JP3236313B2 - センサー駆動回路 - Google Patents

センサー駆動回路

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JP3236313B2 JP19702091A JP19702091A JP3236313B2 JP 3236313 B2 JP3236313 B2 JP 3236313B2 JP 19702091 A JP19702091 A JP 19702091A JP 19702091 A JP19702091 A JP 19702091A JP 3236313 B2 JP3236313 B2 JP 3236313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、感応物質の電気抵抗値が該感応
物質に吸脱着する感応対象物によって変化することを利
用したセンサーの駆動回路に関し、例えば、ガスセンサ
ー、温度センサー、湿度センサー、アルコールセンサー
等に応用可能なものである。
【0002】
【従来技術】図6は、従来のセンサー駆動回路の一例を
説明するための図で、図中、10は定電流源、11は金
属酸化物半導体等から成る感応物質、20は電熱器用の
定電圧電源、21は該定電圧電源20より一定電圧が供
給される電熱器であり、周知のように、電熱器21を定
電圧源20にて所定温度に加熱するとともに、感応物質
11に定電流源10より一定電流を流しておくと、感応
物質11の電気抵抗が、感応対象物である、例えば、ガ
ス、湿度、アルコール等の脱着によって変化するので、
この感応物質の両端間の電圧Vsを検出して感応対象物
の存在あるいはその量を検出することができる。
【0003】感応物質I側の一方の電源端子A点と電熱
器II側の一方の電源端子B点を共通にしたもので、この
ようにすると、感応物質I側の電源と電熱器II側の電源
とを共通にして、単一の電源30を使用することができ
る。
【0004】図6に示した従来例は、感応物質11が電
熱器21と近接させて配設されている例であるが、他方
電気的に短絡するようにして、図7,図8に示すよう
に、感応物質11が電熱器21の上にも直接接触させて
熱伝導効率を向上させるようにすることも行われてい
る。図8の回路で説明すると、空気中でのセンサー出力
電圧VSはその値が小さく(すなわち、感応物質11の
抵抗値RSが小さく)、所定のガス濃度、例えば、ガス
漏れ警報器として検出しなければならないために必要
な、0.4%濃度のイソブタンガス中においても空気中
と大差ない値しか得ることができなかった。なお、前記
感応物質抵抗値RSは、 抵抗値RS=センサー出力電圧VS/定電流回路の電流値
S で決まる。
【0005】而して、上記従来のガス検出回路では、感
応対象物質の吸脱着現象に応じた変化をする前記感応対
象物質の抵抗値変化が小さいため、増幅回路を用いる
が、単純な増幅回路では回路素子自体の温度特性や精度
の誤差によりセンサーの状態を正確に伝えることが出来
なくなる。そのため、増幅回路は精度の高いものを使用
することが望ましいが、回路が複雑になりコストも高く
なる。
【0006】
【目的】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされた
もので、特に、センサーからの出力電圧を大きくするこ
とにより、複雑かつ高精度の増幅回路を用いる必要をな
くし、コストが安く、しかも精度の高いガス検出装置等
を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【構成】本発明は、上記目的を達成するために、電熱器
と該電熱器に一定電圧もしくは一定電流を印加する第一
の電源部である定電圧源もしくは定電流源と、前記電熱
と電気的な結合状態を有するように近接して配設され
た感応物質と、該感応物質に一定電流を印加する第二の
電源部である定電流源とから成り、前記第一の電源部の
一端と前記第二の電源部の一端とが電源が流れる下流側
において電気的に接続され、且つ、前記感応物質を前記
電熱器にて所定温度に加熱して前記感応物質の抵抗を感
応対象物の吸脱着現象に応じて変化させるようにしたセ
ンサー駆動回路において、前記感応物質の前記下流側
直列にバイアス電圧発生素子を有せしめることにより、
前記電熱器の前記下流側の電位よりも前記感応物質の前
記下流側の電位を高く設定させることを特徴としたもの
である。以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
【0008】図1、図2はそれぞれ、本発明によるセン
サー駆動回路の実施例を説明するための図で、図中、図
6〜図8に示した従来回路と同様の作用をする部分に
は、図6〜図8と同一の参照番号が付してある。而し
て、図1に示す実施例においては、電熱器21と電気的
な結合状態を有するように近接して配設された感応物質
11に印加する電源の一端と、電熱器21に印加する電
源の一端とが電源が流れる下流側において電気的に接続
されていること、及び、感応物質11の前記下流側に
列にバイアス電圧発生素子(例えば、抵抗器、ダイオー
ド、トランジスタ、交流電源を使用した場合にはコイル
など)12が設けられている点に特徴を有する。また、
図2に示す実施例においては、図1に示す実施例と異な
り、両者の電源の一端同士が接続されずに、互に分離さ
れている例を示すものであり、かかる場合においては
応物質I側の回路部全体の電位を、電熱器II側の回路部
の電位よりも高く設定させるべく、前者の回路部全体と
後者の回路部全体とを、図示していないバイアス電圧発
生素子を用いて接続している。感応物質11は、例え
ば、感応対象物がガスである場合、Fe23、Sn
2、Al23、TiO2、ZnO等の金属酸化物半導体
から成り、熱容量を小さくすべく微小薄膜状に形成され
ており、前記電熱器21により300〜450℃に加熱
されると、ガスに対して吸着・離脱の作用を行う。従っ
て、ガス感応物質11の抵抗値は、雰囲気中にガスが存
在する場合は、ガス分子を吸着して小さくなり、ガスが
なくなるとガス分子を離脱させて大きくなる。而して、
本発明は、上述のごとき従来のセンサー駆動回路におい
て、感応物質11に対してバイアス電圧VBを加えて、
電熱器21よりも感応物質11の電位を高く設定させ
ことにより、空気中における該感応物質の抵抗値が増大
することを発見し、これを利用して感応物質11の出力
電圧の増大を図ったものである。すなわち、本出願人
は、これまで、ガス洩れ警報器や温湿度・アルコール検
出装置として、図6に示したセンサー駆動回路を用いて
センサーの特性評価を行ってきたが、今回、図1に示す
ような駆動回路での特性評価を行ったところ、センサー
出力電圧VSが異なる値を示し、特に、バイアス電圧VB
を増大させると更に大きなセンサー出力電圧VSを示す
ことを発見した。
【0009】図3は、図1の回路において、バイアス電
圧VBの大きさを、変化させた時の感応物質11の抵抗
値を示す実験結果図で、図中、Aは空気中、Bは20
℃、90%の温湿度雰囲気中、Cは0.4%のイソブタ
ンガス中の特性図で、曲線Aから、バイアス電圧VB
追加することによって、空気中でのVSが非常に大きく
なること(感応物質11の抵抗値RSが大きくなるこ
と)が解る。一方、所定のガス濃度(曲線C)において
は、VBの大きさに関係なくほぼ同じRSを示すことから
空気中とガス中の割合(ガス感度)は大きく、結果とし
センサー検出回路での信号処理が容易かつ簡単にな
り、信頼性の高いものとなる。そして、温湿度の影響
(曲線B)においても多少の影響を受けるが(温湿度の
影響があっても、ガス検出にはLの余裕がある)、信号
処理レベルのしきい値を、その影響以下に容易に設定す
ることができるので、バイアス電圧VBの効果は大き
い。なお、VB=0(V)の時は、従来技術と同様で図
6の場合に相当し、それぞれの雰囲気において、あまり
選択性を示していない。
【0010】図3は、図1の回路において、電熱器21
の両端にVH=1.20(V)の電圧を印加した場合の例
を示したが、図4には、この電圧VHを変えた場合の特
性を示し、曲線A,B,Cは空気中の特性を示し、Aは
H=1.20(V)、BはVH=1.0(V)、CはVH
=0.8(V)に設定した場合の感応物質抵抗値RSの特
性を示す。図4から明らかなように、バイアス電圧VB
を変えていくと、感応物質抵抗値RSが急激に増大して
平衡状態になり、平衡状態になる時のVB 、電熱器の
電圧VH を超えた場合であることが分る。図1に示し
た実施例では、感応物質11が微細構造であり、かつ
電熱器21と電気的な結合状態を有する程近接している
ため、電熱器の設定電圧の影響を感応物質が受けて、V
H>VBの時、空気中における S 値が小さい。ところ
が、VH<VBの時、空気中における S 値が大きくな
る。図1の実施例では回路の一端が共通になっている
が、感応物質11側の電位が、電熱器21側の電位より
も高い状態に設定させているため、そのような電位の影
響が出る。図7の従来技術においては、電源部が二つに
分離されていても感応物質と電熱器が電気的に短絡され
ているが、図2に示した実施例では、感応物質と電熱器
とが電気的に結合状態を有する程近接させて配設されて
て、かつ、感応物質I側の回路部全体の電位を電熱器
II側の回路部全体の電位よりも高く設定させ、かつ、電
熱器側の電圧値よりも高い電位差となるように設定すれ
ば、図1の実施例におけるH<VBとほぼ同様な特性を
し、この場合、図1の実施例における前記バイアス電
圧発生素子は不である。ここで二つの分離された電源
部を構成する場合、AC100(V)から引込むと分離
電源は大変複雑になり容易でないが、個別の電池により
電源回路を作る方法はなお一層簡単で都合良い。さら
に、図には示さないが、電熱器の駆動回路が定電圧源に
よらず定電流源でも良い。感応物質およびバイアス電圧
発生素子には、定電流源によらず定電圧源でも可能であ
り、VH,VBの大小関係において、センサー出力電圧V
Sは前記図1の実施例と同様の特性を示す。なお、図4
でVBがVH<VBの領域でVH=0.8(V)および1.0
(V)での空気中の場合におけるSがVH=1.20
(V)よりかなり小さくなるのは、図5に示すように、
金属酸化物半導体を用いたセンサー特有の典型的な性質
であって、上述の説明に矛盾はない。なお、図5におい
て、曲線A,Bは空気中、Cはガス中の特性を示す。
【0011】また、図4は、空気中(曲線A,B,C)
及び0.4%イソブタンガス中(曲線a,b,c)にお
けるバイアス電圧VBと感応物質抵抗値RSの特性をも示
す図で、同図において、電熱器電圧VHを1.20(V)
に設定すると感度を充分大きく取ることができるが、V
Hを小さくしていくに従い、感度が小さくなることがわ
かる。ここでVHが0.8(V)程度であるとかなり選別
が難しくなる
【0012】
【効果】電熱器と電気的な結合状態を有する程近接して
配設された感応物質を有し、該感応物質の下流側の電位
を電熱器側の電位よりも高く設定させることにより、空
気中における感応物質の抵抗値を対象感応物中における
場合と大き変えることができるので、検出感度を高め
ることが出来、而して感応物質の抵抗値の大きさを一定
の範囲内であれば任意に設定することが出来、従って、
辺回で容易に処理でき、その結果、回路の簡素化
を図ることができ、また、対象感応物に対する出精
を上げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を説明するための電気回路
図である。
【図2】 本発明の他の実施例を説明するための電気回
路図である。
【図3】 バイアス電圧と感応物質抵抗値との関係を、
雰囲気をパラメータとして求めた時の特性図である。
【図4】 バイアス電圧と感応物質抵抗値との関係を、
電熱器電圧をパラメータとして求めた時の特性図であ
る。
【図5】 電熱器へ印加した電圧VHによる感応物質抵
抗値RSの特性を示す図である。
【図6】 従来のセンサー駆動回路の一例を説明するた
めの電気回路図である。
【図7】 従来のセンサー駆動回路の他の例を説明する
ための電気回路図である。
【図8】 従来のセンサー駆動回路の他の例を説明する
ための電気回路図である。
【符号の説明】
10…定電流源、11…感応物質、12…バイアス電圧
発生素子、20…定電圧源、21…電熱器、30,30
1,302…電源。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電熱器と該電熱器に一定電圧もしくは一
    定電流を印加する第一の電源部である定電圧源もしくは
    定電流源と、前記電熱器と電気的な結合状態を有するよ
    うに近接して配設された感応物質と、該感応物質に一定
    電流を印加する第二の電源部である定電流源とから成
    り、前記第一の電源部の一端と前記第二の電源部の一端
    とが電源が流れる下流側において電気的に接続され、且
    つ、前記感応物質を前記電熱器にて所定温度に加熱して
    前記感応物質の抵抗を感応対象物の吸脱着現象に応じて
    変化させるようにしたセンサー駆動回路において、前記
    感応物質の前記下流側に直列にバイアス電圧発生素子を
    せしめることにより、前記電熱器の前記下流側の電位
    よりも前記感応物質の前記下流側の電位を高く設定させ
    ことを特徴とするセンサー駆動回路。
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