JP3239321B2 - ユニット建物の施工方法 - Google Patents

ユニット建物の施工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ユニット建物の施工方
法に係り、特に、二つの建物ユニットの間にまたがって
階段が設置されるユニット建物に好適なユニット建物の
施工方法に関する。
【0002】
【背景技術】近年、住宅建設に多用されるようになって
きたユニット工法は、住宅を構成する多様な部品を組み
付けた建物ユニットを予め工場生産し、建設現場にて、
これらの建物ユニットを基礎上の所定位置に配列積層す
ることにより住宅を建設する。かかるユニット工法に
は、建設現場での作業を簡略化し、工期の短縮につなが
る利点がある。
【0003】図5、図6は、建物ユニット内に階段が取
付けられた従来の建物ユニットの概略を示す立面図であ
る。
【0004】図5に示すように、ユニット建物に、階段
を設ける場合は、建物ユニット(以下「ユニット」と略
す。)10内部に階段12を組み込んだユニット10を
予め工場にて生産し、このユニット10を建設現場の基
礎上に配列し、隣接する他のユニットと連結することに
より、住宅内部に階段を設置していく。または、図6に
示すように、折り返し階段16が設置されたユニット1
4を予め工場生産し、図の場合と同様に、建設現場に
て、基礎上に配列して、他のユニットと連結することに
より、階段が設置される。
【0005】ところが、1台の建物ユニットだけに階段
を取付けるのは、隣接する建物ユニットとの関係上、部
屋の間取りや、上下階における踊り場の広さが制限され
ることとなり、設計の自由度が著しく損なわれる問題が
あった。このため、隣接する二つの建物ユニット内にま
たがった形で、階段を設置したい場合がある。
【0006】このような場合、従来では、建設現場にお
いて、既に配列されている階段のない二つの建物ユニッ
ト内に階段を現場施工することによって対処していた。
例えば、工場で生産された階段を、建設現場に輸送し、
現場にて、二つのユニット内にまたがるように施工して
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のよう
に、現場において階段の据え付け作業を行うのは、建設
現場での作業量が増大し、作業の簡略化と工期の短縮と
いうユニット工法の目的に反するものである。また、建
設現場での階段の据え付け作業は、階段自体が重いため
に困難であり、工期遅延の原因となる。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、二つの建物ユニットにまたがった状態で階段
を設置する場合に、建設現場での作業量を低減すること
のできる建物ユニットの施工方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、予め
工場で生産される複数の建物ユニットを建設現場で組み
合わせて建てるユニット建物の施工方法において、前記
複数の建物ユニットのうち、互いに隣接して配列される
第1の建物ユニット内部に予め工場で、前記第1の建物
ユニットの一部に、平面視でその第1の建物ユニットの
幅寸法より幅寸法が狭く形成された下部階段を設置し、
この下部階段の下端は前記第1の建物ユニットの下梁間
における長さ方向途中に架けわたされた根太に支持され
るとともに、第2の建物ユニット内部に予め工場で、前
記第2の建物ユニットの一部に、平面視でその第2の建
物ユニットの幅寸法より幅寸法が狭く形成されかつ前記
下部階段と連続する上部階段を設置し、この上部階段の
上端は前記第2の建物ユニットの上梁間における長さ方
向途中に架けわたされた小梁に支持され、建設現場に
て、前記第1及び第2の建物ユニットを隣接させて設け
た後、前記下部階段の上端部と上部階段の下端部とを連
結することを特徴とするユニット建物の施工方法とし
た。
【0010】
【作用】本発明では、先ず、工場において、内部に階段
の下方部分を設置した第1の建物ユニットと、内部に階
段の上方部分を設置した第2の建物ユニットとを生産す
る。そして、これらの第1及び第2の建物ユニットを建
設現場へ輸送し、建設現場にて、前記第1及び第2の建
物ユニットを隣接して配列した後、前記階段の下方部分
と上方部分とを連結する。
【0011】
【実施例】以下、添付図面に従って、本発明に係るユニ
ット建物の施工方法の実施例を詳説する。図1及び図2
は、本実施例のユニット建物の施工方法に使用される建
物ユニットの概略を示した斜視図、図3は、本実施例に
おける下部階段と上部階段との連結構造の概略を示した
概略断面図、図4は、他の実施例における下部階段と上
部階段との連結構造の概略を示した概略断面図である。
【0012】図1及び図2に示すように、ユニット1
8、20は、主に、4本の柱22、22…と、この4本
の柱の上端間及び下端間を連結する上梁24、24…、
下梁26、26…等から構成されている。ユニット18
には、階段の下方部分である下部階段28が設置されて
いる。下部階段28の上端は、柱22、22との間に水
平方向に架設されたCチャンネル材の下部階段支持梁3
4に支持されている。また、下部階段28の下端は、図
示しない床材を介して下梁26、26間に架設された根
太35によって支持される。
【0013】一方、ユニット20には、階段の上方部分
である上部階段30が前記下部階段28と同様に設置さ
れ、その下端が、Cチャンネル材の上部階段支持梁36
に、上端が小梁37にそれぞれ支持されている。上部階
段30と下部階段28は、ユニット18、20を隣接し
た状態で連結することにより、一体化され、ユニット1
8、20間にまたがる階段となる。なお、ユニット1
8、20のそれぞれにおいて、4本の上梁24のうち、
下部階段28および上部階段30の上方の上梁24Aは
仮梁となっている。
【0014】下部階段28、上部階段30は、図1及び
図2に示すように、それぞれ側板28A、30A、踏み
板28B、30B、蹴込板28C、30C等を組み合わ
せることにより、構成されている。但し、下部階段28
の最上部の踏み板28Bは、側板28A及び蹴込板28
Cに対して取外し自在に取付けられている。
【0015】図3に示すように、下部階段支持梁34に
は、下部階段28と上部階段30とを連結するための連
結孔38が穿設されている。また、上部階段支持梁36
には、ユニット18、20連結時における連結孔38と
対応する位置にボルト40が埋めこまれており、ボルト
40は、ユニット18の方向に向かって突出している。
従って、ユニット18、20を隣接して配置することに
より、ボルト40が連結孔39に対して挿入されること
になる。このため、下部階段28の最上部の踏み板28
Bを取外した状態で、ボルト40をナット42によって
締付け固定するだけで、下部階段28と上部階段30と
が連結される。
【0016】ナット42の締付け後、二点鎖線に示すよ
うに、踏み板28Bを下部階段28の最上部に取付ける
と、下部階段28及び上部階段30は、ユニット18、
20間にまたがる連続した階段となる。通常、この下部
階段28と上部階段30との連結作業は、建設現場にて
行われるが、既に、ユニット18、20内に設置されて
いる下部階段28と上部階段30とを固定するだけなの
で、作業量は、少なくてすむ。
【0017】前記の如く構成したユニット18、20を
使用して、本実施例のユニット建物の施工方法を行う場
合は以下の通りである。
【0018】先ず、工場において、下部階段28、上部
階段30及び造作材等の所定の部材が取付けられたユニ
ット18、20を製作する。そして、他のユニットとと
もに、これらのユニット18、20を建設現場に搬送す
る。次いで、これらのユニットを基礎上の所定位置に隣
接した状態で配置する。このとき、前述したように上部
階段支持梁36の連結孔38にボルト40が挿入され、
図3に示すように、踏み板28Bを取外した状態で、ボ
ルト40をナット42によって締付け固定し、下部階段
支持梁34、上部階段支持梁36同士を固定する。
【0019】そうすると、下部階段28と上部階段30
とが中央付近で連結され、踏み板28Bを下部階段28
の最上部に取付けることにより、連続した階段がユニッ
ト18、20の間にかけて設置される。更に、それぞれ
下部階段28及び上部階段30の上方の仮梁としての上
梁24A、24Aを取外す。これは、階段の登り降りの
際の頭上高を確保するためである。
【0020】このように、本実施例によれば、建設現場
にて、両ユニット18、20を隣接して配置した後、既
に設置されている下部階段28と上部階段30とを固定
するだけで、両ユニット18、20間にまたがって階段
を施工することができる。従って、従来必要であった建
設現場における階段の施工作業が不要となり、現場での
作業量を低減することができる。これにより、作業の簡
略化と工期の短縮を図ることができ、ユニット工法本来
の長所が活かされる。また、下部階段支持梁34及び上
部階段支持梁36によって、ユニット18、20と階段
自体の強度が向上する。
【0021】尚、本実施例では、頭上高を確保するた
め、ユニット18、20との連結後に仮梁としての上梁
24A、24Aを取り外したが、これに限らず、図4に
示すように、ユニット18に設置される下部階段44の
段数を3段程度にするとともに、ユニット20に設置さ
れる上部階段46の段数を多くするようにしてもよい。
これによれば、図3の場合と比較して、階段が全体的に
右側に移動するため、階段上方の頭上高を確保すること
ができる。従って、上梁24の取外し作業を行わずに
すみ、現場での作業を省力化することができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のユニット
建物の施工方法によれば、工場にて予め階段の上方部分
及び下方部分が内部に取付けられた第1及び第2の建物
ユニットを建設現場にて組み立てるだけで、両建物ユニ
ット間にまたがった階段を設置することができる。これ
により、建設現場における作業量の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のユニット建物の施工方法に使用され
る建物ユニットの概略を示した斜視図である。
【図2】本実施例のユニット建物の施工方法に使用され
る建物ユニットの概略を示した斜視図である。
【図3】本実施例における下部階段と上部階段との連結
構造の概略を示した一部断面図である。
【図4】他の実施例における下部階段と上部階段との連
結構造の概略を示した一部断面図である。
【図5】ユニット内に階段が取付けられた従来の建物ユ
ニットの概略を示す立面図である。
【図6】ユニット内に階段が取付けられた従来の建物ユ
ニットの概略を示す立面図である。
【符号の説明】
18 ユニット(第1の建物ユニット) 20 ユニット(第2の建物ユニット) 28 44 下部階段 30 46 上部階段 34 下部階段支持梁 36 上部階段支持梁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め工場で生産される複数の建物ユニッ
    トを建設現場で組み合わせて建てるユニット建物の施工
    方法において、 前記複数の建物ユニットのうち、互いに隣接して配列さ
    れる第1の建物ユニット内部に予め工場で、前記第1の
    建物ユニットの一部に、平面視でその第1の建物ユニッ
    トの幅寸法より幅寸法が狭く形成された下部階段を設置
    し、この下部階段の下端は前記第1の建物ユニットの下
    梁間における長さ方向途中に架けわたされた根太に支持
    されるとともに、第2の建物ユニット内部に予め工場
    で、前記第2の建物ユニットの一部に、平面視でその第
    2の建物ユニットの幅寸法より幅寸法が狭く形成されか
    つ前記下部階段と連続する上部階段を設置し、この上部
    階段の上端は前記第2の建物ユニットの上梁間における
    長さ方向途中に架けわたされた小梁に支持され、建設現
    場にて、前記第1及び第2の建物ユニットを隣接させ
    設けた後、前記下部階段の上端部と上部階段の下端部
    を連結することを特徴とするユニット建物の施工方法。
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