JP3235645B2 - 汚泥焼却装置の燃焼制御方法およびその装置 - Google Patents

汚泥焼却装置の燃焼制御方法およびその装置

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JP3235645B2
JP3235645B2 JP33112796A JP33112796A JP3235645B2 JP 3235645 B2 JP3235645 B2 JP 3235645B2 JP 33112796 A JP33112796 A JP 33112796A JP 33112796 A JP33112796 A JP 33112796A JP 3235645 B2 JP3235645 B2 JP 3235645B2
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和明 飯嶋
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定常運転時におけ
る汚泥の燃焼状態を最適に制御する汚泥焼却装置の燃焼
制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、下水処理場では、流入下水中に
元々含まれている懸濁固形物や下水処理の一般的な方法
である生物処理で余剰汚泥固形物が発生し、汚泥とな
る。かかる汚泥を焼却処分する際、炉床温度を定常状態
にして汚泥の燃焼状態を最適に制御する汚泥焼却装置が
図12に示すように知られている。
【0003】図において、符号1は汚泥焼却装置で、汚
泥焼却装置1は、炉体2を有している。炉体2の内部は
空気分散板3を介して炉底部4と炉床部5に分割されて
いる。炉体2の1側の壁部2Aの空気分散板3の下側部
分には、炉底バーナ6が装着されている。炉底バーナ6
は汚泥を焼却する前に予め炉底部4を高温状態に昇温さ
せるものである。炉体2の他側の壁部2Bの空気分散板
3の下側部分には、空気取入口7が設けられている。
【0004】炉床部5においては、水分を含んだ汚泥を
瞬間的に焼却するための熱容量が大きい砂を流動させる
ようになっている。炉体2の上端2Cには燃焼ガスを排
出する排出口8が形成されている。排出口8には排気ダ
クト11の一端が接続されている。炉体2の1側の壁部
2Aの空気分散板3の上側部分には、汚泥供給装置9
と、汚泥供給装置9の下方に位置して炉床ガン10とが
装着されている。汚泥供給装置9は適当な水分量だけ脱
水された汚泥(未だ水分を含んでいる)を炉体2内に供
給するものである。炉床ガン10は炉体2に装着され該
炉体2に燃料を供給するためのもので、炉床部5の炉床
温度を昇温させるようになっている。
【0005】炉体2の他側の壁部2Bの空気分散板3の
上側部分には、炉床温度センサ12が装着されている。
炉床温度センサ12は炉体2の炉床部5の温度を検出す
るものである。前記炉底バーナ6は第1燃料供給管13
の先端に接続され、第1燃料供給管13の途中には、炉
底バーナ補助燃料用バルブ14が介装されている。
【0006】前記炉床ガン10は第2燃料供給管15の
先端に接続され、第2燃料供給管15の途中には、炉床
ガン補助燃料用バルブ16が介装されている。排気ダク
ト11の他端は流動空気予熱器17の頂部に接続され、
流動空気予熱器17の底部には排ガス処理ダクト18が
接続されている。流動空気予熱器17の下端側面には第
1流動空気用ダクト19の一端が接続され、第1流動空
気用ダクト19の他端にはブロア20が接続されてい
る。
【0007】流動空気予熱器17の上端側面には第2流
動空気用ダクト21の一端が接続され、第2流動空気用
ダクト21の他端は前記空気取入口7に接続されてい
る。炉床温度センサ12は制御装置22の入力側に接続
され、制御装置22の出力側に炉床ガン補助燃料用バル
ブ16,炉底バーナ補助燃料用バルブ14が接続されて
いる。
【0008】しかして、ブロア20により流動空気が取
り入れられ、この流動空気は第1流動空気用ダクト19
を介して流動空気予熱器17に取り込まれて加熱される
ことにより昇温される。この流動空気は、さらに、第2
流動空気用ダクト21を介して空気取入口7に送られ
る。空気取入口7から炉底部4に流動空気が取り入れら
れ、炉底バーナ6で炉底部4における流動空気が熱さ
れ、炉底バーナ6により炉底部4が昇温される。熱され
た流動空気は空気分散板3を介して炉底部4から炉床部
5に熱風となって送り込まれる。この熱風で炉床部5は
均一な流動床に維持される。
【0009】そして、炉底部4からの熱風により炉床部
5が予め昇温される。炉床部5の炉床温度が600℃付
近になったら、炉床ガン10によっても同時に昇温操作
が行なわれ、汚泥供給装置9のスクリューフィーダ回転
数は汚泥供給量の定格値まで段階的に増加され、炉床温
度が一定の目標値温度で安定したと判断したら、オペレ
ータの判断で炉底バーナ6が停止され、炉床温度を定常
状態を維持する運転となる。
【0010】汚泥焼却装置1の定常運転時には、汚泥供
給装置9により、炉床部5に汚泥が供給され、汚泥は高
温状態の流動砂で瞬間的に熱せられ、焼却処理され、流
動空気により焼却灰は、流動砂と分離され、排出口8よ
り排出される。そして、汚泥焼却装置1における汚泥の
燃焼を安定化するため、炉床温度を一定にすることが要
求されている。炉床温度を一定に制御するため、例え
ば、制御装置22において、PID制御により、炉床温
度センサ12で検出された炉床温度を計測し、炉床温度
と目標値の差分に対応して、炉床ガン補助燃料用バルブ
16の開度が調節され、炉床ガン10の炉床ガン補助燃
料の流量が制御される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、汚泥の状態
が変化して、例えば汚泥供給率が変動したり、汚泥中の
水分率が変化したり、汚泥中の有機成分が変化する。汚
泥供給率または発熱成分が多くなった場合には、汚泥の
燃焼に必要とする酸素量も多くなる。ブロア20から供
給される流動空気の供給量は一定で、流動空気に含まれ
る酸素量も一定とされている。
【0012】汚泥の供給率に対して酸素量が不足する
と、不完全燃焼を生じさせ、排ガス性状が悪化する問題
があった。そこで、排気ダクト11の途中に酸素濃度セ
ンサ11Aを介装して、酸素濃度センサ11Aにより流
動空気の供給量をPID制御により、微調整することも
考えられるが、PID制御では、制御の時間遅れを引き
起こし、汚泥供給率の変動に追従して的確なタイミング
で必要な酸素量を供給することが困難になる。
【0013】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、汚泥の燃焼に最適な酸素
量を供給できる汚泥焼却装置の燃焼制御方法およびその
置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
炉体の炉底部内に流動空気を取り込み、この流動空気を
炉底部の上方に配置された炉床部に導き、炉体に設けら
れた汚泥供給装置から炉床部に汚泥を供給し、炉体に設
けられた炉床ガンから供給される炉床ガン補助燃料によ
り、流動空気を介して汚泥を燃焼させる汚泥焼却装置の
燃焼制御方法において、フィードバックで得られた酸素
濃度,フィードバックで得られた汚泥供給率,フィード
バックで得られた流動空気の供給量を入力変数とすると
ともに流動空気の流量,汚泥供給率を出力変数とした制
御により、汚泥の燃焼状態を最適に保持することを特徴
とする。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の汚
泥焼却装置の燃焼制御方法において、制御はファジィ推
論により行なわれることを特徴とする。
【0016】請求項3記載の発明は、炉体の炉底部内に
流動空気を取り込み、この流動空気を炉底部の上方に配
置された炉床部に導き、炉体に設けられた汚泥供給装置
から炉床部に汚泥を供給し、炉体に設けられた炉床ガン
から供給される炉床ガン補助燃料により、流動空気を介
して汚泥を燃焼させる汚泥焼却装置の燃焼制御装置にお
いて、酸素濃度,炉床温度,流動空気の供給量,汚泥供
給率,炉床ガン補助燃料の供給量を入力変数とし、流動
空気の流量,汚泥供給率を出力変数としたファジー推論
を行なう制御装置が備えられていることを特徴とする。
【0017】請求項4記載の発明は、内部を、流動空気
を取り込む炉底部とその上方に位置する炉床部とに分割
された炉体と、炉体に装着されアクチュエータにより炉
床部上に汚泥を供給する汚泥供給装置と、炉体に装着さ
れ炉床ガン補助燃料を炉床部に供給する炉床ガンと、炉
体の炉底部内に流動空気用ダクトを介して流動空気を送
るブロアと、排ガス中に含まれる酸素濃度を検出する酸
素濃度センサと、ブロアの流動空気の流量を調整する流
動空気量調整手段と、流動空気用ダクトに介装されブロ
アの流動空気の供給量を検出する流動空気量センサと、
汚泥供給装置に設けられたアクチュエータと、入力側に
酸素濃度センサ及び流動空気量センサ接続されるとと
もに、出力側に流動空気量調整手段及び汚泥供給装置の
アクチュエータが接続された制御装置とを備えており、
【0018】制御装置は、酸素濃度,流動空気の供給量
を入力変数とするとともに、流動空気量調整手段の操作
量を決める流動空気の流量,アクチュエータの操作量を
決める汚泥供給率を出力変数とするファジィ推論部とを
備え、ファジィ推論部は、酸素濃度が小さい時流動空気
の流量が大きく、酸素濃度が大きくなるに従って流動空
気の流量が小さくなる関係のルールと、酸素濃度が小さ
く且つ流動空気の供給量が大きいならば出力変数として
の汚泥供給率が小さいというルールと、酸素濃度の目標
値を基準ラベルとするとともに目標値の付近を分割して
複数の区間に割り振って形成される酸素濃度のメンバー
シップ関数群とを有していることを特徴とする。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項4記載の汚
泥焼却装置の燃焼制御装置において、炉体の炉床部に供
給される汚泥の単位時間に対する汚泥供給率を検出する
汚泥供給率センサを備えており、
【0020】制御装置の入力側に汚泥供給率センサが接
続され、制御装置は、入力変数として汚泥供給率が加え
られたファジィ推論部を備え、ファジィ推論部は、入力
変数としての汚泥供給率が小さい時汚泥供給率が大き
く、汚泥供給率が大きくなるに従って出力変数としての
汚泥供給率が小さくなる関係のルールを有していること
を特徴とする。
【0021】(作用) 請求項1記載の発明においては、炉体の炉底部内に流動
空気を取り込み、この流動空気を炉底部の上方に配置さ
れた炉床部に導き、炉体に設けられた汚泥供給装置から
炉床部に汚泥を供給し、炉体に設けられた炉床ガンから
供給される炉床ガン補助燃料により、流動空気を介して
汚泥を燃焼させる汚泥焼却装置の燃焼制御方法におい
て、フィードバックで得られた酸素濃度,フィードバッ
クで得られた汚泥供給率,フィードバックで得られた流
動空気の供給量を入力変数とするとともに、流動空気の
流量,汚泥供給率を出力変数とした制御により、汚泥の
燃焼状態を最適に保持する。
【0022】請求項2記載の発明においては、制御はフ
ァジィ推論により行なわれる。請求項3記載の発明にお
いては、酸素濃度,炉床温度,流動空気の供給量,汚泥
供給率,炉床ガン補助燃料の供給量を入力変数としてフ
ァジー推論が行なわれ、流動空気の流量,汚泥供給率が
出力される。 請求項4記載の発明においては、炉床温度
は立上げ運転時から定常運転時に至るまで制御される
が、定常運転時には炉床温度は805℃付近で定常状態
となって、汚泥が焼却可能とされている。定常運転時に
おける炉床温度の制御を対象とし、以下説明する。
【0023】ブロアで流動空気の流量が調整され、流動
空気は流動空気用ダクトを介して、炉体の炉底部内に取
り込まれ、炉床部に導かれる。炉床部には汚泥供給装置
から汚泥が供給され、この汚泥は、流動空気に含まれる
酸素と炉床ガンから供給される炉床ガン補助燃料により
燃焼される。汚泥の燃焼により生成された排ガスに含ま
れる酸素は、炉体から排出され、酸素濃度センサによ
り、酸素濃度が検出される。
【0024】ファジィ推論部においては、ファジィ推論
が以下のように行なわれる。酸素濃度センサにより酸素
濃度が検出される。流動空気量センサにより流動空気の
供給量が検出される。 酸素濃度,流動空気の供給量がフ
ァジィ推論部に入力され、ファジィ推論部から流動空気
の流量,汚泥供給率が修正量または絶対値として出力さ
れる。
【0025】ここで、定常運転時に供給される汚泥の状
態が変化して、汚泥中の発熱成分または汚泥供給率が変
動すると、汚泥中の発熱成分または汚泥供給率に対応し
て、必要な酸素量も変化する。出力される流動空気の流
量が変化すると、酸素濃度が変化する。流動空気の流量
の出力の結果として生じる酸素濃度が変化し、酸素濃度
がフィードバックされる。
【0026】汚泥の燃焼に対する影響度の大きい酸素濃
度の状態を見て、流動空気の流量を制御し、汚泥の燃焼
状態を制御している。入力される汚泥供給率が変化する
と、流動空気の流量が変化され、別の状態に移行する
が、ファジィ推論により元の状態に収束される。
【0027】例えば、酸素濃度の収束値は基準ラベルZ
R(例えば3%)とされており、ルールにおいては、酸
素濃度は、その基準ラベルZRのメンバーシップ関数お
よびその付近のメンバーシップ関数が適用される。そし
て、ファジィ推論部は、酸素濃度が小さい時(例えばN
S)、流動空気の流量が大きく(例えばPS)、酸素濃
度が大きくなるに従って(例えばNS→ZR)、流動空
気の流量が小さくなる関係(例えばPS→ZR)のルー
ルを有している。
【0028】従って、燃焼状態の結果を示す酸素濃度が
基準ラベルZRから他のラベルに変化した場合、これら
のラベルによりファジィ推論がなされ、燃焼状態の変化
に応じてファジィ推論部から流動空気の流量が出力さ
れ、入力変数の入力値(酸素濃度)が収束値からはずれ
ても、ファジィ推論部の感度が悪くならない。即ち、酸
素濃度が変化しても、酸素濃度が丁度よい状態が保持さ
れるというバランスのとれた定常状態に移行し、酸素濃
度は元の収束値に収束する。この状態では、入力変数と
しての酸素濃度と、出力変数としての流動空気の流量と
がバランスのとれた状態となり、酸素濃度が丁度よいこ
とが、結果的に適当であると判断されることになる。
【0029】出力としての流動空気の流量が変化せず、
酸素濃度が丁度よい状態が保持されるという状態では、
酸素濃度が適切である状態からはずれると、流動空気の
流量は前回の流動空気の流量に対して変化させる(多く
したり、少なくしたり)ように制御される。
【0030】すなわち、ファジィ推論部では、酸素濃度
が入力され、酸素濃度が小さい時流動空気の流量が大き
く、酸素濃度が大きくなるに従って流動空気の流量が小
さくなる関係のルールと、酸素濃度の目標値を基準ラベ
ルとするとともに目標値の付近を分割して複数の区間に
割り振って形成される酸素濃度のメンバーシップ関数群
とに照らして、ファジィ推論され、流動空気量調整手段
の操作量を決める流動空気の流量が出力される。
【0031】そして、ファジィ推論部は、酸素濃度が小
さく且つ流動空気の供給量が大きいならば、汚泥供給率
が小さいとうルールを有している。
【0032】従って、流動空気の供給量が限界に達して
いて酸素濃度を調整できない時、汚泥供給率が少なくな
る。
【0033】請求項5記載の発明においては、汚泥供給
率センサにより、汚泥焼却炉の炉床部に供給される汚泥
の汚泥供給率(単位時間当たりの汚泥供給量で、例えば
kg/h)が検出される。
【0034】ファジィ推論部においては、ファジィ推論
が以下のように行なわれる。
【0035】力変数として、汚泥供給率がファジィ推
論部に入力される。ファジィ推論部から汚泥供給率が修
正量または絶対値として出力される。この汚泥供給率が
汚泥供給装置に送られ、アクチュエータの操作量が決め
られる。
【0036】そして、ファジィ推論部は、入力変数とし
ての汚泥供給率が小さい時、出力変数としての汚泥供給
率が大きく、入力変数と汚泥供給率が大きくなるに従っ
て出力変数としての汚泥供給率の修正量が小さくなる関
係のルールを有し、出力された汚泥供給率がフィードバ
ックして、入力されるので、入力変数としての汚泥供給
率が基準ラベルから変化しても、基準ラベルに収束す
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態について説明する。図1ないし図11により、請求
項1,請求項2記載の発明の実施の形態に係わる汚泥焼
却装置の燃焼制御方法と、請求項3,請求項4,請求項
記載の発明の実施の形態に係わる汚泥焼却装置の燃焼
制御装置とについて説明する。本実施の形態における汚
泥焼却装置の構造は、従来の汚泥焼却装置と同様であ
り、同一構成部品については、同一の符号を用いてその
説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0038】図1において、第2燃料供給管15の、炉
床ガン補助燃料用バルブ16の下流側に炉床ガン補助燃
料センサ23が介装されている。第2流動空気用ダクト
21には流動空気量センサ24が介装されている。汚泥
供給装置9に連結された汚泥供給管9Aの途中に、汚泥
供給率センサ25が介装されている。ブロア20はその
モータ20Aの回転量を制御する流動空気量調整手段2
0Bを備えている。汚泥供給装置9はアクチュエータ9
Bを備えている。
【0039】排気ダクト11の途中には、酸素濃度セン
サ11Aが介装されている。酸素濃度センサ11Aとし
ては、例えば文献「センサデバイスハンドブック」P3
11〜P313(情報調査会1993年11月15日初版発行)
に記載されている。符号26は制御装置で、制御装置2
6の入力側には、酸素濃度センサ11A,炉床温度セン
サ12,炉床ガン補助燃料センサ23,流動空気量セン
サ24,汚泥供給率センサ25が接続されている。
【0040】また、制御装置26の出力側に、炉底バー
ナ補助燃料用バルブ14,炉床ガン補助燃料用バルブ1
6,流動空気量調整手段20B,汚泥供給装置9のアク
チュエータ9Bが接続されている。炉床ガン補助燃料セ
ンサ23は炉床ガン補助燃料の供給量を検出するもので
ある。
【0041】流動空気量センサ24は流動空気の供給量
を検出するものである。汚泥供給率センサ25は炉床部
5に供給される汚泥供給率(kg/h)を検出するもの
である。図2に示すように、制御装置26は、ファジィ
推論部27と、汚泥供給率計算手段28と、ブロア回転
数計算手段29とで構成されている。
【0042】ファジィ推論部27は、次の表1に示す7
つのルールからなるルール群30と、酸素濃度のメンバ
ーシップ関数群31と、炉床温度のメンバーシップ関数
群32と、流動空気の供給量のメンバーシップ関数群3
3と、汚泥供給率のメンバーシップ関数群34と、炉床
ガン補助燃料の供給量のメンバーシップ関数35と、流
動空気の流量の修正量のメンバーシップ関数群36と、
汚泥供給率のメンバーシップ関数群37と、ファジィ推
論エンジン38とで構成されている。このファジィ推論
部27は、例えばファジィチップ,フロッピ,ROMに
して媒体上にファジィ推論燃焼制御プログラムとして記
録される。ファジィ推論燃焼制御プログラムを記録した
媒体により、ファジィ推論部27が実行される。
【表1】 ルール群30は、「IF 入力変数 THEN 出力変
数(推論出力)」で表され、入力変数は酸素濃度,炉床
温度,流動空気の供給量,汚泥供給率,炉床ガン補助燃
料の供給量,出力変数は流動空気の流量の修正量,汚泥
供給率の修正量である。ルール1,4において、酸素濃
度が小さい時(NS)、流動空気の流量の修正量が大き
く(PS)、酸素濃度が大きくなるに従って(NS→Z
R)、流動空気の流量の修正量が小さくなる関係(PS
→ZR)が示されている。
【0043】ルール2において、流動空気の供給量が限
界に達している時(PL)、汚泥供給率の修正量は少な
い(NS)ことが示されている。ルール3,4におい
て、入力変数としての汚泥供給率が小さい時(NS)、
出力変数としての汚泥供給率の修正量が大きく(P
S)、汚泥供給率が大きくなるに従って(NS→Z
R)、汚泥供給率の修正量が小さくなる関係(PS→Z
R)が示されている。
【0044】ルール5において、汚泥の水分率が大きい
時、炉床ガン補助燃料の供給量を多くしても(PS)、
汚泥は燃焼し難いので、それに対応して汚泥供給率を少
なくし(NS)、汚泥を燃え易くしている。従って、汚
泥の燃焼状態が良くなり、排ガス性状も良くなる。
【0045】ルール6において、酸素濃度が大きい時
(PS)、汚泥供給率の修正量が大きい(PS)ことが
示されている。これにより、流動空気を無駄にすること
なく、汚泥を多く燃焼させることができ、汚泥の燃焼す
る量を多くしている。ルール7においても、ルール5と
同様の機能が生じる。なお、ルール1〜7にはラベルN
S,ZR,PSに係わるルールだけが記載されている
が、NSより小さいNM,NLについても、表1に示す
規則性が同様に適用され、また、PSより大きいPM,
PLについても、表1に示す規則性が同様に適用され、
その説明を省略する。また、ルール1〜7において、炉
床温度がZRの場合が示されているが、炉床温度がZR
以外の場合にも、同様の傾向のルールが成立する。
【0046】次に、各メンバーシップ関数群31,3
2,33,34,35,36,37,38を図4ないし
図11により説明する。図においては、入力変数および
出力変数の全範囲を複数のラベルで割り振って、メンバ
ーシップ関数群が示されており、横軸に入出力変数の入
出力値をとり、縦軸にグレードを取っている。ラベルと
して、基準ラベル(ZR)、基準ラベルに対して上の状
態と評価される1つ以上のポジティブラベル、基準ラベ
ルに対して下の状態と評価される1つ以上のネガティブ
ラベルが付される。例えば炉床温度においてはラベルは
以下のように7種類を定めて割り振られている。
【0047】 NLL:(かなり低い)かなり小さい NL ;(とても低い)とても小さい NM ;(低い)小さい NS :(少し低い)少々小さい ZR :(丁度よい)そのまま PS :(少し高い)少々大きい PM :(高い)大きい また、炉床温度以外の入力変数および出力変数に対して
も、各変数に応じて同様に数種類定められている。
【0048】そして、酸素濃度のメンバーシップ関数群
31は、図4に示される。図において、ZR=目標値
(3%)とし、酸素濃度の目標値の付近(0〜10%)
を複数の区間に割り振ってラベル(NS,ZR,PS)
がそれぞれ形成され、ラベル(NS,ZR,PS)に対
応してメンバーシップ関数が形成されている。(0〜1
0%)の範囲のラベル(NS,ZR,PS)の区間は狭
く、ラベル(PM)の区間は広くなっている。
【0049】また、炉床温度のメンバーシップ関数群3
2は、図5,図6に示される。図において、ZR=目標
値(805℃)とし、炉床温度の目標値の付近(788
℃〜815℃)を複数の区間に割り振ってラベル(N
M,NS,ZR,PS)がそれぞれ形成され、ラベル
(NM,NS,ZR,PS)に対応してメンバーシップ
関数が形成されている。(788℃〜815℃)の範囲
のラベル(NM,NS,ZR,PS)の区間は狭く、
(788℃〜815℃)以外のラベル(NLL,NL,
PM)の区間は広くなっている。
【0050】流動空気の供給率のメンバーシップ関数群
33は図7に示されている。横軸の単位はm3/hで、ラ
ベル(NL,NM,NS,ZR,PS,PM,PL)に
対応するメンバーシップ関数が示されている。流動空気
の目標値の付近(5700m 3/h〜8700m3/h)を
複数の区間に割り振ってラベル(NM,NS,ZR,P
S,PM)がそれぞれ形成され、ラベル(NM,NS,
ZR,PS,PM)に対応してメンバーシップ関数が形
成されている。(5700m3/h〜8700m 3/h)の
範囲のラベル(NM,NS,ZR,PS,PM)の区間
は狭く、(5700m3/h〜8700m3/h)以外のラ
ベル(NL,PM)の区間は広くなっている。
【0051】汚泥供給率のメンバーシップ関数群34は
図8に示されている。横軸の単位はkg/hで、ラベル
(NM,NS,ZR,PS,PM)に対応するメンバー
シップ関数が示されている。炉床ガン補助燃料の供給量
のメンバーシップ関数群35は図9に示されている。横
軸の単位はm3/hで、ラベル(NS,ZR,PS)に対
応するメンバーシップ関数が示されている。
【0052】流動空気の流量の修正量のメンバーシップ
関数群36は図10に示されている。ZR=2000
(無次元)とし、ラベル(NL,NM,,NS,ZR,
PS,PM,PL)に対応するメンバーシップ関数が示
されている。汚泥供給率の修正量のメンバーシップ関数
群37は図11に示されている。ZR=2000とし、
ラベル(NL,NM,NS,ZR,PS,PM,PL)
に対応するメンバーシップ関数が示されている。
【0053】ファジィ推論エンジン38は、入力変数と
して酸素濃度,炉床温度,流動空気の供給量,汚泥供給
率,炉床ガン補助燃料の供給量を入力し、入力変数をル
ール群30に照らすことにより、入力変数に対して関係
のあるルールをルール群30の中から選択し、メンバー
シップ関数群31,32,33,34,35,36,3
7を介してファジィ推論を実行し、流動空気の流量の修
正量,汚泥供給率の修正量を出力するものである。
【0054】ブロア回転数計算手段29は空気の流量の
修正量の入力により次の式を基にして流動空気の流量M
Gを決め、この流動空気の流量M1Gからブロア20の
モータ20Aの回転量を求め、その信号を流動空気量調
整手段20Bに送るものである。 M1G=k1・(ΔM1G−2000)・G1G+M1GF ここで、M1G :流動空気の流量(m3/h) k1 :比例定数(m3/h) ΔM1G:ファジィ推論による流動空気の流量の修正量
(無次元) G1G :制御ゲイン(無次元) M1GF :前回の操作量(m3/h) 汚泥供給率計算手段28は、汚泥供給率の修正量の入力
により次の式を基にして汚泥供給率M2Gを決め、この
汚泥供給率M2Gから汚泥供給装置9のアクチュエータ
9Bの操作量を求めるものである。
【0055】 M2G=k2・(ΔM2G−2000)・G2G+M2GF ここで、M2G :汚泥供給率(kg/h) k2 :比例定数(m3/h) G2G :制御ゲイン(無次元) ΔM2G:ファジィ推論による汚泥供給率の修正量(無
次元) M2GF :前回の操作量(kg/h) 次に、本実施の形態における作用について図3に基づい
て説明する。
【0056】炉床温度は立上げ運転時から定常運転時に
至るまで制御され、定常運転時にも制御される。定常運
転時には炉床温度は805℃付近で定常状態となって、
汚泥が焼却可能とされている。本実施の形態では定常運
転時における炉床温度の制御を対象としており、以下説
明する。なお、炉底バーナ6,炉底バーナ補助燃料用バ
ルブ14は、立上げ運転時から定常運転時に至るまでの
制御に用いられるが、その説明を省略する。
【0057】ブロア20において、流動空気量調整手段
20Bにより流動空気の流量が調整され、流動空気は第
1流動空気用ダクト19,第2流動空気用ダクト21を
介して、炉体2の炉底部4内に取り込まれ、炉底部4か
ら炉床部5に導かれる。炉床部5には汚泥供給装置9か
ら汚泥が供給される。汚泥供給率は、アクチュエータ9
Bにより調整される。この汚泥は、流動空気に含まれる
酸素と炉床ガン10から供給される炉床ガン補助燃料に
より燃焼される。汚泥の燃焼により生成された排ガスに
含まれる酸素は、炉体2から排気ダクト11に導かれ、
酸素濃度センサ11Aにより、酸素濃度が検出される。
【0058】炉床温度センサ12により炉床温度が検出
される。汚泥供給率センサ25により、炉床部5に供給
される汚泥の汚泥供給率(単位時間当たりの汚泥供給量
で、例えばkg/h)が検出される。流動空気量センサ
24により、流動空気の供給量が検出される。そして、
ファジィ推論部27においては、ファジィ推論が以下の
ように行なわれる。
【0059】まず、入力変数として、酸素濃度,炉床温
度,汚泥供給率,流動空気の供給量がファジィ推論部2
7に入力され、ファジィ推論部27から流動空気の流量
の修正量,汚泥供給率の修正量が出力される。ファジィ
推論部27においては、ルール群30,メンバーシップ
関数群31,32,33,34,35,36,37を用
いて周知のデファジフィケーションにより流動空気の流
量の修正量,汚泥供給率の修正量が出力される。
【0060】流動空気の流量の修正量は、ブロア回転数
計算手段29により該流動空気の流量の修正量に対応し
たブロア20のモータ20Aの回転量に換算され、流動
空気量調整手段20Bに送られる。同時に、汚泥供給率
の修正量に応じて、汚泥供給率計算手段28により、汚
泥供給装置9のアクチュエータ9Bの操作量が決められ
る。操作量はアクチュエータ9Bに送られる。
【0061】ここで、定常運転時に供給される汚泥の状
態が変化して、汚泥中の発熱成分または汚泥供給率が変
動すると、汚泥中の発熱成分または汚泥供給率に対応し
て、必要とされる酸素量も変化する。出力される流動空
気の流量の修正量,汚泥供給率の修正量が変化すると、
フィードバックされて酸素濃度が変化する。流動空気の
流量,汚泥供給率の出力の結果として生じる酸素濃度が
変化し、酸素濃度がフィードバックされる。
【0062】これを考慮して、汚泥の燃焼に対する影響
度の大きい酸素濃度の状態を見て、流動空気の流量,汚
泥供給率を制御し、汚泥の燃焼状態を制御している。汚
泥供給率が変化すると、流動空気の流量の修正量,汚泥
供給率の修正量が変化され、別の状態に移行するが、フ
ァジィ推論により元の状態に収束される。例えば、酸素
濃度の収束値は基準ラベルZR(例えば3%)とされて
おり、ルール4においては、酸素濃度は、その基準ラベ
ルZRのメンバーシップ関数およびその付近のメンバー
シップ関数が適用される。
【0063】そして、ファジィ推論部27は、酸素濃度
が小さい時(例えばNS)、流動空気の流量の修正量が
大きく(例えばPS)、酸素濃度が大きくなるに従って
(例えばNS→ZR)、流動空気の流量の修正量が小さ
くなる関係(例えばPS→ZR)のルール1,4を有し
ている。ルール4において、酸素濃度が丁度よい状態
(ZR)が保持されるというバランスのとれた状態にな
っている。燃焼状態の結果を示す酸素濃度が例えば(Z
R)から(NS)に変化した場合、ファジィ推論がなさ
れ、ルール1が適用される。ルール1においては、流動
空気の流量の修正量はPSとなっているので、酸素濃度
が大きくなり、NSからZRに向かい、再びルール4が
適用され、元の状態に収束される。
【0064】また、ファジィ推論部27は、入力変数と
しての汚泥供給率が小さい時(例えばNS)、出力変数
としての汚泥供給率が大きく(例えばPS)、入力変数
としての汚泥供給率が大きくなる(例えばNS→ZR)
に従って出力変数としての汚泥供給率の修正量が小さく
なる関係(例えばPS→ZR)のルール3,4を有し、
出力された汚泥供給率の修正量がフィードバックして、
入力されるので、入力変数としての汚泥供給率が基準ラ
ベルZRから変化しても、基準ラベルZRに収束する。
すなわち、ルール3が適用される状態では、出力変数と
しての汚泥供給率の修正量はPSで、この値がフィード
バックされると、入力変数としての汚泥供給率は大きく
なり、NSからZRに向かう。
【0065】このように、入力変数の入力値(酸素濃
度)が収束値ZRからはずれ、酸素濃度が変化しても、
酸素濃度が丁度よい状態が保持されるというバランスの
とれた状態に移行し、酸素濃度は元の収束値に収束す
る。この状態では、入力変数としての酸素濃度,汚泥供
給率と、出力変数としての流動空気の流量,汚泥供給率
とはバランスかれており、酸素濃度が丁度よいことが、
結果的に適当であると判断されることになる。
【0066】流動空気の流量,汚泥供給率は変化せず、
酸素濃度が丁度よい状態が保持されるという状態では、
酸素濃度が適切である状態からはずれると、流動空気の
流量,汚泥供給率は前回の流動空気の流量の修正量,汚
泥供給率の修正量に対して変化させる(多くしたり、少
なくしたり)ように制御される。以上の如き構成によれ
ば、次の効果を奏する。
【0067】第1に、汚泥供給率が変動する際、汚泥供
給率が多くなっても汚泥の燃焼に必要とする流動空気に
含まれる酸素量が不足する場合、排ガス性状が悪いとい
った汚泥の燃焼状態となるが、流動空気の流量の修正
量,汚泥供給率の修正量を出力し、汚泥の燃焼状態を制
御することができる。従って、汚泥供給率の変動に対し
て、制御の時間遅れを引き起こすことなく、最適な酸素
量を的確なタイミングで供給し、汚泥の燃焼状態を制御
し良好にすることができる。この結果、排ガス性状を良
くして燃焼状態を安定化させ、運転管理を容易にするこ
とができる。
【0068】第2に、ファジィ推論により多入力変数,
多出力変数の制御を簡単に行なうことができる。第3
に、ファジィ推論部27は、酸素濃度が小さい時(例え
ばNS)、流動空気の流量の修正量が大きく(例えばP
S)、酸素濃度が大きくなるに従って(例えばNS→Z
R)、流動空気の流量の修正量が小さくなる関係(例え
ばPS→ZR)のルール1,4を有し、且つ、酸素濃度
のメンバーシップ関数群31は、目標値(3%)を基準
ラベルZRとするとともに目標値の付近を分割して複数
の区間に割り振って形成されるので、酸素濃度を基準ラ
ベル付近に収束させ、酸素濃度の増減を見て直ちに流動
空気の流量を変化させ、酸素濃度を目標値になるように
制御できる。
【0069】第4に、ファジィ推論部27は、流動空気
の供給量が限界に達している時(PL)、汚泥供給率の
修正量は少ない(NS)というルール2を有しているの
で、流動空気の供給量が限界に達していて酸素量を増加
できない時でも、汚泥供給率の修正量を少なくすること
により、流動空気に含まれる酸素量と汚泥供給率のバラ
ンスを保ち、汚泥供給率に対して酸素量を最適に対応さ
せることができる。
【0070】第5に、ファジィ推論部27は、入力変数
としての汚泥供給率が小さい時、出力変数としての汚泥
供給率が大きく、入力変数と汚泥供給率が大きくなるに
従って出力変数としての汚泥供給率の修正量が小さくな
る関係のルール3,4を有しているので、出力された汚
泥供給率がフィードバックされ、入力されるので、入力
変数としての汚泥供給率が基準ラベルZRから変化して
も、基準ラベルZRに収束する。従って、汚泥の燃焼に
必要とする酸素量を決める汚泥供給率を大きく変化させ
ることなく、汚泥供給率を目標値に収束し易くでき、汚
泥の燃焼状態を良好に制御することができる。
【0071】なお、本実施の形態においては、ファジィ
推論部27により出力される流動空気の流量として、流
動空気の流量の修正量を挙げ、流動空気の流量の修正量
により、それらに対応して流動空気量調整手段20Bを
調整しているが、流動空気の流量として、流動空気の流
量の絶対値にすることもできる。また、本実施の形態に
おいては、ファジィ推論部27により出力される汚泥供
給率として、汚泥供給率の修正量を挙げ、汚泥供給率の
修正量により、それらに対応したアクチュエータ9Bを
調整しているが、汚泥供給率として、汚泥供給率の絶対
値にすることもできる。
【0072】さらに、本実施の形態においては、制御を
多入力,多出力のファジィ推論部27により行なってい
るが、かかる制御に限定されることはない。例えば、酸
素濃度,炉床温度,流動空気の供給量,汚泥供給率,炉
床ガン補助燃料の供給量の値が多元マトリックス的に記
載された燃焼状態の最適の組合せテーブルとこの組合せ
テーブルに対応する最適の流動空気の流量,汚泥供給率
を記憶した記憶装置を有し、上記値を入力させて組合せ
テーブルと照合させ、流動空気の流量,汚泥供給率を出
力制御することもできる。
【0073】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、汚泥供給
率が変動する際、汚泥供給率が多くなっても汚泥の燃焼
に必要とする流動空気に含まれる酸素量が不足する場
合、排ガス性状が悪いといった汚泥の燃焼状態となる
が、流動空気の流量,汚泥供給率を出力し、汚泥の燃焼
状態を制御することができる。
【0074】従って、汚泥供給率の変動に対して、制御
の時間遅れを引き起こすことなく、最適な量の酸素を的
確なタイミングで供給し、汚泥の燃焼状態を制御し良好
にすることができる。この結果、排ガス性状を良くして
燃焼状態を安定化させ、運転管理を容易にすることがで
きる。請求項2記載の発明によれば、ファジィ推論によ
り多入力変数,多出力変数の制御を簡単に行なうことが
できる。
【0075】請求項3記載の発明によれば、ファジィ推
論により、多入力変数,多出力変数の制御を簡単に行な
うことができる効果を奏する。
【0076】請求項4記載の発明によれば、請求項1記
載の発明に加えて次の効果を奏する。ファジィ推論部
は、酸素濃度が小さい時流動空気の流量が大きく、酸素
濃度が大きくなるに従って流動空気の流量が小さくなる
関係のルールを有し、且つ、酸素濃度のメンバーシップ
関数群は、目標値(3%)を基準ラベルとするとともに
目標値の付近を分割して複数の区間に割り振って形成さ
れるので、酸素濃度の増減を見て直ちに流動空気の流量
を変化させ、酸素濃度を基準ラベル付近に収束させ、酸
素濃度を目標値になるように制御できる。また、ファジ
ィ推論部は、酸素濃度が小さく且つ流動空気の供給量が
大きいならば汚泥供給率が小さいというルールを有して
いるので、流動空気の供給量が限界に達していて酸素量
を増加できない時でも、出力変数としての汚泥供給率を
少なくすることにより、流動空気に含まれる酸素量と汚
泥供給率のバランスを保ち、汚泥供給率に対して酸素量
を最適に対応させることができる。
【0077】請求項5記載の発明によれば、請求項4
載の発明に加えて次の効果を奏する。 ファジィ推論部
は、入力変数としての汚泥供給率が小さい時、出力変数
としての汚泥供給率が大きく、入力変数と汚泥供給率が
大きくなるに従って出力変数としての汚泥供給率が小さ
くなる関係のルールを有している。
【0078】従って、汚泥の燃焼に必要とする酸素量を
決める汚泥供給率を大きく変化させることなく、汚泥供
給率を目標値に収束し易くでき、汚泥の燃焼状態を良好
に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係わる汚泥焼却装置を示す構成
図である。
【図2】同汚泥焼却装置の燃焼制御装置を示す構成図で
ある。
【図3】同燃焼制御装置における信号の流れを示すブロ
ック図である。
【図4】同燃焼制御装置のファジィ推論部における酸素
濃度のメンバーシップ関数群を示す図である。
【図5】同燃焼制御装置のファジィ推論部における炉床
温度のメンバーシップ関数群を示す図である。
【図6】図5の炉床温度の定常状態のラベルZR付近の
メンバーシップ関数群を示す拡大図である。
【図7】同燃焼制御装置のファジィ推論部における流動
空気の供給量のメンバーシップ関数群を示す図である。
【図8】同燃焼制御装置のファジィ推論部における汚泥
供給率のメンバーシップ関数群を示す図である。
【図9】同燃焼制御装置のファジィ推論部における炉床
ガン補助燃料の供給量のメンバーシップ関数群を示す図
である。
【図10】同燃焼制御装置のファジィ推論部における流
動空気の流量の修正量のメンバーシップ関数群を示す図
である。
【図11】同燃焼制御装置のファジィ推論部における汚
泥供給率の修正量のメンバーシップ関数群を示す図であ
る。
【図12】従来の汚泥焼却装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 汚泥焼却装置 2 炉体 4 炉底部 5 炉床部 9 汚泥供給装置 9B アクチュエータ 10 炉床ガン 11A 酸素濃度センサ 20 ブロア 20B 流動空気量調整手段 24 流動空気量センサ 25 汚泥供給率センサ 26 制御装置 27 ファジィ推論部 28 汚泥供給率計算手段 29 ブロア回転数計算手段 31 酸素濃度のメンバーシップ関数群 32 炉床温度のメンバーシップ関数群 33 流動空気の供給量のメンバーシップ関数群 34 汚泥供給率のメンバーシップ関数群 35 炉床ガン補助燃料の供給量のメンバーシップ関数
群 36 流動空気の流量の修正量のメンバーシップ関数群 37 汚泥供給率の修正量のメンバーシップ関数群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F23G 5/50 ZAB F23G 5/50 ZABQ (72)発明者 飯嶋 和明 東京都千代田区有楽町1丁目4番1号 三機工業株式会社内 (72)発明者 加藤 薫 東京都千代田区有楽町1丁目4番1号 三機工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 聡 東京都千代田区有楽町1丁目4番1号 三機工業株式会社内 審査官 蓮井 雅之 (56)参考文献 特開 平8−121730(JP,A) 特開 平6−31299(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 7/04 601 F23G 5/50 ZAB

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉体の炉底部内に流動空気を取り込み、 この流動空気を炉底部の上方に配置された炉床部に導
    き、 炉体に設けられた汚泥供給装置から炉床部に汚泥を供給
    し、 炉体に設けられた炉床ガンから供給される炉床ガン補助
    燃料により、流動空気を介して汚泥を燃焼させる汚泥焼
    却装置の燃焼制御方法において、 フィードバックで得られた酸素濃度,フィードバックで
    得られた汚泥供給率,フィードバックで得られた流動空
    気の供給量を入力変数とするとともに流動空気の流量,
    汚泥供給率を出力変数とした制御により、汚泥の燃焼状
    態を最適に保持することを特徴とする汚泥焼却装置の燃
    焼制御方法。
  2. 【請求項2】 制御はファジィ推論により行なわれるこ
    とを特徴とする請求項1記載の汚泥焼却装置の燃焼制御
    方法。
  3. 【請求項3】 炉体の炉底部内に流動空気を取り込み、 この流動空気を炉底部の上方に配置された炉床部に導
    き、 炉体に設けられた汚泥供給装置から炉床部に汚泥を供給
    し、 炉体に設けられた炉床ガンから供給される炉床ガン補助
    燃料により、流動空気を介して汚泥を燃焼させる汚泥焼
    却装置の燃焼制御装置において、 酸素濃度,炉床温度,流動空気の供給量,汚泥供給率,
    炉床ガン補助燃料の供給量を入力変数とし、流動空気の
    流量,汚泥供給率を出力変数としたファジー推論を行な
    う制御装置が備えられていることを特徴とする汚泥焼却
    装置の燃焼制御装置。
  4. 【請求項4】 内部を、流動空気を取り込む炉底部とそ
    の上方に位置する炉床部とに分割された炉体と、 炉体に装着されアクチュエータにより炉床部上に汚泥を
    供給する汚泥供給装置と、 炉体に装着され炉床ガン補助燃料を炉床部に供給する炉
    床ガンと、 炉体の炉底部内に流動空気用ダクトを介して流動空気を
    送るブロアと、 排ガス中に含まれる酸素濃度を検出する酸素濃度センサ
    と、 ブロアの流動空気の流量を調整する流動空気量調整手段
    と、 流動空気用ダクトに介装されブロアの流動空気の供給量
    を検出する流動空気量センサと、 汚泥供給装置に設けられたアクチュエータと、 入力側に酸素濃度センサ及び流動空気量センサが接続さ
    れるとともに、出力側に流動空気量調整手段及び汚泥供
    給装置のアクチュエータが接続された制御装置とを備
    え、 制御装置は、 酸素濃度,流動空気の供給量を入力変数とするととも
    に、流動空気量調整手段の操作量を決める流動空気の流
    量,アクチュエータの操作量を決める汚泥供給率を出力
    変数とするファジィ推論部とを備え、 ファジィ推論部は、 酸素濃度が小さい時流動空気の流量が大きく、酸素濃度
    が大きくなるに従って流動空気の流量が小さくなる関係
    のルールと、 酸素濃度が小さく且つ流動空気の供給量が大きいならば
    出力変数としての汚泥供給率が小さいというルールと、 酸素濃度の目標値を基準ラベルとするとともに目標値の
    付近を分割して複数の区間に割り振って形成される酸素
    濃度のメンバーシップ関数群とを有していることを特徴
    とする汚泥焼却装置の燃焼制御装置。
  5. 【請求項5】 炉体の炉床部に供給される汚泥の単位時
    間に対する汚泥供給率を検出する汚泥供給率センサを備
    え、 制御装置の入力側に汚泥供給率センサが接続され、 制御装置は、 入力変数として、汚泥供給率が加えられたファジィ推論
    部を備え、 ファジィ推論部は、 入力変数としての汚泥供給率が小さい時汚泥供給率が大
    きく、汚泥供給率が大きくなるに従って出力変数として
    の汚泥供給率が小さくなる関係のルールを有しているこ
    とを特徴とする請求項4記載の 汚泥焼却装置の燃焼制御
    装置。
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