JP3234695B2 - 写真フィルム集積装置 - Google Patents

写真フィルム集積装置

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JP3234695B2
JP3234695B2 JP28664593A JP28664593A JP3234695B2 JP 3234695 B2 JP3234695 B2 JP 3234695B2 JP 28664593 A JP28664593 A JP 28664593A JP 28664593 A JP28664593 A JP 28664593A JP 3234695 B2 JP3234695 B2 JP 3234695B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真フィルム処理装置
によって処理された写真フィルムを集積するための写真
フィルム集積装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の写真処理装置、例えば自動現像に
おいて、現像処理及び乾燥処理されるネガフィルムに
は、先端部にリーダを称される比較的腰の強い合成樹脂
板がテープ等を介して貼付けられており、このリーダに
設けられた等ピッチの孔と装置内に設けられたスプロケ
ットとを嵌合させることにより現像処理及び乾燥処理時
にネガフィルムを案内搬送するようになっている(リー
ダ搬送方式)。また、前記処理が終了し排出口から排出
されるネガフィルムは、リーダをフック等に引っかける
ことにより、吊り下げ状態で保持するようにしている。
【0003】ところで、このリーダは次工程(焼付処理
等)には不要であるため、ネガフィルムから離脱させる
必要があり、作業効率の低下を招いている。
【0004】このため、近年ではリーダを用いずにネガ
フィルムを案内搬送する自動現像機が提案されている
(リーダレス搬送方式)。これによれば、各処理が終了
した後にリーダとネガフィルムとの離脱のための作業を
省くことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記リ
ーダレス搬送方式では、作業効率が向上する反面、排出
口から排出されるネガフィルムを従来のリーダ搬送方式
のようにリーダをフックに引っかけて集積することがで
きない。このため、ネガフィルムを収容箱等に乱雑に投
下せざるを得ない状況となっている。このような、保存
では、ネガフィルム同士が擦れ合って傷を付けたり、ネ
ガイフィルムの処理順序が狂い、一連の処理の一括した
管理が行えなくなるという問題点が生じる。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、リーダを不要
として作業効率を向上すると共に処理が終了した写真フ
ィルムを処理順に整理し、保持することができる写真フ
ィルム集積装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、写真フィルム処理装置によって処理された写真フィ
ルムを集積するための写真フィルム集積装置であって、
処理装置本体の最下流側に設けられた排出ローラに挟持
搬送されて排出される際に、写真フィルムの腰の強さと
自重及びカール癖との釣合いによって水平状態又は水平
状態に対して若干下向きに傾斜された状態で排出される
前記写真フィルムの移動軌跡上に形成され、前記写真フ
ィルムの面を挟持する支持部材と、前記支持部材を通過
する写真フィルムの移動を制限し、前記写真フィルムが
前期支持部材に巻き掛けられるように屈曲された状態で
支持させる制限手段と、を有している。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記支持部材が
単独又は一対のローラで形成され、前記制限手段が前記
ローラよりも下流側に設けられ写真フィルムの垂下方向
に所定量案内するためのガイド板であることを特徴とし
ている。
【0009】請求項3に記載の発明は、前記支持部材が
一対のローラで形成され少なくとも一方が写真フィルム
の前記排出ローラからの搬送方向に沿ってのみ回転する
1方向回転ローラであり、前記制限手段が前記一対のロ
ーラで写真フィルムの先端部を挟持した状態で写真フィ
ルムの先端と当接するストッパであることを特徴として
いる。
【0010】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、処理装置本体
から写真フィルムが排出される場合、写真フィルムは水
平方向又は水平方向に対して若干下向きに傾斜された状
態で排出される。これは、写真フィルム自身の腰の強さ
と、自重やカール癖との釣合いによるものであり、写真
フィルムの種類によって傾斜角度は異なるものの、水平
方向又は水平方向に対して下向きの傾斜自体は起こり得
る。例えば、傾斜角度を一致させるために、処理装置本
体の最下流側の排出ローラによって写真フィルムの搬送
方向を変えるようにすれば、写真フィルムの種類、カー
ル癖のつき具合に拘らず、ある一定の範囲内の傾斜角度
で排出させることができる。
【0011】この排出される写真フィルム移動軌跡上に
は、支持部材が配置されている。この支持部材に面を
持されながら写真フィルムは搬送されるが、制限手段に
よってその搬送は制限される。このとき、排出ローラと
支持部材との間で写真フィルムはループが形成され、折
れ曲がるようなことはない。
【0012】写真フィルムの後端が排出ローラを通過す
ると、支持部材よりも手前(上流)側の写真フィルムは
支持部材に巻き掛けられるように自重により落下する。
ここで、制限手段によって支持部材による写真フィルム
の支持位置を写真フィルムの略中間部とするか、支持部
材によって写真フィルムを保持する等により、写真フィ
ルムを支持部材に巻きかけた状態で保持することができ
る。以上を繰り返すことにより、複数本の写真フィルム
を処理順に集積することができる。
【0013】このように、写真フィルムを支持部材に巻
き掛けて屈曲させて支持するようにしたため、従来必要
であったリーダがなくても、確実に写真フィルムを処理
順に整然と集積保持することができる。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、ガイド板
によってローラが支持する写真フィルムの位置をほぼ写
真フィルムの中間位置としておけば、写真フィルムは所
謂ハンガーの如く、ローラに巻き掛けられた状態で約1
80°屈曲されて支持されることになり、ローラを境に
釣り合った状態で写真フィルムを支持することができ
る。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、写真フィ
ルムの一対のローラに挟持され、その後若干量搬送され
ると、先端がストッパに当接して以後写真フィルムの先
端の移動が制限されるため、排出ローラと一対のローラ
との間の写真フィルムはループが形成される。写真フィ
ルムの後端が排出ローラを通過すると、写真フィルムの
大部分が自重により落下することになるが、一対のロー
ラの少なくとも一方が逆転不可能となっているため、一
対のローラに挟持された写真フィルムは脱落せず、写真
フィルムの先端部の挟持状態を保持することができる。
【0016】
【実施例】
(第1実施例)図1には、本実施例に係る自動現像機1
0が示されている。
【0017】自動現像機10は、その外側がフレーム1
2によって被覆され、遮光されている。また、フレーム
12の下方は、複数の支持脚14によって床面16上に
支持されている。
【0018】フレーム12の底部からは複数の立壁18
が立設され、現像槽20、漂白槽22、定着槽24、水
洗槽26、28及び安定槽30が形成され、それぞれの
槽に処理液が貯留されている(以下、必要に応じ総称し
て処理槽32という。)。
【0019】処理槽32(現像槽20)の図1の左側に
はフィルム装填部34が設けられている。フィルム装填
部34には、パトローネ36が保持される保持部38が
設けられ、この保持部38に保持されたパトローネ36
から引き出されたネガフィルム40がローラ対42に挟
持され、処理槽32へ搬送されるようになっている。保
持部38の下流側にはカッタ44が配置されており、パ
トローネ36からネガフィルム40が全て引き出される
と、カッタ44が作動して切断するようになっている。
【0020】処理槽32には、それぞれ処理ラック33
が配置されており、この処理ラック33は上方の一部を
除き、各処理液中に浸漬された状態で配置されている。
【0021】処理ラック33には、図1の現像槽20に
二点鎖線で示したように、ネガフィルム40の幅方向両
端部を案内するガイド溝33Aが形成されている。この
ガイド溝33Aは、図示は省略したが、他の処理槽32
に配置された処理ラック33にも設けられている。この
ガイド溝33Aに沿ってネガフィルム40は各処理槽3
2内を略U字状に案内されることになる。
【0022】また、処理ラック33の液面近傍、底部近
傍及びこれらの中間部にはそれぞれ大径ローラ45Aと
一対の小径ローラ45Bとによって構成される搬送ロー
ラ45が配置されており、前記ガイド溝33Aに沿って
送り込まれてくるネガフィルム40を挟持し、搬送力を
付与するようになっている。
【0023】底部に位置する搬送ローラ45の大径ロー
ラ45A回りにはさらに2個のローラ45Cが配置され
ており、ネガフィルム40を安定してターンさせること
ができるようになっている。
【0024】処理ラック33の上方、すなわち液面より
も上に位置する部分にはクロスオーバー部とされ、隣合
う2個の処理ラック33の出口側と入口側とにそれぞれ
設けられた搬送ローラ47によって構成されている。こ
れらの搬送ローラ47はそれぞれ大径ローラと小径ロー
ラとで構成され、次の処理ラック33へ確実にネガフィ
ルム40を受け渡すようになっている。
【0025】これにより、ネガフィルム40は搬送ロー
ラ45から搬送力を受けながらガイド溝33Aに案内さ
れ、各処理槽32内を略U字状に搬送されながら、各処
理液によって処理され、安定槽30から排出され、次工
程の乾燥部56へ受け渡されるようになっている。
【0026】安定槽30の下方には空間部が形成され、
ヒータ50と送風機52とが配設され、温風供給手段を
形成し、ダクト54を介して処理槽32の下流側に位置
する乾燥部56へ温風を供給している。
【0027】乾燥部56では、ガイドローラ48及びガ
イド部材49によって略U字状に案内搬送し、この搬送
中に温風にさらすことにより、ネガフィルム40を乾燥
する構成となっている。
【0028】乾燥部56による乾燥処理が終了したネガ
フィルム40は、ローラ対64に挟持されるようなって
いる。ローラ対64は駆動力によって回転され、この回
転力によってネガフィルム40は排出部66へと送り出
されるようになっている。
【0029】図2乃至図5には、自動現像機10の排出
部66の詳細が示されている。前記ローラ対64の下流
側、かつフレーム12の側面に形成された排出口12A
よりも外側には、ローラ対68が配設されている。これ
らのローラ対64、68のネガフィルム挟持点を結ぶ線
は、略水平線F(図2の点線参照)とされており、この
結果、ネガフィルム40は、乳剤面を下向きにした略水
平状態で排出されるようになっている。
【0030】乾燥後のネガフィルム40は通常乳剤面側
にカールするため、下流側のローラ対68から排出され
た後は、自重及びカール方向、すなわち前記水平線Fよ
りも下向きに傾斜される移動軌跡を形成することになる
(水平線Fに対して約45°の傾斜)。この移動軌跡延
長上には、集積装置100が配設されている。
【0031】なお、この傾斜角度は適用されるネガフィ
ルム40の種類によって異なり、ネガフィルム40の腰
の強さ(ローラ対68から水平に排出しようとする力に
相当)とカール癖や自重(ローラ対から下方向に向けて
排出しようとする力に相当)との釣合いによって決まる
ものであり、一義的に決まるものではない。従って、水
平状態(0°)から90°の範囲で角度調整可能とする
のが好ましい。なお、実験によれば、実質的には5°〜
60°の範囲であれば、ほとんどのネガフィルム40に
対応させることが可能である。
【0032】集積装置100はフレーム12の側壁に取
付けられた収容箱70の外側にブラケット72を介して
取付けらており、その入口部には、一対のローラ102
が配設されている。この一対のローラ102は、前記ロ
ーラ対68から挟持搬送されるネガフィルム40を挟持
するようになっている。
【0033】ネガフィルム40は、ローラ対68に挟持
されている間は、搬送力を持っており、このため、一対
のローラ102はネガフィルム40の搬送に伴って回転
するようになっている(図2の矢印A参照)。
【0034】ところで、この一対のローラ102は一方
向のみ回転(前記、図2の矢印A方向回転)が可能で、
反対方向の回転は阻止する機構が設けられている。例え
ば、ローラ102を構成する回転軸と回転軸に挿通され
る円筒体との間に周知のワンウェイクラッチを取付けた
り、ローラ102の回転軸を軸支する軸受自体にワンウ
ェイクラッチ機構が具備するようにしてもよい。
【0035】このため、一度挟持されたネガフィルム4
0を引き戻そうとしても、ローラ102の回転阻止によ
ってネガフィルム40は引き出せない構成となってい
る。
【0036】一対のローラ102の上側のローラ102
Aは、アーム104の先端に取付けられている。アーム
104の基部は集積装置100のケーシング106に軸
108を介して取付けられており、このため、アーム1
04は、軸108を中心に回動可能となっている。軸1
08にはねじりコイルばね110が取付けられ、その一
端はアーム104に係止され、他端はケーシング106
に係止されている。これにより、アーム104は、ねじ
りコイルばね110の付勢力によって上側のローラ10
2Aが下側のローラ102Bに当接する方向に付勢され
ている。
【0037】すなわち、ネガフィルム40が集積装置1
00に搬送されてくる毎にネガフィルム40の搬送力に
よってねじりコイルばね110の付勢力に抗してアーム
104が回動して、上側のローラ102Aと下側のロー
ラ102Bとの間にネガフィルム40の肉厚寸法毎のス
テップで隙間が生じ、複数のネガフィルム40がこの隙
間に挿入される構成である。
【0038】一対のローラ102の下流側には、略L字
型に形成されたストッパ112が配設されている。この
ストッパ112には、ネガフィルム40の先端が当接
し、それ以上の搬送を阻止するようになっている(図2
の一点鎖線参照)。このネガフィルム40の搬送の阻止
によって、ネガフィルム40は前記ローラ対68と一対
のローラ102との間でループを形成することになる
(図2の二点鎖線参照)。このループはネガフィルム4
0のカール癖により上に凸の状態でカールされることが
多いが、下に凸の状態のカールであってもよい。何れに
しても、ネガフィルム40が折れ曲がるようなことはな
いようにローラ対68と一対のローラ102との間の上
下方向には空間を設けている。
【0039】ネガフィルム40の後端がローラ対68を
通過すると、ネガフィルム40は、一対のローラ102
による片持ち状態となるため、自重によってネガフィル
ム40は収容箱70内へ落下するようになっている。
【0040】本第1実施例では、この落下時及び落下後
に、ネガフィルム40の自重等によって一対のローラ1
02から引き出される力が働くが、前述の如く、ローラ
102は回転が阻止されており、ネガフィルム40の先
端部は確実に固定され、かつ下側のローラ102Bで略
直角に湾曲して吊り下げ状態で保持されるようになって
いる(図2の実線参照)。
【0041】以下に第1実施例の作用を説明する。フィ
ルム装填部34の保持部38にパトローネ36がセット
され、ネガフィルム40の先端が引き出されると、ネガ
フィルム40はローラ対42に挟持されて搬送される。
ネガフィルム40は、ガイドローラ46に巻き掛けられ
て現像槽20へ送り込まれる。その後、ネガフィルム4
0はガイド溝33Aに案内され、かつ搬送ローラ45に
よって搬送力を付与されて、各処理槽32内を略U字状
に搬送され、現像、漂白、定着、水洗及び安定の各処理
がなされ、乾燥部56へと至る。
【0042】ここで、ネガフィルム40の全てがパトロ
ーネ36から引き出されると、カッタ44が作動され、
ネガフィルム40はパトローネ36から分離される。
【0043】乾燥部56では、ネガフィルム40がガイ
ドローラ48及びガイド部材49によって略U字状に搬
送されている間に温風にさらされ、乾燥される。
【0044】乾燥後のネガフィルム40は、ローラ対6
4によって、排出口12Aから排出され、排出口12A
の外側に配設されたローラ対68に挟持される。このた
め、ネガフィルム40が排出口12Aから排出される際
には、乳剤面が下向きとなって略水平状態へ排出される
ことになる。
【0045】ここで、下流側のローラ対68を通過した
ネガフィルム40は、自重及びカール癖によって約45
°下向きに傾斜された状態で送り出される。この約45
°の傾斜方向に沿って集積装置100が配設されてお
り、この結果、ネガフィルム40は、一対のローラ10
2の間へと至る。なお、上記角度は限定されるものでは
なく、適用されるネガフィルム40によってネガクリッ
プ100の傾斜角度を5°〜60°の範囲で変更すれば
よい。
【0046】ここで、ネガフィルム40の搬送力によっ
て、アーム104がねじりコイルばね110の付勢力に
抗して軸108を中心に回転して、上側のローラ102
Aと下側のローラ102Bとの間に隙間が生じる。これ
により、ネガフィルム40は上側のローラ102Aと下
側のローラ102Bとの間に挿入される。このとき、ロ
ーラ102はネガフィルム40の搬送に伴って回転する
ため(図2の矢印A方向)、ネガフィルム40の挿入は
円滑に行われる。
【0047】ネガフィルム40がさらに搬送されると、
その先端がストッパ112に当接する。この当接によっ
てネガフィルム40の搬送は阻止されるため、ローラ対
68とローラ102との間のネガフィルム40にループ
(例えば、上に凸のループ)が形成される。これによ
り、ネガフィルム40が折れ曲がったりすることはな
く、傷つきが防止される。
【0048】ネガフィルム40の後端がローラ対68を
通過すると、ネガフィルム40は、ローラ102のみに
よる片持ち状態となるため、ネガフィルム40の後端部
側から収容箱70へ落下する。この落下中及び落下後に
ネガフィルム40はローラ102から引き戻ろうとする
力が働く。
【0049】しかし、ローラ102はワンウェイクラッ
チ等の機構により、ネガフィルム40が戻る方向への回
転は阻止されているため、ネガフィルム40を確実に固
定することができ、下側のローラ102Bの略直角に湾
曲させた吊り下げ状態で保持することができる。
【0050】次のネガフィルム40の先端が搬送された
場合にはアーム104はさらに回動するため、前回のネ
ガフィルム40と上側のローラ102Aとの隙間に挿入
され、前述と同様の作用で集積される。
【0051】このように、ネガフィルム40の先端を確
実に挟持した状態で次々にネガフィルム40を処理順に
集積することができる(図3参照)。このため、従来の
ように、ネガフィルム40の先端にリーダが取付けられ
ていなくても、確実に集積することができるため、次工
程への移動の際にリーダを取り外すといった作業が不要
となり、作業効率を向上することができる。
【0052】(第2実施例)以下に本発明の第2実施例
について説明する。なお、上記第1実施例と同一構成部
分については、同一の符号を付してその構成の説明を省
略する。
【0053】また、この第2実施例では、自動現像機1
0の排出部の構造の変形例について説明するため、自動
現像機10の全体構成は図1と同一となっている。
【0054】図4には、第2実施例に係る集積装置12
0が示されている。集積装置120の入口部には、円筒
形のハンガー軸122が配設されている。このハンガー
軸122の上方をローラ対68から挟持搬送されるネガ
フィルム40が搬送されるようになっている。
【0055】ハンガー軸122に隣接して、集積装置1
20にはガイドプレート124が配設されている。この
ガイドプレート124は、ハンガー軸122の上方から
小さな曲率半径でハンガー軸回りに略90°湾曲され、
さらに大きな曲率半径で湾曲して下方へ延長されてい
る。
【0056】ローラ対68によって搬送されてくるネガ
フィルム40は、腰の強さによって先端が弛むことな
く、ハンガー軸122の上方を通過し、ガイドプレート
124の小曲率半径面124Aに当接するようになって
いる(図4の2点鎖線参照)。小曲率半径面124Aに
当接されたネガフィルム40の先端は、自身の搬送力に
伴って小曲率半径面124Aから大曲率半径面124B
へと案内されることになる(図4の一点鎖線参照)。
【0057】ガイドプレート124の延長先端は、自動
現像機10方向へ略直角に屈曲された支持ベース124
Cが形成されている。このため、大曲率半径面124B
に沿って案内されてくるネガフィルム40の先端はこの
支持ベース124Cに当接することによってその搬送が
阻止される構成となっている。
【0058】このガイプレート124に案内搬送される
ネガフィルム40の長さはネガフィルム40の全長の約
半分程度(例えば、36枚撮りと24枚撮りの平均長さ
の1/2)とされており、この長さが搬送され、ネガフ
ィルム40の先端が支持プレート124Cへと至った後
は、ネガフィルム40はガイドプレート124の小曲率
半径面124A及び大曲率半径面124Bに密着された
状態でローラ対68とガイドプレート124との間の隙
間でループが形成され(図4の実線参照)、ローラ対6
8からネガフィルム40の後端が排出されると、自重に
よってループが形成された部分が収容箱70方向へ落下
することになる。このとき、ハンガー軸122の左右に
ネガフィルム40の全長が振り分けられるため、ネガフ
ィルム40はハンバー軸122に略180°屈曲された
状態で吊り下げられることになる(図5参照)。
【0059】以下に第2実施例の作用を説明する。ロー
ラ対68から排出されたネガフィルム40は、自身の腰
の強さによりカローラ対68による片持ち状態で、水平
に対して若干傾斜された状態で搬送される。このとき、
ハンガー軸122の上方と通過しガイドプレート124
の小曲率変形面124Aに当接する。ネガフィルム40
はこの小曲率半径面124Aに沿ってハンガー軸回りに
案内され、連続する大曲率半径面124Bに沿って下方
へ案内される。
【0060】ネガフィルム40の先端が支持プレート1
24まで至ると、この支持プレート124Cに当接する
ことによって、搬送が阻止される。このため、ネガフィ
ルム40はローラ対68とガイプレート124との間の
隙間でループが形成されることになる。
【0061】ネガフィルム40の後端がローラ対68か
ら排出されると、自重によって落下するが、ハンガー軸
122の左右に約半分の長さづつ分けられているため、
この落下に伴ってネガフィルム40のほぼ中間がハンガ
ー軸122に略180°屈曲され巻き掛けられて支持さ
れることになる。
【0062】次のネガフィルム40も同様に最初はガイ
プレート124の小曲率半径面124Aと大曲率半径面
124Bとに沿って案内されるため、ハンガー軸122
に支持されているネガフィルム40と擦れ合うことなく
搬送され、後端がローラ対68から排出された時点で、
前回のネガフィルム40上に落下し、ハンガー軸122
に集積される。
【0063】このように、ガイドプレート124に沿っ
て搬送し、自重による落下によってハンガー軸122へ
次々に集積させることができるため、簡単な構造で確実
にかつ処理順にネガフィルム40を集積することができ
る。
【0064】なお、この第2実施例において、ガイプレ
ート124に小曲率半径面124Aを形成し、ハンガー
軸122から離れた状態で搬送するようにしたが、図6
に示される如く、ハンガー軸122に対向して若干離反
させ、かつ圧縮コイルばね128の付勢力によってハン
ガー軸122方向へ付勢されたローラ130を設けても
よい。
【0065】また、上記第1及び第2実施例では、集積
装置100を約45°傾斜させて配設したが、ネガフィ
ルム40の腰の強さ、カール癖に基づいて最適な角度を
選択すればよい。
【0066】また、第1及び第2実施例では自動現像機
10の排出部66として集積装置100を配設したが、
自動現像機10に限らず、プリンタ等の他の処理装置の
排出部としても適用可能である。
【0067】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る写真フィ
ルム集積装置は、リーダを不要として作業効率を向上す
ると共に処理が終了した写真フィルムを処理順に整理
し、保持することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る自動現像機の概略構成図であ
る。
【図2】第1実施例に係る集積装置の拡大図である。
【図3】図2におけるネガフィルム集積状態を示す拡大
図である。
【図4】第2実施例に係る集積装置の拡大図である。
【図5】図4におけるネガフィルム集積状態を示す拡大
図である。
【図6】第2実施例の変形例を示す集積装置の拡大図で
ある。
【符号の説明】
10 自動現像機(処理装置) 40 ネガフィルム(写真フィルム) 100、120 集積装置 102 ローラ 112 ストッパ 122 ハンガー軸 124 ガイドプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03D 13/10 B65H 29/22 B65H 29/26 B65H 31/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真フィルム処理装置によって処理さ
    れた写真フィルムを集積するための写真フィルム集積装
    置であって、 処理装置本体の最下流側に設けられた排出ローラに挟持
    搬送されて排出される際に、写真フィルムの腰の強さと
    自重及びカール癖との釣合いによって水平状態又は水平
    状態に対して若干下向きに傾斜された状態で排出される
    前記写真フィルムの移動軌跡上に形成され、前記写真フ
    ィルムの面を挟持する支持部材と、 前記支持部材を通過する写真フィルムの移動を制限し、
    前記写真フィルムが前記支持部材に巻き掛けられるよう
    に屈曲された状態で支持させる制限手段と、 を有することを特徴とする写真フィルム集積装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部材が単独又は一対のローラで
    形成され、前記制限手段が前記ローラよりも下流側に設
    けられ写真フィルムの垂下方向に所定量案内するための
    ガイド板であることを特徴とする請求項1記載の写真フ
    ィルム集積装置。
  3. 【請求項3】 前記支持部材が一対のローラで形成され
    少なくとも一方が写真フィルムの前記排出ローラからの
    搬送方向に沿ってのみ回転する1方向回転ローラであ
    り、前記制限手段が前記一対のローラで写真フィルムの
    先端部を挟持した状態で写真フィルムの先端と当接する
    ストッパであることを特徴とする請求項1記載の写真フ
    ィルム集積装置。
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