JP3237105B2 - 紙製エアーマット緩衝材用シート及びその製造方法 - Google Patents

紙製エアーマット緩衝材用シート及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種物品を、梱包・運
搬の際の振動、衝撃あるいは破損から保護するために使
用される、紙製のエアーマット緩衝材用シート、および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エアーマット緩衝材とは、シート状の素
材を袋状にして空気等を吹込み、これを封入して紙風船
のように膨らませ、その内部に封入された空気等の圧力
によって、外部からの振動、衝撃等を吸収しうる緩衝性
を与えられたものであり、その素材となるシートとして
は、透気度が高く、すなわち空気等を透過し難く、しか
も緩衝材の製造時や使用中にその透気度が損なわれない
ものが要求される。
【0003】このようなエアーマット緩衝材は各種市販
されており、使用されている。しかしながらこれらの緩
衝材はいずれもその素材として、ポリエチレンやナイロ
ン等の合成高分子フィルムを積層したシート、あるいは
ナイロン等の合成高分子シートやクラフト紙等の紙素材
にポリエチレン等をラミネートしたものを用いたもので
あった。
【0004】ところが、かかる合成高分子系素材は、燃
焼に大きな熱を必要とし焼却設備に過大の負荷を要求す
るため、あるいはその際に有毒ガスを発生する等の問題
のため、その廃棄にあたっては、多くを埋め立て処理に
頼らなければならなかった。
【0005】しかし、これらはまた自然環境下では容易
に分解せず、近年の環境問題に対する世界的な関心の高
まりとともに、埋め立て施設の容量を圧迫し、環境汚染
を引き起こす大きな原因の一つとして、その廃棄につい
ての問題がクローズアップされ、それとともにその使用
に対しても現在、次第に厳しい制限が加えられつつあ
る。
【0006】また、紙素材にポリエチレン等をラミネー
トしたものは、これらの問題を軽減することができるも
のの、ラミネートにやはり合成高分子であるポリエチレ
ン等を用いている以上、完全に解決することはできな
い。さらに、これから紙素材のみを分離・回収して、紙
を再生することも可能ではあるが、ラミネートされた合
成高分子フィルムと紙との剥離が容易ではなく、特殊な
設備を必要とするため、結局現状ではそのほとんどが再
生されることなく、ラミネート紙としてそのまま廃棄さ
れている。しかしこのような紙の消費態様は、貴重な森
林資源の浪費というゴミ処理問題とはまた別の環境問題
に結びつくものである。
【0007】一方、紙のみを素材として用いれば、その
再生・廃棄とも容易に行うことができ、上記した問題を
すべて解決することができる。しかし、一般の紙の透気
度は合成高分子系素材と比較して極めて低いため、これ
をそのまま用いたのでは、肝心のエアーマット緩衝材と
して実用に耐えるものを得ることは到底不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、再生・廃棄
が容易で、しかも実用に耐えるエアーマット緩衝材用シ
ートを提供しようとするものである。
【0009】また、本発明はさらに、再生・廃棄が容易
で、しかも実用に耐えるエアーマット緩衝材用シートの
製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【問題を解決するための手段】そもそも、既成のエアー
マット緩衝材用シートに使用されているナイロン、ポリ
エチレン等の合成高分子系素材は、一般の紙と比較して
透気度がはるかに高い。これが、上記した多くの問題を
含みながらも、これらの素材がなお、この分野で多用さ
れている大きな理由の一つであり、クラフト紙等の紙素
材にポリエチレン等をラミネートするのも、素材の透気
度を上昇させるために他ならない。
【0011】しかし、このエアーマット緩衝材が実用さ
れる分野の現状においては、これらの素材が示すほどの
透気度が必ずしも要求されない場合も多い。即ち、電子
部品等の物流においては、緩衝材を用いて輸送すべき部
品は、比較的速いサイクルで輸送・使用されるため、緩
衝材としては、およそ4日間程度機能すればその目的を
十分に達成することができる。従って、その素材として
用いるシートも、上記の素材ほどの高透気度は必要とさ
れず、むしろ、大量に使用されるこれらの緩衝材の廃棄
等の問題のほうが重大となる。
【0012】本発明者らは、かかる観点に立ち検討を重
ねた結果、外添サイズ処理を施した紙シートの少なくと
も1面に、ポリビニルアルコール(PVA)の塗工層を
設けたものが、上記課題を達成しうる、即ち空気等を封
入した後4日間程度、緩衝材として機能しうる性能のも
のであることを見出だした。
【0013】外添サイズ処理は、サイズプレス等を用
い、サイズ剤を0.1〜0.5g/m2 程度、エアーマ
ット緩衝材用シートの素材となる原紙に塗布することに
より行なう。用いるサイズ剤としては、原紙への浸透性
が良好でかつ造膜性の良い、澱粉、ゼラチン、カルボキ
シメチルセルロース、変性PVA等を使用することがで
きる。これらのサイズ剤は、比較的高い濃度においても
低粘度を維持できるものが望ましい。高粘度のものは、
取扱に不便であるばかりでなく、これを原紙に塗布する
際に塗りむらが生じ易く、粘度を下げるために稀釈して
使用すると、乾燥工程における負荷が大となり、結果と
してコストの上昇を招くことになる。PVA分子中のア
ルコール性水酸基の一部にカルボキシル基等を導入した
カルボキシ変性PVAは、粘度が低く作業性・塗工適正
に優れるのみならず、原紙の透気度を向上させるという
特性を有しており、本発明のサイズ剤として特に好まし
い。
【0014】また、本発明においては、外添サイズ処理
後の原紙に対して、その平滑性を向上させるため、カレ
ンダー処理を行なうことが望ましい。PVAを塗工する
際、原紙の平滑度が低いとピンホールを生じ、これによ
りPVA塗工後のシートの透気度を損ねるからである。
好ましいカレンダー線圧は250〜400kg/cmで
あり、特にオンマシンカレンダーでは線圧350kg/
cm程度、オフマシンカレンダーでは線圧270kg/
cm程度の加圧が好ましい。
【0015】本発明に用いられるPVAは、エアーマッ
ト緩衝材用シートとして十分な透気度を達成するため、
完全ケン化品が望ましい。ここで完全ケン化品とは、ケ
ン化度98%以上の製品を指す。また、その重合度は1
000以上、3000以下であることが好ましい。重合
度1000未満のものは塗工適性に優れ、また、これを
用いても高透気度のシートが得られるが、その塗工面の
強度が不足し、緩衝材製造時や使用中につけられる折り
皺や微小な傷により亀裂等が生じ易く、このため得られ
たシートの透気度が損なわれるおそれがある。重合度3
000を超えると、塗工時の粘度が非常に高くなるた
め、作業性・塗工適性に劣り、特に塗工の際に生じる塗
りむらは、透気度に悪影響を与え易い。また、粘度を下
げるために稀釈すると、乾燥工程における負荷が大とな
る。なお、ここで重合度とは、JIS K 6726−
1977に従って測定した平均重合度を意味する。塗工
量は、乾燥後の値で、原紙に対して3g/m2 〜10g
/m2 となることが好ましい。塗工量が3g/m2 未満
では十分な透気度は得られ難い。また塗工量が10g/
2 を超えても透気度はそれ程向上せず、むしろ、この
場合は塗工の際に高濃度のPVAを用いる必要があるた
め、これに伴う増粘に起因する作業性等の悪化の方が問
題となる。
【0016】PVAの塗工方法には特別な制限はなく、
通常の塗工に使われるブレードコーター、エアナイフコ
ーター、バーブレードコーター等を用い、オンマシンあ
るいはオフマシンで塗工できる。中でも、エアナイフコ
ーターを用いて塗工したものは、同塗工量で比較した場
合に、透気度の優れたシートが得られるので、本発明に
おいてはより好ましい。これは、エアナイフコーターに
よる塗工が、原紙表面の凹凸をなぞるようにして行われ
るため、均一な厚さの塗工層が得られる結果であると考
えられる。
【0017】さらに、本発明の素材となる原紙は、でき
るだけ寸法変化の小さいことが望ましい。かかる原紙を
得るために、原料となるパルプは出来るだけ叩解度を低
く押さえる必要があり、フリーネスを300〜400c
cに調整して用いるのが好ましい。ディスクリファイナ
ーは、叩解力が強く、繊維をフィブリル化し、繊維長を
短くしにくいにので、これを用いて叩解したパルプは、
より寸法安定性に優れた原紙を提供することができる。
【0018】また、各種パルプ中、NKP(針葉樹パル
プ)は原紙の寸法安定性付与に貢献する。しかし、この
割合いが多いと原紙の強度は低下するので、強度に優れ
ているLKP(広葉樹パルプ)を混合して用いると、寸
法安定性と強度のバランスの良い原紙が得られる。エア
ーマット緩衝材として必要な寸法安定性と強度を確保す
るためには、フリーネス300〜400ccにおいて、
NKPを20〜40%、LKPを60〜80%として混
合するのが好ましい。
【0019】なお、本発明の原紙の抄造工程において
は、一般的に抄紙で使用しうる通常の染料、填料、内添
サイズ剤、定着剤及び紙力増強剤等も必要に応じて添加
することができる。
【0020】
【作用】本発明は、外添サイズ処理を施した紙シートの
少なくとも一面に、PVAの塗工層を設けたものが、実
用上十分な高透気度を達成し、かつその透気度が損なわ
れ難い、との知見に基づき、これをエアーマット緩衝材
用シートとして応用せしめたものである。
【0021】PVAは、それ自体をフィルム化したもの
は、透気度が高いことが知られているが、これを無処理
の紙シートに塗工してもエアーマット緩衝材として実用
に耐えるものを与えることはできない。なぜならば、塗
工により透気度自体は上昇するものの、その結果得られ
たPVA塗工層は表面強度が弱く、そのため緩衝材の製
造時や使用中に、その透気度がごく容易に損なわれるか
らである。すなわち、PVAは紙層内部へ浸透する性質
が強く、このため紙表面のPVA塗工層の厚みは不均一
となり易い。特に、塗工層の厚みの薄い部分では、わず
かな衝撃により亀裂等が生じるため、結局これを用いて
エアーマット緩衝材を作成しても、その製造時や使用中
に、シート表面につけられる折り皺や微小な傷により亀
裂等を生じ、ここを中心として緩衝材内部に封入された
空気が漏れるからである。
【0022】しかし、このPVAを、外添サイズ処理を
施した紙シートの表面に塗工すると、無処理の紙シート
に塗工したものと比べて、さらに高透気度が達成される
のみならず、折り皺等による透気度の低下が起こり難く
なる。これは、外添サイズ処理を施すことにより、紙表
面にバリア層が形成されて紙層内部へのPVAの浸透が
抑制され、無処理の紙に塗工されたものに比べ、PVA
塗工層が均一に、かつ厚く形成されるためと考えられ
る。
【0023】またPVAは、ナイロンやポリエチレン等
と同様に合成高分子であるが、これらとは異なり水溶性
であるという特異な性質を有する。従って、これを外添
サイズ処理後の紙シートに塗工したものは、エアーマッ
ト緩衝材としての実用に耐えるばかりでなく、ポリエチ
レン等をラミネートした場合とは異なりPVAが容易に
水に溶解するため、その古紙の再生工程において、合成
高分子フィルムと紙の剥離のための特別な処理も装置も
必要とせず、通常の古紙と同様に処理・再生することが
できる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例に従って説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、以下におけ
る部、%はすべて重量によるものである。また塗布量を
示す値は乾燥後の重量である。
【0025】[実施例1〜5]ディスクリファイナーに
て、LKPとNKPをそれぞれフリーネス370ccC
SFとなるまで叩解し、これを重量比7:3の割合に混
合して原料パルプとした。この原料パルプ100部に対
し、内添サイズ剤としてロジンサイズ剤1部、硫酸バン
ド4部を添加して、濃度1.0%のスラリーを調整し
た。このスラリーを長網多筒式抄紙機にて抄造し、坪量
75g/m2 の原紙を得、さらにこの原紙にカルボキシ
変性PVA2部をサイズプレスにて塗布した。
【0026】このサイズ処理後の原紙にエアナイフコー
ターを用いて、重合度1700の完全ケン化PVA(ク
ラレ(株)製 PVA−117)の5%水溶液を、それ
ぞれ1.5、3.0、5.0、7.0、9.0g/m2
塗工した後、乾燥して塗工紙を得た。
【0027】[実施例6]実施例1のサイズ処理後の原
紙にエアナイフコーターを用いて、重合度1700の部
分ケン化PVA(クラレ(株)製 PVA−217、ケ
ン化度88%)の5%水溶液を5.0g/m2 塗工した
後、乾燥して塗工紙を得た。
【0028】[比較例1]実施例1のサイズ処理前の原
紙にエアナイフコーターを用いて、重合度1700の完
全ケン化PVA(クラレ(株)製 PVA−117)の
5%水溶液を5.0g/m2 塗工した後、乾燥して塗工
紙を得た。
【0029】以上の実施例1〜6および比較例1で作成
した塗工紙、ならびにサイズ処理前後の原紙について、
エアーマット緩衝材用シートとしての性能を評価するた
めに下記の試験を行った。
【0030】透気度; 面積645mm2 を空気100
mlが通過する時間(秒)を表し、値が大きい程通気性
は少ない。測定には旭精工(株)製の王研式透気度計E
Y型を使用した。
【0031】折りテスト; 塗工紙の非塗工面を上に
し、塗工面方向すなわち下に向かって折り目を入れる
(表1で △ と示す)、次いで同じ折り目を非塗工面
方向すなわち上に向かって折る( △▽ )。この折り
目と90゜クロスさせ十文字ができる様に塗工面方向に
向かって折り目を入れる( △▽+△ )、次いで同じ
折り目を非塗工面方向に向かって折る( △▽+△▽
)。この4回の十文字の折り目を入れる毎に、測定範
囲の中心に折り目が来るような位置で、透気度を測定し
た。また原紙の場合は塗工される面を下側にして同様に
折り目を入れ、透気度を測定した。
【0032】結果を表1に示す。
【表1】 上の表中、◎は優、○は良、△は可、×は劣、を表す。
【0033】原紙のサイズ処理の有無にかかわらず、透
気度はPVAの塗工により大幅に上昇し、塗工前の95
0〜9500倍程度になったが、サイズ処理後の原紙に
塗工したものは、処理前の原紙に塗工したものと比べ
て、塗工後の透気度が約1.6倍の値を示し、また、折
りテスト4回後の透気度の低下も小さかった。また、P
VAの塗工量が多くなると、透気度は高くなり、折りテ
スト4回後の透気度の低下も小さくなる傾向が見られ
た。部分ケン化PVAを塗工したものは、完全ケン化品
を塗工したものと比べ、透気度も低く、折りテスト4回
後の透気度も、完全ケン化品を同量塗工した場合よりも
低下が大きかった。
【0034】次に、これらの試料を材料として、以下に
示すようにエアーマット緩衝材を試作し、その性能を荷
重テスト、無荷重テストにより評価した。
【0035】エアーマット緩衝材の試作; 実施例1〜
6および比較例1の塗工紙、ならびにサイズ処理前後の
原紙を、それぞれ空気注入後の外寸で幅10cm×長さ
14cm×高さ4cmになる様に製袋し、空気の注入排
出のための偏平逆止弁を設けた。糊代は各1cmとし、
接着剤には積水化学工業(株)のパワーボンド・アクリ
アを使用し、偏平逆止弁の素材には東京セロハン紙
(株)の普通セロハン紙(PT−500)を使用した。
【0036】荷重テスト: エアーマット緩衝材を上記
の外寸となるように空気を注入して膨らませ、この上に
幅10cm×長さ14cm×高さ0.5cmのA段ボー
ルを置いて、さらに300gの重しを載せ、緩衝材の高
さ方向の外寸の変化を時間と共に測定した。結果は、重
しを載せる前の緩衝材に対して、その高さが10%、2
0%、40%減少したときの経過時間を、10%、20
%、40%空気減少経過時間として表した。
【0037】無荷重テスト: 荷重テストと同様に空気
を注入したエアーマット緩衝材を、無荷重状態で自然放
置し、高さ方向の外寸の変化を時間と共に測定し、結果
を、10%、20%、40%空気減少経過時間により表
した。
【0038】表1に結果を示すが、サイズ処理前の原紙
にPVAを塗工したものは、極めて早く緩衝材内部の空
気が減少するために、全く実用には適さない。しかし、
サイズ処理を行うことにより、同量のPVAを塗工して
も、PVAの種類が同じ場合には、無荷重テスト、荷重
テストの結果とも、40%空気減少経過時間が20倍以
上に延長された。また、PVAの塗工量が多くなると、
荷重テスト、無荷重テストのいずれにおいても空気減少
経過時間は長くなる傾向を示し、塗工量3g/m2 以上
のものは、40%空気減少経過時間が、無荷重テストで
約1000時間以上を示した。これは、ナイロン、ポリ
エチレン等の合成高分子系素材を用いた場合と比べる
と、低い値ではあるが、4日間程度の実用には問題のな
い性能である。部分ケン化PVAを塗工したものは、完
全ケン化品を塗工したものと比べ、荷重テスト、無荷重
テストのいずれとも、空気減少経過時間が短かった。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、紙を
素材とした、透気度が高く、かつその透気度が緩衝材製
造時やその使用中に損なわれ難く、実用に耐える性能を
備えたエアーマット緩衝材用シートが提供される。
【0040】本発明のエアーマット緩衝材用シートは、
素材として紙を用いているために、ナイロン、ポリエチ
レン等の合成高分子系素材を用いた場合と比べ、自然環
境下で容易に分解され易く、焼却する場合にも燃焼に大
きなエネルギーを必要としない。従って、廃棄が容易に
できる。さらに紙に塗工されたPVAは水溶性であるの
で、その古紙の再生も容易であり、通常の古紙と同様に
処理・再生することができ、資源の有効活用を図ること
もできる。
【0041】また、本発明のエアーマット緩衝材用シー
トは、なんら特別の装置を必要とすることなく、通常の
抄紙・塗工装置を用いて製造することができるので、そ
の工業的生産にも速やかに対応することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−58098(JP,A) 特開 平4−119199(JP,A) 特開 昭61−45896(JP,A) 特開 昭53−139811(JP,A) 特開 平5−237267(JP,A) 特公 昭46−25521(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプを主原料とし外添サイズ処理
    を施した紙シートの少なくとも1面に、ポリビニルアル
    コールの塗工層を設けたことを特徴とする、エアーマッ
    ト緩衝材用シート。
  2. 【請求項2】 前記ポリビニルアルコールが完全ケン化
    ポリビニルアルコールである、請求項1に記載のエアー
    マット緩衝材用シート。
  3. 【請求項3】 前記外添サイズ処理に用いるサイズ剤、
    および前記ポリビニルアルコールの乾燥後の塗工量が、
    合算して3〜10g/m2 である、請求項1、2に記載
    のエアーマット緩衝材用シート。
  4. 【請求項4】 前記外添サイズ処理に用いるサイズ剤が
    カルボキシ変性ポリビニルアルコールである、請求項
    1、2、または3に記載のエアーマット緩衝材用シー
    ト。
  5. 【請求項5】 前記紙シートとして、ディスクリファイ
    ナーにより叩解した、フリーネスがともに300〜40
    0ccであるLKPとNKPを原料とし、これらを60
    〜80:40〜20の割合で混合して抄造した紙を用い
    る、請求項1、2、3、または4に記載のエアーマット
    緩衝材用シート。
  6. 【請求項6】 ディスクリファイナーにより叩解した、
    フリーネスがともに300〜400ccであるLKPと
    NKPを原料とし、これを60〜80:20〜40の割
    合で混合して抄造した紙に、サイズプレスによりカルボ
    キシ変性ポリビニルアルコールを塗布し、線圧250〜
    400kg/cmでカレンダー処理を行った後、さらに
    エアナイフコーターを用いて完全ケン化ポリビニルアル
    コールを、乾燥後の塗工量が、サイズプレスにより塗布
    されたカルボキシ変性ポリビニルアルコールと合算して
    3〜10g/m2 になるように塗工することを特徴とす
    る、エアーマット緩衝材用シートの製造方法。
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