JP3234414B2 - 圧延機用冷却装置 - Google Patents

圧延機用冷却装置

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JP3234414B2 JP22945894A JP22945894A JP3234414B2 JP 3234414 B2 JP3234414 B2 JP 3234414B2 JP 22945894 A JP22945894 A JP 22945894A JP 22945894 A JP22945894 A JP 22945894A JP 3234414 B2 JP3234414 B2 JP 3234414B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延システムに係
わり、特に、熱間圧延システムに備えられたロール及び
ストリップを冷却する圧延機用冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延システムにおけるストリップ冷
却に関する公知技術としては、例えば、以下のものがあ
る。 特開昭61−119617号公報、特公平5−646
86号公報、特公平6−2291号公報 これらの公知技術は、ワークロールにより圧下されたス
トリップ薄板を、ストリップ冷却ゾーン内でストリップ
板材の幅方向及び長手方向に配置されている冷却水ノズ
ルから流出する水流で冷却するものである。そしてこの
水流の流量等を調整することにより、ストリップ板材か
ら材料を形成するのに必要な材料組成に基づく冷却速度
(所定距離内に例えば800℃から300℃まで冷却可
能な速度)を得るものである。
【0003】一方、熱間圧延システムにおけるロール冷
却に関する公知技術としては、例えば、以下のものがあ
る。 特開昭59−39409号公報、特公昭63−666
04号公報 これらの公知技術は、上下のワークロールで高温圧延板
材を圧下する際に熱伝導・加工熱・摩擦熱等によって圧
延板材からロールへと流入する多量の熱を、ロール近傍
の冷却ノズルからの冷却水スプレーによりロール内部へ
熱伝導する前にロール表面上で除去するものでる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には以下の問題点が存在する。近年、エネルギー
効率向上の観点等から連続熱間圧延機やミニホット等の
新しい圧延システムが開発されつつあり、これらにおい
ては短時間・短空間内での冷却速度の確保のために冷却
装置への熱負荷が増大することから、これら新システム
対応した冷却性能の向上が必須である。ここでストリッ
プ冷却の場合には、800℃〜300℃といった高温域
のストリップ材上に熱抵抗の大きな蒸気膜が形成される
(膜沸騰領域)。しかしながら、公知技術のような冷
却水の流量制御だけでは、このような蒸気膜への冷却を
自由に制御することができず、またストリップ表面温度
が高温になるほど冷却速度の制御が難しい。よって、新
システムへの対応を考える場合、長手方向の冷却速度向
上や板幅方向の均一冷却の面で限界があり、不十分であ
った。
【0005】ここにおいて、学術月報Vol.47、No.
2(1994,2月)「熱エネルギーの超高効率利用の
ための基礎技術」記載のように、超音波付与によって伝
熱性能が向上するということが既に知られている。この
ような観点から、この超音波による伝熱促進作用を用い
てストリップ冷却性能の向上を図った公知技術として、
例えば以下のものがある。 特開平2-101111号公報 この公知技術は、上下のテーブルロールにはさまれたス
トリップの上下に設けた閉鎖型冷却パッド内に噴射ノズ
ルから冷却材を噴出して水を満たし、これを媒体として
超音波発生機構から超音波を発生して高周波加振を行
い、ストリップ面に発生する蒸気膜を破壊することによ
り、ストリップ冷却性能を向上させるものである。
【0006】また、類似の構成で、超音波ではなく電場
による伝熱促進作用によって、ストリップ冷却性能の向
上を図った公知技術として、以下のものがある。
【0007】特開平5-69029号公報 この公知技術は、上下のテーブルロールにはさまれたス
トリップの上下に設けた閉鎖型冷却パッド内に噴射ノズ
ルから冷却材を噴出して水を満たし、これを媒体として
電極から100〜2000Vの電場を印加しストリップ
面に発生した蒸気膜を破壊することにより、ストリップ
冷却性能を向上させるものである。
【0008】しかしながら、上記公知技術及びにお
いては、新たに以下のような問題が発生する。すなわ
ち、公知技術に記載の構成によれば、冷却性能が向
上してある程度長手方向の冷却速度向上や板幅方向の均
一冷却が期待できる。しかし、回転体であるテーブルロ
ールとストリップとの十分なシール性を保つことが難し
く、閉鎖型冷却パッド内を満水状態に維持するのが困難
であることや、この冷却パッド内の水がテーブルロール
の回転抵抗となること等により、実際の圧延システムに
おけるストリップ冷却機構として実現することは事実上
困難であった。
【0009】一方、ロール冷却に関する上記公知技術
においては、以下の問題点が存在する。すなわち、従来
は、大量の高圧スプレー水をロール表面へ噴射しロール
表面温度が約100℃以上の状態でも冷却性能を確保し
ていたが、このときのスプレー水冷却ノズルは、メンテ
ナンス上の問題からロールにあまり接近させることがで
きず、ロールから数100mm離れた位置にしか設置でき
ない。その結果、ミル出側直後のロール面を冷却するこ
とが不可能となり、スプレー水が衝突する際のロール表
面温度は、冷却性能の悪い遷移沸騰や膜沸騰状態を形成
する高温となっている。すなわちたとえ高圧でスプレー
冷却を行っても、ロール表面温度が約200〜300℃
では遷移沸騰状態、約300℃以上では膜沸騰状態とな
る。したがって、大量に供給された冷却水がほとんど飛
散水となって流出するか、ロール表面に形成される薄い
蒸気膜(約数10μm)の蒸気膜を成長させるためにの
み使われており、ロール冷却のためにはほとんど寄与せ
ず冷却性能が悪かった。またこのような不十分な冷却の
ためにロール軸方向の温度不均一が発生し、これにより
圧下されたストリップの中央が凸状に熱膨張変形するサ
ーマルクラウンを生じ、品質保障の点から難点があっ
た。加えて、前述したような連続熱間圧延機・ミニホッ
ト等の新タイプの圧延システムにおける連続化・小径ロ
ール化によるロール熱負荷増大に配慮されておらず、こ
れらの場合にはロール軸方向の温度分布不均一の解消が
さらに強く望まれていた。
【0010】本発明の第1の目的は、超音波による伝熱
促進作用を用いて冷却性能向上を実現することができる
圧延機用冷却装置を提供することである。
【0011】本発明の第2の目的は、超音波による伝熱
促進作用を用いてストリップ冷却を行うことにより冷却
性能を向上し、実際の圧延システムにおけるストリップ
冷却機構において長手方向の冷却速度の向上を実現でき
る圧延機用冷却装置を提供することである。
【0012】本発明の第3の目的は、超音波による伝熱
促進作用を用いてストリップ冷却を行うことにより冷却
性能を向上し、実際の圧延システムにおけるストリップ
冷却機構において長手方向の冷却速度の向上と板幅方向
の均一冷却を実現できる圧延機用冷却装置を提供するこ
とである。
【0013】本発明の第4の目的は、超音波による伝熱
促進作用を用いてロール冷却を行うことにより冷却性能
を向上し、ロール軸方向の温度分布均一化を図ることが
できる圧延機用冷却装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するために、本発明によれば、板材を圧延する圧
延ロールを冷却するロール冷却機構と、前記圧延ロール
で圧延された圧延材を冷却するストリップ冷却機構とを
有し、前記ストリップ冷却機構は、前記圧延材長手方向
の複数箇所に設けられ該圧延材の上面及び下面のうち少
なくとも一方に対面して大気圧にほぼ等しい水圧の冷却
水を供給する複数の第1の冷却水導入手段を備えている
圧延機用冷却装置において、前記複数の第1の冷却水導
入手段のうち少なくとも2つに設けられた第1の超音波
発生手段と、前記圧延材の表面情報である温度分布又は
形状分布を検出する第1の検出手段と、この第1の検出
手段の検出結果に基づき、少なくとも2つ設けられた
記第1の超音波発生手段の動作をそれぞれ独立して制御
可能な第1の制御手段と、を有することを特徴とする圧
延機用冷却装置が提供される。
【0015】好ましくは、前記圧延機用冷却装置におい
て、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれは、前
記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、この1つ
のヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に設けら
れ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミナーパ
イプとを有しており、前記第1の超音波発生手段は、前
記1つのヘッダに設けられていることを特徴とする圧延
機用冷却装置が提供される。
【0016】また好ましくは、前記圧延機用冷却装置に
おいて、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれ
は、前記圧延材の上方に設けられた1つのウォーターカ
ーテン用ヘッダを有しており、前記第1の超音波発生手
段は、前記1つのウォータカーテン用ヘッダに設けられ
ていることを特徴とする圧延機用冷却装置が提供され
る。
【0017】さらに好ましくは、前記圧延機用冷却装置
において、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれ
は、前記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、こ
の1つのヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に
設けられ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミ
ナーパイプと、前記圧延材の上面の所定領域を囲むよう
に設けられ前記複数のラミナーパイプから噴出された冷
却水を前記所定領域に誘導する1つの開放型冷却パッド
とを有しており、前記第1の超音波発生手段は、前記1
つの開放型冷却パッドに設けられていることを特徴とす
る圧延機用冷却装置が提供される。
【0018】また上記第1及び第3の目的を達成するた
めに、本発明によれば、板材を圧延する圧延ロールを冷
却するロール冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された
圧延材を冷却するストリップ冷却機構とを有し、前記ス
トリップ冷却機構は、前記圧延材長手方向の複数箇所に
設けられ該圧延材の上面及び下面のうち少なくとも一方
に対面して大気圧にほぼ等しい水圧の冷却水を供給する
複数の第1の冷却水導入手段を備えている圧延機用冷却
装置において、前記複数の第1の冷却水導入手段のうち
少なくとも1つの前記圧延材幅方向複数箇所に設けられ
た第1の超音波発生手段と、前記圧延材の表面情報であ
る温度分布又は形状分布を検出する第1の検出手段と、
この第1の検出手段の検出結果に基づき、前記圧延材幅
方向複数箇所に設けられた前記第1の超音波発生手段の
動作をそれぞれ独立して制御可能な第1の制御手段と、
を有することを特徴とする圧延機用冷却装置が提供され
る。
【0019】好ましくは、前記圧延機用冷却装置におい
て、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれは、前
記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、この1つ
のヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に設けら
れ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミナーパ
イプとを有しており、前記第1の超音波発生手段は、前
記1つのヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に
設けられていることを特徴とする圧延機用冷却装置が提
供される。
【0020】また好ましくは、前記圧延機用冷却装置に
おいて、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれ
は、前記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、こ
の1つのヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に
設けられ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミ
ナーパイプとを有しており、前記第1の超音波発生手段
は、前記複数のラミナーパイプのうち少なくとも2つに
設けられていることを特徴とする圧延機用冷却装置が提
供される。
【0021】さらに好ましくは、前記圧延機用冷却装置
において、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれ
は、前記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、こ
の1つのヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に
設けられ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のスプ
レーノズルとを有しており、前記第1の超音波発生手段
は、前記複数のスプレーノズルのうち少なくとも2つに
設けられていることを特徴とする圧延機用冷却装置が提
供される。
【0022】また好ましくは、前記圧延機用冷却装置に
おいて、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれ
は、前記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、こ
の1つのヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に
設けられ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミ
ナーパイプと、前記圧延材の上面の所定領域を囲むよう
に設けられ前記複数のラミナーパイプから噴出された冷
却水を前記所定領域に誘導する1つの開放型冷却パッド
とを有しており、前記第1の超音波発生手段は、前記1
つの開放型冷却パッドにおける前記圧延材の幅方向複数
箇所に設けられていることを特徴とする圧延機用冷却装
置が提供される。
【0023】また上記第1及び第3の目的を達成するた
めに、本発明によれば、板材を圧延する圧延ロールを冷
却するロール冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された
圧延材を冷却するストリップ冷却機構とを有し、前記ス
トリップ冷却機構は、前記圧延材長手方向の複数箇所に
設けられ該圧延材の上面及び下面のうち少なくとも一方
に対面して大気圧にほぼ等しい水圧の冷却水を供給する
複数の第1の冷却水導入手段を備えている圧延機用冷却
装置において、前記複数の第1の冷却水導入手段のうち
少なくとも1つに設けられた第1の超音波発生手段と、
前記圧延材の表面情報を検出する第1の検出手段と、こ
の第1の検出手段の検出結果に基づき前記第1の超音波
発生手段の動作を制御する第1の制御手段と、前記複数
の第1の冷却水導入手段に冷却水を導く第1の冷却水集
合管と、前記第1の超音波発生手段より強力な超音波を
発生し、この超音波で前記複数の第1の冷却水導入手段
のうち少なくとも1つ及び前記第1の冷却水集合管のう
ちいずれか一方を加振する第2の超音波発生手段とを有
することを特徴とする圧延機用冷却装置が提供される。
【0024】また好ましくは、前記圧延機用冷却装置に
おいて、前記第1の制御手段は、前記第1の検出手段の
検出結果に基づき、前記第1の超音波発生手段から発生
する超音波の電圧、周波数、及び振幅のうち少なくとも
1つを制御する手段であることを特徴とする圧延機用冷
却装置が提供される。
【0025】また上記第1及び第3の目的を達成するた
めに、本発明によれば、板材を圧延する圧延ロールを冷
却するロール冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された
圧延材を冷却するストリップ冷却機構とを有し、前記ス
トリップ冷却機構は、前記圧延材長手方向の複数箇所に
設けられ該圧延材の上面及び下面のうち少なくとも一方
に対面して大気圧にほぼ等しい水圧の冷却水を供給する
複数の第1の冷却水導入手段を備えている圧延機用冷却
装置において、前記複数の第1の冷却水導入手段のうち
少なくとも1つに設けられた第1の超音波発生手段と、
前記圧延材の表面情報を検出する第1の検出手段と、こ
の第1の検出手段の検出結果に基づき前記第1の超音波
発生手段の動作を制御する第1の制御手段とを有し、
記第1の超音波発生手段は、少なくとも前記圧延材長手
方向複数箇所の第1の冷却水導入手段に設けられてお
り、前記第1の制御手段は、前記第1の超音波発生手段
の出力を前記圧延材長手方向に可変制御する手段である
ことを特徴とする圧延機用冷却装置が提供される。
【0026】また上記第1及び第3の目的を達成するた
めに、本発明によれば、板材を圧延する圧延ロールを冷
却するロール冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された
圧延材を冷却するストリップ冷却機構とを有し、前記ス
トリップ冷却機構は、前記圧延材長手方向の複数箇所に
設けられ該圧延材の上面及び下面のうち少なくとも一方
に対面して大気圧にほぼ等しい水圧の冷却水を供給する
複数の第1の冷却水導入手段を備えている圧延機用冷却
装置において、前記複数の第1の冷却水導入手段のうち
少なくとも1つに設けられた第1の超音波発生手段と、
前記圧延材の表面情報を検出する第1の検出手段と、こ
の第1の検出手段の検出結果に基づき前記第1の超音波
発生手段の動作を制御する第1の制御手段とを有し、
記第1の検出手段は、前記ストリップ冷却機構の入口側
と出口側との2箇所に設けられ、それぞれがその箇所に
おける検出結果を前記第1の制御手段へ出力する手段で
あることを特徴とする圧延機用冷却装置が提供される。
【0027】
【0028】また上記第1及び第4の目的を達成するた
めに、本発明によれば、板材を圧延する圧延ロールを冷
却するロール冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された
圧延材を冷却するストリップ冷却機構とを有し、前記ロ
ール冷却機構は、前記圧延ロールの周方向に少なくとも
1箇所設けられ該圧延ロールに対面して冷却水を注水す
る少なくとも1つの第2の冷却水導入手段を備えている
圧延機用冷却装置において、前記第2の冷却水導入手段
のうち少なくとも1つのロール軸方向複数箇所に設けら
れた第1の超音波発生手段と、前記圧延材の表面情報
ある温度分布又は形状分布を検出する第2の検出手段
と、この第2の検出手段の検出結果に基づき前記第1の
超音波発生手段の動作を制御する第2の制御手段と、を
有することを特徴とする圧延機用冷却装置が提供され
る。
【0029】好ましくは、前記圧延機用冷却装置におい
て、前記複数の第2の冷却水導入手段のそれぞれは、前
記圧延ロールの入側及び出側の一方に設けられた1つの
ヘッダと、この1つのヘッダにおけるロール軸方向複数
箇所に設けられ該圧延ロールに冷却水を噴出する複数の
フラットスプレーノズルとを有しており、前記第1の超
音波発生手段は、前記1つのヘッダにおけるロール軸方
向複数箇所に設けられていることを特徴とする圧延機用
冷却装置が提供される。
【0030】また好ましくは、前記圧延機用冷却装置に
おいて、前記複数の第2の冷却水導入手段のそれぞれ
は、前記圧延ロールの入側及び出側の一方に設けられた
1つのヘッダと、この1つのヘッダにおけるロール軸方
向複数箇所に設けられ該圧延ロールに冷却水を噴出する
複数のフラットスプレーノズルとを有しており、前記第
1の超音波発生手段は、前記複数のフラットスプレーノ
ズルのうち少なくとも2つに設けられていることを特徴
とする圧延機用冷却装置が提供される。
【0031】さらに好ましくは、前記圧延機用冷却装置
において、前記複数の第2の冷却水導入手段のそれぞれ
は、前記圧延ロールの表面の所定領域を囲むように設け
られた1つの冷却パッドを有しており、前記第1の超音
波発生手段は、前記1つの冷却パッドにおけるロール軸
方向複数箇所に設けられていることを特徴とする圧延機
用冷却装置が提供される。
【0032】また好ましくは、前記圧延機用冷却装置に
おいて、前記複数の第2の冷却水導入手段に冷却水を導
く第2の冷却水集合管と、前記第1の超音波発生手段よ
り強力な超音波を発生し、この超音波で前記複数の第2
の冷却水導入手段のうち少なくとも1つ及び前記第2の
冷却水集合管のうちいずれか一方を加振する第2の超音
波発生手段とをさらに有することを特徴とする圧延機用
冷却装置が提供される。
【0033】さらに好ましくは、前記圧延機用冷却装置
において、前記第2の制御手段は、前記第2の検出手段
の検出結果に基づき、前記第1の超音波発生手段から発
生する超音波の電圧、周波数、及び振幅のうち少なくと
も1つを制御する手段であることを特徴とする圧延機用
冷却装置が提供される。
【0034】また好ましくは、前記圧延機用冷却装置に
おいて、前記第2の検出手段は、前記圧延ロールの入側
と出側との2箇所に設けられ、それぞれがその箇所にお
ける検出結果を前記第2の制御手段へ出力する手段であ
ることを特徴とする圧延機用冷却装置が提供される。
【0035】
【0036】
【作用】一般に、圧延機ではストリップ材は最終段のワ
ークロールの出側において、ストリップ冷却機構により
800℃から300℃まで温度を低下させた後、巻きと
り機に巻き取られる。この冷却時において、ストリップ
の表面温度は膜沸騰領域となっており、すなわち約20
〜30μmのほぼ安定な蒸気膜が熱抵抗となり冷却効率
が著しく悪くなることから、冷却注水の流量制御・圧力
制御によるストリップ温度制御は容易ではない。ここ
で、本発明においては、圧延材長手方向の複数箇所に設
けられ圧延材の上面又は下面に対面して冷却水を注水す
る第1の冷却水導入手段に第1の超音波発生手段を設け
ることにより、発生させた超音波を冷却水を介し音響流
として伝搬させ、加熱面近傍の冷却水を非定常的に振動
させる。これにより、冷却水膜と蒸気膜との境界へ不安
定流れの乱れを外乱として付加し、蒸気膜を崩壊させて
高温のストリップと冷却水との固液接触を強制的に与え
ることができるので、ストリップ表面への冷却性能を向
上することができる。またこのような高温材料に対し短
時間での制御で材料の温度分布の均一化を図るには、電
気的な手段を用いるのが良好であるが、本発明において
は、第1の検出手段で圧延材の表面情報である温度分布
又は形状分布を検出し、この第1の検出手段の検出結果
に基づき、第1の制御手段で圧延材長手方向複数箇所の
第1の冷却水導入手段のうち少なくとも2つに設けられ
た第1の超音波発生手段の動作をそれぞれ独立して制御
し超音波の出力値の大きさを調整することにより、容易
に長手方向冷却速度を制御することができる。すなわ
ち、長手方向の各第1の超音波発生手段の出力値が固定
の場合は、その出力値の大きさを調整することにより長
手方向の1つの冷却速度モードを設定でき、また長手方
向の各第1の超音波発生手段の出力値を可変とする場合
は、長手方向の冷却速度モードを可変とすることがで
き、例えば従来よりもやや遅い冷却速度で高い温度領域
で温度を下げていくことも、従来よりもやや速い冷却速
度で低い温度領域で温度を下げていくこともできる。そ
してこのとき第1の冷却水導入手段は大気圧にほぼ等し
い水圧の冷却水を供給する構成であることから、閉鎖型
冷却パッドを用いる従来のようにシール性や回転抵抗の
問題が生じない。しがって、実際の圧延システムにおけ
るストリップ冷却機構において、長手方向の冷却速度を
容易に制御しかつ冷却速度を向上できる構成を実現する
ことができる。
【0037】また、圧延材の上方に設けられ、圧延材の
幅方向複数箇所に複数のラミナーパイプが備えられたヘ
ッダに第1の超音波発生手段を設けることにより、冷却
水を介し超音波を伝搬させる手段を実現することができ
る。さらに、圧延材の上方に設けられたウォーターカー
テン用ヘッダに第1の超音波発生手段を設けることによ
っても、冷却水を介し超音波を伝搬させる手段を実現す
ることができる。また、圧延材の上面の所定領域を囲む
ように設けられ、ラミナーパイプから噴出された冷却水
を所定領域に誘導する開放型冷却パッドに第1の超音波
発生手段を設けることによっても、冷却水を介し超音波
を伝搬させる手段を実現することができる。なおこのと
き冷却パッドを用いる点で従来と同様であるが、開放型
パッドにラミナーパイプで冷却水を注入する構成である
ことにより、従来の閉鎖型冷却パッド内にノズルで高圧
噴流を供給する場合よりもパッド内を低圧にすることが
できるので、シール性や回転抵抗の問題が低減される。
【0038】さらに本発明においては、第1の検出手段
で圧延材の表面情報である温度分布又は形状分布を検出
し、この第1の検出手段の検出結果に基づき、第1の冷
却水導入手段の圧延材幅方向複数箇所に設けられた第1
の超音波発生手段の動作を第1の制御手段でそれぞれ独
立して制御することにより、長手方向の冷却速度を向上
するとともに圧延材板幅方向の冷却均一化を図ることが
できる。
【0039】また、圧延材の上方に設けられ、圧延材の
幅方向複数箇所に複数のラミナーパイプが備えられたヘ
ッダにおける圧延材幅方向複数箇所に第1の超音波発生
手段を設けることにより、それぞれの第1の超音波発生
手段から発生する超音波特性を調整して幅方向冷却特性
を制御し、幅方向の均一冷却を図ることができる。さら
に、圧延材の上方に設けられたヘッダにおける圧延材の
幅方向複数箇所に設けられ圧延材の上面に冷却水を噴出
する複数のラミナーパイプのうち少なくとも2つに第1
の超音波発生手段を設けることによっても、それぞれの
第1の超音波発生手段から発生する超音波特性を調整し
て幅方向冷却特性を制御し、幅方向の均一冷却を図るこ
とができる。また、圧延材の上方に設けられたヘッダに
おける圧延材の幅方向複数箇所に設けられ圧延材の上面
に冷却水を噴出する複数のスプレーノズルのうち少なく
とも2つに第1の超音波発生手段を設けることによって
も、それぞれの第1の超音波発生手段から発生する超音
波特性を調整して幅方向冷却特性を制御し、幅方向の均
一冷却を図ることができる。さらに、圧延材の上面の所
定領域を囲むように設けられ複数のラミナーパイプから
噴出された冷却水を所定領域に誘導する開放型冷却パッ
ドにおける圧延材の幅方向複数箇所に第1の超音波発生
手段を設けることによっても、それぞれの第1の超音波
発生手段から発生する超音波特性を調整して幅方向冷却
特性を制御し、幅方向の均一冷却を図ることができる。
【0040】また、第1の超音波発生手段より強力な超
音波を発生する第2の超音波発生手段で、第1の冷却水
導入手段に冷却水を導く第1の冷却水集合管又は第1の
冷却水導入手段を加振することにより、第1の超音波発
生手段からの超音波と第2の超音波発生手段からの超音
波との両方が作用し超音波のパワーがアップするので、
第1の冷却水導入手段からストリップに到達するまでの
超音波の減衰を抑えることができる。
【0041】さらに、第1の制御手段は、第1の検出手
段の検出結果に基づき、第1の超音波発生手段から発生
する超音波の電圧、周波数、及び振幅のうち少なくとも
1つを制御する手段であることにより、超音波の特性を
調整し容易に冷却性能を調整することができる。また、
第1の超音波発生手段が圧延材長手方向複数箇所の第1
の冷却水導入手段に設けられ、その出力を第1の制御手
段で圧延材長手方向に可変制御することにより、長手方
向の冷却速度モードを可変とすることができ、例えば従
来よりもやや遅い冷却速度で高い温度領域で温度を下げ
ていくことも、従来よりもやや速い冷却速度で低い温度
領域で温度を下げていくこともできる。
【0042】さらに、第1の検出手段は、ストリップ冷
却機構の入口側と出口側との2箇所に設けられ、それぞ
れがその箇所における検出結果を第1の制御手段へ出力
する手段であることにより、冷却前と冷却後のストリッ
プ表面情報が第1の制御手段へ入力されるので、第1の
制御手段でこれら2つの情報を比較して必要な局所スト
リップ冷却性能を算出し、これに応じて第1の超音波発
生手段の動作を制御することができる
【0043】さらに一般に、圧延機においては、ミルか
らロールへの加工熱や熱伝導による流入熱が発生し、ロ
ールの表面温度はミル中央部で急激な温度上昇を生じ、
端部ではゆるやかな温度上昇となる。この高温状態のロ
ールをスプレー水で冷却すると高温のロール表面と冷却
水との接触によって、ロール表面が冷却効率の悪い膜沸
騰や遷移沸騰領域となり、前述したストリップ冷却同
様、約20〜30μmのほぼ安定な蒸気膜が熱抵抗とな
り冷却効率が著しく悪くなるので、冷却注水の流量制御
・圧力制御によるロール温度制御は容易ではない。ここ
で、本発明においては、圧延ロールの周方向に設けられ
圧延ロールに対面して冷却水を注水する第2の冷却水導
入手段のロール軸方向複数箇所に第1の超音波発生手段
を設けることにより、発生させた超音波を冷却水を介し
音響流として伝搬させ、加熱面近傍の冷却水を非定常的
に振動させる。これにより、冷却水膜と蒸気膜との境界
へ不安定流れの乱れを外乱として付加し、蒸気膜を崩壊
させて高温のロール表面と冷却水との固液接触を強制的
に与えることができるので、ロール表面への冷却能力を
向上することができる。またこのような高温材料に対し
短時間での制御で材料の温度分布の均一化を図るには、
電気的な手段を用いるのが良好であるが、本発明におい
ては、第2の検出手段でロールにより圧下された圧延材
の表面情報である温度分布又は形状分布を検出し、第2
の制御手段でこの第2の検出手段の検出結果に基づきロ
ール軸方向複数箇所に設けた第1の超音波発生手段の動
作を制御することにより、ロール軸方向の冷却性能を容
易に微調整し、ロール軸方向の温度分布均一化を図れ
る。
【0044】また、圧延ロールの入側若しくは出側に設
けられ、ロール軸方向複数箇所に複数のフラットスプレ
ーノズルが備えられたヘッダのロール軸方向複数箇所に
第1の超音波発生手段を設けることにより、冷却水を介
し超音波を伝搬させる手段を実現することができる。さ
らに、圧延ロールの入側若しくは出側のヘッダのロール
軸方向複数箇所に設けられ、圧延ロールに冷却水を噴出
する複数のフラットスプレーノズルのうち少なくとも2
つに第1の超音波発生手段を設けることによっても、冷
却水を介し超音波を伝搬させる手段を実現することがで
きる。また、圧延ロールの表面の所定領域を囲むように
設けられた1つの冷却パッドにおけるロール軸方向複数
箇所に第1の超音波発生手段を設けることによっても、
冷却水を介し超音波を伝搬させる手段を実現することが
できる。
【0045】さらに、第1の超音波発生手段より強力な
超音波を発生する第2の超音波発生手段で、第2の冷却
水導入手段に冷却水を導く第2の冷却水集合管又は第2
の冷却水導入手段を加振することにより、第1の超音波
発生手段からの超音波と第2の超音波発生手段からの超
音波との両方が作用し超音波のパワーがアップするの
で、第2の冷却水導入手段から圧延ロール表面に到達す
るまでの超音波の減衰を抑えることができる。また、第
2の制御手段は、第2の検出手段の検出結果に基づき、
第1の超音波発生手段から発生する超音波の電圧、周波
数、及び振幅のうち少なくとも1つを制御する手段であ
ることにより、超音波の特性を調整し容易に冷却性能を
調整することができる。さらに、第2の検出手段は、圧
延ロールの入側と出側との2箇所に設けられ、それぞれ
がその箇所における検出結果を第2の制御手段へ出力す
る手段であることにより、圧延前と圧延後のストリップ
表面情報が第2の制御手段へ入力されるので、第2の制
御手段でこれら2つの情報を比較して必要な局所ロール
冷却性能を算出し、これに応じて第1の超音波発生手段
の動作を制御することができる
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図23により
説明する。まず、本発明の原理を示すための実施例を図
2〜図5を用いて説明する。本実施例による圧延冷却基
礎試験装置を図2に示す。図2に示す圧延冷却試験装置
10において、上部に設置したタンク17内に貯留した
水18を、バルブ19の開閉によってノズル20から噴
流として自由流出させラミナーフロー水Bとする。そし
てこのラミナーフロー水Bを断熱材22におおわれた高
温の金属板21へ衝突させて冷却を行い、図示しない温
度測定手段でその温度変化が測定される。またタンク1
7の底には、数個の超音波発生機構16が設けられてお
り、その動作は制御装置14によって制御されている。
この圧延冷却試験装置10による冷却試験の結果を図3
に示す。
【0047】図3は、冷却開始後時間の経過に伴う金属
板21の温度変化を示したものであり、図示曲線の勾配
が冷却速度を表している。また同じ冷却水流量及び衝突
条件のもとで、制御装置14によって超音波発生機構1
6を動作させ超音波を発生させた場合の結果を実線で、
超音波発生機構16を動作させなかった場合の結果を一
点鎖線で示している。図3において、同じ冷却水流量及
び衝突条件の場合、超音波を発生することにより、金属
板21の温度低下の度合いすなわち冷却速度が大きくな
り、その結果冷却時間も短縮されることがわかる。これ
は、冷却水中を音響流として伝搬した超音波が伝熱面に
付加されることにより、この超音波が、金属板21の高
温面上に形成される蒸気膜Eの上部の水膜Dを非定常的
に振動させるので、液と蒸気膜との界面Hが不安定化し
固液が直接接触して冷却性能が向上するものと考えられ
る。この作用を以下さらに詳しく図4及び図5によって
説明する。
【0048】図4は、図3に示した2つの場合の冷却状
態を模式的に示した図であり、図4(a)は超音波発生
ありの場合であり、図4(b)は超音波発生なしの場合
である。図4(b)の場合、ラミナーフロー水Bの真下
においては、金属板21とラミナーフロー水Bとの直接
接触により冷却性能が非常に高い。しかしながら、ラミ
ナーフロー水Bの水柱と水柱の間に形成される水膜Dの
下部においては、水の動圧成分の作用が弱くなって安定
な蒸気膜Eが形成される膜沸騰状態となるので、冷却性
能が極めて悪くなる。一方、図4(a)の場合は、ラミ
ナーフロー水Bの真下においては図4(b)同様に冷却
性能が高く、また、ラミナーフロー水Bの水柱と水柱の
間に形成される水膜Dの下部においても、水柱が超音波
で高周波加振されることで蒸気膜界面の近傍が非定常的
に振動されて蒸気膜が崩壊し、膜沸騰状態から遷移沸騰
状態へ強制的に移行するので、冷却性能が向上する。こ
の冷却性能向上効果を圧延システムの温度領域に対応さ
せて図5に示す。
【0049】図5において、横軸は温度、縦軸は冷却性
能(例えば熱伝達率)を示している。従来、圧延システ
ムにおける冷却性能は、破線で示すように、ロール冷却
域(約50℃〜約300℃)で温度の増大とともに徐々
に向上し、ストリップ冷却域(約300℃〜)との境界
付近でピークを迎えた後は減少に転ずる傾向を示す。し
かし、本実施例においては上述したように膜沸騰領域に
おいて膜沸騰を強制的に遷移沸騰とする冷却向上効果が
得られるので、図中実線で示すように、特に高温域であ
るストリップ冷却域において冷却性能の減少が抑えら
れ、大きな冷却向上効果が得られることがわかる。
【0050】次に、上記原理に基づく本発明の第1の実
施例を図1〜図12により説明する。本実施例の圧延機
用冷却装置、及びこの冷却装置が適用される熱間圧延シ
ステムの構成を図1に示す。
【0051】図1に示す熱間圧延システムは、圧延機1
30を有しており、圧延機130に備えられた上部バッ
クアップロール103a及び下部バックアップロール1
03bにそれぞれ押圧された上部ワークロール102a
と下部ワークロール102bとの間で高温(約1100
℃)の板材101が圧延される。なお煩雑を避けるため
に図においては1つの圧延機130すなわち1段の圧延
工程しか示さないが、この圧延工程は少なくとも約3段
から7段ぐらい繰り返されて、板材101は薄板材10
1Aへと圧下される。そして、この薄板材101Aは、
テーブルロール106によって下流側に導かれ、巻き取
り機111で巻き取られる。このような熱間圧延システ
ムに設けられた本実施例による圧延機用冷却装置は、上
部・下部ワークロール102a,102bを冷却するロ
ール冷却機構150と、上部・下部ワークロール102
a,102bで圧延された薄板材101Aを冷却するス
トリップ冷却機構160とを有している。
【0052】ロール冷却機構150は、上部・下部ワー
クロール102a,102bの周方向にそれぞれ3段ず
つ設けられたロール冷却水導入部150a,150bを
備えており、これによって、圧延工程の際上部・下部ワ
ークロール102a,102bに流入する多量の熱、す
なわち、板材101を圧延して薄板材101Aにする際
に板材101からの接触熱伝導による流入熱、圧下する
際に生ずる加工熱による流入熱、及びその他摩擦熱等を
除去する。ロール冷却水導入部150a,150bは上
部・下部ワークロール102a,102bに対面して設
けられており、それぞれ、上部・下部ワークロール10
2a,102bの入側若しくは出側に設けられた上部・
下部冷却用ヘッダ104a,104bと、この上部・下
部冷却用ヘッダ104a,104bにおけるロール軸方
向(図中紙面に垂直方向)複数箇所(図示実施例では5
箇所)に設けられ上部・下部ワークロール102a,1
02bに冷却水を噴出するフラットスプレーノズル10
5a,105bとを有している。フラットスプレーノズ
ル105a,105bは備えた上部・下部冷却用ヘッダ
104a,104bはそれぞれロール周方向に沿ってミ
ル出側に2段、ミル入側に1段設置されており、このフ
ラットスプレーノズル105a,105bから噴射され
る大気圧にほぼ等しい水圧のスプレー水Aが、高温で回
転しているワークロー10ル2a、102b上に水膜を
形成しながら冷却する。これによって前述した流入した
多量の熱は流出熱として系外へ除去され、ロール内部へ
の入熱がないように熱バランスが保たれる。また上部冷
却用ヘッダ104aの両端には、簡易取付け可能な圧電
素子若しくは水中投込み式の圧電素子等からなる超音波
発生機構116が1つずつ設けられている。この上部冷
却用ヘッダ104aをノズル側から見た図を図6に示
す。
【0053】ストリップ冷却機構160は、薄板材10
1Aの上面又は下面に対面して大気圧にほぼ等しい水圧
の冷却水を供給するストリップ冷却水導入部160a,
160bを有する。ストリップ冷却水導入部160a,
160bは、薄板材101A長手方向の複数箇所(図示
実施例では8箇所)に設けられている。薄板材101A
の上方に設けられたストリップ冷却水導入部160aは
それぞれ、薄板材101Aの上方に設けられた上部冷却
用ヘッダ107と、この上部冷却用ヘッダ107におけ
る薄板材101Aの幅方向(図示紙面に垂直方向)複数
箇所(図示実施例では5箇所、後述する図8参照)に設
けられ薄板材101Aの上面に冷却水を噴出するラミナ
ーパイプ108とを有している。このラミナーパイプ1
08からの冷却水のラミナーフロー水Bが、テーブルロ
ール106で送られている薄板材101Aに水膜を形成
しながら冷却する。また上部冷却用ヘッダ107の両端
には、ロール冷却水導入部150aの上部冷却用ヘッダ
104a同様、簡易取付け可能な圧電素子若しくは水中
投込み式の圧電素子等からなる超音波発生機構116が
1つずつ設けられている。この上部冷却用ヘッダ107
付近の詳細側面図を図7に示す。また、薄板材101A
の下方に設けられたストリップ冷却水導入部160bは
それぞれ、薄板材101Aの下方に設けられた下部冷却
用ヘッダ109と、この下部冷却用ヘッダ109に設け
られ薄板材101Aの下面に冷却水を噴出するノズル1
10とを有しており、このノズル110から高圧で噴射
されるスプレー水Cが、テーブルロール106で送られ
ている薄板材101Aを下方から冷却する。
【0054】また、本実施例による圧延機用冷却装置
は、圧延機130の入口側に配置され板材1の温度又は
形状を検出する検出器115aと、圧延機130の出口
側かつストリップ冷却機構160よりも上流側に配置さ
れ薄板材101Aの温度又は形状を検出する検出器11
5bと、ストリップ冷却機構160よりも下流側に配置
され薄板材101Aの温度又は形状を検出する検出器1
15cと、これら検出器115a〜cからの検出データ
が入力されて所定の分布信号に変換・増幅する演算器1
12と、この演算器112からの分布信号が入力されこ
の温度分布に基づき温度分布の修正値を設定する修正値
演算器113と、この修正値演算器113からの修正値
が入力されこれに基づき超音波発生機構116の動作を
制御する制御装置114とを有する。これらによる検出
及び制御動作を、ストリップ冷却機構160の場合を例
にとって図8を用いて説明する。
【0055】図8において、圧延機130の出口側の検
出器115b及びストリップ冷却機構160より下流側
の検出器115cからの検出データがそれぞれ演算器1
12で変換・増幅され、板幅方向の温度・形状分布情報
を示す分布信号として修正値演算器113へ送られる。
そしてこの板幅方向分布に基づき、修正値演算器113
で温度分布を均一化するための修正値を設定して制御装
置114へ送信する。制御装置114は出力調整器11
4a及びデータ電圧器114bから成っており、出力調
整器114aで、超音波発生機構116で発生する超音
波の周波数f、電圧E、振幅δ、及びその他ON/OF
F等を制御する制御信号を生成し、データ電圧器114
bでこの制御信号を増幅して超音波発生機構116へ送
信し制御する。すなわち薄板材101A板幅方向への制
御としては、1つの上部冷却ヘッダ107につき両端2
つずつ備えられた超音波発生機構16,16のうち、一
方側の出力と他方側の出力との大小関係を調整すること
により、薄板材101A板幅方向の冷却性能を制御し板
幅方向の均一冷却を図る。また薄板材101Aの長手方
向への制御としては、長手方向に8列並んだ超音波発生
機構16各列の出力値の大きさを調整することにより、
薄板材101A長手方向へ所定の冷却速度を与える1つ
の冷却速度モードを設定する。なお、ロール冷却機構1
50の場合も検出器115a及び111bからの検出デ
ータを用いて、上記同様の制御が行われ、上部ワークロ
ール102a軸方向の温度分布均一化が図られる。また
以上において、検出器115b,115cは第1の検出
手段を構成し、検出器115a,115bは第2の検出
手段を構成し、修正値演算器113と制御装置114と
は、第1の検出手段の検出結果に基づき超音波発生機構
116の動作を制御する第1の制御手段を構成するとと
もに、第2の検出手段の検出結果に基づき超音波発生機
構116の動作を制御する第2の制御手段をも構成す
る。
【0056】以上のように構成した本実施例の圧延機用
冷却装置によれば、上部ワークロール102aに対面し
て大気圧にほぼ等しいスプレー水Aを注水するロール冷
却水導入部150aの上部冷却用ヘッダ104aの両端
に超音波発生機構116を設けるので、発生させた超音
波をスプレー水Aを介して音響流として伝搬させ、冷却
水膜と蒸気膜との境界へ不安定流れの乱れを外乱として
付加する。これにより、上部ワークロール102a表面
における膜沸騰で発生した蒸気膜を崩壊させて高温のロ
ール表面とスプレー水Aとの固液接触を強制的に与える
ことができ、ロール表面への冷却能力を向上することが
できる。また、検出器115a,115bでロールによ
り圧下された薄板材101Aの形状・温度情報を検出
し、演算器112、修正値演算器113を介し、制御装
置114で上部冷却用ヘッダ104aの両端に設けた2
つの超音波発生機構116,116の動作を制御するの
で、上部ワークロール102a軸方向の冷却性能を容易
に微調整し、ロール軸方向の温度分布均一化を図れる。
これにより、上部・下部ワークロール102a,102
bで圧下された薄板材101Aに熱膨張変形によるサー
マルクラウンが発生するのを抑制するので、長寿命かつ
高品質な薄板材を提供でき、また上部ワークロール10
2aの安全性・信頼性を確保することができる。
【0057】また本実施例の圧延機用冷却装置によれ
ば、薄板材101Aの上面に対面して冷却水のラミナー
フロー水Bを注水するストリップ冷却水導入部の、上部
冷却用ヘッダ107に超音波発生機構116を設けるの
で、発生させた超音波をラミナーフロー水Bを介して音
響流として伝搬させ、冷却水膜と蒸気膜との境界へ不安
定流れの乱れを外乱として付加する。これにより、薄板
材101Aにおける膜沸騰で発生した蒸気膜を崩壊させ
て高温の薄板材101A表面とラミナーフロー水との固
液接触を強制的に与えることができるので、薄板材10
1A表面への冷却性能を向上することができる。また、
検出器115b,115cで薄板材101Aの形状・温
度情報を検出し、演算器112、修正値演算器113を
介し、制御装置114で薄板材101A長手方向に8箇
所ある上部冷却用ヘッダ107に設けた超音波発生機構
116の動作を制御するので、長手方向各箇所における
超音波出力値の大きさを調整して1つの冷却速度モード
を設定し、薄板材101A長手方向の冷却速度を容易に
制御しかつ向上させることができる。またこのとき1つ
の上部冷却用ヘッダ107の両端に1つずつ超音波発生
機構116が設けられているので、それぞれの超音波発
生機構116,116の出力を調整することで板幅方向
一方側と他方側の冷却特性を微調整し、薄板材101A
板幅方向の冷却均一化を図ることもできる。よって、従
来の圧延システムにおけるストリップ冷却機構の冷却設
備及びハード構成を変えることなく、ストリップ冷却水
導入部160aに設けた超音波発生機構116の動作制
御のみで長手方向冷却速度の向上及び板幅方向均一冷却
を実現することができる。また、超音波を用いるので、
従来の流量制御等に比し応答性が向上し、リアルタイム
での短時間冷却制御が可能となる。そしてこのときスト
リップ冷却水導入部160aは、大気圧にほぼ等しい水
圧のラミナーフロー水B冷却水を供給する構成であるこ
とから、閉鎖型冷却パッドを用いる従来(後述する図1
2参照)のようにシール性や回転抵抗の問題が生じな
い。したがって、実際の圧延システムにおけるストリッ
プ冷却機構において、長手方向の冷却速度を容易に制御
して冷却速度を向上でき、かつ板幅方向の均一冷却を可
能とする構成を実現できる。
【0058】なお、上記実施例においては、上部冷却用
ヘッダ104aにロール軸方向にスプレーノズル105
aを一列5個設けたが(図6参照)、これに限られず、
例えば図9に示すように、ロール軸方向に2列以上に設
けてもよい。この場合も、同様の効果を得る。また、上
記実施例の圧延機用冷却装置においては、ロール冷却機
構150は、ロール冷却水導入部150a,bが上部・
下部ワークロール102a,102bの周方向にそれぞ
れ3段ずつ設けられていたが、これに限られるものでは
なく、上部・下部ワークロール102a,102bの周
方向に少なくとも1箇所設けられていればよい。さら
に、上記実施例の圧延機用冷却装置においては、ロール
冷却水導入部150aの上部冷却用ヘッダ104aある
いはストリップ冷却水導入部160の上部冷却用ヘッダ
107に超音波発生機構116を設けたが、これらに限
られず、ロール冷却水導入部150bの下部冷却用ヘッ
ダ104bあるいはストリップ冷却水導入部160の下
部冷却用ヘッダ109に超音波発生機構116を設けて
も良く、あるいはこれら両方に超音波発生機構116を
設けてもよい。この場合も、同様の効果を得る。
【0059】また、上記実施例の圧延機用冷却装置にお
いては、1つのストリップ冷却水導入部160aに備え
られた上部冷却用ヘッダ107の両端に1つずつ超音波
発生機構116を設け、これらの出力を調整してストリ
ップ幅方向の温度均一化を図ったが、これを考慮せずス
トリップ長手方向の冷却速度向上のみを図れば足りる場
合には、8つの上部冷却用ヘッダ107に1つずつ超音
波発生機構116を設ければ良い。また、このように、
1つのストリップ冷却水導入部160aに1つずつ超音
波発生機構116を設ける場合の変形例を図10〜図1
2により説明する。第1の実施例と同等の部材には同一
の符号を付す。
【0060】まず、第1の変形例を図10により説明す
る。この変形例は、1つのストリップ冷却水導入部16
0aに、1つの上部冷却用ヘッダ107の代わりにウォ
ータカーテン用ヘッダが備えられるものである。その他
の構成は第1の実施例とほぼ同様である。ウォータカー
テン用ヘッダ197の構造を図10に示す。図10にお
いて、ウォータカーテン用ヘッダ197の下部には流出
孔197aが設けられており、この流出孔197aから
カーテン状の水流Gが流下する構造となっている。また
ウォータカーテン用ヘッダ197には、1つの超音波発
生機構116が設けられ、水流Gを介して蒸気膜への加
振を行う。
【0061】次に、第2の変形例を図11及び図12に
より説明する。この変形例は、1つのストリップ冷却水
導入部160aにおいて、第1の実施例と同様、1つの
上部冷却用ヘッダ107と、この上部冷却用ヘッダ10
7における薄板材101Aの幅方向(図示紙面に垂直方
向)5箇所に設けられたラミナーパイプ108とが備え
られているとともに、さらに、薄板材101A上面の所
定領域を囲むように設けられラミナーパイプ108から
噴出されたラミナーフロー水Bをその所定領域に誘導す
る1つの開放型冷却パッド123が備えられており、超
音波発生機構116がこの開放型冷却パッド123に設
けられているものである。その他の構成は、第1の実施
例とほぼ同様である。
【0062】この変形例の作用を以下に説明する。本変
形例の比較例として、特開平2-10111号公報に記
載された従来のストリップ冷却に係る構成を図12に示
す。図12において、上下テーブルロール186a,1
86bにはさまれた薄板材181の上下に冷却水Gをガ
イドするための閉鎖型冷却パッド183を構成し、その
閉鎖型冷却パッド183に冷却材の噴射ノズル185か
ら噴流Fを供給して閉鎖型冷却パッド183内を高圧の
冷却水Gで満たし、これを媒体して超音波発生機構18
7により高周波加振を行うものである。
【0063】上記構成によれば、超音波加振による蒸気
膜の崩壊作用により冷却性能が向上し、ある程度薄板材
181長手方向の冷却速度向上や板幅方向の均一冷却が
期待できる。しかし、高圧冷却水Gが供給される閉鎖型
冷却パッド183において、回転体である上下テーブル
ロール186a,bと薄板材181との十分なシール性
を保つことが難しく、閉鎖型冷却パッド183内を超音
波の伝搬に十分なだけの満水状態に維持するのが困難で
あることや、またこの閉鎖型冷却パッド183内の高圧
冷却水Gが上下テーブルロール186a,bの回転抵抗
となること等により、実際の圧延システムにおけるスト
リップ冷却機構として実現することは事実上困難であ
る。
【0064】これに対し、本変形例においては、冷却パ
ッドを用いる点で上記と同様であるが、隣接する開放型
冷却パッド123,123の間にラミナーパイプ108
でラミナーフロー水Bを注入する構成であることによ
り、上記閉鎖型冷却パッド183内にノズル185で高
圧の噴流を供給する場合よりもパッド内を低圧にするこ
とができるので、シール性や回転抵抗の問題が低減され
る。また、従来のラミナーフロー式の冷却装置におい
て、そのラミナーフローの流下部分が開口するようにパ
ッドを設ければ従来構成をそのまま用いることができる
ので、設備改造が容易であるとともに低コストでの改造
が可能となる。
【0065】本発明の第2の実施例を図13〜図16に
より説明する。本実施例は、ストリップ冷却機構に設け
る超音波発生機構の構成が異なる実施例である。第1の
実施例と同等の部材には同一の符号を付す。本実施例の
圧延機用冷却装置のストリップ冷却機構160付近の概
略構成を図13に示す。なお、本実施例のストリップ冷
却機構160において、第1の実施例同様、ストリップ
冷却水導入部160a,160bが薄板材101A長手
方向の複数箇所(例えば8箇所)に設けられているが、
煩雑を避け説明の便宜を図るために、図では1つのロー
ル冷却水導入部160aのみを例にとって示してある。
【0066】図13において、本実施例の圧延機用冷却
装置が第1の実施例の圧延機用冷却装置と異なる点は、
超音波発生機構116が上部冷却用ヘッダ107の両端
でなく、上部冷却用ヘッダ107における薄板材101
A幅方向複数箇所(図示実施例では5箇所)に設けられ
た5つのラミナーパイプ108のそれぞれに1つずつ設
けられており、それぞれに制御装置114からの制御信
号が別個独立して入力されていることである。この上部
冷却用ヘッダ107及びラミナーパイプ108付近の詳
細側面図を図14に示す。その他の構成は第1の実施例
による圧延機用冷却装置とほぼ同様である。
【0067】本実施例によれば、ストリップ冷却機構1
60による冷却において、第1の実施例の圧延機用冷却
装置のストリップ冷却機構160よりも、さらに精度の
良い薄板材101A幅方向の均一冷却が可能となる。こ
の効果を図15に示す。図15は、薄板材101Aの板
幅をxとした場合にストリップ冷却機構より下流側の検
出器115cで測定した薄板材101A板幅方向の温度
分布を、本実施例による測定結果と、超音波なしの従来
の場合の測定結果とを比較して示したものである。図1
5に示されるように、従来、中央部が凸状に突出する温
度分布であったものを、本実施例によれば、フラットで
均一な温度分布へと改善できることがわかる。
【0068】なお、上記実施例においては、上部冷却用
ヘッダ107に5箇所設けられたラミナーパイプ108
に超音波発生機構116が1つずつ設けられていたが、
すべてのラミナーパイプ108に超音波発生機構116
が設けられる必要はなく、少なくとも2つのラミナーパ
イプ108に設けられていれば足り、このときも薄板材
101A幅方向の制御は可能である。
【0069】また、上記実施例においては、上部冷却用
ヘッダ107にラミナーパイプ108が5つ設けられて
いたが、これに限られず、例えば図16に示すように、
上部冷却用ヘッダ107に、スプレー水を噴射する5つ
のスプレーノズル210を設け、これらスプレーノズル
210にそれぞれ超音波発生機構116を設けても良
い。また上記同様すべてのスプレーノズル210でなく
少なくとも2つに設けても良い。さらに、第1の実施例
の第2の変形例で図11に示した開放型冷却パッド12
3において、薄板材101A幅方向に少なくとも2つず
つ設けても良い。これらの場合も同様の効果を得る。
【0070】本発明の第3の実施例を図17及び図18
により説明する。本実施例は、ストリップ冷却機構によ
る冷却速度を長手方向に可変とする実施例である。第1
及び第2の実施例と同等の部材には同一の符号を付す。
本実施例の圧延機用冷却装置のストリップ冷却機構16
0付近の概略構成を図17に示す。なお、ストリップ冷
却機構160において、第1の実施例同様、ストリップ
冷却水導入部160a,160bが薄板材101A長手
方向の例えば8箇所に設けられているが、煩雑を避け説
明の便宜を図るために、図では3つのストリップ冷却水
導入部160a,160a,160aのみを例にとって示
してある。
【0071】図17において、本実施例の圧延機用冷却
装置が第1の実施例の圧延機用冷却装置と異なる点は、
各ストリップ冷却水導入部160aにおいて超音波発生
機構116が上部冷却用ヘッダ107に1つずつ設けら
れていること、またそれぞれの超音波発生機構116に
は同一信号でなく別個独立した制御信号が別個独立した
制御装置314a〜cより入力されていることである。
この制御装置314a〜cには、第1の実施例と同様の
修正値演算器から、それぞれの長手方向位置に対応した
修正値が入力されている。その他の構成は第1の実施例
による圧延機用冷却装置とほぼ同様である。
【0072】本実施例によれば、各ストリップ冷却水導
入部160aに設けられた超音波発生機構160の出力
を独自に調整することができるので、薄板材101a長
手方向における各ストリップ冷却水導入部160aの冷
却性能を可変とすることができる。この効果を図18に
示す。図18は、最終段の上下ワークロール102a,
102bの位置を起点として薄板材101A長手方向各
位置において測定した温度分布を、本実施例における測
定結果と、超音波なしの従来の場合の測定結果とを比較
して示したものである。図18に示されるように、従
来、上下ワークロール102a,102b位置から右下
がりに一意的にきまった冷却速度で温度は下がっていた
が、本実施例によれば、薄板材101A長手方向の冷却
性能を可変とすることによって、従来よりもやや遅い冷
却速度で高い温度領域で温度を下げていくことも、従来
よりもやや速い冷却速度で低い温度領域で温度を下げて
いくこともできる。これによって、斜線で示すように冷
却速度の可変幅が自由に選択でき、例えば材料形成をあ
る限定された領域でのみ容易にすることができる。
【0073】本発明の第4の実施例を図19〜図22に
より説明する。本実施例は、ロール冷却機構に設ける超
音波発生機構の構成が異なる実施例である。第1〜第3
の実施例と同等の部材には同一の符号を付す。本実施例
の圧延機用冷却装置のロール冷却機構150付近の概略
構成を図19に示す。なお、本実施例のロール冷却機構
150において、第1の実施例同様、ロール冷却水導入
部150a,150bが薄板材101A長手方向の例え
ば3〜7箇所に設けられているが、煩雑を避ける説明の
便宜を図るために、図では1つのロール冷却水導入部1
50aのみを例にとって示してある。
【0074】図19において、本実施例の圧延機用冷却
装置が第1の実施例の圧延機用冷却装置と異なる点は、
超音波発生機構116が上部冷却用ヘッダ104aの両
端でなく、上部冷却用ヘッダ104aにおける上部ワー
クロール102a軸方向複数箇所(図示実施例では5箇
所)に設けられたフラットスプレーノズル105aに1
つずつ設けられており、それぞれに制御装置114から
の制御信号が別個独立して入力されていることである。
また図の煩雑を避けるため特に図示しないが、下部冷却
用ヘッダ104bにおける下部ワークロール102bの
軸方向5箇所に備えられたフラットスプレーノズル10
5bにも、フラットスプレーノズル105a同様に超音
波発生機構116が設けられており、それぞれに制御装
置114からの制御信号が別個独立して入力されてい
る。その他の構成は第1の実施例による圧延機用冷却装
置とほぼ同様である。
【0075】本実施例によれば、ロール冷却機構150
による冷却において、第1の実施例の圧延機用冷却装置
のロール冷却機構150よりも、さらに精度の良い上部
・下部ワークロール102a,102bロール軸方向の
温度分布均一化を図ることができる。この効果を図20
に概念図として示す。図20は、上部・下部ワークロー
ル102a,102bで圧延される薄板材101Aの横
断面形状を、超音波を発生させた本実施例の場合(図2
0(a))と、超音波なしの従来の場合(図20(b)
とを比較して示したものである。図20(a)(b)を
比較してわかるように、従来、上部・下部ワークロール
102a,102bの軸方向温度分布不均一化により、
上部・下部ワークロール102a,102bの中央部が
凸状に熱膨張変形するとともに、同様に圧延後にの薄板
材101Aの中央部も凸状に熱膨張変形していわゆるサ
ーマルクラウンが発生していたのを、本実施例の超音波
の作用で抑制し、薄板材101Aをよりフラットにでき
ることがわかる。
【0076】なお、上記実施例においては、上部冷却用
ヘッダ104a,下部冷却用ヘッダ104bに5箇所設
けられたフラットスプレーノズル105a,105bに
超音波発生機構116が1つずつ設けられていたが、す
べてのフラットスプレーノズル105a,105bに超
音波発生機構116が設けられる必要はなく、少なくと
も2つのフラットスプレーノズル105a,105bに
設けられていれば足り、このときも上部・下部ワークロ
ール102a,102bの軸方向温度分布均一化は可能
である。
【0077】また、上記実施例においては、上部・下部
冷却用ヘッダ104a,104bにフラットスプレーノ
ズル105a,105bが上部・下部ワークロール10
2a,102bの軸方向一列に5つ設けられていたが、
これに限られず、例えば図21に示すように上部冷却用
ヘッダ104aに軸方向2列に計11個のフラットスプ
レーノズル105aを設ける等、多数のフラットスプレ
ーノズル105a,105bを設け、これらにそれぞれ
超音波発生機構116を設けてもよい。また上記同様す
べてのフラットスプレーノズル105a,105bでな
く少なくとも2つに設けても良い。さらに例えば図22
に示すように、上部ワークロール102aの表面の所定
領域を囲むような冷却パッド423を設け、超音波発生
機構116をこの冷却パッド423における上部ワーク
ロール102a軸方向複数箇所に設ける構成でも良い。
これらの場合も、同様の効果を得る。
【0078】本発明の第5の実施例を図23により説明
する。本実施例は、第1の実施例の構成に、より強力な
超音波発生機構を増設した実施例である。第1〜第4の
実施例と同等の部材には同一の符号を付す。本実施例の
圧延機用冷却装置、及びこの冷却装置が適用される熱間
圧延システムの構成を図23に示す。
【0079】図23において、熱間圧延システムは第1
の実施例と同様の構成であり、圧延機130に備えられ
た上部・下部バックアップロール103a,103bに
それぞれ押圧された上部・下部ワークロール102a,
102bとの間で高温の板材101が圧延される。そし
てこのような熱間圧延システムに設けられた本実施例に
よる圧延機用冷却装置が、第1の実施例の圧延機用冷却
装置と異なる点は、超音波発生機構116より強力な超
音波を発生する超音波発生機構524が設けられている
ことである。
【0080】この超音波発生機構524は、制御装置1
14からの制御信号が入力され、超音波発生機構116
とは別個独立して超音波を発生し、図示しない媒体手段
を介し、ロール冷却水導入部150aの上部用冷却ヘッ
ダ104a及びストリップ冷却水導入部160aの上部
用冷却ヘッダ107を加振する。その他の構成は第1の
実施例とほぼ同様である。
【0081】本実施例によれば、超音波発生機構116
からの超音波と超音波発生機構524からの超音波との
両方が作用し超音波のパワーがアップするので、ロール
冷却水導入部150aから上部ワークロール102aに
到達するまで及びストリップ冷却水導入部160aから
薄板材101Aに到達するまでの超音波の減衰を抑える
ことができる。よって、ロール冷却水導入部150aか
ら上部ワークロール102aまでの距離、及びストリッ
プ冷却水導入部160aから薄板材101Aまでの高さ
を大きくとることができ、設計の自由度が増大する。
【0082】なお上記第5の実施例においては、超音波
発生機構524で、ロール冷却水導入部150aの上部
用冷却ヘッダ104a及びストリップ冷却水導入部16
0aの上部用冷却ヘッダ107を加振したが、これに限
られず、ロール冷却水導入部150aに設けた他の部
材、例えばフラットスプレー105a、別途設けた冷却
パッド423(図22で示した変形例参照)等を加振
し、またストリップ冷却水導入部160aに設けた他の
部材、例えばラミナーパイプ108、ウォータカーテン
用ヘッダ197(図10で示した変形例参照)、開放型
冷却パッド(図11で示した変形例参照)等を加振して
も良く、さらに、ロール冷却水導入部150a及びスト
リップ冷却水導入部160aに冷却水を導く図示しない
冷却水集合管を加振する構成でも良い。また、これらの
場合も同様の効果を得る。
【0083】また、以上第1〜第5の実施例は、すべて
本発明を熱間圧延システムに適用した場合の実施例につ
いて説明したが、これに限られず、冷間圧延システムに
おいても適用可能であり、同様の効果を得る。
【0084】本発明によれば、第1の冷却水導入手段
うち少なくとも2つに第1の超音波発生手段を設け、発
生させた超音波を冷却水を介して伝搬させるので、蒸気
膜を崩壊させてストリップ表面への冷却能力を向上する
ことができる。また、第1の冷却水導入手段は大気圧に
ほぼ等しい水圧の冷却水を供給し、第1の検出手段でス
トリップ冷却後の圧延材の表面情報である温度分布又は
形状分布を検出し、第1の検出手段の検出結果に基づ
き、第1の制御手段によって圧延材長手方向複数箇所の
第1の冷却水導入手段に設けられた第1の超音波発生手
段の動作をそれぞれ独立して制御し超音波の出力値の大
きさを調整することができる。よって、シール性や回転
抵抗の問題が生じることなく長手方向の冷却速度を容易
に制御することができる。すなわち、長手方向の冷却速
度モードを固定にする場合は長手方向に向かって急冷す
るか徐々に冷却するかを制御でき、また長手方向の冷却
速度モードを可変にする場合は、冷却速度の可変幅が自
由に選択でき、例えば材料形成をある限定された領域で
のみ容易にすることができる。よって、従来の圧延シス
テムにおけるストリップ冷却機構の冷却設備及びハード
構成を変えることなく、第1の冷却水導入手段に設けた
超音波発生手段の動作制御のみで、冷却速度の向上を実
現することができる。また超音波を用いるので、従来の
流量制御等に比し応答性が向上し、リアルタイムでの短
時間冷却制御が可能となる。また、圧延材の上面の所定
領域を囲むように設けられ、ラミナーパイプから噴出さ
れた冷却水を所定領域に誘導する開放型冷却パッドに第
1の超音波発生手段を設けることによっても、冷却水を
介し超音波を伝搬させる手段を実現することができる。
このとき、閉鎖型パッド内にノズルで高圧噴流を供給す
る従来技術よりもパッド内を低圧にすることができるの
で、シール性や回転抵抗の問題が低減される。また、従
来のラミナーフロー式の冷却装置において、そのラミナ
ーフローの流下部分が開口するようにパッドを設ければ
従来構成をそのまま用いることができるので、設備改造
が容易であるとともに低コストでの改造が可能となる。
【0085】さらに、第1の超音波発生手段の出力を第
1の制御手段で圧延材長手方向に可変制御するので、長
手方向の冷却性能を可変とすることができる。すなわ
ち、冷却速度の可変幅が自由に選択でき、例えば材料形
成をある限定された領域でのみ容易にすることができ
る。
【0086】また本発明によれば、第1の冷却水導入手
段の圧延材幅方向複数箇所に設けられた第1の超音波発
生手段の動作を第1の制御手段でそれぞれ独立して制御
するので、長手方向の冷却速度を向上するとともに圧延
材板幅方向の冷却均一化も図ることができる。さらに、
第2の超音波発生手段を設け第1の冷却水集合管又は第
1の冷却水導入手段を加振するので、超音波のパワーが
アップし、第1の冷却水導入手段からストリップに到達
するまでの超音波の減衰を抑えることができる。よっ
て、ストリップから第1の冷却水導入手段までの高さを
大きくとることができ、設計の自由度が増大する。
【0087】また本発明によれば、第2の冷却水導入手
段に第1の超音波発生手段を設け、発生させた超音波を
冷却水を介して伝搬させるので、蒸気膜を崩壊させてロ
ール表面への冷却能力を向上することができる。また第
2の検出手段でロールにより圧下された後の圧延材の表
面情報である温度分布又は形状分布を検出し、第2の制
御手段でこの第2の検出手段の検出結果に基づきロール
軸方向複数箇所の第1の超音波発生手段の動作を制御す
るので、ロール軸方向の冷却性能を容易に微調整し、ロ
ール軸方向の温度分布均一化を図れる。したがって、圧
延ロールの軸方向温度分布の不均一が発生するのを防止
し、これによってロールで圧下されたストリップの熱膨
張変形によるサーマルクラウンの発生を抑制するので、
長寿命かつ高品質なストリップ材を提供することがで
き、また圧延ロールの安全性・信頼性を確保することが
できる。さらに、第2の超音波発生手段を設け第2の冷
却水集合管又は第2の冷却水導入手段を加振するので、
超音波のパワーがアップし、第2の冷却水導入手段から
圧延ロール表面に到達するまでの超音波の減衰を抑える
ことができる。よって、圧延ロールから第2の冷却水導
入手段までの距離を大きくとることができ、設計の自由
度が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による圧延機用冷却装
置、及び適用される熱間圧延システムの構成を示す概念
図である。
【図2】本発明の原理を示す実施例による圧延冷却基礎
試験装置の構成を示す概念図である。
【図3】図1に示した圧延冷却試験装置による冷却試験
の結果を示す図である。
【図4】図3に示した冷却状態を模式的に表した図であ
る。
【図5】図3に示された冷却性能向上効果を圧延システ
ムの温度領域に対応させて示した図である。
【図6】ロール冷却水導入部の上部冷却用ヘッダを示す
図である。
【図7】ストリップ冷却水導入部の上部冷却用ヘッダ1
07付近の詳細側面図である。
【図8】図1に示された圧延機用冷却装置における検出
及び制御動作を示す説明図である。
【図9】上部冷却用ヘッダに設けるスプレーノズルの他
の配置例を示す図である。
【図10】第1の実施例の第1の変形例によるウォータ
カーテン用ヘッダの構造を示す斜視図である。
【図11】第1の実施例の第2の変形例による開放型冷
却パッド付近の構造を示す側断面図である。
【図12】第1の実施例の比較例による閉鎖型冷却パッ
ド付近の構造を示す側断面図である。
【図13】本発明の第2の実施例による圧延機用冷却装
置のストリップ冷却機構付近の概略構成を示す斜視図で
ある。
【図14】図13に示したストリップ冷却機構における
上部冷却用ヘッダ及びラミナーパイプ付近の詳細側面図
である。
【図15】図13に示したストリップ冷却機構による板
幅方向均一冷却効果を示す図である。
【図16】上部冷却用ヘッダにスプレーノズルを設けた
配置例を示す斜視図である。
【図17】本発明の第3の実施例による圧延機用冷却装
置のストリップ冷却機構付近の概略構成を示す斜視図で
ある。
【図18】図17に示したストリップ冷却機構による長
手方向冷却可変効果を示す図である。
【図19】本発明の第4の実施例による圧延機用冷却装
置のロール冷却機構付近の概略構成を示す斜視図であ
る。
【図20】図19に示したロール冷却機構によるロール
軸方向温度分布均一化の効果を示す概念図である。
【図21】ロール冷却機構における他のフラットスプレ
ー配置例を示す図である。
【図22】ロール冷却機構に冷却パッドを設けた場合の
構造を示す斜視図である。
【図23】本発明の第5の実施例による圧延機用冷却装
置、及びこの冷却装置が適用される熱間圧延システムの
構成を示す概念図である。
【符号の説明】
101 板材 101A 薄板材 102a 上部ワークロール 102b 下部ワークロール 104a 上部冷却用ヘッダ 104b 下部冷却用ヘッダ 105a フラットスプレーノズル 105b フラットスプレーノズル 107 上部冷却用ヘッダ 108 ラミナーパイプ 109 下部冷却用ヘッダ 110 ノズル 112 演算器 113 修正値演算器 114 制御装置 115a 検出器 115b 検出器 115c 検出器 116 超音波発生機構 123 開放型冷却パッド 130 圧延機 150 ロール冷却機構 150a ロール冷却水導入部 150b ロール冷却水導入部 160 ストリップ冷却機構 160a ストリップ冷却水導入部 160b ストリップ冷却水導入部 197 ウォータカーテン用ヘッダ 210 スプレーノズル 314a〜c 制御装置 423 冷却パッド 524 超音波発生機構 A スプレー水 B ラミナーフロー水 F 噴流 G カーテン状の水流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 英明 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 平間 幸夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 水品 靖男 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 高倉 芳生 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 昭57−68214(JP,A) 特開 平6−71327(JP,A) 特開 平2−101111(JP,A) 特開 昭61−119623(JP,A) 特開 昭57−68213(JP,A) 実開 昭61−7564(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/02 B21B 27/10 C21D 1/04 C21D 9/52

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板材を圧延する圧延ロールを冷却するロー
    ル冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された圧延材を冷
    却するストリップ冷却機構とを有し、前記ストリップ冷
    却機構は、前記圧延材長手方向の複数箇所に設けられ該
    圧延材の上面及び下面のうち少なくとも一方に対面して
    大気圧にほぼ等しい水圧の冷却水を供給する複数の第1
    の冷却水導入手段を備えている圧延機用冷却装置におい
    て、 前記複数の第1の冷却水導入手段のうち少なくとも2つ
    に設けられた第1の超音波発生手段と、 前記圧延材の表面情報である温度分布又は形状分布を検
    出する第1の検出手段と、 この第1の検出手段の検出結果に基づき、少なくとも2
    つ設けられた前記第1の超音波発生手段の動作をそれぞ
    れ独立して制御可能な第1の制御手段と、 を有することを特徴とする圧延機用冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧延機用冷却装置におい
    て、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれは、前
    記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、この1つ
    のヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に設けら
    れ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミナーパ
    イプとを有しており、前記第1の超音波発生手段は、前
    記1つのヘッダに設けられていることを特徴とする圧延
    機用冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の圧延機用冷却装置におい
    て、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれは、前
    記圧延材の上方に設けられた1つのウォーターカーテン
    用ヘッダを有しており、前記第1の超音波発生手段は、
    前記1つのウォータカーテン用ヘッダに設けられている
    ことを特徴とする圧延機用冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の圧延機用冷却装置におい
    て、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれは、前
    記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、この1つ
    のヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に設けら
    れ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミナーパ
    イプと、前記圧延材の上面の所定領域を囲むように設け
    られ前記複数のラミナーパイプから噴出された冷却水を
    前記所定領域に誘導する1つの開放型冷却パッドとを有
    しており、前記第1の超音波発生手段は、前記1つの開
    放型冷却パッドに設けられていることを特徴とする圧延
    機用冷却装置。
  5. 【請求項5】板材を圧延する圧延ロールを冷却するロー
    ル冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された圧延材を冷
    却するストリップ冷却機構とを有し、前記ストリップ冷
    却機構は、前記圧延材長手方向の複数箇所に設けられ該
    圧延材の上面及び下面のうち少なくとも一方に対面して
    大気圧にほぼ等しい水圧の冷却水を供給する複数の第1
    の冷却水導入手段を備えている圧延機用冷却装置におい
    て、 前記複数の第1の冷却水導入手段のうち少なくとも1つ
    の前記圧延材幅方向複数箇所に設けられた第1の超音波
    発生手段と、 前記圧延材の表面情報である温度分布又は形状分布を検
    出する第1の検出手段と、 この第1の検出手段の検出結果に基づき、前記圧延材幅
    方向複数箇所に設けられた前記第1の超音波発生手段の
    動作をそれぞれ独立して制御可能な第1の制御手段と、 を有することを特徴とする圧延機用冷却装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の圧延機用冷却装置におい
    て、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれは、前
    記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、この1つ
    のヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に設けら
    れ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミナーパ
    イプとを有しており、前記第1の超音波発生手段は、前
    記1つのヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に
    設けられていることを特徴とする圧延機用冷却装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載の圧延機用冷却装置におい
    て、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれは、前
    記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、この1つ
    のヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に設けら
    れ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミナーパ
    イプとを有しており、前記第1の超音波発生手段は、前
    記複数のラミナーパイプのうち少なくとも2つに設けら
    れていることを特徴とする圧延機用冷却装置。
  8. 【請求項8】請求項5記載の圧延機用冷却装置におい
    て、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれは、前
    記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、この1つ
    のヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に設けら
    れ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のスプレーノ
    ズルとを有しており、前記第1の超音波発生手段は、前
    記複数のスプレーノズルのうち少なくとも2つに設けら
    れていることを特徴とする圧延機用冷却装置。
  9. 【請求項9】請求項5記載の圧延機用冷却装置におい
    て、前記複数の第1の冷却水導入手段のそれぞれは、前
    記圧延材の上方に設けられた1つのヘッダと、この1つ
    のヘッダにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に設けら
    れ該圧延材の上面に冷却水を噴出する複数のラミナーパ
    イプと、前記圧延材の上面の所定領域を囲むように設け
    られ前記複数のラミナーパイプから噴出された冷却水を
    前記所定領域に誘導する1つの開放型冷却パッドとを有
    しており、前記第1の超音波発生手段は、前記1つの開
    放型冷却パッドにおける前記圧延材の幅方向複数箇所に
    設けられていることを特徴とする圧延機用冷却装置。
  10. 【請求項10】板材を圧延する圧延ロールを冷却するロ
    ール冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された圧延材を
    冷却するストリップ冷却機構とを有し、前記ストリップ
    冷却機構は、前記圧延材長手方向の複数箇所に設けられ
    該圧延材の上面及び下面のうち少なくとも一方に対面し
    て大気圧にほぼ等しい水圧の冷却水を供給する複数の第
    1の冷却水導入手段を備えている圧延機用冷却装置にお
    いて、 前記複数の第1の冷却水導入手段のうち少なくとも1つ
    に設けられた第1の超音波発生手段と、 前記圧延材の表面情報を検出する第1の検出手段と、 この第1の検出手段の検出結果に基づき前記第1の超音
    波発生手段の動作を制御 する第1の制御手段と、 前記複数の第1の冷却水導入手段に冷却水を導く第1の
    冷却水集合管と、 前記第1の超音波発生手段より強力な超音波を発生し、
    この超音波で前記複数の第1の冷却水導入手段のうち少
    なくとも1つ及び前記第1の冷却水集合管のうちいずれ
    か一方を加振する第2の超音波発生手段とを有すること
    を特徴とする圧延機用冷却装置。
  11. 【請求項11】請求項1又は5記載の圧延機用冷却装置
    において、前記第1の制御手段は、前記第1の検出手段
    の検出結果に基づき、前記第1の超音波発生手段から発
    生する超音波の電圧、周波数、及び振幅のうち少なくと
    も1つを制御する手段であることを特徴とする圧延機用
    冷却装置。
  12. 【請求項12】板材を圧延する圧延ロールを冷却するロ
    ール冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された圧延材を
    冷却するストリップ冷却機構とを有し、前記ストリップ
    冷却機構は、前記圧延材長手方向の複数箇所に設けられ
    該圧延材の上面及び下面のうち少なくとも一方に対面し
    て大気圧にほぼ等しい水圧の冷却水を供給する複数の第
    1の冷却水導入手段を備えている圧延機用冷却装置にお
    いて、 前記複数の第1の冷却水導入手段のうち少なくとも1つ
    に設けられた第1の超音波発生手段と、 前記圧延材の表面情報を検出する第1の検出手段と、 この第1の検出手段の検出結果に基づき前記第1の超音
    波発生手段の動作を制御する第1の制御手段とを有し、 前記第1の超音波発生手段は、少なくとも前記圧延材長
    手方向複数箇所の第1の冷却水導入手段に設けられてお
    り、 前記第1の制御手段は、前記第1の超音波発生手段の出
    力を前記圧延材長手方向に可変制御する手段であること
    を特徴とする圧延機用冷却装置。
  13. 【請求項13】板材を圧延する圧延ロールを冷却するロ
    ール冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された圧延材を
    冷却するストリップ冷却機構とを有し、前記ストリップ
    冷却機 構は、前記圧延材長手方向の複数箇所に設けられ
    該圧延材の上面及び下面のうち少なくとも一方に対面し
    て大気圧にほぼ等しい水圧の冷却水を供給する複数の第
    1の冷却水導入手段を備えている圧延機用冷却装置にお
    いて、 前記複数の第1の冷却水導入手段のうち少なくとも1つ
    に設けられた第1の超音波発生手段と、 前記圧延材の表面情報を検出する第1の検出手段と、 この第1の検出手段の検出結果に基づき前記第1の超音
    波発生手段の動作を制御する第1の制御手段とを有し、 前記第1の検出手段は、前記ストリップ冷却機構の入口
    側と出口側との2箇所に設けられ、それぞれがその箇所
    における検出結果を前記第1の制御手段へ出力する手段
    であることを特徴とする圧延機用冷却装置。
  14. 【請求項14】板材を圧延する圧延ロールを冷却するロ
    ール冷却機構と、前記圧延ロールで圧延された圧延材を
    冷却するストリップ冷却機構とを有し、前記ロール冷却
    機構は、前記圧延ロールの周方向に少なくとも1箇所設
    けられ該圧延ロールに対面して冷却水を注水する少なく
    とも1つの第2の冷却水導入手段を備えている圧延機用
    冷却装置において、 前記第2の冷却水導入手段のうち少なくとも1つのロー
    ル軸方向複数箇所に設けられた第1の超音波発生手段
    と、 前記圧延材の表面情報である温度分布又は形状分布を検
    出する第2の検出手段と、 この第2の検出手段の検出結果に基づき前記第1の超音
    波発生手段の動作を制御する第2の制御手段と、 を有することを特徴とする圧延機用冷却装置。
  15. 【請求項15】請求項14記載の圧延機用冷却装置にお
    いて、前記複数の第2の冷却水導入手段のそれぞれは、
    前記圧延ロールの入側及び出側の一方に設けられた1つ
    のヘッダと、この1つのヘッダにおけるロール軸方向複
    数箇所に設けられ該圧延ロールに冷却水を噴出する複数
    のフラットスプレーノズルとを有しており、前記第1の
    超音波発生手段は、前記1つのヘッダにおけるロール軸
    方向複数箇所に設けられていることを特徴とする圧延機
    用冷却装置。
  16. 【請求項16】請求項14記載の圧延機用冷却装置にお
    いて、前記複数の第2の冷却水導入手段のそれぞれは、
    前記圧延ロールの入側及び出側の一方に設けられた1つ
    のヘッダと、この1つのヘッダにおけるロール軸方向複
    数箇所に設けられ該圧延ロールに冷却水を噴出する複数
    のフラットスプレーノズルとを有しており、前記第1の
    超音波発生手段は、前記複数のフラットスプレーノズル
    のうち少なくとも2つに設けられていることを特徴とす
    る圧延機用冷却装置。
  17. 【請求項17】請求項14記載の圧延機用冷却装置にお
    いて、前記複数の第2の冷却水導入手段のそれぞれは、
    前記圧延ロールの表面の所定領域を囲むように設けられ
    た1つの冷却パッドを有しており、前記第1の超音波発
    生手段は、前記1つの冷却パッドにおけるロール軸方向
    複数箇所に設けられていることを特徴とする圧延機用冷
    却装置。
  18. 【請求項18】請求項14記載の圧延機用冷却装置にお
    いて、前記複数の第2の冷却水導入手段に冷却水を導く
    第2の冷却水集合管と、前記第1の超音波発生手段より
    強力な超音波を発生し、この超音波で前記複数の第2の
    冷却水導入手段のうち少なくとも1つ及び前記第2の冷
    却水集合管のうちいずれか一方を加振する第2の超音波
    発生手段とをさらに有することを特徴とする圧延機用冷
    却装置。
  19. 【請求項19】請求項14記載の圧延機用冷却装置にお
    いて、前記第2の制御手段は、前記第2の検出手段の検
    出結果に基づき、前記第1の超音波発生手段から発生す
    る超音波の電圧、周波数、及び振幅のうち少なくとも1
    つを制御する手段であることを特徴とする圧延機用冷却
    装置。
  20. 【請求項20】請求項14記載の圧延機用冷却装置にお
    いて、前記第2の検出手段は、前記圧延ロールの入側と
    出側との2箇所に設けられ、それぞれがその箇所におけ
    る検出結果を前記第2の制御手段へ出力する手段である
    ことを特徴とする圧延機用冷却装置
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