JP3239825B2 - 高周波ノイズ抑制部品 - Google Patents

高周波ノイズ抑制部品

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JP3239825B2
JP3239825B2 JP31830897A JP31830897A JP3239825B2 JP 3239825 B2 JP3239825 B2 JP 3239825B2 JP 31830897 A JP31830897 A JP 31830897A JP 31830897 A JP31830897 A JP 31830897A JP 3239825 B2 JP3239825 B2 JP 3239825B2
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幸夫 坂本
公一 山口
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諭 村田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波ノイズ抑制
部品、特に、ケーブルから放射される高周波ノイズを抑
制するための高周波ノイズ抑制部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ケーブルから放射される高周
波ノイズを抑制するため、図9に示すように、磁器フェ
ライト等からなる二つの分割コア片81a,81bを、
二つに分割できる円筒状ケース82に収納した後、この
二つの分割コア片81a,81bにてケーブル83を挟
み込み、ケース82に設けたケース留め82a,82b
を利用して分割コア片81a,81bにて構成されたリ
ング状磁性体コア81をケーブル83の外周部に固定す
る方法が知られている。
【0003】また、図10に示すように、リング状磁性
体コア91にケーブル83を挿通した後、樹脂材93に
てリング状磁性体コア91をモールドしてケーブル83
に固定する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示すケース82は、磁性体コア81をケーブル83に取
り付ける際に展開する必要があり、広い取り付け作業ス
ペースを確保しなければならなかった。さらに、ケース
82に設けたケース留め82a,82bを利用して磁性
体コア81をケーブル83に取り付けるため、取り付け
作業が複雑で自動化が困難であった。
【0005】また、図10に示すように、樹脂材93に
磁性体コア91をモールドしてケーブル83に固定する
方法は、ケーブル83が既にプリント基板等に配設され
ている場合、磁性体コア91を後付けすることができ
ず、作業性が悪いという問題があった。
【0006】そこで、本発明の目的は、ケーブルにリン
グ状磁性体コアを後付けでき、かつ、リング状磁性体コ
アをケーブルに容易に取り付けることができる高周波ノ
イズ抑制部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用】以上の目的を達成
するため、本発明に係る高周波ノイズ抑制部品は、 (a)リング状磁性体コアと、 (b)前記リング状磁性体コアを収容するための凹形状
のコア収容部と、前記リング状磁性体コアの外径より若
干小さい隙間寸法を有しかつ弾性を有した、前記コア収
容部に前記リング状磁性体コアを挿入するための前記コ
ア収容部の開口部とを設けたコアホルダとを備え、 (c)前記コアホルダが前記リング状磁性体コアの表面
に対して略垂直方向に磁化された硬質磁性体からなるこ
と、 を特徴とする。ここに、リング状磁性体コアは、複
数の分割コア片を組み合わせてリング形状とするものも
含む。
【0008】以上の構成により、リング状磁性体コアを
コア収容部の開口部に押し込むと、開口部が有する弾性
により開口部が一旦押し拡げられる。そして、リング状
磁性体コアがコア収容部に収容されると、開口部の隙間
が狭まって元の状態に戻り、リング状磁性体コアがコア
収容部から離脱しにくい状態となる。このように、コア
収容部の開口部からリング状磁性体コアをコア収容部内
に挿入するだけで、リング状磁性体コアはコアホルダに
容易に保持される。
【0009】さらに、本発明に係る高周波ノイズ抑制部
は、リング状磁性体コアに挿通されたケーブルの外径
より若干小さい内径を有しかつ弾性を有したケーブル用
穴と、このケーブル用穴に接してコア収容部の開口部側
の方向と略同一方向に延在した切欠けとを備えた爪部を
前記コア収容部に隣設したことを特徴とする。これによ
り、切欠けからケーブルをケーブル用穴に挿入するだけ
で、ケーブルの外周面をケーブル用穴の内壁面が弾性的
に圧接し、コアホルダはケーブルに容易に固定される。
【0010】さらに、本発明に係る高周波ノイズ抑制部
は、コア収容部の開口部を塞ぐための蓋材を更に備え
ている。蓋材は、リング状磁性体コアを外部からの機械
的衝撃による破損から護り、外界の湿気や侵食性ガスか
ら保護し、リング状磁性体コアの絶縁信頼性を向上させ
る。
【0011】また、コアホルダは、リング状磁性体コア
の表面に対して略垂直方向に磁化された硬質磁性体から
なる。これにより、リング状磁性体コア内で、ケーブル
を流れる高周波ノイズ電流による磁界に対してコアホル
ダの磁界が垂直に加えられる。このため、リング状磁性
体コアにフェリ磁性共鳴が起こり、リング状磁性体コア
の複素透磁率の虚数部分(μ”)のピークが、自然共鳴
の場合と比較して、高周波側にシフトし、GHz帯にお
いても、大きな挿入損失が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高周波ノイズ
抑制部品の実施形態について添付図面を参照して説明す
る。
【0013】[第1実施形態、図1〜図5] 図1に示すように、コアホルダ21は、凹形状のコア収
容部2及びこのコア収容部2の両側に設けた爪部3,4
を有した本体1と、コア収容部2の開口部2aを塞ぐた
めの蓋材11とを備えている。本体1及び蓋材11は弾
性を有する絶縁性樹脂材やゴム材からなり、例えば、エ
ポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリフェニレンサルファイ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、合成ゴム等
が使用される。
【0014】本体1のコア収容部2は、後述のリング状
磁性体コア31の外周面の形状と相似形の内壁面を有す
るのが好ましい。これにより、コア収容部2の内壁面と
リング状磁性体コア31の外周面との隙間を小さくで
き、コア収容部2にリング状磁性体コア31が安定性良
く収容されるようになるからである。望ましくは、リン
グ状磁性体コア31の外周面が、コア収容部2の内壁面
に圧接される大きさとされる。従って、本体1のコア収
容部2の内壁面は、横断面が円形であるリング状磁性体
コア31に合わせて横断面円形とされ(図3参照)、か
つ、コア収容部2の内径寸法はリング状磁性体コア31
の外径寸法より若干小さい数値に設定されている。
【0015】コア収容部2の開口部2aの隙間寸法D1
(図3参照)は、コア収容部2の内径寸法より更に若干
小さく設定され、コア収容部2に収容されたリング状磁
性体コア31がコアホルダ21から外れにくい構造とな
っている。さらに、開口部2aは、リング状磁性体コア
31をコア収容部2に挿入し易いように、奥に進むにつ
れて狭くなっている。
【0016】ただし,第1実施形態のコアホルダ21の
場合、コア収容部2の開口部2aの隙間寸法D1がリン
グ状磁性体コア31の外径寸法より若干小さい数値に設
定されていれば、必ずしもコア収容部2の内径寸法はリ
ング状磁性体コア31の外径寸法より小さくする必要は
なく、コア収容部2の内径寸法はリング状磁性体コア3
1の外径寸法より大きくてもよい。なぜなら、コア収容
部2の両側に爪部3,4を設けているので、リング状磁
性体コア31がコア収容部2に一旦収容されると、コア
収容部2の内壁面がリング状磁性体コア31の外周面に
圧接してリング状磁性体コア31を固定しなくても、リ
ング状磁性体コア31はコアホルダ21から外れにくい
からである。
【0017】本体1の爪部3,4は、それぞれ中央部に
ケーブル用穴3a,4aを設け、さらに、このケーブル
用穴3a,4aに接して、コア収容部2の開口部2aが
配設された側の方向と同一方向に延在した切欠け3b,
4bを設けている。ケーブル用穴3a,4aは、その内
壁面の形状と後述のケーブル32の外周面の形状とが相
似形になるように設定するのが好ましい。これにより、
ケーブル用穴3a,4aの内壁面とケーブル32の外周
面との隙間を小さくでき、ケーブル用穴3a,4aの内
壁面がケーブル32の外周面に安定性良く圧接するよう
になるからである。従って、ケーブル用穴3a,4a
は、横断面が円形であるケーブル32に合わせて円形と
され、かつ、ケーブル用穴3a,4aの内径寸法はケー
ブル32の外径寸法より若干小さい数値に設定されてい
る。
【0018】また、切欠け3b,4bの隙間寸法D2
(図3参照)はケーブル用穴3a,4aの内径寸法より
更に小さく、ケーブル用穴3a,4aに挿入されたケー
ブル32がケーブル用穴3a,4aから外れにくい構造
となっている。そして、切欠け3b,4bは、ケーブル
32をケーブル用穴3a,4aに挿入し易いように、ケ
ーブル用穴3a,4aに近づくにつれて狭まっている。
コア収容部2と爪部3,4との間には、それぞれ蓋材1
1を嵌合するためのスリット9,10が形成されてい
る。
【0019】蓋材11は、平板状の胴部12と、胴部1
2の両端部に設けた爪部13,14と、胴部12の内側
に設けた凸部15とを有している。爪部13,14は、
それぞれ中央部にケーブル用穴13a,14aを設け、
さらに、このケーブル用穴13a,14aに接して、切
欠け13b,14bを設けている。ケーブル用穴13
a,14aは、本体1のケーブル用穴3a,4aの形状
を決定した理由と同様の理由により円形とされ、その内
径寸法はケーブル32の外径寸法より若干小さい数値に
設定されている。また、切欠け13b,14bの形状
は、ケーブル32に対して、本体1の爪部3,4に設け
られた切欠け13b,14bの形状と略対称である。凸
部15は、本体1のコア収容部2の開口部2aの形状に
合わせるべく、横断面が略台形とされ、その上面はリン
グ状磁性体コア31の外周面との隙間を小さくするため
凹面とされている(図5参照)。
【0020】次に、以上の構成からなるコアホルダ21
の作用効果を、このコアホルダ21を使用してリング状
磁性体コア31をケーブル32に装着する手順と共に説
明する。リング状磁性体コア31の材料としては、Ni
−Zn系、Mn−Zn系、あるいはMg−Zn系のフェ
ライト等が使用される。ケーブル32は導線とこの導線
を被覆している被覆材とからなる。導線としては、例え
ば銅線や半田引き銅線等が使用される。被覆材の材料と
しては、例えば塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂等が使用
される。第1実施形態の場合、リング状磁性体コア31
の内径、すなわち穴31aの径は、ケーブル32の外径
より大きい寸法に設定されている。
【0021】ケーブル32をリング状磁性体コア31の
穴31aに挿通した後、図2及び図3に示すように、リ
ング状磁性体コア31を本体1のコア収容部2の開口部
2aからコア収容部2に挿入する。すなわち、リング状
磁性体コア31を開口部2aに押し込むと、開口部2a
自身が有する弾性により開口部2aが一旦押し拡げられ
る。そして、リング状磁性体コア31がコア収容部2に
収容されると、開口部2aの隙間が狭まって元の状態に
戻り、リング状磁性体コア31がコア収容部2から離脱
しにくい状態となる。コア収容部2の内径寸法をリング
状磁性体コア31の外形寸法より若干小さくしておく
と、コア収容部2の弾性力にてリング状磁性体コア31
の外周面はコア収容部2の内壁面に弾性的に圧接され、
リング状磁性体コア31はコア収容部2に安定性良く固
定される。
【0022】さらに、リング状磁性体コア31のコア収
容部2への収容と略同時に、リング状磁性体コア31の
両端部近傍のケーブル32を、それぞれ爪部3,4の切
欠け3b,4bからケーブル用穴3a,4aに挿入す
る。すなわち、ケーブル32を切欠け3b,4bに押し
込むと、爪部3,4が有する弾性によって切欠け3b,
4bが一旦押し拡げられる。そして、ケーブル32がケ
ーブル用穴3a,4aに挿入されると、切欠け3b,4
bの隙間が狭まって元の状態に戻り、ケーブル32がケ
ーブル用穴3a,4aから離脱しにくい状態となる。
【0023】ケーブル用穴3a,4aの内径寸法はケー
ブル32の外径寸法より若干小さいので、ケーブル用穴
3a,4aの弾性又はケーブル32の被覆材の弾性を利
用することによってケーブル32の外周面はケーブル用
穴3a,4aの内壁面に弾性的に圧接され、コアホルダ
21はリング状磁性体コア31と共にケーブル32に堅
固に固定される。
【0024】次に、図4及び図5に示すように、本体1
のコア収容部2の開口部2aを蓋材11にて塞ぐ。すな
わち、蓋材11の爪部13,14をそれぞれ本体1に設
けたスリット9,10に嵌合すると共に、リング状磁性
体コア31の両端部と本体1の爪部3,4のケーブル用
穴3a,4aの間に位置しているケーブル32部分を、
それぞれ蓋材11の爪部13,14の切欠け13b,1
4bからケーブル用穴13a,14aに挿入する。ケー
ブル32を切欠け13b,14bに押し込むと、蓋材1
1が有する弾性により切欠け13b,14bが一旦押し
拡げられる。そして、ケーブル32がケーブル用穴13
a,14aに挿入されると、切欠け13b,14bの隙
間が狭まって元の状態に戻り、ケーブル32がケーブル
用穴13b,14bから離脱しにくい状態となる。
【0025】ケーブル用穴13a,14aの内径寸法は
ケーブル32の外径寸法より若干小さいので、ケーブル
32の外周面はケーブル用穴13a,14aの内壁面に
弾性的に圧接され、蓋材11はケーブル32に堅固に固
定される。コア収容部2の開口部2aには蓋材11の凸
部15が嵌め込まれ、凸部15の上面はリング状磁性体
コア31の外周面に近接あるいは当接することになる。
こうして、蓋材11は、リング状磁性体コア31を外部
からの機械的衝撃による破損から護り、外界の湿気や侵
食性ガスから保護し、リング状磁性体コア31の絶縁信
頼性を向上させることができる。
【0026】以上のように、コアホルダ21は、リング
状磁性体コア31を開口部2aからコア収容部2内に挿
入するだけで、リング状磁性体コア31を固定すること
ができる。また、コアホルダ21は、ケーブル32を切
欠け3b,4b,13b,14bからケーブル用穴3
a,4a,13a,14aに挿入するだけで、ケーブル
32の外周面に堅固に固定される。さらに、コアホルダ
21は展開する必要がないため、リング状磁性体コア3
1をケーブル32に固定する際に、図9に示した従来の
分割タイプのケース82より取付け作業スペースが狭く
てもよい。また、一体型のリング状磁性体コア31の替
わりに、例えば二つの分割コア片にて構成されるリング
状磁性体コアを使用すれば、リング状磁性体コアをケー
ブル32に後付けすることもできる。
【0027】[第2実施形態、図6] 図6に示すように、コアホルダ41は、横断面が略C字
形状のコア収容部42を有したものである。コア収容部
42の内壁面の形状は、リング状磁性体コア51の外周
面の形状と相似形なるように設定されている。すなわ
ち、コア収容部42の内壁面の横断面形状は、リング状
磁性体コア51の横断面の形状が円形であるのに合わせ
て円形とされ、しかも、コア収容部42の内径寸法は、
リング状磁性体コア51の外径寸法より若干小さい数値
に設定されている。コア収容部42の開口部42aの隙
間寸法はコア収容部42の内径寸法より更に若干小さ
く、コア収容部42に収容されたリング状磁性体コア5
1がコアホルダ41から外れにくい構造となっている。
【0028】以上の構成からなるコアホルダ41の作用
効果を、このコアホルダ41を使用してリング状磁性体
コア51をケーブル53に装着する手順と共に説明す
る。リング状磁性体コア51は、二つの分割コア片51
a,51bにて構成されている。リング状磁性体コア5
1の内径、すなわち穴51cの径は、ケーブル53の外
径より若干小さい寸法に設定されている。ただし、リン
グ状磁性体コア51をケーブル53に固定して位置決め
する必要がない場合には、穴51cの径はケーブル53
の外径より大きい寸法に設定してもよい。
【0029】ケーブル32を穴51cに挿通した状態の
リング状磁性体コア51を、コア収容部42の開口部4
2aからコア収容部42に挿入する。すなわち、リング
状磁性体コア51を開口部42aに押し込むと、コアホ
ルダ41が有する弾性により開口部42aが一旦押し拡
げられる。そして、リング状磁性体コア51がコア収容
部42に収容されると、開口部42aの隙間が狭まって
元の状態に戻り、リング状磁性体コア51がコアホルダ
41から外れにくい状態となる。コア収容部42の内径
寸法はリング状磁性体コア51の外形寸法より若干小さ
いので、リング状磁性体コア51の外周面はコア収容部
42の内壁面に弾性的に圧接され、リング状磁性体コア
51はコア収容部42に安定性良く保持される。
【0030】同時に、リング状磁性体コア51の穴51
cの径はケーブル53の外形寸法より若干小さいので、
ケーブル53の被覆材が有する弾性を利用して、ケーブ
ル53の外周面は穴51cの内壁面に弾性的に圧接さ
れ、リング状磁性体コア51はケーブルに堅固に固定さ
れ、位置決めされる。
【0031】このように、第2実施形態のコアホルダ4
1は、簡単な構造であるにもかかわらず、前記第1実施
形態のコアホルダ21と略同様の作用効果を奏する。
【0032】[他の実施形態] なお、本発明に係る高周波ノイズ抑制部品は前記実施形
態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に
変更することができる。
【0033】図7及び図8に示すように、前記第1及び
第2実施形態のコアホルダ21,41の材料として、樹
脂やゴムに硬質フェライト磁粉を添加して混練した硬質
磁性体材料を用い、この硬質磁性体材料を磁化したコア
ホルダ21’,41’であってもよい。「硬質」とは保
磁力が大きいという意味である。例えば、図7に示した
硬質磁性体材料からなるコアホルダ21’の本体1及び
蓋材11は、それぞれケーブル32の軸を中心にして略
半径方向に磁化された領域60a,60b、61a,6
1bを有している。ただし、ケーブル32の軸方向に対
して垂直な面を有する爪部3,4,13,14は磁化し
ない。隣接する領域60aと60b、61a,61b
は、その磁化方向が交互に逆方向になるように配置され
ている。ケーブル32を挿通したリング状磁性体コア3
1をコアホルダ21’内に収容した状態では、領域60
a,60b、61a,61bの磁化方向はリング状磁性
体コア31の外周面に対して略垂直になっている。
【0034】以上の構成において、ケーブル32に高周
波ノイズ電流が流れると、ケーブル32の周囲にケーブ
ル32の軸方向に対して垂直な面内を周回する磁界が発
生する。一方、コアホルダ21’は、領域60a〜61
bの磁化方向がリング状磁性体コア31の外周表面に対
して垂直であるため、コアホルダ21’の磁界は、リン
グ状磁性体コア31内においてケーブル32の軸方向に
対して平行な面内を周回する。従って、コアホルダ2
1’の磁界は、リング状磁性体コア31内において高周
波ノイズ電流による磁界と直交する。これにより、リン
グ状磁性体コア31にフェリ磁性共鳴が起こり、リング
状磁性体コア31の複素透磁率の虚数部分(μ”)のピ
ークが高周波側にシフトし、GHz帯等においても挿入
損失を大きくできる。この結果GHz帯等の高周波帯の
EMI対策効果を改善することができる。
【0035】さらに、リング状磁性体コア31の周囲が
硬質磁性体材料からなるコアホルダ21’にて覆われる
ため、ケーブル32に高周波ノイズ電流が流れる際に発
生する磁界がリング状磁性体コア31内だけでなく、コ
アホルダ21’内をも周回することができ、高インピー
ダンス化を図ることもできる。
【0036】また、前記実施形態では、横断面円形のリ
ング状磁性体コアを例にして、横断面円形の内壁面を有
するコア収容部について説明したが、コア収容部の内壁
面は横断面円形である必要はなく、例えばフラットケー
ブルやフレキシブルケーブル用の横断面矩形のリング状
磁性体コアの場合には、それに対応した横断面矩形の内
壁面を有したコア収容部とされる。なお、リング状磁性
体コアの横断面とコア収容部の内壁面の横断面とは、必
ずしも同形状しなければならないことはない。
【0037】さらに、前記第1実施形態のコアホルダ2
1は、コア収容部2の左右両側に爪部3,4を設けてい
るが、いずれか一方の爪部を省略してもよい。さらに、
コアホルダ21の仕様によっては、蓋材11を省略する
こともできる。
【0038】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、リング状磁性体コアの外径より若干小さい隙間
寸法を有しかつ弾性を有したコア収容部の開口部を備え
ているので、リング状磁性体コアをコア収容部の開口部
に押し込むと、開口部が有する弾性により開口部が一旦
押し拡げられる。そして、リング状磁性体コアがコア収
容部に収容されると、開口部の隙間が狭まって元の状態
に戻り、リング状磁性体コアがコア収容部から離脱しに
くい状態となる。このように、コア収容部の開口部から
リング状磁性体コアをコア収容部内に挿入するだけで、
コアホルダはリング状磁性体コアを容易に保持すること
ができる。この結果、ケーブルにリング状磁性体コアを
後付けでき、かつ、リング状磁性体コアをケーブルに容
易に取り付けることができる高周波ノイズ抑制部品を得
ることができる。
【0039】また、リング状磁性体コアに挿通されたケ
ーブルの外径より若干小さい内径を有しかつ弾性を有し
たケーブル用穴とこのケーブル用穴に接してコア収容部
の開口部側の方向と略同一方向に延在した切欠けとを備
えた爪部をコア収容部に隣設したので、切欠けからケー
ブルをケーブル用穴に挿入するだけで、ケーブルの外周
面をケーブル用穴の内壁面が弾性的に圧接し、コアホル
ダはケーブルに容易に固定される。
【0040】さらに、コア収容部の開口部を塞ぐための
蓋材をさらに備えることにより、リング状磁性体コアを
外部からの機械的衝撃による破損から護り、外界の湿気
や侵食性ガスから保護し、リング状磁性体コアの絶縁信
頼性を向上させることができる。
【0041】また、コアホルダの材料として、リング状
磁性体コアの表面に対して略垂直方向に磁化された硬質
磁性体材料を採用することにより、リング状磁性体コア
内で、ケーブルを流れる高周波ノイズ電流による磁界に
対して磁化された硬質磁性体からなるコアホルダの磁界
が垂直に加えられる。このため、リング状磁性体コアに
フェリ磁性共鳴が起こり、リング状磁性体コアの複素透
磁率の虚数部分(μ”)のピークが、自然共鳴の場合と
比較して、高周波側にシフトし、GHz帯においても、
大きな挿入損失が得られる。この結果、GHz帯等の高
周波帯のEMI対策効果を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波ノイズ抑制部品の第1実施
形態を示す斜視図。
【図2】図1に示したコアホルダにリング状磁性体コア
を挿入した状態を示す斜視図。
【図3】図2のIII−III断面図。
【図4】図2に示したコアホルダに蓋材を装着した状態
を示す斜視図。
【図5】図4のV−V断面図。
【図6】本発明に係る高周波ノイズ抑制部品の第2実施
形態を示す斜視図。
【図7】他の実施形態を示す一部切欠け斜視図。
【図8】別の他の実施形態を示す斜視図。
【図9】従来例を示す斜視図。
【図10】別の従来例を示す斜視図。
【符号の説明】
1…本体 2…コア収容部 2a…開口部 3,4…爪部 3a,4a…ケーブル用穴 3b,4b…切欠け 11…蓋材 21,21’,41,41’…コアホルダ31,51…リング状磁性体コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 諭 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−156712(JP,A) 特開 昭61−157612(JP,A) 実開 昭63−39997(JP,U) 実開 平6−60117(JP,U) 実開 平5−82015(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/06,27/29 H05K 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング状磁性体コアと、 前記 リング状磁性体コアを収容するための凹形状のコア
    収容部と、前記リング状磁性体コアの外径より若干小さ
    い隙間寸法を有しかつ弾性を有した、前記コア収容部に
    前記リング状磁性体コアを挿入するための前記コア収容
    部の開口部とを設けたコアホルダとを備え、 前記コアホルダが前記リング状磁性体コアの表面に対し
    て略垂直方向に磁化された硬質磁性体からなること、 を特徴とする高周波ノイズ抑制部品
  2. 【請求項2】 前記リング状磁性体コアに挿通されたケ
    ーブルの外径より若干小さい内径を有しかつ弾性を有し
    たケーブル用穴と、このケーブル用穴に接して前記コア
    収容部の開口部側の方向と略同一方向に延在した切欠け
    とを備えた爪部を前記コア収容部に隣設したことを特徴
    とする請求項1記載の高周波ノイズ抑制部品
  3. 【請求項3】 前記コア収容部の開口部を塞ぐための蓋
    材をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の高周波ノイズ抑制部品
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