JP3238322B2 - 熱強化板ガラス - Google Patents

熱強化板ガラス

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JP3238322B2
JP3238322B2 JP09225296A JP9225296A JP3238322B2 JP 3238322 B2 JP3238322 B2 JP 3238322B2 JP 09225296 A JP09225296 A JP 09225296A JP 9225296 A JP9225296 A JP 9225296A JP 3238322 B2 JP3238322 B2 JP 3238322B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

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  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防火戸や防火窓に
用いることができる熱強化板ガラスに関し、さらに詳し
くは、全面にわたって熱強化処理を施してある熱強化板
ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】板ガラスを防火戸や防火窓に用いる場
合、板ガラスの熱割れ現象(熱を受けて板ガラスの中央
部に発生した熱膨張によって、窓枠等に支持された板ガ
ラスエッジ部分に引張応力が作用し、その引張応力が、
板ガラスに備わったエッジ強度を超えることによって割
れを生じる)を防止するために、ガラスのエッジ強度が
高いことが必要である。
【0003】防火用の板ガラスとしては、網入りガラス
や、含水珪酸アルカリからなる中間層を挟み込んだ積層
ガラスの他に、結晶化ガラスや強化硼珪酸ガラス等が知
られている。このうち、前記網入りガラスは内挿の網が
視界を遮り透視性を損なう危険性があり、前記積層ガラ
スは中間層が熱変化で発泡して不透明になり透視性を損
なう危険性がある。また、前記結晶化ガラスや前記強化
硼珪酸ガラスは、組成が特殊であるため製造するのが難
しく、このためコスト高とならざるを得ず、防火用板ガ
ラスとしては一般的ではない。これに対し、これらの間
題点が無いものとして、ソーダ石灰系のガラスを熱強化
処理したものが挙げられる。
【0004】ソーダ石灰系の板ガラスを熱強化処理した
製品は、一般に強化ガラスと呼ばれ広く使用されている
ものであるが、これを防火用ガラスとして使用するため
には、表面圧縮応力26kgf/mm2以上と非常に高
い強化度を付与することが必要である。そのため、この
場合の熱強化処理は、ガラスの軟化点(720〜730
℃)をかなり超える温度域(約760℃)で板ガラスを
加熱し、連続する空気冷却部分において、背圧950m
mAqと非常に高い圧力で冷却空気を吹き付けて実施さ
れる方法がある。但し、この様な板ガラスの熱強化処理
に伴っては、所定のエッジ強度を付与することはできる
ものの、上述のとおりガラス軟化点を超える高温域で加
熱した板ガラスに強圧の空気を吹き付けるために、ガラ
ス表面の平坦性に欠けたり、反りを生じて、反射映像上
の不具合を生じる危険性がある。
【0005】また、上記熱強化板ガラスの端縁部分は、
図5に示すように角を面落としした形状に、例えば、カ
ップホイール(ホイール側面20aに研磨用ダイヤモン
ドや砥石を付設してあるもの)20によって研磨された
ものや、ベルトによって研磨されたものがあるが、前記
研磨処理はエッジ強度に関して注意を払っているもので
はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の熱強化
板ガラスによれば、防火戸や防火窓として使用できるよ
うにするためには、前述の熱強化処理〔ガラスの軟化点
(720〜730℃)をかなり超える温度域(約760
℃)で板ガラスを加熱し、連続する空気冷却部分におい
て、背圧950mmAqと非常に高い圧力で冷却空気を
吹き付けて実施される〕を実施する必要があり、その結
果、前述の熱強化処理による不具合(ガラス表面の平坦
性に欠けたり、反りを生じて、反射映像上に障害とな
る)が生じるという問題点がある。
【0007】また、この問題点(表面不平坦・反り発
生)を解消するために、加熱温度や吹き付け空気の背圧
を従来の熱強化処理の値よりも低下させた熱強化処埋
(以下、単に低熱強化処理という)を実施すると、充分
なエッジ強度を確保できなくなり、火災や防火試験等の
熱を受けることによって板ガラスのエッジ部分、特に、
研磨してある角部に熱歪み応力が集中して破壊し易くな
る。特に、熱強化処理された板ガラスは、その端面部に
おいて長手方向に引張応力が作用するが、端面部がカッ
プホイールによって研磨されている場合や、ベルトによ
って端面部全体が研磨されている場合は、研磨に伴う筋
(キズ)が板ガラスの厚み方向に形成されるため、前記
板ガラスの板面に沿って作用する応力が筋(キズ)に集
中して破壊し易くなるという新たな間題点が発生する。
【0008】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、板ガラスのエッジ強度を増大させ、また板ガラス
周縁部分の熱吸収を向上させることにより、表面圧縮応
力を従来より緩和させ、品質上問題のない熱強化板ガラ
スを提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕本発明は、全面にわたって熱強化処理を施して
ある板ガラスであり、17〜25kgf/mm2の表面
圧縮応力が、前記板ガラスの全面にわたってほぼ均一に
付与されていることを特徴構成としている。
【0010】前記本発明において、前記板ガラスの端面
部の表面最大凹凸が0.05mm以下に仕上げられてい
ると共に、前記端面部と前記板ガラス表裏の平面部との
境部の表面最大凹凸が0.007mm以下に仕上げられ
ていることが好ましい。
【0011】また、前記端面部は、その長手方向に沿っ
た研磨処理が施されて形成されていることが好ましい。
【0012】また、前記平面部の少なくとも一方の面の
周縁部分に、暗色系の着色層が形成されていることが好
ましい。
【0013】さらに、前記板ガラスが、複層ガラスであ
ることが好ましい。
【0014】〔作用〕建設省告示第1125号に基づく
防火試験での甲種及び乙種防火戸として通常の熱強化板
ガラスを使用するには、板ガラスのエッジ強度を24k
gf/mm2(板ガラスの支持状態として、図2に示す
ように、板ガラス周縁部におけるサッシュとの係わり深
さ寸法(かかり代という)(d)が10mm程度で、防
火標準施工法による場合)以上に確保しないと前記熱割
れ現象を生じる危険性があるが、本発明によれば17〜
25kgf/mm2の表面圧縮応力が全面にわたってほ
ぼ均一に付与されているから、後述するガラス板端縁部
分の仕上げによるエッジ強度の増加分4kgf/mm2
と、板ガラスの周縁部分に形成されている暗色系の着色
層による発生応力の緩和分3kgf/mm2と合わせて
実質的には24〜32kgf/mm2のエッジ強度を確
保することができ、前記甲種及び乙種防火戸として問題
なく使用することが可能となる。なお、前記熱強化処理
による表面圧縮応力が25kgf/mm2を超えると、
付与される圧縮応力が板ガラスの表面において不均一に
なり易く不具合が生じる。
【0015】また、一般的に板ガラス内に生じる内部応
力は、稜部に集中し易い性質があるが、本発明のように
全面にわたってほぼ均一に熱強化処理を施してある板ガ
ラスの端面部が、その表面最大凹凸が0.05mm以下
に仕上げられていると共に、前記端面部と板ガラス表裏
の平面部との境部が、表面最大凹凸が0.007mm以
下に加工仕上げされることにより、端縁部分に応力が集
中し難い熱強化板ガラスとすることができる。
【0016】また、板ガラスの端面部が、その長手方向
に沿った研磨処理により形成されていることにより、端
縁部分に応力が集中し難い熱強化板ガラスとすることが
できる。
【0017】つまり、板ガラスの端面部は、その長手方
向に沿った研磨処理が施されていることにより、研磨に
伴う筋(キズ)は同様に板ガラス端面部の長手方向に沿
って形成され、板ガラスの板面に作用する熱破壊力等の
集中を回避できる。さらに、表面最大凹凸が0.05m
m以下と、滑らかな状態に仕上げてあり、且つ、端面部
には稜部ができないから、端面部に応力が集中すること
を回避することができる。また、前記端面部と前記板ガ
ラス表裏の平面部との境部は、表面最大凹凸が0.00
7mm以下と、より滑らかな状態に仕上げてあるから、
板ガラス全体としても、応力集中が起こり易い前記稜部
をなくすことができ、板ガラス端縁部分への応力集中を
回避することが可能となり、エッジ強度を構造的に向上
させることができるようになる。このエッジ強度の増加
は、約4kgf/mm2になる。
【0018】なお、端面部の筋(キズ)の方向が板ガラ
スの厚み方向に形成されていたり、表面最大凹凸が0.
05mmを超えて大きくなる場合には、その凹凸の谷部
・山部に応力が集中し易くなる。また、前記端面部と前
記板ガラス表裏の平面部との境部においては、面と面と
の変わり目であることから表面最大凹凸が0.007m
mを超えて大きくなる場合には、その凹凸の谷部・山部
に応力が集中し易くなる。
【0019】そして、上述のようにエッジ強度が増加す
れば、熱強化処理を実施するのに、従来より低い温度域
での加熱や、従来より低い圧力での空気の吹き付けによ
る熱強化処理を実施しても、所定の熱強化処理後エッジ
強度を確保することができるようになり、従来のような
ガラス表面の平坦性に欠けたり、反りを生じて、反射映
像上の不具合が発生するのを防止できる。
【0020】また、前記かかり代(d)を15mm程度
にして板ガラスが支持されている場合には、板ガラスの
周縁部と中央部との温度差が多少大きくなるので、前記
した場合より表面圧縮応力は約2kgf/mm2高くな
り、26kgf/mm2以上必要となる。この場合、1
9kgf/mm2以上の表面圧縮応力を板ガラスに付与
しておけば問題はない。
【0021】また、例えば火災が発生した場合に板ガラ
スの中央部と周縁部分の温度差をより減少させるため
に、前記平面部の少なくとも一方の面の周縁部分に暗色
系の着色層を形成させることが好ましく、これにより板
ガラスの熱吸収を向上させることができ、その結果、板
ガラス端縁部分に発生する熱応力を最大で約3kgf/
mm2緩和させることができる。
【0022】前記暗色系の着色層としては、例えば黒色
のセラミック系ペーストを用いて印刷法により形成する
ことができる。また、前記着色層は板ガラスの外周縁か
ら30〜50mm程度の幅で4辺にわたって形成される
のが好ましく、さらに望ましくは端縁部近傍ほど前記着
色層が密になるように形成されていることが望ましい。
【0023】前記仕上げ処理は、バフ磨き、または研磨
粒子を含有するゴム製ホイールによる磨きによって実施
すれば、研磨表面の凹凸を数μmオーダーに磨き上げる
ことができ、研磨によって前記境部に大きな研磨溝が発
生するのを防止でき、研磨溝への板ガラスへの応力集中
を抑えて、より板ガラスのエッジ強度を増加させること
ができる。
【0024】また、前記仕上げ処理は、加熱溶融によっ
て実施すれば、前記仕上げ処理による仕上げ面を板ガラ
ス表面と同様に仕上げることができ、より板ガラスのエ
ッジ強度を増加させることが可能となる。
【0025】また、前記仕上げ処理は、化学的な溶解に
よって実施すれば、仕上げ処理そのものを簡単な作業手
順によって実施することが可能となり、板ガラス端縁部
分の仕上げ作業の効率を向上させることができる。
【0026】また、本発明において、前記板ガラスを複
層ガラスとすることにより、防火ガラスとしての性能を
より向上させることが可能となる。
【0027】〔発明の効果〕従って、本発明の熱強化板
ガラスによれば、従来より簡便な方法によって板ガラス
を熱強化処理しても、防火ガラスとしての性能を維持さ
せることができるようになり、板ガラスとしての品質向
上、及び、熱強化処理設備の稼動コスト低減を図ること
が可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0029】〔第一の実施形態〕図1は、本発明の熱強
化板ガラスの一実施形態である板ガラス(3)の端縁部
分(2)を嵌めて構成してある防火戸(4)を示すもの
である。
【0030】防火区画に設置される板ガラスの取付構造
としては、前記した図1に示すように、建物の所定位置
に固定された一対のアングル部材からなる保持部(6)
が、夫々の間に板ガラス(3)の端縁部分(2)を保持
できる隙間(7)を形成できる状態に設置されている。
【0031】また、前記隙間(7)には板ガラス(3)
の端縁保護の機能を備えたケイ酸カルシウム製のセッテ
ィングブロック(8)を設置してあり、前記セッティン
グブロック(8)上に板ガラス(3)の端面部(3a)
を配置した状態で、板ガラス(3)と保持部(6)の間
の前記隙間(7)に、セラミックスロープ(S1)やセ
ラミックスペーパー(S2)を詰め込んである。そし
て、前記セラミックスロープ(S1)やセラミックスペ
ーパー(S2)の反発力によって板ガラス(3)の端縁
部分(2)を固定してある。
【0032】次に、板ガラス(3)について説明する。
前記板ガラス(3)は、ソーダ石灰系の板ガラスを、後
述する端縁部分の仕上げ処理を施してから、吊り金具を
使用した製法で熱強化処理を施して形成してある。
【0033】まず、前記板ガラス(3)は、端面部(3
a)を板ガラス(3)の厚み方向での中間部ほど、板ガ
ラス(3)の面方向の外方に突出する曲面形状となるよ
うに研磨処理(研磨された面の最大凹凸は0.05mm
以下)を行う研磨工程を経て、前記端面部(3a)と前
記板ガラス(3)表裏の平面部(3b)との境部(3
c)を、前記研磨工程よりさらに滑らか(仕上げ面の最
大凹凸は0.007mm以下)に加工仕上げ工程を実施
して端縁部分(2)の仕上げを行ってある。
【0034】具体的には、前記研磨工程は、図2(イ)
に示すように、軸心廻りに回転する円筒ホイール(1
0)の外周面を使って研磨する平廻り円筒ホイール型研
磨方式の研磨方法によって実施するもので、前記円筒ホ
イール(10)は、軸心方向での中間部ほど外径寸法が
小径になるようにその外周面を形成してあり、被研磨部
分となる板ガラス(3)の端面部(3a)が、外方に突
出した曲面形状に研磨されるように構成してある。そし
て、前記円筒ホイール(10)の外周面は、#200番
手より細かな研磨部に形成してある。
【0035】この研磨工程において研磨処理が施された
前記端面部(3a)は、表面の凹凸が0.05mm程度
に仕上げられており、非常に細かな凹凸であるから、板
ガラス(3)の内部応力が集中的に作用するのを避け易
くなる。
【0036】さらには、研磨工程での研磨方向は、板ガ
ラス(3)の端面部(3a)の長手方向に沿って設定し
てあるから、研磨に伴う筋(キズ)は、同様に端面部
(3a)の長手方向に沿って形成され、このため板ガラ
ス(3)の板面に沿って作用する熱破壊力等の集中を回
避し易くなる。
【0037】前記仕上げ工程は、図2(ロ)に示すよう
に、二軸の回転軸に張り廻されて回転する研磨用ベルト
(11)の外周面を使って研磨するバフ磨き方式の研磨
方法によって実施するものである。このバフ磨きとは、
極上仕上げとも呼ばれ、一般的には、羊の皮で形成した
ベルト(11)で研磨し、その研磨に際しては、酸化セ
リウム(非常に細かい粒度の研磨粉)の水溶液を被研磨
部分に掛けながら実施することによって、表面粗さが3
〜7μm(殆ど板ガラス表裏面の表面粗さと等しい値)
にまで細かくなり、ツヤを出すことも可能で、前記境部
(3c)への内部応力の集中が起こり難くすることがで
きる。これを強度に換算すると、約4kgf/mm2
どである。
【0038】次に、前記研磨処理が施された板ガラス
(3)に対して熱強化処理を施し、前記板ガラス(3)
の全面にわたって表面圧縮応力をほぼ均一に付与させ
る。具体的には、板ガラス(3)を吊り金具で垂直に保
持して強化炉へ入れ、前記板ガラス(3)を軟化温度に
近い温度まで加熱した後に炉外に引き出し、板ガラス
(3)の両面に空気をむらなく吹き付けて急冷する。前
記吊り金具による熱強化処理方法は、板ガラスを吊った
状態で行うため、水平強化法に比較してガラス面の平滑
度が損なわれることがなく、従って平滑性の高い強化ガ
ラスを製造し易い。
【0039】そして、前記熱強化処理を施された板ガラ
ス(3)は、前記研磨処理によって板ガラス(3)の端
縁部分(2)に内部応力が集中し難くすることができ、
特に、板ガラス(3)の板面に沿って作用する内部応力
の集中を回避し易くなる。その結果、火災による熱を受
けても破壊し難くすることが可能となり、熱強化処理に
よって施される応力に換算して約4kgf/mm2ほど
応力緩和できることが確認されている。
【0040】例えば、建設省告示第1125号に基づく
防火試験での甲種及び乙種防火戸として板ガラスを使用
するには、板ガラスのエッジ強度を26kgf/mm2
(前記かかり代(d)が15mm程度の場合)以上に確
保する必要があるが、本実施形態によれば、17〜25
kgf/mm2の表面圧縮応力が板ガラス(3)の全面
にわたってほぼ均一に付与されているから、端面部分
(2)の仕上げに伴う約4kgf/mm2のエッジ強度
と、板ガラス(3)の周縁部分に形成されている暗色系
の着色層による発生応力の緩和分を合わせて確保するこ
とができ、熱強化処理によって最低19kgf/mm2
の強化を図るだけでよくなる。また、前記かかり代
(d)が10mm程度の浅い保持状態においては、板ガ
ラス(3)の中心部と周縁部との温度差が多少減少する
ことによって発生熱応力も減少し、熱強化処理によって
最低17kgf/mm2の強化を図ればよくなる。
【0041】従って、当該板ガラス(3)の熱強化処理
においては、従来のように、板ガラス(3)の加熱温度
760℃、冷却空気吹き付けの際のノズルからの背圧9
50mmAqという仕様で実施しなくても、例えば、加
熱温度は、ガラスの軟化点(720〜730℃)以下、
冷却空気吹き付け背圧500mmAqで実施しても、所
定のエッジ強度を確保することができるようになり、熱
強化処理に伴う板ガラスの品質の低下(ガラス表面の平
坦性に欠けたり、反りを生じる)を防止して、歩留まり
をよくすることができると共に、熱強化処理設備の稼動
コストの低減をも図ることが可能となる。
【0042】なお、板ガラス(3)のエッジ強度(表面
圧縮応力)の測定は、全反射応力測定方法により行っ
た。全反射応力測定方法は、被測定板ガラス表面にこれ
より屈折率の僅かに大きいプリズムを置き、被測定点に
集束する円偏光光束を全反射臨界角にほぼ等しい角度で
入射させて、反射光観察望遠鏡の視野に現れる明暗の全
反射境界線間のずれ量を既知応力により較正した目盛り
で測定する方法によって実施した。
【0043】次に、端面部(3a)への研磨処理、及
び、熱強化処理が施された前記板ガラス(3)の周縁部
分に、図3に示すように暗色系の着色層(9)を形成さ
せる。具体的には、スクリーン印刷法を用いて形成さ
れ、まず板ガラス(3)上に版を固定し、図示しないス
キージを版上で加圧摺動させて印刷インキを開口部から
流出させ、被印刷物となる印刷インキが板ガラス(3)
の外周縁に載せられる。そして、前記板ガラス(3)に
ついて乾燥処理を行った後、一旦板ガラス(3)を20
0〜250℃に加熱して、印刷インキを焼き付ける。な
お、前記印刷インキの焼き付けは板ガラス(3)の熱強
化処理と同時に行うこともできる。
【0044】〔別の実施形態〕以下に、別実施例を説明
する。
【0045】〈1〉 前記仕上げ工程は、先の実施形態
で説明したバフ磨きに限定されるものではなく、例え
ば、平廻り円筒ホイール型研磨方式による研磨方法(図
4参照)や、研磨粒子を含有するゴム製ホイールによる
研磨方式や、カップホイール(ホイール面に研磨用ダイ
ヤモンドや砥石を付設してあるもの)を用いた研磨方法
との併用や、板ガラス(3)の端縁部分(2)の局部的
な加熱溶融によって実施したり、または、化学的な溶解
によって実施するものであってもよい。要するに、端面
部(3a)の表面最大凹凸が0.05mm以下、前記境
部(3c)は表面最大凹凸が0.007mm以下に仕上
げてあればよい。
【0046】〈2〉 前記板ガラス(3)の端面部(3
a)は、板ガラス(3)の厚み方向での中間部ほど、板
ガラス(3)の面方向の外方に突出する曲面形状とした
先の実施形態に限定されるものではなく、平坦形状とし
てもよい。要するに、端面部(3a)がその長手方向に
沿った研磨処理により形成されており、表面最大凹凸が
0.05mm以下に仕上げてあればよい。
【0047】〈3〉 前記暗色系の着色層(9)は、板
ガラス(3)の片面に形成される先の実施形態に限定さ
れるものではなく、両面に形成されていてもよい。ま
た、前記着色層(9)の形成方法としては、先の実施形
態で説明したスクリーン印刷法に限定されるものではな
く、例えば、板ガラスの非印刷箇所を予めマスキングし
ておき、次いでスプレー印刷法により形成してもよい。
また、着色層(9)として使用される顔料は、先の実施
形態で説明した無機系材料に限定されるものではなく、
最大比率が50%以下の範囲内で有機系材料を含有させ
てもよい。
【0048】〈4〉 前記板ガラス(3)は、吊り金具
を使用した製法で熱強化処理を施す先の実施形態に限定
されるものではなく、例えば、水平な搬送ロール上で板
ガラスを搬送させながら熱強化処理を施す水平強化方式
であってもよい。
【0049】〈5〉 前記板ガラス(3)は、先の実施
形態で説明した一枚の板ガラスで構成するものに限定さ
れるものではなく、二枚以上の板ガラスで構成される複
層ガラスであってもよい。また、そのうちの少なくとも
一枚の板ガラスが熱強化処理を施した板ガラスであれ
ば、その他の板ガラスが、例えば網入りガラスで構成し
てあってもよい。
【0050】なお、特許請求の範囲の項に、図面との対
照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発
明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の防火戸を示す要部の断面図
【図2】熱強化板ガラス端縁部分の仕上げ方法を示す説
明図
【図3】着色層を形成した熱強化板ガラスを示す説明図
【図4】別実施例の熱強化板ガラス端面部分の仕上げ方
法を示す説明図
【図5】従来例の熱強化板ガラスを示す説明図
【符号の説明】
3 板ガラス 3a 端面部 3b 平面部 3C 境部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 27/00 - 27/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全面にわたって熱強化処理を施してある
    熱強化板ガラスであつて、 17〜25kgf/mm2の表面圧縮応力が、前記板ガ
    ラス(3)の全面にわたってほぼ均一に付与されている
    ことを特徴とする熱強化板ガラス。
  2. 【請求項2】 前記板ガラス(3)の端面部(3a)
    が、その表面最大凹凸が0.05mm以下に仕上げられ
    ていると共に、前記端面部(3a)と板ガラス(3)表
    裏の平面部(3b)との境部(3c)が、表面最大凹凸
    が0.007mm以下に仕上げられている請求項1に記
    載の熱強化板ガラス。
  3. 【請求項3】 前記端面部(3a)が、その長手方向に
    沿った研磨処理が施されている請求項1または2に記載
    の熱強化板ガラス。
  4. 【請求項4】 前記平面部(3b)のうち、少なくとも
    一方の面の周縁部分に暗色系の着色層(9)が形成され
    ている請求項1ないし3のいずれかに記載の熱強化板ガ
    ラス。
  5. 【請求項5】 前記板ガラス(3)が、複層ガラスであ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の熱強化板ガラ
    ス。
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