JP3237482B2 - 高耐熱性アルミニウム合金 - Google Patents

高耐熱性アルミニウム合金

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
の高温特性の改善に関し、特に内燃機関用の高温強度に
優れた耐熱アルミニウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウム合金は高温構造用
としてはほぼ150 ℃以下で使用されることが多い。これ
以上の温度に使用する場合は、2000系合金、4000系合金
が使用されている。これらの合金においては、高温での
強度の低下が小さいことがその特性として望まれる。ま
た、高温で使用される場合には、一定の荷重下での歪み
と時間との関係から決められるクリープ特性が重要とな
ってくる。このクリープ強度は、一般的には高温強度が
高い材料ほど優れることが知られている。
【0003】従来、ピストン等の高温環境で使用される
アルミニウム部品には、AC8Aなどの高耐熱合金が用
いられてきた。この分野での公知技術として、応用機械
工学全書5「金属材料工学」1979.3.15には、
Al−Si系のAl合金鋳物として、JIS AC8C
が開示されている。このAC8Cは、Al−Si−Cu
−Mg系合金(例えばSi9%−Cu3%−Mg1%−
残部Al)であり、耐熱用合金として知られており、熱
膨張係数が小さく、かつ熱伝導率が大きく、高温強度と
耐摩耗性が優れているので、自動車用エンジン等のピス
トン用合金として使用されている。しかし、近年自動車
等のエンジンの使用条件が益々厳しくなってきており、
高い温度で高強度を持つ合金に対するニーズが高くなっ
てきている。このため、従来材以上の高温強度を有する
アルミニウム合金鋳物の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、より
高温での使用に適したエンジンのピストン材料等の耐熱
合金を検討し、従来材を上回る高い高温強度を持つ高耐
熱性アルミニウム合金を提供する。また、本発明の目的
は、高温強度の材料特性を改善し、現状の市販材の組成
範囲での、耐熱分散粒子、すなわち化合物の分散状態を
改善した高温強度に優れた高耐熱性アルミニウム合金を
提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、化学成分
が、一般的な化学構造式:Al100-(a+b+c) Cua Si
b MgC で表され、a、b、cは、6wt%≦a≦10wt
%,6wt%≦b≦wt%,0.5wt%≦c≦1.5wt%
なる範囲であることを特徴とする高耐熱性アルミニウム
合金によって達成される。
【0006】また、上記の目的は、前記合金において、
さらにTiを含有し、一般的な化学構造式:Al
100-(a+b+c+d) Cua Sib MgC Tid で表され、
a、b、cおよびdは、6wt%≦a≦10wt%,6wt%
≦b≦wt%,0.5wt%≦c≦1.5wt%,0wt%<
d≦0.1wt%なる範囲であることを特徴とする高耐熱
性アルミニウム合金によっても達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、自動車用等の内燃機関
のピストン材では強度向上のために、従来よりSiが比較
的多く含有され、耐熱性よりCuを高めていることに注目
し、鋳造性をある程度確保して、さらに高温強度を改善
するためになされた。すなわち、耐熱強度を確保するた
めに金属間化合物としてのCuAl2 の形態・分布が重要で
あり、この金属間化合物の量および分布をより適切にす
ることによって、さらに高温強度を改善できるとの知見
によって達成したものである。本発明によれば、Cuと
Siを所定量配合したことにより、線膨張係数、熱伝導
率等の特性を従来材並を確保しつつ、高温強度を大幅に
向上させることができる。因に、本発明のAl合金で
は、200℃で300MPa 以上、250℃で250MPa
以上であり、従来材の1.2〜1.3倍の強度が得られ
るものである。
【0008】以下に、本発明における化学的合金成分の
限定理由について説明する。Siは、本発明アルミニウム
合金の溶解・鋳造時の流動性すなわち鋳造性、および凝
固収縮性において、重要な元素である。本来Al-Cu 系合
金では、鋳造性に問題があり、そのためにSiはある程度
増量して前記特性を改善することが考えられる。しか
し、13wt%以上にSiを増大していくと初晶Siもほぼ比例
して増大し、この板状結晶は機械的性質、特に靱性を劣
化するため量的に規制される。また、液相線温度が上昇
する。すなわち、Siが13wt% 超では、鋳造性等の前記特
性の改善効果が飽和するか、もしくは却って鋳造性を阻
害することになる。一方、Siは、6wt%未満では鋳造性等
の前記特性の改善効果が得られない。そのため、本発明
では、Siは8 〜13wt% に規定した。さらに、Siのより好
ましい範囲は、6 〜8wt%である。
【0009】Cuは、マトリックスの強度向上には、必須
の元素であり、4.5wt%までは含有量の増加に伴って強度
が増大する。さらに金属間化合物であるCuAl2 の容量比
を増大していくと、これに伴って耐熱強度が向上するこ
とになる。しかし、余り多過ぎると靱性が減少する。そ
のため、本発明では、Cuは6 〜10wt% に限定する。も
し、Cuが10wt% 超では靱性が実用上の範囲を下まわるこ
とになり、一方、Cuが6wt%未満では従来の範囲となり、
特性の向上は期待されなくなる。Mgについては、極少量
の添加によって強度を向上させる効果を有するが、これ
はMg2Si 化合物の析出と考えられる。本発明ではMgは1.
5wt%超で、硬度が高く脆くなる傾向が認められ、一方、
Mgは0.5wt%未満では、前記強度向上効果は認められな
い。そのため、本発明では、Mgは0.5 〜1.5wt%の範囲に
限定する。
【0010】Tiは、添加なしの場合でも、基本的特性は
前記他の成分によって確保される。Ti固有の作用とし
て、鋳造欠陥、例えば引け巣を分散して応力集中による
割れを防止する作用がある。本発明のTiの範囲は、より
好ましい範囲は、0wt%<Ti≦0.1wt%以下であり、最も好
ましい範囲は0.05wt% <Ti≦0.1 である。なお、本発明
材においては、アルミニウム合金鋳物としての通常レベ
ルの不可避的不純物成分としてその他成分を含むことは
勿論である。
【0011】
【実施例】以下に、本発明について添付した実施例の図
面を参照してさらに詳述する 実施例 表1に示す化学成分のAl合金を電気炉により溶解し、
六塩化エタンによる脱ガスの後、大気中にて室温のJI
S舟金型(図6)に鋳造して、長さ195mm、高さ39
mm、上辺33mm、下辺23mmの鋳造インゴットを作製し
た。
【0012】
【表1】
【0013】上記により得られた鋳造インゴットは、保
持温度480℃で、保持3時間として均質化処理をし、
その後水焼入れをした後、析出処理として180℃に
て、6時間保持のT6熱処理を施した。次に、鋳造イン
ゴットより円柱状の引張試験片を作製し、インストロン
型試験機を用いて引張試験を行った。得られた結果を図
1に示す。図1に示されるように、本発明の組成の範囲
内にある本実施例のアルミニウム合金は、200℃で3
00MPa 以上、250℃で250MPa 以上の高い高温強
度を示し、従来材のAC8A,AC8Cを上回わり、本
発明材が引張強度において従来材より優れていることが
わかる。
【0014】比較例 表2に示す化学成分のAl合金を前記と同様の方法によ
り溶解し、同様の条件で鋳造した。
【0015】
【表2】
【0016】図1よりCuを下限値以下の5wt% とした
比較材(No.5)では、強度が不十分であった。また、
各比較材について伸びを測定した結果では、Siを上限
値以上の14wt% とした比較材(No.4)とCuを上限
値以上の11wt% とした比較材(No.6)では、伸びが
不足することが確認できた。
【0017】さらに鋳造性を測定する1つの方法とし
て、流動性試験鋳型を用いて、流動性試験を行い鋳造時
の流動性を測定した。その結果を図2に示す。図2より
Siを下限値以下の5wt% 以下とした比較材(No.3)
では流動性が悪く、鋳造欠陥発生など鋳物製品の製造に
適さないことが確認できた。以上の結果をまとめると次
のとおりである。
【0018】Siが下限値外(No.3)の場合は、鋳造
性が劣る。一方、Siが上限値外(No.4)の場合に
は、伸びが低い。また、Cuが下限値外(No.5)の場
合は、高温強度が低下し、一方、Cuが上限値外(No.
6)の場合には、伸びが不足する。以上のことより、本
発明の範囲内の成分であるアルミニウム合金鋳造材を採
用するとピストンの軽量化やより過酷なエンジンへの適
応に応える高い耐熱強度が得られることがわかる。さら
に、その他の材料特性である250℃での107 サイク
ルでの疲労強度についての測定結果を図4に、線膨張係
数の結果を図5に、そして熱伝導率の結果を図6に示
す。250℃では、本発明材は従来材より高い疲労強度
を示し、その他の特性においても、本発明材は従来材と
遜色ない良好な結果を示している。なお、比較材につい
ては、基本的特性の流動性試験結果で、かなり低いこと
が判明したため、以降の試験は実施しなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、良好な鋳造性を確保す
るとともに、AC8Aなどの従来合金に比べ高温強度が
高く、すなわち200℃で300MPa 以上、250℃で
250MPa 以上の高耐熱鋳造合金が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度と引張強度の関係を、比較材
および従来材との比較で示す図である。
【図2】本発明材の流動性を、比較材および従来材との
比較で示す図である。
【図3】本発明材の疲労強度を、従来材との比較で示す
図である。
【図4】本発明材の線膨張係数を、従来材との比較で示
す図である。
【図5】本発明材の熱伝達率を、従来材との比較で示す
図である。
【図6】本実施例に使用したJIS舟金型の概要図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−70159(JP,A) 特公 平3−53378(JP,B2) 特公 昭62−16264(JP,B2) 特公 昭49−22284(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/00 - 21/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学成分が、一般的な化学構造式:Al
    100-(a+b+c) CuaSib MgC で表され、a、b、c
    は、6wt%≦a≦10wt%,6wt%≦b≦wt%,0.
    5wt%≦c≦1.5wt%なる範囲であることを特徴とす
    る高耐熱性アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらにTiを含有
    し、一般的な化学構造式:Al100-(a+b+c+d) Cua
    b MgC Tid で表され、a、b、cおよびdは、6
    wt%≦a≦10wt%,6wt%≦b≦wt%,0.5wt%
    ≦c≦1.5wt%,0wt%<d≦0.1wt%なる範囲で
    あることを特徴とする高耐熱性アルミニウム合金。
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