JP3236466B2 - トラクタのローリング制御装置 - Google Patents

トラクタのローリング制御装置

Info

Publication number
JP3236466B2
JP3236466B2 JP04941595A JP4941595A JP3236466B2 JP 3236466 B2 JP3236466 B2 JP 3236466B2 JP 04941595 A JP04941595 A JP 04941595A JP 4941595 A JP4941595 A JP 4941595A JP 3236466 B2 JP3236466 B2 JP 3236466B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling control
control means
rolling
posture
inclination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP04941595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08242610A (ja
Inventor
貞治 吉田
勇太郎 森下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP04941595A priority Critical patent/JP3236466B2/ja
Publication of JPH08242610A publication Critical patent/JPH08242610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3236466B2 publication Critical patent/JP3236466B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
  • Lifting Devices For Agricultural Implements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行機体が左右に傾斜
しても耕耘装置は絶対平行姿勢に維持される、といった
具合に耕耘装置を所定の左右傾斜姿勢に維持するローリ
ング制御を行うように構成されたトラクタのローリング
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のトラクタとしては、特開昭64
‐10901号公報に示されるものが知られており、そ
の図面第1図から分かるように、ローリング切換スイッ
チ(符号11)とローリング角度調節ダイヤル(符号1
0)とを設けて、各種ローリング制御の操作を行うよう
にしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成によると、
先ず、ローリング切換スイッチでローリング制御を行う
か否かを決め、制御を行うのであれば、対象作業に応じ
てローリング角度調節ダイヤルを調節操作する。例え
ば、水田での代掻作業とか平坦圃場での浅起し耕耘等で
は調節ダイヤルを「水平」位置に操作し、左右方向に傾
斜した圃場での耕耘では、その傾斜角度分の補正を行う
べく調節ダイヤルを「左下り」又は「右下り」側に適量
操作するのである。
【0004】ところが、調節ダイヤルを操作するには、
その圃場状態の判断や目分量による左右傾斜の判断が必
要であり、操縦未熟者にとっては操作が難しく煩わしい
面があった。例えば、対地制御を行う場合でも、車輪沈
下等によって機体が左右に傾いた状態では、その分調節
ダイヤルを操作しなければならない等、ある程度の熟練
が要求される傾向にあった。又、切換スイッチを「手
動」にした場合では、上記公報では図示されていない
が、耕耘装置を左右傾動させる手動操作具が別途必要で
あり、操作機器が比較的複雑化するものでもあり、操作
をし易くするには改善の余地があるように思える。本発
明の目的は、各種ローリング作業を行うための必要操作
の簡単化、及び、操縦初心者でも戸惑うことなく所望の
制御状態を得ることができるローリング制御装置を提供
する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成のために
本発明は以下の手段を講じたものである。第1発明は、
走行機体の後部にリンク機構を介して対地作業装置をロ
ーリング可能に連結し、リンク機構における左右一対の
リフトロッドの一方をリフトロッドシリンダで構成する
とともに、機体の絶対的な左右傾斜姿勢を検出する傾斜
検出手段を備え、傾斜検出手段の検出結果に基づいてリ
フトロッドシリンダを伸縮駆動させて、走行機体の左右
傾斜姿勢の変化に拘らずに対地作業装置の絶対左右傾斜
姿勢を設定状態に維持する第1ローリング制御手段と、
傾斜検出手段の検出結果に基づいてリフトロッドシリン
ダを伸縮駆動させて、左右方向傾斜地での走行時におけ
る走行機体の左右傾斜姿勢の変化に拘らずに対地作業装
置を傾斜地基準のローリング姿勢に維持する第2ローリ
ング制御手段とを備え、これら両ローリング制御手段の
うちのいずれか一方を択一的に選択して実行させるモー
ド切換手段を備えるとともに、前記第2ローリング制御
手段は、前記傾斜検出手段の所定時間に亘る所定個数の
検出結果に基づいて実行されるものであることを特徴と
する。
【0006】第2発明は、走行機体の後部にリンク機構
を介して対地作業装置をローリング可能に連結し、リン
ク機構における左右一対のリフトロッドの一方をリフト
ロッドシリンダで構成するとともに、機体の絶対的な左
右傾斜姿勢を検出する傾斜検出手段を備え、傾斜検出手
段の検出結果に基づいてリフトロッドシリンダを伸縮駆
動させて、走行機体の左右傾斜姿勢の変化に拘らずに対
地作業装置の絶対左右傾斜姿勢を設定状態に維持する第
1ローリング制御手段と、傾斜検出手段の検出結果に基
づい てリフトロッドシリンダを伸縮駆動させて、左右方
向傾斜地での走行時における走行機体の左右傾斜姿勢の
変化に拘らずに対地作業装置を傾斜地基準のローリング
姿勢に維持する第2ローリング制御手段とを備え、これ
ら両ローリング制御手段のうちのいずれか一方を択一的
に選択して実行させるモード切換手段を備えるととも
に、 第2ローリング制御手段は、所定個数の検出結果の
平均値に基づいて実行されるものであることを特徴とす
る。
【0007】第3発明は、第1又は第2発明において、
傾斜検出手段で検出された左右傾斜姿勢に応じて制御基
準を補正する補正制御手段を備えてあることを特徴とす
る。
【0008】第4発明は、第3発明における補正制御手
段が、予め与えられたマップデータに基づいて制御基準
を補正するものであることを特徴とする。
【0009】第5発明は、第1〜第4発明において、対
地作業装置の左右傾斜姿勢を変更調節可能な操作具を備
え、モード切換手段によって第1ローリング制御手段が
選択された状態では、操作具の操作解除時点での対地作
業装置の姿勢を制御基準として第1ローリング制御手段
が実行されることを特徴とする。
【0010】第6発明は、第1〜第4発明において、対
地作業装置の左右傾斜姿勢を変更調節可能な操作具を備
え、モード切換手段によって第2ローリング制御手段が
選択された状態では、操作具の操作解除時点での対地作
業装置の姿勢を制御基準として第2ローリング制御手段
が実行されることを特徴とする。
【0011】第7発明は、第6発明において、第2ロー
リング制御手段を行うための新たな制御開始指令が与え
られると、前回の第2ローリング制御手段実行時におけ
る操作具の操作による制御基準の変更データが消去され
ことを特徴とする。
【0012】
【0013】
【作用】請求項1の構成では、モード切換手段の操作だ
けで、水田での水平制御といった対地ローリング制御手
段と、傾斜地での耕耘作業といった傾斜ローリング制御
手段との選択が行えるようになる。つまり、従来のもの
(前述した公報のもの)では、切換スイッチを操作した
だけでは、対地ローリング制御手段か傾斜ローリング制
御手段かが未だ決まらないものであるのに対して、本願
のものでは、単一の操作具操作で、ローリング制御の種
類を特定できるようになる。
【0014】また、所定時間の間における所定個数の傾
斜姿勢検出結果に基づいて傾斜ローリング制御が行われ
るから、制御基準のバラつきやハンチングが生じにくい
ようにしながらも、傾斜地面の変化に追従した制御基準
の設定が行えるようになる。
【0015】請求項2の構成では、所定個数の傾斜姿勢
検出結果の平均値を制御基準とするから、局部的な起伏
や凹凸の影響によるハンチングを少なくして安定的なロ
ーリング制御作動状態を得ることができる。
【0016】モード切換手段を操作して傾斜ローリング
制御手段を選択すると、傾斜地においても耕耘装置をそ
の傾斜に沿った対地平行に維持しての耕耘が行えるので
あるが、傾斜による重心移動によって左右車輪の沈下量
が異なり、機体の左右傾斜角度と実際の圃場傾斜角度が
一致せず、角度差が生じることが多い。そこで、請求項
の構成では、補正制御手段により、検出された左右傾
斜姿勢に応じて制御基準、すなわち角度差が自動的に補
正されるようになる。従って、操縦者の勘に頼ること無
く、実際の作業状態に適したより精度の高い傾斜地での
ローリング制御を行うことができる。
【0017】請求項4の構成では、予め傾斜角度に応じ
た補正値が定められたマップデータに基づいて、自動的
に角度差を補正して制御(補正制御手段)を行うもので
あり、実際に必要となる的確な角度補正が行えるように
なる。
【0018】請求項5の構成では、モード切換手段を操
作して対地ローリング制御手段を選択すれば、操作具の
操作で耕耘装置の目標となる左右傾斜姿勢を調節でき、
水田で耕耘装置を絶対水平姿勢に維持させる制御や、畦
際での地面傾斜に合わせて極僅かに耕耘装置を傾けた状
態を制御基準としての対地ローリング制御も行えるよう
になる。そして、操作具の操作解除時点の作業装置の姿
勢が基準になるものであるから、実際に目で見て適切と
思われる姿勢を確認しながら基準設定できるようにな
る。
【0019】請求項6の構成では、傾斜地が非常に軟弱
地盤である等により、前述した補正制御手段による制御
基準の補正がなされても、依然として傾斜下側の車輪が
沈下気味であるといった具合に、尚補正が必要な状況に
おける人為補正を加えることが可能になる。これによっ
てより緻密な傾斜地でのローリング制御を行うことがで
きるとともに、操作具の操作解除時点の作業装置の姿勢
が基準になるものであるから、実際に目で見て適切と思
われる姿勢を確認しながら基準設定できるようになる。
又、傾斜地面に平行ではなく、少し意図的に傾斜させた
いようなときにおいても、操作具を操作して目標制御基
準をずらすことで可能になる。
【0020】請求項7の構成によれば、以下の作用があ
る。すなわち、傾斜ローリング制御時に人為補正が行わ
れると、そのときの目標制御基準は補正制御手段による
補正値と人為補正値とが加わったものになっているの
で、その耕耘作業を終えた後の次の作業時に、その二重
の補正値が現出されると都合が悪い。そこで、メインキ
ーの操作やエンジンの再始動操作といった制御開始指令
が与えられると、つまりは耕耘作業が更新された状態で
は、補正制御手段の補正値が加わるのみの基本制御状態
に自動的に戻り、人為補正解除忘れによる不適合な状態
のままで制御が開始される不都合が未然に防止されるよ
うになる。
【0021】
【発明の効果】請求項1に記載のローリング制御装置で
は、平坦地に適した第1ローリング制御手段と左右傾斜
地に適した第2ローリング制御手段との選択を、操縦の
熟練未熟に関係なく操作簡単に行うことができ、かつ、
自動ローリング状態かマニュアル状態かの選択スイッチ
の省略によるコストダウンと操作の簡略化が図れた。
【0022】また、所定時間の間における所定個数の傾
斜姿勢検出結果に基づいて傾斜ローリング制御が行われ
るから、制御基準のバラつきやハンチングが生じにくい
ようにしながらも、傾斜地面の変化に追従した制御基準
の設定が行えるようになり、第2ローリング制御選択時
の制御精度を向上できる利点もある。
【0023】請求項2に記載のローリング制御装置で
は、所定個数の傾斜姿勢検出結果の平均値を制御基準と
するから、局部的な起伏や凹凸の影響によるハンチング
を少なくして安定的なローリング制御作動状態を得るこ
とができ、極端な検出結果の影響を少なくして、第2ロ
ーリング制御選択時の制御精度を向上できる利点があ
る。
【0024】請求項3に記載のローリング制御装置で
は、第2ローリング制御手段が選択されると、機体の左
右不等沈下等による目標姿勢の補正が自動的に行われ、
より精度良く傾斜値でのローリング制御が行える利点が
追加される。
【0025】請求項4に記載のローリング制御装置で
は、補正制御手段による目標姿勢の補正をより実情に沿
った的確な状態で行うことができる利点が追加される。
【0026】請求項5に記載のローリング制御装置で
は、第1ローリング制御手段における目標姿勢の微調節
や変更を操作簡単で任意に行える便利さが追加される。
【0027】請求項6に記載のローリング制御装置で
は、第2ローリング制御手段における目標姿勢の人為補
正や変更を操作簡単でありながら的確・任意に行える便
利さが追加される。
【0028】請求項7に記載のローリング制御装置で
は、左右傾斜地における傾斜角度の人為補正データが作
業の再開に伴ってリセットされ、補正制御手段のみが作
動する基本制御状態に自動的に戻るのであり、人為補正
操作の戻し忘れが解消される利点が追加される。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図4にトラクタの後部が示され、走行機体1の
後部に、リンク機構2及び昇降シリンダ4を介してロー
タリー耕耘装置3を駆動昇降自在に連結してある。リン
ク機構2は、昇降シリンダ4が連結された左右一対のリ
フトアーム5と、ロータリーフレーム6とを、左右のリ
フトロッド7,8で連結して構成されている。ロータリ
ーフレーム6は、前後向きのローリング軸心P周りでロ
ーリング自在に機体側のヒッチ9に連結されており、一
方のリフトロッド8を形成するリフトロッドシリンダ8
の伸縮動によって耕耘装置3を機体に対して駆動ローリ
ング自在に構成してある。
【0030】図4に示すように、耕耘装置3には、左右
軸心Xで上下揺動自在に本体カバー10の後端に枢着さ
れる後部カバー11、及びこの後部カバー11の上下揺
動量を検出するカバー角センサ12を備えるとともに、
リフトロッドシリンダ8の伸縮移動量を検出する直線ポ
テンショメータ式のストロークセンサ13を設けてあ
る。又、走行機体には、この走行機体自体の左右傾斜姿
勢を検出する傾斜センサ(機体傾斜検出手段に相当)1
4を設けてあるとともに、昇降シリンダ4の上方に配置
される運転シート15の側方には、コントロールボック
ス16が配置されている。
【0031】図1に示すように、このトラクタでは、耕
耘装置3の耕深を設定された目標耕深に維持するカバー
昇降制御手段A、耕耘装置3の左右傾斜姿勢を平坦地面
に対する所定姿勢に維持する第1ローリング制御手段
B、耕耘装置3の左右傾斜姿勢を傾斜地面に対する所定
姿勢に維持する第2ローリング制御手段C、ローリング
制御を切り、マニュアル操作で耕耘装置3の左右傾斜姿
勢を操作する手動ローリング操作手段Dの夫々を制御装
置23に備えている。又、図2に示すように、コントロ
ールボックス16には、目標耕深を設定する耕深設定ダ
イヤル17と、ローリング制御の種類を選択設定するロ
ーリング切換スイッチ18、及び、水平ボタン19、右
下ボタン20、左下ボタン21を備えたローリング角度
調節操作具22が装備されている。
【0032】先ず、カバー昇降制御手段Aは、耕耘装置
3を耕深設定ダイヤル17で設定された目標耕深に維持
するべく、カバー角センサ12の検出情報に基づいて昇
降シリンダ4の制御弁V1 を制御装置23で操作するも
のであり、自動(オート)耕深調節を行うものである。
尚、耕深設定ダイヤル17は耕深値の調節と、カバー昇
降制御手段Aの入切りを行う機能を有しており、図2に
示すように、耕深設定ダイヤル17を「深」位置よりも
さらに時計周り方向に回すことによって、自動耕深制御
が切れるように調節スイッチ17sを構成してある。
「深」位置から反時計周り方向では当然ながら自動耕深
制御は入りである。
【0033】第1ローリング制御手段Bは、ローリング
切換スイッチ18を介してモード切換手段18sを「水
田」位置に操作することで現出される。この「水田」モ
ードでは、機体が左右傾斜すると、それを打ち消す方向
に耕耘装置3をローリング動させることで、耕耘装置3
の左右傾斜姿勢が絶対水平となるように、制御装置23
がリフトロッドシリンダ8の制御弁V2 を操作するもの
である。つまり、ストロークセンサ13を設けたこと
で、リンク機構2の寸法設定等からリフトロッドシリン
ダ8の伸縮移動量が判ると耕耘装置3の機体に対する相
対傾斜角度が求まる機能が制御装置23に備わってい
る。従って、傾斜センサ14が機体の左右傾斜を検出す
ると、その逆方向に機体の傾斜角度と同角度だけ耕耘装
置3をローリング動させるようにリフトロッドシリンダ
8が駆動されるのであり、これによって耕耘装置3を水
平姿勢に維持する。
【0034】又、第1ローリング制御手段Bが選択され
た状態では、ローリング角度調節操作具(人為操作具R
aに相当)22の操作解除時点での耕耘装置3の姿勢を
制御基準として第1ローリング制御手段Bが実行される
ように、ローリング角度調節操作具22と第1ローリン
グ制御手段Bを連係する第1調節手段bを備えてある。
すなわち、第1ローリング制御手段Bが選択されると、
前述したように耕耘装置3の左右傾斜姿勢を水平に維持
するのであるが、畦際等で少し傾斜したような地面を耕
耘する場合では、その僅かな傾斜に合わせた傾斜姿勢に
耕耘装置3の姿勢を維持する制御が必要である。
【0035】しかして、このようなときには、図2に示
す右下ボタン20又は左下ボタン21を押すとその押し
続けている間はリフトロッドシリンダ8が低速で伸縮動
し、押し操作を解除すると、その解除時点で現出されて
いる耕耘装置3の左右傾斜姿勢が制御基準となるように
制御装置23が機能する。すなわち、押し操作によって
目標値自体を任意に変更設定できるのである。故に、耕
耘装置3を目で確認して、頃合の良い傾斜姿勢(畦際地
面の傾斜と耕耘装置3の傾斜が合致した状態)になった
ところで押し操作を解除すれば、その傾斜姿勢が新たな
制御基準となって対地ローリング制御が行われるのであ
る。そして、右下ボタン20又は左下ボタン21が操作
された後で水平ボタン19を押すと、絶対水平姿勢を制
御基準とする基本の状態に戻すことができるように、制
御装置23が構成されている。
【0036】第2ローリング制御手段Cは、ローリング
切換スイッチ18を介してモード切換手段18sを「傾
斜」位置に操作することで現出される。この「傾斜」モ
ードでは、耕耘装置3の左右傾斜姿勢が機体の左右傾斜
姿勢に合致するように、傾斜センサ14の検出情報とス
トロークセンサ13の検出情報とに基づいてリフトロッ
ドシリンダ8を駆動するように制御弁V2 が制御され
る。そして、第2ローリング制御手段Cは、傾斜センサ
14の検出結果を所定時間(約5秒間)に亘って記憶す
る記憶手段24と、その記憶されたデータの平均値Sav
を演算する演算手段25とを備え、その演算された平均
値Savから、予め与えられたマップデータに基づいて、
傾斜センサ14による検出値の補正値Δsを求め、その
補正された新たな制御基準に基づいてリフトロッドシリ
ンダ8を駆動する補正制御手段aを備えて構成されてい
る。
【0037】補正制御手段aの作用を説明すると、図3
に示すように、左右傾斜地を走行する場合、重心移動に
よって傾斜下方側の車輪26が沈下し、地面の傾斜角度
Gに対して機体の実傾斜角度Lは幾分大きくなり、その
角度差L−Gは地面の傾斜角度によって機種毎でおおよ
そ決まる傾向にある。そこで、標準的な状態の圃場にお
ける地面の傾斜角度Gと角度差L−Gとの関係を、予め
マップデータとして制御装置23に与えておき、検出さ
れる機体の傾斜角度から補正値Δs(=L−G)を求
め、耕耘装置3の制御基準角度の補正を行うのである。
機体の検出角度Gは、所定時間のサンプリングによる平
均値を採用することで、制御の信頼性を高めてある。
【0038】つまり、先ず、所定時間の傾斜地走行によ
る平均傾斜角度を求め、その信頼性の向上した傾斜角度
から、予め傾斜角度に応じた補正値が定められたマップ
データに基づいて、自動的に角度差を補正して制御(補
正制御手段)を行うようになるのであり、操縦者の勘に
頼ること無く、実際の作業状態に適したより精度の高い
傾斜地でのローリング制御を行うことができる。
【0039】又、第2ローリング制御手段Cが選択され
た状態で、ローリング角度調節操作具(人為操作具Rb
に相当)22の操作解除時点での耕耘装置3の姿勢を制
御基準として第2ローリング制御手段Cが実行されるよ
うに、ローリング角度調節操作具22と第2ローリング
制御手段Cとを連係する第2調節手段cを備えてある。
すなわち、前述したように、左右傾斜地では機体の沈下
を見越した角度補正が自動的に行われるのであるが、傾
斜地盤が標準以上に柔らかい又は硬いと、自動補正が行
われても、尚、角度補正の必要が生じる。
【0040】そのようなときには、第1ローリング制御
手段の場合と同様に、図2に示す右下ボタン20又は左
下ボタン21を押すとその押し続けている間はリフトロ
ッドシリンダ8が低速で伸縮動し、押し操作を解除する
と、その解除時点で現出されている耕耘装置3の左右傾
斜姿勢が制御基準となるように制御装置23が機能す
る。すなわち、押し操作によって目標値自体を任意に変
更設定できるのである。故に、耕耘装置3を目で確認し
て、実際の傾斜地の状況に応じた傾斜に耕耘装置3の姿
勢が合ったときに押し操作を解除すれば、その傾斜姿勢
が新たな制御基準となって第2ローリング制御が行われ
るのである。そして、右下ボタン20又は左下ボタン2
1が操作された後で水平ボタン19を押すと、この場合
は補正制御手段aによる角度補正のみが行われた基本状
態に戻るように制御装置23が構成されている。
【0041】そして、手動ローリング操作手段Dは、ロ
ーリング切換スイッチ18を「切り」位置に操作するこ
とで現出される。この「切り」モードでは、自動ローリ
ング制御は行われず、トラクタ3の左右姿勢は固定状態
になる。そして、この状態で水平ボタン19を押すと耕
耘装置3が機体と平行な姿勢(水平姿勢でも良い)に操
作され、右下ボタン20又は左下ボタン21を押すと、
リフトロッドシリンダ8が低速で伸縮駆動され、その押
している間は耕耘装置3を右又は左に傾けるのであり、
所謂マニュアル的操作が行えるようになっている。
【0042】又、このトラクタには、第2ローリング制
御における人為補正状態を、メインキー27の入り操作
によって解除する「デフォルト機能」が付加されてい
る。すなわち、第2ローリング制御手段Cを、右下ボタ
ン20又は左下ボタン21を操作して人為補正を加えた
状態のまま作業終了し、機体を止めたとする。そして、
再始動するべくメインキー27を入り操作すると、その
時点で前回の人為補正データが消去されるのであり、そ
の後に第2ローリング制御手段Bを選択した場合には、
人為補正が加えられていない基本制御状態に戻っている
のである。例えば、ローリング切換スイッチ(制御開始
手段28に相当)18を一旦「傾斜」位置以外に操作す
れば、上記デフォルト機能が生じるようにしておくもの
でも良い。又、デフォルト専用の操作具を設けても良
い。
【0043】つまり、第2調節手段cの作動終了後にお
いて新たに制御開始指令(メインキー27の入り操作
等)が与えられたときには、補正制御手段aのみによっ
て求められる制御基準に基づいて第2ローリング制御手
段Bが実行されるように、制御開始手段28であるメイ
ンキー27と補正制御手段aと第2調節手段cとが連係
されている。
【0044】又、ローリング角度調節操作具22を利用
することで、微調節モードと自己診断診モードが行える
ようにしてある。すなわち、右下ボタン20を押しなが
らメインキー27を入り操作すると自己診断モードが、
左下ボタン21を押しながらメインキー27を入り操作
すると微調節モードが夫々現出されるように回路構成し
てある。自己診断モードでは、例えば、リフトアーム5
を上限まで上昇させたときの理論値が記憶されており、
実際にリフトアーム5を上限まで上昇させたときの値と
理論値との差が小であれば正常であると見なし、大であ
るとセンサー異常や断線といった何らかの異常箇所があ
ると見なす自己診断プログラムが機能する。そして、微
調節モードは制御の初期設定を行うものであり、これら
両モード機能はユーザーが行うのではなく、工場出荷時
にメーカー又はディーラー側で行うものである。又、リ
ンク機構2の手動操作モードを、例えば配線途中のコネ
クタの連結又は外しによって切換るように構成しても良
い。
【0045】尚、第2ローリング制御手段Cにおける記
憶手段24が、傾斜センサ14の検出結果を所定時間
(約5秒間)に亘って記憶することは、請求項1におけ
る「所定個数」と、かつ、請求項2における「所定時間
に亘る所定個数の検出結果」という夫々の内容を包含し
たものである。
【0046】〔別実施例〕 本実施例では、第1ローリング制御手段Bと第2ローリ
ング制御手段C夫々の調節操作具Ra,Rbをローリン
グ調節操作具22で兼用してあるが、夫々専用のスイッ
チを設ける構造でも良い。
【0047】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローリング制御のブロック図
【図2】コントロールボックスの平面図
【図3】傾斜地でのトラクタの背面図
【図4】トラクタ後部の側面図
【符号の説明】
2 リンク機構 3 耕耘装置 8 傾動用アクチュエータ 14 機体傾斜検出手段 18s モード切換手段 B 第1ローリング制御手段 C 第2ローリング制御手段 a 補正制御手段 Ra 操作具 Rb 操作具
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−21304(JP,A) 特開 平2−245103(JP,A) 実開 昭61−95210(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01B 63/10 G05D 1/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体の後部にリンク機構(2)を介
    して対地作業装置(3)をローリング可能に連結し、前
    記リンク機構(2)における左右一対のリフトロッドの
    一方をリフトロッドシリンダ(8)で構成するととも
    に、前記機体の絶対的な左右傾斜姿勢を検出する傾斜検
    出手段(14)を備え、 前記傾斜検出手段(14)の所定個数の検出結果に基づ
    いて前記リフトロッドシリンダ(8)を伸縮駆動させ
    て、走行機体の左右傾斜姿勢の変化に拘らずに前記対地
    作業装置(3)の絶対左右傾斜姿勢を設定状態に維持す
    る第1ローリング制御手段(B)と、 前記傾斜検出手段(14)の検出結果に基づいて前記リ
    フトロッドシリンダ(8)を伸縮駆動させて、左右方向
    傾斜地での走行時における走行機体の左右傾斜姿勢の変
    化に拘らずに前記対地作業装置(3)を傾斜地基準のロ
    ーリング姿勢に維持する第2ローリング制御手段(C)
    とを備え、 これら両ローリング制御手段(B),(C)のうちのい
    ずれか一方を択一的に選択して実行させるモード切換手
    段(18s)を備えるとともに、 前記第2ローリング制御手段(C)は、前記傾斜検出手
    段(14)の所定時間に亘る所定個数の検出結果に基づ
    いて実行されるものである トラクタのローリング制御装
    置。
  2. 【請求項2】 走行機体の後部にリンク機構(2)を介
    して対地作業装置(3)をローリング可能に連結し、前
    記リンク機構(2)における左右一対のリフトロッドの
    一方をリフトロッドシリンダ(8)で構成するととも
    に、前記機体の絶対的な左右傾斜姿勢を検出する傾斜検
    出手段(14)を備え、 前記傾斜検出手段(14)の所定個数の検出結果に基づ
    いて前記リフトロッドシリンダ(8)を伸縮駆動させ
    て、走行機体の左右傾斜姿勢の変化に拘らずに前記対地
    作業装置(3)の絶対左右傾斜姿勢を設定状態に維持す
    る第1ローリング制御手段(B)と、 前記傾斜検出手段(14)の検出結果に基づいて前記リ
    フトロッドシリンダ(8)を伸縮駆動させて、左右方向
    傾斜地での走行時における走行機体の左右傾斜姿勢の変
    化に拘らずに前記対地作業装置(3)を傾斜地基準のロ
    ーリング姿勢に維持する第2ローリング制御手段(C)
    とを備え、 これら両ローリング制御手段(B),(C)のうちのい
    ずれか一方を択一的に選択して実行させるモード切換手
    段(18s)を備えるとともに、 前記第2ローリング制御手段(C)は、前記傾斜検出手
    段(14)の所定個数の検出結果の平均値に基づいて実
    行されるものである トラクタのローリング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記傾斜検出手段(14)で検出された
    左右傾斜姿勢に応じて制御基準を補正する補正制御手段
    (a)を備えてある請求項1または2記載のトラクタの
    ローリング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記補正制御手段(a)は、予め与えら
    れたマップデータに基づいて制御基準を補正するもので
    ある請求項3記載のトラクタのローリング制御装置。
  5. 【請求項5】 前記対地作業装置(3)の左右傾斜姿勢
    を変更調節可能な操作具(Ra)を備え、前記モード切
    換手段(18s)によって前記第1ローリング制御手段
    (B)が選択された状態では、前記操作具(Ra)の操
    作解除時点での前記対地作業装置(3)の姿勢を制御基
    準として前記第1ローリング制御手段(B)が実行され
    るものである請求項1〜4のいずれか一つに記載のトラ
    クタのローリング制御装置。
  6. 【請求項6】 前記対地作業装置(3)の左右傾斜姿勢
    を変更調節可能な操作具(Rb)を備え、前記モード切
    換手段(18s)によって前記第2ローリング制御手段
    (C)が選択された状態では、前記操作具(Rb)の操
    作解除時点での前記対地作業装置(3)の姿勢を制御基
    準として前記第2ローリング制御手段(C)が実行され
    るものである請求項1〜4のいずれか一つに記載のトラ
    クタのローリング制御装置。
  7. 【請求項7】 前記第2ローリング制御手段(C)を行
    うための新たな制御開始指令が与えられると、前回の前
    記第2ローリング制御手段(C)実行時における前記操
    作具(Rb)の操作による制御基準の変更データが消去
    されるものである請求項6記載のトラクタのローリング
    制御装置。
JP04941595A 1995-03-09 1995-03-09 トラクタのローリング制御装置 Expired - Lifetime JP3236466B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04941595A JP3236466B2 (ja) 1995-03-09 1995-03-09 トラクタのローリング制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04941595A JP3236466B2 (ja) 1995-03-09 1995-03-09 トラクタのローリング制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08242610A JPH08242610A (ja) 1996-09-24
JP3236466B2 true JP3236466B2 (ja) 2001-12-10

Family

ID=12830444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04941595A Expired - Lifetime JP3236466B2 (ja) 1995-03-09 1995-03-09 トラクタのローリング制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3236466B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08242610A (ja) 1996-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7121355B2 (en) Bulldozer autograding system
JP3236466B2 (ja) トラクタのローリング制御装置
JPH03198701A (ja) 対地作業機のローリング制御装置
US20210087777A1 (en) Work implement linkage system having automated features for a work vehicle
JP3591930B2 (ja) トラクタのローリング制御装置
JP3173988B2 (ja) 作業車のローリング制御装置
JP3519798B2 (ja) 作業車の自動変速構造
JP3523987B2 (ja) 移動農機の作業高さ制御装置
JP3173989B2 (ja) 作業車のローリング制御装置
JP3659034B2 (ja) 苗移植機
JPS63126403A (ja) トラクタ−作業機の自動制御装置
JP2002253004A (ja) 作業機のローリング制御装置
JPS646004Y2 (ja)
JP3849561B2 (ja) 動力農機のローリング制御装置
JP3220334B2 (ja) 農用トラクタの作業装置に対するローリング制御装置
JP3236340B2 (ja) ロータリー耕耘装置の昇降制御装置
JPH07241102A (ja) 農用トラクタの作業機姿勢制御装置
JP3916555B2 (ja) 農作業機のローリング制御装置
JP2559714B2 (ja) トラクタ
JP2510032B2 (ja) 作業機の昇降制御装置
JPH11192004A (ja) トラクタの耕深自動制御装置
JPH08214610A (ja) 耕耘装置の昇降制御感度切換装置
JP2899479B2 (ja) 耕耘装置の昇降制御装置
JP4594922B2 (ja) 農作業機のローリング制御装置
JPH08172809A (ja) 作業用走行車の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090928

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090928

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140928

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term