JP3238757B2 - 金銀糸製造用シート、金銀糸および金銀装飾を有する織布 - Google Patents
金銀糸製造用シート、金銀糸および金銀装飾を有する織布Info
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Description
銀糸を製造するためのシート、金銀糸、および金銀装飾
を有する織布に関するもので、特に、織布を後染め(精
練処理)する際の銀被膜の腐食を防ぐための改良に関す
る。
銀色の模様を形成したものがある。このような織布は通
常、金糸または銀糸を横糸、絹糸を縦糸として織り、部
分的に金糸または銀糸(以下、両者を合わせて金銀糸と
称する)を織布の表面側に露出させて模様を形成したも
のである。
イルムに銀を蒸着し、さらに各種コーティングを施した
金銀糸製造用シートを裁断して製造されるものである。
図4〜図6は、それぞれ異なる従来の金銀糸製造用シー
トを示す断面拡大図である。これらの図に示すシートは
いずれも片面型と呼ばれるもので、これら片面型シート
を接着層により張り合わせて形成された両面型シートも
市販されている。本明細書中の金銀糸製造用シートと
は、これら片面型シートおよび両面型シートの両者を総
称するものとする。
等からなる樹脂フイルム上に銀被膜を蒸着し、さらに銀
被膜を保護するアクリル系樹脂のトップコーティングを
形成したものである。また、図5のシートは樹脂フィル
ムの裏面に着色層が形成されたもの、図6のシートは樹
脂フィルムと銀被膜の間に着色層が形成されたものであ
る。着色層として、例えば金糸の場合には赤色系の着色
料が使用され、これが銀被膜を通して透けることによ
り、シートは金色に発色する。
せ、接着層および繊維層を介在させて張り合わせること
により、両面型シートが得られる。この両面型シートの
厚さは0.1mm程度であり、この両面シートをマイク
ロスリッター等で0.3mm程度の幅で細く裁断すれ
ば、金銀平糸が得られる。
芯糸に螺旋状に巻き付ければ、金銀撚糸となる。金銀織
布には通常このような撚糸が用いられるが、織り方によ
っては、前記平糸がそのまま使用される場合もある。
方法として、「精練処理」と称される後染め処理が採ら
れる場合がある。精練処理とは強アルカリ性の精練液に
織布を浸漬して数時間煮沸し、織布を構成する絹糸等を
染色するものであるが、最近では従来の精練液よりも色
落ちの少ない、さらに強力な精練液が広がりつつある。
この精練液の組成の一例は後述する実験例中に記載され
ている。
従来の金銀糸を用いた織布に使用すると、シートの切断
面から、トップコーティングと銀被膜との接合界面に沿
って銀被膜の腐食が金銀糸内部へ進行し、金銀糸が黒く
変色してしまうことが確認された。そのため、金銀糸を
使用した織布には、前記のような強い精練液が使用でき
ないという問題があった。
で、強い精練液を使用しても変色することのない金銀糸
製造用シート、金銀糸および金銀装飾を有する織布を提
供することを課題としたものである。
体的に説明する。まず、本発明に係る金銀糸製造用シー
トは、図1〜図3に例示するように、合成樹脂製のフィ
ルムと、このフィルムの片面に設けられた厚さ500〜
1500オングストロームの銀被膜と、この銀被膜上に
設けられた厚さ5〜40オングストローム、より好まし
くは5〜20オングストロームの保護層とを具備したも
のであり、この保護層は、SiOx(1≦x<2)で形
成されていることを特徴とする。
もので、具体的にはポリエステル,ポリエチレンテレフ
タレート,ポリ塩化ビニル,OPP、CPP等のプラス
チック等が好適で、厚さは例えば2〜50μm程度とさ
れる。ただし、本発明ではフィルムの材質や厚さは限定
されない。
<2)膜が用いられる理由は、この材質の膜は緻密で、
薄くても耐食性に優れているためである。本発明者らの
確認によれば、保護層の厚さが5オングストローム未満
では銀被膜を保護する効果が得られず、40オングスト
ロームより厚いと銀の風合いがでないため、好ましくな
い。
は、保護層は必ずしも緻密な膜とならず、多孔膜になる
場合も含まれる。それでも保護効果が得られるのは、蒸
着時に、保護層を形成する物質が銀被膜の活性部分すな
わちキンクやステップ等に選択的に結合し、これら腐食
し易い箇所を覆って銀被膜の耐食性を高めることによる
と考えられる。
銀被膜は必ずしも純銀で形成されていなくてもよく、他
の金属元素、例えばCu,Al,Sn,Pb,Pd等を
添加した銀合金で形成することも可能である。銀被膜の
厚さが500オングストローム未満では、銀光沢が低下
して好ましくない。また、1500オングストロームよ
り厚くする必要はなく、徒にコストが上昇するのみであ
る。
が形成されていてもよく、そのような保護層としては、
前述した保護層と同様の材質やエポキシ樹脂,アミノ樹
脂,イソシアネート樹脂,フェノール樹脂等を用いた樹
脂コーティングでもよい。また、金糸として使用する場
合には、図2または図3に示すように、フィルムの銀被
膜とは反対側の面、あるいはフィルムと銀被膜の間に、
赤色系等の顔料を含有する透明な着色層を設けてもよ
い。
の樹脂フィルム側を対向させ、繊維層および接着層を介
在させてこれらを接着し、両面型シートとしてもよい。
繊維層としては、和紙,洋紙,合成繊維の不織布等から
なり、厚さは10〜200μm程度、望ましくは15〜
100μmとされる。10μmよりも薄いと十分な補強
効果が得られず、200μmよりも厚いと得られる布材
が強張って手触りが悪化する。
塩化ビニル系接着剤,酢酸ビニル系接着剤,エポキシ系
接着剤など従来使用されているいずれでもよい。必要で
あれば、同一の層構成からなる片面型シート同士を張り
合わせるだけでなく、層構成の異なる片面型シートを張
り合わせて両面型シートを形成してもよい。
幅にマイクロスリッター等を用いて切断すれば、金銀平
糸が得られる。また、片面シートを同様に裁断した金銀
平糸を絹糸等の芯糸の周囲に螺旋状に巻き付ければ、金
銀撚糸が得られる。さらに、上記金銀平糸または金銀撚
糸を横糸(あるいは縦糸)とし、通常の絹糸等の糸を縦糸
(または横糸)として織機にかければ、金銀装飾を有する
織布が得られる。
る。ポリエステル製の厚さ12μmのフィルム上に、銀
を600オングストロームの厚さに蒸着し、さらにその
上に0〜50オングストロームの厚さのSiO層を蒸着
形成して5種類の金銀糸製造用シートを作成した。
種の溶液にそれぞれ浸漬して銀被膜の腐食状態を比較し
た。その結果を表1に示す。なお、〜の溶液に浸漬
する際にはトップコーティングを形成していないが、
の精練液に浸漬する際には共通のトップコーティング
(材質:フェノール系樹脂、厚さ:3μm)を形成し
た。
件:20℃×20分 人工汗 浸漬条件:40℃×2分 「6−0ハップ」(硫化物を含有する入浴剤の商品
名)の10wt%水溶液 浸漬条件:40℃×5分 精練液 浸漬条件:煮沸しつつ6時間浸漬 組成:マンセル石けん :10g トリポリリン酸ソーダ :2g 中性洗剤(モノゲン(商品名)固形):2g メタ珪酸ソーダ :5g サイドロサルファイト :2g 水 :1000g
ないシートを1とした場合の結果であり、1:不良、
2:やや不良、3:やや良好、4:良好、5:きわめて
良好であることを示す。精練液に対して3以上の評価が
得られれば商品として使用可能である。
オングストローム以上の厚さに形成すれば、精練液のみ
ならず、各種腐食性物質に対して強い保護効果が得られ
ることがわかる。
糸製造用シート,金銀糸および金銀装飾を有する織布に
よれば、精練液に浸漬されても保護層により銀被膜の腐
食を防止することができ、金銀装飾を有さない品と同様
の効率の良い精練処理を施すことができる。また、保護
層の厚さは5〜40オングストロームとごく薄くてよい
ので製造コストが安く、手触り等の物性にも影響を与え
ずに済む。
断面拡大図である。
断面拡大図である。
断面拡大図である。
大図である。
大図である。
大図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 合成樹脂製のフィルムと、このフィルム
の片面に設けられた厚さ500〜1500オングストロ
ームの銀被膜と、この銀被膜上に設けられた厚さ5〜4
0オングストロームの保護層とを具備し、この保護層は
SiOx(1≦x<2)で形成されていることを特徴と
する金銀糸製造用シート。 - 【請求項2】 請求項1記載の金銀糸製造用シートを一
対、前記フィルム側を対向させ繊維層を介在させた状態
で張り合わせ、この複合シートを細く裁断してなる金銀
平糸。 - 【請求項3】 請求項1記載の金銀糸製造用シートを細
く裁断し、芯糸の外周に巻回したことを特徴とする金銀
撚糸。 - 【請求項4】 請求項2記載の金銀平糸、または請求項
3記載の金銀撚糸を布体の中に織り込んだことを特徴と
する金銀織布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24105192A JP3238757B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 金銀糸製造用シート、金銀糸および金銀装飾を有する織布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24105192A JP3238757B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 金銀糸製造用シート、金銀糸および金銀装飾を有する織布 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0692013A JPH0692013A (ja) | 1994-04-05 |
JP3238757B2 true JP3238757B2 (ja) | 2001-12-17 |
Family
ID=17068583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24105192A Expired - Fee Related JP3238757B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 金銀糸製造用シート、金銀糸および金銀装飾を有する織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3238757B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100749310B1 (ko) * | 2004-12-27 | 2007-08-14 | 세다코오퍼레이숀 주식회사 | 원단 제조방법 |
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1992
- 1992-09-09 JP JP24105192A patent/JP3238757B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0692013A (ja) | 1994-04-05 |
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