JP3234113B2 - 血糖値上昇抑制剤及び利用 - Google Patents
血糖値上昇抑制剤及び利用Info
- Publication number
- JP3234113B2 JP3234113B2 JP30167594A JP30167594A JP3234113B2 JP 3234113 B2 JP3234113 B2 JP 3234113B2 JP 30167594 A JP30167594 A JP 30167594A JP 30167594 A JP30167594 A JP 30167594A JP 3234113 B2 JP3234113 B2 JP 3234113B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- betaine
- sugar
- blood
- blood glucose
- glucose
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
高血糖状態により引き起こされる疾患、例えば肥満症、
高脂血症、糖尿病などの予防または治療を目的とした健
康志向の製剤、食品素材又は飲食品に関わる。
伴うカロリーの過剰摂取による肥満症、高脂血症、糖尿
病の罹病が問題として挙げられている。この疾患は心臓
病等の他の成人病とも深く関わると言われており、その
治療および予防は非常に重要な課題になっている。従来
の嗜好を満足させつつこれを解決する方法が求められ、
多岐にわたり研究が進められているのが現状である。
としてカロリー源の供給量を減らすことが考えられる。
これに関し主なカロリー源のひとつである蔗糖などの糖
源に代わる低カロリー甘味料が開発されてきた。これら
は蔗糖と同様の甘味をもちながらはるかに低カロリーで
あるか、蔗糖よりも強い甘味によりその使用量が少なく
て良いため摂取カロリーを減らし得るものである。この
例としてエリスリトール、アスパルテーム等が提案され
ている。しかし、嗜好性、物理化学性、摂取制限などに
より、これら低カロリー甘味料または合成甘味料が広く
食品に利用されるには至っていない。
管からの吸収を抑制することにより、過剰な血糖値の上
昇による前述の疾患を防止または治療しようという試み
もなされてきた。そして、一般に人間が食している植
物、動物由来の食品中に、糖質の吸収を抑制する成分が
あることが明らかにされてきている。その例としてギム
ネマ・シルベスタ中のギムネマ酸(上野学、月刊フード
ケミカル,1993−12,pp.21−26)、L−
アラビノース、D−キシロースなどの単糖類(特開平6
−65080)、黒砂糖中の黒色物質(木村、大南、奥
田ら、薬学雑誌,Vol.102,pp.666−66
9,1982)、水溶性の食物繊維(奥恒行、食物繊
維、印南、桐山編、第一出版、pp.186−193,
1982)などがある。ギムネマ酸などの物質がどのよ
うなメカニズムで糖吸収を阻害・遅延するかについては
これら文献中に種々示唆されている。
腸小胞懸濁液を用いたin vitroの試験において
イカ、タコに含まれるベタイン化合物に腸管へのグルコ
ースの取り込みを抑制する働きがあることを報告してい
る(奥田拓道、食品工業,1993−7.30,pp.
18−26)。
存在する各種成分の中から、糖質負荷後の血糖値上昇抑
制効果を有する物質を検討し、その糖吸収の阻害・遅延
効果について実験動物を用いて詳細に研究した。その結
果、意外にも砂糖ダイコンに含まれるベタインにin
vivoにおいて顕著に血糖値上昇抑制作用があること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
イコンから精製されるもので、グリシンが完全にN−メ
チル化されたものであり、次式で示されるものである。
く存在する物質で、動物では、エビ、カニ、タコ、イカ
などの水産物に、植物では、麦芽、キノコ類、果実、地
下茎特にアカザ科に多く含まれていることが知られてい
る。素材としては、ビート(砂糖ダイコン)から分離精
製される。ベタインは吸収後ジメチルグリシン、メチル
グリシンを経て無害のアミノ酸グリシンとなる。経口亜
急性毒性はLD50=18.7g/kgと極めて低く、実
質的に無害である。食品素材としては独特の甘味、うま
味の面から主に水産物を材料とする加工食品の天然調味
料として用いられている。飼料添加物としては成長促進
効果、脂質代謝・肝機能正常化効果をもつコリンの代替
品として世界で広く用いられている。
上昇抑制剤は、ベタイン粉末を散剤にするだけでもよい
が、飲みやすいように、結着剤やクエン酸、レモンフレ
ーバーなどと混合し、打錠しておくとよい。この散剤や
錠剤は食中、食後などの糖分摂取後に飲用するとよい。
食品素材は、一般に、砂糖、グルコース、液糖などの糖
質とベタインを混合しておくのがよい。ベタインの混合
は、糖質の0.1〜50%、好ましくは1〜30%、よ
り好ましくは3〜20%、更に好ましくは5〜18%程
度である。
品素材は、糖質のみよりむしろ美味であり、そのままコ
ーヒー、紅茶などの甘味料として使用することができる
し、また、各種食品の加工乃至は調理に用いて、甘味付
与の目的を十分にはたすことができ、かつ、血糖値上昇
抑制を行うことができるものである。本発明の食品素材
は経口摂取可能ないかなる形状においても使用可能であ
る。結晶で用いても、他の食品またはビタミン他の栄養
素、香料等と共に使用する事もできる。使用例として粉
末、結晶製品、インスタント粉末、タブレット、グラニ
ュール、炭酸タブレット、ペースト、ガム他があげられ
る。
を用いた耐糖性試験の方法を用いて調べた。同時に従来
糖吸収抑制効果があるといわれているペクチン、ギムネ
マについても比較した。10週令のWistar系雄ラ
ット32匹を1週間次の表1の基本飼料で予備飼育し試
験に用いた。予備飼育終了後24時間絶食し、8匹ずつ
4群に組分け、20%グルコース溶液を糖液とした次の
表2
で経口投与し、0、15、30、60、120分後に尾
静脈より採血し、10,000r.p.m.、5分遠心
分離し血清を取りだし、グルコースオキシダーゼ法で血
清グルコース濃度(以下「血糖値」という)を分析し
た。また、血糖値の経時変化から0から120分までの
全血糖値上昇量を示す血糖値上昇面積を算出した。
化をグラフにした場合の血糖値変化の折れ線と、試験開
始時の血糖値を示す点を通り時間軸と平行な直線との間
の面積を指す。これは試験時間中の血糖値上昇の総和を
意味する(単位はmg/dL/120min)。ベタイ
ン添加糖液群の例について血糖値の経時変化グラフを図
1に示した。図1の斜線部分の面積が血糖値上昇面積で
ある。
溶液を糖液とした表1の各投与液についても行った。こ
れらの結果については、20%グルコース溶液を糖液と
した場合の血糖値の経時変化および血糖値上昇面積を表
3および表4に、20%スクロース溶液を糖液とした場
合の血糖値の経時変化および血糖値上昇面積を表5、表
6に示した。
グルコースの吸収は明らかに抑制され、ベタイン添加糖
液群の血糖値は、15分目以降基本糖液群のものよりも
低い値を維持した。これに対し従来糖吸収抑制効果のあ
るといわれているペクチン、ギムネマ添加群の血糖値は
15分目に基本糖液群よりも低い値を示したが、その後
上昇し60分目、120分目には基本糖液群のものより
高い値となった。表4の血糖値上昇面積に示すとおり、
ベタイン添加群は基本糖液群よりも低い値を取った。ペ
クチン、ギムネマは基本糖液群とほぼかわらない値を示
した。また表5、表6に示すとおりこの現象は20%ス
クロースを糖液とした場合にも同様に見られた。
こと、従来効果があるといわれているペクチン、ギムネ
マの効果が糖吸収を遅延させるものであるのに対し、ベ
タインの効果は糖の吸収量を減らすものであることが判
った。
し、耐糖性試験を行った。被験者らは試験前日夕食より
飲水のみを許し一夜絶食させた。4人づつの2つのグル
ープに組分け、500mL、16%グルコース溶液(8
0gグルコースに相当する。以下基準糖液という)また
は500mLの基準糖液にベタイン1%を添加したもの
(80gグルコースに5gベタインを加えたものに相当
する。以下ベタイン添加糖液という)をそれぞれのグル
ープの被験者に経口摂取させ、摂取後0、30、60、
90、120、150および180分に上肢正中皮静脈
から採血して遠沈管に移し、直ちに3000r.p.
m.、10分で遠心分離し、血清を取り出し、グルコー
スオキシダーゼ法で血糖値を測定した。この結果につい
ては、表7に血糖値の経時変化を示した。
糖液投与による血糖値の上昇が抑えられ、30分目より
試験終了までベタイン添加糖液群の血糖値は基準糖液群
のものより低い血糖値を維持した。これらより、ヒトに
おいても、ベタインにより糖吸収が抑制されることが明
らかになった。
0匹を用いた。AIN76組成に基づく基本飼料で1週
間予備飼育した後、1群10匹ずつ2群に組分け、基本
飼料またはこれにベタイン2%を添加した飼料を自由摂
取させた。投与開始から7、14、28、42、56日
目に体重を測定し、初期体重からの増加量を求め、群毎
に平均値を算出した。また飼料摂取量も同時に測定し
た。56日目にラットを麻酔下で解剖し、肝臓、副睾丸
脂肪組織、腎周囲脂肪組織を取り出し、重量分析に供し
た。肝臓はFolchらの方法に従い総脂質含量も分析
した。表8に体重増加及び飼料摂取量、表9に肝臓、副
睾丸脂肪組織、腎周囲脂肪組織および肝臓総脂質含量を
示した。
行動に異常は見られず、死亡例も皆無であった。表8に
示したように、ベタイン添加飼料群では、基本飼料群に
比較して体重増加が少なかった。表9に示す通り肝臓、
副睾丸脂肪組織、腎周囲脂肪組織重量もベタイン添加飼
料群で低い傾向が見られた。肝臓の総脂質含量も有意に
低い値を示した。試験期間を通し、摂取量に有意な差は
認められなかった。
120g、ベタイン10g、バニラエッセンス数滴、牛
乳大さじ3杯を加え軽く混ぜた。さらに小麦粉120g
を加え軽く混ぜケーキ型に流し込み、オーブンで150
℃、35分焼いた。
トを作成した。
抑制剤及び血糖値上昇抑制機能性糖質食品素材は、糖と
同時摂取する事により血糖値上昇を抑えることができる
ため、カロリー過剰摂取による肥満症、高脂血症、糖尿
病の予防および治療効果を持つ製剤及び食品素材として
すぐれている。
化グラフを示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ベタインを有効成分とする血糖値上昇抑
制剤。 - 【請求項2】 糖質及び0.1〜50%、好ましくは1
〜30%のベタインを有効成分として含有する血糖値上
昇抑制機能性糖質食品素材。 - 【請求項3】 糖質及び0.1〜50%、好ましくは1
〜30%のベタインを有効成分として用いて加工乃至は
調理してなる血糖値上昇抑制機能性飲食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30167594A JP3234113B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 血糖値上昇抑制剤及び利用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30167594A JP3234113B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 血糖値上昇抑制剤及び利用 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08133970A JPH08133970A (ja) | 1996-05-28 |
JP3234113B2 true JP3234113B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=17899784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30167594A Expired - Fee Related JP3234113B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 血糖値上昇抑制剤及び利用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3234113B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4048166B2 (ja) | 2002-11-18 | 2008-02-13 | 三井製糖株式会社 | 血糖値上昇抑制剤及び体脂肪蓄積抑制剤並びに食用材料 |
WO2005065675A1 (en) * | 2004-01-07 | 2005-07-21 | Premacs International Pty. Ltd. | Method of treatment |
MX2007013486A (es) * | 2005-04-27 | 2008-03-14 | Jallal Messadek | Combinaciones de insulinas. |
KR101412221B1 (ko) * | 2012-08-14 | 2014-06-27 | (주)바이오뉴트리젠 | 구기자잎 추출 분말과 베타인을 유효성분으로 함유하는 항비만 조성물 |
KR101979001B1 (ko) | 2017-02-27 | 2019-05-20 | 주식회사 솔고 바이오메디칼 | 땅콩새싹 추출물을 유효성분으로 함유하는 혈당 상승 억제 조성물 |
-
1994
- 1994-11-11 JP JP30167594A patent/JP3234113B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08133970A (ja) | 1996-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
ES2230573T3 (es) | Agente anti-obesidad cuyo principio activo es la procianidina. | |
RU2356247C2 (ru) | Комбинации и композиции, содержащие жирные кислоты и аминокислоты, их применение для предупреждения, замедления прогрессирования или лечения диабета и связанных с диабетом заболеваний и состояний, способ снижения веса тела млекопитающего, набор | |
EP2086353B1 (en) | Nutritional products comprising saccharide oligomers | |
JP5421512B2 (ja) | D−プシコースの血糖上昇抑制効果の利用 | |
US8722614B2 (en) | Adiponectin production enhancer | |
US20040043442A1 (en) | Use of betaine in functional products having blood pressure lowering effects | |
JPH038188B2 (ja) | ||
TW200939975A (en) | Dietary compositions for promoting weight loss | |
JP3234113B2 (ja) | 血糖値上昇抑制剤及び利用 | |
JP2790610B2 (ja) | α−グルコシダーゼ阻害剤、それを含む糖組成物、甘味料、食品、及び飼料 | |
JPH10265397A (ja) | 肥満予防剤 | |
US20030049337A1 (en) | Composition for preventing fructose absorption | |
JP2002193797A (ja) | インスリン抵抗性改善用組成物 | |
JP3130327B2 (ja) | 肝機能障害予防剤及び肝機能障害予防作用を有する機能性食品 | |
JP2008050277A (ja) | 鉄欠乏性貧血症治療用組成物 | |
JP2002173435A (ja) | 抗肥満剤および当該抗肥満剤の投与方法 | |
WO1999053936A1 (en) | Hypoglycemic agents | |
JPH09104624A (ja) | α−グルコシダーゼ阻害剤、それを含む糖を主体とする組成物、甘味料、食品及び飼料 | |
KR101166852B1 (ko) | 비타민나무잎 분말 또는 이의 추출물을 포함하는 체내 지질 개선 조성물 | |
JP2001048794A (ja) | 桑の葉由来粉末およびカキ由来粉末の混合物を含むniddm治療用の医薬組成物および健康食品 | |
JPH11147828A (ja) | コレステロール及び脂質吸収阻害剤 | |
CN113712982B (zh) | 一种预防或治疗非酒精性脂肪肝、肥胖症的组合物及制备方法和应用 | |
KR102376806B1 (ko) | 오에노테인 b 유사체를 유효성분으로 포함하는 체중 감량용 조성물 | |
JP4520602B2 (ja) | 高血圧症予防・治療剤 | |
JP2004231585A (ja) | 生体内ホモシステインレベル低減用および上昇抑制用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080921 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090921 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130921 Year of fee payment: 12 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |