JP3236993U - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠性に優れ、騒音を効率的に抑制することができるタイヤを提供する。【解決手段】タイヤ1は、トレッド部20を有するタイヤ本体2を備え、タイヤ本体は、トレッド部に、タイヤ本体を周回する複数の主溝31と、該主溝に連続する陸部30を有し、陸部には、主溝に繋がる複数の横溝32が前記タイヤ本体の周方向に沿って互いに間隔を開けた状態で形成されており、タイヤ本体の展開平面視上、少なくとも一部の横溝では、タイヤ本体の周方向に沿って隣り合う横溝の形状が互いに異なる。【選択図】図2

Description

本考案は、タイヤに関する。
タイヤは、トレッド部を備えたタイヤ本体を有し、トレッド部に縦溝(主溝)と縦溝に繋がる複数の横溝を有するものが知られている。複数の横溝は、タイヤ本体の周方向に沿って互いに間隔を開けて形成されている。横溝には、車両の走行安定化を向上する機能が認められている。しかしながら、横溝は、タイヤを設けた車両の走行時に車両からの騒音が発生する原因となることが指摘されている。
特許文献1には、タイヤ本体の周方向に沿った隣り合う横溝の間隔(ピッチ)を不均一にすることが開示されている。横溝のピッチが不均一である場合には騒音の軽減が期待される。また、従来のタイヤは、タイヤの周方向に沿って異なる位置に形成された横溝の形状がおおむね互いに同じであるものが多い。
特開2020-131757号公報
特許文献1では、タイヤの意匠性の向上、及び、横溝による騒音を効率的に抑制する点で、更なる改良の余地がある。
本考案は上記の点に鑑みなされたもので、意匠性に優れ、騒音を効率的に抑制することができるタイヤを提供することを目的とする。
本考案は、次の(1)から(6)にかかる考案を要旨とする。
(1)トレッド部を有するタイヤ本体を備え、
前記タイヤ本体は、前記トレッド部に、前記タイヤ本体を周回する複数の主溝と、該主溝に連続する陸部を有し、
前記陸部には、前記主溝に繋がる複数の横溝が前記タイヤ本体の周方向に沿って互いに間隔を開けた状態で形成されており、
前記タイヤ本体の展開平面視上、少なくとも一部の前記横溝では、前記タイヤ本体の周方向に沿って隣り合う前記横溝の形状が互いに異なる、
タイヤ。
(2)前記陸部には、互いに異なる形状を有する所定数の前記横溝を所定の順に配置した配列パターンを前記タイヤ本体の周方向に沿って繰り返したレイアウトで、複数の前記横溝が設けられている
上記(1)に記載のタイヤ。
(3)少なくとも一部の前記横溝では、前記タイヤ本体の周方向に沿って隣り合う前記横溝の形状を一方向に順次比較した場合に、
前記横溝の形状が徐々に変化しているように、それぞれの前記横溝の形状が定められている、
上記(1)または(2)に記載のタイヤ。
(4)それぞれの前記横溝は、主溝から分岐し陸部の内側に延びる第1の溝要素と、陸部の内側で前記第1の溝要素に繋がり且つ前記第1の溝要素よりも細い幅を有する第2の溝要素とを備え、
前記タイヤ本体の展開平面視上、少なくとも一部の前記横溝では、隣り合う前記横溝は、前記タイヤ本体の幅方向にずれた位置に前記第2の溝要素を形成しており、前記第2の溝要素の少なくとも一部の形状を異にする、
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のタイヤ。
(5)前記横溝のうち前記主溝に対して繋がる位置を前記横溝の基端位置とし、且つ、前記タイヤ本体の展開平面視上、前記主溝の長手方向に沿って隣り合う前記基端位置の間隔を前記横溝のピッチとした場合に、大きさの異なる複数種類の前記ピッチを有する、
上記(1)から(4)のいずれか1つに記載のタイヤ。
(6)隣り合う前記ピッチが異なる場合に、隣り合う前記ピッチの少なくともいずれか一方の前記ピッチに対応する隣り合う前記横溝の形状が異なる、
上記(5)に記載のタイヤ。
本考案によれば、意匠性に優れ、騒音を効率的に抑制することができるタイヤを得ることができる。
図1は、第1の実施形態の一実施例を説明するための斜視図である。 図2は、第1の実施形態の一実施例を説明するための平面展開図である。 図3は、第2の実施形態の一実施例を説明するための平面展開図である。 図4は、第3の実施形態の一実施例を説明するための平面展開図である。 図5は、第4の実施形態の一実施例を説明するための平面展開図である。
本考案にかかるタイヤについて説明する。本考案にかかるタイヤは、自動車等の車両に設けられるタイヤとして使用することができるものである。以下では、本考案にかかるタイヤとして空気入りタイヤを一例として説明する。
以下では、本考案にかかるタイヤについて、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態の順に図面を参照しながら説明する。
本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
以下の説明は本考案の好適な具体例であり、本考案の内容は、これらの実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向及び水平面の方向を示すが、本考案の内容はこれらの方向に限定されるものではない。図1の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)であるものとし、Z軸方向を法線とする平面上に定められた互いに直交するX軸及びY軸に沿った方向をX軸方向及びY軸方向とし、さらにX軸とY軸でなす平面であるXY平面が水平面であるものとする。
また、図1、図2において、後述するタイヤ本体の外周面に沿った周方向は、符号Rを附した矢印で示す方向とし、本体の幅方向は、符号Wを附した矢印で示す方向とする。以下、周方向、幅方向をそれぞれ周方向R、幅方向Wと表記することがある。周方向Rに沿った方向の一方の方向を+R方向とし、他方の方向を-R方向とする。幅方向Wに沿った一方の方向を+W方向とし、他方の方向を-W方向とする。図1において、+W方向が+Y方向に揃えられ、-W方向が-Y方向に揃えられている。これらのことは、図3、図4及び図5においても同様である。
図1から図5の各図に示す大きさ等の相対的な大小比率は便宜上の記載であり、実際の大小比率を限定するものではない。
[1 第1の実施形態]
[1-1 構成]
第1の実施形態にかかるタイヤ1は、図1、図2に示すように、タイヤ本体(以下単に、本体2と呼ぶ。)を備える。図1は、第1の実施形態にかかるタイヤ1の一実施例を説明するための斜視図である。図2は、第1の実施形態にかかるタイヤ1の一実施例について、本体2のトレッド部20の一部における横溝32のレイアウト(パターン)を平面に展開した状態を説明するための図(平面展開図)である。
(タイヤ)
本考案のタイヤ1は、その種類を特に限定されない。第1の実施形態の説明では、タイヤ1が空気入りタイヤである場合を例として説明する。
(タイヤ本体)
本体2は、図1、図2の例に示すように、トレッド部20を有する。符号21、22、23は、それぞれトレッド部20の幅方向Wの両端側でトレッド部20に連続するショルダー部、サイド部及びビード部を示す。なお、上記したように本体2の幅方向Wは、図1、図2に示すようにタイヤ1の厚み方向となる。本体2の周方向Rは、図1、図2に示すように、通常はタイヤ1の回転方向となる。
(トレッド部)
トレッド部20は、少なくとも1つの陸部30と複数の主溝31とを有する。トレッド部20は、本体2の外周面2Aを形成する。
(主溝)
主溝31は、図1、図2に示すように、本体2の外周面2Aを周回する。主溝31は、そのレイアウトを限定されないが、図2の例では、本体2の外周面2Aを周方向Rに沿って延びるように形成されている。主溝31は、本体2の外周面2Aを周方向Rに直線的に延びても、折れ線状に延びても、また波線状に延びていてもよい。主溝31の幅と深さは、特に限定されないが、タイヤ1を取り付けられた車両の走行時にタイヤ1と路面との間に水が入っても、タイヤ1の回転に応じてその水を排出できる程度の幅と深さが確保されていることが好適である。図2の例では、主溝31として、第1の主溝(主溝31A)、第2の主溝(主溝31B)及び第3の主溝(主溝31C)の3条が形成されている。なお、図2は、一例の図面であり、主溝31の数を限定するものではない。また、本明細書において、第1の主溝(主溝31A)、第2の主溝(主溝31B)及び第3の主溝(主溝31C)を区別しない場合には、主溝31と総称する。
(陸部)
陸部30は、本体2の幅方向Wにおいて隣り合う主溝31,31の間に形成されている。陸部30は、凸条構造などの凸構造を有し、主溝31に対して本体2の外周面2Aを周方向Rに延びるように形成されている。陸部30には、後述する横溝32が設けられている。図2の例では、横溝32で陸部30が複数のブロック33に分割されている。それぞれのブロック33は、隣り合う横溝32で区画された部分で構成される。複数のブロック33は、本体2の周方向Rにタイヤ1を周回するように配置されている。ただし、このことは、本考案において第2の実施形態で後述するように陸部30が横溝32でブロック33に分割されていないことを禁止するものではない。
また、陸部30には、個々のブロック33の内部に細溝がさらに形成されてもよい(図示しない)。当該細溝は、後述する横溝32と異なり、主溝31に繋がることを避けて形成されている。
(横溝)
横溝32は、主溝31に繋がる溝構造である。図2の例に示す第1の実施形態にかかるタイヤ1では、複数の横溝32が、陸部30を横切るように形成されており、隣り合う主溝間を繋いでいる。複数の横溝32は、互いに本体2の周方向Rに沿って間隔を開けて配置されており、それぞれの横溝32は、独立している。
第1の実施形態においては、タイヤ1は、本体2の展開平面視上、少なくとも一部の横溝32については、本体2の周方向Rに隣り合う横溝32の形状を互いに異にしている。図1の例では、横溝32の全数について、隣り合う横溝32の形状が、互いに異なっている。タイヤ1が、少なくとも一部で隣り合う横溝32の形状が異なっていることで、タイヤ1の意匠性を向上させることができる。また、タイヤ1を装着した車両の走行時におけるタイヤ1による騒音の抑制効果を向上させることができる。なお、本体2の展開平面視上(本体2の平面展開図において)とは、本体2の所定の1つの位置で幅方向に切断し、切断された本体2を周方向R及び幅方向Wのいずれについても広げて(のばして)平面(水平面)に展開した状態を想定し、展開した状態で想定される本体2を見た場合を示すものとする。これは、第2の実施形態から第4の実施形態についても同様である。本体2のトレッド部の横溝のパターンについての平面展開した状態については、本体2の平面展開図においてトレッド部の横溝のパターンを見た場合を示すものとする。これは、図2に示されるようなトレッド部の横溝のパターンについての図(部分平面展開図)に示される状態(第2実施形態から第4実施形態のそれぞれについては図3から図5)に対応する。
(溝要素)
個々の横溝32は、1種類の溝要素34で形成されてもよいし、複数種類の溝要素34で形成されてもよい。1つの横溝32が複数の溝要素34で形成されている場合、1つの横溝32では、溝要素34が繋がっている。溝要素34で一続きに繋がった構造が、1つの横溝32を構成する。図2の例では、横溝32が2種類の溝要素(第1溝要素34A及び第2溝要素34B)で構成されている。この場合を例としてさらに説明を続ける。なお、第2溝要素34Bのほうが第1溝要素34Aよりも幅が細い(溝幅が小さい)。第2溝要素34Bの溝幅は、特に限定されず、例えば、上記した細溝と同程度の溝幅を有する部分であってもよいし、その細溝よりも溝幅の小さい部分であってもよい。
(第1溝要素及び第2溝要素)
第1溝要素34Aは、主溝31から分岐し陸部30の内側に延びる。図2の例では、第1溝要素34Aは、主溝31に合流する位置を基端として、本体2の展開平面視上、本体2の周方向Rに対してななめ方向に、陸部30の中央(幅方向Wにおける中央)に向かって延びている。第2溝要素34Bは、本体2の展開平面視上、おおむねV字状に形成されており、第2溝要素34Bの両端は、それぞれ第1溝要素34Aの内端(延び出し端)に繋がっている。
図2の例では、タイヤ1の本体2の展開平面視上、隣り合う横溝32のうち互いに形状を異にする組み合わせについては、本体2の幅方向Wにずれた位置に第2溝要素34Bを形成しており、第2溝要素34Bの少なくとも一部の形状を異にしている。具体的に、図2の例では、隣り合う第2溝要素34Bを比較した場合に、頂部T1と第1端部B1までの距離L1、及び頂部T1と第2端部B2までの距離L2の組み合わせが異なっている。頂部T1とは、第2溝要素34Bを形成するV字状形状の突端部を示す。第1端部B1と第2端部B2は、V字状形状の2つの端部を示す。これにより、隣り合う溝要素34の形状(第2溝要素34Bの形状)が互いに異なっている。
また、図2の例では、隣り合う横溝32のうち互いに形状を異にする組み合わせについては、隣り合う横溝32がタイヤ1の幅方向Wにずれた位置に第2溝要素34Bを形成していることに伴い、本体2の展開平面視上、本体2の幅方向Wにおける第1溝要素34Aの位置についても、隣り合う第1溝要素34Aの長さが互いに異なる。したがって、この例では、隣り合う横溝32の第1溝要素34Aについても、その形状が互いに異なる状態となっている。
(複数の横溝のレイアウト)
第1の実施形態における複数の横溝32のレイアウト(少なくとも一部の横溝32のレイアウト)については、タイヤ1の本体2の周方向Rに沿って隣り合う横溝32の形状を一方向(例えば、+R方向側から-R方向側に向かう方向(-R方向))に順次比較した場合に、横溝32の形状が徐々に変化しているように、それぞれの横溝の形状が定められている。例えば、周方向Rの一方向(例えば-R方向)に沿って、整列する横溝32を順次比較した場合に、横溝32Arの第2溝要素34B、横溝32Brの第2溝要素34B、横溝32Crの第2溝要素34Bの順に、徐々に主溝31Aに近い位置に第2溝要素34Bが配置されている。さらに、横溝32Crの第2溝要素34B、横溝32Drの第2溝要素34B、横溝32Erの第2溝要素34Bの順に、徐々に主溝31Aから離れた位置に第2溝要素34Bが配置される。これにより、本体2の周方向Rに沿って横溝32を順次見た場合に、徐々に第2溝要素34Bの位置が幅方向Wに移動するようにそれぞれの横溝32(横溝32Ar、32Br、32Cr、32Dr、32Er・・・)の形状が定められている。すなわち、本体2の周方向Rに沿って横溝32を順次見た場合に、横溝32の形状が徐々に変化するように、横溝32の形状が定められる。
ただし、図2は一例を示すものであって、横溝32のレイアウトが、図2に示すレイアウト以外のレイアウトであることを禁止するものではない。
(複数の横溝の周期性)
第1の実施形態にかかるタイヤ1においては、全ての横溝32が異なる形状であってもよいが、異なる横溝32を配置した組み合わせが周方向Rに複数配置されてもよい。異なる横溝32を配置した組み合わせが、タイヤ1の周方向の一部の領域に配置されてもよいが、タイヤ1の全周に配置されていることが好ましい。異なる横溝32を配置した組み合わせが周方向Rに複数配置されている場合、タイヤ1には、本体2の周方向Rに沿って、横溝32の組み合わせが周期的に配置されている状態が形成される。図2の例では、横溝32Arと横溝32Erが一致しており、横溝32Ar、32Br、32Cr、32Drの組み合わせが、本体2の周方向Rに沿って周期的に並べられている。
(異なる陸部における横溝の形状)
第1の実施形態にかかるタイヤ1においては、陸部30の形成数は限定されず、単数でも複数でもよい。図2の例では、陸部30は複数形成されており、陸部30として第1の陸部30Aと第2の陸部30Bが形成されている。第1の陸部30Aにおける横溝32の形状と、第2の陸部30Bにおける横溝32の形状は同じであっても異なっていてもよい。
なお、第1の陸部30Aと第2の陸部30Bを区別しない場合には、陸部と総称する。これらについては、後述する第2の実施形態及び第3の実施形態についても同様である。
図2の例では、本体2の展開平面視上、第1の陸部30Aにおける、第2溝要素34Bは、矢印-R方向に突出した頂部T1を有するV字状に形成されており、第2の陸部30Bにおける、第2溝要素34Bは、矢印+R方向に突出した頂部T1を有するV字状に形成されており、突出方向が互い逆向きとなっている。
タイヤ1は、第1の陸部30Aにおける横溝32の形状として、第1形状MA1、第2形状MA2及び第3形状MA3の3種類を有する。タイヤ1は、第2の陸部30Bにおける横溝32の形状として、第1形状MB1、第2形状MB2及び第3形状MB3の3種類を有する。図2の例に示すタイヤ1では、第1の陸部30Aにおける横溝32の第1形状MA1と第2の陸部30Bにおける横溝32の第1形状MB1の関係について、第1の陸部30Aの横溝32の形状(MA1)を、周方向Rに平行な線を軸として対称な形状(第1対称形)となし、その第1対称形をさらに幅方向Wに平行な線を軸として対称な形状となした形状とすることで第2対称形を得る。この第2対称形の形状が、第2の陸部30Bの横溝32の形状(MB1)におおむね揃っている関係となっている。このことは、第1の陸部30Aにおける横溝32の第2形状MA2と第2の陸部30Bにおける横溝32の第2形状MB2の関係、第1の陸部30Aにおける横溝32の第3形状MA3と第2の陸部30Bにおける横溝32の第3形状MB3の関係についても同様である。
(横溝のピッチ)
横溝32のピッチは、特に限定されず、均一でもよいが、騒音を減じる観点からは不均一であることが好ましい。図2の例では、本体2の周方向Rに並ぶ複数の横溝32のピッチの大きさが2種類存在する。横溝32のピッチの並び方が規則性を有するように横溝32が形成されてもよい。図2の例では、横溝32のピッチのうち大きい方から、ピッチN1、ピッチN2となっている。ピッチN1のほうが、ピッチN2よりも大きい。図2の例では、隣り合う横溝のピッチの種類の並び方は、本体2の周方向Rの一方向(図2において矢印-R方向)に沿って、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2・・・となっており、矢印-R方向に、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2の組み合わせが、繰り返されている。この例では、相対的に小さい2つのピッチと、相対的に大きい2つのピッチが交互に並ぶように周方向Rに沿って間隔を隔てて横溝32が形成される。
なお、図2の例は、一例であり、横溝のピッチの種類が不規則になるように横溝が形成されてもよい。
(横溝のピッチの定義)
横溝32のピッチとは、本体2の周方向Rに沿って隣り合う横溝32について主溝31に繋がる基端位置Pの離間距離を示す。なお、1つの横溝32において主溝に繋がる位置が複数存在する場合には、それらの複数の位置の中間位置が基端位置Pであるものとする。
(横溝のピッチの変化と横溝の形状との対応)
第1の実施形態にかかるタイヤ1においては、横溝32のピッチに応じて横溝32の形状が定められていてもよい。例えば、横溝32の形状が、その横溝32に対してタイヤ1の本体2の周方向Rに沿って隣り合う横溝32とのピッチの組み合わせに応じて定められてよい。図2の例では、隣り合うピッチが異なる場合に、隣り合うピッチの少なくともいずれか一方のピッチに対応する隣り合う横溝の形状が異なる。
すなわち、例えば、第1の陸部30Aについて、横溝32に対して本体2の周方向Rに沿った両側(-R方向側及び+R方向側)に隣り合う横溝32のピッチの組み合わせがピッチN1、N1の組み合わせである場合(図2では横溝32Dr)には、横溝32の形状として第2形状MA2が定められる。ピッチN2、N2の組み合わせである場合(図2では横溝32Br)にも、横溝32の形状として第2形状MA2が定められる。ピッチN1、N2の組み合わせ(-R方向側のピッチがピッチN1)である場合(図2では横溝32Cr)には、横溝32の形状として第3形状MA3が定められる。ピッチN2、N1の組み合わせ(-R方向側のピッチがピッチN2)である場合(図2では横溝32Ar)には、横溝32の形状として第1形状MA1が定められる。この場合において、第1の陸部30Aでは、+R方向側から-R方向に向かって、横溝32のピッチの種類の並び方が、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2・・・となる場合には、横溝32の形状は、順に、第2形状MA2、第1形状MA1、第2形状MA2、第3形状MA3、第2形状MA2、第1形状MA1・・・と定められる。なお、この場合、少なくとも隣り合うピッチが異なる場合(例えば、ピッチN1、ピッチN2)に、隣り合うピッチの少なくともいずれか一方のピッチに対応する隣り合う横溝の形状が異なる。図2の例では、それぞれのピッチに対応する隣り合う横溝の形状が異なっている。なお、ピッチに対応する隣り合う横溝とは、そのピッチのもとになった隣り合う横溝の組み合わせを示すものとする。このことは、第2の実施形態から第4の実施形態についても同様であるものとする。
第2の陸部30Bについて、横溝32に対して本体2の周方向Rに沿った両側に隣り合う横溝32のピッチの組み合わせがピッチN1、N2の組み合わせ(-R方向側のピッチがピッチN1)とピッチN2、N1の組み合わせ(-R方向側のピッチがピッチN2)である場合には、横溝32の形状として第2形状MB2が定められる。横溝32に対して本体2の周方向Rに沿った両側に隣り合う横溝32のピッチの組み合わせがピッチN1、ピッチN1の組み合わせである場合には、横溝32の形状として第3形状MB3が定められる。横溝32に対して本体2の周方向Rに沿った両側に隣り合う横溝32のピッチの組み合わせがピッチN2、ピッチN2の組み合わせである場合には、横溝32の形状として第1形状MB1が定められる。この場合において、第1の陸部30Aでは、-R方向側から+R方向に向かって、横溝32のピッチの種類の並び方が、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2・・・となる場合には、横溝32の形状は、順に、第3形状MB3、第2形状MB2、第1形状MB1、第2形状、第3形状、・・・と定められる。
[1-2 作用及び効果]
第1の実施形態にかかるタイヤ1によれば、本体2の展開平面視上、本体2の周方向Rに隣り合う横溝32の形状を互いに異ならせることで、タイヤ1の意匠性を向上させることができる。また、タイヤ1を装着した車両の走行時における騒音の抑制効果を向上させることができる。さらに、横溝32のピッチが不均一である場合には、さらに騒音の抑制効果を向上させることができる。
[2 第2の実施形態]
[2-1 構成]
第2の実施形態にかかるタイヤ1は、トレッド部20の横溝32のレイアウトを図3に示すようにしたことを除き、第1の実施形態にかかるタイヤ1と同様に形成されてよい。したがって、横溝32のレイアウトの他の構成についての説明を省略する。図3は、第2の実施形態にかかるタイヤ1のトレッド部20の一部における横溝32のパターンを説明するための図(部分平面展開図)である。
(横溝)
第2の実施形態にかかるタイヤ1においては、横溝32は、第1溝要素34Aと第2溝要素34Bを有する。第1溝要素34Aは、一方の主溝31側から陸部30上を他方の主溝31側に向けて湾曲しながら陸部30の内側に延びており、且つ、陸部30を横断していない。したがって陸部30が横溝32でブロック33に分割されていない。第2溝要素34Bは、第1溝要素34Aの内側端EPから、第1溝要素34Aの延びる方向とは異なる方向に向かって延びている。第2溝要素34Bは、主溝31に繋がらず、陸部30上で陸部30の領域内に形成される。
後述する第1の陸部30Aにおいては、横溝32として、第1の陸部30Aに隣り合う主溝31のうちの一方の主溝31Aに繋がる横溝32(第1の横溝32A)と、他方の主溝31Bに繋がる横溝32(第2の横溝32B)とが形成される。後述する第2の陸部30Bについても、第1の陸部30Aと同様に、第1の横溝32Aと第2の横溝32Bが形成されている。以下の説明において第1の横溝32Aと第2の横溝32Bを区別しない場合には、横溝32と総称する。なお、図3は一例であり、第1の横溝32Aと第2の横溝32Bの一方の形成が省略されていてもよい。
(第1の横溝及び第2の横溝のレイアウト)
本体2の周方向Rに沿って隣り合う第1の横溝32Aは、第1溝要素34Aの長さを互い異にしている。本体2の周方向Rに沿って隣り合う第1の横溝32Aは、第2溝要素34Bの形状を同じくしている。ただし、本体2の周方向Rに沿って隣り合う第1の横溝32Aは、本体2の幅方向Wにおける第2溝要素34Bの位置を互いに異ならせている。第1の横溝32Aに関して第1溝要素34Aの長さ、第2溝要素34Bの形状及び位置について上記に述べたことは、第2の横溝32Bについても同様である。
第1の陸部30Aにおける横溝32の形状について、図3の例に示す第2の実施形態のタイヤ1は、第1の横溝32Aの形状として、第1溝要素34Aの長さの異なる3種類の形状を有する。これらの3種類の第1の横溝32Aの形状を、第1溝要素34Aの長さが長いものから順に、第1形状MAU1、第2形状MAU2、第3形状MAU3とする。第1の横溝32Aと同様に、第2の横溝32Bの形状についても、第1溝要素34Aの長さの異なる3種類の形状が定められる。これらの3種類の第2の横溝32Bの形状を、第1溝要素34Aの長さが長いものから順に、第1形状MAD1、第2形状MAD2、第3形状MAD3とする。第1の横溝32Aの第1形状MAU1と第2の横溝32Bの第1形状MAD1の関係について次に示す。第1の横溝32Aの第1形状MAU1を、周方向Rに平行な線を軸として対称な形状となした第1対称形を想定する。さらに、第1対称形を幅方向Wに平行な線を軸として対称な形状となした形状とすることで第2対称形を想定する。この第2対称形が、第2の横溝32Bの第1形状MAD1におおむね揃っている。このことは、第1の横溝32Aの第2形状MAU2と第2の横溝32Bの第2形状MAD2の関係、第1の横溝32Aの第3形状MAU3と第2の横溝32Bの第3形状MAD3の関係についても同様である。ただし、図3の例に示すことは、第1の横溝32Aと第2の横溝32Bの形状の関係を限定するものではない。
第1の横溝32Aの形状は、本体2の周方向Rに沿って+R方向に向かって、順に、第1形状MAU1、第2形状MAU2、第3形状MAU3、第2形状MAU2、第1形状MAU1、第2形状MAU2、第3形状MAU3・・・・の規則性で定められている。したがって、第1の横溝32Aのレイアウトは、第1形状MAU1、第2形状MAU2、第3形状MAU3、第2形状MAU2の組み合わせが、+R方向に周期的に並ぶようなレイアウトとなっている。このことは、第2の横溝32Bについても同様である。
第1の横溝32Aと第2の横溝32Bの配置については、幅方向Wを視線方向とした場合に隣り合う第1の横溝32Aの配置位置QU1と配置位置QU2の間に第2の横溝32Bの位置QD1が定められるように、第1の横溝32Aと第2の横溝32Bの配置が規定される。また、第1形状MAD1に対応した第2の横溝32Bの位置(本体2の周方向Rに沿った位置)が、第2形状MAU2に対応する第1の横溝32Aと第3形状MAU3に対応する第1の横溝32Aの間の位置となるように、第1の横溝32Aと第2の横溝32Bの配置が定められる。
(異なる陸部における横溝の形状)
第2の実施形態にかかるタイヤ1においては、陸部30が、複数形成されており、陸部30として第1の陸部30Aと第2の陸部30Bが形成されている。第1の陸部30Aにおける横溝32の形状と、第2の陸部30Bにおける横溝32の形状は同じであっても異なっていてもよい。図3の例に示すタイヤ1では、第1の陸部30Aにおける横溝32の形状と第2の陸部30Bにおける横溝32の形状について同じである。例えば、第2の陸部30Bにおける横溝32の形状には、第1の横溝32Aについて第1形状MBU1、第2形状MBU2及び第3形状MBU3の3種類がある。第2の陸部30Bにおける横溝32の形状には、第2の横溝32Bについて第1形状MBD1、第2形状MBD2及び第3形状MBD3の3種類がある。第1の陸部30Aの第1の横溝32Aの第1形状MAU1は、第2の陸部30Bの第1の横溝32Aの第1形状MBU1に一致している。第1の陸部30Aの第1の横溝32Aの第2形状はMAU2、第2の陸部30Bの第1の横溝32Aの第2形状MBU2に一致している。第1の陸部30Aの第1の横溝32Aの第3形状MAU3は、第2の陸部30Bの第1の横溝32Aの第3形状MBU3に一致している。これらのことは第1の陸部30Aの第2の横溝32Bの形状(第1形状MAD1、第2形状MAD2及び第3形状MAD3)と、第2の陸部30Bの第2の横溝32Bの形状(第1形状MBD1、第2形状MBD2及び第3形状MBD3)の関係についても同様である。
(横溝のピッチの変化と横溝の形状との対応)
第2の実施形態にかかるタイヤ1においては、横溝32のピッチに応じて横溝32の形状が定められていることが好ましい。図3の例では、ピッチの種類としては、大きさの異なる2種類が存在している。第1の実施形態と同様に、ピッチの種類は、横溝のピッチのうち大きい方から、ピッチN1、ピッチN2となっている。ピッチN1のほうが、ピッチN2よりも大きい。図3の例では、横溝32の形状が、その横溝32に対してタイヤ1の本体2の周方向Rに沿って両側(+R方向側及び-R方向側)に隣り合う横溝32のピッチの大きさの組み合わせ(すなわち隣り合うピッチの大きさの組み合わせ)に応じて定められている。
(第1の陸部における横溝のピッチの変化と横溝の形状との対応)
図3の例では、第1の陸部30Aについて、第1の横溝32Aは以下のようにピッチに応じて定められる。第1の横溝32Aと本体2の周方向Rに沿って両側(-R方向側及び+R方向側)に位置する第1の横溝32Aとのピッチの組み合わせがピッチN1,N1の組み合わせである場合(図3において、第1の横溝32Aa3)には、第1の横溝32Aの形状として、第3形状MAU3が定められる。第1の横溝32Aとその両側に位置する第1の横溝32Aのピッチ(すなわち隣り合うピッチ)の種類の組み合わせがピッチN1,N2である場合(図3において、第1の横溝32Aa2)には、第1の横溝32Aの形状として、第2形状MAU2が定められる。第1の横溝32Aとその両側に位置する第1の横溝32Aのピッチの種類の組み合わせがピッチN2,N2である場合(図3において、第1の横溝32Aa1)には、第1の横溝32Aの形状として、第1形状MAU1が定められる。
第1の横溝32Aのピッチの種類の並び方は、+R方向側から-R方向に向かって、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2・・・となっており、これに対応して第1の横溝32Aの形状は、順に、第3形状MAU3、第2形状MAU2、第1形状MAU1、第2形状MAU2、第3形状MAU3・・・と定められる。
第2の横溝32Bについては、第2の横溝32Bとその第2の横溝32Bに対して本体2の周方向Rに沿って両側に位置する第2の横溝32Bとのピッチの組み合わせがピッチN1,N1の組み合わせである場合(図3において、第2の横溝32Ba1)には、第2の横溝32Bの形状として、第1形状MAD1が定められる。第2の横溝32Bとその両側に位置する第2の横溝32Bのピッチの種類の組み合わせがピッチN1,N2である場合(図3において、第2の横溝32Ba2)には、第2の横溝32Bの形状として、第2形状MAD2が定められる。第2の横溝32Bとその両側に位置する第2の横溝32Bのピッチの種類の組み合わせがピッチN2,N2である場合(図3において、第2の横溝32Ba3)には、第2の横溝32Bの形状として、第3形状MAD3が定められる。
第2の横溝32Bのピッチの種類の並び方は、+R方向側から-R方向に向かって、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2・・・となっており、これに対応して第2の横溝32Bの形状は、順に、第1形状MAD1、第2形状MAD2、第3形状MAD3、第2形状MAD2、第1形状MAD1・・・と定められる。
(第2の陸部における横溝のピッチの変化と横溝の形状との対応)
第2の陸部30Bについて、第1の横溝32Aは以下のようにピッチに応じて定められる。第1の横溝32Aとその第1の横溝32Aに対して本体2の周方向Rに沿って両側(-R方向側及び+R方向側)に位置する第1の横溝32Aとのピッチの組み合わせがピッチN1,N1の組み合わせである場合(図3において第1の横溝32Ab1)には、第1の横溝32Aの形状として、第1形状MBU1が定められる。第1の横溝32Aとその両側に位置する第1の横溝32Aのピッチの種類の組み合わせがピッチN1,N2である場合(図3において第1の横溝32Ab2)には、第1の横溝32Aの形状として、第2形状MBU2が定められる。第1の横溝32Aとその両側に位置する第1の横溝32Aのピッチの種類の組み合わせがピッチN2,N2である場合(図3において第1の横溝32Ab3)には、第1の横溝32Aの形状として、第3形状MBU3が定められる。
第1の横溝32Aのピッチの種類の並び方は、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2・・・となっており、これに対応して第1の横溝32Aの形状は、順に、第1形状MBU1、第2形状MBU2、第3形状MBU3、第2形状MBU2、第1形状MBU1・・・と定められる。
第2の横溝32Bについては、第2の横溝32Bとその第2の横溝32Bに対して本体2の周方向Rに沿って両側(-R方向側及び+R方向側)に位置する第2の横溝32Bとのピッチの組み合わせがピッチN1,N1の組み合わせである場合(図3において第2の横溝32Bb3)には、第2の横溝32Bの形状として、第3形状MBD3が定められる。第2の横溝32Bとその両側に位置する第2の横溝32Bのピッチの種類の組み合わせがピッチN1,N2である場合(図3において第2の横溝32Bb2)には、第2の横溝32Bの形状として、第2形状MBD2が定められる。第2の横溝32Bとその両側に位置する第2の横溝32Bのピッチの種類の組み合わせがピッチN2,N2である場合(図3において第2の横溝32Bb1)には、第2の横溝32Bの形状として、第1形状MBD1が定められる。
第2の横溝32Bのピッチの種類の並び方は、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2・・・となっており、これに対応して第2の横溝32Bの形状は、順に、第3形状MBD3、第2形状MBD2、第1形状MBD1、第2形状MBD2、第3形状MBD3・・・と定められる。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様に、少なくとも隣り合うピッチが異なる場合(例えば、ピッチN1、ピッチN2)に、隣り合うピッチの少なくともいずれか一方のピッチに対応する隣り合う横溝32(第1の横溝、第2の横溝)の形状が異なる。
[2-2 作用及び効果]
第2の実施形態にかかるタイヤ1によれば、本体2の展開平面視上、本体2の周方向に隣り合う第1の横溝32Aの形状を互いに異ならせており、また、隣り合う第2の横溝32Bの形状を互いに異ならせている。このように、タイヤ1によれば、隣り合う横溝32を異ならせていることで、タイヤ1の意匠性を向上させることができる。さらに、横溝32のピッチに応じて横溝32の形状が定められていることで、意匠性をより高めることができる。そして、タイヤ1を装着した車両の走行時における騒音の抑制効果を向上させることができる。
[3 第3の実施形態]
[3-1 構成]
第3の実施形態にかかるタイヤ1は、図4に示すように、トレッド部20の横溝32のレイアウトを除き、第1の実施形態にかかるタイヤ1と同様に形成されてよい。したがって、横溝32のレイアウトの他の構成についての説明を省略する。図4は、第3の実施形態にかかるタイヤ1のトレッド部20の一部における横溝32のパターンを説明するための図(部分平面展開図)である。
(横溝)
第3の実施形態にかかるタイヤ1においては、横溝32は、陸部30上を一方の主溝31側から他方の主溝31側に向かって延びており、且つ、陸部30を横断している。例えば、第1の陸部30Aについて、横溝32は、第1の陸部30A上を一方の主溝31A側から他方の主溝31B側に向かって延びており、且つ、第1の陸部30Aを横断している。第2の陸部30Bについても、第1の陸部30Aと同様であり、横溝32は、第2の陸部30B上を一方の主溝31B側から他方の主溝31C側に向かって延びており、且つ、第2の陸部30Bを横断している。横溝32は、陸部30の内側に、曲がり部35を有しており、本体2の展開平面視上、所定の形状を呈している。個々の横溝32の溝幅は、均等でも、不均等でもよいが、図4の例ではおおむね均一な幅に形成されている。曲がり部35は、横溝32のうち一方端部350Aから他方端部350Bまでの部分であり、一方端部350Aと他方端部350Bで主溝31に合流する部分320の延びる方向とは異なる方向に屈曲又は湾曲する。
(横溝のレイアウト)
図4の例に示す第3の実施形態のタイヤ1は、横溝32の形状として、異なる3種類の形状を有する。第1の陸部30Aにおいては、これらの3種類の横溝32の形状として、第1形状SA1、第2形状SA2、第3形状SA3を有している。第2の陸部30Bにおいては、横溝32の形状として、第1形状SB1、第2形状SB2及び第3形状SB3を有する。第1形状SA1、第2形状SA2、第3形状SA3の形状は限定されるものではない。第1形状SB1、第2形状SB2、第3形状SB3の形状についても限定されるものではない。図4の例では、第1形状SA1、SB1は、曲がり部35を略V字状に形成した形状を有する。第2形状SA2、SB2は、曲がり部35を略C字状に形成した形状を有する。第3形状SA3、SB3では、曲がり部35を略L字状に形成した形状を有している。
(異なる陸部における横溝の形状)
第3の実施形態にかかるタイヤ1においては、陸部30が、複数形成されており、陸部として第1の陸部30Aと第2の陸部30Bが形成されている。第1の陸部30Aにおける横溝32の形状と、第2の陸部30Bにおける横溝32の形状は同じであっても異なっていてもよい。
図4の例に示すタイヤ1では、第1の陸部30Aにおける横溝32Am1の形状と第2の陸部30Bにおける横溝32Bm1の形状については、次に示す関係がある。第1の陸部30Aの横溝32Am1の形状(第1形状SA1)を本体2の周方向Rに平行な線を軸として対称な形状とした第1対称形を想定する。第1対称形をさらに本体2の幅方向Wに平行な線を軸として対称な形状とした第2対称形を想定する。この第2対称形が、第2の陸部30Bの横溝32Bm1の形状(第1形状SB1)におおむね一致する。このことは、第1の陸部30Aにおける横溝32Am2の形状(第2形状SA2)と第2の陸部30Bにおける横溝32Bm2の形状(第2形状SB2)の形状の関係についても同じである。さらに、第1の陸部30Aにおける横溝32Am1の形状と第2の陸部30Bにおける横溝32Bm1の形状について上記に述べたことは、第1の陸部30Aにおける横溝32Am3の形状(第3形状SA3)と第2の陸部30Bにおける横溝32Bm3の形状(第3形状SB3)の形状の関係についても同じである。
(横溝のピッチの変化と横溝の形状との対応)
第3の実施形態にかかるタイヤ1においては、横溝32のピッチに応じて横溝32の形状が定められていてもよい。例えば、横溝32の形状が、横溝32に対してタイヤ1の本体2の周方向Rに沿って両側(-R方向側及び+R方向側)に隣り合う横溝32とのピッチの組み合わせに応じて定められてよい。
例えば、第1の陸部30Aについて、横溝32とその横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って両側(-R方向側及び+R方向側)に位置する横溝32とのピッチの組み合わせがピッチN1、N1の組み合わせである場合(図4において横溝32Am1)には、横溝32の形状として第1形状SA1が定められる。横溝32とその横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って両側に位置する横溝32とのピッチの組み合わせがピッチN1、N2の組み合わせである場合(図4において横溝32Am2)には、横溝32の形状として第2形状SA2が定められる。横溝32とその横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って両側に位置する横溝32とのピッチの組み合わせがピッチN2、N2の組み合わせである場合(図4において横溝32Am3)には、横溝32の形状として第3形状SA3が定められる。この場合において、+R方向側から-R方向に向かって、横溝32のピッチの種類の並び方が、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2、ピッチN1、ピッチN1、・・・となる場合には、横溝32の形状は、順に、第1形状SA1、第2形状SA2、第3形状SA3、第2形状SA2、第1形状SA1・・・と定められる。
第2の陸部30Bについて、横溝32とその横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って両側(-R方向側及び+R方向側)に位置する横溝32とのピッチの組み合わせがピッチN1、N1の組み合わせである場合(図4において横溝32Bm1)には、横溝32の形状として第1形状SB1が定められる。横溝32とその横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って両側に位置する横溝32とのピッチの組み合わせがピッチN1、N2の組み合わせである場合(図4において横溝32Bm2)には、横溝32の形状として第2形状SB2が定められる。横溝32とその横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って両側に位置する横溝32とのピッチの組み合わせがピッチN2、N2の組み合わせである場合(図4において横溝32Bm3)には、横溝32の形状として第3形状SB3が定められる。第2の陸部30Bの場合において、+R方向側から-R方向に向かって、横溝32のピッチの種類の並び方が、ピッチN1、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN2、ピッチN1、ピッチN1、・・・となる場合には、横溝32の形状は、順に、第1形状SB1、第2形状SB2、第3形状SB3、第2形状SB2、第1形状SB1・・・と定められる。
なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同様に、少なくとも隣り合うピッチが異なる場合(例えば、ピッチN1、ピッチN2)に、隣り合うピッチの少なくともいずれか一方のピッチに対応する隣り合う横溝32の形状が異なる。
[3-2 作用及び効果]
第3の実施形態にかかるタイヤ1によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[4 第4の実施形態]
[4-1 構成]
第4の実施形態にかかるタイヤ1は、図5に示すように、横溝32のピッチの変化と横溝32の形状との対応、ピッチの種類の数、及び横溝32の形状の種類の数を除き、第1の実施形態にかかるタイヤ1と同様に形成されてよい。したがって、横溝32のレイアウトの他の構成についての説明を省略する。図5は、第4の実施形態にかかるタイヤ1のトレッド部20の一部における横溝32のパターンを説明するための図(部分平面展開図)である。
(横溝のピッチ)
上述の第1の実施形態では、一例として、本体2の周方向Rに並ぶ複数の横溝32のピッチの大きさが2種類存在する場合について説明された。横溝32のピッチは、第4の実施形態で示すように、3種類以上存在してもよい。図5に示す例では、横溝32のピッチの種類が3種類である場合について示されている。図5の例では、横溝32のピッチのうち大きい方から、ピッチN1、ピッチN2、ピッチN3となっている。ピッチN1のほうが、ピッチN2よりも大きい。ピッチN2のほうが、ピッチN3よりも大きい。
また、タイヤ1は、横溝32のピッチの並び方の規則性は、隣り合うピッチの大小によって定められている場合に限定されない。また、横溝32のピッチの並びかたは周方向Rに沿って周期性を有する場合に限定されず、周期性を有していなくてもよい。
図5の例では、横溝32は、第1の実施形態で説明したことと同様に第1溝要素34Aと第2溝要素34Bとを有する。第4の実施形態においては、第1溝要素34A及び第2溝要素34Bは、第1に実施形態と同様に形成されてよい。
(横溝の形状の種類)
図5の例に示すタイヤ1は、第1の陸部30Aにおける横溝32の形状として、第1形状UA1、第2形状UA2及び第3形状UA3の3種類を有する。また、このタイヤ1は、第2の陸部30Bにおける横溝32の形状として、第1形状UB1、第2形状UB2及び第3形状UB3の3種類を有する。
図5の例に示すタイヤ1では、第1の陸部30Aにおける横溝32の第1形状UA1と第2の陸部30Bにおける横溝32の第1形状UB1の関係について、第1の陸部30Aの横溝32の形状(UA1)を、周方向Rに平行な線を軸として対称な形状(第1対称形)となし、その第1対称形をさらに幅方向Wに平行な線を軸として対称な形状となした形状とすることで第2対称形を得る。この第2対称形の形状が、第2の陸部30Bの横溝32の形状(UB1)におおむね揃っている関係となっている。このことは、第1の陸部30Aにおける横溝32の第2形状UA2と第2の陸部30Bにおける横溝32の第2形状UB2の関係、第1の陸部30Aにおける横溝32の第3形状UA3と第2の陸部30Bにおける横溝32の第3形状UB3の関係についても同様である。
(横溝のピッチの変化と横溝の形状との対応)
第4の実施形態にかかるタイヤ1においては、横溝32のピッチに応じて横溝32の形状が定められていてもよい。例えば、本体2の周方向Rに隣り合うピッチの種類が異なる場合に、隣り合うピッチの少なくともいずれか一方のピッチに対応する隣り合う横溝32の形状が異なるように、横溝32の形状が定められてよい。
図5の例では、陸部30ごとに定められた方向且つ本体2の周方向Rのうちの一つの方向(第1方向)に沿って、ピッチの種類を、及びピッチに対応する横溝32の形状を、順次比較した場合に、先のピッチを基準として、後のピッチの種類が異なる場合(先のピッチの種類に対して後のピッチの種類が異なっている場合)に、少なくとも後のピッチに対応する隣り合う横溝32が異なるように、横溝32の形状が定められる。先のピッチとは、一つの方向に沿ってピッチの種類を順次比較する場合に、比較者によって先に認められるほうのピッチを示す。後のピッチとは、一つの方向に沿ってピッチを順次比較する場合に、先のピッチの次に続いて認められるピッチを示す。後のピッチに対応する隣り合う横溝32とは、後のピッチのもとになった隣り合う横溝32の組み合わせを示すものとする。
なお、この場合、第2方向に沿ってピッチの種類を、及びピッチに対応する横溝32の形状を順次比較した場合には、先のピッチを基準として、後のピッチが異なる場合に、少なくとも先のピッチに対応する隣り合う横溝32が異なる。ただし、第2方向とは、1方向とは逆方向を示すものとする。また、先のピッチに対応する隣り合う横溝32とは、先のピッチのもとになった隣り合う横溝32の組み合わせを示すものとする。これらのことから、図5の例では、第1方向と第2方向のいずれに沿って、ピッチの種類を、及びピッチに対応する横溝32の形状を、順次比較した場合にあっても、本体2の周方向Rに隣り合うピッチが異なる場合には、隣り合うピッチの少なくともいずれか一方のピッチに対応する隣り合う横溝32の形状が異なる状態となる。
より具体的に、図5の例では、第1の陸部30Aについて、横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って、+R方向に、順次、ピッチを見た場合に、ピッチの種類がピッチN1である場合、ピッチN1を構成する横溝32(ピッチN1に対応する横溝32)のうち+R方向側に位置する横溝32(後側の横溝32(図5において、横溝32WA1で例示)と呼ぶことがある)の形状が第1形状UA1に定められる。ピッチの種類がピッチN2である場合、ピッチN2を構成する横溝32(ピッチN2に対応する横溝32)のうち後側の横溝32(図5において、横溝32WA2で例示)の形状が第2形状UA2に定められる。ピッチの種類がピッチN3である場合、ピッチN3を構成する横溝32(ピッチN3に対応する横溝32)のうち後側の横溝32(図5において、横溝32WA3で例示)の形状が第3形状UA3に定められる。この場合、横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って一方向(-R方向側から+R方向側に向かう方向)に隣り合うピッチの種類(先のピッチの種類と後のピッチの種類)を比較する場合に、上述した後側の横溝32(+R方向側に位置する横溝32)は、後のピッチを構成する横溝32に対応する。したがって、図5の例では、先のピッチの種類を基準として後のピッチの種類が先のピッチの種類とは異なる場合に、後のピッチを形成する横溝32の形状が異なっている。例えば、横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って一方向(-R方向側から+R方向側に向かう方向)に隣り合うピッチの種類(先のピッチの種類と後のピッチの種類)を比較する場合において、先のピッチの種類がピッチN3で、後のピッチの種類がピッチN3である場合には、先のピッチと後のピッチのいずれについてもピッチに対応する横溝32のうち後側の横溝32の形状が第3形状UA3となるため、後のピッチに対応した隣り合う横溝32の形状がいずれも第3形状UA3となる。また、例えば、先のピッチの種類がピッチN3で、後のピッチの種類がピッチN2である場合には、先のピッチの後側の横溝32の形状が第3形状UA3、後のピッチの後側の横溝32の形状が第2形状UA2となるため、後のピッチに対応した隣り合う横溝32の形状が第3形状UA3と第2形状UA2の組み合わせとなる。
第2の陸部30Bについては、図5の例では、横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って、-R方向に、順次、ピッチを見た場合に、ピッチの種類がピッチN1である場合、ピッチN1を構成する横溝32(ピッチN1に対応する横溝32)のうち-R方向側に位置する横溝32(図5においては、横溝32WB1で例示)の形状が第1形状UB1に定められる。なお、第2の陸部30Bでは、-R方向側に位置する横溝32が、後側の横溝32となる。ピッチの種類がピッチN2である場合、ピッチN2を構成する横溝32(ピッチN2に対応する横溝32)のうち後側の横溝32(図5においては、横溝32WB2で例示)の形状が第2形状UB2に定められる。ピッチの種類がピッチN3である場合、ピッチN3を構成する横溝32(ピッチN3に対応する横溝32)のうち後側の横溝32(図5においては横溝32WB3で例示)の形状が第3形状UA3に定められる。この場合、横溝32に対して本体2の周方向Rに沿って一方向(+R方向側から-R方向側に向かう方向)に隣り合うピッチの種類(先のピッチの種類と後のピッチの種類)を比較する場合、上述した後側の横溝32(-R方向側に位置する横溝32)は、後のピッチを構成する横溝32に対応する。したがって、図5の例では、先のピッチの種類を基準として、後のピッチの種類が先のピッチの種類と異なる場合に、後のピッチを形成する横溝32の形状が異なることになる。
[4-2 作用及び効果]
第4の実施形態にかかるタイヤ1によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記した第1の実施形態から第4の実施形態については、横溝32の形状の種類の数がピッチの種類の数以上となっていたが、タイヤ1において、横溝32の形状の種類の数は、ピッチの種類の数よりも小さくてもよい。例えば、ピッチの種類がWα以上であり、横溝32の種類の数が(Wα-1)種類以下であってもよい。ただし、Wαは3以上の正の整数である。
以上、本考案の実施形態の例について具体的に説明したが、本考案は、上述の実施形態の例に限定されるものではなく、本考案の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
また、上述の実施形態の例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本考案の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
上述の実施形態に例示した材料は、特に限定しない限り、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書中に例示された作用及び効果は、本考案の内容を限定するものではない。
1 :タイヤ
2 :本体
2A :外周面
20 :トレッド部
30 :陸部
30A :第1の陸部
30B :第2の陸部
31 :主溝
31A :主溝
31B :主溝
31C :主溝
32 :横溝
32A :第1の横溝
32B :第2の横溝
33 :ブロック
34 :溝要素
34A :第1溝要素
34B :第2溝要素
35 :曲がり部
320 :部分
350A :一方端部
350B :他方端部
B1 :第1端部
B2 :第2端部
EP :内側端
L1 :距離
L2 :距離
N1 :ピッチ
N2 :ピッチ
N3 :ピッチ
P :基端位置
QU1 :配置位置
QU2 :配置位置
R :周方向
W :幅方向

Claims (6)

  1. トレッド部を有するタイヤ本体を備え、
    前記タイヤ本体は、前記トレッド部に、前記タイヤ本体を周回する複数の主溝と、該主溝に連続する陸部を有し、
    前記陸部には、前記主溝に繋がる複数の横溝が前記タイヤ本体の周方向に沿って互いに間隔を開けた状態で形成されており、
    前記タイヤ本体の展開平面視上、少なくとも一部の前記横溝では、前記タイヤ本体の周方向に沿って隣り合う前記横溝の形状が互いに異なる、
    タイヤ。
  2. 前記陸部には、互いに異なる形状を有する所定数の前記横溝を所定の順に配置した配列パターンを前記タイヤ本体の周方向に沿って繰り返したレイアウトで、複数の前記横溝が設けられている
    請求項1に記載のタイヤ。
  3. 少なくとも一部の前記横溝では、前記タイヤ本体の周方向に沿って隣り合う前記横溝の形状を一方向に順次比較した場合に、
    前記横溝の形状が徐々に変化しているように、それぞれの前記横溝の形状が定められている、
    請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. それぞれの前記横溝は、主溝から分岐し陸部の内側に延びる第1の溝要素と、陸部の内側で前記第1の溝要素に繋がり且つ前記第1の溝要素よりも細い幅を有する第2の溝要素とを備え、
    前記タイヤ本体の展開平面視上、少なくとも一部の前記横溝では、隣り合う前記横溝は、前記タイヤ本体の幅方向にずれた位置に前記第2の溝要素を形成しており、前記第2の溝要素の少なくとも一部の形状を異にする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記横溝のうち前記主溝に対して繋がる位置を前記横溝の基端位置とし、且つ、前記タイヤ本体の展開平面視上、前記主溝の長手方向に沿って隣り合う前記基端位置の間隔を前記横溝のピッチとした場合に、大きさの異なる複数種類の前記ピッチを有する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のタイヤ。
  6. 隣り合う前記ピッチが異なる場合に、隣り合う前記ピッチの少なくともいずれか一方の前記ピッチに対応する隣り合う前記横溝の形状が異なる、
    請求項5に記載のタイヤ。

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