JP3235192U - マスク用シート及びこれを備えるマスク - Google Patents

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Abstract

【課題】微粒子の捕集性能と使用感の向上とを両立したマスク用シート及びこれを備えるマスクを提供する。【解決手段】マスク用シート10は、第1繊維層と第2繊維層とを有する。第2繊維層の構成繊維の平均繊維径は、第1繊維層の構成繊維の平均繊維径よりも大きい。第1繊維層の構成繊維の平均繊維径が0.2μm以上2μm以下である。第1繊維層の坪量が2g/m2以上20g/m2以下である。第1繊維層の坪量に対する第2繊維層の坪量の比が0超8未満である、またマスク用シートは、平面視において、使用者の口の位置に対応して配される口対応領域Aを有し、各繊維層どうしを接合する接合部を有する。マスク1は、マスク用シートを着脱可能なフィルタシートとして用いるか、又はマスク本体5として用いる。【選択図】図1

Description

本考案は、マスク用シート及びこれを備えるマスクに関する。
使用者の口や鼻を覆うマスクとして、例えば不織布等のシート状物により形成されるマスク本体を有するマスクが知られている。マスクの効果としては、ホコリ、塵、ウイルス、花粉等の外部からの侵入防止が挙げられる。かかる効果を得るために、特許文献1には、マスク本体部がエレクトレット化された複数枚の繊維シートによって構成されたマスクが開示されている。また特許文献2及び3にはそれぞれ、ナノファイバ層をマスク本体に備えるマスクが開示されている。
特開2009−273726号公報 特開2015−196263号公報 特開2018−172806号公報
特許文献1〜3に記載のマスクはいずれも、微粒子の捕集性能と使用感の向上とを十分に両立したものではない。
本考案は、微粒子の捕集性能と使用感の向上とが両立したマスク用シートに関する。
本考案は、第1繊維層と、第1繊維層の一方の面側に設けられた第2繊維層とを有し、
第2繊維層を構成する繊維の平均繊維径は、第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径よりも大きく、
第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径が0.2μm以上2μm以下であり、
第1繊維層の坪量が2g/m以上20g/m以下であり、
第1繊維層の坪量に対する第2繊維層の坪量の比が0超8未満である、マスク用シートを提供するものである。
また本考案は、第1繊維層と、第1繊維層の一方の面側に設けられた第2繊維層とを有し、
第2繊維層を構成する繊維の平均繊維径は、第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径よりも大きく、
第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径が0.2μm以上2μm以下であり、
平面視において、使用者の口の位置に対応して配される口対応領域を有し、
平面視において、前記口対応領域は、前記第1繊維層と前記第2繊維層とを接合する接合部を前記口対応領域における20mm×20mmの範囲に1個以上有し、
平面視において、前記接合部の合計面積は前記口対応領域の面積の0%超2%以下である、マスク用シートを提供するものである。
本考案によれば、微粒子の捕集性能と使用感の向上とを両立したマスク用シート及びこれを備えるマスクが提供される。
図1は、本考案のマスク用シートの使用時における一実施形態を模式的に示す分解斜視図である。 図2は、本考案のマスク用シートの使用時における別の実施形態を模式的に示す分解斜視図である。 図3は、本考案のマスク用シートの別の実施形態を模式的に示す平面図である。 図4は、本考案のマスク用シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。 図5は、本考案のマスク用シートの別の実施形態を模式的に示す断面図である。 図6は、本考案のマスク用シートの更に別の実施形態を模式的に示す断面図である。 図7は、本考案のマスク用シートの製造装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図8は、本考案のマスク用シートを巻回体としたときの一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図9は、本考案のマスク用シートを巻回体としたときの別の一実施形態を模式的に示す斜視図である。
以下、本考案を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本考案のマスク用シートは、その使用時に使用者の口や鼻を被覆して、口や鼻から微粒子等の異物の侵入を防ぐためのものである。
図1及び図2には、本考案のマスク用シートの使用時における一実施形態が示されている。図1に示すマスク用シート10は、いわゆる中敷きタイプのものであり、典型的にはフィルタシートである。詳細には、同図に示すマスク1は、マスク本体5とマスク用シート10とをそれぞれ別体に備えており、マスク用シート10はマスク本体5に着脱可能なフィルタシートとして用いられる。本実施形態では、マスク1の使用時に、マスク本体5と使用者との間にマスク用シート10をフィルタシートとして介在配置して、使用者の口や鼻に対向するように配置することで、口や鼻を被覆することができる。
本実施形態とは別の形態として、例えばマスク用シート10とマスク本体5とをそれぞれ別体に備え、マスク本体5内にマスク用シート10を収容及び取り出し可能なシート保持部を備え、マスク用シート10がマスク本体5に着脱可能な構成となっていてもよい。この場合、マスク用シート10を収容したマスク本体5を使用者の口や鼻に対向するように配置することで、口や鼻を被覆することができる。
図2に示すマスク用シート10は、いわゆる一体タイプのものである。詳細には、同図に示すマスク1は、マスク用シート10をマスク本体5そのものとして備える。本実施形態では、マスク1の使用時に、マスク本体5としてのマスク用シート10を使用者の口や鼻に対向するように配置することで、口や鼻を被覆することができる。
図1及び図2に示すように、マスク1は、マスク本体5と、一対の耳掛け部6,6とを備えている。マスク本体5は、好ましくは長手方向と該方向に直交する幅方向を有する矩形のものである。耳掛け部6は、マスク本体5における周縁部に、好ましくは平面視において口対応領域Aの外方に、より好ましくはマスク本体5の長手方向の両外端域に設けられている。これによって、各耳掛け部6,6を使用者の耳にそれぞれ掛けて、マスク本体5による使用者の口や鼻の被覆状態を維持できるようになっている。図1に示すマスク1の場合、耳掛け部6,6はマスク本体5の周縁部に接合されており、マスク用シート10とは接合されていない。図2に示すマスク1の場合、耳掛け部6,6は、マスク本体5としてのマスク用シート10の周縁部に直接接合されている。
図3には、一体タイプとしたマスク用シート10の別の実施形態が示されている。同図に示すマスク1は、図2に示す実施形態と同様に、マスク用シート10をマスク本体5そのものとして備える二つ折りタイプのマスクである。本実施形態における一対の耳掛け部6,6はともにシート材から構成されており、マスク本体5としてのマスク用シート10の周縁部から延出するように直接接合されている。耳掛け部6の中央域には、耳掛け部6を耳に掛ける際に耳を通すための穴である挿通部6Aが形成されている。
図3に示す実施形態のマスク1は、マスク用シート10である第1本体部21と、マスク用シート10である第2本体部22とを有しており、これらの本体部21,22が連結して配されていることによって、マスク本体5が形成されている。これらの本体部21,22の連結部分には、本体部21,22どうしを接合する本体部接合部15が一方向に延びる線状に形成されている。本体部接合部15は、マスク本体5を二つ折りする際の可撓軸としても機能する。第1本体部21と第2本体部22とは平面視において略同一形状であり、本体部接合部15を軸として線対称の形状となっている。これによって、本体部接合部15を可撓軸として、マスク本体5を口及び鼻の凸形状に沿うように立体的に密着させることができる。
マスク用シート10をフィルタシートとして用いる場合、及びマスク用シート10をマスク本体5として用いる場合のいずれであっても、マスク用シート10は、典型的には長手方向と該方向に直交する幅方向を有する矩形のものであり、好ましくはマスク用シート10の長手方向と、マスク1の長手方向とは互いに一致して配される。
図1に示す実施形態のマスク本体5は、プリーツが一方向に延びるように複数形成されている。これによって、マスク本体5を伸長可能にして、鼻及び口及びその周囲を一枚のマスクで広範囲に覆うことができる。これに代えて、マスク本体5はプリーツが形成されていなくてもよい。
また、図1に示す実施形態におけるマスク用シート10は、プリーツを有していない。これに代えて、当該実施形態におけるマスク用シート10は、一方向に延びるようにプリーツが複数形成されて、マスク用シート10が伸長可能なように構成されていてもよい。
図2及び図3に示す実施形態のマスク本体5としてのマスク用シート10は、プリーツを有していない。これに代えて、当該実施形態におけるマスク用シート10は、一方向に延びるようにプリーツが複数形成されて、マスク用シート10が伸長可能なように構成されていてもよい。
マスク用シート10の構成の一実施形態を以下に説明する。図4には、マスク用シート10の厚み方向断面視における一実施形態を模式的に示している。マスク用シート10は、第1繊維層11と、第1繊維層11の一方の面側に設けられた第2繊維層12とが一体化された複層構造のシートである。図4に示す実施形態では、各繊維層11,12が互いに隣接して配された二層構造の繊維シートとなっており、第2繊維層12が第1繊維層11の一方の面側全域に配されている。本実施形態においては両繊維層11,12間に他の層は介在していないが、両繊維層11,12間に他の層が配置されることは妨げられない。マスク用シート10は、好ましくは全体として非弾性である。
マスク用シート10は、第1面Fと、第1面Fの反対側に位置する面である第2面Rとを備えている。本実施形態では、第1繊維層11が第1面Fを含んで構成され、第2繊維層12が第2面Rを含んで構成される。マスク用シート10を使用する場合、マスク用シート10の第2面Rは使用者の鼻及び口と対向する面である肌対向面側に好ましく配され、第1面Fは肌対向面とは反対側の面である非肌対向面側に好ましく配される。マスク用シート10をフィルタシートとして用いる場合、第1面Fはマスク本体5と対向するように好ましく配される。マスク用シート10をマスク本体5そのものとして用いる場合、好ましくは、第1面Fはマスク1の外面を構成する。
第1繊維層11を構成する繊維と、第2繊維層12を構成する繊維との関係においては、第2繊維層を構成する繊維の平均繊維径は、第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径よりも大きいことが好ましい。つまり、マスク用シート10は、一枚のシートにおいて、繊維径が相対的に小さい繊維を用いることによって繊維の存在密度が比較的高くなった第1繊維層と、繊維径が相対的に大きい繊維を用いることによって繊維の存在密度が比較的低くなった第2繊維層とを含んで形成することができる。
一般的に、繊維の存在密度が比較的高くなった第1繊維層は、少ない坪量であっても、塵、花粉及びウイルス等の微粒子異物を効果的に繊維間に捕集することができるが、第1繊維層のみでは、マスク用シートにおける実使用に耐え得るシート強度を十分に発揮することができない。一方で、マスク用シートを第1繊維層のみで構成しようとする場合、マスク用シートにおける実使用に耐え得るシート強度を十分に発揮させるために第1繊維層の坪量を増加させる必要がある。そうすると、マスク用シートの使用者が呼吸を楽に行える程度の通気性を確保できず、マスク用シートの使用感が悪化する。
このような相反する目的を両立して達成するために、第1繊維層に加えて、繊維の存在密度が比較的低い第2繊維層を更に備えることによって、第2繊維層によってシート強度を十分なものとしつつ、第1繊維層による微粒子異物の捕集性能の向上と適度な通気性とを兼ね備えたマスク用シート10が得られる。したがって、マスク用シート10を備えるマスクの使用時においては、微粒子異物を十分に捕集しながらも、使用時における蒸れを低減したり、呼吸を楽に行ったりすることができるので、マスク用シート及びこれを備えるマスクの使用感を高めることが可能となる。
詳細には、マスク用シート10における第1繊維層11を構成する繊維の平均繊維径D1は、通気性を適度に確保して、マスク用シート10の使用者が呼吸を楽に行いやすくする観点から、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.4μm以上である。
平均繊維径D1は、微粒子異物の捕集性能を向上する観点から、好ましくは2μm以下、より好ましくは1.5μm以下、更に好ましくは1μm以下、一層好ましくは0.6μm以下である。
またマスク用シート10における第2繊維層12を構成する繊維の平均繊維径D2は、第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径D1よりも大きいことを条件として、第2繊維層12の強度を十分に発現して、マスク用シートとしての実使用に耐えうる強度を十分に発揮させる観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは8μm以上、更に好ましくは10μm以上である。
同条件における平均繊維径D2は、マスク用シートの使用感と、該シートの実使用に耐えうる強度とを両立させる観点から、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
第1繊維層11及び第2繊維層12を構成する各繊維の平均繊維径D1,D2は、繊維長さ方向に直交する繊維断面における最大差し渡し長さを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定することができる。具体的な手順は以下のとおりである。
まず、マスク用シートが剥離可能であるかを確認し、剥離可能である場合、マスク用シートの構成シートを丁寧に剥がして、層構成を確認する。その後、各繊維層の繊維径を測定する。
繊維径は、各繊維層のSEM観察による二次元画像から、紡糸された繊維の塊、繊維どうしの交差部分、ポリマー液滴といった欠陥を除いた繊維を任意に500本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引いたときの長さを繊維径として直接読み取ることで測定する。測定した繊維径の頻度分布(ヒストグラム)から累積頻度が全体の50%となるメジアン繊維径を求め、これを各繊維の平均繊維径とする。
マスク用シートの構成繊維層が2層である場合、各繊維層のうち、上述の方法で測定された繊維径が細い繊維層を第1繊維層11とし、他方の繊維層を第2繊維層12とする。
後述するように、マスク用シートの構成繊維層が3層である場合、各繊維層のうち、上述の方法で測定された繊維径がもっとも細い繊維層を第1繊維層11とする。そして、第1繊維層11に隣接して配される一方の層を第2繊維層12とし、第1繊維層11及び第2繊維層12でない他の層を第3繊維層13とする。
マスク用シートの構成繊維層が4層以上である場合、上述の方法で測定された繊維径がもっとも細い繊維層を第1繊維層11とし、マスク用シートの一方の外面に位置する繊維層を第2繊維層12とし、第1繊維層11に隣接する層であって、第2繊維層から遠い側の層が第3繊維層である。
マスク用シートの構成シートが剥離不能の複層構造を有する場合、当該構成シートの一方の面と他方の面とからそれぞれ500本選んで、上述の方法で測定したメジアン繊維径に基づいて、繊維径が小さい側の面を含む繊維層における繊維径を第1繊維層の繊維径D1とし、繊維径が大きい側の面を含む繊維層における繊維径を第2繊維層の繊維径D2とする。
上述した繊維層の確認方法及び平均繊維径の測定方法は、本願明細書の他の測定方法にも共通して適用される。
また、第1繊維層11の坪量と第2繊維層12の坪量との関係においては、第1繊維層11の坪量M1に対する第2繊維層12の坪量M2の比(M2/M1)が所定の範囲となっていることが好ましい。詳細には、第1繊維層11の坪量M1に対する第2繊維層12の坪量M2の比(M2/M1)は、シートの実使用に耐えうる強度を十分に発現させる観点から、好ましくは0超、より好ましくは0.25以上、更に好ましくは0.5以上、一層好ましくは1以上、殊更好ましくは2以上である。
第1繊維層11の坪量M1に対する第2繊維層12の坪量M2の比(M2/M1)は、マスク用シートの適度な通気性等の使用感を更に高める観点から、好ましくは8未満、より好ましくは7.5以下、更に好ましくは7以下である。このような範囲とすることによって、マスク用シート10を備えるマスク1を薄型に形成することができるので、マスクの取り扱い性を高め、マスク用シート及びこれを備えるマスクの使用感を高めることができる。
詳細には、マスク用シート10における第1繊維層11の坪量M1は、好ましくは2g/m以上、より好ましくは2.5g/m以上、更に好ましくは3g/m以上であり、好ましくは20g/m以下、より好ましくは18g/m以下、更に好ましくは15g/m以下、一層好ましくは8g/m以下である。坪量M1がこのような範囲にあることによって、微粒子の捕集性能の向上と、マスク用シート10を備えるマスク1を薄型に構成することに起因する使用感の向上とを効果的に両立することができる。
また、マスク用シート10における第2繊維層12の坪量M2は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは10g/m以上、更に好ましくは15g/m以上であり、好ましくは30g/m以下、より好ましくは25g/m以下、更に好ましくは20g/m以下である。坪量M2がこのような範囲にあることによって、マスクの薄型化を達成してマスクの取り扱い性を向上できるとともに、マスクの適度な通気性を発現して、マスクの使用時における蒸れを低減したり、呼吸をより楽に行ったりすることができる。その結果、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの使用感を更に高めることができる。
マスク用シート10における第1繊維層11の坪量M1及び第2繊維層12の坪量M2は、上述の手段で各繊維層の存在を特定して、各繊維層を分離した後、分離した各繊維層を20mm四方となるように裁断し、その質量(g)を、裁断したシート面積(400mm=0.0004m)で除することにより算出する。
マスク用シート10の構成の別の実施形態を、図5を参照して以下に説明する。以下の説明において、上述した各実施形態と異なる構成部分について主に説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、上述したマスク用シートについての説明が適宜適用される。
図5に示す実施形態のマスク用シート10は、上述した図4に示す実施形態と同様に、第1繊維層11と第2繊維層12とを備える複層構造の繊維シートである。図5に示すマスク用シート10は、第1繊維層11と第2繊維層12とを接合する接合部Bを1個又は2個以上有する。接合部Bは、繊維層どうしを圧着、接着又は融着することによって形成されている。接合部Bにおいては、各繊維層11,12の境界面が存在しないか、又は境界面が不明瞭となっている。また接合部Bは、平面視におけるマスク用シート10の全域に形成されていてもよく、一部の領域にのみ形成されていてもよい。シートの柔軟性と強度とを両立して使用感を更に高める観点から、接合部は好ましくは熱融着によって形成されている。
接合部Bは、マスク用シート10の平面視において、線状又は散点状に形成されている。接合部が線状に形成されている場合、連続線又は不連続線であってもよく、また直線又は曲線であってもよい。接合部が散点状に形成されている場合、接合部の平面視形状は、真円形及び楕円形等の円形状、矩形状及び六角形状等の多角形状、X形及びY形等のアルファベット様形状、格子形状、若しくはこれらの組み合わせとなっていてもよい。
本実施形態のマスク用シート10は、その平面視において、使用者の口の位置に対応して配される口対応領域A(図1、図2及び図3参照)を有する。口対応領域Aは、マスク用シート10の平面視における図心と、マスク用シート10の平面積を70%に縮小した相似形の平面視における図心とを一致させたときに、当該相似形の平面視形状で表される領域である。つまり、口対応領域Aは、マスク用シート10の平面視中央域に位置している。第1繊維層11の平面視面積と第2繊維層12の平面視面積とが互いに異なる場合、口対応領域Aは、マスク用シート10の平面視における形状及び最大面積に基づく相似形とする。
マスク用シート10が例えば図3に示す二つ折りタイプのマスクである場合、口対応領域Aは、各本体部21,22の平面視に基づく各領域とする。詳細には、口対応領域Aは、各本体部21,22の平面視における図心と、各本体部21,22の平面積を70%に縮小した相似形の平面視における図心と一致させたときに、当該相似形の平面視形状で表される領域である。つまり、二つ折りタイプのマスクの場合、口対応領域Aは各本体部に1つずつ存在し、マスク本体5としてみたときに複数存在する。
また、マスク用シート10にプリーツが形成されている場合、口対応領域Aは、プリーツを最大伸長させたときの平面積に基づく領域とする。
本実施形態のマスク用シート10は、上述のとおり、口対応領域Aと接合部Bを有するところ、口対応領域Aに存在する接合部Bの個数及び面積が所定の関係となっていることが好ましい。典型的には、各繊維層によって発現するマスク用シート及びこれを備えるマスクの使用感の向上に関する諸機能を十分に発現する観点からは、接合部Bの個数及び面積は少ないことが好ましい。一方、マスク用シート10全体の強度を担保する観点からは、接合部Bの個数及び面積は多いことが好ましい。したがって、口対応領域Aに存在する接合部Bの個数及び面積を所定の関係とすることによって、各繊維層が有する微粒子の捕集性能と、適度な通気性の確保とを両立して発揮することができるとともに、マスク用シートの実使用に耐えうる強度を十分に発揮することができる。これに加えて、接合部Bを少なくとも口対応領域Aに形成することによって、使用者の口に対向する繊維層を構成する繊維の毛羽立ちを低減することができ、毛羽立った繊維が使用者の口に侵入したり、鼻及び口周囲に接触することに起因する不快感を低減したりすることができる。その結果、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの使用感を高めることができる。
詳細には、接合部Bの個数については、マスク用シート10の平面視において、口対応領域Aにおける20mm×20mmの範囲に、接合部Bを好ましくは1個以上、より好ましくは5個以上、更に好ましくは10個以上有し、好ましくは50個以下、より好ましくは40個以下、更に好ましくは30個以下有する。接合部の個数をこのような範囲とすることによって、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの使用感を更に高めることができる。マスク用シート10の平面視における口対応領域Aの外方域においては、接合部Bを有していてもよく、有していなくてもよい。
また接合部Bの面積については、マスク用シート10の平面視且つ口対応領域A内において、接合部Bの合計平面積は、口対応領域Aの平面積に対する百分率として、好ましくは0%超、より好ましくは0.05%以上であり、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。接合部の面積割合をこのような範囲とすることによって、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの微粒子の捕集性能と使用感とを更に高めることができる。
接合部Bは、その1個当たりの平均面積が好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.15mm以上であり、好ましくは3mm以下、より好ましくは1mm以下である。接合部Bの平均面積がこのような範囲となっていることによって、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの微粒子の捕集性能と使用感とを更に高めることができる。
接合部Bの個数及び平均面積は、以下の方法で測定することができる。具体的には、マスク用シート10の平面視且つ口対応領域A内をSEMによって観察した二次元画像から、接合部Bの形成個数と、接合部Bの一個当たりの面積とを、画像処理ソフトを用いて算出する。そして、口対応領域Aにおける20mm×20mmの範囲内の全ての接合部Bの個数と、各接合部Bの面積とをそれぞれ得て、面積の算術平均値を平均面積とする。マスク用シート10にプリーツを有する場合、該シートを最大伸長させたときの平面視に基づいて測定する。
マスク用シートの通気性を高めて、マスクの使用感を更に高める観点から、マスク用シートは、その通気抵抗が好ましくは0.5kPa・s/m以下、より好ましくは0.4kPa・s/m以下、更に好ましくは0.3kPa・s/m以下であり、殊更好ましくは0.2kPa・s/m以下であり、低ければ低いほど好ましいが、0.05kPa・s/m以上が現実的である。通気抵抗が小さいほど、通気性が高いことを示す。通気抵抗は、通気度測定機(カトーテック株式会社製、KES−F8−AP1)を用いて、測定対象のマスク用シートで通気穴をふさぐように固定し、25℃、50%RHにおける空気がシート厚み方向に通過したときの通気抵抗(kPa・s/m)を測定する。マスク用シートの通気抵抗を上述の範囲とするためには、例えば各繊維層における繊維径、繊維径分布及び坪量の少なくとも一つを調整することによって達成することができ、特に第1繊維層11における繊維径、繊維径分布及び坪量の少なくとも一つを調整することによって達成することができる。通気抵抗の測定に用いる通気穴の面積は2πcmとし、通気量は4cc/(cm・s)、ピストン速度は2cm/sとする。測定に用いるシートのサイズは40mm×40mmとし、計10個のシートについてそれぞれ通気抵抗値を測定し、それら測定値の平均値を通気抵抗とする。
なお、捕集率と通気抵抗の測定においては、測定の位置を一致させる必要がある。すなわち、捕集率を測定した10点と通気抵抗を測定した10点において、それぞれの測定部の略中心を一致させる必要がある。また、両測定において、測定部に測定対象のシートを密着させた際、シートの型崩れが生じることがある。したがって、シートの型崩れによる測定への影響を無くすことを目的として、測定部の面積が大きい通気抵抗の測定を捕集率の測定よりも先に行うことが好ましい。
第1繊維層における繊維径が相対的に小さい構成繊維の毛羽立ちや意図しない脱落を抑制して、微粒子の捕集性能を十分に維持するとともに、毛羽立った繊維や脱落した繊維に起因する使用時の不快感を低減して、マスク用シート及びこれを備えるマスクの使用感を更に高める観点から、図6に示すように、第1繊維層11における第2繊維層12が配されていない面側に、第3繊維層13が更に設けられていることが好ましい。
図6に示すマスク用シート10は、第1繊維層11と、第1繊維層11の一方の面側に設けられた第2繊維層12と、第1繊維層11の他方の面側に設けられた第3繊維層13とが一体化された複層構造のシートである。図6に示す実施形態では、第2繊維層12と第3繊維層13とが第1繊維層11を介して、且つ各繊維層11,12,13が互いに隣接して配された三層構造の繊維シートとなっており、第2繊維層12が第1繊維層11の一方の面側全域に配され、第3繊維層13が第1繊維層11の他方の面側全域に配されている。本実施形態においては、各繊維層11,12間及び各繊維層11,13間にはいずれも他の層は介在していないが、これらの繊維層11,12,13間に他の層が配置されることは妨げられない。
図6に示す実施形態のマスク用シート10は、上述した実施形態と同様に、第1面Fと、第1面Fの反対側に位置する面である第2面Rとを備えている。本実施形態では、第3繊維層13が第1面Fを含んで構成され、第2繊維層12が第2面Rを含んで構成される。図6に示す実施形態のマスク用シート10を備えるマスク1を使用する場合、マスク用シート10は、第1面F又は第2面Rのうち一方が肌対向面側に好ましく配され、他方が非肌対向面側に配されることが好ましい。
また図6に示す実施形態のマスク用シート10は、第3繊維層13を構成する繊維の平均繊維径D3は、第1繊維層11を構成する繊維の平均繊維径D1よりも大きいことも好ましい。このような構成とすることによって、微粒子異物の捕集性能を発現する第1繊維層を、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの使用中に生じる過度な外力から確実に保護して、第1繊維層の機能を十分に維持することができる。これに加えて、第2繊維層と第3繊維層の双方でシート強度を担保できる為、第2繊維層と第3繊維層の繊維密度をより低くして、適度な通気性を確保することも可能となる。これによって、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの使用感を更に高めることができる。
第3繊維層13を構成する繊維の平均繊維径D3は、第1繊維層11を構成する繊維の平均繊維径D1よりも大きいことを条件として、上述した第2繊維層12を構成する繊維の平均繊維径D2と同様の範囲とすることができる。平均繊維径D2と平均繊維径D3との関係においては、平均繊維径D2が平均繊維径D3よりも大きくてもよく、平均繊維径D2が平均繊維径D3よりも小さくてもよく、あるいは、平均繊維径D2と平均繊維径D3とは互いに同じであってもよい。平均繊維径D3は、上述した各平均繊維径D1,D2の測定方法と同様に測定することができる。
また、第1繊維層11の坪量と第3繊維層13の坪量との関係においては、第1繊維層11の坪量M1に対する第3繊維層13の坪量M3の比(M3/M1)が所定の範囲となっていることも好ましい。詳細には、第1繊維層11の坪量M1に対する第3繊維層13の坪量M3の比(M3/M1)は、好ましくは0超、より好ましくは0.25以上、更に好ましくは0.5以上であり、好ましくは8未満、より好ましくは7.5以下、更に好ましくは7以下である。このような範囲とすることによって、マスク用シート10を備えるマスク1を複層構造とした場合でも薄型に形成することができるので、マスクの取り扱い性を高め、マスク用シート及びこれを備えるマスクの使用感を高めることができる。第3繊維層13の坪量M3は、上述した第2繊維層12の坪量M2と同様の範囲とすることができる。
図6に示すマスク用シート10は、口対応領域を有することも好ましい。この場合、口対応領域は上述の実施形態と同一の領域とすることができる。
図6に示すマスク用シート10は、少なくとも2つの繊維層を接合する接合部(図示せず)が形成されていることも好ましく、該接合部が口対応領域に形成されていることも好ましい。この接合部は、上述した接合部Bと同一又は同様のものであり、繊維層どうしを圧着、接着又は融着することによって形成されている。本実施形態における接合部は、(a)第1繊維層11と第2繊維層12とが接合され、第1繊維層11と第3繊維層13とは接合されていない態様であってもよく、(b)第1繊維層11と第3繊維層13とが接合され、第1繊維層11と第2繊維層12とは接合されていない態様であってもよく、(c)第1繊維層11、第2繊維層12及び第3繊維層13のすべてが接合されている態様であってもよく、あるいは(a)〜(c)の態様の組み合わせで形成されていてもよい。
図6に示すマスク用シート10が少なくとも2つの繊維層を接合する接合部を有する場合、接合部の平均面積は、上述した態様(a)ないし(c)の接合部のすべてを対象として、上述した接合部Bの平均面積の測定方法と同様に測定した値とする。
第1繊維層11及び第2繊維層12、並びに必要に応じて第3繊維層13を構成する繊維としては、それぞれ独立して、天然繊維、合成繊維及び再生繊維が挙げられる。天然繊維としては、例えば、パルプ繊維、コットン繊維等の天然セルロール繊維が挙げられる。合成繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニルやポリスチレン等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリパーフルオロエチレン等のフッ素樹脂などの熱可塑性樹脂を一種以上含む繊維、並びにこれらの樹脂成分を含有する芯鞘型複合繊維及びサイド・バイ・サイド型複合繊維等が挙げられる。再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ及びテンセル等が挙げられる。これらの繊維は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、マスク用シートの生産性を高めつつ、使用時における肌触りや強度などの使用感を高める観点から、第1繊維層11及び第2繊維層12、並びに必要に応じて第3繊維層13を構成する繊維として、それぞれ独立して合成繊維を用いることが好ましく、また各繊維層11,12,13は、それぞれ独立して、一種の繊維のみで構成されていることも好ましい。
第1繊維層11及び第2繊維層12、並びに必要に応じて第3繊維層13を構成する繊維集合体としては、それぞれ独立して、例えば、上述した繊維を含む紙、織布、不織布等の各種の繊維シートを用いることができる。繊維の毛羽立ちや抜けを低減して風合いを良好にして、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの使用感を高める観点から、使用者の鼻及び口と対向する面である肌対向面を構成しうる第2繊維層12は少なくとも不織布を用いることが好ましく、少なくとも第2繊維層12及び第3繊維層13はいずれも不織布を用いることが更に好ましい。
各繊維層11,12,13に不織布を用いる場合、エアスルー不織布、エアレイド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布、電界紡糸法によって製造された不織布等の各種不織布を用いることができる。繊維の毛羽立ちや抜けを更に低減する観点から、第2繊維層12及び第3繊維層13は、スパンボンド不織布を用いることが好ましい。また構成繊維をより細径としやすくする観点から、第1繊維層11は電界紡糸法によって製造された繊維の堆積体又は不織布を用いることも好ましい。なお電界紡糸法は、繊維の原料となる樹脂を含む原料液を電場中で帯電させ、帯電した原料液を対象物に向けて吐出して、繊維を紡糸する方法である。
上述したマスク用シート10の使用時においては、第2繊維層12の外面又は第3繊維層13の外面が、使用者の口に対向する面であることが好ましい。このようにマスク用シートを配することによって、第1繊維層からの繊維の毛羽立ちや抜けに起因する使用時の不快感を低減しつつ、第2繊維層12又は第3繊維層13の相対的に太い繊維による風合いの向上を発現することができ、その結果、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの使用感を高めることができる。詳細には、図4及び図5に示すマスク用シート10の場合、第2繊維層12の外面である第2面Rが、使用者の口に対向する面として配されることが好ましい。また、図6に示すマスク用シート10の場合、第3繊維層13の外面である第1面F、又は第2繊維層12の外面である第2面Rのうち一方が、使用者の口に対向する面として配されることが好ましい。
マスク用シート10の厚みT1(図4ないし図6参照)は、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.4mm以上であり、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下である。厚みT1をこのような範囲とすることによって、シートの厚みが薄く、取り扱い性が良好で、使用感に優れたものとなる。マスク用シート10の厚みT1は、3.7gf/m(36.3mN/m)の荷重下にて、JIS K6402に準じて、定圧厚さ測定器(株式会社テクロック製、型番PG−11)を用いて5箇所以上の厚みを測定し、その厚みの算術平均値を厚みT1とする。マスク用シート10にプリーツを有する場合、該シートを最大伸長させた状態のシートの実質的な厚みに基づいて測定する。
マスク用シート10全体の坪量は、好ましくは30g/m以上であり、好ましくは100g/m以下である。
本考案の効果が奏される限りにおいて、第1繊維層11と第2繊維層12との間、並びに必要に応じて、第1繊維層11と第3繊維層13との間に他の繊維層が配されることは妨げられない。他の繊維層が更に配されている場合、各繊維層11,12及び他の繊維層の各境界面、並びに各繊維層11,13及び他の繊維層の各境界面は、それぞれ独立して、明瞭であってもよく、不明瞭であってもよい。また、第1繊維層11と他の繊維層とが剥離不能に構成され、且つ他の繊維層と第2繊維層12とが剥離可能に構成されていてもよく、第1繊維層11と他の繊維層とが剥離可能に構成され、且つ他の繊維層と第2繊維層12とが剥離不能に構成されていてもよく、あるいは、各繊維層11,12並びに他の繊維層の各層間がそれぞれ剥離可能又は剥離不能に構成されていてもよい。同様に、第1繊維層11と他の繊維層とが剥離不能に構成され、且つ他の繊維層と第3繊維層13とが剥離可能に構成されていてもよく、第1繊維層11と他の繊維層とが剥離可能に構成され、且つ他の繊維層と第3繊維層13とが剥離不能に構成されていてもよく、あるいは、各繊維層11,13並びに他の繊維層の各層間がそれぞれ剥離可能又は剥離不能に構成されていてもよい。他の繊維層としては、例えば上述した合成繊維を含む不織布を用いることができる。
マスク用シート10はすべての繊維層間が剥離可能であることが、繊維層間の異物の混入を容易に確認することができ、マスク用シートの品質を高められる観点から好ましい。上述した実施形態に示すように、第1繊維層11と第2繊維層12とが隣接した形態においては、第1繊維層11と第2繊維層12とが剥離可能に構成されていることが好ましい。また、第3繊維層13が第1繊維層11に隣接して配置された形態である場合、第1繊維層11と第3繊維層13とが剥離可能に構成されていることが好ましい。
上述したマスク用シート10は枚葉状態での実施形態を例にとり説明したが、マスク用シート10は例えばこれを巻回させて巻回体とすることができる。詳細には、本実施形態のマスク用シート10は長尺帯状の連続体として構成され、このマスク用シートを長手方向に巻回させて、巻回体の形態とすることができる。
マスク用シートが巻回体の形態である場合、マスク用シート10は、その長手方向に所定の間隔を置いて配され、長手方向に交差する方向に沿って形成されたミシン目を有することが好ましい。このような構成となっていることで、マスク用シート10の使用の都度切り取って、マスク用シートを枚葉の形態で使用することができるので、清潔感を保つことができ、マスク用シート10及びこれを備えるマスクの使用感が更に向上する。特にこの形態は、マスク用シート10をフィルタシートとして用いる場合に有利である。
以下に、マスク用シート10の製造方法を。図5に示す二層構造の形態を例にとり、図7に示す製造装置100を参照しながら説明する。マスク用シート10の製造に好適に用いられる製造装置100は、原反ロール110、紡糸ノズル120、接合部形成部130及びミシン目形成部140を備えている。
まず、原反ロール110から、第2繊維層12を構成する繊維シート原反を繰り出して搬送方向MDに搬送する。原反ロール110から繰り出される原反は、例えばスパンボンド不織布等の不織布の原反を用いることができる。
次いで、搬送方向MDに搬送されている第2繊維層12の原反上に、第1繊維層11を積層する。本実施形態においては、搬送方向MDと直交する幅方向CDに沿って複数配置された紡糸ノズル120から、搬送方向MDに搬送されている第2繊維層12の原反の上面に、第1繊維層11を構成する繊維を直接且つ連続的に紡糸する(以下、この製法を第1製法ともいう。)。これによって、第2繊維層12の原反の上面に、好ましくは第2繊維層12の原反の上面全域に第1繊維層11の構成繊維が堆積した積層体1Sとなる。この積層体1Sは、搬送方向MDに延びる帯状のものであり、第1繊維層11と第2繊維層12とが隣接して構成されている。
紡糸ノズル120は、例えばメルトブロー法や電界紡糸法に用いられる装置を用いることができる。細径の繊維を効率的に形成する観点から、電界紡糸法に用いられる装置を好適に用いることができる。電界紡糸法に用いられる装置としては、典型的には、樹脂を含む原料液を吐出する導電性のノズルと、ノズルに対向するように配され且つ該ノズルとの間に電界を生じさせる導電性の電極と、ノズルと電極との間に電圧を印加する電源である電圧発生部とを備えており、原料液をノズルから電場中に且つ対象物に向けて吐出することができるようになっている。
積層体1Sの形成においては、紡糸ノズル120による第1繊維層11の構成繊維の紡糸に代えて、例えば、紡糸ノズル120を設けずに、第1繊維層11と第2繊維層とが積層された二層構造の不織布原反を原反ロール110として予め作製しておき、この不織布原反を原反ロール110から繰り出して搬送方向MDに搬送することもできる。また、第1繊維層11の原反ロールと第2繊維層12の原反ロールとを別個に用いて、各原反ロールから原反を繰り出して、第2繊維層12の上面に第1繊維層を積層してもよい(以下、この製法を第2製法ともいう。)。
また、図6に示す三層構造のマスク用シート10を形成する場合、第1繊維層11が第2繊維層12の原反上に積層されたあと、例えば第3繊維層13を構成する繊維シート原反を第2原反ロール(図示せず)から繰り出して搬送方向MDに沿って搬送し、第1繊維層11の上面に第3繊維層13を積層して、三層構造の積層体1Sとすることができる。この場合、原反ロール110と第2原反ロールとは別体である。この形態における積層体1Sは、搬送方向MDに延びる帯状のものであり、第3繊維層13と第2繊維層12とが第1繊維層11を介して配されており、第1繊維層11及び第3繊維層13と、第1繊維層11と第2繊維層12とが互いに隣接して構成されている。第2原反ロールから繰り出される原反は、例えばスパンボンド不織布等の不織布の原反を用いることができる。
図6に示す三層構造のマスク用シート10を形成するその他の方法として、以下の方法が挙げられる。まず、所定の方法で繊維を紡糸して、第2繊維層12を形成する。次いで、第2繊維層12上に、第2繊維層12の構成繊維よりも平均繊維径が小さくなるように繊維を紡糸して第1繊維層11を形成する。第1繊維層11の構成繊維は、好ましくは0.2μm以上2μm以下となるように紡糸される。そして、第1繊維層11上に、第1繊維層11の構成繊維よりも第1繊維層11よりも平均繊維径が太くなるように繊維を紡糸して第3繊維層13を形成し、三層構造の積層体1Sを得る(以下、この製法を第3製法ともいう。)。
その後、積層体1Sをエンボスロール又は後述する接合部形成部130に通過させて、各繊維層を一体化させる。即ち、本製造方法によって得られたシートは、いわゆるスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布と同様の形態であり、SMS不織布におけるメルトブローン層が第1繊維層11に相当する。この場合の第1繊維層11の層数は、目的とするマスク用シートに応じて適宜変更することができ、例えばSMMS不織布やSMMMS不織布と同様の構成にすることができる。
上述した第1ないし第3製法のうち、第1繊維層と他の繊維層との密着性が高く、シート全体として一体感の高いシートを容易に得る観点から、第2製法よりも第1製法又は第3製法を採用することが好ましい。つまり、好適な製法として、第2製法<第1製法又は第3製法の順で採用することが好ましい。
続いて、積層体1Sを接合部形成部130に導入して、第1繊維層11と第2繊維層12とを接合する接合部Bを形成し、各繊維層を一体化する。本実施形態における接合部Bは、散点状に形成されている。接合部形成部130は、例えば超音波エンボス装置やヒートエンボス装置等を用いることができる。接合部Bの形成は積層体1Sの平面視全域に行ってもよく、これに代えて、口対応領域Aの形成予定部位にのみ形成してもよい。三層構造の積層体1Sとする場合、接合部Bは、少なくとも第1繊維層11と第2繊維層12とを接合してればよく、各繊維層11,12に加えて、第3繊維層13を更に接合して、各繊維層を一体化することができる。三層構造の積層体1Sとする場合、各繊維層11,12,13を積層した状態で接合部形成部130に一度に導入して、各繊維層を同時に一体化することが、接合部Bの形成個数を少なくして、適度な通気性を確保しつつ、シート強度を高めることができる点で好ましい。
接合部Bを散点状に形成する場合、接合部Bどうしの搬送方向MDに沿う間隔は、それぞれ独立して、好ましくは1mm以上、更に好ましくは3mm以上であり、好ましくは20mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
また、接合部Bどうしの幅方向CDに沿う間隔は、それぞれ独立して、好ましくは1mm以上、更に好ましくは3mm以上であり、好ましくは20mm以下、更に好ましくは10mm以下である。接合部Bどうしの各間隔は、測定対象となる各接合部Bの図心点間での距離で測定される。
接合部Bが形成された積層体1Sは長尺帯状のシートであるので、これを長尺帯状のマスク用シート10とすることができる。この長尺帯状のマスク用シート10は、これを巻き取って、該シート10が巻回された巻回体として保管又は流通することができる。この巻回体は、例えばマスク用シート10の原反ロールである。
また長尺帯状のマスク用シート10は、これを所定の寸法となるように切断等の加工を施すことによって、枚葉の形態のマスク用シート10を得ることができる。このマスク用シート10はフィルタシートの態様として好適に用いることができる。枚葉の形態のマスク用シート10は、これを複数枚積層した状態で包装袋内に収容した包装体として、保管したり、又は市場に流通させたりすることもできる。
長尺帯状のマスク用シート10の別の加工形態として、長尺帯状のマスク用シート10は、該シート10の幅方向CDにおける両端部に、搬送方向MDに沿う所定の間隔で耳掛け部を取り付け、その後、搬送方向MDに沿う耳掛け部どうしの間で幅方向にシート10を切断することによって、耳掛け部を備えるマスク用シート10とすることもできる。これに代えて、長尺帯状のマスク用シート10を所定の寸法となるように枚葉に切断したあと、耳掛け部を周縁部に取り付けることによって、耳掛け部を備える枚葉のマスク用シート10を得ることができる。これらのマスク用シート10はマスク本体5そのものとして好適に用いることができるものであり、そのままマスク1として使用可能である。
長尺帯状のマスク用シート10の更に別の加工形態として、マスク用シート10をミシン目形成部140に導入して、不連続な切れ込みの列からなるミシン目Cを形成する。ミシン目Cは、マスク用シート10の長手方向(すなわち搬送方向MD)に交差する方向に沿って、好ましくは幅方向CDに沿って形成されている。ミシン目Cは、マスク用シート10の長手方向に交差する方向に沿って延び、且つ積層体1Sの長手方向に所定の間隔を置いて形成されている。ミシン目形成部140は、例えばレーザー光をマスク用シート10に断続的に照射して、該シート10を厚み方向に切断する装置などを用いることができる。
ミシン目Cの延在方向に沿うミシン目Cの切れ込みの長さは、それぞれ独立して、好ましくは1mm以上、更に好ましくは3mm以上であり、好ましくは20mm以下、更に好ましくは10mm以下である。またミシン目Cの延在方向に沿って隣り合う切れ込みどうしの間隔は、それぞれ独立して、好ましくは1mm以上、更に好ましくは3mm以上であり、好ましくは20mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
長尺帯状のマスク用シート10にミシン目Cが形成された場合でも、マスク用シート10は完全に分断されていないので、ミシン目Cが形成されたマスク用シート10は長尺帯状の形態である。そして、ミシン目Cが形成された長尺帯状のマスク用シート10を巻き取って、該シート10が巻回された巻回体10Aとして保管又は流通することができる。
ミシン目Cが形成された長尺帯状のマスク用シート10の巻回体10Aは、例えばこれを巻回体10Aの軸方向に直交する方向に切断して、巻回体10Aと同一の直径で且つ巻回体10Aよりも幅方向CDに沿う幅が小さい第2巻回体10B(図8参照)とすることができる。さらに、第2巻回体10Bにおけるマスク用シート10は、図8に示すように、例えばこれをロール状に巻き取って別個に小分けして、第2巻回体10Bよりも直径が小さい第3巻回体10Cとすることができる。
このような実施形態の第3巻回体10Cは、軸方向に延びるミシン目Cが形成された長尺帯状のマスク用シート10のロール状物である。第3巻回体10Cは、巻回体10Aよりも幅方向CDに沿う幅が小さく且つ第2巻回体10Bよりも直径が小さくなっている。
第3巻回体10Cは、図9に示すように、例えばこれを包装袋50に収容した包装体80として、保管したり、市場に流通させたりすることもできる。同図に示す包装袋50は、その任意の位置に、包装袋50に収容されているマスク用シート10を引き出すための開口部51が設けられており、マスク用シート10を開口部51から引き出し可能になっている。包装体80内のマスク用シート10を開口部51から引き出したあと、マスク用シート10を所定の位置で、例えばミシン目Cが形成されている位置で破断することによって、長尺帯状のマスク用シート10である第3巻回体10Cから枚葉のマスク用シート10を得ることができる。このマスク用シート10はフィルタシートの態様として好適に用いることができる。
このような態様とすることによって、清潔且つ未使用のシートを使用の都度取り出して、所定のサイズを有する枚葉のシートを簡便に得ることができる。また、一つの巻回体から複数枚の枚葉のマスク用シート10をより簡便に得ることができる。その結果、フィルタシートとしての使用感及び使用時の利便性がより一層向上する。
以上の工程を経て、各実施形態のマスク用シート10を得ることができる。また上述の説明から明らかなように、本考案は、マスク用シート及びマスクだけでなく、マスク用シートの使用方法も提供する。当該使用方法としては、マスク用シートを、マスクにおけるマスク本体に着脱可能なフィルタシートとして用いることができる。これに代えて、マスク用シートをマスク本体として用いることができる。
以上、本考案をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本考案は前記実施形態に制限されない。
以下、実施例により本考案を更に詳細に説明する。しかしながら本考案の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
マスク用シート10として、図6に示すような三層構造のシートを得た。まず第2繊維層12として、PP樹脂からなるスパンボンド不織布の原反を搬送方向MDに搬送しながら、その上面全域に16個の紡糸ノズル120を向けて電界紡糸法を行い、第2繊維層12の上面に第1繊維層11を形成した。第1繊維層11の構成繊維の紡糸条件は以下のとおりとした。次いで、第3繊維層13として、PP樹脂からなるスパンボンド不織布の原反を第1繊維層11の上面に積層して、三層構造の積層体1Sを得た。この積層体1Sにおける各繊維層11,12,13は、いずれも接合部Bは形成されていない。
この積層体1Sを接合部形成部130に導入して超音波エンボス加工を施して、各繊維層11,12,13を接合する散点状の接合部Bを形成し、長尺帯状のマスク用シート10を得た。接合部Bは直径1mmの平面視真円形であり、接合部Bの一個当たりの平均面積は0.785mmであった。接合部Bどうしの搬送方向MDに沿う間隔はいずれも5.1mmであり、接合部Bどうしの幅方向CDに沿う間隔はいずれも3.42mmであった。口対応領域Aにおける20mm×20mmの範囲に形成されている接合部Bの個数は15個であった。
その後、長尺帯状のマスク用シート10を、搬送方向MDに沿う長さが150mm、幅方向CDに沿う長さを100mmとなるように切断して、本実施例の毎葉のマスク用シート10を得た。
<紡糸条件>
・紡糸環境:25℃、50%RH
・電界紡糸用原料液:PP(PolyMirae社製、MF650Y、融点155℃)を95質量%含み、且つ添加剤としてアシルアルキルタウリン塩(N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム;日光ケミカルズ株式会社製、ニッコールSMT)を5質量%含む樹脂組成物の加熱溶融液。
・紡糸ノズルへの印加電圧:−10kV
・紡糸ノズルと繊維層との最短距離:300mm
・ノズルの直径:0.25mm
〔実施例2〜6〕
電界紡糸時の第2繊維層12の搬送速度及び印加電圧を調整して、坪量及び平均繊維径を表1に示すとおりとした第1繊維層11を第2繊維層12の上面に作製した。これ以外は実施例1と同様に、三層構造の枚葉のマスク用シート10を得た。
〔実施例7〜9〕
電界紡糸時の第2繊維層12の搬送速度及び印加電圧を調整して、坪量及び平均繊維径を表1に示すとおりとした第1繊維層11を第2繊維層12の上面に作製した。これ以外は実施例1と同様に、三層構造の枚葉のマスク用シート10を得た。
〔比較例1〕
第1、第2及び第3繊維層をそれぞれ表1に示す坪量となるように変更し、且つ接合部Bを形成しなかった以外は、実施例1と同様に三層構造の枚葉のマスク用シート10を得た。
〔厚み及び通気抵抗の評価〕
実施例のマスク用シートの厚みT1、並びに実施例及び比較例のマスク用シートの通気抵抗は、上述した方法に従って測定した。結果を表1に示す。
〔微粒子捕集率の評価〕
実施例及び比較例のマスク用シートの微粒子の捕集率は、以下の方法によって測定した。
ハンドヘルド気中パーティクルカウンター(ベックマン・コールター株式会社製、MET ONE HHPC6+)を用いて、該カウンターの測定端子を評価対象のマスク用シートで塞ぐように、シートを固定した。そして、25℃、50%RHにおける大気中の微粒子(粒子径1.0μm以上)を対象として、シート厚み方向に通過した粒子個数P1を測定した。これとは別に、シートを配さない状態で、粒子個数P2を測定した。測定された各粒子個数P1,P2から、微粒子捕集率(%)を以下の式に基づいて算出した。微粒子捕集率が高いほど、マスク用シートによる微粒子の捕集性能が高いことを示す。結果を表1に示す。
微粒子捕集率(%)=100×(P2−P1)/P1
〔使用感の評価〕
実施例及び比較例のマスク用シートの使用感は、以下の(1)及び(2)の項目について、以下の方法で評価した。結果を表1に示す。なお、使用感の評価に使用したマスク用シートは、輪ゴムなどで耳掛け部をマスク用シートの口対応領域以外の領域に設けて、簡易的なマスク形状とした。このマスクを、パネラーに着用させて評価した。
(1)呼吸のしやすさ
20〜30歳代の男女計5名のパネラーにマスク用シートを着用させ、呼吸のしやすさについて以下の基準により評価した。評価は、最も選ばれた評価の点数の値とした。
3点:着用時に呼吸を無理なく行うことができ、優れた使用感である。
2点:着用時に若干の呼吸のしづらさを感じるが、問題のない使用感である。
1点:着用時での呼吸は一応可能であるが、長時間の着用は困難だと感じる程度に使用感が劣る。
(2)装着感
20〜30歳代の男女計5名のパネラーにマスク用シートを着用させ、該シートの装着感について以下の基準により評価した。評価は、最も選ばれた評価の点数の値とした。
3点:把持時又は着用時にマスク用シートの硬さや厚みを感じることなく装着することができ、優れた使用感である。
2点:把持時又は着用時にマスク用シートの硬さや厚みを少し感じるが、問題のない使用感である。
1点:把持時又は着用時にマスク用シートの硬さや厚みを感じやすく、長時間の着用では不快だと感じる程度に使用感が劣る。
Figure 0003235192
表1に示すように、本実施例のマスク用シート10は、微粒子異物の捕集性能に優れ、薄型であり通気性も良好であり、これに伴って使用感も高いことが判る。
特に、実施例1及び2のマスク用シート、更に好ましくは実施例2のマスク用シートは、微粒子異物の高い捕集率、通気抵抗の低減及び使用感の高い評価を兼ね備えたシートであることも判る。
1 マスク
5 マスク本体
10 マスク用シート
10A,10B,10C 巻回体
11 第1繊維層
12 第2繊維層
13 第3繊維層
50 包装袋
80 包装体
100 製造装置
A 口対応領域
B 接合部
C ミシン目

Claims (13)

  1. 第1繊維層と、第1繊維層の一方の面側に設けられた第2繊維層とを有し、
    第2繊維層を構成する繊維の平均繊維径は、第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径よりも大きく、
    第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径が0.2μm以上2μm以下であり、
    第1繊維層の坪量が2g/m以上20g/m以下であり、
    第1繊維層の坪量に対する第2繊維層の坪量の比が0超8未満である、マスク用シート。
  2. 通気抵抗が0.5kPa・s/m以下である、請求項1に記載のマスク用シート。
  3. 第1繊維層と、第1繊維層の一方の面側に設けられた第2繊維層とを有し、
    第2繊維層を構成する繊維の平均繊維径は、第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径よりも大きく、
    第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径が0.2μm以上2μm以下であり、
    平面視において、使用者の口の位置に対応して配される口対応領域を有し、
    平面視において、前記口対応領域は、前記第1繊維層と前記第2繊維層とを接合する接合部を前記口対応領域における20mm×20mmの範囲に1個以上有し、
    平面視において、前記接合部の合計面積は前記口対応領域の面積の0%超2%以下である、マスク用シート。
  4. 前記接合部は熱融着によって形成されている、請求項3に記載のマスク用シート。
  5. 前記接合部は、その1個当たりの平均面積が0.1mm以上3mm以下である、請求項3又は4に記載のマスク用シート。
  6. 第2繊維層の坪量が5g/m以上30g/m以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマスク用シート。
  7. 前記第2繊維層は不織布である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマスク用シート。
  8. 前記第1繊維層における前記第2繊維層が配されていない面側に、第3繊維層が更に設けられており、
    第3繊維層を構成する繊維の平均繊維径は、第1繊維層を構成する繊維の平均繊維径よりも大きい、請求項1〜7のいずれか一項に記載のマスク用シート。
  9. 前記第1繊維層における前記第2繊維層が配されていない面側に、第3繊維層が更に設けられており、
    前記第2繊維層の外面又は第3繊維層の外面が使用者の口に対向する面である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のマスク用シート。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のマスク用シートが長尺帯状であり、前記マスク用シートが巻回されてなる巻回体。
  11. 長手方向に交差する方向に沿ってミシン目を有する、請求項10に記載の巻回体。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のマスク用シートをマスク本体として備えるマスク。
  13. マスク本体と、該マスク本体に着脱可能なフィルタシートとを備え、
    前記フィルタシートが、請求項1〜9のいずれか一項に記載のマスク用シートであるマスク。
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