JP3236979B2 - ビタビ復号装置 - Google Patents

ビタビ復号装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誤り訂正用畳み込み符
号化データのビタビ復号装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、演算装置におけるビタビ復号
は、ACS計算と呼ばれる加算、比較、選択という単純
な処理の繰り返しと、最終的にデータを復号するトレー
スバック操作で畳み込み符号の最尤復号を実現するもの
である。このビタビ復号では、情報ビット1ビットに対
応する符号化データ(受信信号)を得るごとに、その時
点での各状態のパスのメトリックを計算し、生き残りパ
スを求める。
【0003】図2は演算装置の動作説明のためのビタビ
復号における畳み込み符号器の状態遷移のパスを示す図
面であり、符号化率1/N、拘束長kの畳み込み符号器
において、ある時点における状態S[2i](i=0〜
k-1 −1)に対し、一つ前の時点の状態S[i]と状
態S[i+2k-2 ]から状態遷移を表す2本のパスがの
びている様子を示している。ここで状態Sの[]内の数
が2k-1 以上となる場合は2k-1 の剰余を取ることとす
る。生き残りパスを求めるとは、状態S[2i]にのび
ている2本のパスのそれぞれのパスメトリックを求め、
比較し、確からしい方のパスを選択することである。一
つ前の時点の状態S[i]と状態S[i+2k-2 ]のそ
れぞれのパスメトリックをP^[i],P^[i+2
k-2 ]とする。また一つ前の状態から現時点の状態へ遷
移するときの畳み込み符号器の本来の出力と受信信号と
の距離をブランチメトリックと言い、それぞれの状態か
ら状態S[2i]へのびるパスのメトリックであるブラ
ンチメトリックをa,bとすると、状態S[2i]への
びる2本のパスのパスメトリックは、 P^[i]+a P^[i+2k-2 ]+b と表せる。次に2つのパスメトリックを比較し、確から
しい方を選択する。一般的にはパスメトリックの値の小
さい方を選択することが多く、状態S[2i]のパスメ
トリックP[2i]は、 P[2i]=min[(P^[i]+a),(P^[i
+2k-2 ]+b)] なおここでmin[A,B]はA,Bのうち小さい方を
選択することを示す。
【0004】このようにパスメトリックを求めるための
加算、パスメトリックの比較、パスの選択という処理を
各時点で2k-1 個の状態に対して行う。さらにパスの選
択においてどちらを選択したかという履歴をパスセレク
ト信号PS[j],(j=0〜2k-1 −1)として残し
ておく必要がある。選ばれたパスの一つ前の状態S[]
の[]内の数が他方の状態のそれよりも小さければPS
[j]=0、そうでなければPS[j]=1とする。上
記の場合、i<i+2k-2 (mod2k-1 )とすればパ
スセレクト信号PS[2i]は、 パスセレクト信号PS[2i]=0 (P^[i]+a)≦(P^[i+2k-2 ]+b)のと
き パスセレクト信号PS[2i]=1 (P^[i]+a)>(P^[i+2k-2 ]+b)のと
き となる。
【0005】図3は従来のビタビ復号装置のACS回路
のブロック図を示すものである。図3において、1は加
算器、2は加算器、3は比較器、4はマルチプレクサで
あり、以上のように構成された従来のビタビ復号装置に
ついて、ある時点のある状態における生き残りパスの選
択する動作を説明する。加算器1に一方のパスのブラン
チメトリックおよびそのパスの出発点の状態のパスメト
リックを入力し加算する。加算器2においても同様にも
う一方のパスのブランチメトリックおよびそのパスの出
発点の状態のパスメトリックを入力し加算する。加算器
1の出力および加算器2の出力である新たなパスメトリ
ックは、比較器3にそれぞれ入力し大小比較される。こ
こではパスメトリックの小さい方が尤度が高いとし、比
較器3の出力でマルチプレクサ4を制御することによ
り、マルチプレクサ4は加算器1出力または加算器2出
力のうち小さい方を出力する。また比較器3の出力はパ
スセレクト信号として出力する。
【0006】このように上記従来のビタビ復号装置で
は、簡単な構成で生き残りパスの選択を行うことができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のビタビ復号装置では、2つの加算器1,2の出力を
比較した結果、等しかった場合にはランダムにどちらか
を選ばなければならず、1/2の確率で誤った方のパス
を選ぶことになる。また軟判定復号の場合には比較結果
が僅差であるときは必ずしも小さい方を選択したからと
いって正しい方を選択したとはいえないという問題があ
った。
【0008】本発明はこのような従来の問題点を解決す
るものであり、誤り訂正の性能を改善することができる
優れたビタビ復号装置を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、2つの加算器と、2つの加算器のそれぞれ
の片側入力を大小比較する比較器と、2つの加算器のそ
れぞれの出力を大小比較する比較器と、前記の2つの比
較器のそれぞれの比較結果をもとに2つの加算器出力の
一方を選択するための選択信号を出力する判定器と、判
定器が出力する選択信号で2つの加算器出力を選択する
マルチプレクサとを備え、ビタビ復号におけるパスの選
択において2つのブランチメトリックの比較結果と、ブ
ランチメトリックとパスメトリックを加算して得られる
新たな2つのパスメトリックの比較結果をもとに、パス
を選択できるという特徴を有している。
【0010】
【作用】したがって、本発明によれば、パスメトリック
の比較結果に加え、ブランチメトリックの結果を加味し
てより正確な生き残りパスの選択を行えるので、誤り訂
正の性能を改善できるという効果を有する。
【0011】
【実施例】図1は本発明の一実施例におけるビタビ復号
装置のACS回路の構成を示すブロック図であり、加算
器5の入力として一方のパスのブランチメトリックaお
よびそのパスの出発点の状態のパスメトリックaを加
え、加算器6の入力として他方のパスのブランチメトリ
ックbおよびそのパスの出発点の状態のパスメトリック
bを加え、両加算器5,6の出力である新たなパスメト
リックは比較器7とマルチプレクサ8にそれぞれ加えら
れる。
【0012】又加算器5,6の入力の一方であるブラン
チメトリックa,bが比較器9に加えられる。比較器7
と比較器9の出力は判定器10に加えられ、判定器10
の出力はパスセレクト信号として出力されると同時にマ
ルチプレクサ8の制御信号として加えられる。
【0013】以上のように構成されたビタビ復号装置に
ついて、ある時点のある状態における生き残りパスの選
択する動作を説明する。加算器5に一方のパスのブラン
チメトリックaおよびそのパスの出発点の状態のパスメ
トリックaを入力し加算する。加算器6においても同様
にもう一方のパスのブランチメトリックbおよびそのパ
スの出発点の状態のパスメトリックbを入力し加算す
る。加算器5の出力および加算器6の出力である新たな
パスメトリックは、比較器7に入力し大小比較される。
ここではパスメトリックの小さい方が尤度が高いとし、
比較結果を判定器10に入力する。一方比較器9におい
て2つのブランチメトリックa,bの大小比較を行い、
その比較結果を判定器10に入力する。判定器10は比
較器7と比較器9の各出力の一方を選択するための選択
信号を出力するものであり、比較器7の比較結果が等し
くなければ、比較器7の比較結果を判定器10の出力と
し、比較器7の比較結果が等しければ、比較器9の比較
結果を判定器10の出力とする。判定器10の出力に基
づきマルチプレクサ8において、加算器5出力または加
算器6出力のうち小さい方を出力する。また判定器10
の出力をパスセレクト信号として出力する。
【0014】このように本実施例のビタビ復号装置で
は、2つの加算器出力であるパスメトリックが等しい場
合でも、ブランチメトリックの大小比較結果で生き残り
パスを選択することにより、より尤度の高いパスを選択
することができる。
【0015】
【発明の効果】本発明は以上の説明より明らかなよう
に、パスメトリックの比較結果に加え、ブランチメトリ
ックの結果を加味してより正確な生き残りパスの選択を
行えるので、誤り訂正の性能を改善できるという利点を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるACS回路の構成を
示すブロック図
【図2】演算装置の動作説明のためのビタビ復号におけ
る畳み込み符号器の状態遷移のパスを示す図
【図3】従来のACS回路の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 加算器 2 加算器 3 比較器 4 マルチプレクサ 5 加算器 6 加算器 7 比較器 8 マルチプレクサ 9 比較器 10 判定器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの加算器と、2つの加算器のそれぞ
    れの片側入力を大小比較する比較器と、2つの加算器の
    それぞれの出力を大小比較する比較器と、前記の2つの
    比較器のそれぞれの比較結果をもとに2つの加算器出力
    の一方を選択するための選択信号を出力する判定器と、
    判定器が出力する選択信号で2つの加算器出力を選択す
    るマルチプレクサとを備え、ビタビ復号におけるパスの
    選択において2つのブランチメトリックの比較結果と、
    ブランチメトリックとパスメトリックを加算して得られ
    る新たな2つのパスメトリックの比較結果をもとに、パ
    スを選択することを特徴とするビタビ復号装置。
  2. 【請求項2】 新たな2つのパスメトリックの比較結果
    が等しい場合、ブランチメトリックの比較結果で、パス
    を選択するようにした請求項1記載のビタビ復号装置。
  3. 【請求項3】 新たな2つのパスメトリックの差があら
    かじめ設定した範囲内である場合、新たな2つのパスメ
    トリックの比較結果で、パスを選択するようにした請求
    項1記載のビタビ復号装置。
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