JP3234703B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Description
外周に沿って延びる複数本の縦溝で区分した陸部を有す
る空気入りタイヤに関するものであり、具体的には、排
水性、耐摩耗性等の他の性能を悪化させることなく騒音
の低減を図った空気入りタイヤに関するものである。
ブパターンを有する空気入りタイヤにおいて、高周波の
騒音が問題となっている。この騒音を構成する有力な成
分の一つに、縦溝内で発生する気柱共鳴音がある。従来
は、この気柱共鳴音の低減を図るため、溝容積を小さく
して共鳴を抑制したり、トレッドゴムを柔らかくして振
動を吸収する手段等を講じていた。
の、後者は耐摩耗性の低下をそれぞれ伴うという欠点が
あった。そのため、発明者は、これらの性能を悪化させ
ることなく縦溝内で生じる気柱共鳴音を抑制して騒音の
低減が図れる手段を見出すべく鋭意検討を行った。その
結果、縦溝の溝壁の振動を抑制すれば、縦溝内で生ずる
気柱共鳴音が小さくなること、及び、縦溝の溝壁の振動
は、陸部の表面形状によって大きく変化することを見出
した。
溝の溝壁の振動を抑制できるような形状にすることによ
り、排水性、耐摩耗性等の他の性能を悪化させることな
く縦溝内で生じる気柱共鳴音を抑制し低騒音化を図った
空気入りタイヤを開発することにある。
め、本発明は、トレッド部が、タイヤ外周に沿って延び
る複数本の縦溝で区分した陸部を有する空気入りタイヤ
において、陸部は、その側縁からタイヤ幅方向に測った
距離で4.0mmの位置と8.0mmの位置とで挟まれ
た表面領域を除いた残余の表面に、側縁に沿って延びる
畝状の突条を有することを特徴とする空気入りタイヤで
ある。なお、ここでいう縦溝とは、タイヤ外周に沿って
延びる主溝を意味し、その溝の配設形状は、直線形状の
他、ジグザグ形状等であってもよく、特に限定はしな
い。また、突条を前記表面領域に隣接した位置に設ける
こと、陸部をその幅方向に三等分して中央域と両側方域
とに分け、突条を中央域内に設けること、タイヤ幅方向
に測った陸部の幅に対する突条の幅、及びタイヤ半径方
向に測った陸部の高さに対する突条の高さの割合が、そ
れぞれ0.10〜0.40、0.08〜0.30の範囲
であること、がより好ましい。
は、気柱共鳴音を引き起こす縦溝の溝壁の振動が、陸部
の表面形状によって大きく変化することは前述した。こ
こでは、陸部表面形状を適正にした経緯を説明し、その
後に本発明タイヤの作用を説明する。
陸部表面で入力した振動が、縦溝の溝壁の振動にどのよ
うな影響を与えるかについて調べた。図8(b)は、同
図(a)のようなトレッド部をもつ従来タイヤの陸部表
面に振動を加え、振動源を陸部の側縁位置を起点として
タイヤ幅方向に移動させ、そのときの振動源の位置を横
軸にとり、この横軸に対しその振動が縦溝の溝壁に伝達
した度合いを示す振動伝達率をプロットした一例を示し
たものである。なお、振動伝達率は、測定した溝壁での
振幅Zを、振動源の振幅Z0 で除した値の百分率であ
る。
率は、陸部の側縁位置からその少し(4〜8mm程度)
離れた位置までは増加する傾向にあり、この位置をピー
クとして、陸部の側縁位置からさらに離れるにしたがっ
て減少する傾向にあることがわかった。このことは、縦
溝の溝壁の振動が、陸部表面の振動のうち、陸部の側縁
から少し離れた位置での振動に最も顕著な影響を受ける
こと、すなわち、この位置での振動は、残余の表面での
振動よりも、縦溝の溝壁の振動を大きくすることがわか
った。
を大きくする上記陸部表面位置での振動を抑制すれば、
縦溝の溝壁の振動を小さくすることができ、これによっ
て縦溝内で発生する気柱共鳴音を低減できると考えた。
の溝壁の振動をより大きくする上記陸部部分、すなわ
ち、陸部の側縁からタイヤ幅方向に測った距離で4.0
mmの位置と8.0mmの位置とで挟まれた表面領域を
除いた残余の表面に側縁に沿って延びる畝状の突条を設
けることにより、表面領域での入力が少なくなり、従っ
て、縦溝の溝壁の振動が低減する。特に、陸部幅が20
〜35mmの範囲である陸部を有する空気入りタイヤに
適用するのがより好ましい。
向に測った陸部の幅W2に対する突条の幅W1、及びタ
イヤ半径方向に測った陸部の高さH2に対する突条の高
さH1の割合が、それぞれ0.10〜0.40、0.0
8〜0.30の範囲であることが好ましい。突条の幅の
割合が、上記の範囲から外れると騒音低減効果が小さく
なるからであり、また、突条の高さの割合が、0.08
未満だと、騒音低減効果が小さく、0.30を超える
と、突条が破損しやすくなるからである。
12での地面からの入力を少なくするような位置に配設
すればよいので、図1(a)に示すように、陸部をその
中央域内に設けても、図2に示すように、突条を高感度
な前記表面領域12に隣接した位置に設けてもよく、適
宜選択できる。また、突条の形状は、図3に示すように
曲面状にすることができ、突条の配設個数は、図4に示
すように複数であってもよく、突条は、図5に示すよう
に、陸部間で異なる位置に配設してもよい。また、突条
は、全陸部に設けても一部の陸部に設けてもよい。
ついて説明してきたが、本発明は、これらには限定され
ず、請求の範囲において、種々の変更を加えることがで
きる。
体的な実施例を図6(a)、(b)を参照しながら説明
する。図6(a)、(b)は、本発明に従う代表的な空
気入りタイヤを示したものであり、(a)が幅方向断
面、(b)が展開したトレッド部の一部を示したもので
ある。なお、図中1は空気入りタイヤ、2はトレッド
部、3はタイヤ赤道面、4は縦溝、5は陸部、7a及び
7bは陸部の側縁、8は突条、9は陸部の中央域、10
及び11は陸部の側方域、12は陸部の表面領域で13
はサイプある。この空気入りタイヤ1は、タイヤサイズ
が11R22.5であり、トレッド部2が、タイヤ外周
に沿って延びる4本の縦溝4で区分した陸部5を有して
いる。また、このタイヤは、陸部の表面領域12を除い
た残余の表面に矩形の断面形状をもつ突条8を有してい
る。陸部幅W2は23mm、縦溝4の幅は10mm、深
さは14mmとした。なお、トレッド部2以外のタイヤ
構造については、1プライのカーカスと、4層のベルト
をもつ従来のタイヤとほぼ同じであるので図示しない。
に示すように陸部5の中央域9の場合と、図2に示すよ
うに陸部5の両側方域10、11の場合の二種類のタイ
ヤについて、それぞれタイヤ幅方向に測った陸部の幅W
2に対する突条の幅W1の割合を、0.10から0.3
0まで0.10ごとに変化させた3種類、及び、タイヤ
半径方向に測った陸部の高さH2に対する突条の高さH
1の割合を、0.10から0.30まで0.10ごとに
変化させた3種類の計12種類のタイヤを製造し、試験
に供した。
るタイヤである。
その騒音レベルを比較することにより評価した。試験結
果を図7(a)、(b)に示す。
を中央域9、両側方域10、11のいずれに設けた場合
でも、従来タイヤに比べ、低騒音であることがわかっ
た。
側縁7a、7bからタイヤ幅方向に測った距離で4.0
mmの位置と8.0mmの位置とで挟まれた表面領域1
2を除いた残余の表面に、側縁7a、7bに沿って延び
る畝状の突条8を設けることにより、表面領域12での
入力が少なくなるため、縦溝4の溝壁の振動が抑制さ
れ、これによって、縦溝4内で発生する気柱共鳴音を低
減でき、タイヤ騒音が小さくなる。
トレッド部を構成する陸部の一個を拡大した断面図であ
り、(b)は、その接地圧分布図である。
一個を拡大した断面図である。
一個を拡大した断面図である。
一個を拡大した断面図である。
一個を拡大した断面図である。
向断面図であり、(b)は、そのタイヤを展開したトレ
ッド部の部分的平面図である。
部の幅の割合に対する騒音レベルを示した図であり、
(b)は、タイヤ半径方向に測った突条の高さ/陸部の
高さの割合に対する騒音レベルを示した図である。
式的に示した断面図であり、(b)は、陸部の幅方向位
置に対する縦溝の溝壁での振動伝達率を示した図であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 トレッド部が、タイヤ外周に沿って延び
る複数本の縦溝で区分した陸部を有する空気入りタイヤ
において、 陸部は、その側縁からタイヤ幅方向に測った距離で4.
0mmの位置と8.0mmの位置とで挟まれた表面領域
を除いた残余の表面に、側縁に沿って延びる畝状の突条
を有することを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 突条を前記表面領域に隣接した位置に設
けることを特徴とする請求項1に記載した空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項3】 陸部をその幅方向に三等分して中央域と
両側方域とに分け、突条を中央域内に設けることを特徴
とする請求項1に記載した空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 タイヤ幅方向に測った陸部の幅に対する
突条の幅、及びタイヤ半径方向に測った陸部の高さに対
する突条の高さの割合が、それぞれ0.10〜0.4
0、0.08〜0.30の範囲である請求項1、2、又
は3に記載した空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00404994A JP3234703B2 (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00404994A JP3234703B2 (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07205614A JPH07205614A (ja) | 1995-08-08 |
JP3234703B2 true JP3234703B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=11574056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00404994A Expired - Lifetime JP3234703B2 (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3234703B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4255157B2 (ja) * | 1999-03-04 | 2009-04-15 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ及びタイヤ成形用金型 |
JP4457735B2 (ja) * | 2004-04-09 | 2010-04-28 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP4872066B2 (ja) * | 2007-04-05 | 2012-02-08 | 東洋ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP5253538B2 (ja) * | 2011-04-04 | 2013-07-31 | 東洋ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
1994
- 1994-01-19 JP JP00404994A patent/JP3234703B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07205614A (ja) | 1995-08-08 |
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