JP3239861B2 - インバンドリンガー加入者回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インバンドリンガ
ー加入者回路に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
インバンドリンガー加入者回路では、デジタル音声信号
入力端子４に入力されたデジタル音声信号をデジタルの
インバンドリンガー信号と直接加算していた。このた
め、インバドリンガー送出中に音声信号入力端子から固
定パターン、特にハイレベルに相当する固定パターンが
入力されると、後段のＤ／Ａ変換器のダイナミックレン
ジをオーバしてアナログに変換したインバンドリンガー
信号が歪み、この結果、インバンドリンガー端末が誤動
作するという問題点がある。

【０００３】本発明は、上述する問題点に鑑みてなされ
たもので、アナログに変換したインバンドリンガー信号
が歪みを抑えてインバンドリンガー端末の誤動作を防止
することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、第１の手段として、デジタル音声信号
とデジタルのインバンドリンガー信号とを加算した後ア
ナログ信号に変換して各加入者の電話機に接続されたイ
ンバンドリンガー端末に出力するインバンドリンガー加
入者回路であって、デジタル音声信号が入力される音声
信号入力端子と前記デジタル音声信号にデジタルのイン
バンドリンガー信号を加算する加算回路との間に前記デ
ジタル音声信号から直流成分を取り除く直流成分除去手
段を配置するという手段を採用する。

【０００５】また、第２の手段として、直流成分除去手
段手段としてハイパスフィルタを適用するという手段を
採用する。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係わるインバンドリンガー加入者回路の一実施形態につ
いて説明する。

【０００７】まず、図１は、本実施形態を包含する通信
系の全体接続図である。この図において、符号１は交換
機、２はインバンドリンガー加入者回路、３はインバン
ドリンガー端末、４は電話機である。交換機１には加入
者毎に複数のインバンドリンガー加入者回路２が設けら
れており、その入出力端は電話回線を介してインバンド
リンガー端末３に接続されている。また、インバンドリ
ンガー端末３において、その２Ｗ端子は電話回線を介し
て電話機４にそれぞれ接続されている。

【０００８】続いて、図２を参照して、上記インバンド
リンガー加入者回路２の詳細構成について説明する。入
力端子Ａ１には上記インバンドリンガー端末３からアナ
ログ音声信号あるいはインバンドリンガー信号が入力さ
れ、音声入力端子Ａ2には交換機１の本体から通話相手
から発せられた音声に基づくデジタル音声信号が入力さ
れるようになっている。また、出力端子Ｂ1からはイン
バンドリンガー端末３に向けてアナログ音声信号あるい
はインバンドリンガー信号が出力され、音声出力端子Ｂ
2からは交換機１の本体に向けて電話機４から発せられ
た音声に基づくデジタル音声信号が出力されるようにな
っている。

【０００９】上記入力端子Ａ１は、平衡信号を不平衡信
号に変換するインタフェース変換回路５に接続され、該
インタフェース変換回路５の出力端は、信号レベルを可
変できるレベル変換回路６に接続され、該レベル変換回
路６の出力端は、アナログ信号をデジタル信号に変換す
るＡ／Ｄ変換回路７に接続されて、該Ａ／Ｄ変換回路７
の出力端は、電話回線でのロスの周波数特性を補正する
イコライザ回路８に接続され、該イコライザ回路８の出
力端は、入力信号からインバンドリンガー信号を取り除
くノッチフィルタ９と入力信号からインバンドリンガー
信号を検出するインバンドリンガー信号検出回路１０と
に接続され、ノッチフィルタ９の出力端は、上記音声出
力端子Ｂ2に接続され、一方、インバンドリンガー信号
検出回路１０の出力端は制御回路１１に接続されてい
る。

【００１０】上記音声入力端子Ａ2は、デジタル音声信
号から直流分を除くハイパスフィルタ１２（直流成分除
去手段）に接続され、該ハイパスフィルタ１２の出力端
は、加算回路１３の一方の入力端に接続されるようにな
っている。インバンドリンガー信号発信器１４の出力端
は、制御回路１１の信号によってインバンドリンガー信
号のスイッチ回路１５への出力を規制するスイッチ回路
１５の入力端に接続され 該スイッチ回路１５の出力端
は、加算回路１３のもう一方の入力端に接続されてい
る。

【００１１】また、加算回路１３の出力端は、入力デジ
タル信号をアナログ信号に変換するＤ／Ａ変換回路１６
に接続され、該Ｄ／Ａ変換回路１６の出力端は、信号レ
ベルを可変するレベル変換回路１７に接続され、該レベ
ル変換回路１７の出力端は、不平衡信号を平衡信号に変
換するインタフェース変換回路１８を経由して出力端子
Ｂ1に接続されている。

【００１２】次に、上記構成のインバンドリンガー加入
者回路２の動作について詳細に説明する。まず、動作の
概要について説明すると、電話機４が未使用状態の場合
には、インバンドリンガー端末３から２６００Ｈｚの単
一周波数のインバンドリンガー信号がインバンドリンガ
ー加入者回路２の入力端子Ａ1に出力される。また、こ
の場合、上記と同様の２６００Ｈｚのインバンドリンガ
ー信号が出力端子Ｂ1からインバンドリンガー端末３に
出力される。

【００１３】このような状態において、電話機４をオフ
フックすると、電話機４の直流抵抗が低くなりインバン
ドリンガー端末３の２Ｗ端子には電話回線を経由して通
話電流が流れることになる。インバンドリンガー端末３
は、この通話電流を検出すると、インバンドリンガー加
入者回路２へのインバンドリンガー信号の出力を停止す
る。インバンドリンガー加入者回路２は、このインバン
ドリンガー信号の停止をインバンドリンガー信号検出回
路１０によって検出すると、制御回路１１を介して交換
機１の本体（制御装置）に論理信号を送出する。

【００１４】交換機１は、この論理信号によって電話機
４が発呼したと認識し、電話機４からのダイヤル信号を
受け付ける準備ができると、インバンドリンガー信号の
出力停止を指示する制御信号をインバンドリンガー加入
者回路２に出力する。この結果、インバンドリンガー加
入者回路２は、インバンドリンガー端末３への出力端子
Ｂ1からのインバンドリンガー信号の出力を停止する。

【００１５】インバンドリンガー加入者回路２からのイ
ンバンドリンガー信号の入力が停止すると、インバンド
リンガー端末３は、交換機１がダイヤル信号を受け付け
る準備ができたものと認識し、電話機４に向けてダイヤ
ルトーン信号を送出する。電話機４は、このダイヤルト
ーン信号を受信すると、上記通話電流の断続によってイ
ンバンドリンガー端末３にダイヤル信号を送る。インバ
ンドリンガー端末３は、このダイヤル信号をインバンド
リンガー信号の断続によってインバンドリンガー加入者
回路２に送出する。

【００１６】インバンドリンガー加入者回路２は、この
ダイヤル信号を制御回路１１を介して交換機１の本体に
送出する。交換機１は、このダイヤル信号に基づいて電
話機４と接続対象である相手側電話機とを回線接続す
る。

【００１７】そして、電話機４による通話が終了して電
話機４がオンフックすると、インバンドリンガー端末３
の２Ｗ端子に流れていた通話電流が止まるので、インバ
ンドリンガー端末３は、終話を認識してインバンドリン
ガー加入者回路２に対してインバンドリンガー信号を終
話信号として送出して終話の報告をする。交換機１は、
この終話信号をインバンドリンガー加入者回路２経由で
受信すると、電話機４の通話回線を切断し、インバンド
リンガー加入者回路２からインバンドリンガー信号を送
出させてインバンドリンガー端末３にアイドル状態に移
行したことを知らせる。

【００１８】一方、電話端末４に対する発呼を検出した
場合には、交換機１は、制御信号によりインバンドリン
ガー加入者回路２からインバンドリンガー端末３へのイ
ンバンドリンガー信号の出力を停止させる。インバンド
リンガー端末３は、インバンドリンガー信号の停止を検
出することにより電話端末４に対する発呼の発生を認識
し、電話機４に対してリンガー信号を送出する。

【００１９】このリンガー信号に基づいて電話機４がオ
フフックされると、上述のように通話電流がインバンド
リンガー端末３によって検出される。そして、インバン
ドリンガー端末３は、インバンドリンガー加入者回路２
へのインバンドリンガー信号の出力を停止し、電話機４
が応答したことを知らせる。この結果、インバンドリン
ガー加入者回路２は、この電話機４の応答を交換機１に
通知する。

【００２０】交換機１は、この電話機４の応答を確認す
ると、相手電話機が応答したのを検出した後、通話回線
を接続する。そして、その後どちらか一方が通話を終了
すると インバンドリンガー加入者回路２とインバンド
リンガー端末３とは、上述したようにインバンドリンガ
ー信号を相互に送出してアイドル状態に移行する。

【００２１】次に、上記インバンドリンガー加入者回路
２の詳細動作について説明する。上述したように、通常
時ではインバンドリンガー加入者回路２の入力端子Ａ1
にはインバンドリンガー信号が入力される。このインバ
ンドリンガー信号は、インタフェース変換回路５で平衡
／不平衡変換されてレベル変換回路６に取り込まれる。
そして、レベル変換回路６は、電話回線を伝達する間で
ロスされた信号レベルを補正してＡ／Ｄ変換回路７に出
力する。さらにＡ／Ｄ変換回路７は、レベル変換回路６
から入力された信号（アナログ信号）をデジタル信号に
変換してイコライザ回路８に出力する。

【００２２】イコライザ回路１３は、電話回線における
伝送ロスによって変化した周波数特性を補正し、ノッチ
フィルタ９とインバンドリンガー信号検出回路１０に出
力する。インバンドリンガー信号検出回路１０は、入力
信号から上記２６００Ｈｚのインバンドリンガー信号を
検出して制御回路１１を介して交換機１の本体に送出す
る。一方、入力端子Ａ1に入力される信号には、電話機
４の通話による音声信号が含まれるので、イコライザ回
路１３の出力信号にも音声信号が含まれることになる。
ノッチフィルタ９は、イコライザ回路１３の出力信号か
らインバンドリンガー信号を削除し音声信号だけを取り
出して出力端子Ｂ2に出力する。

【００２３】一方、交換機１からインバンドリンガー端
末３へのインバンドリンガー信号の送出停止が指示され
ない状態では、制御回路１１は、スイッチ回路２１をオ
ン状態に維持する。したがって、インバンドリンガー信
号発振機１４で生成されたデジタルのインバンドリンガ
ー信号は、スイッチ回路１５を介して加算回路１３に供
給される。

【００２４】また、音声信号入力端子Ａ2に入力された
交換機１からのデジタル音声信号は、ハイパスフィルタ
回路１２によって直流分が除去され、音声信号成分のみ
が加算回路１９に入力される。したがって、加算回路１
９では、スイッチ回路２１から入力されたデジタルのイ
ンバンドリンガー信号とデジタル音声信号とが加算され
る。このデジタル加算信号は、Ｄ／Ａ変換回路１６でア
ナログ信号に変換され、レベル変換回路１７によって最
適レベルに調整された後、インタフェース変換回路１８
において不平衡／平衡変換されて、出力端子Ｂ1を介し
てインバンドリンガー端末３に出力される。

【００２５】ここで、電話をするために加入者が電話機
４をオフフックした場合は、インバンドリンガー端末３
はインバンドリンガー加入者回路２へのインバンドリン
ガー信号の送出を停止する。この結果、インバンドリン
ガー信号検出回路１０はインバンドリンガー信号を検出
しなくなるので、制御回路１１は論理信号を交換機１の
本体に出力する。この結果、交換機１は、インバンドリ
ンガー端末３から発呼が有ったことを認識する。

【００２６】また、電話機４に対する発呼があると、交
換機１は、制御回路１１にインバンドリンガー信号の送
信停止を指示する。この結果、制御回路１１は、スイッ
チ回路１５をオフ状態としてインバンドリンガー信号発
生器１４によって生成されたインバンドリンガー信号が
加算回路１３に入力されないようにし、インバンドリン
ガー信号のインバンドリンガー端末３への送出を停止さ
せる。

【００２７】本実施形態では、デジタルの音声信号とイ
ンバンドリンガー信号を加算してインバンドリンガー端
末３に送出するインバンドリンガー信号加入者回路２に
おいて、ハイパスフィルタ１２によってデジタル音声信
号から直流成分を削除して音声成分のみをインバンドリ
ンガー信号と加算してＤ／Ａ変換するので、インバンド
リンガー信号の送出中に高い信号レベルの固定パターン
が信号入力端子Ａ2に入力されても、インバンドリンガ
ー信号がＤ／Ａ変換回路１６のダイナミックレンジをオ
ーバすることを抑えることができる。したがって、Ｄ／
Ａ変換回路１６でアナログ信号に逆変換されたインバン
ドリンガー信号の歪を防止して、インバンドリンガー端
末３の誤動作を防止することができる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるイ
ンバンドリンガー加入者回路によれば、直流成分除去手
段を配置することによってインバンドリンガー信号がＤ
／Ａ変換回路のダイナミックレンジをオーバすることを
抑えることができるので、Ｄ／Ａ変換回路でアナログ信
号に変換されたインバンドリンガー信号の歪を防止し
て、インバンドリンガー端末の誤動作を防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態を包含する通信系の全体
接続図である。

【図２】 本発明の一実施形態の機能構成を示すブロッ
ク図である。

【符号の説明】

１……交換機 ２……インバンドリンガー加入者回路 ３……インバンドリンガー端末 ４……電話機 ５，１８……インターフェース変換回路 ６，１７……レベル変換回路 ７……Ａ／Ｄ変換回路 ８……イコライザ回路 ９……ノッチフィルタ １０……インバンドリンガー信号検出回路 １１……制御回路 １２……ハイパスフィルタ（直流成分除去手段） １３……加算回路 １４……インバンドリンガー信号発信器 １５……スイッチ回路 １６……Ｄ／Ａ変換回路

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 デジタル音声信号とデジタルのインバン
   ドリンガー信号とを加算した後アナログ信号に変換して
   各加入者の電話機（４）に接続されたインバンドリンガ
   ー端末（３）に出力するインバンドリンガー加入者回路
   （２）であって、 デジタル音声信号が入力される音声信号入力端子（Ａ
   2）と前記デジタル音声信号にデジタルのインバンドリ
   ンガー信号を加算する加算回路（１３）との間に前記デ
   ジタル音声信号から直流成分を取り除く直流成分除去手
   段（１２）を配置することを特徴とするインバンドリン
   ガー加入者回路。
2. 【請求項２】 直流成分除去手段は、ハイパスフィルタ
   回路であることを特徴とする請求項１記載のインバンド
   リンガー加入者回路。