JP3232891U - アンカーボルト後施工用ドリルビット - Google Patents

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小林 康雄
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Abstract

【課題】コンクリート基礎から突出しているアンカーボルトが、コンクリート基礎上に配置した木製の土台に形成された貫通孔に挿通したとき、貫通孔が傾斜している場合に修正するためのドリルビットを提供する。【解決手段】円柱状の本体部12の一端部の中心から、その長さ方向に沿って穴14が形成されている。コンクリート基礎の上面に植設され、基礎の上に配置された木材製の土台内の貫通孔に挿通されているアンカーボルトを、穴は挿通可能である。開放溝16が、本体部の周面に本体部の長さ方向に沿って形成されている。開放溝は、穴を外部に開放する。開放溝の一端部側の端と、本体部の一端部との間に、木材切削用の刃18a、18bが形成されている。本体部の他端部側に、シャンク20が形成されている。【選択図】図1

Description

本考案は、コンクリート基礎に植設されたアンカーボルトが、木材製の土台の孔に挿通されている状態で、上記の孔を修正するためのドリルビットに関する。
木造建築構造物の木製を土台のコンクリート製基礎への固定することがある。その場合には、基礎の上面から突出するようにアンカーボルトを基礎に植設し、土台を基礎の上面に配置し、土台の下面と上面間に形成した貫通孔にアンカーボルトを挿通し、アンカーボルトにナットを螺合させて、土台を基礎に固定することがある。アンカーボルトのコンクリートへの植設時の誤差により、土台の貫通孔とアンカーボルトとの位置関係が適正でないことがある。この問題を解決するために、特許文献1の技術が提案されている。
特許文献1の技術は、土台の貫通孔に、アンカーボルト用の座金を形成するためのもので、座金の大きさに対応する円筒型の本体の下面中央から下方に突出するようにアンカーボルト挿入用の筒状部を形成し、円筒型本体の下面の周囲に刃を形成したものである。筒状部にアンカーボルトの先端部を挿入し、円筒型本体を回転させることによって、アンカーボルトを中心にして座金を挿通するための穴を、アンカーボルトの先端周囲に形成する。
実用新案登録第3048697号
この技術によれば、アンカーボルトの植設誤差には対応することができる。しかし、例えば土台にアンカーボルト挿通用の貫通孔を形成する場合に、貫通孔が誤って傾斜して形成されることがある。この状態でアンカーボルトを貫通孔に挿通する際に、アンカーボルトの先端部や根元部などのいずれかの部分が貫通孔と接触することがある。接触しているのに無理に押し込んで、基礎上に土台を配置すると、土台が基礎上に水平に配置されないことや、土台の一部が基礎の幅方向にはみ出してしまうことがある。これらの場合、土台を基礎から外して、貫通孔を開け直す必要があるが、貫通孔にアンカーボルトが接触しているのに無理に押し込んだことにより、土台に予定外の力が加わっており、土台を基礎から外そうとしても容易に外せず、工具を使用しなければならず、手間と多大な労力とが必要となる。このような状況に特許文献1の技術では、対応することができない。
本考案は、アンカーボルトのいずれかの部分が土台の貫通孔に接触しているような状態で、その貫通孔をアンカーボルトと接触しないように、貫通孔を補正することができるアンカーボルト後施工用ドリルビットを提供することを目的とする。
本考案の一態様のドリルビットは、本体部を有している。本体部は、柱状体の一端部の中心から内部に柱状体の長さ方向に沿ってアンカーボルト挿入用の穴が形成されている。柱状部は、円柱状や多角柱状に形成することができる。穴は、アンカーボルトと非接触となる径を有することが望ましい。本体部の周面に長さ方向に沿って前記穴を外部に開放する開放溝が形成されている。開放溝の前記一端部側の端と、前記一端部との間の前記筒状部の周面に刃が形成されている。刃は、本体部の中心軸の回りの回転によって木材を切削する。開放溝を一端部まで延長し、その延長部分の両縁に刃を形成することもできる。本体部の他端部に回転力付与部が形成されている。回転力付与部には、手動力または電動力が供給される。前記アンカーボルトは、コンクリート基礎に植設されたものとすることができる。この場合、前記コンクリート基礎上に配置された木材製の土台に形成された貫通孔内にアンカーボルトは挿入される。
このように構成されたドリルビットでは、例えば土台に形成された貫通孔が傾斜しており、土台を基礎上に配置した場合、貫通孔の下部付近にアンカーボルトの根元が接触したり、貫通孔の上部付近にアンカーボルトの先端が接触したりしている状態で、このドリルビットのアンカーボルト挿入用の穴にアンカーボルトの先端を挿入し、回転力付与部に回転力を与えると、本体部が回転し、本体部先端の刃によってアンカーボルトの周囲に本体部の外形に相当する切削が行われる。この切削は、本体部の土台内への進行に従って基礎に向かって進み、やがて基礎まで進行する。切削された木くずは、開放溝から外部に排出される。この切削の進行によって、傾斜した貫通孔は、アンカーボルトと平行な空隙部分を有するものに修正される。修正された貫通孔では、アンカーボルトのいずれの部分も、貫通孔に接触することはない。従って、たとえアンカーボルトと貫通孔が接触していることにより、土台が基礎上に水平に配置されていない状態や土台の一部が基礎からはみだしている状態であっても、貫通孔をアンカーボルトと非接触に修正したことにより、容易に土台を基礎上に水平に配置することができる。
前記本体部は、土台の高さ寸法よりも長い長さ寸法を有するものとすることができる。この場合、前記筒状部の外周面における前記一端部から、前記土台の高さ寸法に対応する長さだけ離れた位置に、前記一端部が前記基礎に到達したことを示す指標を形成することもできる。指標は、異なる高さ寸法の土台に合わせて、複数設けることもできる。このように構成すると、指標の位置まで本体部を土台内に進入させることによって、容易に貫通孔を修正することができる。
以上のように、本考案によれば、土台に形成された貫通孔が傾斜していて、アンカーボルトが貫通孔のいずれかの場所で接触していても、アンカーボルトに接触しないように貫通孔を容易に修正することができ、たとえアンカーボルトと貫通孔との接触によって、土台が基礎上で水平になっていなくても、容易に土台を基礎上に水平配置することができるし、基礎から土台がはみ出していても、容易に基礎からはみ出していない状態に修正できる。
本考案によるアンカーボルト用ドリルビットの正面図、縦断正面図及び左側面図である。 図1のドリルビットによって貫通孔が修正される土台の部分省略平面図と縦断面図である。 図2の土台の図1のドリルビットによる修正開始状態を示す縦断面図である。 図2の土台の図1のドリルビットによる修正の途中の状態を示す縦断面図である。 修正が終了した土台の部分省略平面図と縦断面図である。 アンカーボルトによる土台の基板への固定状態を示す縦断面図である。
図6に示すようにコンクリート基礎2の上面に木材製の柱状の土台4を固定することがある。その場合、コンクリート製の基礎2の上面に垂直に植設したアンカーボルト6を、土台4に垂直に形成した貫通孔8内に挿通し、土台4の上面から貫通孔8内に挿通した固定具10をアンカーボルト6に螺合させる。固定具10は、土台4の上面と面一に接触するフランジ10aと、フランジ10aの中央から伸びる筒状の螺合部10bとを有しており、フランジ10aが土台4の上面と面一に接触するように、螺合部10bが貫通孔8内に挿入され、螺合部10bがアンカーボルト6と螺合する。事前に土台4に貫通孔8を形成するが、誤って図2(a)、(b)に示すように、傾斜した傾斜貫通孔8aを形成することがある。その場合、アンカーボルト6が傾斜した貫通孔8aに接触したり、図6に示した固定具10の螺合部10bを挿入するスペースが、アンカーボルト6の先端と傾斜した貫通孔8aの上面との間に存在しないことがある。図2(b)では、アンカーボルト6の根元と先端とで傾斜した貫通孔8aに接触している例を示している。図2(b)では、土台4は、基礎2上に水平に配置されているように描いてあるが、場合によっては、貫通孔8aとアンカーボルト6との接触により、土台4が基礎2に対して傾斜した状態となることもある。
これらの場合に、傾斜した貫通孔8aを修正するために使用するのが、本考案の1実施形態のアンカーボルト後施工用ドリルビットである。このドリルビットは、図1(a)に示すように、本体部12を有している。本体部12は、柱状、例えば概略円柱状に形成され、その外径寸法は、例えば固定具10の螺合部10bの外径に対応するものとされている。
本体部12の一方の端は、先端が細くなる円錐台状に形成され、その一方の端における中心を通って、他方の端に向かって図1(c)に示すように、ボルト挿通孔14が形成されている。このボルト挿通孔14の内径は、アンカーボルト6の外径よりも幾分大きく形成され、その長さは、アンカーボルト6の基礎2の上面から突出している長さよりも幾分長く形成されている。
また、本体部12の周面には、ボルト挿通孔14を外部に開放する開放溝16が形成されている。開放溝16は、本体部12の一方の端側から、他方の端側まで、ボルト挿通孔14の長さ方向に沿って形成された長孔状のものである。
この開放溝16における本体部12の一方の端側の端は、開放溝16の幅よりも狭い幅で、本体部12の一方の端まで直線状に切り開かれており、この切り開かれた両縁に刃18a、18bが形成されている。刃18a、18bの形状は、逃げ面を円錐面としたものである。
本体部12の他端部には、回転力付与部、例えばシャンク20が形成されている。シャンク20は、本体部12の外径よりも小径の円柱状のもので、抜け止め22が形成されている。シャンク20を電動ドリルのチャックに固定して、電動ドリルを回転させることによって、このドリルビットを使用する。
本体部12の周面における一端部から、土台4の規格の高さ寸法だけ離れた位置には、指標24aが周面を包囲して形成されている。また、土台4の異なる規格の土台の高さ寸法だけ一端部から離れた位置に、指標24bが周面を包囲して形成されている。
例えば図2に示すように、土台4に誤って傾斜貫通孔8aが形成された場合、図3に示すように挿通孔14内にアンカーボルト6を挿入可能な位置に本体部12を配置し、傾斜貫通孔8a内に、本体部12を回転させながら矢印で示すように降下させる。これによって、刃18a、18bによってアンカーボルト6の周囲の土台部4が切削され、木くずは開放溝14を介して外部に排出される。図4に示すように、指標24aが土台4の上面に達したとき、本体部12の先端が基礎2に到達しており、本体部12の外径に対応して直線状に孔18aが切削されている。その後、同図に矢印で示すように本体部12を上昇させる。これによって、図5に示すように傾斜した貫通孔8aは、アンカーボルト6と接触した部分が存在しない形状に修正される。その後、図示していないが、図6に示すと同様に、固定具10がアンカーボルト6の先端に取り付けられる。
このドリルビットによれば、誤って傾斜して土台4に形成された貫通孔8aに、アンカーボルト6がどのような位置で接触していても、アンカーボルト6が非接触の状態に貫通孔8aを修正することができる。従って、アンカーボルト6と貫通孔8aとの接触によって、土台4が基礎2上に水平に配置されていない状態や、土台4が基礎2から横方向にはみ出しているような状態を、アンカーボルト6と貫通孔8aとを非接触とすることによって容易に解消できる。
上記の実施形態のドリルビットでは、シャンク20を電動ドリルによって回転させるようにしたが、シャンク20に手動回転用のレバーを設け、このレバーを回転させることによって手動で、このドリルビットを回転させることもできる。また、本体部12は円柱状に形成したが、多角柱状に形成することもできる。また、高さ寸法の異なる土台4に対応するために、2つの指標24a、24bを設けたが、いずれか一方のみを設けることもできる。
2 基礎
4 土台
6 アンカーボルト
8 貫通孔
12 本体部
14 ボルト挿通孔
16 開放溝
18a 18b 刃

Claims (3)

  1. 柱状体の一端部の中心から内部に前記柱状体の長さ方向に沿ってアンカーボルト挿入用の穴が形成されている本体部と、
    前記本体部の周面に前記本体部の長さ方向に沿って形成され、前記穴を外部に開放する開放溝と、
    前記開放溝の前記一端部側の端と、前記一端部との間の前記本体部の周面に形成され、前記本体部の中心回りの回転によって木材を切削する刃と、
    前記本体部の他端部に形成された回転力付与部とを、
    有するアンカーボルト後施工用ドリルビット。
  2. 請求項1記載のアンカーボルト後施工用ドリルビットにおいて、
    前記アンカーボルトは、コンクリート基礎に植設され、前記コンクリート基礎上に配置された木材製の土台に形成された貫通孔内に挿入される
    アンカーボルト後施工用ドリルビット。
  3. 請求項2記載のアンカーボルト後施工用ドリルビットにおいて、前記本体部は、前記土台の高さ寸法よりも長い長さ寸法を有し、前記本体部の外周面における前記一端部から、前記土台の高さ寸法に対応する長さだけ離れた位置に、前記一端部が前記基礎に到達したことを示す指標が形成されているアンカーボルト後施工用ドリル。
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