製薬業およ
び化学工業における試薬として、微生物によるリジンや
ホモセリンなどのアミノ酸産生のための成長因子として
利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、発酵法によりL-スレオニンを製造
する場合、微生物としては自然界から分離した菌株また
は該菌株の人工変異株が用いられている。L-スレオニン
を生産する人工変異株は数多く知られており、その多く
はα−アミノ−β−ヒドロキシ吉草酸に耐性があり、エ
シェリヒア属、セラチア属、またはブレビバクテリウム
属、コリネバクテリウム属に属している。エシェリヒア
属においては特開昭 55-131397号公報、特開昭59-31691
号公報、特開昭56-15696号公報、および特表平3-501682
号公報でスレオニンオペロンを含有した組換えプラスミ
ドにより形質転換された菌株によるL-スレオニンを製造
する方法が示されている。これら開示されたエシェリヒ
ア・コリ属によるL-スレオニン発酵の主炭素源としては
グルコース、シュクロース、澱粉加水分解物、廃糖蜜等
が使用されている。
する場合、微生物としては自然界から分離した菌株また
は該菌株の人工変異株が用いられている。L-スレオニン
を生産する人工変異株は数多く知られており、その多く
はα−アミノ−β−ヒドロキシ吉草酸に耐性があり、エ
シェリヒア属、セラチア属、またはブレビバクテリウム
属、コリネバクテリウム属に属している。エシェリヒア
属においては特開昭 55-131397号公報、特開昭59-31691
号公報、特開昭56-15696号公報、および特表平3-501682
号公報でスレオニンオペロンを含有した組換えプラスミ
ドにより形質転換された菌株によるL-スレオニンを製造
する方法が示されている。これら開示されたエシェリヒ
ア・コリ属によるL-スレオニン発酵の主炭素源としては
グルコース、シュクロース、澱粉加水分解物、廃糖蜜等
が使用されている。
【0003】また、これまでに知られているスレオニン
生産菌のうちでは、E. coli BKIIMB-3996株のスレオニ
ン生合成レベルおよび消費係数はもっとも優れている
(特表平3-501682号公報)。本発明にいう消費係数とは
スレオニン1gを生産するのに必要とされる糖のg数であ
る。pHセンサーからのシグナルに基づいて栄養培地に糖
−アンモニア添加物を添加する実験発酵槽で本菌種を培
養すると、最高 85 g/lのスレオニンを生合成し、その
消費係数は2g糖/1gスレオニンであった。
生産菌のうちでは、E. coli BKIIMB-3996株のスレオニ
ン生合成レベルおよび消費係数はもっとも優れている
(特表平3-501682号公報)。本発明にいう消費係数とは
スレオニン1gを生産するのに必要とされる糖のg数であ
る。pHセンサーからのシグナルに基づいて栄養培地に糖
−アンモニア添加物を添加する実験発酵槽で本菌種を培
養すると、最高 85 g/lのスレオニンを生合成し、その
消費係数は2g糖/1gスレオニンであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のスレオニン生産
菌株の特徴の一つとして、E. coli BKIIM B-3996株でも
同様であったが、イソロイシン要求性を付与することが
一般的であった。この主な理由は1)イソロイシンの副生
を防ぎ、かつ2)イソロイシンによるスレオニン生合成遺
伝子(スレオニンオペロン)の発現調節(アテニュエー
ション)を回避することによる。従って、イソロイシン
要求性変異株の使用においては、菌の生育とスレオニン
生産性の至適域を保つ必要から、発酵培地に添加するイ
ソロイシン量を厳密に調節することが必要であった。も
ちろん、添加イソロイシン量が多ければ生育は良くなる
が、スレオニン生産性が低下することはいうまでもな
い。このような観点からすると、イソロイシン要求性
(リーキー型)であるE. coli BKIIM B-3996株の欠点の
一つとして、炭素源およびエネルギー源としてアミノ酸
(イソロイシン)含量の高い、安価で栄養学的意義の低
い非加工物質である糖蜜を含む培地での低生産性があげ
られる。
菌株の特徴の一つとして、E. coli BKIIM B-3996株でも
同様であったが、イソロイシン要求性を付与することが
一般的であった。この主な理由は1)イソロイシンの副生
を防ぎ、かつ2)イソロイシンによるスレオニン生合成遺
伝子(スレオニンオペロン)の発現調節(アテニュエー
ション)を回避することによる。従って、イソロイシン
要求性変異株の使用においては、菌の生育とスレオニン
生産性の至適域を保つ必要から、発酵培地に添加するイ
ソロイシン量を厳密に調節することが必要であった。も
ちろん、添加イソロイシン量が多ければ生育は良くなる
が、スレオニン生産性が低下することはいうまでもな
い。このような観点からすると、イソロイシン要求性
(リーキー型)であるE. coli BKIIM B-3996株の欠点の
一つとして、炭素源およびエネルギー源としてアミノ酸
(イソロイシン)含量の高い、安価で栄養学的意義の低
い非加工物質である糖蜜を含む培地での低生産性があげ
られる。
【0005】そこで本発明では、ショ糖に比べて非常に
安価な未加工物質である糖蜜を含む培地で細菌を何世代
も培養・生育させ、スレオニンを多量に産生する新菌種
を得ることを目的とした。
安価な未加工物質である糖蜜を含む培地で細菌を何世代
も培養・生育させ、スレオニンを多量に産生する新菌種
を得ることを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち本発明は、ラムダファージの温度感受性C1
リプレッサー、PRプロモーターおよびCroタンパク質の
N末端部分の下流に、本来持つ転写調節領域であるアテ
ニュエーター領域を欠失したスレオニンオペロンすなわ
ちスレオニン生合成関与遺伝子が位置し、スレオニン生
合成関与遺伝子の発現がラムダファージのリプレッサー
およびプロモーターにより支配されるように構築された
組換えプラスミドDNA、および該組換えプラスミドDNAを
保持するエシェリヒア属細菌に属する微生物、および該
微生物を培地中で培養し、該培養物中にLースレオニンを
生産蓄積させ、該培養物からL-スレオニンを採取するこ
とを特徴とするL-スレオニンの製造法である。また、本
発明による新菌種 E.coli BKIIM B-5318は、糖蜜を含む
培地で 32時間培養する間に最高 70g/lのスレオニンを
産生し、その際の消費係数は 1.7である。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち本発明は、ラムダファージの温度感受性C1
リプレッサー、PRプロモーターおよびCroタンパク質の
N末端部分の下流に、本来持つ転写調節領域であるアテ
ニュエーター領域を欠失したスレオニンオペロンすなわ
ちスレオニン生合成関与遺伝子が位置し、スレオニン生
合成関与遺伝子の発現がラムダファージのリプレッサー
およびプロモーターにより支配されるように構築された
組換えプラスミドDNA、および該組換えプラスミドDNAを
保持するエシェリヒア属細菌に属する微生物、および該
微生物を培地中で培養し、該培養物中にLースレオニンを
生産蓄積させ、該培養物からL-スレオニンを採取するこ
とを特徴とするL-スレオニンの製造法である。また、本
発明による新菌種 E.coli BKIIM B-5318は、糖蜜を含む
培地で 32時間培養する間に最高 70g/lのスレオニンを
産生し、その際の消費係数は 1.7である。
【0007】新菌種 E.coli BKIIM B-5318は、プラスミ
ド pPRT614を用いて新規宿主株 E.coli VNIIGenetika T
DH-7を形質転換することにより得られた。プラスミド p
PRT614は、プラスミド pVIC40のスレオニンオペロンの
転写調節領域をラムダファージPRプロモーターおよび
温度感受性C1レプレッサーに置換することによって得た
(図3)。その際プラスミド pPR40が、ラムダファージ
のプロモーターおよびレプレッサーのドナーとして利用
された(図1、2)。新規宿主株 E.coliVNIIGenetik
a TDH-7はイソロイシン非栄養要求株であり、VNIIGenet
ika TDH-6株(Reserch Institute for Genetics and In
dustrial Microorganism Breeding に登録番号BKIIM B
-3420のもとに寄託されている)のプラスミド非保持細
胞から得られた。まず、E.coli VNIIGenetika TDH-6株
のプラスミド非保持細胞に、先に E.coli c6000株の細
胞に感染させたファージ P1を感染させ、イソロイシン
を含まない培地上で生育できる形質導入株を選別する。
こうして得られた株がTDH-7である。次に、プラスミド
pPRT614を用いてE. coli VNIIGenetika TDH-7株を形質
転換し、この形質転換体をE. coli BKIIM B-5318とし
た。
ド pPRT614を用いて新規宿主株 E.coli VNIIGenetika T
DH-7を形質転換することにより得られた。プラスミド p
PRT614は、プラスミド pVIC40のスレオニンオペロンの
転写調節領域をラムダファージPRプロモーターおよび
温度感受性C1レプレッサーに置換することによって得た
(図3)。その際プラスミド pPR40が、ラムダファージ
のプロモーターおよびレプレッサーのドナーとして利用
された(図1、2)。新規宿主株 E.coliVNIIGenetik
a TDH-7はイソロイシン非栄養要求株であり、VNIIGenet
ika TDH-6株(Reserch Institute for Genetics and In
dustrial Microorganism Breeding に登録番号BKIIM B
-3420のもとに寄託されている)のプラスミド非保持細
胞から得られた。まず、E.coli VNIIGenetika TDH-6株
のプラスミド非保持細胞に、先に E.coli c6000株の細
胞に感染させたファージ P1を感染させ、イソロイシン
を含まない培地上で生育できる形質導入株を選別する。
こうして得られた株がTDH-7である。次に、プラスミド
pPRT614を用いてE. coli VNIIGenetika TDH-7株を形質
転換し、この形質転換体をE. coli BKIIM B-5318とし
た。
【0008】新菌種 E. coli BKIIM B-5318が既知の菌
種と異なる点は、例えば糖蜜を含む培地でも、栄養強化
を行ったものでなら生育できるという点であり、さらに
は、このような培地で効率的なスレオニンの生産を行う
という点である。この著しい相違はプロトタイプ種に次
のような2つの修飾が起こった結果である。1)プラスミ
ドpVIC40のスレオニンオペロンの転写調節領域をプラス
ミドpPR40のラムダファージプロモーターおよびレプレ
ッサーとに置換すること、ならびに2)レシピエント株へ
のイソロイシン非栄養要求性の導入である。提案されて
いる菌種は温度38〜41℃の実験条件において糖蜜で 32
時間発酵する間に 70g/l以上のスレオニンを産生する。
種と異なる点は、例えば糖蜜を含む培地でも、栄養強化
を行ったものでなら生育できるという点であり、さらに
は、このような培地で効率的なスレオニンの生産を行う
という点である。この著しい相違はプロトタイプ種に次
のような2つの修飾が起こった結果である。1)プラスミ
ドpVIC40のスレオニンオペロンの転写調節領域をプラス
ミドpPR40のラムダファージプロモーターおよびレプレ
ッサーとに置換すること、ならびに2)レシピエント株へ
のイソロイシン非栄養要求性の導入である。提案されて
いる菌種は温度38〜41℃の実験条件において糖蜜で 32
時間発酵する間に 70g/l以上のスレオニンを産生する。
【0009】新たなスレオニン産生株 E.coli BKIIM B-
5318は、Reserch Institute forGenetics and Industri
al Microorganism Breeding に、登録番号 BKIIM B-531
8のもとに新規に寄託した。
5318は、Reserch Institute forGenetics and Industri
al Microorganism Breeding に、登録番号 BKIIM B-531
8のもとに新規に寄託した。
【0010】新菌種 E.coli BKIIM B-5318は、次のよう
な形態学的および生化学的特徴を備えている。 1)細胞形態学:両端が丸みを帯びたグラム陰性桿菌。運
動性は低い。長さ1.5μm〜2.0μm。 2)培養の特徴: ミートペプトン寒天培地 37℃にて 24時間培養後、
円形で半透明な白色コロニ ーを形成する。直径は 1.5
〜3.0mm。コロニーの表面は滑らかで、正円形あるい
はわずかな不正円である。コロニーの中心部は隆起し、
構造は均質、硬度はペ ースト状で容易に乳化される。 Luria寒天培地 37℃にて 24時間培養後、直径 1.5〜
2.5mmの半透明な白色コロ ニーを形成する。コロニー
の表面は滑らかで、正円形、構造は均質、硬度はペ ー
スト状、容易に乳化される。 Adams寒天培地 37℃にて 40〜48時間培養後、直径
0.5〜1.5mmの半透明な灰白 色コロニーを形成する。表
面には光沢があり、やや隆起している。 ミートペプトン液体培地での生育 37℃での比率は
1.3/時である。24時間培養 後、均質な著しい混濁およ
び特徴的な臭気を呈する。 3)生理−生化学的特徴: ミートペプトン培地のプリック周辺での生育 プリッ
ク全体に沿って生育する。微生物は通性嫌気性である。
ゼラチンで希釈されない。牛乳で良く生育し、牛乳を凝
固させる。インドールを産生しない。 温度感受性 43℃以下のミートペプトン液体培地で生
育する。至適温度は37〜38℃である。 pH感受性 pH 6.0〜8.0の培地で生育する。至適 pHは
7.0である。 種々の炭素源での生育 ショ糖、グルコース、ラクト
ース、マンノース、ガラクトース、キシロース、グリセ
ロール、マンニットで良く生育し、酸およびガスを産生
する。 種々の窒素源での生育 アンモニア、硝酸塩の窒素、
およびある種の有機化合物中の窒素を同化する。ストレ
プトマイシン抵抗性。 プラスミド含有量 ストレプトマイシン抵抗性を付与
し、スレオニンオペロン遺伝子、ラムダファージプロモ
ーター、および温度感受性リプレッサー C1の遺 伝子
を運搬するマルチコピーハイブリッドプラスミド pPRT6
14(分子量 10.2 MD)を包含する。 阻害物質に対する抵抗性 L-スレオニンおよびL-ホモ
セリンに対して抵抗性である。
な形態学的および生化学的特徴を備えている。 1)細胞形態学:両端が丸みを帯びたグラム陰性桿菌。運
動性は低い。長さ1.5μm〜2.0μm。 2)培養の特徴: ミートペプトン寒天培地 37℃にて 24時間培養後、
円形で半透明な白色コロニ ーを形成する。直径は 1.5
〜3.0mm。コロニーの表面は滑らかで、正円形あるい
はわずかな不正円である。コロニーの中心部は隆起し、
構造は均質、硬度はペ ースト状で容易に乳化される。 Luria寒天培地 37℃にて 24時間培養後、直径 1.5〜
2.5mmの半透明な白色コロ ニーを形成する。コロニー
の表面は滑らかで、正円形、構造は均質、硬度はペ ー
スト状、容易に乳化される。 Adams寒天培地 37℃にて 40〜48時間培養後、直径
0.5〜1.5mmの半透明な灰白 色コロニーを形成する。表
面には光沢があり、やや隆起している。 ミートペプトン液体培地での生育 37℃での比率は
1.3/時である。24時間培養 後、均質な著しい混濁およ
び特徴的な臭気を呈する。 3)生理−生化学的特徴: ミートペプトン培地のプリック周辺での生育 プリッ
ク全体に沿って生育する。微生物は通性嫌気性である。
ゼラチンで希釈されない。牛乳で良く生育し、牛乳を凝
固させる。インドールを産生しない。 温度感受性 43℃以下のミートペプトン液体培地で生
育する。至適温度は37〜38℃である。 pH感受性 pH 6.0〜8.0の培地で生育する。至適 pHは
7.0である。 種々の炭素源での生育 ショ糖、グルコース、ラクト
ース、マンノース、ガラクトース、キシロース、グリセ
ロール、マンニットで良く生育し、酸およびガスを産生
する。 種々の窒素源での生育 アンモニア、硝酸塩の窒素、
およびある種の有機化合物中の窒素を同化する。ストレ
プトマイシン抵抗性。 プラスミド含有量 ストレプトマイシン抵抗性を付与
し、スレオニンオペロン遺伝子、ラムダファージプロモ
ーター、および温度感受性リプレッサー C1の遺 伝子
を運搬するマルチコピーハイブリッドプラスミド pPRT6
14(分子量 10.2 MD)を包含する。 阻害物質に対する抵抗性 L-スレオニンおよびL-ホモ
セリンに対して抵抗性である。
【0011】菌種 E.coli BKIIM B-5318は、プラスミド
を維持させるような選別を行わずに生育させた場合でも
プラスミドの安定性が高いことを特徴とする。プラスミ
ドに付与される安定性に関する菌種の特徴は、菌種 E.c
oli BKIIM B-5318(プラスミド pPRT614)およびプロト
タイプ種 E.coli BKIIM B-3996(プラスミド pVIC40)
について評価された。両菌種の細胞は、ストレプトマイ
シン存在下において静止期初期まで生育させ、その後抗
生物質を含まない Luria培地に開始時力価50で接種し
た。36.7〜40℃にて48時間培養後、得られた細胞を開始
時力価 50で Luria培地に再度接種し、同じ温度で 48時
間さらに培養した。各継代は 20世代に相当した。指示
された継代終了後、細胞を Luria寒天培地に接種し、ス
トレプトマイシン抵抗性についてコロニーを検査した。
いずれの菌種も、プラスミド喪失細胞の占有率は1%以
下であった。
を維持させるような選別を行わずに生育させた場合でも
プラスミドの安定性が高いことを特徴とする。プラスミ
ドに付与される安定性に関する菌種の特徴は、菌種 E.c
oli BKIIM B-5318(プラスミド pPRT614)およびプロト
タイプ種 E.coli BKIIM B-3996(プラスミド pVIC40)
について評価された。両菌種の細胞は、ストレプトマイ
シン存在下において静止期初期まで生育させ、その後抗
生物質を含まない Luria培地に開始時力価50で接種し
た。36.7〜40℃にて48時間培養後、得られた細胞を開始
時力価 50で Luria培地に再度接種し、同じ温度で 48時
間さらに培養した。各継代は 20世代に相当した。指示
された継代終了後、細胞を Luria寒天培地に接種し、ス
トレプトマイシン抵抗性についてコロニーを検査した。
いずれの菌種も、プラスミド喪失細胞の占有率は1%以
下であった。
【0012】新菌種の産生体を用いたL-スレオニンの生
産は、次のように行った。培養した菌種 E.coli BKIIM
B-5318をストレプトマイシンを含む Adams寒天培地で生
育させた。次に、細胞懸濁液を液体接種物または発酵培
地に接種した。これらの培地には、炭素源、窒素源およ
び必須鉱物塩、さらにタンパク質基質加水分解産物とし
ての栄養性添加物が含まれている(発酵培地の場合、添
加物の添加は不要である)。接種物は pHを 6.8〜7.2で
安定させ、温度域を 36〜38℃とし、常に通気および撹
拌しながら生育させた。接種物または細胞懸濁液から寒
天を洗い落とし、発酵培地の接種に使用した。
産は、次のように行った。培養した菌種 E.coli BKIIM
B-5318をストレプトマイシンを含む Adams寒天培地で生
育させた。次に、細胞懸濁液を液体接種物または発酵培
地に接種した。これらの培地には、炭素源、窒素源およ
び必須鉱物塩、さらにタンパク質基質加水分解産物とし
ての栄養性添加物が含まれている(発酵培地の場合、添
加物の添加は不要である)。接種物は pHを 6.8〜7.2で
安定させ、温度域を 36〜38℃とし、常に通気および撹
拌しながら生育させた。接種物または細胞懸濁液から寒
天を洗い落とし、発酵培地の接種に使用した。
【0013】pH 6.8〜7.2で安定させ、温度38〜40℃と
し、常に通気および撹拌を行うシステムを備えた発酵槽
内で発酵させる。アンモニア水、あるいは炭素量と窒素
量の調製を行った糖蜜−アンモニア栄養添加物を pHの
安定剤として使用する。発酵時間は、接種菌量と、成長
因子を用いて発酵培地の強化レベルをいかに高めるか、
とに依存し、24時間から60時間の範囲で変化し得る。L-
スレオニン1gを合成するために必要な炭素源の比消費
量は 1.8gである。培養培地中におけるアミノアセトン
の蓄積は確認されなかった。
し、常に通気および撹拌を行うシステムを備えた発酵槽
内で発酵させる。アンモニア水、あるいは炭素量と窒素
量の調製を行った糖蜜−アンモニア栄養添加物を pHの
安定剤として使用する。発酵時間は、接種菌量と、成長
因子を用いて発酵培地の強化レベルをいかに高めるか、
とに依存し、24時間から60時間の範囲で変化し得る。L-
スレオニン1gを合成するために必要な炭素源の比消費
量は 1.8gである。培養培地中におけるアミノアセトン
の蓄積は確認されなかった。
【0014】
【実施例】以下、実施例を挙げて具体的に説明する。
【0015】(実施例1)菌種 E.coli BKIIM B-3996
(プロトタイプ)および E.coli BKIIM B-5318の培養物
をショ糖(0.2%)およびストレプトマイシン(100 μg
/ml)を含む Adams寒天培地で2日間培養し、生理食塩
水に懸濁し、力価 108のこの懸濁液 10mlを接種培地 50
0mlに接種するため使用した。接種培地は以下の組成の
ものを水に溶解して作製した。糖蜜−3%(糖とし
て)、硫酸アンモニウム−0.5%、リン酸水素二カリウ
ム(K2HPO4)−0.2%、硫酸マグネシウム(MgS
O4・7H2O)− 0.04%、硫酸第一鉄(FeSO4・
7H2O)−0.002%、硫酸第一マンガン(MnSO4・
5H2O)−0.002%、酵母自己融解物−0.2%
(プロトタイプ)および E.coli BKIIM B-5318の培養物
をショ糖(0.2%)およびストレプトマイシン(100 μg
/ml)を含む Adams寒天培地で2日間培養し、生理食塩
水に懸濁し、力価 108のこの懸濁液 10mlを接種培地 50
0mlに接種するため使用した。接種培地は以下の組成の
ものを水に溶解して作製した。糖蜜−3%(糖とし
て)、硫酸アンモニウム−0.5%、リン酸水素二カリウ
ム(K2HPO4)−0.2%、硫酸マグネシウム(MgS
O4・7H2O)− 0.04%、硫酸第一鉄(FeSO4・
7H2O)−0.002%、硫酸第一マンガン(MnSO4・
5H2O)−0.002%、酵母自己融解物−0.2%
【0016】温度39℃、通気(0.5l/分)および撹拌(1
200回転/分)を行う実験発酵槽(容量0.7リットル)に
おいて 20時間、接種物を培養する。モル比 2.92:1の
アンモニア水:糖蜜の混合液である糖蜜−アンモニア栄
養添加物を自動的に投入してpHを 6.9から7.2の範囲に
維持した。但し、混合液中の糖蜜の濃度は300g/l(糖)
とした。32時間発酵させた。結果を表1に示す。32時間
後、本発明による BKIIM B-5318株は70.4g/lの L-スレ
オニンを蓄積し、プロトタイプの菌種は46.7g/l L-スレ
オニンを蓄積し、各々の消費係数は 1.7および 2.5であ
った。このように、本発明による菌種はプロトタイプの
菌種に比較して糖蜜を含む発酵培地において L-スレオ
ニンの産出量を増大させる一方で、消費係数はプロトタ
イプよりも低い値となることが示された。
200回転/分)を行う実験発酵槽(容量0.7リットル)に
おいて 20時間、接種物を培養する。モル比 2.92:1の
アンモニア水:糖蜜の混合液である糖蜜−アンモニア栄
養添加物を自動的に投入してpHを 6.9から7.2の範囲に
維持した。但し、混合液中の糖蜜の濃度は300g/l(糖)
とした。32時間発酵させた。結果を表1に示す。32時間
後、本発明による BKIIM B-5318株は70.4g/lの L-スレ
オニンを蓄積し、プロトタイプの菌種は46.7g/l L-スレ
オニンを蓄積し、各々の消費係数は 1.7および 2.5であ
った。このように、本発明による菌種はプロトタイプの
菌種に比較して糖蜜を含む発酵培地において L-スレオ
ニンの産出量を増大させる一方で、消費係数はプロトタ
イプよりも低い値となることが示された。
【0017】
【表1】
【0018】(実施例2)菌種 E.coli BKIIM B-3996
(プロトタイプ)および E.coli BKIIM B-5318の培養物
をショ糖(0.2%)およびストレプトマイシン(100 μg
/ml)を含む M9 寒天培地で1日間培養し、表2の組成
を有する接種培地に懸濁し、力価 108のこの懸濁液 1m
lを接種培地 250mlに接種するため使用した。接種培地
は表2の組成のものを水に溶解して作製した。
(プロトタイプ)および E.coli BKIIM B-5318の培養物
をショ糖(0.2%)およびストレプトマイシン(100 μg
/ml)を含む M9 寒天培地で1日間培養し、表2の組成
を有する接種培地に懸濁し、力価 108のこの懸濁液 1m
lを接種培地 250mlに接種するため使用した。接種培地
は表2の組成のものを水に溶解して作製した。
【0019】
【表2】
【0020】温度39℃、通気(0.25l/分)および撹拌
(はじめ700回転/分、溶存酸素2%以上を維持するよう
にした)を行う実験発酵槽(容量1.0リットル)におい
て 12時間、接種物を培養する。アンモニアガスを自動
的に投入してpHを 6.7から7.1の範囲に維持した。発酵
終了後の接種培地25mlを表3の組成を有する発酵培地25
0mlに添加した。
(はじめ700回転/分、溶存酸素2%以上を維持するよう
にした)を行う実験発酵槽(容量1.0リットル)におい
て 12時間、接種物を培養する。アンモニアガスを自動
的に投入してpHを 6.7から7.1の範囲に維持した。発酵
終了後の接種培地25mlを表3の組成を有する発酵培地25
0mlに添加した。
【0021】
【表3】
【0022】温度39℃、通気(0.25l/分)および撹拌
(はじめ700回転/分、溶存酸素2%以上を維持するよう
にした)を行う実験発酵槽(容量1.0リットル)におい
て 28時間、接種物を培養する。アンモニアガスを自動
的に投入してpHを 6.7から7.1の範囲に維持した。ま
た、600g/l(60%)のショ糖溶液を添加することにより
混合液中のショ糖の濃度を20g/l以下に保つようにし
た。培養の様子を図4に、培養の結果を表4に示す。
(はじめ700回転/分、溶存酸素2%以上を維持するよう
にした)を行う実験発酵槽(容量1.0リットル)におい
て 28時間、接種物を培養する。アンモニアガスを自動
的に投入してpHを 6.7から7.1の範囲に維持した。ま
た、600g/l(60%)のショ糖溶液を添加することにより
混合液中のショ糖の濃度を20g/l以下に保つようにし
た。培養の様子を図4に、培養の結果を表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】B-3996に比べ、B-5318の方が明らかに増殖
速度の点で優れていた。このため、培養時間の短縮、コ
ンタミネーションの防止等のメリットがある。
速度の点で優れていた。このため、培養時間の短縮、コ
ンタミネーションの防止等のメリットがある。
【0025】
【発明の効果】本発明は、ショ糖に比べて非常に安価な
未加工物質である糖蜜を含む培地で多世代にわたり生育
し、スレオニンを多量に産生する新菌種を提供するもの
であり、この新菌種を用いてL-スレオニンを効率よく生
産する方法を提供するものである。
未加工物質である糖蜜を含む培地で多世代にわたり生育
し、スレオニンを多量に産生する新菌種を提供するもの
であり、この新菌種を用いてL-スレオニンを効率よく生
産する方法を提供するものである。
【図1】 プラスミド pPR39の構築図。pPR39は、pPR40
のBglII部位にClaI部位を導入して作製した。
のBglII部位にClaI部位を導入して作製した。
【図2】 プラスミド pPRT610の構築図。pVIC40とpPR3
9をBglIIおよびClaIで消化、連結することにより、ラ
ムダファージのレプレッサーおよびプロモーターの下流
にスレオニンオペロンが位置するようpPRT610を作製し
た。ただしpVIC40においてはClaI部位がthrA遺伝子のc
oding領域内に存在する。
9をBglIIおよびClaIで消化、連結することにより、ラ
ムダファージのレプレッサーおよびプロモーターの下流
にスレオニンオペロンが位置するようpPRT610を作製し
た。ただしpVIC40においてはClaI部位がthrA遺伝子のc
oding領域内に存在する。
【図3】 プラスミド pPRT614の構築図。pPRT610の構
築の際に失われたthrA遺伝子の上流域を、pVIC40 TaqI
−ClaI断片をpPRT610に導入することにより補い、完全
なthrAを有するpPRT614を作製した。
築の際に失われたthrA遺伝子の上流域を、pVIC40 TaqI
−ClaI断片をpPRT610に導入することにより補い、完全
なthrAを有するpPRT614を作製した。
【図4】 B-3996とB-5318の増殖曲線およびスレオニン
の経時的蓄積の様子を示す。○B-5318の増殖曲線、□B-
5318のスレオニンの蓄積、●B-3996の増殖曲線、■B-39
96のスレオニンの蓄積。
の経時的蓄積の様子を示す。○B-5318の増殖曲線、□B-
5318のスレオニンの蓄積、●B-3996の増殖曲線、■B-39
96のスレオニンの蓄積。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 13/08 C12R 1:19) C12R 1:19) C12N 15/00 A (72)発明者 ユリ−・イワノウイツチ・コズロフ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 エフゲニ−・モイセ−エウイツチ・クル ゲス ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 ビタリ−・アルカデイエウイツチ・リウ シツ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 ネリ・イサ−コブナ・ズダノワ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 ミハイル・マルコウイツチ・グシヤチネ ル ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 アレクサンドル・コンスタンチノウイツ チ・ソコロフ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 タチアナ・アレキサンドロフナ・パツチ −ニ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 アンドレイ・ユレウイツチ・チストセル ドフ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 ユリ・ドミトリエウイツチ・チガンコフ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 ニコライ・カジミロウイツチ・ヤンコフ スキ− ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 セルジイ・ウラジミロウイツチ・マシュ コ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 アラ・ルボブナ・ラピダス ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 オクサ−ナ・フエドロビナ・ガブリロバ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 (72)発明者 オレグ・アレクサンドロウイツチ・ロデ イオノフ ロシア共和国 113545 モスクワ 1、 ドロジュニ− プロイエズド 1、 フ セソユ−ズヌイ・ナウチノ−イスレドワ −チェルキ−・インスチツ−ト・ゲネキ チ・イ・セレクツイ−・プロムイシュレ ンヌイフ・ミクロオルガニズモフ内 審査官 内田 俊生 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12P 13/08 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (6)
- 【請求項1】 ラムダファージの温度感受性C1リプレッ
サーをコードするDNA、PRプロモーターおよびCroタン
パク質のN末端部分をコードするDNAの下流に、本来持つ
転写調節領域であるアテニュエーター領域を欠失したス
レオニンオペロンすなわちスレオニン生合成関与遺伝子
が位置し、スレオニン生合成関与遺伝子の発現がラムダ
ファージのリプレッサーおよびプロモーターにより支配
されるように構築された組換えプラスミドDNA - 【請求項2】 プラスミドがRSF1010由来のDNA複製起点
を有し、選択可能な遺伝子マーカーを持つ、請求項1記
載の組換えDNAプラスミド - 【請求項3】 以下の図で示される組換えプラスミドDN
AであるpPRT614 - 【請求項4】 請求項1乃至3記載の組換えプラスミド
DNAを保持するエシェリヒア属細菌に属する微生物 - 【請求項5】 請求項3記載の組換えプラスミドDNAで
ある pPRT614を保持し、かつ宿主が エシェリヒア・コ
リ VNIIGenetika TDH-7である、エシェリヒア・コリ BK
IIM B-5318 - 【請求項6】 請求項4または5記載の微生物を培地中
で培養し、該培養物中にLースレオニンを生産蓄積させ、
該培養物からL-スレオニンを採取することを特徴とする
L-スレオニンの製造法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23964992A JP3239903B2 (ja) | 1991-09-20 | 1992-09-08 | エシェリヒア・コリによる新規l−スレオニン生産菌の創成とそれによるl−スレオニンの生産方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-241850 | 1991-09-20 | ||
JP24185091 | 1991-09-20 | ||
JP23964992A JP3239903B2 (ja) | 1991-09-20 | 1992-09-08 | エシェリヒア・コリによる新規l−スレオニン生産菌の創成とそれによるl−スレオニンの生産方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05227977A JPH05227977A (ja) | 1993-09-07 |
JP3239903B2 true JP3239903B2 (ja) | 2001-12-17 |
Family
ID=26534357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23964992A Expired - Fee Related JP3239903B2 (ja) | 1991-09-20 | 1992-09-08 | エシェリヒア・コリによる新規l−スレオニン生産菌の創成とそれによるl−スレオニンの生産方法 |
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---|---|
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JP2009118740A (ja) | 2006-03-03 | 2009-06-04 | Ajinomoto Co Inc | L−アミノ酸の製造法 |
KR100966324B1 (ko) | 2008-01-08 | 2010-06-28 | 씨제이제일제당 (주) | 향상된 l-쓰레오닌 생산능을 갖는 대장균 및 이를 이용한l-쓰레오닌의 생산 방법 |
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JPWO2011013707A1 (ja) | 2009-07-29 | 2013-01-10 | 味の素株式会社 | L−アミノ酸の製造法 |
-
1992
- 1992-09-08 JP JP23964992A patent/JP3239903B2/ja not_active Expired - Fee Related
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