JP3235675B2 - 変性ブロック共重合体組成物 - Google Patents

変性ブロック共重合体組成物

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JP3235675B2
JP3235675B2 JP12543392A JP12543392A JP3235675B2 JP 3235675 B2 JP3235675 B2 JP 3235675B2 JP 12543392 A JP12543392 A JP 12543392A JP 12543392 A JP12543392 A JP 12543392A JP 3235675 B2 JP3235675 B2 JP 3235675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐油性、耐熱性及び高
温下のゴム弾性に優れた変性ブロック共重合体組成物に
関し、更に詳しくは水添ブロック共重合体に不飽和カル
ボン酸又はその誘導体を付加した変性水添ブロック共重
合体、または場合によりゴム用軟化剤を含有する該変性
水添ブロック共重合体に、ポリアミド樹脂を配合してな
る変性水添ブロック共重合体組成物を、特定の官能基を
有する化合物と加熱混練して得られる耐油性、耐熱性及
び高温下のゴム弾性に優れ、機械的強度も良好な動加硫
した変性ブロック共重合体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹
脂と同様な成形加工性を有する熱可塑性エラストマー
が、自動車部品、家電部品、雑貨等の分野で有用されて
いる。
【0003】なかでもスチレン−ブタジエンブロック共
重合体やスチレン−イソプレンブロック共重合体等のビ
ニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体
は、従来の加硫ゴムに近い弾性と感触を有しているた
め、加硫ゴムが使用されていた成形品素材として好適で
あるとの評価を得ている。
【0004】しかしながら、上記のビニル芳香族化合物
−共役ジエン化合物ブロック共重合体は、熱可塑性エラ
ストマーとしては、加硫ゴムに比べると、耐熱性、耐候
性、耐油性に劣るためその使用範囲に制限があった。
【0005】これらの欠点を改良したビニル芳香族化合
物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物
(以下、水添ブロック共重合体という)からなる熱可塑
性エラストマーは、耐候性、耐熱性に改良が認められて
いるものの、耐油性は従来と変わらず、耐熱性、高温下
のゴム弾性についてもいまだ不充分なものであった。
【0006】一方、近年ポリアミド樹脂の樹脂としての
機械的物性の改良を目的として、極性基を有する官能基
変性ポリマーをブレンドし、ポリアミド樹脂を改質しよ
うとする試みが、数多くなされており、例えば特開昭5
8−7443号公報、特開昭58−40350号公報に
は、ポリアミド樹脂とカルボン酸変性した水添ブロック
共重合体とを溶融混練し、耐衝撃性を改良した樹脂組成
物が開示されている。また特開昭60−181160号
公報には、ポリアミド樹脂とカルボン酸変性したエチレ
ン−プロピレン共重合体及び官能基を有する化合物とを
溶融混練し、圧縮強度や耐衝撃性を改良した樹脂組成物
が開示されているものの、上記水添ブロック共重合体の
エラストマーとしての問題点を改良するために、耐熱
性、耐油性に優れたポリアミド樹脂を少量ブレンドし、
水添ブロック共重合体を改質しようとする試みは、殆ど
なされていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、水添ブロ
ック共重合体の特徴を生かしながら、ポリアミド樹脂と
のブレンドにより、耐油性、ゴム弾性に優れる熱可塑性
エラストマー組成物はいまだ得られていない。
【0008】本発明は、水添ブロック共重合体の特徴を
生かし、かつ、ポリアミド樹脂と相溶させ、高度な耐熱
性、耐油性、高温下のゴム弾性を有し、成型加工性にも
優れた極めて有用な熱可塑性エラストマー組成物を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
かかる現状に鑑み、鋭意検討した結果、変性水添ブロッ
ク共重合体と熱可塑性樹脂を加熱溶融混練下に特定の官
能基を有する化合物を用いて動加硫することにより、耐
油性、耐熱性、高温下のゴム弾性について、驚くべき性
能が発現し、機械的強度も良好な、性能バランスに優れ
る極めて有用な熱可塑性エラストマー組成物を得た。す
なわち、本発明は、 a)ポリアミド樹脂100重量部、 b)ビニル芳香族化合物を50重量%を超えて含有する
少なくとも1個のビニル芳香族化合物重合体ブロックA
と、共役ジエン化合物を50重量%を超えて含有する
なくとも1個の共役ジエン化合物重合体ブロックBとか
ら成るブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブ
ロック共重合体に不飽和カルボン酸又はその誘導体を付
加した変性水添ブロック共重合体と、場合により該ブロ
ック共重合体に添加するゴム用軟化剤の合計量が160
〜700重量部から成る変性水添ブロック共重合体組成
物100重量部あたり、 c)1分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネート基、
エポキシ基から選ばれた官能基を2個以上有する化合物
を0.1〜30重量部を配合し、加熱混練して得られる
動加硫した変性ブロック共重合体組成物であって、該組
成物の10%モジュラスが、20kg/cm2以下であ
る事を特徴とする変性ブロック共重合体組成物を提供す
るものである。
【0010】以下、本発明に関して詳しく説明する。
【0011】本発明でa)成分として用いられるポリア
ミド樹脂としては、ジカルボン酸成分として、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
ビス(パラ−カルボキシ)アルカン等、ジアミン成分と
して、例えばヘキサメチレンジアミン、パラ−アミノシ
クロヘキシルメタン、メタ−キシレンジアミン、1,4
−ビス(3−アミノプロポキシ)シクロヘキサン、トラ
ンスヘキサンヒドロ−パラ−フェニレンジアミン等、ア
ミノカルボン酸成分として、例えばα−ピロリドン、ω
−アミノカプロン酸、ε−カプロラクタム、ラウロラク
タム、アミノノナン酸、アミノエナント酸、11−アミ
ノウンデカン酸、パラアミノ安息香酸、4−アミノフェ
ニル−4−カルボキシフェニルエーテル等を用いて縮合
反応させて得た重合体および共重合体であり、例えば6
ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、46ナイロ
ン、612ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、6
6/610共重合ナイロン、6/66共重合ナイロン等
が挙げられる。
【0012】次に本発明でb)成分として用いられる変
性水添ブロック共重合体はビニル芳香族化合物を50重
量%を超えて含有する少なくとも1個のビニル芳香族化
合物重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を50重量
%を超えて含有する少なくとも1個の共役ジエン化合物
重合体ブロックBとから成るブロック共重合体を水素添
加し、この水添ブロック共重合体に、不飽和カルボン酸
又はその誘導体を付加した変性水添ブロック共重合体で
ある。すなわち、例えば、
【0013】
【化1】 等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合
物ブロック共重合体を水素添加し、該水添ブロック共重
合体に不飽和カルボン酸又はその誘導体を付加反応させ
ることにより製造したものである。
【0014】この水添ブロック共重合体は、ビニル芳香
族化合物を5〜60重量%、好ましくは10〜55重量
%含むものであり、さらにブロック構造について言及す
ると、ビニル芳香族化合物を50重量%を超えて含有す
るビニル芳香族化合物重合体ブロックAは、ビニル芳香
族化合物重合体ブロックまたは、ビニル芳香族化合物を
50重量%を越え好ましくは70重量%以上、さらに好
ましくは90重量%以上を含有するビニル芳香族化合物
と水素添加された共役ジエン化合物との共重合体ブロッ
クの構造を有しており、そしてさらに、水素添加された
共役ジエン化合物を50重量%を超えて含有する共役ジ
エン化合物重合体ブロックBは、水素添加された共役ジ
エン化合物重合体ブロック、または水素添加された共役
ジエン化合物を50重量%を越え好ましくは70重量%
以上含有する水素添加された共役ジエン化合物とビニル
芳香族化合物との共重合体ブロックの構造を有するもの
である。また、これらのビニル芳香族化合物を50重量
%を超えて含有するビニル芳香族化合物重合体ブロック
A、水素添加された共役ジエン化合物を50重量%を超
えて含有する共役ジエン化合物重合体ブロックBは、そ
れぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の水素添加さ
れた共役ジエン化合物またはビニル芳香族化合物の分布
がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分
が増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこ
れらの任意の組合せで成っていてもよく、該ビニル芳香
族化合物を50重量%を超えて含有するビニル芳香族化
合物重合体ブロックおよび該水素添加された共役ジエ
ン化合物を50重量%を超えて含有する共役ジエン化合
重合体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合は、各
重合体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、
異なる構造であってもよい。
【0015】水添ブロック共重合体を構成するビニル芳
香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3
ブチルスチレン、1,1’−ジフェニルエチレン等のう
ちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレン
が好ましい。また、水素添加された共役ジエン化合物を
構成する水添前の共役ジエン化合物としては、例えば、
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種ま
たは2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレン
およびこれらの組合せが好ましい。そして、水添される
前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは、
そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことがで
きるが、例えばポリブタジエンブロックにおいては、
1,2−ビニル結合量が10〜65%、好ましくは20
〜55%である。
【0016】また、上記した構造を有する本発明に供す
る水添ブロック共重合体の数平均分子量は5,000〜
1,000,000好ましくは10,000〜500,
000であり、本発明組成物の架橋効率と物性、及び加
工性とのバランスを保持する上からは30,000〜3
00,000が更に好ましい範囲であり、分子量分布
(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比(Mw/Mn)は10以下である。さらに水添ブロッ
ク共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状ある
いはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
【0017】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては上記した構造を有するものであればどのような製造
方法で得られるものであってもかまわない。例えば、特
公昭40−23798号公報に記載された方法により、
リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化
合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成し、次
いで、例えば特公昭42−8704号公報、、特公昭4
3−6636号公報に記載された方法、特に好ましくは
特公昭63−4841号公報及び、特公昭63−540
1号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素
添加触媒の存在下に水素添加して、本発明に供する水添
ブロック共重合体を合成することができる。その際、ビ
ニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体
の共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合は少なくと
も80%を水素添加せしめることが好ましい。水素添加
率が80%未満では、本発明で得られる組成物において
耐候性、耐熱性が十分とはいえない。
【0018】ビニル芳香族化合物を50重量%を超えて
含有するビニル芳香族化合物重合体ブロックA及び必要
に応じて共役ジエン化合物重合体ブロックBに共重合さ
れているビニル芳香族化合物に基づく芳香族二重結合の
水素添加率については特に制限はないが、水素添加率を
20%以下にするのが好ましい。
【0019】該水添ブロック共重合体中に含まれる未水
添の脂肪族二重結合の量は、赤外分光光度計、該磁気共
鳴装置等によって容易に知ることができる。
【0020】次いで、上記の水添ブロック共重合体に不
飽和カルボン酸またはその誘導体を溶液状態または溶融
状態において、ラジカル開始剤を使用、もしくは使用せ
ずして付加することにより、本発明で用いる変性水添ブ
ロック共重合体が得られる。かかる付加変性を用いるこ
とができる水添ブロック共重合体は、前記に規定したも
のであればいずれでも用いることができ、また水添ブロ
ック共重合体に付加される不飽和カルボン酸の例として
は、マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタコン酸、
シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エ
ンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−
2,3−ジカルボン酸等やこれらジカルボン酸の無水物
等が挙げられる。これらの中では無水マレイン酸が特に
好ましい。
【0021】これら変性水添ブロック共重合体の製造方
法に関しては、本発明においては特に限定はしないが、
得られた変性水添ブロック共重合体がゲル等の好ましく
ない成分を含んだり、その溶融粘度が著しく増大して加
工性が悪化したりする製造方法は好ましくない。好まし
い方法としては、例えば押出機中でラジカル開始剤存在
下で、未変性水添ブロック共重合体と不飽和カルボン酸
とを反応させる方法がある。
【0022】不飽和カルボン酸の水添ブロック共重合体
への付加量は、水添ブロック共重合体100重量部あた
り20重量部以下が好ましく、10重量部以下がさらに
好ましい。付加量が20重量部を超えても、それ以下に
比べて改良の効果の増加はほとんど見られない。本発明
で用いる不飽和カルボン酸は一種のみならず二種以上混
合しても使用できる。
【0023】これらb)成分中の、場合により添加する
ゴム用軟化剤としては、一般にゴム及びプラスチック等
の柔軟性、剛性、流動性等の改良に用いられている軟化
剤であり、石油系軟化剤、脂肪族系軟化剤、合成有機化
合物の各種のものが挙げられ、例えばパラフィン系プロ
セスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロ
セスオイル、ワセリン、パラフィン、ポリエチレンワッ
クス、ポリブデン、アマニ油、大豆油、エポキシ化大豆
油、ジオクチルフタレート、ステアリン酸エステル、ジ
オクチルアジペート等のエステル系可塑剤などを挙げる
ことができる。上記ゴム用軟化剤は、本発明の組成物に
柔軟性、流動性を付与するために必要に応じて添加され
る。その配合量は特に制限はないが、好ましくは、b)
成分中の変性水添ブロック共重合体100重量部に対し
て200重量部以下である。200重量部を越える配合
では、得られた組成物の成形体表面に軟化剤のブリード
アウトを生じたり、機械的強度の低下を招き、好ましく
ない結果を生じる可能性がある。
【0024】これらb)成分の配合量は、成分a)のポ
リアミド樹脂100重量部に対して、160〜700重
量部、好ましくは170〜600重量部、さらに好まし
くは200〜500重量部の範囲内で用いることができ
る。700重量部を越えて配合すると、得られる組成物
の成形加工性が悪化するだけでなく、耐油性にも劣り好
ましくない。また、160重量部未満で配合すると、得
られる組成物の硬度が高くなり、10%モジュラスが2
0kg/cm2 を越えることとなり、ゴム的感触が失わ
れるばかりでなく、柔軟性を失いゴム弾性が低下する。
【0025】本発明で用いられるc)成分としては、カ
ルボン酸無水物基及び/またはカルボン酸基と反応しう
る官能基、即ち水酸基、アミノ基、イソシアネート基、
エポキシ基等から選ばれる官能基を2個以上有する化合
物であり、変性水添ブロック共重合体組成物を架橋する
ために用いられる。具体的には、例えば低分子量化合物
としては、エチレングリコール、プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、ヘキサンジオール、2,5−ジメチル
−3−ヘキシン−2,5−ジオールなどの脂肪族系ジオ
ール類、ビスフェノールA、2,3,5−トリメチルハ
イドロキノンなどの芳香族系ヒドロキシ化合物、トリメ
チロールプロパンジグリセロール、ペンタエリスリトー
ル、レゾルシンなどのポリオール類、エチレンジアミ
ン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミ
ン、テトラメチルエチレンジアミン等の脂肪族系ジアミ
ン類、1,3−ジアミノシクロヘキサン、p,p’−ジ
アミノジシクロヘキシルメタン等の脂環式ジアミン類、
o,m,p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジア
ミン、トルイレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等
の芳香族系ジアミン類、ジエチルトリアミン、トリエチ
レンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、3,
3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン等の
ポリアミン類、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート、o−トリジンジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロ
ールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエ
ステル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、N,
N’−ジグリシジルアニリン、N,N’−ジグリシジル
−o−トルイジン等のジグリシジル化合物類、トリスエ
ポキシプロピルイソシアヌレート、ブテンカルボン酸ト
リグリシジルエステル、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテ
ル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等のポリグリ
シジル化合物類、N,N−ジエチルエタノールアミン、
アミノエチルエタノールアミン、N−メチルエタノール
アミン、N−メチル−N,N’−ジエタノールアミン、
N,N’−ジブチルエタノールアミン、モノジ−トリエ
タノールアミン等のアルキルエタノールアミン類、イソ
プロパノールアミン、3−アミノプロパノール、2−ヒ
ドロキシエチルアミノプロピルアミン、2−アミノ−4
−クロロフェノール、ロイコ−1,4−ジアミノアント
ラキノン等が挙げられる。
【0026】また水酸基、アミノ基、イソシアネート
基、エポキシ基から選ばれた官能基を2個以上含量する
高分子量化合物としては、上記の官能基を有する単量体
又は該単量体と共重合し得る他のビニル単量体をラジカ
ル重合することにより得られる極性重合体のほかに、官
能性化合物をポリ付加またはポリ縮合することによって
得られる極性重合体であり、重合体主鎖、末端、または
重合体側鎖の位置に、架橋反応可能な水酸基、アミノ
基、イソシアネート基、エポキシ基から選ばれた官能基
を2個以上有するものである。例えば、ポリエチレング
リコール、ポリブチレングリコールなどのポリオキシレ
ングリコール類、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸
ビニル単位がケン化された、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、ポリ酢酸ビニルのケン化物、アルキルフェ
ノール/ホルムアルデヒド樹脂、両末端に水酸基を有す
る液状ポリブタジエン、エポキシ樹脂、エチレン−グリ
シジルメタアクリレート共重合体が挙げられ、上記記載
の化合物の一種または2種以上を用いることが出来る。
【0027】上記化合物の使用に際しては、架橋効率の
面から低分子量化合物が好ましく、更に臭気、安全性等
の面からジオール系化合物が好ましく、より好ましくは
1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げら
れる。
【0028】これらc)成分の配合量としては、a)成
分のポリアミド樹脂とb)成分の変性水添ブロック共重
合体との組成物100重量部あたり、0.1〜30重量
部、好ましくは0.5〜20重量部の中から選ばれ、
b)成分の水添ブロック共重合体の架橋度を調整するこ
とができる。
【0029】また、本発明の組成物には必要に応じて充
填材、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、カー
ボンブラック、タルク、クレー、カオリン、シリカ、水
酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、
ケイソウ土、ハイドロタルサイト類等を配合することが
できる。
【0030】本発明の動加硫した、変性水添ブロック共
重合体組成物の製造方法は通常の樹脂組成物あるいはゴ
ム組成物の製造に際して用いらる方法が採用でき、単軸
押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加熱ロール
ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて複
合化することができる。この際、a)〜c)成分を15
0℃〜300℃で同時に溶融混練してもよいし、成分
a),b)を予め150℃〜300℃で溶融混練してお
き、さらに成分c)を加え150℃〜300℃で溶融混
練を行ってもよいし、又予め成分b)に成分c)を配合
し溶融混練して、その後他の成分と150℃〜300℃
で溶融混練することにより本発明の変性水添ブロック共
重合体組成物を得てもよい。
【0031】その他本発明の組成物には必要に応じて酸
化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、ナイロン繊維等を配合するこ
とができる。
【0032】さらに、本発明の組成物は、各種熱可塑性
樹脂と組成物化することにより新しい複合体とすること
も可能であり、熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノ
マー、塩素化ポリエチレン等のポリオレフィン系重合体
やポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂な
どのポリスチレン系重合体、ポリ塩化ビニル系共重合
体、ポリアミド系重合体、熱可塑性ポリエステル系重合
体、ポリフェニレンスルフィド系重合体、ポリフェニレ
ンエーテル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリ
アセタール系重合体、ポリウレタン系重合体等を挙げる
ことができる。
【0033】本発明の動加硫した、変性水添ブロック共
重合体組成物は、一般に使用されている熱可塑性樹脂成
形機で成形することが可能であって、射出成形、押出成
形、ブロー成形等の各種成形方法が可能である。
【0034】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0035】なお、実施例における各種の基本物性の評
価は下記の方法で行った。
【0036】(1)硬度:JISK−6301記載のJ
ISAタイプ (2)10%モジュラス:JISK−6301、試料は
2mm厚の圧縮成形シートを用い、試験片は3号ダンベ
ルを用いた。
【0037】(3)耐油性:JISK−6301記載の
No.3オイルを用いて、50mm×50mm×2mm
厚の試験片を70℃で2時間No.3オイル中に浸漬
し、浸漬前後の重量変化を求めた。
【0038】(4)圧縮永久歪み:JISK−630
1、100℃、22時間で25%圧縮。
【0039】参考例A 水添ブロック共重合体の製造 (A−1);特公昭63−4841号公報記載の方法に
て水添されたポリブタジエン−ポリスチレン−水添され
たポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合ス
チレン量35%、数平均分子量166000、分子量分
布1.04、水添前のポリブタジエン部の1,2−ビニ
ル結合量37%、ポリブタジエン部の水添率99%の水
添ブロック共重合体を得た。
【0040】(A−2);(A−1)と同様にして、ポ
リスチレン−水添されたポリブタジエン−ポリスチレン
の構造を有し、結合スチレン量22%、数平均分子量6
4000、分子量分布1.03、水添前のポリブタジエ
ン部の1,2−ビニル結合量55%、ポリブタジエン部
の水添率98%の水添ブロック共重合体を得た。
【0041】参考例B 変性水添ブロック共重合体の製
造 (B−1);(A−1)で得られた水添ブロック共重合
体100重量部あたり、無水マレイン酸2.0重量部、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキ
シ)へキサン0.2重量部を混合し、30mmφ径の二
軸押出機にて250℃の温度で付加変性反応を行った。
得られた変性水添ブロック共重合体は、該重合体100
重量部あたり1.5重量部の無水マレイン酸が付加した
ものであった。
【0042】(B−2);(A−2)で得られた水添ブ
ロック共重合体100重量部あたり、無水マレイン酸
2.5重量部、ジクミルパーオキサイド0.25重量部
を混合し、30mmφ径の二軸押出機にて250℃の温
度で付加変性反応を行った。得られた変性水添ブロック
共重合体は、該重合体100重量部あたり1.8重量部
の無水マレイン酸が付加したものであった。
【0043】参考例C 参考例Bで得られた変性水添ブロック共重合体(B−
2)100重量部あたりc)成分を3重量部添加し、ラ
ボプラストミルで200℃、5分間混練を行い(B−
2)の架橋物を得た。得られた架橋物をキシレン中で6
時間振とうし、抽出を行い、残留物を140℃で真空乾
燥を行い抽出前との重量変化から架橋度Gel%を求め
た。表1から明らかな様に本発明の範囲内でのc)成分
を使用した場合、クレーム範囲外の化合物を使用したも
のに比べはるかに架橋度が大きく、SIも小さい。
【0044】
【数1】
【0045】
【表1】 実施例1〜6、比較例1〜3 a)成分として東レ(株)ナイロン11、リルサンBM
NOを25重量部、b)成分として参考例Bで得られた
(B−2)を62重量部にゴム用軟化剤として出光興産
(株)製ダイアナプロセスオイルPW−380(パラフ
ィン系オイル)を13部添加して用いた。
【0046】a)、b)及び表2に示すc)成分を、3
0mmφ径の二軸押出機にて210〜240℃の温度で
溶融混練して、動加硫した変性ブロック共重合体組成物
を得た。結果を表2に示す。表2から明らかな様にc)
成分として本発明の範囲内の化合物を用いた組成物は、
範囲外の化合物を用いた組成物に比べてc)成分による
変性水添ブロック共重合体の架橋度がはるかに大きく、
耐油性、高温での圧縮永久歪みが非常に優れ、極めて有
用なエラストマー組成物となった。
【0047】実施例1,7,8、比較例4,5 a)成分として東レ(株)ナイロン11、リルサンBM
NOを25重量部、b)成分として参考例Bで得られた
(B−2)を62重量部にゴム用軟化剤として出光興産
(株)製ダイアナプロセスオイルPW−380(パラフ
ィン系オイル)を13部添加し、c)成分として、1,
4−ブタンジオールを用い、実施例1〜4と同様にして
動加硫した変性ブロック共重合体組成物を得た。実施例
1,7,8については1,4−ブタンジオール量をそれ
ぞれ6,3,1重量部用い、耐油性、圧縮永久歪みが非
常に優れ、機械的強度も良好で性能バランスに優れる組
成物が得られるが、比較例4,5では1,4−ブタンジ
オール量をそれぞれ0.05、0重量部としたところ、
変性水添ブロック共重合体の架橋度が小さく物性の改良
効果は少なかった。
【0048】実施例9〜15、比較例6〜8 a)成分として東レ(株)ナイロン11、リルサンBM
NO、宇部興産(株)ナイロン6、1013Bを、b)
成分として参考例Bで得られた(B−1)を、また場合
により(B−1)にゴム用軟化剤として出光興産(株)
製ダイアナプロセスオイルPW−380(パラフィン系
オイル)を(B−1)に添加したものを、c)成分とし
て1,4−ブタンジオールを用い、表4に示す割合で実
施例1〜4と同様にして動加硫した変性ブロック共重合
体組成物を得た。表4から明らかな様に、本発明の組成
物は、本発明の範囲外の組成物と比べて、耐油性、高温
での圧縮永久歪みがバランスよく優れている。比較例
は、物性のバランスが悪く、特に比較例6では成形加工
性も劣り、比較例7,8では樹脂量が多いため、ゴム弾
性が失われる。
【0049】実施例16〜20、比較例9〜11 b)成分において参考例Bで得られた(B−2)を用い
た以外は、実施例8〜14と同様にして動加硫した変性
ブロック共重合体組成物を得た。表5から明らかな様
に、本発明の組成物は、発明の範囲外の組成物と比べ
て、耐油性、高温での圧縮永久歪みがバランスよく優れ
ている。比較例は、物性のバランスが悪く、特に比較例
10,11では成形加工性も劣る。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【発明の効果】本発明によって得られる動加硫した変性
ブロック共重合体組成物は、耐油性、耐熱性(高温下で
のゴム弾性)について極めて優れ、さらに臭気等もな
く、成形加工性にも優れるため、自動車部品、家電部
品、各種工業部品、雑貨等に好適に使用できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)ポリアミド樹脂100重量部、 b)ビニル芳香族化合物を50重量%を超えて含有する
    少なくとも1個のビニル芳香族化合物重合体ブロックA
    と、共役ジエン化合物を50重量%を超えて含有する
    なくとも1個の共役ジエン化合物重合体ブロックBとか
    ら成るブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブ
    ロック共重合体に不飽和カルボン酸又はその誘導体を付
    加した変性水添ブロック共重合体と、場合により該ブロ
    ック共重合体に添加するゴム用軟化剤の合計量が160
    〜700重量部から成る変性水添ブロック共重合体組成
    物100重量部あたり、 c)1分子中に水酸基、アミノ基、イソシアネート基、
    エポキシ基から選ばれた官能基を2個以上有する化合物
    を0.1〜30重量部を配合し、加熱混練して得られる
    動加硫した変性ブロック共重合体組成物であって、該組
    成物の10%モジュラスが、20kg/cm2以下であ
    る事を特徴とする変性ブロック共重合体組成物。
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