JP3236976B2 - タレットパンチプレスにおける金型別ミストオイル供給方法およびその装置 - Google Patents

タレットパンチプレスにおける金型別ミストオイル供給方法およびその装置

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JP3236976B2
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隆義 坪田
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株式会社ツボタテクニカ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はタレットパンチプレス
における金型別ミストオイル供給方法およびその装置に
関し、より詳しくは、タレット上に多数混載されたミス
トオイル供給用圧エアー孔を貫設した金型と、この圧エ
アー孔を欠く旧型金型への圧エアーの予備的供給の段階
にて、これら金型毎に圧エアー変化を識別し、ミストオ
イルの無駄のない分別供給方法および供給装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】タレット上に、所定の間隔をもって配設
された金型群にあって、オイルをミスト化してストライ
カー(プレスヘッド)を通じて金型のパンチボディを貫
通せしめて設けた圧エアー孔を用いてガイド用スリーブ
面やパンチボディの摺接部および刃先部にミストオイル
を供給噴出せしめることにより、金型とタレットの潤滑
および刃先の潤滑と冷却を実施し、これによって金型の
長寿命化と追い抜きやニブリング加工時のカス上がりを
防止し、より高精度,高品質加工の実を挙げ得る金型が
次第に採用されて来ている。
【0003】しかし、この圧エアー孔を貫設せしめた金
型はコスト的にも高価であるため、従来よりの圧エアー
孔を欠く金型も依然多用されており、上部タレット上に
は圧エアー孔を設けた金型と圧エアー孔を欠く金型とが
混載され、両金型は併用されているのが現状である。
【0004】連続するパンチプレス作業の工程中にて、
ミストオイルを供給するための圧エアー孔を設けた金型
と圧エアーの供給が金型を貫通しては本来できない圧エ
アー孔を欠く従来の金型とを区別するために、圧エアー
孔を欠く従来からの金型には、着色,形状変化を基調と
するマーキングを施し、あるいはNCプログラムデータ
の設定変更により、従来の金型がパンチプレス作業位置
に回動停止した時には、人為的に圧エアーの供給を停止
せしめ、金型毎への圧エアーと潤滑油の供給を人工的に
分別していた。あるいはこの人工的な金型の分別作業が
種々の事情で困難な折には、全ての金型に対して一応に
圧エアーの供給を実施している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】対応すべき金型毎に圧
エアーの供給および停止作業を人為的に行うためには、
該作業だけのために特定の作業員の配置が必要となり、
人件費の面および作業能率の面で大きい問題点が残され
た。
【0006】一方、この人件費の節減あるいはNCプロ
グラムデータの設定変更の手数を回避するため、常時全
金型に対して無作為の含油圧エアーの供給を行った場
合、従来の圧エアー孔を欠く金型にあっては、圧エアー
の無駄な放出には経済的損失と共に、オイルをミスト化
した圧エアーの強力な噴出のため、適切な供給個所のな
いミストオイルは作業現場周辺に飛散し、作業環境を大
きく損う結果となる。
【0007】この発明は圧エアー孔を有する金型と、圧
エアー孔を欠く金型に対するエアー供給の折に当然発生
する微妙なエアー圧変化をエアー供給源の給気制御に利
用し、前記各種問題点の大幅な改善に役立たせ得るタレ
ットパンチプレスにおける金型別ミストオイル供給方法
および同供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、まずこの発明に係るタレットパンチプレスにおける
金型別ミストオイルの供給方法は、以下の構成を採用し
ている。圧エアー孔を設けた金型と圧エアー孔を欠く金
型を混載したタレットパンチプレスにあって、まず作業
位置に回動して来た金型毎に予備的に圧エアーを供給す
る。圧エアー孔を欠く金型と圧エアー孔を設けた金型と
の比較において、前者金型は後者金型に比較してエアー
圧力は当然高く、このエアーの圧力差を検出し、エアー
圧力高き前者金型へはそれ以後のミストオイルの供給を
中止する一方、エアー圧力低き後者金型に対してのみミ
ストオイルを供給することを特徴とする。
【0009】つぎに、この発明に係るタレットパンチプ
レスにおける金型別ミストオイルの供給装置は、以下の
構成を採用している。即ち、回転する上部タレットに圧
エアー孔を設けた金型と圧エアー孔を欠く二種類の金型
を混載せしめたタレットパンチプレスにあって、該金型
に対して接続される圧エアー供給パイプの端部にはそれ
ぞれ自動開閉弁を付設した加圧エアー源と潤滑油源が配
設されており、該圧エアー供給パイプの中途には圧力セ
ンサーが設置され、上記各金型に対する圧エアー供給時
の圧力変化のセンサーによる検出に対応して加圧エアー
源および潤滑油源の開閉を制御することを特徴とする。
【0010】
【作用】作業所定位置に回動停止した金型には、圧エア
ー源と潤滑油源を端部にそれぞれ接続せしめた圧エアー
パイプの他端部が、金型に接触するプレスヘッドに接続
されている。
【0011】プレスヘッドが降下し、金型と接触した状
況下にて圧エアー源より圧エアーが金型に供給された
折、この金型が圧エアー孔を欠く従来の金型の場合、プ
レスヘッドより噴出した圧エアーは無孔の金型に衝突
し、圧エアーパイプ上に設置されたエアーの圧力センサ
ーにて、その折の最大圧力をPmaxと検出される。
【0012】一方、圧エアー孔を設けた金型の場合、圧
エアーは圧エアー孔内をスムーズに流下するため、エア
ー圧力センサーにて、その折の最大圧力をPmax2と
検出された折、当然両金型の圧力はPmax>Pmax
2となる。これら両圧エアーの検出後、直ちに圧エアー
源の給気を中止するよう制御され、Pmaxと圧力セン
サーが検出した圧エアー孔を欠く金型に対してはそれ以
上の、潤滑油の供給は勿論、圧エアーの供給も中止され
る。一方Pmax2と圧力センサーが検出した圧エアー
孔を設けた金型に対しては潤滑油と圧エアーの供給が改
めて開始され、ミスト化されたオイルは金型を構成する
各摺動部材の摺接部あるいは上刃部分に供給され、各構
成部材の円滑な摺動と冷却を助長する。
【0013】
【実施例】つぎに、この発明に係るタレットパンチプレ
スにおける金型別ミストオイル供給装置の具体的実施例
を図面を用いて説明する。図1はこの発明を実施した圧
エアー孔を設けた金型への圧エアー供給時のタレットパ
ンチプレスの縦断面図であり、図2は同じくこの発明を
実施した圧エアー孔を欠く金型への圧エアー供給時の図
1に相当する図である。タレットパンチプレス(1)を
構成する回転する上部タレット(2)には上下方向に摺
動可能な金型の一部を構成するスリーブ(3)が装備さ
れ、このスリーブ(3)は、下端部に上刃(4)を設け
たパンチボディ(5)を、上下方向に同じく摺動可能に
抱持している。
【0014】一方、同じく回転する下部タレット(6)
には金型部を構成する下刃(7)を上面に設けた筒状ダ
イ(8)が固着されている。上部タレット(2)に装備
した、前記スリーブ(3)の、上部タレットに対する降
下限度を規制する上端フランジ(9)とパンチボディ
(5)の上端フランジ(10)間にはスプリング(1
1)が介装され、このスプリング(11)にて押し上げ
られたパンチボディ(5)に対しては、パンチボディ
(5)の上方に設置されたプレスヘッド(13)の押圧
によるパンチボディ(5)の降下動に呼応して、下刃
(7)に上刃(4)は嵌咬合する。
【0015】上下両タレット(2)(6)間に、より詳
しくは、上下両刃(4)(7)間には、下刃(7)上に
載置される形態にて、板状材料(A)が配され、これに
より筒状ダイ(8)の上面部分は閉塞され、板状材料
(A)上に降下した上刃(4)による下刃(7)との嵌
咬合により、板状材料(A)には所望形状の穿孔作業が
実行される。
【0016】図1に示す、パンチボディ(5)およびス
リーブ(3)をもって構成される金型の一部には、一連
の圧エアー孔(15)が貫設されている。すなわち、パ
ンチボディ(5)内を縦横方向に貫通する圧エアー孔
(15a)が、またこの圧エアー孔(15a)に連繋す
るようにスリーブ(3)内には横方向に伸びる圧エアー
孔(15b)が穿設されている。一方、図2に示す、パ
ンチボディ(5)およびスリーブ(3)をもって構成さ
れる金型の一部には、図1に示す圧エアー孔(15)を
全く欠いている。
【0017】図1および図2に示すパンチボディ(5)
を上方より押圧するプレスヘッド(13)には、図1に
示す金型の圧エアー孔(15)に連通する圧エアー導入
孔(14)が設けられており、このプレスヘッド(1
3)には、端部にエアーコンプレッサーに代表される自
動開閉弁(16)を付設した圧エアー源(17)を配し
たメインパイプ(18)が繋がり、該メインパイプ(1
8)の中途にて枝分れした副パイプ(20)の端部には
自動開閉弁(21)を付設した潤滑油源(22)が配さ
れ、さらにメインパイプ(18)の中途、プレスヘッド
(13)部寄りには圧力センサー(23)が設置されて
いる。
【0018】つぎに、図3に示すタイムチャートをもっ
て、初回プレスサイクルにあって、圧エアー孔を設けた
金型に対する第1工程としての圧力センサー用予備的圧
エアーの供給、これにつづく第二工程としての金型への
潤滑油を混入せしめた本格的圧エアーの供給状態を、符
号をもって示す。また、圧エアー孔を欠く金型に対
しては圧力センサー用予備的圧エアーの供給のみが実施
され、その後本格的圧エアーの供給は全く実施されてい
ない状態を、符号をもって示している。そして、2回
目プレスサイクルにあっては、圧エアー孔を設けた金型
の移動はなく再度同一金型を用いる穿孔作業実施時の金
型への潤滑油を混入せしめた本格的圧エアーの供給状態
を示している。
【0019】上下のタレット(2)(6)が所定位置に
回動停止し、下タレット(6)に固着された下刃(7)
を有する筒状ダイ(8)上に、板状材料(A)を定置し
た後、仮想線にて示すプレスヘッド(13)位置より降
下するプレスヘッド(13)が金型のパンチボディ
(5)に接触した時点にて、潤滑油源(22)の閉塞状
況下にて、加圧エアー源(17)より圧エアーが一時的
にプレスヘッド(13)に供給される。
【0020】この折、図2に示す圧エアー孔を欠く金型
の場合、プレスヘッド(13)のエアー孔はパンチボデ
ィ(5)にて完全閉塞されているため、メインパイプ
(18)内の予備的圧エアーの最大圧力、即ち所定値た
るPmaxは高圧の状態のまま圧力センサー(23)に
より検出される。
【0021】予め設定された圧力数値Pmaxを圧力セ
ンサー(23)にて検出した折には、潤滑油源(23)
の自動開閉弁(21)は開かれることなく、さらに加圧
エアー源(17)の自動開閉弁(16)はこの時点にて
閉じられて、ミストオイルの供給はなされないまま、圧
エアー孔を欠く金型により板状材料(A)に対する穿孔
作業が行われる。
【0022】一方、図1に示す圧エアー孔を設けた金型
の場合、プレスヘッド(13)の圧エアー導入孔(1
4)は金型の圧エアー孔(15)と連通し、圧エアーは
金型内を貫流下するため、予備的エアー圧力は大きく上
昇せず、予め所定値が設定され、この数値と一致する最
大圧力Pmax2は、前記圧エアー孔を欠く金型とのエ
アー圧力の比較において、Pmax>Pmax2とな
る。
【0023】圧力センサー(23)がエアー圧力Pma
xを検出した折にはこの時点にて金型へのエアー供給は
一時中断する。一方、圧力センサー(23)がエアー圧
力Pmax2を検出した時点においてのみ、潤滑油源
(22)の開閉弁(21)は開放され、つづく加圧エア
ー源(17)よりの圧エアーの噴射に吸引されて、ミス
トオイルの一部はパンチボディ(5)とスリーブ(3)
の摺接面へ、さらに一部は上部タレット(2)とスリー
ブ(3)との摺接面に、さらに他の一部はパンチボディ
(5)の下端より板状材料(A)面に噴出され、板状材
料への穿孔作業を容易なものとすると共に、各部材の摺
動部にはミストオイルが供給され、各部材の潤滑と冷却
作業が実行される。そして穿孔作業の終了後もミストオ
イルの供給はパンチボディ(5)の上死点への元位置復
帰まで継続する。
【0024】
【発明の効果】この発明は、圧エアー孔を設けた金型お
よび圧エアー孔を欠く金型を問わず、これら金型の全て
に対し、一応予備的に圧エアーを供給し、二種類の金型
に供給される圧エアーの圧力変化を圧力センサーにて検
出し、この圧力変化に即応して圧エアーの供給源および
潤滑油源を制御し、必須部材たる圧エアー供給手段を活
用するために格別な装置も特に必要とせず、また大規模
な併設設備も又特に必要としない。
【0025】また、圧エアーおよび潤滑油の供給体制の
即時切換え対応は、過剰な圧エアーの供給も僅かです
み、経済的であると共に、圧エアー噴射に伴う無駄なミ
ストオイルの飛散も発生しないので、作業現場周辺の油
による汚損も確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した圧エアー孔を設けた金型へ
の圧エアー供給時のタレットパンチプレスの縦断面図で
ある。
【図2】同じくこの発明を実施した圧エアー孔を欠く金
型への圧エアー供給時の図1に相当する図である。
【図3】圧エアー孔を欠く金型と圧エアー孔を設けた金
型への圧エアー供給時のタイムチャートである。
【符号の説明】
2 上部タレット 3 スリーブ 4 上刃 5 パンチボディ 7 下刃 8 筒状ダイ 13 プレスヘッド 14 圧エアー導入孔 15 圧エアー孔 16 自動開閉弁 17 加圧エアー源 18 メインパイプ 21 自動開閉弁 22 潤滑油源 23 圧力センサー

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧エアー孔を設けた金型と圧エアー孔を
    欠く金型を混載したタレットパンチプレスにあって、ま
    ず各金型毎に予備的に圧エアーを供給し、この折のエア
    ー圧変化を検出し、圧エアー孔を欠く金型に比べ低いエ
    アー圧力が検出された圧エアー孔を有する金型に対して
    のみ、改めて圧エアーと潤滑油を混合してなるミストオ
    イルを供給することを特徴とするタレットパンチプレス
    における金型別ミストオイル供給方法。
  2. 【請求項2】 予備的な圧エアー供給による圧エアー孔
    を欠く金型に対する圧力センサーの所定値の高圧検出は
    圧エアー源と潤滑油源の閉鎖状態を、一方圧エアー孔を
    設けた金型に対する圧力センサーの所定値の低圧検出は
    圧エアー源と潤滑油源の開放を略同期せしめてなる請求
    項1のタレットパンチプレスにおける金型別ミストオイ
    ル供給方法。
  3. 【請求項3】 上部タレットに圧エアー孔を設けた金型
    群と圧エアー孔を欠く金型群を混載せしめたタレットパ
    ンチプレスにあって、該金型群に対して接続される端部
    に加圧エアー源と潤滑油源を配設した圧エアー供給パイ
    プの途中に圧力センサーを設置し、前記二種類の金型毎
    に発生する圧エアーセンサーにて検出された予備的エア
    ーの圧力変化に呼応して、加圧エアー源および潤滑油源
    を開閉制御するようにしたことを特徴とするタレットパ
    ンチプレスにおける金型別ミストオイル供給装置。
  4. 【請求項4】 圧エアー孔を欠く金型に対する圧力セン
    サーの所定値の高圧検出は改めての圧エアー源の閉鎖と
    潤滑油源の閉鎖状態の持続を、一方圧エアー孔を設けた
    金型に対する圧力センサーの所定値の低圧検出は、改め
    ての圧エアー源および潤滑油源の開放を同期せしめてな
    る請求項3のタレットパンチプレスにおける金型別ミス
    トオイル供給装置。
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KR102537775B1 (ko) * 2022-10-07 2023-06-01 (주)원터치 펀칭 가공 시 선택적으로 하사점에 고정되는 펀치에 의해 다양한 형태의 가공을 수행하며 공압에 의해 작동 주기마다 펀치를 원위치로 빠르게 낙하시킴으로써 작동속도가 향상된 프레스 펀치기

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