JP3236392B2 - ベタインの製造方法 - Google Patents

ベタインの製造方法

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JP3236392B2 JP03499793A JP3499793A JP3236392B2 JP 3236392 B2 JP3236392 B2 JP 3236392B2 JP 03499793 A JP03499793 A JP 03499793A JP 3499793 A JP3499793 A JP 3499793A JP 3236392 B2 JP3236392 B2 JP 3236392B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式:
【0002】
【化3】
【0003】[式中、R1COは、6〜18個の炭素原
子を有する脂肪酸又は脂肪酸混合物から誘導されるアシ
ル基であり、R2及びR3は、同じか又は異なっており、
1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、x=2
又は3、及びy=1,2又は3である]のベタインを、
一般式:
【0004】
【化4】
【0005】の脂肪酸アミドジアルキルアミンを式:X
−(CH2)yCOOH(その際、Xはハロゲン基であ
る)のω−ハロゲンアルキルカルボン酸又はその塩で水
溶液中で第四級化することにより製造する方法に関す
る。
【0006】本発明は、特に、有機結合した塩素不含、
特にモノ−又はジクロル酢酸ナトリウム不含のベタイン
の製造を可能にする方法に関する。
【0007】カルボン酸R1COOHとしては、特に飽
和及び不飽和脂肪酸を使用することができ、その際、脂
肪酸、特にココス脂肪酸及びシュロの核実の脂肪酸の混
合物も使用することができる。
【0008】ベタインは、大体においてボディーシャン
プーの製造、特にヘアシャンプーの製造に使用される。
従って、皮膚刺激の原因となりうる又はその他の生理学
的理由から望ましくない不純物を含有しないベタインを
製造するための努力がなされている。
【0009】
【従来の技術】ドイツ国特許第2926479号明細書
には、第四級化を全反応工程にわたり、98℃で測定し
たpH値7.5〜10.5を有するアルカリ溶液中で実
施することを特徴とする上記分野の方法が記載されてい
る。
【0010】第四級化反応においてpH値を維持するこ
とにより、約3時間の反応時間後に、薄膜クロマトグラ
フィーにより、脂肪酸アミドジアルキルアミンがもはや
検出されなくなることが達成される。その際、検出限界
は約0.02重量%である。該反応時間を8〜10時間
に延長すると、反応生成物中の有機結合した塩素の含量
も減少する。しかしながら、分析方法を洗練させると、
該条件下でも得られたベタイン中になお有機結合した塩
素、特にジクロル酢酸ナトリウムを有する化合物の残留
含量が含有されていることが判明した。10.5より高
いpH値を使用しても、クロル酢酸の残留成分を不十分
な量で減少させるにすぎない。更に、経済的理由から認
容されない過度に長い反応時間が必要だったはずであ
る。更に特にアミド結合の加水分解に起因して、出発物
質及び生成するベタイン分解が増大する危険性が生じ
る。pH値が10.5より高い場合には、生成物の分解
も覚悟しなければならない。
【0011】ドイツ国特許出願公開第3939264号
明細書は、両性又は双生イオン界面活性剤の水溶液中の
遊離アルキル化剤の残留含量を低下させる方法に関し、
該方法は該溶液をアンモニア、2〜8個の炭素原子を有
するアミノ酸又はオリゴペプチドで後処理することを特
徴とする。該後処理により、遊離アルキル化剤、特にク
ロル酢酸の残留含量は(固体含量に対して)0.01重
量%未満の値に減少する。しかしながら該方法の本質的
な欠点は、付加的な処理工程を必要とすることにある。
もう1つの欠点は、アルキル化剤とアンモニア、アミノ
酸又はオリゴペプチドとの反応生成物が工程生成物中に
不純物として残留することで認識される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、不純
物不含の、特に有機結合した塩素を有する化合物、例え
ばモノ−又はジクロル酢酸ナトリウム不含のベタインの
製造方法を提供することであった。その際、できる限り
別の付加的な処理工程を回避すべきであった。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明によ
り、115〜180℃の温度範囲内で、有機結合した塩
素がもはや検出できなくなるまで反応を実施し、場合に
より第1工程で80〜100℃で脂肪酸アミドジアルキ
ルアミンを部分的に又は完全に第四級化することにより
驚異的にも解決される。
【0014】該反応を120〜160℃の温度で、特に
120〜140℃の温度で実施するのが有利である。有
機結合した塩素がもはや検出できなくなるまでの反応時
間は、温度に依存して約1〜10時間である。
【0015】まず、前反応で、80〜100℃で脂肪酸
アミドジアルキルアミンを部分的に又は完全に第四級化
し、これに続いて初めて、115℃以上に高めた温度
で、有機結合した塩素の分解を行うのが場合により有利
である。高温では、第四級化反応と有機結合した塩素の
分解反応が競合して進行するので、1工程反応法では、
化学量論的な量を越えたハロゲンアルキルカルボン酸を
使用しなければならない。しかしながら、第四級化反応
をすでに第1工程で80〜100℃の温度で部分的に又
は完全に実施すれば、該反応を、化学量論的な量で又は
僅かな過剰にすぎないハロゲンアルキルカルボン酸で実
施することも可能である。
【0016】選択した温度を考慮して、閉じた系、例え
ば適当に設計した撹拌オートクレーブ中で作業する必要
がある。
【0017】温度範囲の下限115℃は、ジクロル酢酸
ナトリウムの分解の開始により与えられる。該温度より
低い場合には、分解は進行しないか、又は経済的に実施
すべき方法としては認容できない時間内で進行する。
【0018】温度範囲の上限180℃は、方法生成物な
いしは反応体の分解の開始により与えられる。
【0019】本発明による方法で、ベタイン溶液のモノ
クロル酢酸ナトリウム及びジクロル酢酸ナトリウムの含
量を、10ppm未満のそれぞれの検出限界より低く下
げることが達成される。
【0020】本発明による方法は、有機塩素化合物を分
解するための物質に、該物質を不純化する反応薬を加え
る必要がないという利点を有する。
【0021】ドイツ国特許出願公開第2723120号
明細書には、確かに実施例に、120〜130℃での適
当なジメチルアルキルアミンを反応させることによる、
式:
【0022】
【化5】
【0023】の化合物の製造が記載されている。該生成
物の塩素含量は11.5%であると記載されているの
で、この実施例から該方法を、脂肪酸アミドジアルキル
アミンから誘導され、しかもアミド結合の加水分解的分
解の危険性の恐れがあるベタインに転用することは、当
業者には想到されなかったことである。
【0024】
【実施例】以下の例において、例えばドイツ国特許第2
926479号明細書により示された従来技術の方法と
比較して、本発明による方法をより詳細に説明する。
【0025】以下の例には、脂肪酸アミドとして、ココ
ス脂肪酸を3−N,N−ジメチルアミノプロピルアミン
でアミド化することにより製造し、滴定により測定され
たN4.6重量%の第三級窒素の含量を有するココス脂
肪酸アミノアミドを使用した。滴定は、0.1M塩酸で
行った。指示薬としては、ブロムフェノールブルーを使
用した。ジクロル酢酸ナトリウム約0.1重量%を不純
物として含有するモノクロル酢酸ナトリウムとしては、
市販の品質の製剤を使用した。
【0026】1.ドイツ国特許第2926479号明細
書に相当する本発明によらないベタインの製造 1.1. ココス脂肪酸アミノアミド360gを、水8
28g中モノクロル酢酸ナトリウム128g(1.1モ
ル)の溶液に加え、40%の苛性ソーダ水溶液5.3g
を加え、撹拌機を有する三ツ口フラスコ中で98℃に加
熱した。等間隔で試料を取り出し、次いでその試料のモ
ノクロル酢酸ナトリウム及びジクロル酢酸ナトリウムの
含量について、毛管電気計を用いて試験した。
【0027】8時間の反応時間後、モノクロル酢酸ナト
リウムの含量<10ppm及びジクロル酢酸ナトリウム
の含量 35ppmであった。
【0028】1.2. 撹拌オートクレーブ中、ココス
脂肪酸アミノアミド360gを水828g中モノクロル
酢酸ナトリウム139.7g(1.2モル)の溶液に加
え、40%の水性の苛性ソーダ溶液5.3gを加えた。
窒素で7バールの圧力に調整した。引続き、100℃に
加熱した。等間隔で試料を取り出し、そのモノクロル酢
酸ナトリウム及びジクロル酢酸ナトリウムの含量につい
て調査した。該反応は10時間後に終了した。該生成物
は、以下のデータによる特徴を示した。
【0029】 固体含量: 35 重量% 塩化ナトリウム含量: 5.5重量% ココス脂肪酸アミノアミド含量: 約0.1重量% モノクロル酢酸ナトリウム含量: 115 ppm ジクロル酢酸ナトリウム含量: 60 ppm 例1.2.は、圧力を上昇させることによっては、ベタ
イン中の有機結合した塩素の含量を減少させることがで
きないことを示している。モノクロル酢酸ナトリウム及
びジクロル酢酸ナトリウムの増大した含量は、例1.
1.に比べてモノクロル酢酸ナトリウム及びジクロル酢
酸ナトリウムの添加物の増大に起因する。
【0030】1.3. 例1.2.による方法を繰り返
したが、但し該例では110℃の反応温度を選択した、
その際、約1.5バールの圧力が生じた。該反応は10
時間後に終了した。該生成物は、以下のデータによる特
徴を示した。
【0031】 固体含量: 35 重量% 塩化ナトリウム含量: 5.5重量% ココス脂肪酸アミノアミド含量: 約0.1重量% モノクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm ジクロル酢酸ナトリウム含量: 35 ppm 例1.3.は、110℃の温度で及び例1.2.の反応
バッチの化学量論的量を維持すると、確かにモノクロル
酢酸ナトリウムの含量は10ppm未満に低下するが、
ジクロル酢酸ナトリウムの含量はなお35ppmである
ことを示している。
【0032】2. 本発明によるベタインの製造 2.1. ココス脂肪酸アミノアミド360gを水82
8g中モノクロル酢酸ナトリウム139.7g(1.2
モル)の溶液に加え、撹拌オートクレーブ中で120℃
に加熱した、その際、2バールの圧力が生じた。規則的
間隔で試料を取り出した。該反応は8時間後に終了し
た。該生成物は以下のデータによる特徴を示した。
【0033】 固体含量: 35 重量% 塩化ナトリウム含量: 5.5重量% ココス脂肪酸アミノアミド含量: 約0.1重量% モノクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm ジクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm 2.2. 例2.1.と同じ反応バッチを、撹拌オート
クレーブ中で140℃に加熱した、その際、約3.5バ
ールの圧力が生じた。該反応は4時間後に終了した。該
生成物は以下のデータによる特徴を示した。
【0034】 固体含量: 35 重量% 塩化ナトリウム含量: 5.5重量% ココス脂肪酸アミノアミド含量: 約0.1重量% モノクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm ジクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm 2.3. 例2.2.の方法を繰り返した。但し、該例
では苛性ソーダ溶液を加えずに実施した。該反応は8時
間後に終了した。該生成物は以下のデータによる特徴を
示している。
【0035】 固体含量: 35 重量% 塩化ナトリウム含量: 5.5重量% ココス脂肪酸アミノアミド含量: 約0.1重量% モノクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm ジクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm 2.4. 例2.2.の方法を繰り返したが、但し、該
例では反応混合物を撹拌オートクレーブ中で160℃に
加熱し、その際、約4.5バールの圧力が生じた。1時
間の反応時間後すでに、ジクロル酢酸ナトリウム含量は
10ppm未満に測定された。該反応は4時間後に終了
した。該生成物は、以下のデータによる特徴を示した。
【0036】 固体含量: 35 重量% 塩化ナトリウム含量: 5.5重量% ココス脂肪酸アミノアミド含量: 約0.1重量% モノクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm ジクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm 2.5. 例2.3.の方法を繰り返したが、但し、該
例では反応混合物を撹拌オートクレーブ中で180℃に
加熱し、その際、約8バールの圧力が生じた。1時間後
すでにジクロル酢酸ナトリウム含量は10ppm未満に
調整された。該反応は4時間後に終了した。生成物中、
1H−NMR−光学分析によりベタイン含量の約5重量
%の量の分解生成物が測定された。該生成物は、以下の
データによる特徴を示した。
【0037】 固体含量: 35 重量% 塩化ナトリウム含量: 5.5重量% ココス脂肪酸アミノアミド含量: 約0.1重量% モノクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm ジクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm 2.6. ココス脂肪酸アミノアミド360gを水82
8g中モノクロル酢酸ナトリウム122.2g(1.0
5モル)の溶液に加えた。該反応混合物を95℃に加熱
した。pH値は、40%の苛性ソーダ溶液を連続的に加
えることにより8.5〜9に維持した。規則的間隔で試
料を取り出し、その薄膜クロマトグラフィーで調査し
た。ココス脂肪酸アミノアミドがもはや検出できなくな
った後で、反応温度を140℃に上昇させ、3時間維持
した。引続き、反応が終了した。該生成物は以下のデー
タによる特徴を示した。
【0038】 固体含量: 35 重量% 塩化ナトリウム含量: 5.5重量% ココス脂肪酸アミノアミド含量: 約0.1重量% モノクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm ジクロル酢酸ナトリウム含量: <10 ppm 図1には、例1.2.により100℃、例1.3.によ
り110℃並びに例2.1.により120℃、例2.
2.により140℃、例2.3.により140℃での反
応の際のベタイン中のジクロル酢酸ナトリウムの濃度が
記載されている。図1から、本発明による方法で維持す
べき温度帯の下方の温度は、約115℃であることが読
み取れる。該温度より低いと、10ppm未満へのジク
ロル酢酸ナトリウムの含量の急激な低下は行われない。
同時に該反応温度に依存して、それぞれ選択した温度で
約2〜8時間の反応時間が生じる。例2.5.による分
解生成物については、本発明による方法の温度範囲の上
限として180℃の温度を採用したが、しかしながら、
上限は160℃の反応温度が有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による反応と本発明による反応実施例
による反応時間とジクロル酢酸濃度の関係を比較して示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリスティアン ヴァイテマイヤー ドイツ連邦共和国 エッセン 1 ズン デルンホルツ 67 (72)発明者 ハンス−ディーター ケーゼボルン ドイツ連邦共和国 エッセン 1 シュ ティフツブッシュ 17 (56)参考文献 特開 昭61−189254(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 231/12 C07C 233/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 [式中、 RCOは、6〜18個の炭素原子を有する脂肪酸又は
    脂肪酸混合物から誘導されるアシル基であり、 R及びRは、同じか又は異なっており、1〜4個の
    炭素原子を有するアルキル基を表し、 x=2又は3、及び y=1である]のベタインを、一般式: 【化2】 の脂肪酸アミドジアルキルアミンをクロル酢酸又はその
    塩で水溶液中で第四級化することにより製造する方法に
    おいて、該反応を115〜180℃の温度範囲内で、有
    機結合した塩素がもはや検出できなくなるまで実施する
    ことを特徴とするモノ−およびジクロル酢酸ならびにこ
    れらの塩不含のベタインの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記反応を120〜160℃の温度で実
    施する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記反応を120〜140℃の温度で実
    施する、請求項1記載の方法。
JP03499793A 1992-02-26 1993-02-24 ベタインの製造方法 Expired - Lifetime JP3236392B2 (ja)

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